JP3722712B2 - 回転電機用固定子 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は回転電機用固定子に関するものであり、特に複数の磁極子に巻装した複数相の巻線中の同相の巻線部間をつなぐ多相の渡り線が相互に接触しないようにした回転電機用固定子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
インナーロータタイプの回転電機用固定子は、回転軸に固定された回転子を囲むように配置される環状ヨークの内周側に周方向に等しい間隔をあけて複数の磁極部が配置された固定子コアと、各磁極部の外表面を覆うスロットインシュレータと、スロットインシュレータで絶縁された各磁極部に巻線導体が巻装されて構成されたn相の巻線とから構成されている。そして複数の巻線部のうち同相の巻線部どうしを電気的に接続するn相分の渡り線が相互に接触しないようにしている。例えば、特開平7−46782号公報に示された従来の回転電機用固定子では、スロットインシュレータの端部に渡り線を固定する渡り線保持構造部が一体に設けられている。この渡り線保持構造部では、渡り線が通過する通路に段差を設け、この段差に渡り線を載せるようにして各渡り線が相互に接触しないようにしている。また段差に代えて溝を設け、この溝中に渡り線を嵌合させて渡り線を保持する構造も提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら従来採用されている渡り線保持構造部では、振動などにより渡り線が段差からはずれて渡り線が接触することが考えられ、完全な相間絶縁が行えない問題がある。また段差の間隔を長くして渡り線相互間の沿面距離を長くすると、電動機の軸線方向の長さが長くなる問題がある。さらに段差に代えて溝を用いる場合でも、巻線導体の線径が太くなると、巻線導体のバネ性が強くなり、単なる溝では、巻線導体が溝から出てしまう問題が発生する。また単なる溝では沿面距離を長くすることができない。
【0004】
本発明の目的は、複数相の渡り線が確実に相互に接触しないように保持できて、しかも沿面距離を長くすることができる渡り線保持構造部を備えた回転電機用固定子を提供することにある。
【0005】
本発明の他の目的は、分割コアにより構成される固定子コアを用いる回転電機用固定子において、複数相の渡り線が確実に相互に接触しないように保持できる渡り線保持構造部を備えた回転電機用固定子を提供することにある。
【0006】
本発明の更に他の目的は、分割コアを用いる場合において、渡り線保持構造部を簡単に構成できる回転電機用固定子を提供することにある。
【0007】
本発明の他の目的は、渡り線保持構造部に設けた巻線導体嵌合溝への巻線導体の挿入が容易な回転電機用固定子を提供することにある。
【0008】
本発明の別の目的は、渡り線保持構造部に保持された複数の渡り線を保護できる回転電機用固定子を提供することにある。
【0009】
本発明の別の目的は、複数の巻線の引き出し部を周囲の導電部から確実に電気的に絶縁できる回転電機用固定子を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、固定子コアが分割コアにより構成される回転電機用固定子と、最初から固定子コアが一体になっている回転電機用固定子の2つのタイプの回転電機用固定子を改良の対象とする。先ず、本発明が改良の対象とする前者の回転電機用固定子は、回転軸に固定された回転子を囲むように配置される環状ヨークの一部を構成するヨーク構成部と、環状ヨークの内周側に周方向に等しい間隔をあけて配置される複数の磁極部の一つとを備えて構成された複数の分割コアが組み合わされて構成された固定子コアを用いる。この固定子コアの複数の磁極部には、巻線導体が巻装されて構成された複数相の巻線が配置されている。分割コアに嵌合されて固定子コアと巻線との間には、両者を電気的に絶縁するために、絶縁樹脂により一体に成形されたインシュレータが配置されている。このインシュレータは、分割コアの内側面の一部を覆う内側面被覆部分とヨーク構成部の軸線方向の両端面上に配置される端面被覆部分とからなる。インシュレータの端面被覆部分には、複数の磁極部に巻装された複数の巻線部のうち同相の巻線部どうしを電気的に接続するn相分の渡り線を相互に接触しないように保持する渡り線保持構造部が一体に設けられている。
【0011】
本発明で用いる渡り線保持構造部は、環状ヨークに沿って間隔を開けて配置され、軸線方向の一方側に向かって環状ヨークから離れるように延びる1以上の柱状部と、1以上の柱状部にそれぞれ形成された複数の巻線導体嵌合溝とを備えている。複数の巻線導体嵌合溝は軸線方向の一方側に間隔を開けて配置され、また複数の巻線導体嵌合溝は回転軸の径方向外側と周方向両側に向かってそれぞれ開口している。そして複数の巻線導体嵌合溝は、分割コアに近いものほどその底部の位置が径方向外側に位置するように形成され、分割コアに近いものほど径方向外側に開口する開口部の位置が径方向外側に位置するように形成されている。
【0012】
