JP2015133808A - インシュレータ及びステータ - Google Patents

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Abstract

【課題】高占積率を維持しつつ分割コアからなるステータ組み付けを容易にし、製造コスト低減を可能するインシュレータを提供する。
【解決手段】各相の巻線U1〜U4,V1〜V4,W1〜W4を形成する分割コア(第1〜第12分割コアC1〜C12)を、それぞれ相毎に分割コアが間隔Dを開けて連なる第1〜第3巻線群G1〜G3を形成して、巻線U1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の占積率を上げる。そして、第1〜第3巻線群G1〜G3の各分割コアにおいて、それら隣り合う間隔Dの分割コアの間に、他の2つの巻線群の分割コアをそれぞれ介在させて、第1〜第3巻線群G1〜G3の各分割コアが予め定めた順番で交互に一方向に連接させる。その連接した各分割コアは、簡単かつ容易に円環状化される。
【選択図】図5

Description

本発明は、インシュレータ及びステータに関するものである。
ブラシレスモータのステータにおいて、インシュレータに覆われた複数のT型分割コアのティース部に巻線をそれぞれ巻回する方法として、インシュレータに覆われた複数の分割コアをティース部が径方向外向きに解放するように隣接して配置する。その後、1つの連続巻線で隣り合うティース部間は渡り線を介して全ティース部に集中巻を施し、最後に、分割コアのティース部が径方向内向きになるように組み付けられる電機子が提案されている(例えば、特許文献1)。
この方法は、ノズル巻線方式に対して、巻線スペースの確保が容易で高占積率となり、同一体積でのモータにおいて高出力を得ることができる点で優れて、重稀土類を含む磁石使用量を減らす有効な方法である。
特開2007−20251号公報
しかしながら、上記方法では、最後に行う分割コアのティース部を内向きになるように環状化する工程は、複雑で高精度の技術を必要としていた。その結果、製造コストが増加し、小型高トルク化と低コスト化の両方を満足するのは困難となっている。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、高占積率を維持しつつ分割コアからなるステータ組み付けを容易にし、製造コスト低減を可能とするインシュレータ及びステータを提供することにある。
上記課題を解決するためのインシュレータは、分割環状部と、その分割環状部の周方向中間部分から径方向内側に延出形成された1つのティース部とからなる分割コアを円環状に連接してステータを形成する際に、前記ティースに巻回される巻線に対して絶縁するために分割コアに被覆装着するインシュレータであって、前記インシュレータの前記ティース部基端側の分割環状部の軸方向外側面に、内壁を前記分割環状部に沿って周方向に形成し、前記内壁の周方向中間部に径方向に貫通する開口部を形成するとともに、前記開口部にて周方向に2分された前記内壁の各径方向外側には、分割コアのティース部に巻回される巻線間を繋ぐ複数の渡り線を、周方向に案内する案内部を形成した。
上記構成によれば、巻線と巻線を繋ぐ渡り線は、開口部を介して内壁の径方向外側に形成した案内部にて案内されることから、ステータの環状部に沿って配置させることができる。また、例えば複数の相の渡り線を、内壁の径方向外側に形成した案内部にて、ステータの環状部に沿って周方向に案内させることができる。しかも、同相の複数の分割コアにそれぞれ形成される各巻線を1つの導線で連続して巻回することができることから、巻線の占積率を上げることができる。
上記構成において前記案内部は、前記開口部にて周方向に2分された前記内壁の各径方向外側面に凹設され、周方向に案内される前記渡り線を軸方向に移動不能に支持する渡り線案内溝であることが好ましい。
上記構成によれば、内壁の各径方向外側に凹設した渡り線案内溝にて、渡り線の軸方向への移動が規制される。
