JP2000121828A - 赤外線吸収フィルタ - Google Patents

赤外線吸収フィルタ

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、近赤外領域に急峻な吸収があり、可
視領域の光透過性が高く、且つ、可視領域に特定の吸収
を持つことがなく、また、耐候性が良好で、更に、加工
性及び生産性の良好な近赤外線吸収フィルタを提供する
物である。 【解決手段】分子が会合体状態で、波長750nm から1100
nmに吸収域をもつ物質を含有することを特徴とする赤外
線吸収フィルタ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学フィルタに関
するもので、特に可視光線領域に透過率が高く、赤外線
を遮断する光学フィルタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、熱線吸収フィルタや、ビデオカメ
ラ視感度補正用フィルター、等には次に示されるような
物が広く使われてきた。 (1)燐酸系ガラスに、銅や鉄などの金属イオンを含有
したフィルター(特開昭60−235740、特開昭6
2−153144など) (2)基板上に屈折率の異なる層を積層し、透過光を干
渉させることで特定の波長を透過させる干渉フィルター
(特開昭55−21091、特開昭59−184745
など) (3)共重合体に銅イオンを含有するアクリル系樹脂フ
ィルター(特開平6−324213) (4)バインダー樹脂に色素を分散した構成のフィルタ
ー(特開昭57−21458、特開昭57−19841
3、特開昭60−43605など)
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来使用されて
きた赤外線吸収フィルタには、それぞれ以下に示すよう
な問題点がある。前述(1)の方式では近赤外領域に急
峻に吸収が有り、赤外線遮断率は非常に良好であるが、
可視領域の赤色の一部も大きく吸収してしまい、透過色
は青色に見える。ディスプレー用途では色バランスを重
視され、このような場合、使用するのに困難である。ま
た、ガラスであるために加工性にも問題がある。前述
(2)の方式の場合、光学特性は自由に設計でき、ほぼ
設計と同等のフィルタを製造することが可能であるが、
その為には、屈折率差のある層の積層枚数が非常に多く
なり、製造コストが高くなる欠点がある。また、大面積
を必要とする場合、全面積にわたって高い精度の膜厚均
一性が要求され、製造が困難である。前記(3)の方式
の場合、(1)の方式の加工性は改善される。しかし
(1)方式と同様に、急峻な吸収特性が有るが、やは
り、赤色部分にも吸収が有りフィルタが青く見えてしま
う問題点は変らない。前記(4)の方式は、赤外線吸収
色素として、フタロシアニン系、ニッケル錯体系、アゾ
化合物、ポリメチン系、ジフェニルメタン系、トリフェ
ニルメタン系、キノン系、など多くの色素が持ちいれれ
ている。しかし、それぞれ単独では、吸収が不十分であ
ったり、可視領域で特定の波長の吸収が有るなどの問題
点を有している。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、近赤外領域に
急峻な吸収があり、可視領域の光透過性が高く、且つ、
可視領域に特定波長の大きな吸収を持つことがなく、ま
た、耐候性が良好で、更に、加工性及び生産性の良好な
近赤外線吸収フィルタを提供する物である。即ち本発明
は、分子が会合体状態で、波長750nm から1100nmに吸収
域をもつ物質を含有することを特徴とする赤外線吸収フ
ィルタである。また、本発明では、会合体が20〜10
00eq/tonの範囲でイオン性基を含有するポリエ
ステル樹脂中に分散されていることが望ましい。さら
に、本発明のバインダーである該ポリエステル樹脂は、
比重が1.05〜1.35の範囲にあり、ガラス転移温
度が45℃以上であることが望ましい。さらに本発明に
用いる該ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸類と多価
アルコ−ル類からなる。ポリエステル樹脂に用いられる
多価カルボン酸類としては、例えば、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、オルソフタル酸、1,5−ナフタルレンジ
カルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ジフェ
ン酸、スルホテレフタル酸、5−スルホイソフタル酸、
4−スルホフタル酸、4−スルホナフタレン−2,7ジ
カルボン酸、5〔4−スルホフェノキシ〕イソフタル
酸、スルホテレフタル酸、およびまたはそれらの金属
塩、アンモニウム塩などの芳香族ジカルボン酸、p−オ
キシ安息香酸p−(ヒドロキシエトキシ)安息香酸など
の芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸等の脂
肪族ジカルボン酸、フマ−ル酸、マレイン酸、イタコン
酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸、等
の不飽和脂肪族、および、脂環族ジカルボン酸等を、ま
た多価カルボン酸としては他にトリメリット酸、トリメ
シン酸、ピロメリット酸等の三価以上の多価カルボン酸
等を例示できる。
【0005】ポリエステル樹脂に用いられる多価アルコ
−ル類としては脂肪族多価アルコ−ル類、脂環族多価ア