このような構造を採用すると、電動機の振動などがあっても、渡り線の相互間の距離が固定した状態で渡り線を保持できるので、渡り線が巻線導体嵌合溝からはずれて、接触し渡り線間で短絡事故が発生するのを避けることができる。また、渡り線が固定されている場合でも、固定している部所に埃や油膜などが堆積すると、渡り線間の絶縁耐力が低下するおそれがある。このような問題に対処するには、渡り線間の沿面距離を大きくすることが重要になる。本発明のように巻線導体嵌合溝の低部の位置を定めると、巻線導体嵌合溝の低部の位置を一致させた場合と比べて、巻線導体嵌合溝に嵌合した巻線導体相互間の沿面距離を長くすることができ、従来と比べて絶縁耐力を高めることができる。
【0013】
インシュレータは、絶縁樹脂材料によって一体に形成してもよいが、一対のインシュレータ分割体により構成してもよい。
【0014】
巻線導体嵌合溝は、開口部の軸線方向に沿う方向の開口幅寸法が、巻線導体の直径寸法よりも小さくするのが好ましい。このようにすれば、渡り線が巻線導体嵌合溝からはずれ難くなるので、より安全性が高くなる。開口部の開口幅寸法を小さくした場合でも、前述の通り各巻線導体嵌合溝の開口部が分割コアに近いものほど径方向外側に位置するように形成されているため、巻線導体嵌合溝に巻線導体を嵌合させる際に、隣接する開口部の両側に位置する少なくとも一方の壁部が撓み易くなっており、巻線導体を巻線導体嵌合溝内に容易に嵌合させることができる。すなわち開口部が段差部に開口しているため、渡り線を巻線導体嵌合溝の開口部に嵌め込む際に渡り線が開口部の両側に位置する壁部を押し広げるときに、開口部の両側に位置する壁の少なくとも一方が壁部が撓み得る空間が必ず存在することになる。そのため巻線導体嵌合溝の開口部の径よりも大きな径の渡り線をはめ込むのに困難を生じない効果がある。
【0015】
本発明の回転電機用固定子では、分割ヨークの両端部に対応する位置に2つの柱状部が設けられている。本発明のように柱状部を2本取り付けることによって、渡り線保持構造部が分割ヨークの環状の周方向の長さの一部分を占めるに過ぎないので、巻線導体嵌合溝を直線的に構成することが出来て、巻線嵌合溝に渡り線をはめ込むのが容易であり、且つ柱状部を小さくできるので絶縁樹脂の量を少量にすることができる効果がある。
【0016】
次に本発明が改良の対象とする一体型の回転電機用固定子の構成は、回転軸に固定された回転子を囲むように配置される環状ヨークと環状ヨークの内周側に周方向に等しい間隔をあけて配置された複数の磁極部とを備えている固定子コアと、複数の磁極部に巻線導体が巻装されて構成された複数相の巻線と、絶縁樹脂により一体に成形され、固定子コアの軸線方向の両側から一部がコア内部に挿入されて固定子コアと巻線との間を絶縁する第1及び第2のスロットインシュレータとを具備し、第1及び第2のスロットインシュレータが、複数の分割コアの内側面の一部を覆う内側面被覆部と環状ヨークの軸線方向の一方側に位置する端面上に配置される端面被覆部とからなり、第1のスロットインシュレータの端面被覆部には、複数の磁極部に巻装された複数の巻線部のうち同相の巻線部どうしを電気的に接続するn相分の渡り線を相互に接触しないように保持する渡り線保持構造が一体に設けられている。
【0017】
本発明で用いる渡り線保持構造部は、環状ヨークに沿って間隔を開けて配置され、軸線方向の一方側に向かって環状ヨークから離れるように延びる1以上の柱状部と、1以上の柱状部にそれぞれ形成された複数の巻線導体嵌合溝とを備えている。複数の巻線導体嵌合溝は軸線方向の一方側に間隔を開けて配置され、また複数の巻線導体嵌合溝は回転軸の径方向外側と周方向両側に向かってそれぞれ開口している。そして複数の巻線導体嵌合溝は、分割コアに近いものほどその底部の位置が径方向外側に位置するように形成され、分割コアに近いものほど径方向外側に開口する開口部の位置が径方向外側に位置するように形成されている。
【0018】
このような構造を採用すると、電動機の振動などがあっても、渡り線の相互間の距離が固定した状態で渡り線を保持できるので、渡り線が巻線導体嵌合溝からはずれて、接触し渡り線間で短絡事故が発生するのを避けることができる。また、渡り線が固定されている場合でも、固定している部所に埃や油膜などが堆積すると、渡り線間の絶縁耐力が低下するおそれがある。このような問題に対処するには、渡り線間の沿面距離を大きくすることが重要になる。本発明のように巻線導体嵌合溝の低部の位置を定めると、巻線導体嵌合溝の低部の位置を一致させた場合と比べて、巻線導体嵌合溝に嵌合した巻線導体相互間の沿面距離を長くすることができ、従来と比べて絶縁耐力を高めることができる。
【0019】
インシュレータは、絶縁樹脂材料によって一体に形成してもよいが、一対のインシュレータ分割体により構成してもよい。
【0020】
