JP3725557B2 - 抗アクネ活性を有する薬剤および化粧用調製物 - Google Patents

Description

本発明は、
ａ）Krameria（クラメリア）種の抗菌性親水性抽出物、または該抽出物からの純粋化合物および／またはMesua ferreaの抗菌性脂肪親和性抽出物；
ｂ）キシメニン酸および／またはラウリン酸；
ｃ）Olax dissitiflora、Aesculus hippocastanum、Centella asiatica、Terminaliasericea、Glycyrrhiza glabraから抽出される抗炎症性サポニン
を含む、抗アクネ活性を有する新規の薬剤および化粧用調製物に関する。
先行技術
種々のKrameria種、好ましくはKrameria triandraの根、樹幹樹皮および葉から塩素化溶媒、脂肪族エーテルおよびケトン、さらに脂肪族および芳香族エステルによって抽出し、neolignane（ネオリグナン）（とくに、Eupomatenoid（ユーポマテノイド）６および２−（２、４−ジヒドロキシフェニル）−５−プロペニルベンゾフラン）中で濃縮して得られる抽出物がグラム陽性およびグラム陰性細菌、真菌および嫌気性菌株に対して抗菌性活性を有することは、文献（Martindale，“The Extrapharmacopeia”，28th Ed．(1982); Cannizaro，Boll．Soc．Ital．Biol．Sperim．1，22，1964; V．Hoppe，Drogenkunde Bdl Walter De Gruyter Ed．，1975;および英国特許第2.184.353 A号）から公知である。
これら抽出物は、プロトン性溶媒を用いての抽出によってでも得ることができるが、それらの活性成分のフェノールの性質から本来親水性である。
純粋成分のEupomatenoid６および２−（２、４−ジヒドロキシフェニル）−５−プロペニルベンゾフランはこれら抽出物から、EP 0 464 297 B1に報告されているように、シリカゲル上のクロマトグラフィーを用いて回収することができる。
Mesua ferreaの花、とくに蕾から、ヘキサン、塩化メチレンなどの非プロトン性溶媒またはより好ましくは二酸化炭素を用いて超臨界（hypercritical）条件下で、例えば、圧力110〜260バール、とくに200バールの下で、温度35〜65℃、好ましくは45℃で、植物性原料を抽出することによって、置換されたクマリンおよびキサントンを含む脂肪親和性抽出物が得られ、これはとくにグラム陽性、グラム陰性および嫌気性細菌菌株に対してKrameria triandraから調製される抽出物の活性に匹敵する活性を有する。
発明の開示
抗菌性活性を自然に有するいくつかの植物の抽出物の配合物、具体的には種々のKrameria種、とくにKrameria triandraから、およびMesua ferreaからの抽出物または純粋化合物と、キシメニン酸などの物質ならびにサポニン、例えば、Olax dissitiflora、Aesculus hippocastanum、Centella asiatica、Terminalia sericea、Glycyrrhiza glabraから得られるものとの、さらにラウリン酸、ミリスチン酸またはイソミリスチン酸などの低分子脂肪酸を添加または無添加した配合物が、アクネの治療に高い活性を示すことが驚いたことに見出された。
この抗菌剤混合物とキシメニン酸および抗炎症性活性を有する天然化合物との組み合わせによって、生じたアクネのほぼ完全な消失およびアクネ発生の効果的予防が可能になる。とくに、抗菌剤と、キシメニン酸、ラウリン酸（Serenoa repensの脂肪親和性抽出物の主要成分の一つ）およびOlax dissitiflora、Aesculus hippocastanum、Centella asiatica、Terminaliasericea、Glycyrrhiza glabraから抽出され得るものから選択されるサポニン、好ましくはAesculus hippocastanumおよびCentella asiaticaから抽出されるサポニンとの組み合わせが効果的であることが証明された。
薬理学的検討
試験した種々の配合物のうち、最良の臨床的結果を示したものは、0.1〜0.5％、好ましくは0.2％のKrameria triandraの抽出物、0.1〜0.5％、好ましくは0.25％のMesua ferreaの抽出物、0.2〜１％、好ましくは0.6％のキシメニン酸、0.1〜0.4％、好ましくは0.2％のラウリン酸、および0.35〜１％、好ましくは0.5％のエスシンを含む。
抗アクネ活性を、年齢18〜35歳の男女患者30人について試験した。患者は0.5cmの調製物を用いて１日２回45日間連続して治療された。治療の終わりに、丘疹、膿疱および面皰の数（Ａ）、皮脂濃度（Ｂ）および膿疱および面皰からの滲出物中のPropionibacerium acnesの存在を評価した。得られる結果を次表に示す。