上記構成において、前記案内部は、前記開口部にて周方向に2分された前記内壁の各径方向外側面と径方向に対峙した外壁を軸方向に延出し、その外壁と前記内壁との間に、周方向に案内される前記渡り線を径方向外側に移動不能に支持するガイド溝であることが好ましい。
上記構成によれば、内壁と外壁との間に形成された渡り線案内溝にて、渡り線の径方向への移動が規制される。
上記課題を解決するためのステータは、分割環状部と、その分割環状部の周方向中間部分から径方向内側に延出したティース部とからなる分割コアにインシュレータを装着し、そのインシュレータを装着した複数個の分割コアを1組とし、その組を複数有し、その各組の各分割コアをそれぞれ予め定めた順序で連接した円環状のステータであって、前記各組の各分割コアに装着した前記インシュレータは、その前記ティース部基端側の分割環状部の軸方向外側面に、内壁が分割環状部に沿って周方向に沿って形成され、前記内壁の周方向中間部に径方向には、貫通する開口部が形成され、前記開口部にて周方向に2分された前記内壁の各径方向外側には、自身の組の各分割コアのティース部に巻回される自身の組の巻線間を繋ぐ渡り線と、他の組の各分割コアのティース部に巻回される他の組の巻線間を繋ぐ各組の渡り線とを、周方向に案内する案内部が形成された。
上記構成によれば、各組の渡り線は、ステータの環状部に沿って安定に配置させることができる。また、各組の複数の分割コアにそれぞれ形成される各巻線は1つの導線で連続して巻回されていることから、各巻線の占積率を上げることができるとともに溶着箇所を少なくできる。
上記構成において、前記インシュレータを装着した複数個の前記分割コアからなる組を、モータの相数だけ有し、前記モータの相数は、U相、V相及びW相の3相であることが好ましい。
上記構成によれば、3相の各渡り線は、ステータの環状部に沿って安定に配置させることができる。また、3相の各巻線は1つの導線で連続して巻回されていることから、溶着箇所を少なくできる。
上記構成において、前記インシュレータの案内部は、前記開口部にて周方向に2分された前記内壁の各径方向外側面に凹設され、周方向に案内される前記渡り線を軸方向に移動不能に支持する渡り線案内溝であることが好ましい。
上記構成によれば、各相の渡り線は、内壁の各径方向外側に凹設した渡り線案内溝にて、軸方向への移動が規制される。
上記構成において、前記インシュレータは、2相の各分割コアにそれぞれ装着される第1インシュレータと、残り1相の各分割コアにそれぞれ装着される第2インシュレータとからなり、前記第1インシュレータの案内部は、前記開口部にて周方向に2分された前記内壁の各径方向外側面に凹設され、周方向に案内される前記渡り線を軸方向に移動不能に支持する渡り線案内溝を有し、前記第2インシュレータの案内部は、前記開口部にて周方向に2分された前記内壁の各径方向外側面と径方向に対峙した外壁を軸方向に延出し、その外壁と前記内壁との間に、周方向に案内される前記渡り線を径方向外側に移動不能に支持するガイド溝を有したことが好ましい。
上記構成によれば、各相の渡り線は、軸方向及ぶ径方向への移動が規制される。
本発明によれば、高占積率を維持しつつ分割コアからなるステータ組み付けを容易にし、製造コスト低減が可能となる。
第1実施形態のブラシレスモータを軸方向から見た要部断面図。 同じく、分割コアの斜視図。 同じく、(a)は第1分割インシュレータを外側から見た斜視図、(b)は第1分割インシュレータを内側から見た斜視図。 同じく、(a)は第3分割インシュレータを外側から見た斜視図、(b)は第3分割インシュレータを内側から見た斜視図。 同じく、(a)は第1巻線群を示す模式図、(b)は第2巻線群を示す模式図、(c)は第3巻線群を示す模式図。 同じく、第1巻線群と第2巻線群の合体を示す要部斜視図。 同じく、(a)(b)は第1巻線群と第2巻線群の合体方法を示す説明図。 同じく、第1〜第3巻線群の合体状態を示す正面図。 同じく、合体した第1及び第2巻線群に対する第3巻線群の合体方法を示す説明図。 第2実施形態のステータにおいて、(a)は第1巻線群を示す模式図、(b)は第2巻線群を示す模式図、(c)は第3巻線群を示す模式図。 