本発明の一体型の回転電機用固定子では、スロットインシュレータが絶縁樹脂材料によって形成されており、開口部の軸線方向に沿う方向の開口幅寸法が、巻線導体の直径寸法よりも小さくなっている。巻線導体嵌合溝は、開口部の軸線方向に沿う方向の開口幅寸法が、巻線導体の直径寸法よりも小さくするのが好ましい。このようにすれば、渡り線が巻線導体嵌合溝からはずれ難くなるので、より安全性が高くなる。開口部の開口幅寸法を小さくした場合でも、前述の通り各巻線導体嵌合溝の開口部が分割コアに近いものほど径方向外側に位置するように形成されているため、巻線導体嵌合溝に巻線導体を嵌合させる際に、隣接する開口部の両側に位置する少なくとも一方の壁部が撓み易くなっており、巻線導体を巻線導体嵌合溝内に容易に嵌合させることができる。すなわち開口部が段差部に開口しているため、渡り線を巻線導体嵌合溝の開口部に嵌め込む際に渡り線が開口部の両側に位置する壁部を押し広げるときに、開口部の両側に位置する壁の少なくとも一方が壁部が撓み得る空間が必ず存在することになる。そのため巻線導体嵌合溝の開口部の径よりも大きな径の渡り線をはめ込むのに困難を生じない効果がある。
【0021】
本発明の回転電機用固定子では、複数の柱状部は、2つの磁極部の間に形成された複数のスロットにそれぞれ対応する位置に1本または2本ずつ配置されている。本発明のように柱状部を2本取り付けることによって、渡り線保持構造部が分割ヨーク長の一部分を占めるに過ぎないので、巻線導体嵌合溝を直線的に構成することが出来て、巻線嵌合溝に渡り線をはめ込むのが容易であり、且つ柱状部を小さくできるので絶縁樹脂の量を少量にすることができる効果がある。
【0022】
本発明の2つの型の回転電機用固定子では、複数の柱状部の大部分を収納する環状の溝を備えた絶縁樹脂製の環状キャップが、複数の柱状部を溝内に収納するようにして装着されている。本発明の環状キャップによって、柱状部が環境の埃などから保護されて、柱状部における渡り線間の電気的な絶縁性の低下を抑制し、実効的な沿面距離を伸ばす効果がある。また渡り線をひっかき傷などの機械的損傷から保護する効果がある。
【0023】
本発明の2つの型の回転電機用固定子では、環状キャップは溝の底壁部に、2本の柱状部間を延びる複数の巻線導体の隣接する2本の巻線導体間に挿入されて2本の巻線導体間を電気的に絶縁する複数の絶縁壁部が一体に設けられている。このような絶縁壁部によって、渡り線が環状キャップ内の柱状部で保持されてない領域で互い接触することを避けることができる効果がある。つまり、渡り線が環状キャップの裏面の溝内で絶縁壁部と柱状部の渡り線嵌合溝とで、溝に完全に固定される効果がある。
【0024】
本発明の2つの型の回転電機用固定子では、環状キャップの外周部に、複数の巻線の両端引き出し部の基部が嵌合され基部を周囲の導電部から電気的に絶縁する複数の巻線引き出し溝が形成されている。本発明によって、複数の巻線の両端引き出し部の基部が互いに距離を保つことによって渡り線が外部で絡まるなどによって接触することを避けることができる。また各渡り線が周囲の導電部に触れて電気的に短絡されることを避ける効果がある。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の回転電機用固定子1の実施の形態の一例について説明する。図1は本発明の装置の実施の形態の一例の基本思想を示す回転電機用固定子1の斜視図である。図面には回転電機用固定子の軸線2の方向の半分を示している。同じ形の構造体が軸線2を共通にして軸線2に垂直な面に対して対称な関係で繋がっている。固定子コア3は固定子1の一部を構成し磁気回路となる部材であり、透磁率の高い磁性体金属板を成型して、層状に重ねて作ったもので、複数の分割コア5が組み合わされて構成されている。図1に示す固定子コア3は、12個の分割コア5a,5b,5c,5d…5j,5k,5lが組み合わされて、回転子の周りを囲む形状になっている。回転電機用固定子1には、固定子コア3が分割コア5に分割された分割型の回転電機用固定子と、固定子コア3が分割コア5が一体となった状態に構成されている一体型の回転電機用固定子とがある。先ず、分割型の回転電機用固定子について説明する。
【0026】
分割コア5は、図1に示すように回転子を囲むように配置される環状ヨーク7を構成するヨーク構成部9と、環状ヨーク7の内周側に周方向に等しい間隔をあけて配置される磁極部11とから構成されている。図2(A)は図1の固定子1を軸線2にそって上から見た平面図であり、図2(B)は図2(A)の一点鎖線Zにおける断面図である。図示しない回転子は、環状の固定子1の回転の中心軸2が回転軸となるように固定されて配置される。環状ヨーク7は12個のヨーク構成部9a,9b,9c,9d…9j,9k,9lで構成されている。これに対応して磁極部11は12個の磁極部11a,11b,11c,11d…11j,11k,11lで構成されている。但し図2(A)では、ヨーク構成部は、一点鎖線の下半分の9a、9b、9cと9dの半分、9jの半分、9kと9lを示している。
【0027】
図3(A)は図1,図2に示す分割コア5の構造を示す斜視図で、12個の分割コアの中の一つ、例えば分割コア5aの構造を示している。分割コア5aはヨーク構成部9aと磁極部11aとから構成されている。同様に分割コア5bはヨーク構成部9bと磁極部11bとから構成されている。なおaの符号が付けられた部材については12個の分割コアに対応してaをb,c,d,…j,k,lに入れ替えた部材にも同様のことが言えることを意味するものとする。ヨーク構成部9aと磁極部11aとがT字の形を作っている。これらの分割コア5aは軸線2の方向の図示しない部分に延長され、軸線2に垂直な平面を対称面とする構造になっている。
