JP3730799B2 - 液晶表示装置とその製造方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置とその製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、液晶表示装置では、薄型で、小型で、軽量で、低コストであることが重要な要素の一つとなっている。
このために、例えば、特開平６―３４７７８４号公報に記載されたような技術が用いられる。
【０００３】
図１０は、この技術の一例を説明する液晶表示装置の分解斜視図である。
この液晶表示装置は、上フレーム４１、液晶表示パネル４２、駆動回路基板４３、バックライト４５、下フレーム４６とを少なくとも有し、これらを積層し、上フレーム４１と下フレーム４６とを連結し固定している。そして、上フレーム４１と下フレーム４６とは、鉄、ステンレス、アルミニウムなどの薄板で形成され、構成部材間に必要に応じて適宜のスペーサ４７などを介在させて全体を密着させて積層し、一体として扱えるように固定保持している。
【０００４】
しかしながら、この手法では、上フレーム４１又は下フレーム４６は、アルミニウム等の金属部材で金型成形されており、多くの工程のプレス工程を経て形成されることからコストダウンはあまり望めない。また、上フレーム４１と下フレーム４６とを連結固定する際に、各構成部材間にはスペーサ４７などを設ける必要があり、この為、コストアップの要因につながり、更に、連結固定の方法も、ネジやカシメなどを用いるため、手間がかかるという欠点があった。
【０００５】
又、特開平９−２１４４７号公報には、図１１に示すように、下フレーム５１がポリカーボネートにより構成され、ポリカーボネートの表面にアクリル系などの接着剤を用いて、電磁シールド作用を有する金属箔５２を貼り付けることが開示されている。
この技術は、下フレーム５１が、ポリカーボネートで真空成形にて形成されていることから、液晶モジュールの下フレーム部材としての所定の機能が得られ、薄型化、小型化、軽量化、低コスト化等の一応の効果を達成している。
【０００６】
しかしながら、特開平９−２１４４７号公報は、特開平６−３４７７８４号公報における問題点の解決には至っていない。
即ち、上フレーム５３と下フレーム５１とを連結固定する際にスペーサ等の多くの部品を必要とし、又、上フレーム５３をステンレスなどの金属部材を用いて金型成形しており、十分なコストダウンが得られていない。
【０００７】
また、上フレーム５３と下フレーム５１を固定する方法も、上フレーム５３と下フレーム５１とを異なる材質の部材を用いていることから、連結固定することが困難で、更に、バラツキも大きいという欠点があった。この為、位置決め等の精度も高精度にする必要があり、コストダウンに限界があるという欠点があった。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記した従来技術の欠点を改良し、特に、薄型化、小型化、軽量化、低コスト化を可能ならしめた新規な液晶表示装置とその製造方法を提供するものである。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明は、本発明は上記した目的を達成するため、基本的には、以下に記載されたような技術構成を採用するものである。
【００１０】
本発明に係わる液晶表示装置の製造方法は、上フレームと下フレームとをＵ字部を介して連結し一体に成型すると共に、上フレーム及び下フレームは、樹脂材料を真空成型し、樹脂材料の表面に静電防止剤をコーティング処理する工程を有することを特徴とするものである。