同じく、合体した第1及び第2巻線群に対する第3巻線群の合体方法を示す説明図。 第2実施形態の別例において、巻線群配置工程を説明するための説明図。 同じく、巻線群配置工程を説明するための説明図。 同じく、巻線群配置工程後の第1〜第3巻線群を示す説明図。 同じく、巻線群回転工程を説明するための説明図。 同じく、巻線群回転工程を説明するための説明図。 同じく、巻線群回転工程を説明するための説明図。 同じく、巻線群回転工程を説明するための説明図。 別例のインシュレータであって、(a)は第1分割インシュレータを外側から見た斜視図、(b)は第1分割インシュレータを内側から見た斜視図。 同じく、第1巻線群を示す図。 (a)(b)は、別例の巻線群を説明するための模式図。 (a)(b)は、別例の巻線群を説明するための模式図。 (a)(b)は、別例の巻線群を説明するための模式図。 別例のインシュレータを示す平面図。 (a)は、図24におけるA−A断面図、(b)は、図24におけるB−B断面図。 同別例におけるインシュレータ(分割コア)に巻線を巻回した状態を示す平面図。
(第1実施形態)
以下、ブラシレスモータに備えたステータの第1実施形態について説明する。
図1に示すように、ブラシレスモータ1は、有底円筒状のハウジング2の内周面に固定された円環状のステータ3と、そのステータ3の内側に配置されロータ4(図1では一点鎖線で示す)とを備えている。ロータ4は、回転軸5に固着され、同回転軸5の中心軸線Oを回転中心として回転する。ロータ4は、周方向に配置される複数のマグネット(図示略)を有し、そのマグネットがステータ3と径方向に対向配置されるように同ステータ3の内側に配置されている。
ステータ3は、円環状のステータコア6を有し、ステータコア6の外周面がハウジング2の内周面に固定されている。ステータコア6は、電磁鋼板よりなり、ハウジング2の内周面に固定される環状部Rと、その環状部Rの内周面から径方向内側に延設された12個のティース部T(図1において、T1〜T12)とを備えている。各ティース部Tの先端面は、周方向に湾曲した円弧面であって回転軸5の中心軸線Oを中心とする同心円を形成する円弧面となる。
ここで、図1に示すように、径方向内側を向いた12個のティース部Tをそれぞれ特定して説明する場合には、第1〜第12ティース部T1〜T12という。そして、第1〜第12ティース部T1〜T12は、周方向反時計回り方向に順番に互いに離間した状態で配置されている。従って、12個の第1〜第12ティース部T1〜T12は、周方向に等ピッチ(30°間隔)に配置されている。そして、これらのティース部T1〜T12は、第1インシュレータ7又は第2インシュレータ8のいずれかが装着され、それらを介して巻回方向が同じ向きの巻線U1〜U4,V1〜V4,W1〜W4が集中巻にて巻回されている。
第1〜第12ティース部T1〜T12に巻回された各巻線U1〜U4,V1〜V4,W1〜W4は、それぞれにU相、V相、W相の3相の内の1相用の巻線となる。図1に示すように、本実施形態では、第1、第4、第7、第10ティース部T1,T4,T7,T10にU相用の巻線U1,U2,U3,U4が形成される。また、第2、第5、第8、第11ティース部T2,T5,T8,T11にV相用の巻線V1,V2,V3,V4が形成される。さらに、第3、第6、第9、第12ティース部T3,T6,T9,T12にW相の巻線W1,W2,W3,W4が形成される。
従って、周方向反時計回り方向に、U相の巻線U1→V相の巻線V1→W相の巻線W1→U相の巻線U2→V相の巻線V2→W相の巻線W2→U相の巻線U3→V相の巻線V3→W相の巻線W3→U相の巻線U4→V相の巻線V4→W相の巻線W4が順番に配置される。
そして、本実施形態では、U相の各巻線U1〜U4は、第1ティース部T1→第4ティース部T4→第7ティース部T7→第10ティース部T10の順番で絶縁被膜した1つの導線Lが連続して巻回されて、巻線U1→巻線U2→巻線U3→巻線U4が順に形成されている。
