JP3726826B2 - 撮像装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、撮像装置本体を固定した状態で、撮影方向を変更させることができる撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
部屋の壁や天井などに設置されて使用される監視カメラは、広い範囲を監視する必要性から、通常、遠隔操作などによって、カメラの撮影方向が各種モータなどの駆動によって自在に変更可能とされている。
【0003】
従来、こうした監視カメラでは、カメラが水平軸と垂直軸の2つの軸回りに回動可能とされる。例えば、水平軸および垂直軸の軸回りにカメラをそれぞれ回動させる駆動源に、パルスモータを使用した場合、水平軸を中心とした回動方向(以下、「チルト方向」)、および垂直軸を中心とした回動方向(以下、「パン方向」)に対する回動量を、パルスモータに与えるパルス数で制御することにより、撮影方向の変更を簡単に制御することが可能である。
【0004】
ところが、パルスモータなどの駆動源は、一般に駆動周波数、すなわちパルスモータに与えるパルスレート(1秒間に与えるパルス数、以下単位を「pps」と略す)によっては、監視カメラ本体などと共振を起こして、騒音を発する。このため、静かな部屋などでは、駆動音を出来るだけ小さくすることが望ましく、共振を引き起こす駆動周波数(以下、「共振周波数」)以下のパルスレートで使用するケースが一般的である。
【0005】
また、上述した監視カメラの操作方式としては、主に、2タイプあり、一方は駆動方向のみ指示するタイプであり、他方は移動先の位置を直接指示するタイプである。
【0006】
前者の操作方式では、例えば、操作レバーを動かしたい方向へ倒すことでカメラを指示した方向へ駆動させることができ、カメラを停止させるには操作レバーを元に戻せばよい。この操作方式では、撮影画像を見ながらレバーを操作して、カメラが所望の位置(撮影方向)に到達したときにレバーを戻してカメラを停止させなければならず、カメラの駆動速度が速すぎると正確な操作が困難となるため、ゆっくりとカメラを駆動させる方が望ましい。
【0007】
一方、後者の操作方式では、例えば、パソコンなどの画面にカメラの可動範囲を示すチャートと、現在の撮影方向が表示され、動かしたい撮影方向(移動先)にカーソルなどを動かしてマウスをクリックすることでカメラを指示した移動先に自動的に移動させて、停止させることができる。この操作方式では、カメラの移動先が直接指定されると、パン方向とチルト方向への回動を同時に開始して同時に完了させることで、出来るだけ早く、撮影方向を指示された移動先まで移動させることができる。このため、撮影方向を移動させるためのタイムラグが少なく、操作性も良い。
【0008】
しかし、後者の操作方式では、出来るだけ早く、撮影方向を移動先まで移動させるために、単純にパルスレートを変化させていくと、撮影方向の移動方向によっては、2つのパルスモータのうち、一方のモータに付与するパルスレートが、共振周波数の領域に入ってしまう場合があり、撮影方向の移動時に大きな騒音の発生を招く。
【0009】
このような撮影方向の移動時に発生する騒音を抑制する技術として、ステッピングモータの駆動力を伝達する中間ギアにフリクション部材を挿入して、ギアの振動を防止することにより、撮影方向の移動時における中間ギアの振動による共振に起因した騒音を抑制する騒音対策技術が提案されている(例えば、特許文献1)。
【0010】
このような技術に関する先行技術文献としては、以下のようなものがある。
【0011】
【特許文献1】
特開平10−9367号公報
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、撮影方向の移動時に発生する共振は、ギアに起因して発生するものよりも、モータ自身に起因して発生するものの方が大きいため、上述した騒音対策技術のように、ギアに起因して発生する共振を抑制する方策だけでは、撮影方向の移動時に発生する共振の発生、すなわち騒音の発生を十分に抑制することができない。
【0013】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、共振による騒音を抑制しつつ、カメラの撮影方向を高速で変更させることができる技術を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために、請求項1の発明は、撮像装置本体に対する撮像手段の相対角度を、第1の方向に変化させる第1の駆動手段と、第2の方向に変化させる第2の駆動手段とを有する撮像装置であって、前記第1と第2の駆動手段の駆動を制御する制御手段と、前記相対角度の変化によって撮影方向を指定量だけ変更させる指示を行う指示手段と、前記指示手段による指示に基づいて、前記第1の駆動手段に対する第1の駆動量と第1の駆動速度制御値とを設定するとともに、前記第2の駆動手段に対する第2の駆動量と第2の駆動速度制御値とを設定する設定手段とを備え、前記設定手段は、1)前記第2の駆動量よりも前記第1の駆動量の方が小さく、かつ2)前記第1の駆動速度制御値が前記撮像装置の機構的な共振領域内の値である、という共振条件が満足される場合には、前記第1の駆動速度制御値を前記共振領域外の再設定速度制御値に再設定し、前記共振条件が満足される場合には、前記制御手段が、前記第2の駆動手段を前記第2の駆動速度制御値に基づいて駆動させるとともに、前記第1の駆動手段を前記再設定速度制御値に基づいて駆動させ、前記第2の駆動手段による前記第2の駆動量分の駆動期間内に、前記第1の駆動手段による前記第1の駆動量分の駆動が行われるように制御することを特徴とする。
【0015】
また、請求項2の発明は、前記制御手段が、前記共振条件が満足される場合には、前記第2の駆動手段を前記第2の駆動速度制御値に基づいて駆動させるとともに、前記第1の駆動手段を前記再設定速度制御値に基づいて駆動させ、前記第1の駆動手段による前記第1の駆動量分の駆動が完了した後に、前記第2の駆動手段による前記第2の駆動量分の駆動が完了するように制御することを特徴とする。
【0016】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載の撮像装置であって、前記制御手段は、前記共振条件が満足されない場合には、前記第1の駆動手段を前記第1の駆動速度制御値に基づいて駆動させるとともに、前記第2の駆動手段を前記第2の駆動速度制御値に基づいて駆動させ、前記第1の駆動手段による前記第1の駆動量分の駆動、および前記第2の駆動手段による前記第2の駆動量分の駆動における駆動開始と駆動完了とが略同時となるように制御することを特徴とする。
【0017】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の撮像装置であって、前記設定手段が、前記共振条件が満足される場合には、前記再設定速度制御値として、前記共振領域の最大値を超える値を再設定することを特徴とする。
【0018】
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいすれかに記載の撮像装置であって、前記第1と第2の駆動手段が、第1と第2のパルスモータであることを特徴とする。
【0019】
また、請求項6の発明は、請求項5に記載の撮像装置であって、前記第1と第2の駆動速度制御値が、前記第1と第2のパルスモータにそれぞれ付与する第1と第2のパルスレートであることを特徴とする。
【0020】
