以下、本発明に係る回転電機についてそれに組み込まれるステータとの関係で好適な実施形態を例示し、添付の図面を参照しながら詳細に説明する。
先ず、本実施形態に係る回転電機用ステータ(以下、単にステータ10と称する。)は、その内部に設けられるロータと組み合わされて回転電機を構成し、例えば、電動機又は発電機として用いられる。
ステータ10は、所謂、3相Y型結線のステータであり、図1に示すように、中空状のホルダ(ハウジング)12と、ホルダ12に設けられた3相の入力端子U、V、Wと、中性点を形成する中性端子Nと、ホルダ12の内周面12aに沿って複数(図1では18個)の分割コア部14を環状に配置して形成されるステータコア16とを備えている。
ステータコア16は、U相、V相、W相のコイル18をそれぞれ有する分割コア部14を6つずつ含む。また、図1から諒解されるように、ステータコア16は、U相、V相、及び、W相のコイル18が反時計回りにこの順番で6回繰り返し並ぶように複数の分割コア部14を環状に配置して形成されている。
図1、図2、及び、図11に示すように、U相のコイル18を有する分割コア部14は、該コイル18を構成するコイル素線18aの一端部から延在して入力端子Uに電気的に接続する入力用端末部20Uを、V相のコイル18を有する分割コア部14は、該コイル18を構成するコイル素線18aの一端部から延在して入力端子Vに電気的に接続する入力用端末部20Vを、W相のコイル18を有する分割コア部14は、該コイル18を構成するコイル素線18aの一端部から延在して入力端子Wに電気的に接続する入力用端末部20Wをそれぞれ含む。なお、図2は、U相のコイル18を有する分割コア部14を示している。
以下の説明では、入力用端末部20U、20V、20Wにおいて、U相、V相、W相を区別しない場合には、参照符号「U」、「V」、「W」を省略することがある。
図2及び図3に示すように、各分割コア部14は、プレスにより打ち抜いた略T字状の金属板(鋼板)22を複数枚積層して構成される分割鉄心24と、分割鉄心24を絶縁するインシュレータ26と、分割鉄心24とインシュレータ26とを固定するためのボルト(締結部材)28と、インシュレータ26を介して分割鉄心24に巻回されるコイル18のコイル素線18aの他端部から延在して中性端子Nに電気的に接続される中性点用端末部30とを有している。
中性点用端末部30とコイル素線18a、及び、入力用端末部20とコイル素線18aのそれぞれは、連続して構成されている。つまり、中性点用端末部30、コイル素線18a、及び、入力用端末部20は、連続した1本の導線となっている。そして、前記導線は、断面長方形状に形成されている。なお、該導線は、断面長方形状に形成されたものに限定されず、例えば、断面円形状や断面正方形状に形成されていてもよい。
分割鉄心24は、略T字状であり、「T」字の上辺に相当するヨーク部24aと、「T」字の下辺延出部に相当する磁極部24bとを含んでいる。
ヨーク部24aの一端には、略半円状の嵌合凹部32が形成され、ヨーク部24aの他端には、嵌合凹部32に対応した略半円状の嵌合凸部34が形成されている。また、ヨーク部24aの略中央には、複数の金属板22の積層方向(ステータコア16の軸線方向、矢印A方向)に沿って貫通孔36が形成されている。
インシュレータ26は、可撓性を有しており、例えば、樹脂等で構成されている。また、インシュレータ26は、コイル素線18aが巻回される巻回部38と、巻回部38よりもステータコア16の半径方向外側(矢印B1方向)に位置する配線部40とを有している。
巻回部38は、上側巻回部38aと下側巻回部38bとを含み、前記上側巻回部38aには、断面略コ字状に形成された上側巻回部本体42aと、前記上側巻回部本体42aのうちステータコア16の半径方向内側(矢印B2方向)の端部に立設された上側内周壁44aと、前記上側巻回部本体42aのうち矢印A方向に沿って延在している部位の矢印B1方向の端部に立設されて前記上側内周壁44aと対向する上側外周壁46aとが設けられている。
一方、下側巻回部38bには、断面略コ字状に形成された下側巻回部本体42bと、前記下側巻回部本体42bのうち矢印B2方向の端部に立設された下側内周壁44bと、前記下側巻回部本体42bのうち矢印B1方向の端部に立設されて前記下側内周壁44bと対向する下側外周壁46bとが設けられている。
上側巻回部本体42aと下側巻回部本体42b、上側内周壁44aと下側内周壁44b、上側外周壁46aと下側外周壁46bは、それぞれ一部が重なり合って結合する。すなわち、上側巻回部38aの下方から下側巻回部38bが挿入され、上側巻回部38aと下側巻回部38bとが一体化されて巻回部38が構成される。このように一体化された結果得られる中央部の孔48には、分割鉄心24の磁極部24bが装入される。
配線部40は、上側外周壁46aの上端部近傍から矢印B1方向に延びた支持板50と、前記支持板50の上面に設けられた第1及び第2配線部52、54とを有している。
第1及び第2配線部52、54は、ステータコア16の周方向(矢印C方向)に互いに離間して配置されている。第1配線部52と第2配線部54との間の隙間56は、中性点用端末部30及び入力用端末部20が挿通可能な程度に設定されている。
図4に示すように、第1配線部52は、上面視で略四角形状(略台形状:図8参照)の第1基部58と、支持板50の上面に配置されると共に前記第1基部58の下面に接続する上面視で略四角形状(略台形状)の第2基部60とを有する。
第1基部58は、該第1基部58の矢印B1方向の端部に形成されて矢印C方向に沿って延在する第1外端面58a(図8参照)と、該第1外端面58aに連なると共に上側巻回部本体42aに向けて緩やかに湾曲する第1湾曲面58bと、該第1湾曲面58bに連なると共に第2配線部54に対向する第1案内面58cと、該第1案内面58cに連なると共に第1基部58の矢印B2方向の端部に形成された第1内端面58dと、該第1外端面58aと前記第1内端面58dとを接続する第1接続面58eとを含む。
なお、第1基部58は、第2配線部54が位置する側とは反対側(矢印C1方向)に向かうに従ってステータコア16の半径方向(矢印B方向)の幅が狭くなるように構成されている。つまり、第1内端面58dは、第1外端面58aと平行ではなく、第1接続面58e側に向かうに従って矢印C1方向に沿って徐々に幅狭となっている。