このとき、U相の各巻線U1〜U4を1つの導線Lにて連続して巻回していくことから、巻線U1と巻線U2の間、巻線U2と巻線U3の間、及び、巻線U3と巻線U4の間にそれぞれU相の渡り線Lu(図5(a)参照)が形成される。
また、第1ティース部T1に巻回した巻線U1(導線L)の巻き始めの始端部LSuは軸方向一側に引き出されるとともに、第10ティース部T10に巻回した巻線U4(導線L)の巻き終わりの終端部LEuも軸線方向一側に引き出されるようなっている。そして、始端部LSu及び終端部LEuは、図示しないU相動力線にそれぞれ接続され、U相の駆動電源が供給されるようになっている。
同様に、V相の各巻線V1〜V4は、第2ティース部T2→第5ティース部T5→第8ティース部T8→第11ティース部T11の順番で絶縁被膜した1つの導線Lが連続して巻回されて、巻線V1→巻線V2→巻線V3→巻線V4が順に形成されている。
このとき、V相の各巻線V1〜V4を1つの導線Lにて連続して巻回していくことから、巻線V1と巻線V2の間、巻線V2と巻線V3の間、及び、巻線V3と巻線V4の間にそれぞれV相の渡り線Lv(図5(b)参照)が形成される。
また、第2ティース部T2に巻回した巻線V1(導線L)の巻き始めの始端部LSvは軸線方向一側に引き出されるとともに、第11ティース部T11に巻回した巻線V4(導線L)の巻き終わりの終端部LEvも軸線方向一側に引き出されるようなっている。そして、始端部LSv及び終端部LEvは、図示しないV相動力線にそれぞれ接続され、V相の駆動電源が供給されるようになっている。
同様に、W相の各巻線W1〜W4は、第3ティース部T3→第6ティース部T6→第9ティース部T9→第12ティース部T12の順番で絶縁被膜した1つの導線Lが連続して巻回されて、巻線W1→巻線W2→巻線W3→巻線W4が順に形成されている。
このとき、W相の各巻線W1〜W4を1つの導線Lにて連続して巻回していくことから、巻線W1と巻線W2の間、巻線W2と巻線W3の間、及び、巻線W3と巻線W4の間にそれぞれW相の渡り線Lw(図5(c)参照)が形成される。
また、第3ティース部T3に巻回した巻線W1(導線L)の巻き始めの始端部LSwは軸線方向一側に引き出されるとともに、第12ティース部T12に巻回した巻線W4(導線L)の巻き終わりの終端部LEwも軸線方向一側に引き出されるようなっている。そして、始端部LSw及び終端部LEwは、図示しないW相動力線にそれぞれ接続され、W相の駆動電源が供給されるようになっている。
次に、上記ブラシレスモータ1のステータ3とその製造方法について詳細に説明する。
ステータコア6は、分割構造であって、12個のティース部T1〜T12の内の1つのティース部Tをそれぞれ有するように周方向に12分割してなる12個の分割コアCから構成されている。
図2に示すように、12個の分割コアCは、同一形状であって、複数に板状のコア片(図示略)が軸方向に積層されて構成されている。このように構成された12個の分割コアCは、対応するティース部Tを有するとともに、それぞれのティース部T基端部から周方向両方向に互いに等しい長さ延びた分割環状部Caしている。つまり、ティース部Tは、分割環状部Caの周方向中央部から径方向内側に延出されている。
そして、12個の分割コアCの各分割環状部Ca同士が周方向において環状に連接されることにより、12個の分割コアCは環状化されステータコア6が形成される。
ちなみに、環状化する前に、12個の分割コアCのティース部T、即ち、第1〜第12ティース部T1〜T12に対し、それぞれ対応する巻線U1〜U4、V1〜V4、W1〜W4が巻回される。
ここで、12個の分割コアCをそれぞれ特定して説明するために、第1〜第12ティース部T1〜T12をそれぞれ有する分割コアCをそれぞれ第1〜第12分割コアC1〜C12という。
そして、第1、第4、第7、第10ティース部T1,T4,T7,T10、即ち、第1、第4、第7、第10分割コアC1,C4,C7,C10に形成されるU相の各巻線U1〜U4を第1巻線群G1(図5(a)参照)とする。