また、請求項7の発明は、撮像装置本体に対する撮像手段の相対角度を、第1の方向に変化させる第1の駆動手段と、第2の方向に変化させる第2の駆動手段とを有する撮像装置であって、前記第1と第2の駆動手段の駆動を制御する制御手段と、前記相対角度の変化によって撮影方向を指定量だけ変更させる指示を行う指示手段とを備え、前記制御手段が、前記撮影方向を前記指定量だけ変更させる際に、前記第1と第2の駆動手段の駆動開始から特定の時点まで、前記第1と第2の駆動手段とを、それぞれ、前記撮像装置の機構的な共振領域外の値である第1と第2の駆動速度制御値に基づいて駆動させ、前記特定の時点以降であって前記撮影方向が前記指定量だけ変更されるまでは、前記第1と第2の駆動手段のうち一方が停止状態となるように制御することを特徴とする。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0022】
<監視カメラシステムの概要>
図1は、本発明の実施形態に係る撮像装置の一例にあたる監視カメラシステム1の概要を示す図である。
【0023】
監視カメラシステム1は、監視カメラ10と、監視カメラ10をコントロールするためのコントロール装置20とを備えて構成される。
【0024】
監視カメラ10は、主に、ハウジング部11と、略半球状の部分と略半円筒状の部分とが組み合わさったような透明カバー12と、透明カバー12に覆われた内部に設けられたカメラユニット部50とを備えて構成される。
【0025】
カメラユニット部50は、被写体に係る画像データを取得するための撮像手段として機能する撮像ユニット部60と、撮像ユニット部60の撮影方向(撮影レンズの光軸方向)を変更するための駆動機構(以下、「首振り機構」)40とを有する。
【0026】
なお、撮像ユニット部60は、ハウジング部11のうちカメラユニット部50が設けられている面11aに対して垂直な方向STを撮影方向としている状態が、正面を向いた状態となっている。そして、ここでは、首振り機構40によって、方向(正面方向)STを基準として、撮像ユニット部60の撮影方向を変更させることができる。なお、首振り機構40の具体的な構造などについては後述する。
【0027】
また、ハウジング部11は、撮像ユニット部60の駆動、通信、撮像ユニット部60で取得された画像データを取込んで処理を行う各種処理ブロックを備えている。なお、以下では、ハウジング部11など、壁などに固定される部分を監視カメラ本体とも称する。
【0028】
監視カメラ10と、コントロール装置20とは、LANケーブルやその他無線などの通信回線30を通じて接続されている。
【0029】
コントロール装置20は、一般的なパソコンなどで構成され、キーボードやマウスを備えた操作部22、モニタ21、および制御部(いわゆるパソコン本体)23を備えて構成される。制御部23は、監視カメラ10で取り込まれた画像データを記憶するハードディスク、および監視カメラ10との各種データ通信や監視カメラ10の駆動を制御する中央制御装置を内蔵している。
【0030】
ここでは、モニタ21に、撮像ユニット部60の撮影方向を変更するための操作画面が表示され、ユーザーが操作部22を種々操作することによって、撮影方向を任意の量だけ変更させる指示をすることができる。つまり、操作部22が、監視カメラ本体に対する撮像ユニット部60の相対角度の変化によって撮影方向を指定量だけ変更させる指示を行う手段として機能する。なお、撮影方向を変更するための操作画面については後程説明する。
【0031】
<監視カメラの首振り機構>
図2は、監視カメラ10の首振り機構40を説明するための図である。ここでは、撮像ユニット部60が、地面に対して垂直な軸(以下、「パン回動軸」)Ppの回りを回動する動作(以下、「パン動作」)と、地面に対して水平な軸(以下、「チルト回動軸」)Tpの回りを回動する動作(以下、「チルト動作」)とを行う。つまり、ここでは、首振り機構40は、カメラユニット部50をパン動作させるための駆動機構(以下、「パン駆動機構」)とチルト動作させるための駆動機構(以下、「チルト駆動機構」)とを備えて構成される。
【0032】
つまり、パン駆動機構が、ハウジング部11を含む監視カメラ本体に対する撮像ユニット部60の相対角度を、パン回動軸回りの第1の方向(以下、「パン方向」)に変化させる手段(「第1の駆動手段」とも称する)として機能する。また、チルト駆動機構が、監視カメラ本体に対する撮像ユニット部60の相対角度を、チルト回動軸回りの第2の方向(以下、「チルト方向」)に変化させる手段(「第2の駆動手段」とも称する)として機能する。
【0033】
以下、首振り機構40の詳細について、図2を参照しつつ説明する。
【0034】
カメラユニット部50は、略円筒状の円筒部54と略球体状の球体部52とが結合した形状をしている。
【0035】
球体部52の内部には、撮像ユニット部60と撮像ユニット部60に対して一体的に結合されたチルト大ギア74とが設けられている。さらに、球体部52は、前方にスリット状の開口部53を有し、撮像ユニット部60の撮影レンズ61に被写体からの光束が”けられ”を生じることなく入射されるようになっている。
【0036】
また、円筒部54の内部には、パルスモータによって構成されるチルトモータ70が設けられており、チルトモータ70の駆動力が、ピニオンギア71からギア72,73を介してチルト大ギア74に伝達される。そして、チルト大ギア74の回動により、チルト回動軸Tpを中心として、撮像ユニット部60が回動し、撮影方向を上下方向に変更させることができる。
【0037】
また、パルスモータによって構成されるパンモータ41が、ハウジング部11に固設される台板77に設置されており、パンモータ41の駆動力が、ピニオンギア42からギア43,44を介して、円筒部54の上面に設けられたギア51に伝達される。また、ギア51は、カメラユニット部50に対して一体的に結合されており、ギア51の回動によって、パン回動軸Ppを中心として、カメラユニット部50そのものが回動する。
【0038】
このように、撮影方向を変更するために、パルスモータによって構成されるパンモータ41とチルトモータ70とを用い、パルスモータに与える総パルス数で撮影方向の変更を簡単に制御することができる。
【0039】
図3は、首振り機構40の駆動に係る機能構成を示すブロック図である。
【0040】
ハウジング部11内には、図3に示すように、コントロール装置20からの制御信号を受けて、首振り機構40の駆動を統括制御する制御マイコン13が設けられている。また、ハウジング部11内には、パンモータ41の駆動を制御するためのパンモータドライバ14と、チルトモータ70の駆動を制御するためのチルトモータドライバ15とが設けられている。
【0041】
ここでは、制御マイコン13から、パンモータドライバ14およびチルトモータドライバ15にシリアル交信によってコマンドを送信することにより、パン動作およびチルト動作のそれぞれを独立して制御することができる。つまり、制御マイコン13が、首振り機構40のパン駆動機構とチルト駆動機構の駆動を制御する手段として機能する。
【0042】
そして、ここでは、制御マイコン13の制御下で、パンモータ41,チルトモータ70にそれぞれ付与するパルスレート(それぞれ「第1、および第2のパルスレート」とも称する)、および総パルス数を自由に設定・調整することによって、パンモータ41およびチルトモータ70の駆動を制御することができる。すなわち、撮影方向の変更を簡単かつ確実に制御することができる。
【0043】
また、ここでは、制御マイコン13が、操作部22による指示に基づいて、首振り機構40のパン駆動機構に対する駆動量(以下、「パン駆動量(第1の駆動量)」)とパルスレート(以下、「パン−パルスレート」)とを設定するとともに、チルト駆動機構に対する駆動量(以下、「チルト駆動量(第2の駆動量)」)とパルスレート(以下、「チルト−パルスレート」)とを設定する手段としても機能する。