第2基部60は、第1基部58を一回り大きくしたような形状に構成されており、該第2基部60の矢印B1方向の端部に形成されて矢印C方向に沿って延在する第2外端面60aと、該第2外端面60aに連なると共に上側巻回部本体42aに向けて緩やかに湾曲する第2湾曲面60bと、該第2湾曲面60bに連なると共に第2配線部54に対向する第2案内面60cと、該第2案内面60cに連なり第2基部60の矢印B2方向の端部に形成された第2内端面60dと、該第2外端面60aと第2内端面60dとを接続する第2接続面60eとを含む。
図4及び図5に示すように、第1案内面58cと第2案内面60c、第1内端面58dと第2内端面60d、第1接続面58eと第2接続面60eは、それぞれが一体に接続して1つの平坦面を形成している。また、第2基部60は、第1基部58よりも矢印B1方向に突出すると共に、矢印A方向に大きく形成されている。
第1基部58、第2基部60、及び、支持板50には、矢印A方向に延びて分割鉄心24の貫通孔36に対応する挿通孔62が形成されている。なお、挿通孔62は、第1基部58の上面のうち第1湾曲面58bに近接する位置に開口している。
インシュレータ26と分割鉄心24は、インシュレータ26の孔48に分割鉄心24の磁極部24bを装入した状態で、上方からボルト28を挿通孔62を介して貫通孔36に通し、例えば、ホルダ12に締め付けることにより固定される。これにより、複数の金属板22同士の固定と、インシュレータ26と分割鉄心24の固定とを同時に行うことができる。
なお、ボルト28の締め付け箇所は、ホルダ12に限られない。例えば、ボルト28を図示しないミッションケース等に直接締め付けてもよい。この場合、ホルダ12を省略することができるので、回転電機の部材コストを削減することができると共に、省スペース化を図ることが可能となる。
第1配線部52は、第1基部58の第1外端面58aの上端部から矢印B1方向に延びた第1延在板64と、第2基部60の第2外端面60aから矢印B1方向に延びて前記第1延在板64に平行な第2〜第5延在板66、68、70、72と、第2基部60の第2内端面60dの下端部から矢印B2方向に突出する突出部74とをさらに有している。
第1延在板64は、第2基部60よりも矢印B1方向に張り出している。第1延在板64の下面のうち矢印B1方向の端部には、下方に突出すると共に略直方体状に形成された第1下ストッパ部76aと、該第1下ストッパ部76aよりも第2配線部54側(矢印C2方向)に離間して位置し、且つ、下方に突出する第2下ストッパ部78aとが形成されている。
第1下ストッパ部76aは、第1延在板64の矢印C1方向の端部から矢印C2方向に向かって延びている。なお、第1下ストッパ部76aの矢印C1方向の端部は、第1延在板64の形状に合わせてやや丸みを帯びている。第1下ストッパ部76aは、矢印C方向の長さが第1延在板64の矢印C方向の長さの半分程度に設定されている。また、第1下ストッパ部76aは、矢印B方向の長さ(幅)が第1延在板64の板厚よりも広く、矢印A方向の長さ(高さ)が第1延在板64の板厚よりも低く設定されている。
第2下ストッパ部78aは、上面視で四角形状(図8参照)に形成されると共に、矢印C方向において第1延在板64の中央よりもやや矢印C2方向寄りに位置している。
また、第2下ストッパ部78aは、長さが第1下ストッパ部76aの長さよりも短く、幅及び高さが第1下ストッパ部76aの幅及び高さと略同一に設定されている。なお、第1下ストッパ部76aと第2下ストッパ部78aの離間間隔は、中性点用端末部30の厚みd1よりも大きく設定されている(図2参照)。
第1延在板64の下面には、矢印C方向に沿って第1延在板64を横切るようにして第1溝部80aが形成されている。なお、第1溝部80aは、第1下ストッパ部76aと第2下ストッパ部78aに隣接している。第1溝部80aは、断面コ字状に形成されており、溝深さ(矢印A方向の長さ)が第1下ストッパ部76aの高さと略同一に、溝幅(矢印B方向の長さ)が第1下ストッパ部76aの幅よりも狭く設定されている。
第2延在板66は、第2基部60の上端部に接続されている。その結果、第2延在板66の上面と第2基部60の上面とが一体となって平坦面が形成される。
第2延在板66の上面のうち矢印B1方向の端部には、上方に突出すると共に略直方体状に形成された第1上ストッパ部82aと、該第1上ストッパ部82aよりも矢印C2方向に離間して位置し、且つ、上方に突出する第2上ストッパ部84aとが形成されている。
第1上ストッパ部82aは、第1下ストッパ部76aを上下反転させた形状を有しており、第1下ストッパ部76aと対向して配置される。つまり、第1上ストッパ部82aは、その長さ、幅、高さが第1下ストッパ部76aの長さ、幅、高さと同一に設定されている。
第2上ストッパ部84aは、第2下ストッパ部78aを上下反転させた形状を有しており、該第2下ストッパ部78aと対向して配置される。つまり、第2上ストッパ部84aは、その長さ、幅、高さが第2下ストッパ部78aの長さ、幅、高さと同一に設定されている。
第1延在板64の下面と第2基部60の上面は、第1基部58の第1外端面58aで終端する。その結果、第1延在板64の下面、第2延在板66の上面、第2基部60の上面、及び、第1外端面58aによって、第1収納溝86aが形成される。そして、この第1収納溝86aには、中性点用端末部30が収納されることとなる。
第1収納溝86aの溝幅(第1延在板64の下面のうち第1溝部80aよりも矢印B2方向に位置する部位と第2基部60の上面との間隔)L1は、中性点用端末部30の横幅d2よりも広く設定されている。第1収納溝86aの溝深さ(第1下ストッパ部76aの矢印B2方向の端面から第1外端面58aまでの距離)L2は、中性点用端末部30が矢印C方向に沿って9個配置可能な程度の大きさに設定されている。
なお、第1下ストッパ部76aと第1上ストッパ部82aとの間隔L3は、中性点用端末部30の横幅d2よりも狭く設定されている。また、第2下ストッパ部78aと第2上ストッパ部84aとの間隔は、前記間隔L3と略同一に設定されている。
第2延在板66の下面のうち矢印B1方向の端部には、第2延在板66の第1上ストッパ部82aの反対側(裏側又は下側)に位置し、且つ、第1下ストッパ部76aと同一の形状に構成された第1下ストッパ部76bと、該第1下ストッパ部76bよりも矢印C2方向に離間して位置し、且つ、第2下ストッパ部78aと同一の形状に構成された第2下ストッパ部78bとが形成されている。