ルコ−ル類、芳香族多価アルコ−ル類等を例示できる。
脂肪族多価アルコ−ル類としては、エチレングリコ−
ル、プロピレングリコ−ル、1,3−プロパンジオ−
ル、2,3−ブタンジオ−ル、1,4−ブタンジオ−
ル、1,5−ペンタンジオ−ル、1,6−ヘキサンジオ
−ル、ネオペンチルグリコ−ル、ジエチレングリコ−
ル、ジプロピレングリコ−ル、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオ−ル、ポリエチレングリコ−
ル、ポリプロピレングリコ−ル、ポリテトラメチレング
リコ−ル等の脂肪族ジオ−ル類、トリメチロ−ルエタ
ン、トリメチロ−ルプロパン、グリセリン、ペンタエル
スリト−ル等のトリオ−ルおよびテトラオ−ル類等を例
示できる。
【0006】脂環族多価アルコ−ル類としては1,4−
シクロヘキサンジオ−ル、1,4−シクロヘキサンジメ
タノ−ル、スピログリコ−ル、水素化ビスフェノ−ル
A、水素化ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド付加
物およびプロピレンオキサイド付加物、トリシクロデカ
ンジオ−ル、トリシクロデカンジメタノ−ル等を例示で
きる。芳香族多価アルコ−ル類としてはパラキシレング
リコ−ル、メタキシレングリコ−ル、オルトキシレング
リコ−ル、1,4−フェニレングリコ−ル、1,4−フ
ェニレングリコ−ルのエチレンオキサイド付加物、ビス
フェノ−ルA、ビスフェノ−ルAのエチレンオキサイド
付加物およびプロピレンオキサイド付加物等を例示でき
る。
【0007】さらにポリエステルポリオ−ルとして、ε
−カプロラクトン等のラクトン類を開環重合して得られ
る、ラクトン系ポリエステルポリオ−ル類等を例示する
ことができる。これらの他、ポリエステル高分子末端の
極性基を封鎖する目的にて単官能単量体がポリエステル
に導入される場合がある。単官能単量体としては、安息
香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、パラヒドロキ
シ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スル
ホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカ
ルボニル安息香酸、n-ドデシルアミノカルボニル安息香
酸、タ−シャルブチル安息香酸、ナフタレンカルボン
酸、4−メチル安息香酸、3メチル安息香酸、サリチル
酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル
酸、ステアリル酸、およびこれらの低級アルキルエステ
ル、等のモノカルボン酸類、あるいは脂肪族アルコ−
ル、芳香族アルコ−ル、脂環族アルコ−ル等のモノアル
コ−ルを用いることができる。
【0008】本発明においてはこれらのうち不飽和単量
体を必須成分とし、他の成分はポリエステル樹脂のガラ
ス転移温度、モノマ−との相溶性、等により適宜選択さ
れる。
【0009】ポリエステルに導入されるイオン性基とし
ては、スルホン酸アルカリ金属塩基あるいはスルホン酸
アンモニウム塩基を有するモノあるいはジカルボン酸等
を好ましく用いることができるほか、例えばカルボン酸
アルカリ金属塩基あるいはカルボン酸アンモニウム塩基
を有する単量体、硫酸基、リン酸基、ホスホン酸基、ホ
スフィン酸基もしくはそれらのアンモニウム塩、金属塩
等のアニオン性基、または第1級ないし第3級アミン基
等のカチオン性基単量体などをもちいることができる。
【0010】カルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカル
ボン酸アンモニウム塩基を導入する場合には、ポリエス
テルの重合末期にトリメリット酸等の多価カルボン酸を
系内に導入することにより高分子末端にカルボキシル基
を付加し、さらにこれをアンモニア、水酸化ナトリウム
等にて中和することによりカルボン酸塩の基に交換する
方法を用いることができる。また、スルホン酸アルカリ
金属塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有する
モノあるいはジカルボン酸を含有することによりこれら
のイオン性基をポリエステル樹脂に導入することができ
る。塩としてはアンモニウム系イオン、Li、Na、
K、Mg、Ca、Cu、Fe等の塩があげられ、特に好
ましいものはK塩またはNa塩である。本発明では5−
ナトリウムスルホイソフタル酸、あるいはメタナトリウ
ムスルホ安息香酸を用いることが好ましい。またカルボ
ン酸塩の基とスルホン酸塩の基を使用しても良い。
【0011】本発明におけるポリエステル樹脂のより具
体的な例として、以下に示される。 a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)エチレングリコ−ル0〜90mol%、プロピレングリコ
−ル100〜10mol%とから得られるポリエステル樹
脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)2,3−ブタンジオ−ル5〜80mol%、エチレングリ
コ−ル20〜95mol%とから得られるポリエステル樹
脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)トリシクロデカン骨格を有するモノあるいは多価アル
コ−ル類5〜30mol%とから得られるポリエステル樹
脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)ヒドロキシメチルトリシクロデカン5〜30mol%とか
ら得られるポリエステル樹脂、または
【0012】a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する
多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)トリシクロデカンジメタノ−ル5〜30mol%とから得
られるポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)シクロヘキサン骨格を有するモノあるいは多価アルコ
−ル類5〜30mol%とから得られるポリエステル樹脂、
または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)シクロヘキサンジオ−ル5〜30mol%とから得られる
ポリエステル樹脂、または a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する多価カルボン
酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)水添ビフェノ−ル5〜30mol%とから得られるポリエ
ステル樹脂、または
【0013】a)芳香族系単量体を80mol%以上含有する
多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜95mol%、 c)水添ビスフェノ−ルA5〜30mol%とから得られるポ
リエステル樹脂、または a)ナフタレン骨格を有するモノあるいは二価以上のカル
ボン酸1〜20mol%を含む芳香族系単量体を80mol%以
上含有する多価カルボン酸類、と、 b)C2 〜C4 の脂肪族系グリコ−ル類70〜100mol
%、 c)脂環族系単量体0〜30mol%を含有する多価アルコ−
ル類、とから得られるポリエステル樹脂等を例示するこ
とができる。さらに、ここに示される、「a)芳香族系単
量体」はテレフタル酸あるいはイソフタル酸であること
が好ましい。テレフタル酸とイソフタル酸の比率は、テ
レフタル酸含有率/イソフタル酸含有率=90〜40/
10〜60[mol%]が好ましく、さらに、テレフタル酸
含有率/イソフタル酸含有率=80〜50/20〜50
[mol%]、またさらにテレフタル酸含有率/イソフタル
酸含有率=85〜60/15〜40[mol%]が好まし
い。
【0014】イオン性基含有単量体をポリエステル樹脂
に導入し、ポリエステル樹脂にイオン性基を与えた場
合、ポリエステル樹脂が水分散性を発現する。イオン性
基含有単量体としては前述したスルホン酸アルカリ金属
塩基あるいはスルホン酸アンモニウム塩基を有するモノ
あるいはジカルボン酸等を好ましく用いることができる
ほか、例えばカルボン酸アルカリ金属塩基あるいはカル
ボン酸アンモニウム塩基を有する単量体、硫酸基、リン
酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基もしくはそれらの
アンモニウム塩、金属塩等のアニオン性基、または第1
級ないし第3級アミン基等のカチオン性基単量体などを
もちいることができる。カルボン酸アルカリ金属塩基あ
るいはカルボン酸アンモニウム塩基を導入する場合に
は、ポリエステルの重合末期にトリメリット酸等の多価
カルボン酸を系内に導入することにより高分子末端にカ
ルボキシル基を付加し、さらにこれをアンモニア、水酸
化ナトリウム等にて中和することによりカルボン酸塩の
基に交換する方法を用いることができる。
【0015】これらイオン性基の含有量は、スルホン酸
基およびまたはその塩の基をふくめ、該ポリエステル樹
脂に対し、20〜1000eq/ton、好ましくは2
0〜500eq/ton、なお好ましくは50〜200
eq/ton、である。これを透明基材上にコーティン
グした構成が良い。
【0016】また、本発明においては、該ポリエステル
樹脂中に該会合体の色調を補正するための油溶性色素を
含有するのが好ましい。これによって、赤外線吸収フィ
ルムの色調を容易に制御することが可能となる。さら
に、本発明において、赤外線吸収色素を分散したバイン
ダーを基材にコーティングする場合に用いる、透明基材
としても、特に限定される物ではないが、ポリエステル
系、アクリル系、セルロース系、ポリエチレン系、ポリ
プロピレン系、ポリオレフィン系、ポリ塩化ビニル系、
ポリカーボネート、フェノール系、ウレタン系樹脂など
が挙げられるが、特に好ましくは、分散安定性、環境負
荷などの観点から、ポリエステル系樹脂が好ましい。
【0017】本発明赤外線吸収フィルタでは、耐光性を
向上させる目的で、UV吸収剤、ないしは、酸化防止剤等
を添加したものが好ましい。また、本発明赤外線吸収フ
ィルタでは、必要に応じて更に色素を混合しても良い。
【0018】
【実施例1】分散媒となるベースポリエステルを以下の
要領で製作した。温度計、撹拌機を備えたオ−トクレ−
ブ中に、 ジメチルテレフタレ−ト 130重量部、 ジメチルイソフタレ−ト 56重量部、 5ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチルエステル 6重量部、 エチレングリコ−ル 159重量部、 ネオペンチルグリコール 268重量部、 テトラブトキシチタネ−ト 0.1重量部、 を仕込み180〜230℃で120分間加熱してエステ
ル交換反応を行った。ついで反応系を240℃まで昇温