また、第2、第5、第8、第11ティース部T2,T5,T8,T11、即ち、第2、第5、第8、第11分割コアC2,C5,C8,C11に形成されるV相の各巻線V1〜V4を第2巻線群G2(図5(b)参照)とする。
また、第3、第6、第9、第12ティース部T3,T6,T9,T12、即ち、第3、第6、第9、第12分割コアC3,C6,C9,C12に形成されるW相の各巻線W1〜W4を第3巻線群G3とする。
なお、U相の各巻線U1〜U4が巻回される前に、第1巻線群G1の第1、第4、第7、第10分割コアC1,C4,C7,C10には、図3(a)、(b)に示す第1インシュレータ7が装着される。
同様に、V相の各巻線V1〜V4が巻回される前に、第2巻線群G2の第2、第5、第8、第11分割コアC2,C5,C8,C11には、図3(a)、(b)に示す第1インシュレータ7が装着される。
さらに、W相の各巻線W1〜W4が巻回される前に、第3巻線群G3の第3、第6、第9、第12分割コアC3,C6,C9,C12には、図4(a)、(b)に示す第2インシュレータ8が装着される。
(第1インシュレータ7)
図3(a)、(b)に示すように、第1インシュレータ7は、絶縁性樹脂材料にて成形され、軸方向に2分割された同一形状の第1分割インシュレータ7aと第2分割インシュレータ7bから構成されている。そして、第1分割インシュレータ7aは、軸方向一側から第1及び第2巻線群G1,G2が巻回される各分割コアCに装着される。反対に、第2分割インシュレータ7bは、軸方向他側から第1及び第2巻線群G1,G2が巻回される各分割コアCに装着される。
(第1分割インシュレータ7a)
第1分割インシュレータ7aは、ティース部Tにおける軸方向の一側半分の胴部(延出部分)を被覆するティース被覆部11と、分割環状部Caにおける軸方向の一側半分のティース部T側内側面と軸方向一側の外側面を被覆する環状部被覆部12を有している。
ティース被覆部11は、ティース部Tの先端面を露出するように、ティース部Tの周方向両側の外側面を被覆する第1及び第2被覆部11a,11bと、第1及び第2被覆部11a,11b間に形成されティース部Tの軸方向一側外側面を被覆する第3被覆部11cとから構成されている。
また、ティース被覆部11は、ティース部Tの先端側であって周方向両側方向及び軸方向一側方向に第1〜第3被覆部11a〜11cからそれぞれ延出した巻線保持壁11dが形成されている。
さらに、第1被覆部11aと第3被覆部11cで形成されるコーナ部及び第2被覆部11bと第3被覆部11cで形成されるコーナ部分には、巻回される巻線U1〜U4,V1〜V4を案内する巻線ガイド溝11eが形成されている。
一方、環状部被覆部12は、ティース被覆部11の第1及び第2被覆部11a,11bから分割環状部Caのティース部T側内側面を被覆する第1及び第2ヨーク被覆部12a,12bを有している。また、環状部被覆部12は、ティース被覆部11の第3被覆部11c、及び、第1及び第2ヨーク被覆部12a,12bの軸方向一側端部から反ティース部T側に延出され、分割環状部Caの軸方向の一側外側面を覆う第3ヨーク被覆部12cを有している。
第3ヨーク被覆部12cには、そのティース部T側(径方向内側)であって円弧状の分割環状部Caに沿って延びる内壁13が軸方向一側方向に延出形成されている。内壁13は、周方向中間部に開口部14が形成され、開口部14を形成することによって周方向に2分割される。そして、内壁13が分割された両側部分を分割内壁13a,13bという。
この一対の分割内壁13a,13bにおいて周方向に互いに対向する面には、軸線方向に端末線案内溝15がそれぞれ形成されている。また、一対の分割内壁13a,13bの径方向内側面の開口部14側には、逃がし溝15aが端末線案内溝15に到達するまで径方向に凹設されている。
また、一対の分割内壁13a,13bの径方向の外側面にはそれぞれ、軸方向に並ぶ3つの渡り線案内溝16a〜16cが周方向に沿って形成されている。なお、この3つの渡り線案内溝16a〜16cについて、軸方向において第3ヨーク被覆部12cから最も離れた順に第1渡り線案内溝16a、第2渡り線案内溝16b、第3渡り線案内溝16cという。