【0028】
図4は図1,図2及び図3(A)に示す分割コア5aの平面図及び断面図である。図4(A)の肉太線で示す部分は分割コア5aを上から見た図である。分割コア5aはヨーク構成部9aと磁極部11aとから構成されており、T字状に形成されている。図4(B)は、図4(A)の分割コア5aの平面図の対称軸上に描いた一点鎖線Xにおける断面図である。1本の縦の点線の間が磁極部11aの断面、縦の点線の右側がヨーク構成部9aの断面に相当する部分になっている。これらは固定子コア3aの軸線2の方向に延長され、固定子コア11aの図示しない下半分の部分につながっている。図4(C)は図4(A)の一点鎖線Yにおける断面図である。肉太線によって分割コア5aにおけるヨーク構成部9aの断面を示す。ヨーク構成部9aは固定子コア3aの軸線2の方向に延長され、固定子コア3aの図示しない下半分の部分につながっている。
【0029】
固定子1の複数の磁極部11には巻線導体13が以下のように巻装されて、複数相の巻線15が形成されている。図1には12本の磁極11a,11b,11c,11d…11j,11k,11lに12個の巻線15a,15b,15c,15d…15j,15k,15lが巻装されている。同様に図2の平面図には図3(A)に示す分割コア5aと図4(A)に示す分割コア5aの平面図のT文字の縦柱の部分の12本の磁極11a,11b,11c,11d…11j,11k,11lに巻線15a,15b,15c,15d…15j,15k,15lが巻装されている。また、図2(B)の断面図にも巻線の断面の形状を示してある。
【0030】
図2に示すように固定子コア5の環状ヨーク7(図1参照)と磁極部11の間にはスロット(空隙)35が形成されている。図2に図示しないスロットインシュレータ17は、スロット(空隙)35を通して巻装する巻線部15を絶縁するために、固定子コア5の周囲を被覆する絶縁樹脂から形成されている。スロットインシュレータ17の構造は、図1,2に一部が図示されているが、符号を付しておらず、詳しくは後に図3と図4とを使って説明する。スロットインシュレータ17は、12個の分割コア5a,5b,5c,5d…5j,5k,5lを被覆するために12個の分割インシュレータ19a,19b,19c,19d…19j,19k,19lが組み合わされて構成されている。図2(B)に、分割インシュレータ19d,19jの平面図2(A)の一点鎖線Zにおける断面の一部を示す。図3(B)に分割コア5aを被覆する分割インシュレータ19aの斜視図を示す。図3(B)に示す分割インシュレータ19aは絶縁樹脂により成形され、図3に示す点線に沿って平行移動すると図3(A)に示す分割コア5aに嵌合されて、分割コア5aと巻線部15aとの間が絶縁される。分割インシュレータ19aは一対が組になって、分割コア5aを軸線2の方向の両側から嵌合して取り囲み、巻線15aとの間を絶縁する。
【0031】
図3において、分割インシュレータ19aは分割コア5aの内側面の一部を覆う内側面被覆部分21aとヨーク構成部9aの軸線2の方向の一方側に位置する端面上に配置される端面被覆部分23aとからなる。分割インシュレータ19aの端面被覆部分23aには、図2に示すように複数の磁極部11に巻装された複数の巻線部15のうち、同相の巻線部どうしを電気的に接続するn相分の渡り線25を相互に接触しないように保持する渡り線保持構造部27aが一体に設けられている。図1,2の固定子コア5では、巻線部15a,15b,15c,15d…15j,15k,15lを3相の交流電源に接続している。即ち、第1相に巻線部15a,15d,15g,15jが接続されている。これらの巻線は、図2に示すように渡り線によって一本の線として互いにつながれ、外部端子を経由して1相目の電源につながれている。渡り線はこれらの巻線以外の巻線を飛び越えて、渡り線保持構造部27を通して同相の巻線間をつなげている。第2相に4巻きの巻線部15b,15e,15h,15kが接続され、これらが渡り線によって互いに接続され2相目の電源に接続されている。第3相に4巻きの巻線部15c、15f、15i、15lが接続され、渡り線25によって互いにつながれている。図1、図2に示す渡り線25はこのように接続されているものとする。渡り線の本数は相数の3本になる。図3に示す渡り線保持構造部27aは図示しない3本の渡り線25を保持している。環状ヨークの周方向の沿って端面被覆部分23の面上を3本の渡り線が走っていて、これらが渡り線保持構造部27によって平行に走るように保持されている。このように渡り線が平行に走ることによって、渡り線同志が接触して電気的に短絡が起こらない効果がある。このように渡り線保持構造部27を渡り線が走っている様子は図1の斜視図で見ることができる。
【0032】