第1下ストッパ部76bと第2下ストッパ部78bとの離間間隔は、第1上ストッパ部82aと第2上ストッパ部84aとの離間間隔の約2倍に設定されている。なお、第2下ストッパ部78bは、第2延在板66の矢印C2方向の端部近傍に位置している。
第2延在板66の下面には、矢印C方向に沿って第2延在板66を横切るようにして第2溝部80bが形成されている。なお、第2溝部80bは、第1下ストッパ部76bと第2下ストッパ部78bとに隣接している。第2溝部80bは、第1溝部80aと同一の形状を有している。
第3延在板68は、第2延在板66よりも下方に所定距離だけ離間して配置されている。該所定距離は、入力用端末部20Uの横幅d2よりも大きく設定される。
第3延在板68の上面のうち矢印B1方向の端部には、第1下ストッパ部76bと対向し、且つ、第1上ストッパ部82aと同一の形状に構成された第1上ストッパ部82bと、該第1上ストッパ部82bよりも矢印C2方向に離間して位置すると共に第2下ストッパ部78bと対向して配置され、且つ、第2上ストッパ部84aと同一の形状に構成された第2上ストッパ部84bとが形成されている。
第2延在板66の下面と第3延在板68の上面は、第2基部60の第2外端面60aで終端する。その結果、第2延在板66の下面、第3延在板68の上面、及び、第2外端面60aによって、第2収納溝86bが形成される。そして、この第2収納溝86bには、入力用端末部20Uが収納されることとなる。
第2収納溝86bの溝幅(第2延在板66の下面のうち第2溝部80bよりも矢印B2方向に位置する部位と第3延在板68の上面との間隔)は、第1収納溝86aの溝幅L1と同一に設定されている。第2収納溝86bの溝深さ(第1下ストッパ部76bの矢印B2方向の端面から第2外端面60aまでの距離)L4は、入力用端末部20Uが矢印C方向に沿って3個配置可能な程度の大きさに設定されている。
なお、第1下ストッパ部76bと第1上ストッパ部82bとの間隔、及び、第2下ストッパ部78bと第2上ストッパ部84bとの間隔は、前記間隔L3と略同一に設定されている。
第3延在板68の下面のうち矢印B1方向の端部には、第1上ストッパ部82bの反対側に位置し、且つ、第1下ストッパ部76aと同一の形状に構成された第1下ストッパ部76cと、該第1下ストッパ部76cよりも矢印C2方向に離間して位置すると共に第2上ストッパ部84bの反対側に位置し、且つ、第2下ストッパ部78aと同一の形状に構成された第2下ストッパ部78cとが形成されている。
第3延在板68の下面には、矢印C方向に沿って第3延在板68を横切るようにして第3溝部80cが形成されている。なお、第3溝部80cは、第1下ストッパ部76cと第2下ストッパ部78cとに隣接している。第3溝部80cは、第1溝部80aと同一の形状を有している。
第4延在板70は、第3延在板68よりも下方に所定距離だけ離間して位置している。該所定距離は、第2延在板66と第3延在板68との離間間隔と同一の距離に設定されている。
第4延在板70の上面のうち矢印B1方向の端部には、第1下ストッパ部76cと対向し、且つ、第1上ストッパ部82aと同一の形状に構成された第1上ストッパ部82cと、該第1上ストッパ部82cよりも矢印C2方向に離間して位置すると共に第2下ストッパ部78cと対向して配置され、且つ、第2上ストッパ部84aと同一の形状に構成された第2上ストッパ部84cとが形成されている。
第3延在板68の下面と第4延在板70の上面は、第2基部60の第2外端面60aで終端する。その結果、第3延在板68の下面、第4延在板70の上面、及び、第2外端面60aによって、第3収納溝86cが形成される。そして、この第3収納溝86cには、入力用端末部20Vが収納されることとなる。
第3収納溝86cの溝幅(第3延在板68の下面のうち第3溝部80cよりも矢印B2方向に位置する部位と第4延在板70の上面との間隔)は、第1収納溝86aの溝幅L1と同一に設定されている。第3収納溝86cの溝深さ(第1下ストッパ部76cの矢印B2方向の端面から第2外端面60aまでの距離)は、第2収納溝86bの溝深さL4と同一に設定されている。なお、第1下ストッパ部76cと第1上ストッパ部82cとの間隔、及び、第2下ストッパ部78cと第2上ストッパ部84cとの間隔は、前記間隔L3と略同一に設定されている。
第4延在板70の下面のうち矢印B1方向の端部には、第1上ストッパ部82cの反対側に位置し、且つ、第1下ストッパ部76aと同一の形状に構成された第1下ストッパ部76dと、該第1下ストッパ部76dよりも矢印C2方向に離間して位置すると共に第2上ストッパ部84cの反対側に位置し、且つ、第2下ストッパ部78aと同一の形状に構成された第2下ストッパ部78dとが形成されている。
第4延在板70の下面には、矢印C方向に沿って第4延在板70を横切るようにして第4溝部80dが形成されている。なお、第4溝部80dは、第1下ストッパ部76dと第2下ストッパ部78dとに隣接している。第4溝部80dは、第1溝部80aと同一の形状を有している。
第5延在板72は、第2基部60の下端部に接続されている。なお、第4延在板70と第5延在板72との離間間隔は、第3延在板68と第4延在板70との離間間隔と同一に設定されている。
第5延在板72の上面のうち矢印B1方向の端部には、第1下ストッパ部76dと対向し、且つ、第1上ストッパ部82aと同一の形状に構成された第1上ストッパ部82dと、該第1上ストッパ部82dよりも矢印C2方向に離間して位置すると共に第2下ストッパ部78dに対向して配置され、且つ、第2上ストッパ部84aと同一の形状に構成された第2上ストッパ部84dとが形成されている。
第4延在板70の下面と第5延在板72の上面は、第2基部60の第2外端面60aで終端する。その結果、第4延在板70の下面、第5延在板72の上面、及び、第2外端面60aによって、第4収納溝86dが形成される。そして、この第4収納溝86dには、入力用端末部20Wが収納されることとなる。