【００１１】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる液晶表示装置とその製造方法は、図１乃至図６に示すように、フレーム１、液晶表示パネル２、バックライト１１とからなり、フレーム１を真空成形にて形成すると共に、フレーム１の中央部に、フレームの厚みと同一の厚みで、折り曲げが可能なＵ字部を設けたものである。そして、フレーム１の一方の側には、液晶表示パネル２の表示部に相当する表示窓が設けられ、他方の側には、バックライト１１の裏面形状に相当する絞り形状が設けられている。また、フレーム１端部近傍には、それぞれの折り曲げられた面同士を固定するためにエンボス形状１５が設けられている。エンボス形状１５は、凹凸の形状を形成し、互いに容易にはめ合わせることができ、液晶表示パネル２とバックライト１１が積層された状態で、フレーム１に固定することができるようになっている。
【００１２】
このフレーム１は、液晶表示パネル２の上面及びバックライト１１の下面を覆い、液晶表示装置の枠体を成し、一体として扱えるように固定保持する役目も有している。
従って、部品点数が少ない構成であるから、液晶表示装置を簡単に、しかも、短時間で組み立てることができ、液晶表示装置の薄型化、小型化、軽量化、低コスト化が図られる。
【００１３】
また、フレーム１の表面を静電防止剤でコーティングすることで、組立等の際、液晶表示装置の帯電性を低減させることができ、このため、液晶表示装置の歩留まりを向上させている。
【００１４】
【実施例】
以下に、本発明に係わる液晶表示装置とその製造方法の具体例を図面を参照しながら詳細に説明する。
（第１の具体例）
図１は、本発明に係わる液晶表示装置とその製造方法の第１の具体例の構造を示す図であって、これらの図には、
液晶表示パネル２を、表示窓１ａを備えた上フレーム１Ａと下フレーム１Ｂとで挟持する液晶表示装置において、
前記上フレーム１Ａと下フレーム１ＢとをＵ字部１３を介して連結し、前記一方のフレームの端部近傍に第１の凸部１５ａを形成すると共に、他方のフレームの端部近傍に前記第１の凸部１５ａ内側に嵌合せしめる第２の凸部１５ｂを形成し、且つ、前記第１の凸部１５ａの突出方向と第２の凸部１５ｂの突出方向とを互いに異なるように形成したことを特徴とする液晶表示装置が示され、
又、液晶表示パネル２を中間フレーム１０を用いて、表示窓１ａを備えた上フレーム１Ａと下フレーム１Ｂとで挟持する液晶表示装置において、
前記上フレーム１Ａ又は下フレーム１Ｂの何れか一方のフレームの端部近傍に凸部１５ａを形成すると共に、前記中間フレーム１０の端部近傍に前記第１の凸部１５ａと嵌合する凹部１０ａを形成し、前記中間フレーム１０を前記フレーム１Ａ（１Ｂ）に固定することで、前記上フレーム１Ａ又は下フレーム１Ｂに前記液晶表示パネル２を固定することを特徴とする液晶表示装置が示され、
又、液晶表示パネル２を中間フレーム１０を用いて、表示窓１ａを備えた上フレーム１Ａと下フレーム１Ｂとで挟持する液晶表示装置において、
前記上フレーム１Ａ又は下フレーム１Ｂに、前記液晶表示パネル２又は中間フレーム１０を固定するための段絞り部１４を形成し、この段絞り部１４を前記液晶表示パネル２又は中間フレーム１０に当接させることで、前記段絞り部１４で前記液晶表示パネル２又は中間フレーム１０を支持するように構成した液晶表示装置が示されている。
以下に、第１の具体例を更に詳細に説明する。
【００１５】
図１は、第１の具体例の液晶表示装置の分解斜視図、図２と図５とは、図１に於けるＡ−Ａ断面図、図３はＢ−Ｂ断面図、図４、６はＣ−Ｃ断面図である。
図１に示すように、液晶表示装置は、上フレーム１Ａと上フレーム１Ｂとからなる一体型のフレーム１と、液晶表示パネル２と、光源８と光源反射部材９と導光板７と光拡散板６とからなるバックライト１１とで構成されている。液晶表示パネル２には、少なくとも液晶駆動用ＩＣ４を搭載したＴＣＰ（Ｔａｐｅ Ｃａｒｒｉｅｒ Ｐａｃｋａｇｅ）５と駆動用回路基板３とが実装されている。この液晶表示パネル２では、外部機器から入力される画像データに基づき、制御信号を液晶表示パネル２に出力し、液晶素子の制御を行う。バックライト１１は、光拡散板６と、面光源となる楔形状の導光板７と、導光板７の側面に平行に配設された線状の光源８と、この光源８を覆う如く配設される光反射部材９と、これらを搭載する中間フレーム１０とを少なくとも有している。光源８へ外部電源より電力が供給されることにより、光源８が点灯する。光源８が点灯すると、その光は、光源反射部材９により導光板７に入射し、更に、光拡散板６を介して液晶表示パネル２の裏面に放射される。これにより、液晶表示パネル２の表面には、バックライト１１より入射される光によって、画像が表示される。