図4に図3に示す分割インシュレータ19aの構造の詳細な平面図と断面図を示す。図4(A)の実線で示す部分は図3に示した分割インシュレータ19aを上から見た平面図である。分割インシュレータ19aが肉太線で示す分割コア5aに嵌合している。平面図4(A)には内側面被覆部分21aと端面被覆部分23aの構造を示している。端面被覆部分23aには渡り線保持構造部27aと柱状部29aが配置されている。図3,図4には柱状部が2つの場合を示している。図4(B)は、図4(A)の分割インシュレータ19aの平面図の対称軸上に描いた一点鎖線Xにおける断面の図である。右上がりの斜線部11a,9aがそれぞれ磁極部11aと分割ヨーク9aの断面を示している。右下がりの斜線部19a,23aが分割インシュレータ19aと端面被覆部分23aの断面を示している。図4(C)は図4(A)の一点斜線Yにおける断面の図である。右上がりの斜線9a,21aは分割ヨーク9aと内側面被覆部分21aの断面を示す。右下がりの斜線部分23a,25,27a,29aは端面被覆部分23aと渡り線25と渡り線保持構造部27a,柱状部29aとの断面を示す。柱状部29aの断面図には巻線導体嵌合溝31aの断面が示されている。断面の開口口が渡り線の外形よりも大きくなっている。この点については後で述べる。図1の斜視図と図2の平面図にはこれらの端面被覆部分23と渡り線保持構造部27、柱状部29の全体的な配置が示されている。
【0033】
図5に渡り線保持構造部27aの斜視図を示す。渡り線保持構造部27aは、環状ヨーク7に沿って間隔を開けて配置され、軸線2の方向の一方側に向かって環状ヨーク7から離れるように延びる1以上の柱状部29aを備えている。図5には2つの柱状部29aが存在する場合を示している。これらの柱状部29aそれぞれには複数の巻線導体嵌合溝31aが形成されている。巻線導体嵌合溝31aの数は渡り線の数、即ち固定子1に与える電源の相数に等しい。図5では3本の巻線導体嵌合溝31a−1φ、31−2φ、31−3φを形成している。図5には、磁極11aに第1相の巻線が巻装されている場合の渡り線の配線を示している。第1相の巻線導体は巻線部15aにつながれて、2つの柱状部29aの間の渡り線にはなっていない。第2相と第3相の渡り線だけが2つの柱状部29aの間で平行に走り、隣接する磁極の巻線につながっている。このような渡り線の配線が全ての磁極に巻かれた巻線の間を結合している。複数の巻線導体嵌合溝31aは軸線2の方向の一方側に間隔を開けて配置され、複数の巻線導体嵌合溝31aは回転軸2の径方向外側33aと周方向34aの両側に向かってそれぞれ開口している。複数の巻線導体嵌合溝31aは、分割コア5aに近いものほどその底部の位置が径方向33aの外側に位置するように形成されている。巻線導体嵌合溝31aの開口部33aの軸線2の方向に沿う方向の開口幅寸法が、巻線導体13の直径寸法よりも小さくなっている。このような巻線導体嵌合溝31の開口部の断面の構造は図4(C)の断面図に精密に示されている。図3,図4の端面被覆部分23aにはヨーク構成部9と分割ヨークの両端部に対応する位置に2つの柱状部29aが設けられている。
【0034】
以上のような渡り線保持構造部27、柱状部29、巻線導体嵌合溝31の構造から次のようなことが言える。本発明によって、電動機の振動などがあっても、渡り線の相互間の距離が図4(C)の断面図と図5の斜視図に示した巻線導体嵌合溝31aによって固定されて保持された状態を保てるので、接触し短絡することを避けることができる。また、渡り線が固定されている場合でも、固定している部所に埃などが堆積することによって渡り線に絶縁体の沿面に沿って導電路が徐々に形成され、絶縁が長期的に低下することが問題になっている。このような問題に対処するには渡り線間の円面距離を大きくすることが大変重要になる。渡り線間の配置が互いの距離が、図4(C)の断面図と図5の斜視図によって示すように、軸線方向の距離と、径方向の距離によって保たれるので、渡り線間の沿面距離を稼ぎ、絶縁性を長期に維持することができる。また柱状部29aの開口部の軸線2の方向に沿う方向の開口幅寸法が、図4(C)の断面図に示すように巻線導体13の直径寸法よりも小さくなっている。このために渡り線を巻線導体嵌合溝の開口部にはめ込む際に、開口部が段差部に開口されているために、渡り線が開口部を押し広げたときに、異なる開口部が互いに空間的に邪魔にならないので、巻線導体嵌合溝の開口部の径よりも大きな径の渡り線をはめ込むのに困難を生じない。また、渡り線が巻線導体嵌合溝からはずれにくい構造になっている。また図3,図4,図5に示すように、分割ヨークの両端部に対応する位置に2つの柱状部29aが設けられている。このように柱状部29aを2本取り付けることによって、渡り線保持構造部27が分割ヨーク7の環状の周方向の長さの一部分を占めるに過ぎないので、巻線導体嵌合溝31を直線的に構成することが出来て、巻線嵌合溝31に渡り線をはめ込むのが容易であり、且つ柱状部29を小さくできるので絶縁樹脂の量を少量にすることができる。
【0035】
次に一体型の回転電機用固定子1について述べる。この型の回転電機用固定子1は、分割コア5が一体となった固定子コア3に、分割インシュレータ19が一体となったスロットインシュレータ17に嵌合されて被覆された後に、巻線導体13が巻装されて構成されるタイプである。製造過程での部材の構成は異なるが、完成した回転電機用固定子12の外見上の構造は同じになる。従って以下の説明では内部構造の違いに注意しながら、これまでに用いた図面を用いて、同じ部材には同じ符号を付けて説明する。