そして、本実施形態では、第1渡り線案内溝16aには、U相の渡り線Luの端部が配置され、第2渡り線案内溝16bには、V相の渡り線Lvの端部が配置され、第3渡り線案内溝16cには、W相の渡り線Lwの端部が配置されるように割り当てられている。従って、これら各渡り線Lu,Lv,Lwは、第1〜第3渡り線案内溝16a〜16cにて軸方向に移動しない。
(第2分割インシュレータ7b)
第2分割インシュレータ7bは、第1分割インシュレータ7aと同一形状に形成され、第1分割インシュレータ7aと180°反転させて使用される。従って、第2分割インシュレータ7bの各構成部分の詳細な説明は、図3から容易に理解できるため、第1分割インシュレータ7aの各構成部分の名称と符号を同じにして省略する。
このように第1及び第2分割インシュレータ7a,7bにて構成された第1インシュレータ7は、U相の巻線及びV相の巻線が巻回される分割コアCに装着される。
(第2インシュレータ8)
図4(a)、(b)に示すように、第2インシュレータ8は、絶縁性樹脂材料にて成形され、軸方向に2分割された同一形状の第3分割インシュレータ8aと第4分割インシュレータ8bから構成されている。第3分割インシュレータ8aは、第3巻線群G3が巻回される各分割コアCに対し軸方向一側から装着される。反対に、第4分割インシュレータ8bは、第3巻線群G3が巻回される各分割コアCに対し軸方向他側から装着される。
(第3分割インシュレータ8a)
第3分割インシュレータ8aは、ティース部Tにおける軸方向の一側半分の胴部(延出部分)を被覆するティース被覆部31と、分割環状部Caにおける軸方向の一側半分のティース部T側内側面と軸方向一側の外側面を被覆する環状部被覆部32を有している。
ティース被覆部31は、第1分割インシュレータ7aのティース被覆部11と同形状であって、第1〜第3被覆部11a〜11cに相当する第1〜第3被覆部31a〜31cを有するとともに、巻線保持壁11dに相当する巻線保持壁31dを有している。
また、ティース被覆部31は、第1分割インシュレータ7aの第1被覆部11aと第3被覆部11cで形成されるコーナ部及び第2被覆部11bと第3被覆部11cで形成されるコーナ部に形成した巻線ガイド溝11eに相当する巻線ガイド溝31eも形成されている。
一方、環状部被覆部32は、第1分割インシュレータ7aの環状部被覆部12において内壁13の形状が相異するのを除いて環状部被覆部12と同形状である。従って、環状部被覆部32は、第1分割インシュレータ7aの第1〜第3ヨーク被覆部12a〜12cに相当する第1〜第3ヨーク被覆部32a〜32cを有している。
そして、第3ヨーク被覆部32cには、そのティース部T側(径方向内側)であって円弧状の分割環状部Caに沿って延びる内壁33が軸方向一側方向に延出形成されている。内壁33は、周方向中間部に開口部34を形成し、開口部34を形成することによって周方向に2分割される。そして、内壁33が分割された両側部分を分割内壁33a,33bという。
この一対の分割内壁33a,33bにおいて周方向に互いに対向する面には、軸線方向に端末線案内溝35がそれぞれ形成されている。また、一対の分割内壁33a,33bの径方向内側面の開口部34側には、逃がし溝35aが端末線案内溝35に到達するまで径方向に凹設されている。
また、第3ヨーク被覆部32cには、その反ティース部T側(径方向外側)であって分割内壁33a、33bと対向するように外壁36が軸方向一側方向にそれぞれ延出形成されている。
そして、外壁36は、分割内壁33a,33bと第3ヨーク被覆部32cとで、軸方向一側が開放された断面コ字状の第4渡り線案内溝36aが形成される。
そして、本実施形態では、第4渡り線案内溝36aには、第3ヨーク被覆部32cから軸方向一側方向へW相の渡り線Lw、V相の渡り線Lv、U相の渡り線Luの各端部が順に配置される。従って、これら各渡り線Lw,Lv,Luは、外壁36によって径方向外側に飛び出しにくくなっている。
(第4分割インシュレータ8b)