【0044】
なお、パルスレートは、モータ41,70の駆動速度を制御する値(以下、「駆動速度制御値」)となる。よって、以下では、パン−パルスレートをパン駆動速度制御値(第1の駆動速度制御値)とも称し、チルト−パルスレートをチルト駆動速度制御値(第2の駆動速度制御値)とも称する。
【0045】
<撮影方向を変更するための操作>
図4は、撮像ユニット部60の撮影方向を変更するための操作画面DSを示す図である。
【0046】
操作画面DSには、撮影方向を移動させることができる範囲を示す枠(カメラ移動範囲枠)25が表示される。撮影方向は、カメラ移動範囲枠25内に示される方向であれば、任意に移動させることができる。
【0047】
カメラ移動範囲枠25の横方向は、正面方向STを基準(原点O)とした場合における、撮影方向のパン動作方向(パン方向)おける角度(以下、「パン角度」)を示している。また、カメラ移動範囲枠25の縦方向は、正面方向STを基準(原点O)とした場合における、撮影方向のチルト動作方向(チルト方向)おける角度(以下、「チルト角度」)を示している。よって、ここでは、撮影方向が地面に対して水平な面上にある場合は、チルト角度が0°となり、撮影方向がハウジング部11が取り付けられる壁面と地面の両方に垂直な面上にある場合は、パン角度が0°となる。
【0048】
ここでは、例えば、図4に示すように、正面方向STを基準として、撮影方向を、パン方向に+70°〜−70°の範囲内で変更することができ、チルト方向に+20°〜−70°の範囲内で変更することができる。
【0049】
図4では、現在の撮影方向が、角度P0に対応する方向となっている。ここで、操作部22のキーボードやマウスなどを操作することによって、次に撮影方向を移動させたい角度(移動先)を、カーソルCRで指定し、実行ボタン(ここでは、キーボードのリターンキーやマウスのクリックボタン)を押下することにより、撮影方向を指定された角度(移動先)まで移動させることができる。つまり、ユーザーの指定した角度まで撮影方向が移動する。
【0050】
<撮影方向を変更する制御方法>
図5は、撮影方向の移動角度を例示する図である。図5では、撮影方向を角度P0から角度P1まで移動させる場合における撮影方向の移動角度を示しており、角度P0を原点として示している。また、図5では、横軸がパン方向への移動角度を示しており、縦軸がチルト方向への移動角度を示している。また、撮影方向を角度P0から角度P1まで移動させる場合におけるパン方向への移動角度を角度θp(単位は、「度」)、チルト方向への移動角度を角度θt(単位は、「度」)として示している。
【0051】
また、図6は、撮影方向を角度P0から角度P1まで移動させる場合における撮影方向の移動角度をパンモータ41、チルトモータ70に与えるパルス数で変換して示した図である。図6では、横軸がパンモータ41に与えるパルス数を示しており、縦軸がチルトモータ70に与えるパルス数を示している。また、図6では、図5と同様に、角度P0に対応する点を原点としており、撮影方向を角度P0から角度P1まで移動させる場合に必要なパンモータ41に付与する総パルス数(以下、「パン−パルス数」)をパルス数Pt、チルトモータ70に付与する総パルス数(以下、「チルト−パルス数」)をパルス数Ttとして示している。
【0052】
ここで、パン動作における減速比をηP(ここでは、ηP>1)、パンモータ41のステップ角度(1パルスで回動する角度)をθSPとすると、パン動作に必要なパン−パルス数Ptは下式(1)で表される。
【0053】
t=θp・ηP/θSP・・・(1)
【0054】
また、チルト動作における減速比をηT(ここでは、ηT>1)、チルトモータ70のステップ角度(1パルスで回動する角度)をθSTとすると、チルト動作に必要なチルト−パルス数Ttは下式(2)で表される。
【0055】
t=θT・ηT/θST・・・(2)
【0056】
以下、本実施形態では、パンモータ41およびチルトモータ70のステップ角度が同じ(θS=θSP=θST)であるものとして説明する。
【0057】
ここで、パンモータ41にパルスレート(1秒間に与えるパルス数、以下単位を「pps」と略す)Piを与えた場合、パン動作に要する時間は、Pt/Pi(秒)となる。
【0058】
また、ここで、パンモータ41とチルトモータ70とをそれぞれ一定速度で同時に駆動を開始させて、同時に駆動を完了させる場合には、チルトモータ70に与えるべきパルスレートTiは、Pi・(Tt/Pt)(pps)となる。
【0059】
図7は、パンモータ41やチルトモータ70として用いられるパルスモータに与えるパルスレートと、騒音レベルとの関係を例示する図である。図7では、横軸がパルスレートを示し、縦軸が騒音レベルを示している。
【0060】
一般に、パルスモータでは、パルスレートの増大に伴い、騒音レベルが増大する傾向にあるが、特に、図7でハッチングを付したパルスレートPVL〜PVUの範囲(以下、「共振領域」)BCでは、パルスモータ自体や、パルスモータと監視カメラ10の装置自体との間で共振を起こして、騒音レベルが大きくなる。
【0061】
したがって、騒音レベルが許容される限界レベル(以下、「騒音許容限界レベル」)が騒音レベルSC以下である場合には、パルスレートの使用可能な領域が、共振領域BCよりも遅い側のパルスレート(0〜PVL)の領域と、速い側のパルスレート(PVU〜PH)の領域からなる2つの領域となる。なお、ここでは、図7に示すように、パルスレートPVL,PVU,PHでは、騒音レベルが騒音許容限界レベルSCとなっており、パルスレートPHが、騒音レベルが許容される最大のパルスレート(以下、「許容最大パルスレート」)となる。
【0062】
図8は、パンモータ41およびチルトモータ70に与えるパルスレートの組合せと共振との関係を例示する図である。図8では、横軸がパンモータ41に与えるパルスレートPi(pps)を、縦軸がチルトモータ70に与えるパルスレートTi(pps)を示している。また、図8では、両モータ41,70に与えるパルスレートの合成ベクトル、すなわち両モータ41,70の駆動速度のベクトル(以下、「駆動速度ベクトル」)V1〜V4も併せて示している。さらに、図8でハッチングを付した領域a1は、パンモータ41が共振を起こして、騒音許容限界レベルSCを超える騒音を発生させる駆動速度ベクトルの領域を示し、領域a2は、チルトモータ70が共振を起こして、騒音許容限界レベルSCを超える騒音を発生させる駆動速度ベクトルの領域を示している。
【0063】
図8に示すように、駆動速度ベクトルV1は、両モータ41,70をともに許容最大パルスレートPHで同時に駆動する場合の駆動速度ベクトルを示している。駆動速度ベクトルV2は、チルトモータ70が許容最大パルスレートPHで駆動し、かつパンモータ41が共振領域BC内のパルスレートPVMで駆動する場合の駆動速度ベクトルを示している。
【0064】
駆動速度ベクトルV2については、モータ41,70のうち、低速で駆動するパンモータ41が共振を起こす領域a1にあるため、駆動速度ベクトルV2で駆動させると、騒音許容限界レベルSCを超える騒音を発生させてしまう。
【0065】
そこで、本実施形態に係る監視カメラシステム1では、このような場合は、例えば、駆動開始から所定時間が経過するまでは、パンモータ41に付与されるパルスレートが共振領域BCから外れるように制御する。
【0066】
