JP3729314B2 - 赤外線吸収フィルタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学フィルタに関するもので、特に可視光線領域に透過率が高く、赤外線を遮断する光学フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、熱線吸収フィルタや、ビデオカメラ視感度補正用フィルター、等には次に示されるような物が広く使われてきた。
(1)燐酸系ガラスに、銅や鉄などの金属イオンを含有したフィルター(特開昭60−235740、特開昭62−153144など)
(2)基板上に屈折率の異なる層を積層し、透過光を干渉させることで特定の波長を透過させる干渉フィルター(特開昭55−21091、特開昭59−184745など)
(3)共重合体に銅イオンを含有するアクリル系樹脂フィルター(特開平6−324213)
(4)バインダー樹脂に色素を分散した構成のフィルター(特開昭57−21458、特開昭57−198413、特開昭60−43605など)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記の従来使用されてきた赤外線吸収フィルタには、それぞれ以下に示すような問題点がある。
前述(1)の方式では近赤外領域に急峻に吸収が有り、赤外線遮断率は非常に良好であるが、可視領域の赤色の一部も大きく吸収してしまい、透過色は青色に見える。ディスプレー用途では色バランスを重視され、このような場合、使用するのに困難である。また、ガラスであるために加工性にも問題がある。
前述(2)の方式の場合、光学特性は自由に設計でき、ほぼ設計と同等のフィルタを製造することが可能であるが、その為には、屈折率差のある層の積層枚数が非常に多くなり、製造コストが高くなる欠点がある。また、大面積を必要とする場合、全面積にわたって高い精度の膜厚均一性が要求され、製造が困難である。
前記(3)の方式の場合、(1)の方式の加工性は改善される。しかし(1)方式と同様に、急峻な吸収特性が有るが、やはり、赤色部分にも吸収が有りフィルタが青く見えてしまう問題点は変らない。
前記(4)の方式は、赤外線吸収色素として、フタロシアニン系、ニッケル錯体系、アゾ化合物、ポリメチン系、ジフェニルメタン系、トリフェニルメタン系、キノン系、など多くの色素が持ちいれれている。しかし、それぞれ単独では、吸収が不十分であったり、可視領域で特定の波長の吸収が有るなどの問題点を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、近赤外領域に急峻な吸収があり、可視領域の光透過性が高く、且つ、可視領域に特定波長の大きな吸収を持つことがなく、また、耐候性が良好で、更に、加工性及び生産性の良好な近赤外線吸収フィルタを提供する物である。即ち本発明は、分子が会合体状態で、波長750nm から1100nmに吸収域をもつ赤外線吸収剤が、20〜1000eq/tonの範囲でイオン性基を含有するポリエステル樹脂中に分散されている赤外線吸収層を含むことを特徴とする赤外線吸収フィルタである。また本発明のバインダーである該ポリエステル樹脂は、比重が1.05〜1.35の範囲にあり、ガラス転移温度が45℃以上であることが望ましい。さらに本発明に用いる該ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸類と多価アルコ−ル類からなる。ポリエステル樹脂に用いられる多価カルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェン酸、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジカルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル酸、スルホテレフタル酸、およびまたはそれらの金属塩、アンモニウム塩などの芳香族ジカルボン酸、p−オキシ安息香酸p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸などの芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等の不飽和脂肪族、および、脂環族ジカルボン酸等を、また多価カルボン酸としては他にトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸等を例示できる。
【0005】
ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコ−ル類としては脂肪族多価アルコ−ル類、脂環族多価アルコ−ル類、芳香族多価アルコ−ル類等を例示できる。
脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレングリコ−ル等の脂肪族ジオ−ル類、トリメチロ−ルエタン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエルスリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル類等を例示できる。
【0006】
脂環族多価アルコ−ル類としては1,4−シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメタノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ルA、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカンジオ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ル等を例示できる。
芳香族多価アルコ−ル類としてはパラキシレングリコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加物およびプロピレンオキサイド付加物等を例示できる。
【0007】
さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られる、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示することができる。
これらの他、ポリエステル高分子末端の極性基を封鎖する目的にて単官能単量体がポリエステルに導入される場合がある。
単官能単量体としては、安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキシ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、n-ドデシルアミノカルボニル安息香酸、タ−シャルブチル安息香酸、ナフタレンカルボン酸、4−メチル安息香酸、3メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、およびこれらの低級アルキルエステル、等のモノカルボン酸類、あるいは脂肪族アルコ−ル、芳香族アルコ−ル、脂環族アルコ−ル等のモノアルコ−ルを用いることができる。