第4収納溝86dの溝幅(第4延在板70の下面のうち第4溝部80dよりも矢印B2方向に位置する部位と第5延在板72の上面との間隔)は、第1収納溝86aの溝幅L1と同一に設定されている。第4収納溝86dの溝深さ(第1下ストッパ部76dの矢印B2方向の端面から第2外端面60aまでの距離)は、第2収納溝86bの溝深さL4と同一に設定されている。なお、第1下ストッパ部76dと第1上ストッパ部82dとの間隔、及び、第2下ストッパ部78dと第2上ストッパ部84dとの間隔は、前記間隔L3と略同一に設定されている。
突出部74は、第2内端面60dの下端部から矢印B2方向に沿って延びる底部88と、前記底部88の矢印B2方向の端部に立設された側部90とを有している(図9参照)。底部88の上端面88aは、側部90に向かうに従って矢印B方向に対して下方に徐々に傾斜している。
また、側部90は、底部88の矢印C1方向の端部から底部88の中途の位置まで延びると共に、矢印C2方向に向かって先細り形状となっている。つまり、底部88の上端面88aは、上側巻回部本体42aの上面に対して滑らかに接続されることとなる。
第2内端面60d及び側部90の内側面(矢印B1方向の側面)90aは、底部88の上端面88aで終端する。その結果、第2内端面60d、上端面88a、及び、内側面90aによって、側溝92が形成される。なお、側溝92の溝幅は、中性点用端末部30の横幅d2よりも大きく設定されている。
図6〜図8に示すように、第2配線部54は、上面視で略四角形状の第1基部94と、支持板50の上面に配置されると共に前記第1基部94の下面に接続する上面視で略四角形状の第2基部96とを有する。
矢印A方向において、第1基部94の高さは第1基部58の高さに、第2基部96の高さは第2基部60の高さにそれぞれ対応している(図3参照)。
第1基部94は、該第1基部94の端部に形成されて矢印C方向に沿って延在する第1外端面94aと、該第1外端面94aに連なると共に第1配線部52に対向する第1案内面94bと、該第1案内面94bに連なると共に第1基部94の矢印B2方向の端部に形成された第1内端面94cと、該第1外端面94aと該第1内端面94cとを接続する第1接続面94dとを含む。
第2基部96は、第1基部94を一回り大きくしたような形状に構成されており、該第2基部96の端部に形成されて矢印C方向に沿って延在する第2外端面96aと、該第2外端面96aに連なると共に第1配線部52に対向する第2案内面96bと、該第2案内面96bに連なり第2基部96の矢印B2方向の端部に形成された第2内端面96cと、該第2外端面96aと該第2内端面96cとを接続する第2接続面96dとを含む。
第1案内面94bと第2案内面96b、第1内端面94cと第2内端面96c、及び、第1接続面94dと第2接続面96dは、それぞれが一体に接続して平坦面を形成している。つまり、第2基部96は、第1基部94よりも矢印B1方向に突出すると共に、矢印A方向に大きく形成されている。なお、第1及び第2案内面94b、96bには、上述した分割鉄心24のヨーク部24aの嵌合凹部32と同一の形状の凹部98が形成されている。
第2配線部54は、第1基部94の第1外端面94aの上端部から矢印B1方向に延びた第1延在板100と、第2基部96の第2外端面96aから矢印B1方向に延びて第1延在板100に平行な第2〜第5延在板102、104、106、108とをさらに有している。
矢印A方向において、第1延在板100は第1延在板64の位置に、第2延在板102は第2延在板66の位置に、第3延在板104は第3延在板68の位置に、第4延在板106は第4延在板70の位置に、第5延在板108は第5延在板72の位置に、それぞれ対応して形成されている。
第1延在板100は、第2基部96よりも矢印B1方向に張り出している。第1延在板100の下面のうち矢印B1方向の端部には、下方に突出する第1下ストッパ部110aと、該第1下ストッパ部110aよりも矢印C2方向に離間して位置し、且つ、下方に突出する第2下ストッパ部112aとが形成されている。
第1下ストッパ部110aは、矢印C方向において第1延在板100の中央よりもやや矢印C1方向寄りに位置しており、第2下ストッパ部112aは、第1延在板100の矢印C2方向の端部に位置している。なお、第1及び第2下ストッパ部110a、112aは、第1配線部52の第2下ストッパ部78aと同一の形状を有している。
第1下ストッパ部110aと第2下ストッパ部112aの離間間隔は、中性点用端末部30の厚みd1よりも大きく設定されている(図2参照)。
また、第1延在板100の下面には、矢印C方向に沿って第1延在板100を横切るようにして第1溝部114aが形成されている。なお、第1溝部114aは、第1下ストッパ部110aと第2下ストッパ部112aに隣接している。第1溝部114aは、第1配線部52の第1溝部80aと同一の形状を有している。
第2延在板102は、第2基部96の上端部に接続されている。その結果、第2延在板102の上面と第2基部96の上面とが一体となって平坦面が形成される。
第2延在板102の上面のうち矢印B1方向の端部には、第1下ストッパ部110aと対向し、且つ、第1配線部52の第2上ストッパ部84aと同一の形状に構成された第1上ストッパ部116aと、該第1上ストッパ部116aよりも矢印C2方向に離間して位置すると共に第2下ストッパ部112aと対向して配置され、且つ、第1上ストッパ部116aと同一の形状に構成された第2上ストッパ部118aとが形成されている。
第1延在板100の下面と第2基部96の上面は、第1基部94の第1外端面94aで終端する。その結果、第1延在板100の下面、第2延在板102の上面、第2基部96の上面、及び、第1外端面94aによって、第1収納溝120aが形成される。そして、この第1収納溝120aには、中性点用端末部30が収納されることとなる。
第1収納溝120aの溝幅(第1延在板100の下面のうち第1溝部114aよりも矢印B2方向に位置する部位と第2基部96の上面との間隔)L5は、第1配線部52の第1収納溝86aの溝幅L1と同一に設定されている。第1収納溝120aの溝深さ(第1下ストッパ部110aの矢印B2方向の端面から第1外端面94aまでの距離)L6は、第1配線部52の第1収納溝86aの溝深さL2と同一に設定されている。
なお、第1下ストッパ部110aと第1上ストッパ部116aとの間隔L7は、中性点用端末部30の横幅d2よりも狭く設定されている。また、第2下ストッパ部112a及び第2上ストッパ部118aの間隔は、前記間隔L7と略同一に設定されている。