【0036】
固定子コア3は、前述した分割コア5a,5b,5c,5d…5j,5k、5lが一体となってできたものである。環状ヨーク7は先に述べた12個のヨーク構成部9a,9b,9c,9d…9j,9k,9lが一体となってできたものである。固定子コア3は、回転軸2に固定された回転子を囲むように配置される環状ヨーク7と環状ヨーク7の内周側に周方向に等しい間隔をあけて配置された複数の磁極部11a,11b,11c,11d…11j,11k,11lとを備えている。分割コアの詳しい構造は図3,4に示したものと同一である。
【0037】
複数相の巻線15a,15b,15c,15d…15j,15k,15lが、複数の磁極部11a,11b,11c,11d…11j,11k,11lに巻線導体13が巻装されて構成されている。
【0038】
スロットインシュレータ17は絶縁樹脂により成形され、図3,4に示した分割インシュレータ19aおよびそれと同一構造の分割インシュレータ19b,19c,19d…19j,19k,19lを一体化したものである。スロットインシュレータ17は分割インシュレータ19が対になって分割コア5を両側から嵌合して巻線部15との間を絶縁したことに対応して、2つのスロットインシュレータ17x,17yが対になっている。これら一対のスロットインシュレータ17x,17yを固定子コア3の軸線2の方向の両側から一部がコア3内部に挿入されて固定子コア3と巻線15との間を絶縁する。第1及び第2のスロットインシュレータ17x,17yは、固定子コア3の内側面の一部を覆う内側面被覆部21と環状ヨーク7の軸線2方向の一方側に位置する端面上に配置される端面被覆部23で構成される。固定子コア3の内側面被覆部分21は先に述べた分割コア5a,5b,5c,5d…5j,5k,5lの内側面被覆部分21a,21b,21c,21d…21j,21k,2lの総和である。固定子コア3の端面被覆部分23は先に述べた分割コア5a,5b,5c,5d…5j,5k,5lの端面被覆部分23a,23b,23c,23d…23j,23k,23lの総和である。
【0039】
本発明の一体型の回転電機用固定子1は、第1のスロットインシュレータ17xの端面被覆部23a,23b,23c,23d…23j,23k,23lには、複数の磁極部11a,11b,11c,11d…11j,11k,11lに巻装された複数の巻線部15a,15b,15c,15d…15j,15k,15lのうち同相の巻線部どうしを電気的に接続するn相分の渡り線25を相互に接触しないように保持する渡り線保持構造部27a,27b,27c,27d…27j,27k,27lが一体に設けられている。
【0040】
渡り線保持構造部27aの構造は分割型回転電機用固定子の場合と同一である。これを図3,図4の符号を用いて再度簡単に説明する。以下の説明で27a等のaの符号を用いたときは、他の11個の渡り線保持構造部27b,27c,27d…27j,27k,27lについてもaをb,c,d…j,k,lと置き換えて同じことが言えることとする。12個の渡り線保持構造部27は、環状ヨーク7に沿って間隔を開けて配置され、複数の柱状部29aと、複数の柱状部29aにそれぞれ形成された複数の巻線導体嵌合溝31aとを備えている。図5に渡り線保持構造部27aの斜視図を示す。巻線導体嵌合溝27aの数は渡り線の数、即ち固定子1に与える電源の相数に等しい。図5では3本の巻線導体嵌合溝31a−1φ、31−2φ、31−3φを形成している。複数の巻線導体嵌合溝31aは、固定子コア3に近いものほどその底部の位置が径方向33aの外側に位置するように形成され、固定子コア3に近いものほど径方向外側に開口する開口部33aの位置が径方向外側33aに位置するように形成されている。巻線導体嵌合部31aの開口部33aの軸線2の方向に沿う方向の開口幅寸法が、巻線導体13の直径寸法よりも小さくなっている。
【0041】
以上述べた一体型の回転電機用固定子1の構造における、巻線部15と渡り線25と渡り線保持構造部27の構造は分割型回転電機用固定子のそれと同一である。従って渡り線25に対する働きと効果は分割型について述べたのと同じである。
【0042】
図6に、本発明の回転電機用固定子で渡り線25を張り巡らせている領域を被覆する環状キャップ37の構造の斜視図を示す。また図2の平面図の一点斜線Zの図の上半分に環状キャップ37の半分の平面図を示す。図2の平面図に環状キャップ37が柱状部29a,29b,29c,29d…29j,29k,29lを被覆していることを示している。このような環状キャップ37は本発明の分割型、一体型の2つの型の回転電機用固定子にかかわらず用いることができる。従って以下に述べることはいずれの型の回転電機用固定子について言えることである。図7(A)に環状キャップ37を裏側から見た平面図を示す。環状キャップ37は裏側に図7に示すような環状の溝39を備えた絶縁樹脂製で、図2に示すように、複数の柱状部29a,29b,29c,29d…29j,29k,29lを溝39内に収納するようにして、図6に示すように装着されている。