し、系の圧力1〜10mmHgとして60分間反応を続
けた結果、共重合ポリエステル樹脂を得た。次に、得ら
れたポリエステル樹脂100重量部、メチルエチルケト
ン175重量部、テトラヒドロフラン175重量部、色
調調整用染料 イーエクスカラーIR1 (日本触媒社製)
10重量部、を80℃にて溶解した後80℃の水600
部を添加し、粒子径約0.33μmの共重合ポリエステ
ル樹脂の水系着色ミクロ分散体を得た。得られた着色水
分散体50重量部に、赤外線吸収剤である色素会合体水
分散液IRF168(富士写真フィルム社製)3重量部と、高
沸点溶剤(エチレングリコールもモノブチルエーテル)
5重量部を常温で混合しコート液とした。次にこのコー
ト液を高透明性ポリエステルフィルム基材(東洋紡績製
コスモシャインA4100)に、ギャップが100μ
mのアプリケーターを用いてコーティングし、乾燥温度
約90℃で1時間乾燥させた。コーティング厚さは約25
μmであった。得られた赤外線吸収フィルムは、目視で
の色目はダークグレーであった。また、図1にその分光
特性を示す。図1に示すように、波長400nmから6
50nmまでの可視領域においては吸収が平らで、波長
700nm以上では急峻に吸収があるフィルムが得られ
た。得られたフィルムを60℃95%雰囲気中に500hr
放置し、再度分光特性を測定したところ図2のようにな
り、その分光特性はほとんど変化しないことが分かっ
た。
【0019】
【比較例1】ベースポリマーとして東洋紡績製バイロン
RV200 (比重1.26、ガラス転移温度67℃)を用いて
表1に示すような組成で、赤外線吸収色素とバインダー
樹脂、溶剤を、フラスコにいれ、加熱しながら攪拌し、
色素及びバインダー樹脂を溶解した。次に溶解した樹脂
を高透明性ポリエステルフィルム基材(東洋紡績製コス
モシャインA4100)に、ギャップが100μmのア
プリケーターを用いてコーティングし、乾燥温度約90℃
で1時間乾燥させた。コーティング厚さは約25μmで
あった。得られた赤外線吸収フィルムは、目視での色目
はダークグレーであった。また、図3にその分光特性を
示す。図3に示すように、波長400nmから650n
mまでの可視領域においては吸収が平らで、波長700
nm以上では急峻に吸収があるフィルムが得られた。得
られたフィルムを60℃95%雰囲気中に500hr放置
し、再度分光特性を測定したところ図4のようになり、
見た目が緑色に変化し、近赤外吸収特性は極めて悪くな
ってしまっていた。
【0020】
【表1】
【0021】
【発明の効果】近赤外線領域に広く吸収を持ち、かつ、
可視領域の透過率が高く、特定の可視領域波長を大きく
吸収することのない赤外線吸収フィルターが得られ、ビ
デオカメラ、ディスプレーなどに使用しても色ずれが少
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は実施例1で得られた赤外線吸収フィルタ
の分光特性を示す。
【図2】図2は実施例1で得られた赤外線吸収スペクト
ルの耐久テスト後の分光特性を示す。
【図3】図3は比較例1で得られた赤外線吸収フィルタ
の分光特性を示す。
【図4】図4は比較例1で得られた赤外線吸収フィルタ
の耐久テスト後の分光特性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 陽三 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 2H048 CA04 CA09 CA12 CA17 CA27 CA29 4J002 CF041 CF141 CF181 CF271 FD096 GP00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】分子が会合体状態で、波長750nm から1100
    nmに吸収域をもつ物質を含有することを特徴とする赤外
    線吸収フィルタ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の会合体が20〜1000e
    q/tonの範囲でイオン性基を含有するポリエステル
    樹脂中に分散されていることを特徴とする赤外線吸収フ
    ィルタ。
  3. 【請求項3】請求項2記載のポリエステル樹脂中に、前
    記会合体の色調を補正するための油溶性色素を含有する
    ことを特徴とする赤外線吸収フィルム。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3記載のいずれかにおいて、
    該赤外線吸収層を透明基材上にコーティングしたことを
    特徴とする赤外線吸収フィルタ。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4記載のいずれかにおいて前
    記透明基材がポリエステルフィルムであることを特徴と
    する赤外線吸収フィルタ。
  6. 【請求項6】請求項2乃至5記載のいずれかに於いてベ
    ースポリマーである前記ポリエステル樹脂は、比重が
    1.05〜1.35の範囲にあり、ガラス転移温度が4
    5℃以上であることを特徴とする赤外線吸収フィルタ。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6記載のいずれかの赤外線吸
    収フィルタを用いたプラズマディスプレー用フィルタ。
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