第2延在板102の下面のうち矢印B1方向の端部には、第2延在板102の第1上ストッパ部116aの反対側に位置し、且つ、第1下ストッパ部110aと同一の形状に構成された第1下ストッパ部110bと、該第1下ストッパ部110bよりも矢印C2方向に離間して位置すると共に第2上ストッパ部118aの反対側に位置し、且つ、第2下ストッパ部112aと同一の形状に構成された第2下ストッパ部112bとが形成されている。
第2延在板102の下面には、矢印C方向に沿って第2延在板102を横切るようにして第2溝部114bが形成されている。なお、第2溝部114bは、第1下ストッパ部110bと第2下ストッパ部112bとに隣接している。第2溝部114bは、第1溝部114aと同一の形状を有している。
第3延在板104は、第2延在板102よりも下方に所定距離だけ離間して配置されている。該所定間隔は、入力用端子部20Uの横幅d2よりも大きく設定される。
第3延在板104の上面のうち矢印B1方向の端部には、第1下ストッパ部110bと対向し、且つ、第1上ストッパ部116aと同一の形状に構成された第1上ストッパ部116bと、該第1上ストッパ部116bよりも矢印C2方向に離間して位置すると共に第2下ストッパ部112bと対向して配置され、且つ、第2上ストッパ部118aと同一の形状に構成された第2上ストッパ部118bとが形成されている。
第2延在板102の下面と第3延在板104の上面は、第2基部96の第2外端面96aで終端する。その結果、第2延在板102の下面、第3延在板104の上面、及び、第2外端面96aによって、第2収納溝120bが形成される。そして、この第2収納溝120bには、入力用端末部20Uが収納されることとなる。
第2収納溝120bの溝幅(第2延在板102の下面のうち第2溝部114bよりも矢印B2方向に位置する部位と第3延在板104の上面との間隔)は、第1収納溝120aの溝幅L5と同一に設定されている。第2収納溝120bの溝深さ(第1下ストッパ部110bの矢印B2方向の端面から第2外端面120aまでの距離)L8は、第1配線部52の第2収納溝86bの溝深さL4と同一に設定されている。
なお、第1下ストッパ部110bと第1上ストッパ部116bとの間隔、及び、第2下ストッパ部112bと第2上ストッパ部118bとの間隔は、前記間隔L7と同一に設定されている。
第3延在板104の下面のうち矢印B1方向の端部には、第1上ストッパ部116bの反対側に位置し、且つ、第1下ストッパ部110aと同一の形状に構成された第1下ストッパ部110cと、該第1下ストッパ部110cよりも矢印C2方向に離間して位置すると共に第2上ストッパ部118bの反対側に位置し、且つ、第2下ストッパ部112aと同一の形状に構成された第2下ストッパ部112cとが形成されている。
第3延在板104の下面には、矢印C方向に沿って第3延在板104を横切るようにして第3溝部114cが形成されている。なお、第3溝部114cは、第1下ストッパ部110cと第2下ストッパ部112cとに隣接している。第3溝部114cは、第1溝部114aと同一の形状を有している。
第4延在板106は、第3延在板104よりも下方に所定距離だけ離間して位置している。該所定距離は、第2延在板102と第3延在板104との離間間隔と同一の距離に設定されている。
第4延在板106の上面のうち矢印B1方向の端部には、第1下ストッパ部110cと対向し、且つ、第1上ストッパ部116aと同一の形状に構成された第1上ストッパ部116cと、該第1上ストッパ部116cよりも矢印C2方向に離間して位置すると共に第2下ストッパ部112cと対向して配置され、且つ、第2上ストッパ部118aと同一の形状に構成された第2上ストッパ部118cとが形成されている。
第3延在板106の下面と第4延在板108の上面は、第2基部96の第2外端面96aで終端する。その結果、第3延在板104の下面、第4延在板106の上面、及び、第2外端面96aによって、第3収納溝120cが形成される。そして、この第3収納溝120cには、入力用端末部20Vが収納されることとなる。
第3収納溝120cの溝幅(第3延在板104の下面のうち第3溝部114cよりも矢印B2方向に位置する部位と第4延在板106の上面との間隔)は、第1収納溝120aの溝幅L5と同一に設定されている。第3収納溝120cの溝深さ(第1下ストッパ部110cの矢印B2方向の端面から第2外端面96aまでの距離)は、第2収納溝120bの溝深さL8と同一に設定されている。なお、第1下ストッパ部110cと第1上ストッパ部116cとの間隔、及び、第2下ストッパ部112cと第2上ストッパ部118cとの間隔は、前記間隔L7と同一に設定されている。
第4延在板106の下面のうち矢印B1方向の端部には、第1上ストッパ部116cの反対側に位置し、且つ、第1下ストッパ部110aと同一の形状に構成された第1下ストッパ部110dと、該第1下ストッパ部110dよりも矢印C2方向に離間して位置すると共に第2上ストッパ部118cの反対側に位置し、且つ、第2下ストッパ部112aと同一の形状に構成された第2下ストッパ部112dとが形成されている。
第4延在板106の下面には、矢印C方向に沿って第4延在板106を横切るようにして第4溝部114dが形成されている。なお、第4溝部114dは、第1下ストッパ部110dと第2下ストッパ部112dとに隣接している。第4溝部114dは、第1溝部114aと同一の形状を有している。
第5延在板108は、第2基部96の下端部に接続されている。なお、第4延在板106と第5延在板108との離間間隔は、第3延在板104と第4延在板106との離間間隔と同一に設定されている。
第5延在板108の上面のうち矢印B1方向の端部には、第1下ストッパ部110dと対向し、且つ、第1上ストッパ部116aと同一の形状に構成された第1上ストッパ部116dと、該第1上ストッパ部116dよりも矢印C2方向に離間して位置すると共に第2下ストッパ部112dに対向して配置され、且つ、第2上ストッパ部118aと同一の形状に構成された第2上ストッパ部118dとが形成されている。
第4延在板106の下面と第5延在板108の上面は、第2基部96の第2外端面96aで終端する。その結果、第4延在板106の下面、第5延在板108の上面、及び、第2外端面96aによって、第4収納溝120dが形成される。そして、この第4収納溝120dには、入力用端末部20Wが収納されることとなる。