具体的には、駆動開始から所定時間が経過するまで、パンモータ41に付与されるパルスレートが共振領域BCを超える最小のパルスレートPVUとなるように制御して、パン方向への駆動をチルト方向への駆動よりも早く完了させ、パン方向への駆動が完了した後は、チルト方向への駆動のみを持続し、撮影方向の変更を完了させる。つまり、駆動開始から所定時間が経過するまでは、駆動速度ベクトルV2を、パンモータ41が共振を起こす領域a1から外れるように、駆動速度ベクトルV3に変更するように制御することで、共振の発生、すなわち騒音許容限界レベルSCを超える騒音の発生を回避する。
【0067】
以下、共振の発生(ここでは、騒音許容限界レベルSCを超える騒音の発生)を回避するための処理(以下、「共振回避処理」とも称する)の制御方法について説明する。
【0068】
図9は、低速側のパンモータ41に付与するパルスレートが共振周波数にある場合のモータ制御方法を説明するための図である。
【0069】
図9では、図6と同様に、撮影方向を角度P0から角度P1まで移動させる場合における撮影方向の移動角度を、モータ41,70に与えるパルス数に変換して示した図である。なお、図9では、図6と同様に、角度P0に対応する点を原点として示しており、撮影方向の角度P1〜P3に対応する点も示している。また、図9では、横軸が、パンモータ41に付与するパルス数、縦軸が、チルトモータ70に付与するパルス数を示している。さらに、図9には、図6と同様に、撮影方向を角度P0から角度P1まで移動させる場合に必要なパンモータ41に与えるパン−パルス数Pt、チルトモータ70に与えるチルト−パルス数Ttを示している。
【0070】
また、図9では、パン−パルス数とチルト−パルス数が積算されていく様子を表す軌跡(以下、「パルス積算軌跡」)W2,W3,W4を示している。
【0071】
ここでは、撮影方向を角度P0から角度P1まで変更するとき、撮影方向の変更開始から変更終了まで、駆動速度ベクトルが図8に示す駆動速度ベクトルV2となるようにモータ41,70を駆動させると、パルス積算軌跡が軌跡W2となり、駆動速度ベクトルV2と同様な方向を向く。
【0072】
ここで、上述したように、駆動速度ベクトルV2でモータ41,70を駆動させる際は、共振に起因した騒音が発生してしまう。そこで、共振の発生を避けるため、まず、撮影方向の変更に必要なパン−パルス数の付与が完了するまで、駆動速度ベクトルが図8に示す駆動速度ベクトルV3となるようにモータ41,70の駆動を制御し、撮影方向の変更に必要なパン−パルス数の付与が完了した後は、撮影方向の変更に必要なチルト−パルス数の付与が完了するまで、チルトモータ70に対してパルスの付与が行われる。
【0073】
つまり、まず、撮影方向の角度を角度P0から角度P2まで変更し、その後、撮影方向の角度を角度P2から角度P1まで変更することによって、撮影方向の角度を角度P0から角度P1まで変更する。このとき、パルス積算軌跡が軌跡W3となり、撮影方向の角度を角度P0から角度P2まで変更する際のパルス積算軌跡は、駆動速度ベクトルV3と同様な方向を向く。
【0074】
換言すれば、駆動速度ベクトルV2と比較して、駆動速度ベクトルV3に設定した方が、パンモータ41に付与するパルスレートが大きい(速い)ため、撮影角度が角度P2に達した時点で、パン方向への駆動が先に目標角度まで到達しているため、パンモータ41による駆動を停止する。その後、チルトモータ70のみが回動して、撮影角度が角度P2から角度P1に達した時点で、チルトモータ70の駆動を停止する。
【0075】
すなわち、例えば、チルト駆動量よりもパン駆動量の方が小さく、かつパンモータ41のパン駆動速度制御値(ここでは、パン−パルスレート)が監視カメラ10の機構的な共振領域内の値であるという条件(以下、「共振条件」とも称する)が満足される場合には、制御マイコン13の制御下で、チルト駆動速度制御値に基づいたパルスを付与することでチルトモータ70を駆動させるとともに、再設定されたパン駆動速度制御値に基づいたパルスを付与することでパンモータ41を駆動させる。このとき、パンモータ41によるパン駆動量分の駆動が完了した後に、チルトモータ70によるチルト駆動量分の駆動が完了するように制御される。
【0076】
さらに、換言すれば、パンモータ41とチルトモータ70の駆動開始から、パンモータ41とチルトモータ70のうちの一方(ここでは、パンモータ41)による指定量分(ここでは、パン駆動量分)の駆動が完了する特定の時点まで、制御マイコン13の制御下で、それぞれ、監視カメラ10の機構的な共振領域外の値であるパン駆動速度制御値とチルト駆動速度制御値に基づいたパルスを付与することで、パンモータ41とチルトモータ70とを駆動させる。そして、特定の時点以降であって撮影方向が指定量だけ変更されるまでは、パンモータ41とチルトモータ70のうちの一方(ここでは、パンモータ41)が停止状態となるように制御される。
【0077】
このように、ここでは、撮影方向を、一旦、角度P0から角度P2まで変更し、その後、角度P2から角度P1まで変更する。よって、直接、角度P0から角度P1まで変更する場合と比べて、撮影方向が移動する軌跡は長くなる。しかし、撮影方向を、角度P0から角度P2を経由して角度P1まで変更する場合も、角度P0から角度P1まで直接変更する場合も、ともに、チルトモータ70に対して、許容最大パルスレートPHで、同回数のチルト−パルスが付与されるため、目標角度まで到達するまでに要する所要時間は同じになる。つまり、この例では、チルトモータ70の駆動時間が、方向変更の全体を律速しているため、チルトモータ70の駆動時間内であれば、パンモータ41の駆動条件を変更しても、全体的な所要時間は変わらない。
【0078】
以上では、低速側のパルスモータのパルスレートが共振領域にある場合は、共振に起因する騒音を抑制するために、低速側のパルスモータのパルスレートを共振領域を超える高速側にシフトしたが、例えば、パルスレートを共振領域を下回る低速側にシフトすることも考えられる。
【0079】
具体的には、図8に示すように、例えば、駆動開始から所定時間が経過するまでは、パンモータ41に付与されるパルスレートが共振領域BCから外れるように、駆動速度ベクトルV2を駆動速度ベクトルV3に変更する代わりに、駆動速度ベクトルV2を駆動速度ベクトルV4に変更することも可能である。この場合は、パンモータ41にはパルスレートPVLが付与されるため、パンモータ41は共振を起こさない。
【0080】
図9では、駆動速度ベクトルをV4に設定された場合のパルス積算軌跡W4を示している。ここでは、駆動速度ベクトルV4に設定された場合には、駆動速度ベクトルV2に設定された場合よりも、パンモータ41のパルスレートが小さい(遅い)ため、撮影方向が角度P3に達した時点で、チルト方向への駆動が先に目標角度まで到達し、チルトモータ70の駆動を停止する。その後、パンモータ41のみが回動して、撮影方向が角度P3から角度P1に達した時点で、パンモータ41の駆動を停止する。
【0081】
このように、ここでは、撮影方向を、一旦、角度P0から角度P3まで変更し、その後、角度P3から角度P1まで変更した場合は、直接、角度P0から角度P1まで変更する場合と比べて、撮影方向が移動する軌跡は長くなる。そして、撮影方向を、角度P0から角度P3を経由して角度P1まで変更する場合は、角度P0から角度P1まで直接変更する場合よりも、角度P3から角度P1まで変更するのに要する時間だけ余計に時間を要してしまう。
【0082】
つまり、撮影方向を変更する際に、低速側のパルスモータに付与するパルスレートが共振領域内にある場合は、低速側のパルスモータに付与するパルスレートを共振領域を避けるように、低速側にシフトすると、高速側にシフトする際と比較して、撮影方向の変更に要する時間が長くなってしまう。その結果、ユーザーが撮影方向の変更を指示してから撮影方向の変更が完了するまでの時間、すなわちタイムラグが大きくなってしまい、違和感を感ずるような操作性の悪い状態となる。