環状キャップ37の溝39の底壁部40には、複数の絶縁壁部41が一体に設けられており、絶縁壁部41が2本の柱状部29間に配置されるように環状キャップがはめ込まれる。絶縁壁部41の断面図を図7(B)に示す。絶縁壁部では溝の方向に平行に走る2枚の仕切り板42によって環状キャップの溝が3つの通路に仕切られている。通路の数は渡り線25の相数に等しい。隣接する2本の柱状部29間を通過する渡り線25が絶縁壁部の複数の通路を別々に通過し、平行に走る渡り線の間を電気的に絶縁するようになっている。このような絶縁壁部41によって、渡り線25が環状キャップ37内の柱状部29で保持されてない領域で互いに接触することを避けることができる。つまり、渡り線25が環状キャップ37の裏面の溝39内で絶縁壁部41と柱状部29の渡り線嵌合溝31とで、溝39の内部に完全に固定される。また環状キャップ37によって、柱状部29が環境の埃などから保護されて、柱状部29における渡り線25間の電気的な絶縁性の低下を抑制し、実効的な沿面距離を伸ばす効果がある。また渡り線25をひっかき傷などの機械的損傷から保護する効果がある。
【0043】
図2に示す環状キャップ37の外周部43には、複数の巻線15の両端引き出し部44の基部45が嵌合され基部45を周囲の導電部から電気的に絶縁する複数の巻線引き出し溝47が形成されている。複数の巻線の両端引き出し部の基部45が互いに距離を保つことによって巻線15の引き出し部44が外部で絡まるなどによって接触することを避けることができる。また各巻線の引き出し部44が周囲の導電部に触れて電気的に短絡されることを避けることができる。
【0044】
【発明の効果】
本発明によって、分割型と一体型いずれの型の回転電機用固定子においても、渡り線の相互間の距離が巻線導体嵌合溝で一定以上確保されるので、電動機の振動などがあっても、渡り線が互いに接触し短絡することを避けることができる効果がある。また渡り線間の配置が互いの距離が巻線導体嵌合溝の形状により、渡り線間の沿面距離を稼ぎ、渡り線間の絶縁性を長期に維持することができる効果がある。また巻線導体嵌合溝の開口部の形状によって、開口部の径よりも大きな径の渡り線をはめ込むのに困難を生じないで、且つ渡り線が巻線導体嵌合溝からはずれにくい構造になる。また分割ヨークの両端部に柱状部を2本取り付けることによって、巻線導体嵌合溝に渡り線を容易にはめ込み、且つ柱状部に必要な絶縁樹脂量を少量にすることができる。
【0045】
本発明の2つの型の回転電機用固定子では、環状キャップによって、渡り線を環境の埃や機械的なひっかき傷などから保護する効果がある。また環状キャップは溝の絶縁壁部によって、渡り線が環状キャップ内の柱状部で保持されてない領域で互いに接触することを避けることができる。環状キャップの外周部に、複数の巻線の両端引き出し部の基部が互いに距離を保つことによって渡り線が外部で絡まるなどによって接触したり、また各渡り線が周囲の導電部に触れて電気的に短絡されることを避ける効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の回転電機用固定子の実施の形態の一例を示す構造の斜視図である。
【図2】 本発明の回転電機用固定子の実施の形態の一例を示す構造の平面図と断面図である。
【図3】 本発明の回転電機用固定子の実施の形態の分割コアの一例を示す構造の斜視図である。
【図4】 本発明の回転電機用固定子の実施の形態の分割コアの一例を示す構造の平面図と断面図である。
【図5】 本発明の回転電機用固定子の渡り線保持構造部の実施の形態の一例を示す斜視図である。
【図6】 本発明の回転電機用固定子の環状キャップの実施の形態の一例を示す構造である。
【図7】 本発明の回転電機用固定子の環状キャップの実施の形態の一例を示す裏側からの構造である。
【符号の説明】
1 固定子
2 軸線
3 固定子コア
5,5a,5b,5c,5d…5j,5k,5l 分割コア
7 環状ヨーク
9,9a,9b,9c,9d…9j,9k,9l ヨーク構成部
9a 分割ヨークの両端部
11,11a,11b,11c,11d…11j,11k,11l 磁極部
13 巻線導体
15,15a,15b,15c,15d…15j,15k,15l 巻線部
17x,17y スロットインシュレータ
19,19a,19b,19c,19d…19j,19k,19l 分割インシュレータ
21,21a,21b,21c,21d…21j,21k,21l 内側面被覆部分
23,23a,23b,23c,23d…23j,23k,23l 端面被覆部分
25 渡り線
27,27a,27b,27c,27d…27j,27k,27l 渡り線保持構造部
29,29a,29b,29c,29d…29j,29k,29l 柱状部
31,31a,31b,31c,31d…31j,31k,31l 巻線導体嵌合溝
33,33a,33b,33c,33d…33j,33k,33l 径方向外側に開口する開口部
35 スロット
37 環状キャップ
39 環状の溝
40 溝の底壁部
41 絶縁壁部
42 仕切り板
43 環状キャップの外周部
44 巻線の両端引き出し部