第4収納溝120dの溝幅(第4延在板106の下面のうち第4溝部114dよりも矢印B2方向に位置する部位と第5延在板108の上面との間隔)は、第1収納溝120aの溝幅L5と同一に設定されている。第4収納溝120dの溝深さ(第1下ストッパ部110dの矢印B2方向の端面から第2外端面96aまでの距離)は、第2収納溝120bの溝深さL8と同一に設定されている。なお、第1下ストッパ部110dと第1上ストッパ部116dとの間隔、及び、第2下ストッパ部112dと第2上ストッパ部118dとの間隔は、前記間隔L7と同一に設定されている。
図2から諒解されるように、分割コア部14のコイル18は、コイル素線18aをインシュレータ26の巻回部38に巻回することにより形成される。つまり、図8に示すように、コイル18は、中性点用端末部30の一部を側溝92に配置した状態で、コイル素線18aを巻回部38に巻回することにより形成される。
これにより、コイル素線18aの巻回作業中に、中性点用端末部30が邪魔になることを防止することができる。なお、コイル素線18aの巻回作業は、インシュレータ26を固定した状態で巻回部38にコイル素線18aを巻きつけてもよいし、インシュレータ26を図示しない回転治具によって回転させながらコイル素線18aを巻回部38に巻きつけてもよい。
また、コイル素線18aの巻回作業が終了すると、中性点用端末部30及び入力用端末部20は、巻回部38よりも矢印B1方向に位置することとなる。そのため、次工程において、中性点用端末部30を第1収納溝86a、120aに容易に導くことができると共に、入力用端末部20を第2〜第4収納溝86b〜86d、120b〜120dに容易に導くことができる。
次に、上述した複数の分割コア部14の組み立て手順について説明する。
先ず、図9及び図10に示すように、9個の分割コア部14において、側溝92に配置されている中性点用端末部30を、第1配線部52と第2配線部54との間の隙間56を介して第1配線部52の第1案内面58c及び第1湾曲面58bを滑らせながら第1収納溝86aに導くと共に、前記第1収納溝86aに導かれた中性点用端末部30を、第1下ストッパ部76a及び第2下ストッパ部78aの間と、第1上ストッパ部82a及び第2上ストッパ部84aの間とを介してインシュレータ26の外方に配置する。
また、前記9個の分割コア部14のうち、3つの(U1相〜U3相のコイル18を有する)分割コア部14において、入力用端末部20Uを、前記隙間56を介して第2案内面60c及び第2湾曲面60bに対して滑らせながら第2収納溝86bに導くと共に、前記第2収納溝86bに導かれた入力用端末部20Uを、第1下ストッパ部76b及び第2下ストッパ部78bの間と、第1上ストッパ部82b及び第2上ストッパ部84bの間とを介してインシュレータ26の外方に配置する。
さらに、詳細な図示は省略するが、前記9個の分割コア部14のうち、3つの(V1相〜V3相のコイル18を有する)分割コア部14において、入力用端末部20Vを、前記隙間56を介して第2案内面60c及び第2湾曲面60bに対して滑らせながら第3収納溝86cに導くと共に、前記第3収納溝86cに導かれた入力用端末部20Vを、第1下ストッパ部76c及び第2下ストッパ部78cの間と、第1上ストッパ部82c及び第2上ストッパ部84cの間とを介してインシュレータ26の外方に配置する。
前記9個の分割コア部14のうち、3つの(W1相、W2相、W6相のコイル18を有する)分割コア部14において、入力用端末部20Wを、前記隙間56を介して第2案内面60c及び第2湾曲面60bに対して滑らせながら第4収納溝86dに導くと共に、前記第4収納溝86dに導かれた入力用端末部20Wを、第1下ストッパ部76d及び第2下ストッパ部78dの間と、第1上ストッパ部82d及び第2上ストッパ部84dの間とを介してインシュレータ26の外方に配置する。
また、前記9個の分割コア部14とは別の9個の分割コア部14において、側溝92に配置されている中性点用端末部30を、第1配線部52と第2配線部54との間の隙間56を介して第2配線部54の第1案内面94bを滑らせながら第1収納溝120aに導くと共に、前記第1収納溝120aに導かれた中性点用端末部30を、第1下ストッパ部110a及び第2下ストッパ部112aの間と、第1上ストッパ部116b及び第2上ストッパ部118aの間とを介してインシュレータ26の外方に配置する。
そして、該別の9個の分割コア部14のうち、3つの(U4相〜U6相のコイル18を有する)分割コア部14において、入力用端末部20Uを、前記隙間56を介して第2案内面96bに対して滑らせながら第2収納溝120bに導くと共に、前記第2収納溝120bに導かれた入力用端末部20Uを、第1下ストッパ部110b及び第2下ストッパ部112bの間と、第1上ストッパ部116b及び第2上ストッパ部118bの間とを介してインシュレータ26の外方に配置する。
該別の9個の分割コア部14のうち、3つの(V4相〜V6相のコイル18を有する)分割コア部14において、入力用端末部20Vを、前記隙間56を介して第2案内面96bに対して滑らせながら第3収納溝120cに導くと共に、前記第3収納溝120cに導かれた入力用端末部20Vを、第1下ストッパ部110c及び第2下ストッパ部112cの間と、第1上ストッパ部116c及び第2上ストッパ部118cの間とを介してインシュレータ26の外方に配置する。
該別の9個の分割コア部14のうち、3つの(W3相〜W5相のコイル18を有する)分割コア部14において、入力用端末部20Wを、前記隙間56を介して第2案内面96bに対して滑らせながら第4収納溝120dに導くと共に、前記第4収納溝120dに導かれた入力用端末部20Wを、第1下ストッパ部110d及び第2下ストッパ部112dの間と、第1上ストッパ部116d及び第2上ストッパ部118dの間とを介してインシュレータ26の外方に配置する。
その後、図11に示すように、先ず、U1相のコイル18を有する分割コア部14をホルダ12の内周面12aに沿って配置する。続いて、V1相のコイル18を有する分割コア部14を上方からU1相のコイル18を有する分割コア部14の左側に降下して、V1相のコイル18を有する分割コア部14のヨーク部24aの嵌合凸部34をU1相のコイル18を有する分割コア部14の第2配線部54の凹部98を介してヨーク部24aの嵌合凹部32に挿入する。これにより、U1相のコイル18を有する分割コア部14に対してV1相のコイル18を有する分割コア部14が位置決めされる。