【００１６】
又、上フレーム１Ａと上フレーム１Ｂとからなるフレーム１は、ポリカーボネート材料などの薄板の樹脂材料を真空成形することで、フレーム１に折り曲げが可能な形状にすることが出来る。この際、樹脂材料の表面に静電防止剤をコーティング処理する。真空成形によって形成される形状は、図２に示すように、断面がＵ字形をした溝１３（以下、Ｕ溝部又はＵ字部）もしくは、それに近い形状にすることにより、図２に示すようにＵ溝部１３の中心を基準に１８０゜折り返すことが出来る。Ｕ溝部１３を境に折り返される上フレーム１Ａと上フレーム１Ｂとの各々の面には、それぞれ液晶表示装置の取付部１２が設けられている。また、上フレーム１Ａには、液晶表示パネル２の表示部に相当する表示窓１ａが空けられ、更に、図３に示すように、その周囲には、液晶表示パネル２や駆動回路基板３、ＴＣＰ５などを押さえつける凸状の段絞り部１４が設けられている。下フレーム１Ｂには、図４に示すようにバックライト１１の裏面形状に相当する絞り部が設けられて、バックライト１１の裏面を覆い、バックライト１１の保護、保持を行う。液晶表示装置２に接続されたＴＣＰ５は、バックライト１１の裏面に折り曲げられ、ＴＣＰ５と駆動回路基板３がバックライト１１の裏面上に形成される場合でも、図６に示すように、下フレーム１Ｂの形状を変えることで、ＴＣＰ５、駆動回路基板３を保持、保護することも出来る。
【００１７】
図１及び図２に示すようにフレーム１の端部近傍には、Ｕ溝部１３を境に折り曲げられた上フレーム１Ａ、下フレーム１Ｂを固定する為に凹凸状の円柱の絞り（以後、エンボス形状という）１５ａ、１５ｂが設けられており、エンボス形状１５は雄雌の凹凸形状を形成し、互いにはめ合わせることが出来るように形成している。エンボス形状１５は、液晶表示装置の取付部１２に設けることも可能である。また、図５のように、フレーム１のエンボス形状１５を凸形状にし、中間フレーム１０に凹状の溝１０ａを設けて、中間フレーム１０をフレーム１に結合することも出来る。また、エンボス形状１５の形によって、中間フレーム１０には穴を設け、中間フレーム１０を互いに折り返された上フレーム１Ａと下フレーム１Ｂとで、挟み込んで結合することも可能である。
【００１８】
フレーム１は、液晶表示パネル２とバックライト１１が積層された状態でフレーム１に容易に組み立てることができ、ネジなども使う必要がなく、組立性の簡便化、リペア性の向上が図られ、液晶表示装置のコストダウンの効果が得られる。
また、フレーム１をＵ溝部１３を介して液晶表示装置の表面（上フレーム１Ａ）と裏面（下フレーム１Ｂ）とを一体化したことによって、フレーム１の液晶表示パネル２の上面に覆われる側とバックライト１１の下面に覆われる側との位置精度が高精度になり、組立のばらつきが少なくなり、信頼性が向上する。
【００１９】
さらに、フレーム１に段絞り部１４を形成することで、部材の押さえ用に用いていた弾力性のクッションゴム等が不要になり、部品点数の削減によるコストダウンや、フレーム１自体を簡単な真空成形で加工できることから、高価な金型も必要なく、液晶表示装置のコストダウンが図られ、又、フレーム１に静電防止剤をコーティングすることで、液晶モジュールの帯電性を低減でき、液晶表示装置の歩留まりの向上が図られる。
【００２０】
（第２の具体例）
第１の具体例では、液晶表示装置のフレーム表面に静電防止加工を施し、歩留まりの向上を図ったが、その他の用途にも対応することが出来る。その構成を図７に示す。なお、液晶表示装置の構成は、図１と同様である。