【0083】
したがって、本実施形態に係る監視カメラシステム1では、上述したように、低速側のパルスモータに付与するパルスレートが共振領域内にある場合は、低速側のパルスモータに付与するパルスレートを共振領域を避けるように、高速側にシフトするような制御方法を採用している。
【0084】
一方、低速側のパルスモータが共振領域内にない場合は、低速側のパルスモータに付与するパルスレートを再設定しない。つまり、例えば、チルト駆動量よりもパン駆動量の方が小さく、かつパン駆動速度制御値が監視カメラ10の機構的な共振領域外の値であるという共振条件が満足されない所定の場合には、制御マイコン13の制御下で、再設定されていないパン駆動速度制御値に基づいたパルスを付与することで、パンモータ41が駆動されるとともに、チルト駆動速度制御値に基づいたパルスを付与することで、チルトモータ70が駆動される。そして、このとき、パンモータ41によるパン駆動量分の駆動、およびチルトモータ70によるチルト駆動量分の駆動における駆動開始と駆動完了とがそれぞれ略同時となるように制御される。このような制御とすることで、共振が発生しない状況において、カメラの撮影方向をより高速で変更させることができる。
【0085】
<撮影方向の変更動作フロー>
図10から図12は、撮影方向の変更動作フローを示すフローチャートを示している。この動作フローは、コントロール装置20と、監視カメラ10内の制御マイコン13とが協働した制御によって、実行される。
【0086】
ここでは、図4に示す操作画面DS上で、ユーザーが次の撮影方向(撮影方向の移動先)を指定すると、制御部23を介して、図3に示す制御マイコン13が、パン動作、およびチルト動作の回動角度、すなわち回動方向、回動量、総パルス数を取得・算出することができる。そして、制御マイコン13が、図10から図12に示す撮影方向の変更動作フローを実行することで、モータドライバ14,15を介したモータ41,70の回動制御により、撮影方向の変更を行う。
【0087】
なお、ここでは、例えば、ユーザーによる操作部22の操作により、別途、撮影方向を高速で変更する高速モードや、低速で変更する低速モードなどを設定することにより、各モータ41,70のうち、高速で回動する方に付与されるパルスレート、すなわち駆動速度を指定することができる。この低速モードや高速モードで設定可能なパルスモータの駆動速度、すなわちパルスレートは、共振領域から外れた値となるように設定されている。
【0088】
以下、図10から図12に示す撮影方向の変更動作フローについて説明する。
【0089】
ステップS1では、ユーザーによって指示された撮影方向の移動先が移動可能な範囲内にあるか否かを判別する。ここでは、例えば、ユーザーが、図4に示す操作画面DS上で、カメラ移動範囲枠25内にカーソルCRを設定して、移動させたい先(移動先)の撮影方向を指定した場合には、移動先が移動可能な範囲内にあるものとして、ステップS2に進む。一方、移動先が移動可能な範囲内にない場合には、本動作フローを終了し、ユーザーによる次回の移動先の指定が行われるまで待機する。
【0090】
ステップS2では、パン動作とチルト動作の速度を設定するための設定ルーチンを呼び出して、図11に示すパン・チルト速度設定動作フローを実行する。
【0091】
図11のステップS21では、パン駆動量が、チルト駆動量よりも大きいか否かを判別する。ここでは、パン駆動量がチルト駆動量よりも大きい場合は、ステップS22に進み、パン駆動量がチルト駆動量以下である場合は、ステップS25に進む。
【0092】
まず、ステップS21からステップS22に進んだ場合について説明する。
【0093】
ステップS22では、駆動量が大きな方であるパン動作の回動速度(パン駆動速度)を設定し、ステップS23に進む。ここでは、パンモータ41に付与するパルスレートを、ユーザーによって指定された駆動速度に相当するパルスレートに設定する。
【0094】
ステップS23では、下式(3)にしたがって、チルト方向への回動速度(チルト駆動速度)、すなわちチルトモータ70に付与するパルスレートを設定し、ステップS24に進む。
【0095】
チルト駆動速度=パン駆動速度×(チルト駆動量/パン駆動量)・・・(3)
【0096】
ステップS24では、図12に示す共振回避処理フローを実施することで、ステップS23で設定したパルスレートが、共振領域内にある場合には、上述した共振回避処理を行う。
【0097】
図12に示すステップS31では、ステップS23で設定したパルスレート(駆動速度)が共振領域内にあるか否かを判別する。ここでは、パルスレート(駆動速度)が共振領域内にある場合は、ステップS32に進み、共振領域内にない場合は、共振回避処理フロー、およびパン・チルト速度設定動作フローを終了し、ステップS3に進む。
【0098】
ステップS32では、ステップS23で設定したパルスレート(駆動速度)が共振領域から外れるように高速側のパルスレート(駆動速度)に再設定され、共振回避処理フロー、およびパン・チルト速度設定動作フローを終了し、ステップS3に進む。ここでは、例えば、パルスレートを図7に示すPVUに置き換える。
【0099】
つまり、パン駆動量よりもチルト駆動量の方が小さく、さらに、チルト動作のパルスレートが共振領域内の値である場合、制御マイコン13が、チルト駆動速度制御値を共振領域外の値に再設定する。具体的には、チルト−パルスレートを共振領域の最大値を超える値PVUに再設定する。
【0100】
次に、ステップS21からステップS25に進んだ場合について説明する。
【0101】
ステップS25では、駆動量が大きな方であるチルト動作の回動速度(チルト駆動速度)を設定し、ステップS26に進む。ここでは、チルトモータ70に付与するパルスレートを、ユーザーによって指定された駆動速度に相当するパルスレートに設定する。
【0102】
ステップS26では、下式(4)にしたがって、パン方向への回動速度(パン駆動速度)、すなわちパンモータ41に付与するパルスレートを設定し、ステップS27に進む。
【0103】
パン駆動速度=チルト駆動速度×(パン駆動量/チルト駆動量)・・・(4)。
【0104】
ステップS27では、ステップS24と同様に、図12に示す共振回避処理フローを実施することで、ステップS26で設定したパルスレートが、共振領域内にある場合には、上述した共振回避処理を行う。
【0105】
図12に示すステップS31では、ステップS26で設定したパルスレート(駆動速度)が共振領域内にあるか否かを判別する。ここでは、パルスレート(駆動速度)が共振領域内にある場合は、ステップS32に進み、共振領域内にない場合は、共振回避処理フロー、およびパン・チルト速度設定動作フローを終了し、ステップS3に進む。
【0106】
ステップS32では、ステップS26で設定したパルスレート(駆動速度)が共振領域から外れるように高速側のパルスレート(駆動速度)に再設定され、共振回避処理フロー、およびパン・チルト速度設定動作フローを終了し、ステップS3に進む。ここでは、例えば、パルスレートを図7に示すPVUに置き換える。
【0107】
つまり、チルト駆動量よりもパン駆動量の方が小さく、さらに、パン−パルスレートが監視カメラ10の機構的な共振領域内の値である共振条件が満足される場合には、制御マイコン13が、パン動作の駆動速度制御値(パン−パルスレート)を共振領域外の値(再設定速度制御値)に再設定する。具体的には、パン−パルスレートを監視カメラ10の機構的な共振領域の最大値を超える値PVUに再設定する。
【0108】