45 巻線の両端引き出し部の基部
47 巻線引き出し溝

Claims (7)

  1. 回転軸に固定された回転子を囲むように配置される環状ヨークの一部を構成するヨーク構成部と、前記環状ヨークの内周側に周方向に等しい間隔をあけて配置される複数の磁極部の一つとを備えて構成された複数の分割コアが組み合わされて構成された固定子コアと、
    前記複数の磁極部に巻線導体が巻装されて構成された複数相の巻線と、
    絶縁樹脂により一体に成形され、前記分割コアに嵌合されて前記固定子コアと前記巻線との間を絶縁するインシュレータとを具備し、
    前記インシュレータは、前記分割コアの内側面の一部を覆う内側面被覆部分と前記ヨーク構成部の軸線方向の端面上に配置される2つの端面被覆部分とからなり、
    前記インシュレータの一方の前記端面被覆部分に、前記複数の磁極部に巻装された複数の巻線部のうち同相の巻線部どうしを電気的に接続するn相分の渡り線を相互に接触しないように保持する渡り線保持構造部が一体に設けられている回転電機用固定子であって、
    前記渡り線保持構造部は、前記環状ヨークに沿って間隔を開けて配置され、前記軸線方向の一方側に向かって前記環状ヨークから離れるように延びる1以上の柱状部と、前記1以上の柱状部にそれぞれ形成された複数の巻線導体嵌合溝とを備え、前記複数の巻線導体嵌合溝は前記軸線方向の前記一方側に間隔を開けて配置され、前記複数の巻線導体嵌合溝は前記回転軸の径方向外側と周方向両側に向かってそれぞれ開口しており、
    前記複数の巻線導体嵌合溝は、前記分割コアに近いものほどその底部の位置が前記径方向外側に位置するように形成され、且つ前記分割コアに近いものほど前記径方向外側に開口する開口部の位置が前記径方向外側に位置するように形成され、
    前記インシュレータは絶縁樹脂材料によって形成された一対のインシュレータ分割体により構成され、
    前記開口部の前記軸線方向に沿う方向の開口幅寸法が、前記巻線導体の直径寸法よりも小さいことを特徴とする回転電機用固定子。
  2. 前記分割ヨークの両端部に対応する位置に2つの前記柱状部が設けられている請求項1に記載の回転電機用固定子。
  3. 回転軸に固定された回転子を囲むように配置される環状ヨークと前記環状ヨークの内周側に周方向に等しい間隔をあけて配置された複数の磁極部とを備えている固定子コアと、
    前記複数の磁極部に巻線導体が巻装されて構成された複数相の巻線と、
    絶縁樹脂により一体に成形され、前記固定子コアの軸線方向の両側から一部がコア内部に挿入されて前記固定子コアと前記巻線との間を絶縁する第1及び第2のスロットインシュレータとを具備し、
    前記第1及び第2のスロットインシュレータが、前記複数の分割コアの内側面の一部を覆う内側面被覆部と前記環状ヨークの前記軸線方向の一方側に位置する端面上に配置される端面被覆部とからなり、
    前記第1のスロットインシュレータの前記端面被覆部には、前記複数の磁極部に巻装された複数の巻線部のうち同相の巻線部どうしを電気的に接続するn相分の渡り線を相互に接触しないように保持する渡り線保持構造が一体に設けられている回転電機用固定子であって、
    前記渡り線保持構造は、前記環状ヨークに沿って間隔を開けて配置され、前記軸線方向の一方側に向かって前記環状ヨークから離れるように延びる複数の柱状部と、前記複数の柱状部にそれぞれ形成された複数の巻線導体嵌合溝とを備え、前記複数の巻線導体嵌合溝は前記軸線方向の前記一方側に間隔を開けて配置され、前記複数の巻線導体嵌合溝は前記回転軸の径方向外側と周方向両側に向かってそれぞれ開口しており、
    前記複数の巻線導体嵌合溝は、前記固定子コアに近いものほどその底部の位置が前記径方向外側に位置するように形成され、前記固定子コアに近いものほど前記径方向外側に開 口する開口部の位置が前記径方向外側に位置するように形成され、
    前記スロットインシュレータは絶縁樹脂材料によって形成されており、
    前記開口部の前記軸線方向に沿う方向の開口幅寸法が、前記巻線導体の直径寸法よりも小さいことを特徴とする回転電機用固定子。
  4. 前記複数の柱状部は、2つの前記磁極部の間に形成された複数のスロットにそれぞれ対応する位置に1本または2本ずつ配置されている請求項3に記載の回転電機用固定子。
  5. 前記複数の柱状部の大部分を収納する環状の溝を備えた絶縁樹脂製の環状キャップが、前記複数の柱状部を前記溝内に収納するようにして装着されている請求項3に記載の回転電機用固定子。
  6. 前記環状キャップは前記溝の底壁部には、2本の前記柱状部間を延びる複数の前記巻線導体の隣接する2本の前記巻線導体間に挿入されて2本の巻線導体間を電気的に絶縁する複数の絶縁壁部が一体に設けられている請求項5に記載の回転電機用固定子。
  7. 前記環状キャップの外周部には、前記複数の巻線の両端引き出し部の基部が嵌合され前記基部を周囲の導電部から電気的に絶縁する複数の巻線引き出し溝が形成されている請求項5に記載の回転電機用固定子。
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