第２の具体例では、図７に示すように、フレーム２１の表面にスクリーン印刷によって、金属の層２２を設けている。この金属の層２２の種類としては、銅、アルミ、ニッケルなどが好適である。フレーム２１の表面に設けられた金属の層２２により、フレーム２１は、駆動回路基板２３より放出されるノイズを削減する効果を得ることが出来る。
【００２１】
（第３の具体例）
図８，９は、本発明の液晶表示装置の第３の具体例の分解斜視図であり、図９は、図８の部分拡大図である。第３の具体例の構成も、第１の具体例の構成と同様である。
この具体例では、上フレームと下フレームとからなるフレーム３１に第２の具体例と同様に、スクリーン印刷によって、金属の層３４を設けている。ただし、金属の層（パターン）３４は、１mm程度の細さの線を成している。この金属の線は、基板のパターンと同様に、金、銀、白金などが使われる。また、このとき液晶表示パネル３２に取り付けられる駆動回路基板３３には、金属製のバネ３５、もしくは、導通性のあるクッション材が取り付けられており、組立時にフレーム３１と接するような位置に配置されている。これにより、フレーム３１の金属の層３４と駆動回路基板３３上の金属のバネ３５とは、導通状態になる。従って、駆動回路基板３３のパターンをフレーム３１上に形成することが可能になり、他の駆動回路基板３６との電気的接続や配線パターンの追加などが可能になる。フレーム３１上のパターンは、パターン同士が交差しない限り、複数設けることが出来る。駆動回路基板３３が、バックライト３７の裏面に配置される場合でも、フレーム３１を介して接続することが出来るので、裏面との電気的接続も可能になる。
【００２２】
これにより、駆動回路基板３３の配線パターンを簡潔にすることができ、駆動回路基板３３の小型化、コストダウンが可能になる。また、駆動回路基板３３同士を接続するために必要なケーブルも削減でき、コストダウン、組立性の簡略化が図れる。
なお、前記第１乃至第３の具体例において、凸部を凹部にし、凹部を凸部に変更しても、本発明の目的を達成することが出来る。
【００２３】
【発明の効果】
本発明に係わる液晶表示装置とその製造方法は、上述のように構成したので、薄型化、小型化、軽量化、低コスト化を図ることが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係わる液晶表示装置の第１の具体例の分解斜視図である。
【図２】図１のＡ−Ａ断面図である。
【図３】図１のＢ−Ｂ断面図である。
【図４】図１のＣ−Ｃ断面図である。
【図５】第１の具体例の変形例である。
【図６】図１のＣ−Ｃ断面図である。
【図７】本発明の第２の具体例の分解斜視図である。
【図８】本発明の第３の具体例の分解斜視図である。
【図９】第３の具体例の一部分を拡大した斜視図である。
【図１０】従来例の分解斜視図である。
【図１１】他の従来例の分解斜視図である。
【符号の説明】
１、２１、３１ フレーム
１Ａ 上フレーム
１Ｂ 下フレーム
１ａ 表示窓
２、３２ 液晶表示パネル
３、２３、３３ 駆動回路基板
４ 液晶駆動用ＩＣ
５ ＴＣＰ
６ 光拡散板
７ 導光板
８ 光源
９ 光源反射部材
１０ 中間フレーム
１０ａ 凹部
１１、３７ バックライト
１２ 取付部
１３ 溝（Ｕ溝部、又は、Ｕ字部）
１４ 段絞り部
１５ 絞り（エンボス形状）
２２、３４ 金属層
３５ 金属のバネ
３６ 他の駆動回路基板

Claims (1)

1. 液晶表示パネルを、表示窓を備えた上フレームと下フレームとで挟持した液晶表示装置の製造方法であって、
   前記上フレームと下フレームとをＵ字部を介して連結し一体に成型すると共に、前記上フレーム及び下フレームは、樹脂材料を真空成型し、前記樹脂材料の表面に静電防止剤をコーティング処理する工程を有することを特徴とする液晶表示装置の製造方法。

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