ステップS3では、パン動作、およびチルト動作の動作エラーを検出するためのタイマ(エラータイマ)を設定して、開始させる。ここでは、撮影方向を目標角度まで移動させるのに要する時間(移動所要時間)を、各駆動量、各パルスレートから算出し、例えば、移動所要時間の2倍の時間をエラー時間とし、駆動開始からエラー時間が経過するまでのカウントを開始させる。
【0109】
ステップS4では、パン動作、およびチルト動作に対する各パルスレートおよび各総パルス数を指定して、各モータ41,70の駆動を開始させるコマンドを各モータドライバ14,15に送信し、各モータ41,70の駆動を開始させ、ステップS5に進む。
【0110】
ステップS5では、各モータ41,70の駆動が完了したか否かを判別する。ここでは、制御マイコン13が、各モータドライバ14,15から、指定したパルス数の駆動が完了したことを示す信号(以下、「駆動完了信号」)が返信されてくるのを待ち、制御マイコン13が駆動完了信号を受信していなければ、ステップS6に進み、駆動完了信号を受信すれば、撮影方向の変更動作フローを終了する。
【0111】
ステップS6では、エラータイマがオーバーしたか否かを判別する。ここでは、エラータイマの開始からエラー時間が経過したか否かを判別し、エラー時間が経過していなければ、エラータイマがオーバーしていないものとみなして、ステップS5に戻る。一方、エラー時間が経過していれば、エラータイマがオーバーしたものとみなして、ステップS7に進む。
【0112】
ステップS7では、エラー処理を行い、撮影方向の変更動作フローを終了する。なお、ここで、エラー処理とは、ユーザーによる撮影方向の指示に拘わらず、撮影方向を正面方向に戻し、次回の撮影方向が指示されるのを待機する状態、いわゆる、初期状態に戻す処理である。つまり、ここでは、制御マイコン13が、駆動完了信号が送信されてくるのを待ち、駆動完了信号を受信するよりも先に、エラータイマがオーバーとなれば、撮影方向の変更動作に異状が発生したものと判断して、エラー処理を行うのである。
【0113】
以上のように、本実施形態に係る監視カメラシステム1では、例えば、撮影方向を指定量だけ変更する際、チルト駆動量よりもパン駆動量の方が小さく、かつパン−パルスレートが、監視カメラ10の機構的な共振領域内にある場合には、パン−パルスレートを共振領域外の値(ここでは、共振領域の最大値を超える値PVU)に再設定する。そして、チルト−パルスレートに基づいたパルスが付与されることで、チルトモータ70が駆動させるとともに、再設定されたパン−パルスレートに基づいたパルスが付与されることで、パンモータ41が駆動される。このとき、パンモータ41によるパン駆動量分の駆動が完了した後に、チルトモータ70によるチルト駆動量分の駆動が完了する。その結果、共振による騒音を抑制しつつ、カメラの撮影方向を高速で変更させることができる。
【0114】
換言すれば、撮影方向を変更する際、パンモータ41とチルトモータ70の駆動開始から、一方のモータ(ここでは、パンモータ41)の駆動が完了する特定の時点までは、パンモータ41とチルトモータ70にそれぞれ付与されるパルスレートが、共振領域外の値となるようにして、パンモータ41とチルトモータ70とを駆動させる。そして、一方のモータの駆動が完了する特定の時点以降であって、指定量分の撮影方向の変更が完了するまで、パンモータ41とチルトモータ70のうち一方(ここでは、パンモータ41)を停止させるように制御する。その結果、共振による騒音を抑制しつつ、カメラの撮影方向を高速で変更させることができる。
【0115】
<変形例>
以上、この発明の実施形態について説明したが、この発明は上記説明した内容のものに限定されるものではない。
【0116】
◎例えば、上述した実施形態では、撮影方向を変更する首振り機構40にパルスモータを用いたが、これに限られるものではなく、例えば、トラス式アクチュエータなど、他の駆動手段を用いても良い。なお、トラス式アクチュエータとしては、例えば、特開2001−54289号公報に示されているものがあり、以下、そのトラス式アクチュエータを含む首振り機構40A、および共振領域などについて説明する。
【0117】
図13は、トラス式アクチュエータを使用した首振り機構40Aを説明するための図である。
【0118】
図13に示すように、首振り機構40Aでは、2個のトラス式アクチュエータ100,101が用いられており、一方はパン動作用であり、他方はチルト動作用である。チルト動作用のトラス式アクチュエータ100は、チルトロータ126とチルトロータ126を回動自在に支持するチルトステータ122とを備え、パン動作用のトラス式アクチュエータ101は、パンロータ136とパンロータ136を回動自在に支持するパンステータ132を備えて構成される。トラス式アクチュエータ100,101の構成は、図14で示すが、チルト動作用およびパン動作用ともに同じ構成のものが使用されている。
【0119】
撮像ユニット部60は、図2で示す撮像ユニット部60と同じものである。撮像ユニット部60とチルトロータ126は、支柱62で結合されているので、チルトロータ126の回動により、撮像ユニット部60は、T軸(チルト回動軸)の回りを回動する。また、チルトステータ122は、チルトロータ126が固定される他端側が、パンロータ136に対して固定されている。したがって、パンロータ136の回動にともない、撮像ユニット部60とチルト動作用のトラス式アクチュエータ100とが一体となって、P軸(パン回動軸)の回りを回動する。また、パンステータ132は、監視カメラ10のハウジング部11などに固定されている。
【0120】
図14は、トラス式アクチュエータ100の構成と動作原理を示す図である。なお、上述したようにトラス式アクチュエータ100,101は同様な構成、動作原理となっているため、ここでは、チルト動作用のトラス式アクチュエータ100を例にとって説明する。図14(a)は、トラス式アクチュエータ100の断面図であり、さらに、図14(b)は、図14(a)に示すトラス式アクチュエータ100を線分C−Cで切った断面図を示している。
【0121】
トラス式アクチュエータ100は、第1および第2圧電素子(変位素子)82,83、チップ部材(被変位部材)84、ベース部材85、ロータ(被駆動部材)86、加圧ばね(第1の加圧部材)87、剛球94、および、圧接ばね(第2の加圧部材)89’を備えて構成される。
【0122】
駆動ユニット120は、第1および第2圧電素子82,83、チップ部材84、およびベース部材85で構成される。圧接部材130は、剛球94および圧接ばね89’で構成される。チップ部材84とロータ86(ここでは、チルトロータ126)とが当接する部分のロータ回動軸86aに対して軸対称な位置に、剛球94とロータ86とが当接する部分があり、剛球94は基台92に対しロータ86の径方向に移動可能に保持されている。
【0123】
剛球94は、ロータ86に対して圧接ばね89’により圧接されている。圧接ばね89’は、例えば、圧縮コイルばねであり、一端が基台92に当接し、他端が剛球94に当接している。剛球94および圧接ばね89’は、ロータ86に圧接する方向を規制するため、その周囲が規制部材95によって囲まれており、−方向に荷重がかかるように設定されている。
【0124】
チップ部材84がロータ86を圧接する力と、剛球94がロータ86を圧接する力とは略均衡し、ロータ86のロータ回動軸86aおよび軸受部分に対して一方向の荷重が働かないように圧接ばね89’の付勢力が設定される。また、剛球94とロータ86との間に生じる摩擦力は、アクチュエータの駆動力の抵抗となるため、できるだけ低くする方が好ましい。
【0125】
