JPH1171292A

JPH1171292A - 皮膚外用剤

Info

Publication number: JPH1171292A
Application number: JP9249519A
Authority: JP
Inventors: Masatoshi Nakano; 昌俊中野
Original assignee: Individual
Current assignee: Individual
Priority date: 1997-08-29
Filing date: 1997-08-29
Publication date: 1999-03-16

Abstract

(57)【要約】【課題】皮膚外用剤として、長期間使用しても副作用
が生ぜず、アレルギー疾患やウイルス性疾患に有効で、
しかも、アレルギー性皮膚疾患、ウイルス・細菌性皮膚
疾患等の難治性皮膚疾患を予防し、皮膚の状態を改善・
治療する皮膚外用剤を提供する。【解決手段】アスパラサス・リネアリスから抽出した
フラボノイドに属するオリエンチン、アスパラチンの１
種又はその混合物を有効成分とする皮膚外用剤で、副作
用がなく、難治性皮膚疾患等に有効で皮膚に対して優れ
た保護効果がある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、オリエンチン又は
アスパラチンを有効成分とし、アトピー性皮膚炎皮膚、
イボ、にきび等のウイルス性または細菌性の皮膚疾患、
及び水虫等に効果を有する皮膚疾患外用剤に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来より、皮膚外用剤としては、副腎皮
質ホルモン、抗ヒスタミン剤が用いられている。

【０００３】しかし、副腎皮質ホルモンは、即効性はあ
るが、長期間使用すると皮膚に障害の発生する場合も知
られている。その他様々な皮膚外用剤は、製品の保存ま
たは使用中に酸化、分解して皮膚障害を起こすものが多
い。

【０００４】また、アロエや笹等の抽出物を含有するも
のも知られているが、従来の植物由来のものは、その植
物に有効成分の含有量が少なく、効果を得るためには、
大量の植物から抽出をする必要があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、皮膚外用剤
として、従来まったく利用することのなかったもので、
長期間使用しても副作用が生ぜず、アレルギー疾患やウ
イルス性疾患に有効で、しかも、アレルギー性皮膚疾
患、ウイルス・細菌性皮膚疾患等の難治性皮膚疾患を予
防し、皮膚の状態を改善・治療する皮膚外用剤を提供す
ることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】そこで、本発明者は、オ
リエンチン、アスパラチンが皮膚外用剤として優れ、前
記課題を解決できるとの知見を得た。つまり、本発明
は、オリエンチン、アスパラチンの１種又はその混合物
を有効成分とする皮膚外用剤で、副作用がなく、難治性
皮膚疾患等に有効で皮膚に対して優れた保護効果がある
ものである。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明の有効成分は、オリエンチ
ン、アスパラチンの１種又はその混合物で、オリエンチ
ンには、イソオリエンチンも含まれる。本発明の有効成
分であるオリエンチン又はアスパラチンは、細胞および
体内の活性酸素を除去するスーパーオキシドジスムター
ゼ（ＳＯＤ）様活性及び／または抗酸化能（スーパーオ
キシドラジカルなどの活性酸素を捕捉するスカベンジャ
ー機能を含む）を有する。

【０００８】オリエンチン、アスパラチンを得るには、
アスパラサス・リネアリスの葉又は茎を熱水で１０分以
上煮沸又は有機溶媒で抽出し、抽出液をそのまま、抽出
液を濃縮後、又は抽出溶媒を留去して、分離することに
よって得ることができる。

【０００９】葉又は茎は、裁断後、ローリング、酵素醗
酵、天日乾燥の工程を経て乾燥葉とすることが好まし
い。そして、例えば、乾燥葉１０〜５０ｇに対して、水
１００ミリリットル〜１リットルで１０〜３０分間沸騰
させ抽出液を得る。

【００１０】有機溶媒を用いるときは、メタノール、エ
タノール、アセトン、１、３−ブチレングリコール等が
用いられる。濃縮は、エバポレーター等を、抽出溶媒の
留去は、凍結乾燥等を、また、抽出液の分離もデカンテ
ーションや遠心分離等の慣用手段を用いることができ
る。