このとき、上述したように、中性点用端末部30と入力用端末部20Vは、インシュレータ26の外方に配置されているので、該中性点用端末部30と該入力用端末部20VがU1相のコイル18を有する分割コア部14と干渉することを好適に防止することができる。
なお、中性点用端末部30は、第1下ストッパ部76a及び第2下ストッパ部78aの間と第1上ストッパ部82a及び第2上ストッパ部84aの間とに挿通され、入力用端末部20Vは、第1下ストッパ部76c及び第2下ストッパ部78cの間と第1上ストッパ部82c及び第2上ストッパ部84cの間とに挿通されているので、V1相のコイル18を有する分割コア部14を配置する際に、中性点用端末部30及び入力用端末部20Vが矢印C方向に振れることは殆どない。
続いて、V1相のコイル18を有する分割コア部14を配置したときと同じ要領で、W1相のコイル18を有する分割コア部14をV1相のコイル18を有する分割コア部14の左側に配置する。これにより、U1相のコイル18、V1相のコイル18、W1相のコイル18が反時計回りに並んで配置されることとなる。
そして、このような動作を6回繰り返すことにより、18個の分割コア部14を環状に配置する。このようにして配置された複数の分割コア部14のコイル18は、図1に示すように、反時計回りにU1相、V1相、W1相、U2相、V2相、W2相…U6相、V6相、W6相の順番で配列されることとなる。
続いて、中性点用端末部30を複数の分割コア部14の第1収納溝86a、120aに引き回して中性端子Nに電気的に接続し、U相の入力用端末部20Uを複数の分割コア部14の第2収納溝86b、120bに引き回して入力端子Uに電気的に接続し、V相の入力用端末部20Vを複数の分割コア部14の第3収納溝82c、120cに引き回して入力端子Vに電気的に接続し、W相の入力用端末部20Wを複数の分割コア部14の第4収納溝86d、120dに引き回して入力端子Wに電気的に接続する。
また、詳細な図示は省略するが、本実施形態では、U1相〜U3相、V1相〜V3相、W1相、W2相、及び、W6相のコイル18の中性点用端末部30及び入力用端末部20を反時計回りに引き回し、U4相〜U6相、V4相〜V6相、及び、W3相〜W6相のコイル18の中性点用端末部30及び入力用端末部20を時計回りに引き回している。
ここで、具体例として、U1相のコイル18の中性点用端末部30及び入力用端末部20Uの引き回し作業について説明する。
先ず、第1配線部52の第1延在板64の矢印B1方向の端部を上方に押圧して、第1延在板64のうち第1溝部80aが位置する部位(肉薄部)を弾性変形させて第1収納溝86aの矢印B1方向の開口面積を広げる。そして、前記第1収納溝86aの開口面積を広げた状態で、中性点用端末部30を第1下ストッパ部76a及び第1外端面58aの間と第1上ストッパ部82a及び第1外端面58aの間に挿通する。これにより、中性点用端末部30が、第1下ストッパ部76a及び第1上ストッパ部82aと干渉することを抑えることができる。
なお、このとき、第1延在板64を弾性変形させず、第2延在板66の矢印B1方向の端部を下方に押圧して、該第2延在板66のうち第2溝部80bが位置する部位(肉薄部)を弾性変形させることにより、第1収納溝86aの矢印B1方向の開口面積を広げてもよい。さらに、第1延在板64と第2延在板66の両方を弾性変形させて、前記開口面積を広げることも可能である。
続いて、これと同じ要領で、W6相のコイル18を有する分割コア部14の第2配線部54の第1収納溝120a、第1配線部52の第1収納溝86a、及び、V6相のコイル18を有する分割コア部14の第2配線部54の第1収納溝120aに前記中性点用端末部30を引き回し、中性端子Nに電気的に接続する。
また、第1配線部52の第2延在板66の矢印B1方向の端部を上方に押圧して、第2延在板66のうち第2溝部80bが位置する部位(肉薄部)を弾性変形させて第2収納溝86bの矢印B1方向の開口面積を広げる。そして、前記第2収納溝86bの開口面積を広げた状態で、入力用端末部20Uを第1下ストッパ部76b及び第2外端面60aの間と第1上ストッパ部82b及び第2外端面60aの間に挿通し、入力端子Uに電気的に接続する。これにより、入力用端末部20Uが、第1下ストッパ部76b及び第1上ストッパ部82bと干渉することを抑えることができる。
以上のように構成されるステータ10では、図12に示すように、例えば、V6相のコイル18を有する分割コア部14のうちの第2配線部54では、第1収納溝120aに9本の中性点用端末部30が、第2収納溝120bに3本の入力用端末部20Uが、第3収納溝120cに3本の入力用端末部20Vが、第4収納溝120dに3本の入力用端末部20Wがそれぞれ配置されることとなる。
本実施形態に係る回転電機では、第1配線部52の矢印B1方向の外端面に、矢印C方向に沿って延びる第1〜第4収納溝86a〜86dを形成し、該第1収納溝86aの一方の溝側面としての第1延在板64の下面のうち矢印B1方向の端部に第1下ストッパ部76aを、該第2収納溝86bの一方の溝側面としての第2延在板66の下面のうち矢印B1方向の端部に第1下ストッパ部76bを、第3収納溝86cの一方の溝側面としての第3延在板68の下面のうち矢印B1方向の端部に第1下ストッパ部76cを、第4収納溝86dの一方の溝側面としての第4延在板70の下面のうち矢印B1方向の端部に第1下ストッパ部76dをそれぞれ形成している。
これにより、例えば、矢印B1方向に向かうローレンツ力が第1収納溝86aに引き回された中性点用端末部30と第2〜第4収納溝86b〜86dのそれぞれに引き回された入力用端末部20とに作用した場合でも、該中性点用端末部30及び該入力用端末部20の矢印B1方向の移動が、第1下ストッパ部76a〜76dによって制限されるため、該中性点用端末部30及び該入力用端末部20が第1〜第4収納溝86a〜86dから離脱することを抑えることができる。
また、本実施形態では、前記第1収納溝86aの他方の溝側面としての第2延在板66の上面のうち矢印B1方向の端部に前記第1下ストッパ部76aと対向する第1上ストッパ部82aを形成し、さらに、第1下ストッパ部76a及び第1上ストッパ部82aの間隔を中性点用端末部30の横幅d2よりも狭くしている。