剛球94の材料としては、摩擦に強い材料が好ましく、ステンレス、あるいはSUJ2(高炭素クロム軸受鋼鋼材)などのポールベアリングに用いられる剛球を使用することが好ましい。剛球94は、球体であるため、ロータ86と転がり接触をし、摩擦係数が小さく設定されている。このように、回転可能な剛球94が、圧接ばね89’によってロータ86に圧接されているため、ロータ86の回動運動を妨げることなく剛球94をロータ86に圧接させることができ、ロータ回動軸86aに対する負荷を軽減することができる。
【0126】
次に、アクチュエータによるロータ86の回動原理について説明する。第1および第2圧電素子82,83に対してそれそれ所定の位相差を有する駆動信号を印加することにより、各圧電素子82,83が異なった位相で駆動され、各圧電素子82,83の交点に設けられたチップ部材84が所定の楕円軌道(円軌道を含む)を描くように駆動される。
【0127】
そして、チップ部材84が所定の楕円軌道を描くように駆動されている間、一定の区間でチップ部材84がロータ86の内側の面(内周面)に接触し、チップ部材84とロータ86の内周面との間に作用する摩擦カにより、ロータ86が所定方向に回動される。また、駆動信号の位相のずれ方向を逆にすることによりチップ部材84の駆動を示す楕円軌道の方向が逆転し、ロータ86の回動を逆転させることができる。
【0128】
ここで、ロータ86の回動速度を変化させる方法としては色々あるが、本変形例では駆動信号を与える時間と休止の時間の比率(以下、「デューティ比」)を変化させる間欠駆動の方法を採用しているものとする。なお、ここでは、デューティ比が、撮影方向のパンおよびチルト方向への駆動速度を制御する値(駆動速度制御値)となる。
【0129】
図15は、トラス式アクチュエータに与える駆動信号のデューティ比と騒音との関係を例示する模式図である。図15では、横軸をデューティ比として示しており、単位として、百分率(%)を用いて表している。ここで、デューティ比が100%である状態とは、休止なしに駆動信号が出されている状態であり、このとき、ロータ86の回動速度(駆動速度)が最高速度となる。また、デューティ比が50%の状態とは、駆動信号の出ている、すなわちロータ86に駆動力が伝達されている時間が50%である状態である。よって、デューティ比の数値が小さくなるほど、駆動信号の出ている時間が短くなり、ロータ86の回動速度が遅くなる。
【0130】
つまり、図15では、縦軸が騒音レベルを示しており、横軸が間欠駆動の比率(デューティ比)を示している。すなわち、図15は、間欠駆動の比率と騒音レベルとの関係を示している。
【0131】
図15に示すように、デューティ比=a(%)付近の騒音レベルを示す曲線のピークは、間欠運動の間隔が、人の可聴帯域のピークと一致するところであり、デューティ比=a(%)から離れるにつれて騒音レベルは減少する傾向にある。また、デューティ比=b(%)付近に示す騒音レベルを示す曲線のピークは、ロータ86を含む回動機構が持つ固有の振動周波数に起因して、周辺の部材(監視カメラ10の設けられる各部材)と共振することによって発現するものである。
【0132】
ここで、上述した実施形態と同様に騒音許容限界レベルをSCとすると、図15に示すデューティ比がL(%)よりも大きくU(%)未満の範囲(以下、「騒音発生領域」)内では、騒音レベルが騒音許容限界レベルSCを超えるため、騒音発生領域を外して、デューティ比を設定するように設計しなければならない。
【0133】
このように、パルスモータに限らず、他のアクチュエータを使用する場合においても、アクチュエータ自体、または、アクチュエータと機器との間で共振を起こして、騒音が大きくなる領域(共振領域)が存在する。そして、このような共振領域を挟んだ領域でデューティ比を設定しつつ、アクチュエータを使用する場合があり得る。このような場合は、上記実施形態と同様に、低速側のアクチュエータのデューティ比が、共振領域内にあるときには、低速側のアクチュエータのデューティ比を、共振領域の上限の値を超える値に再設定する共振回避処理を行うことで、上記実施形態と同様な効果を得ることができる。
【0134】
◎また、上述した実施形態では、撮影方向を変更する際に、パン動作とチルト動作とを同時に開始させたが、これに限られるものではなく、低速側のパルスモータの駆動速度を共振を起こさせないように、高速側にシフトした場合は、低速側のパルスモータの駆動時間が、高速側のパルスモータの駆動時間よりも短くなるため、例えば、高速側のパルスモータの駆動が開始した後に、低速側のパルスモータの駆動を開始するようにして、低速側のパルスモータの駆動を、高速側のパルスモータの駆動時間内に終了するようにしても良い。
【0135】
つまり、例えば、チルト駆動量よりもパン駆動量の方が小さく、かつパン−パルスレート(パン駆動速度制御値)が監視カメラ10の機構的な共振領域内の値である共振条件が満足される場合には、パン−パルスレートを共振領域外の値(再設定速度制御値)に再設定し、チルトモータ70によるチルト駆動量分の駆動期間内に、パンモータ41によるチルト駆動量分の駆動が行われるように制御されるようにすれば良い。このような構成としても、撮影方向を変更するために要する時間が長くなることがなく、共振による騒音を抑制しつつ、カメラの撮影方向を高速で変更させることができる。
【0136】
しかし、例えば、パン−パルスレートを共振領域外の値に再設定した場合に、上述した実施形態のように、パンモータ41とチルトモータ70との駆動を同時に開始することなく、チルトモータ70の駆動中に、パンモータ41の駆動を開始、終了させるとすれば、パンモータ41の駆動開始・終了時刻の決定処理に、ある程度煩雑な計算が必要となる。よって、パンモータ41とチルトモータ70とを単に略同時に駆動開始させ、途中で、パンモータ41の駆動を完了させる方が、容易に、共振による騒音を抑制しつつ、カメラの撮影方向を高速で変更させることができる。
【0137】
◎また、上述した実施形態では、パンとチルトの2方向に撮影方向を変更可能としていたが、これに限られるものではなく、例えば、2以上の駆動手段で種々の方向に撮影方向を変更可能とするものでも良い。
【0138】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に記載の発明によれば、第1と第2の駆動手段によって、撮像装置本体に対する撮像手段の相対角度を変化させて撮影方向を指定量だけ変更する際、第2の駆動手段の第2の駆動量よりも第1の駆動手段の第1の駆動量の方が小さく、かつ第1の駆動手段の第1の駆動速度制御値が撮像装置の機構的な共振領域内の値であるという条件を満足する場合には、第1の駆動速度制御値を共振領域外の値に再設定し、第2の駆動手段による駆動期間内に、第1の駆動手段を第1の駆動量分だけ駆動させるため、共振による騒音を抑制しつつ、カメラの撮影方向を高速で変更させることができる。
【0139】
また、請求項2に記載の発明によれば、第2の駆動手段の第2の駆動量よりも第1の駆動手段の第1の駆動量の方が小さく、かつ第1の駆動手段の第1の駆動速度制御値が撮像装置の機構的な共振領域内の値であるという条件を満足する場合には、第2の駆動速度制御値に基づいて第2の駆動手段を駆動させるとともに、再設定された駆動速度制御値に基づいて第1の駆動手段を駆動させ、第1の駆動手段による第1の駆動量分の駆動が完了した後に、第2の駆動手段による第2の駆動量分の駆動が完了するため、容易に、共振による騒音を抑制しつつ、カメラの撮影方向を高速で変更させることができる。
【0140】