【0008】
本発明においてはこれらのうち不飽和単量体を必須成分とし、他の成分はポリエステル樹脂のガラス転移温度、モノマ−との相溶性、等により適宜選択される。
【0009】
ポリエステルに導入されるイオン性基としては、スルホン酸アルカリ金属塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有するモノあるいはジカルボン酸等を好ましく用いることができるほか、例えばカルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカルボン酸アンモニウム塩基を有する単量体、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、金属塩等のアニオン性基、または第1級ないし第3級アミン基等のカチオン性基単量体などをもちいることができる。
【0010】
カルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカルボン酸アンモニウム塩基を導入する場合には、ポリエステルの重合末期にトリメリット酸等の多価カルボン酸を系内に導入することにより高分子末端にカルボキシル基を付加し、さらにこれをアンモニア、水酸化ナトリウム等にて中和することによりカルボン酸塩の基に交換する方法を用いることができる。
また、スルホン酸アルカリ金属塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有するモノあるいはジカルボン酸を含有することによりこれらのイオン性基をポリエステル樹脂に導入することができる。塩としてはアンモニウム系イオン、Li、Na、K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩があげられ、特に好ましいものはK塩またはNa塩である。本発明では5−ナトリウムスルホイソフタル酸、あるいはメタナトリウムスルホ安息香酸を用いることが好ましい。またカルボン酸塩の基とスルホン酸塩の基を使用しても良い。
【0011】
本発明におけるポリエステル樹脂のより具体的な例として、以下に示される。
a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、
b)エチレングリコ−ル0〜90mol%、プロピレングリコ−ル100〜10mol%とから得られるポリエステル樹脂、または
a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、
b)2,3−ブタンジオ−ル5〜80mol%、エチレングリコ−ル20〜95mol%とから得られるポリエステル樹脂、または
a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、
b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、
c)トリシクロデカン骨格を有するモノあるいは多価アルコ−ル類5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂、または
a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、
b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、
c)ヒドロキシメチルトリシクロデカン5〜30mol%
とから得られるポリエステル樹脂、または
【0012】
a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、
b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、
c)トリシクロデカンジメタノ−ル5〜30mol%
とから得られるポリエステル樹脂、または
a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、
b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、
c)シクロヘキサン骨格を有するモノあるいは多価アルコ−ル類5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂、または
a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、
b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、
c)シクロヘキサンジオ−ル5〜30mol%
とから得られるポリエステル樹脂、または
a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、
b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、
c)水添ビフェノ−ル5〜30mol%
とから得られるポリエステル樹脂、または
【0013】
a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、
b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、
c)水添ビスフェノ−ルA5〜30mol%
とから得られるポリエステル樹脂、または
a)ナフタレン骨格を有するモノあるいは二価以上のカルボン酸1〜20mol%を含む芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン酸類、と、
b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜100mol%、
c)脂環族系単量体0〜30mol%を含有する多価アルコ−ル類、
とから得られるポリエステル樹脂等を例示することができる。
さらに、ここに示される、「a)芳香族系単量体」はテレフタル酸あるいはイソフタル酸であることが好ましい。テレフタル酸とイソフタル酸の比率は、テレフタル酸含有率/イソフタル酸含有率=90〜40/10〜60[mol%]が好ましく、さらに、テレフタル酸含有率/イソフタル酸含有率=80〜50/20〜50[mol%]、またさらにテレフタル酸含有率/イソフタル酸含有率=85〜60/15〜40[mol%]が好ましい。
【0014】
イオン性基含有単量体をポリエステル樹脂に導入し、ポリエステル樹脂にイオン性基を与えた場合、ポリエステル樹脂が水分散性を発現する。イオン性基含有単量体としては前述したスルホン酸アルカリ金属塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有するモノあるいはジカルボン酸等を好ましく用いることができるほか、例えばカルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカルボン酸アンモニウム塩基を有する単量体、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、金属塩等のアニオン性基、または第1級ないし第3級アミン基等のカチオン性基単量体などをもちいることができる。
カルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカルボン酸アンモニウム塩基を導入する場合には、ポリエステルの重合末期にトリメリット酸等の多価カルボン酸を系内に導入することにより高分子末端にカルボキシル基を付加し、さらにこれをアンモニア、水酸化ナトリウム等にて中和することによりカルボン酸塩の基に交換する方法を用いることができる。
【0015】
これらイオン性基の含有量は、スルホン酸基およびまたはその塩の基をふくめ、該ポリエステル樹脂に対し、20〜1000eq/ton、好ましくは20〜500eq/ton、なお好ましくは50〜200eq/ton、である。これを透明基材上にコーティングした構成が良い。
【0016】
また、本発明においては、該ポリエステル樹脂中に該会合体の色調を補正するための油溶性色素を含有するのが好ましい。これによって、赤外線吸収フィルムの色調を容易に制御することが可能となる。
さらに、本発明において、赤外線吸収色素を分散したバインダーを基材にコーティングする場合に用いる、透明基材としても、特に限定される物ではないが、ポリエステル系、アクリル系、セルロース系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、ポリカーボネート、フェノール系、ウレタン系樹脂などが挙げられるが、特に好ましくは、分散安定性、環境負荷などの観点から、ポリエステル系樹脂が好ましい。
【0017】
本発明赤外線吸収フィルタでは、耐光性を向上させる目的で、UV吸収剤、ないしは、酸化防止剤等を添加したものが好ましい。
また、本発明赤外線吸収フィルタでは、必要に応じて更に色素を混合しても良い。
【0018】
【実施例1】
分散媒となるベースポリエステルを以下の要領で製作した。
温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−ブ中に、
ジメチルテレフタレ−ト 130重量部、
ジメチルイソフタレ−ト 56重量部、
5ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル 6重量部、
エチレングリコ−ル 159重量部、
ネオペンチルグリコール 268重量部、
テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、
を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステル交換反応を行った。ついで反応系を240℃まで昇温し、系の圧力1〜10mmHgとして60分間反応を続けた結果、共重合ポリエステル樹脂を得た。
次に、得られたポリエステル樹脂100重量部、メチルエチルケトン175重量部、テトラヒドロフラン175重量部、色調調整用染料 イーエクスカラー IR1 (日本触媒社製)10重量部、を80℃にて溶解した後80℃の水600部を添加し、粒子径約0.33μmの共重合ポリエステル樹脂の水系着色ミクロ分散体を得た。
得られた着色水分散体50重量部に、赤外線吸収剤である色素会合体水分散液 IRF168(富士写真フィルム社製)3重量部と、高沸点溶剤(エチレングリコールもモノブチルエーテル)5重量部を常温で混合しコート液とした。
次にこのコート液を高透明性ポリエステルフィルム基材(東洋紡績製 コスモシャインA4100)に、ギャップが100μmのアプリケーターを用いてコーティングし、乾燥温度約90℃で1時間乾燥させた。コーティング厚さは約25μmであった。得られた赤外線吸収フィルムは、目視での色目はダークグレーであった。また、図1にその分光特性を示す。図1に示すように、波長400nmから650nmまでの可視領域においては吸収が平らで、波長700nm以上では急峻に吸収があるフィルムが得られた。
得られたフィルムを60℃95%雰囲気中に500hr放置し、再度分光特性を測定したところ図2のようになり、その分光特性はほとんど変化しないことが分かった。
【0019】
【比較例1】
ベースポリマーとして東洋紡績製バイロンRV200 (比重1.26、ガラス転移温度67℃)を用いて表1に示すような組成で、赤外線吸収色素とバインダー樹脂、溶剤を、フラスコにいれ、加熱しながら攪拌し、色素及びバインダー樹脂を溶解した。次に溶解した樹脂を高透明性ポリエステルフィルム基材(東洋紡績製 コスモシャインA4100)に、ギャップが100μmのアプリケーターを用いてコーティングし、乾燥温度約90℃で1時間乾燥させた。コーティング厚さは約25μmであった。得られた赤外線吸収フィルムは、目視での色目はダークグレーであった。また、図3にその分光特性を示す。図3に示すように、波長400nmから650nmまでの可視領域においては吸収が平らで、波長700nm以上では急峻に吸収があるフィルムが得られた。
得られたフィルムを60℃95%雰囲気中に500hr放置し、再度分光特性を測定したところ図4のようになり、見た目が緑色に変化し、近赤外吸収特性は極めて悪くなってしまっていた。
【0020】
【表1】
Figure 0003729314
【0021】
【発明の効果】
近赤外線領域に広く吸収を持ち、かつ、可視領域の透過率が高く、特定の可視領域波長を大きく吸収することのない赤外線吸収フィルターが得られ、ビデオカメラ、ディスプレーなどに使用しても色ずれが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られた赤外線吸収フィルタの分光特性を示す。
【図2】図2は実施例1で得られた赤外線吸収スペクトルの耐久テスト後の分光特性を示す。
【図3】図3は比較例1で得られた赤外線吸収フィルタの分光特性を示す。
【図4】図4は比較例1で得られた赤外線吸収フィルタの耐久テスト後の分光特性を示す。

Claims (6)

  1. 分子が会合体状態で、波長750nm から1100nmに吸収域をもつ赤外線吸収剤が、20〜1000eq/tonの範囲でイオン性基を含有するポリエステル樹脂中に分散されている赤外線吸収層を含むことを特徴とする赤外線吸収フィルタ。
  2. 請求項記載のポリエステル樹脂中に、前記会合体の色調を補正するための油溶性色素を含有することを特徴とする赤外線吸収フィルタ
  3. 請求項1または2記載の赤外線吸収フィルタが、該赤外線吸収層を透明基材上にコーティングした構成からなることを特徴とする赤外線吸収フィルタ。
  4. 請求項3記載の透明基材がポリエステルフィルムであることを特徴とする赤外線吸収フィルタ。
  5. 前記ポリエステル樹脂は、比重が1.05〜1.35の範囲にあり、ガラス転移温度が45℃以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の赤外線吸収フィルタ。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の赤外線吸収フィルタを用いたプラズマディスプレー用フィルタ。
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