第4分割インシュレータ8bは、第3分割インシュレータ8aと同一形状に形成され、第3分割インシュレータ8aと180°反転させて使用される。従って、第4分割インシュレータ8bの各構成部分の詳細な説明は、図4から容易に理解できるため、第3分割インシュレータ8aの各構成部分の名称と符号を同じにして省略する。
このように第3及び第4分割インシュレータ8a,8bにて構成された第2インシュレータ8は、W相の巻線が巻回される分割コアCに装着される。
次に、第1インシュレータ7を装着した第1及び第2巻線群G1,G2の各分割コアC、及び、第2インシュレータ8を装着した第3巻線群G3の各分割コアCに巻線を巻回する方法(巻線群作成工程)について説明する。
(第1巻線群G1の形成)
図5(a)に示すように、第1巻線群G1の第1、第4、第7、第10分割コアC1,C4,C7,C10は、互いに一定の間隔Dを開けつつ直線的に配置される。このとき、第1、第4、第7、第10分割コアC1,C4,C7,C10は、同一方向を向く姿勢で配置される。詳しくは、第1、第4、第7、第10分割コアC1,C4,C7,C10は、それらのティース部T1,T4,T7,T10が分割コア並設方向(図5において左右方向)と直交する同一方向を向くように配置される。そして、上記間隔Dは、2個の分割コアCが介在できる間隔である。なお、このとき第1、第4、第7、第10分割コアC1,C4,C7,C10には、第1インシュレータ7が装着されている。
そして、第1分割コアC1→第4分割コアC4→第7分割コアC7→第10分割コアC10の順番で、巻き方向を同じにして1つの導線Lにて連続して巻回する。即ち、第1分割コアC1に巻線U1、第4分割コアC4に巻線U2、第7分割コアC7に巻線U3、第10分割コアC10に巻線U4が巻回される。
詳述すると、第1分割コアC1に巻線U1を形成するとき、導線Lは、基端から始端部LSuとなる部分の長さが確保されて第1分割コアC1に装着した第1分割インシュレータ7aの他方の分割内壁13bに形成した端末線案内溝15に軸方向一側から通される。そして、導線Lは、逃がし溝15aを介してティース被覆部11側へと通されるとともに、そのティース被覆部11の上から第1ティース部T1に巻回される。
そして、導線Lによる第1分割コアC1への巻回が終了し巻線U1が形成されると、導線Lは、分割内壁13a,13b間の開口部14から径方向外側に引き出される。引き出された導線Lは、他方の分割内壁13bに形成した第1渡り線案内溝16aに嵌合されて同第1渡り線案内溝16aに沿って周方向に案内された後、第1分割コアC1から周方向に第4分割コアC4に向かって一定の間隔Dだけ引き回される。
第4分割コアC4に引き回された導線Lは、第4分割コアC4に装着した第1分割インシュレータ7aの一方の分割内壁13aに形成した第1渡り線案内溝16aに嵌合されて同第1渡り線案内溝16aに沿って周方向に案内される。
第1渡り線案内溝16aに沿って周方向に案内された導線Lは、分割内壁13a,13b間の開口部14から径方向内側に引き入れられる。開口部14から径方向内側に引き入れられた導線Lは、第4分割コアC4(第4ティース部T4)に巻回される。
そして、導線Lによる第4分割コアC4への巻回が終了し巻線U2が形成されると、導線Lは、分割内壁13a,13b間の開口部14から径方向外側に引き出される。引き出された導線Lは、他方の分割内壁13bに形成した第1渡り線案内溝16aに嵌合されて同第1渡り線案内溝16aに沿って周方向に案内された後、第4分割コアC4から周方向に第7分割コアC7に向かって一定の間隔Dだけ引き回される。
第7分割コアC7に引き回された導線Lは、第4分割コアC4の場合と同様に第7分割コアC7(第7ティース部T7)への巻回を行って巻線U3を形成した後、第4分割コアC4の場合と同様に周方向に第10分割コアC10に向かって一定の間隔Dだけ引き回される。
第10分割コアC10に引き回された導線Lは、第10分割コアC10に装着した第1分割インシュレータ7aの一方の分割内壁13aに形成した第1渡り線案内溝16aに嵌合されて同第1渡り線案内溝16aに沿って周方向に案内される。