本発明は、したがって、局所的投与（ゲル、クリーム、ローション、乳剤および固体調製物）ができて、上記の配合物を含む抗アクネ活性を有する薬剤および化粧用調製物に関する。該調製物は、薬剤技術においてよく知られた従来法、例えば、“Remington's Pharmaceutical Handbook”，Mack Publishing Co.,N.Y.,USAに記述された方法によって適切な賦形剤、とくに抗酸化剤とともに調製されよう。
次の実施例は、本発明をさらに詳細に説明する。
実施例Ｉ Mesua ferreaの脂肪親和性抽出物の調製
微細にすり砕いたMesua ferreaの蕾１kgを超臨界条件下でCO₂を用いて５Ｌの抽出器中で抽出する。最初の抽出は34℃で90バールの圧力下で約25Ｌの二酸化炭素を用いて行う。得られる抽出物を捨てて、植物材料を温度を45℃に、圧力を220バールに上げて第二の抽出に供する。15.6ｇのオレンジ色の極めて濃厚な油が得られる。この油をそのまま直接に使用するか、または従来の化学的分離法によるさらなる分画に供する。抽出物は好ましくはそのまま使用する。
実施例II Krameria triandraの抽出物の調製
Krameria triandraの根の樹皮２kgをすり砕いた後で、それぞれ５Ｌのアセトンで３回抽出処理する。合わせた抽出物を小容量に濃縮し、その濃縮物を0.8Ｌのアセトン：水(1:1)（v/v）に懸濁する。得られる懸濁物を0.5Ｌの塩化メチレンで２回抽出して、塩化メチレン相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、乾固するまで濃縮する。約26％のEupomatenoid６および14％の２−（２、４−ジヒドロキシフェニル）−５−プロペニルベンゾフランを含む赤茶けた固体85ｇが得られる。
実施例III ヘキサンを用いるMesua ferreaの抽出物の調製
微細にすり砕いたMesua ferreaの蕾１kgを３Ｌのヘキサンを用いて４回還流下で抽出する。合わせたヘキサン抽出物を活性炭（５ｇ）を用いて脱色して、減圧下で油状になるまで濃縮する。14.5ｇの抽出物が得られるが、これはさらなる分画なしで使用することができる。
実施例IV 水／珪素乳剤

実施例Ｖ 油／水乳剤

実施例VI 油／水乳剤

Claims (3)

1. 抗アクネ活性を有する次の成分を含んでなる薬剤および化粧用調製物：
   ａ）Krameria（クラメリア）種の抗菌性親水性抽出物、
   ｂ）キシメニン酸および／またはラウリン酸、
   ｃ）Aesculus hippocastanumから抽出される抗炎症性サポニン。
2. 次の成分を含んでなる請求項１に記載の調製物：
   0.1〜0.5％のKrameria triandraの抽出物、
   0.1〜0.5％のMesua Ferreaの抽出物、
   0.2〜１％のキシメニン酸、
   0.1〜0.4％のラウリン酸、
   0.35〜１％のエスシン。
3. 次の成分を含んでなる請求項２に記載の調製物：
   0.2％のKrameria triandraの抽出物、
   0.25％のMesua Ferreaの抽出物、
   0.6％のキシメニン酸、
   0.2％のラウリン酸、
   0.5％のエスシン。