【００１１】オリエンチン、アスパラチンを抽出液から
分離して得るには、前記抽出液をろ紙電気泳動法、薄層
クロマトグラフィー法、ゲルろ過、イオン交換、また
は、ヒドロキシアパタイトを含む樹脂によるカラムクロ
マトグラフィー法等でポリフェノール・フラボノイド類
を粗分画したのち、ＨＰＬＣ（高速液体クロマトグラフ
ィー）によって得る。

【００１２】本発明は、溶液、塗布剤、ローション、シ
ャンプー、乳液状など任意の形態で皮膚外用剤として利
用することができる。

【００１３】皮膚外用剤としての添加するオリエンチン
又はアスパラチンの濃度は、化粧用クリーム、ボディロ
ーション、シャンプーなど、使用する人の肌の状態によ
って異なるが、オリエンチン、アスパラチンを、化粧用
クリーム等の製品１００ｇあたり、それぞれ１０ｍｇ〜
２０００ｍｇの範囲で使用するのが好ましい。

【００１４】本発明の皮膚外用剤は、オリエンチン又は
アスパラチンと粘稠剤により構成されるが、ケルセチ
ン、イソケルセチン、ルチン、ルテオリン、ヴィテキシ
ン、イソヴィテキシンなどのフラボノイド、さらにヴァ
ニリン酸、クマリン酸、コーヒー酸などのフェノール化
合物を１種以上配合したり、一般に皮膚外用剤に配合さ
れている香料、色素、各種エキス等を配合して使用す
る。

【００１５】なお、オリエンチンおよびアスパラチン
は、ラットに対する急性毒性試験で死亡例は皆無であ
り、生化学的血液検査及び病理組織学的検査においても
異常が認められなかった。

【００１６】

【実施例】

製造例１アスパラサス・リネアリスの葉（茎つき）を５ｍｍ長に
切断後、ローリング、酵素醗酵、天日乾燥の工程を経て
乾燥葉とする。乾燥葉３０ｇを、水１リットルで３０分
間沸騰させ抽出液を得た。抽出液は、高いスーパーオキ
シド活性を示し、スーパーオキシド活性は５０００単位
／ｇであった。

【００１７】抽出液をカラムクロマトグラフィー法でポ
リフェノール・フラボノイド類を分画したのち、ＨＰＬ
Ｃ（高速液体クロマトグラフィー）によってオリエンチ
ン、アスパラチンを得た。

【００１８】得られたオリエンチンを６００ｍｇ、及び
アスパラチンを１６０ｍｇ含有するように、定法にした
がってオリーブ油、ワセリン、オレイン酸と混合して皮
膚塗布用クリーム１００ｇを製造した。

【００１９】製造例２製造例１で得たオリエンチン（イソオリエンチンも含
む）のみを６００ｍｇ含有するように、定法にしたがっ
てオリーブ油、ワセリン、オレイン酸等と混合して皮膚
塗布用クリームを製造した。

【００２０】試験例１製造例１で得たオリエンチンおよびアスパラチンを含有
する皮膚外用剤を表１に示す各種皮膚炎のパネラーに４
週間繰り返し塗布し、症状の改善を調べた。その結果を
表１に示す。

【００２１】

【表１】

【００２２】試験例２製造例２で得たオリエンチンを含有する皮膚外用剤を、
肌ざわり、及びにきびの改善につきパネラーに４週間繰
り返し塗布させ、症状の改善を調べた。その結果、肌ざ
わり及びアトピー性皮膚炎では５例中３例、また、にき
びは、４例中２例で改善がみられた。

【００２３】

【発明の効果】本発明は、オリエンチンおよびアスパラ
チンを添加することにより、皮膚に対して優れた保護作
用を有し、美しくなめらかな皮膚を形成する。また、本
外用剤は難治性皮膚疾患を副作用なく改善治療すること
ができ、天然植物の抽出物のため皮膚障害を起こすこと
がなく、オリエンチンおよびアスパラチンによる代謝促
進作用により皮膚状態の改善を行うことができる。ま
た、人体のみならず、家畜、魚類に対しても優れた効果
を有する。

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】オリエンチン、アスパラチンの１種また
はその混合物を含有してなる皮膚外用剤。