これにより、前記ローレンツ力によって前記中性点用端末部30が第1収納溝86aから離脱することを確実に抑えることができる。
さらに、本実施形態では、前記第2収納溝86bの他方の溝側面としての第3延在板68の上面のうち矢印B1方向の端部に前記第1下ストッパ部76bと対向する第1上ストッパ部82bを形成し、さらに、第1下ストッパ部76b及び第1上ストッパ部82bの間隔を入力用端末部20Uの横幅d2よりも狭くしている。
これにより、前記ローレンツ力によって前記入力用端末部20Uが第2収納溝86bから離脱することを確実に抑えることができる。
さらにまた、本実施形態では、前記第3収納溝86cの他方の溝側面としての第4延在板70の上面のうち矢印B1方向の端部に前記第1下ストッパ部76cと対向する第1上ストッパ部82cを形成し、さらに、第1下ストッパ部76c及び第1上ストッパ部82cの間隔を入力用端末部20Vの横幅d2よりも狭くしている。
これにより、前記ローレンツ力によって前記入力用端末部20Vが第3収納溝86cから離脱することを確実に抑えることができる。
また、本実施形態では、前記第4収納溝86dの他方の溝側面としての第5延在板72の上面のうち矢印B1方向の端部に前記第1下ストッパ部76dと対向する第1上ストッパ部82dを形成し、さらに、第1下ストッパ部76d及び第1上ストッパ部82dの間隔を入力用端末部20Wの横幅d2よりも狭くしている。
これにより、前記ローレンツ力によって前記入力用端末部20Wが第4収納溝86dから離脱することを確実に抑えることができる。
本実施形態に係る回転電機は、第1〜第4延在板64、66、68、70の下面のうち矢印B1方向の端部に第1下ストッパ部76a〜76dよりも矢印C2方向に離間して位置する第2下ストッパ部78a〜78dを形成すると共に、第2〜第5延在板66、68、70、72の上面のうち矢印B1方向の端部に第1上ストッパ部82a〜82dよりも矢印C2方向に離間して位置し、且つ、前記第2下ストッパ部78a〜78dに対向する第2上ストッパ部84a〜84dを形成しているので、中性点用端末部30及び入力用端末部20が第1〜第4収納溝86a〜86dから離脱することを一層確実に抑えることができる。
なお、本実施形態に係る回転電機では、第1下ストッパ部110a〜110d、第2下ストッパ部112a〜112d、第1上ストッパ部116a〜116d、及び、第2上ストッパ部118a〜118dを第2配線部54に形成しているので、前記第2配線部54においても上述した第1配線部52と同様の効果を得ることができる。つまり、第2配線部54において、中性点用端末部30及び入力用端末部20が第1〜第4収納溝120a〜120dから離脱することを抑えることができる。
本実施形態に係る回転電機においては、中性点用端末部30を複数の分割コア部14の第1収納溝86a、120aに、入力用端末部20Uを複数の分割コア部14の第2収納溝86b、120bに、入力用端末部20Vを複数の分割コア部14の第3収納溝86c、120cに、入力用端末部20Wを複数の分割コア部14の第4収納溝86d、120dにそれぞれ引き回しているので、前記中性点用端末部30、前記入力用端末部20U、前記入力用端末部20V、及び、前記入力用端末部20Wが互いに接触することがない。そのため、中性点用端末部30及び入力用端末部20に対する絶縁処理を省略することができる。
本実施形態に係る回転電機は、中性点用端末部30及び入力用端末部20を第1〜第4収納溝86a〜86d、120a〜120dに引き回す際に、該中性点用端末部30の一部及び該入力用端末部20の一部を半円状に曲げる必要がないため、中性点用端末部30及び入力用端末部20の引き回し作業が簡素化する。これによって、回転電機の生産効率を向上させることができる。
上記実施形態において、第1下ストッパ部76a〜76d、110a〜110d、第2下ストッパ部78a〜78d、112a〜112d、第1上ストッパ部82a〜82d、116a〜116d、及び、第2上ストッパ部84a〜84d、118a〜118dの長さ、幅、高さは、それぞれ任意に設定可能である。
例えば、第1配線部52において、第2下ストッパ部78aの長さを第1延在板64の矢印C2方向の端部に達するまで延ばすと共に、第2下ストッパ部78b〜78dの長さ及び第2上ストッパ部84a〜84dの長さを該第2下ストッパ部78aの長さに合わせてもよい。この場合、中性点用端末部30及び入力用端末部20が第1〜第4収納溝86a〜86dから一層離脱し難くなる。
また、例えば、第2配線部54において、第1下ストッパ部110aの長さを第1延在板100の矢印C1方向の端部に達するまで延ばすと共に、第1下ストッパ部110b〜110dの長さ及び第1上ストッパ部116a〜116dの長さを該第1下ストッパ部110aの長さに合わせてもよい。この場合、中性点用端末部30及び入力用端末部20が第1〜第4収納溝120a〜120dから一層離脱し難くなる。
第1配線部52は、第2下ストッパ部78a及び第2上ストッパ部84aのC方向の位置を第2下ストッパ部78b〜78d及び第2上ストッパ部84b〜84dに位置に対応して形成してもよい。
第1〜第4溝部80a〜80d、114a〜114dの溝深さ、溝幅は、それぞれ任意に設定可能である。また、第1〜第4収納溝86a〜86d、120a〜120dの溝幅は、同一に設定する必要はなく、適宜変更が可能である。
配線部40は、第1上ストッパ部82a〜82d、116a〜116d及び第2上ストッパ部84a〜84d、118a〜118dを省略して構成してもよい。
第2収納溝86b、120b(第3収納溝86c、120c、第4収納溝86d、120d)に引き回される入力用端末部20は、U相、V相、W相のいずれの入力用端末部20であってもよく、要は、各相の入力用端末部20が異なる収納溝86b〜86d、120b〜120dに配置されればよい。
ステータコア16は、18個の分割コア部14を環状に配置して形成される構成に限定されない。ステータコア16は、例えば、9個の分割コア部14を環状に配置して形成してもよい。
本発明は上記した実施形態に限らず、本発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることは当然可能である。