また、請求項3に記載の発明によれば、第2の駆動手段の第2の駆動量よりも第1の駆動手段の第1の駆動量の方が小さく、かつ第1の駆動手段の第1の駆動速度制御値が撮像装置の機構的な共振領域内の値であるという条件が満足されない場合には、第2の駆動速度制御値に基づいて第2の駆動手段を駆動させるとともに、第1の駆動速度制御値に基づいて第1の駆動手段を駆動させ、第1の駆動手段による第1の駆動量分の駆動、および第2の駆動手段による第2の駆動量分の駆動における駆動開始と駆動完了とがそれぞれ略同時となるため、共振が発生しない状況において、カメラの撮影方向をより高速で変更させることができる。
【0141】
また、請求項4に記載の発明によれば、第2の駆動手段の第2の駆動量よりも第1の駆動手段の第1の駆動量の方が小さく、かつ第1の駆動手段の第1の駆動速度制御値が撮像装置の機構的な共振領域内の値であるという条件が満足される場合には、第1の駆動速度制御値を共振領域の最大値を超える値に再設定するため、共振による騒音を抑制しつつ、カメラの撮影方向をより高速で変更させることができる。
【0142】
また、請求項5に記載の発明によれば、撮影方向を変更する駆動手段として、パルスモータを用いるため、撮影方向の変更を簡単に制御することができる。
【0143】
また、請求項6に記載の発明によれば、駆動速度制御値をパルスモータに付与するパルスレートとすることで、撮影方向の変更を簡単かつ確実に制御することができる。
【0144】
また、請求項7に記載の発明によれば、第1と第2の駆動手段によって、撮像装置本体に対する撮像手段の相対角度を変化させて撮影方向を指定量だけ変更する際、第1と第2の駆動手段の駆動開始から特定の時点までは、第1と第2の駆動手段の駆動速度制御値が、撮像装置の機構的な共振領域外の値となるようにして、第1と第2の駆動手段を駆動させ、特定の時点以降であって指定された撮影方向の変更が完了するまでは、第1と第2の駆動手段のうち一方が停止状態となるように制御するため、共振による騒音を抑制しつつ、カメラの撮影方向を高速で変更させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る監視カメラシステムの概要を示す図である。
【図2】 監視カメラの首振り機構を説明するための図である。
【図3】 首振り機構の駆動に係る機能構成を示すブロック図である。
【図4】 撮影方向を変更するための操作画面を示す図である。
【図5】 撮影方向の移動角度を示す図である。
【図6】 撮影方向の移動角度をモータに与えるパルス数で変換して示した図である。
【図7】 モータに与えるパルスレートと騒音レベルとの関係を示す図である。
【図8】 パンおよびチルトモータに与えるパルスレートの組合せと共振との関係を示す図である。
【図9】 低速側のモータのパルスレートが共振領域にかかる場合のモータ制御法を説明するための図である。
【図10】 撮影方向の変更動作フローを示すフローチャートである。
【図11】 撮影方向の変更動作フローを示すフローチャートである。
【図12】 撮影方向の変更動作フローを示すフローチャートである。
【図13】 トラス式アクチュエータを使用した首振り機構を説明するための図である。
【図14】 トラス式アクチュエータの構成を示す図である。
【図15】 トラス式アクチュエータに与える駆動信号のデューティ比と騒音との関係を示す図である。
【符号の説明】
1 監視カメラシステム
10 監視カメラ
13 制御マイコン
20 コントロール部
22 操作部
40,40A 首振り機構
41 パンモータ
70 チルトモータ
100,101 トラス式アクチュエータ

Claims (7)

  1. 撮像装置本体に対する撮像手段の相対角度を、第1の方向に変化させる第1の駆動手段と、第2の方向に変化させる第2の駆動手段とを有する撮像装置であって、
    前記第1と第2の駆動手段の駆動を制御する制御手段と、
    前記相対角度の変化によって撮影方向を指定量だけ変更させる指示を行う指示手段と、
    前記指示手段による指示に基づいて、前記第1の駆動手段に対する第1の駆動量と第1の駆動速度制御値とを設定するとともに、前記第2の駆動手段に対する第2の駆動量と第2の駆動速度制御値とを設定する設定手段と、
    を備え、
    前記設定手段は、
    1) 前記第2の駆動量よりも前記第1の駆動量の方が小さく、かつ
    2) 前記第1の駆動速度制御値が前記撮像装置の機構的な共振領域内の値である、
    という共振条件が満足される場合には、前記第1の駆動速度制御値を前記共振領域外の再設定速度制御値に再設定し、
    前記共振条件が満足される場合には、前記制御手段が、前記第2の駆動手段を前記第2の駆動速度制御値に基づいて駆動させるとともに、前記第1の駆動手段を前記再設定速度制御値に基づいて駆動させ、前記第2の駆動手段による前記第2の駆動量分の駆動期間内に、前記第1の駆動手段による前記第1の駆動量分の駆動が行われるように制御することを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1に記載の撮像装置であって、
    前記制御手段が、
    前記共振条件が満足される場合には、前記第2の駆動手段を前記第2の駆動速度制御値に基づいて駆動させるとともに、前記第1の駆動手段を前記再設定速度制御値に基づいて駆動させ、前記第1の駆動手段による前記第1の駆動量分の駆動が完了した後に、前記第2の駆動手段による前記第2の駆動量分の駆動が完了するように制御することを特徴とする撮像装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の撮像装置であって、
    前記制御手段は、
    前記共振条件が満足されない場合には、前記第1の駆動手段を前記第1の駆動速度制御値に基づいて駆動させるとともに、前記第2の駆動手段を前記第2の駆動速度制御値に基づいて駆動させ、前記第1の駆動手段による前記第1の駆動量分の駆動、および前記第2の駆動手段による前記第2の駆動量分の駆動における駆動開始と駆動完了とが略同時となるように制御することを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の撮像装置であって、
    前記設定手段が、
    前記共振条件が満足される場合には、前記再設定速度制御値として、前記共振領域の最大値を超える値を再設定することを特徴とする撮像装置。
  5. 請求項1から請求項4のいすれかに記載の撮像装置であって、
    前記第1と第2の駆動手段が、
    第1と第2のパルスモータであることを特徴とする撮像装置。
  6. 請求項5に記載の撮像装置であって、
    前記第1と第2の駆動速度制御値が、
    前記第1と第2のパルスモータにそれぞれ付与する第1と第2のパルスレートであることを特徴とする撮像装置。
  7. 撮像装置本体に対する撮像手段の相対角度を、第1の方向に変化させる第1の駆動手段と、第2の方向に変化させる第2の駆動手段とを有する撮像装置であって、
    前記第1と第2の駆動手段の駆動を制御する制御手段と、
    前記相対角度の変化によって撮影方向を指定量だけ変更させる指示を行う指示手段と、
    を備え、
    前記制御手段が、
    前記撮影方向を前記指定量だけ変更させる際に、前記第1と第2の駆動手段の駆動開始から特定の時点まで、前記第1と第2の駆動手段とを、それぞれ、前記撮像装置の機構的な共振領域外の値である第1と第2の駆動速度制御値に基づいて駆動させ、前記特定の時点以降であって前記撮影方向が前記指定量だけ変更されるまでは、前記第1と第2の駆動手段のうち一方が停止状態となるように制御することを特徴とする撮像装置。
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