第1渡り線案内溝16aに沿って周方向に案内された導線Lは、分割内壁13a,13b間の開口部14から径方向内側に引き入れられる。開口部14から径方向内側に引き入れられた導線Lは、第10分割コアC10(第10ティース部T10)に巻回されて巻線U4が形成される。
そして、第10分割コアC10に巻線U4が形成されると、導線Lは、第10分割コアC10に装着した第1分割インシュレータ7aの他方の分割内壁13bに形成した逃がし溝15aを介して端末線案内溝15に嵌合されて同端末線案内溝15に沿って軸方向一側へ引き出される。軸方向一側へ引き出された導線Lは、終端部LEuの長さを確保して切断される。これによって、導線LによるU相の各巻線U1〜U4の形成は終了する。
そして、図5(a)に示すように、始端部LSuと終端部LEuとの間に、第1分割コアC1に巻線U1、第4分割コアC4に巻線U2、第7分割コアC7に巻線U3、第10分割コアC10に巻線U4がそれぞれ間隔Dを開けて1つの導線Lにて連なった吊るし柿状の第1巻線群G1が形成される。
このとき、各分割コアC1,C4,C7,C10は互いに間隔Dだけ離間しているため、巻線U1,U2間、巻線U2,U3間、及び、巻線U3,U4間の導線Lが、間隔DのU相の渡り線Luとなる。
(第2巻線群G2の形成)
図5(b)に示すように、その第2巻線群G2の第2、第5、第8、第11分割コアC2,C5,C8,C11を、同じく間隔Dを開けて配置する。第2巻線群G2の第2、第5、第8、第11分割コアC2,C5,C8,C11には、第1インシュレータ7が装着されている。
そして、第2分割コアC2→第5分割コアC5→第8分割コアC8→第11分割コアC11の順番で、巻き方向を同じにして1つの導線Lにて連続して巻回する。即ち、第2分割コアC2に巻線V1、第5分割コアC5に巻線V2、第8分割コアC8に巻線V3、第11分割コアC11に巻線V4が巻回される。
この第2巻線群G2の各分割コアC2,C5,C8,C11は、第1巻線群G1の各分割コアC1,C4,C7,C10と同じ第1インシュレータ7を装着している。そのため、導線Lによる第2巻線群G2のV相の巻線V1〜V4の形成は、導線Lが第2渡り線案内溝16bに沿って周方向に案内されることを除いて第1巻線群G1のU相の巻線U1〜U4の形成と同じである。
従って、図5(b)に示すように、始端部LSvと終端部LEvとの間に、第2分割コアC2に巻線V1、第5分割コアC5に巻線V2、第8分割コアC8に巻線V3、第11分割コアC11に巻線V4がそれぞれ間隔Dを開けて1つの導線Lにて連なった吊るし柿状の第2巻線群G2が形成される。
このとき、各分割コアC2,C5,C8,C11は互いに間隔Dだけ離間しているため、巻線V1,V2間、巻線V2,V3間、及び、巻線V3,V4間の導線Lが、間隔DのV相の渡り線Lvとなる。
(第3巻線群G3の形成)
図5(c)に示すように、その第3巻線群G3の第3、第6、第9、第12分割コアC3,C6,C9,C12を、同じく間隔Dを開けて配置する。第3巻線群G3の第3、第6、第9、第12分割コアC3,C6,C9,C1には、第2インシュレータ8が装着されている。
そして、第3分割コアC3→第6分割コアC6→第9分割コアC9→第12分割コアC12の順番で、巻き方向を同じにして1つの導線Lにて連続して巻回する。即ち、第3分割コアC3に巻線W1、第6分割コアC6に巻線W2、第9分割コアC9に巻線W3、第12分割コアC12に巻線W4が巻回される。
詳述すると、第3分割コアC3に巻線W1を形成するとき、導線Lは、基端から始端部LSwとなる部分の長さが確保されて第3分割コアC3に装着した第3分割インシュレータ8aの他方の分割内壁33bに形成した端末線案内溝35に軸方向一側から通される。そして、導線Lは、逃がし溝15aを介して第3分割コアC3(第3ティース部T3)に巻回される。
そして、導線Lによる第3分割コアC3への巻回が終了し巻線W1が形成されると、導線Lは、分割内壁33a,33b間の開口部34から径方向外側に引き出される。引き出された導線Lは、他方の分割内壁33bと他方の外壁36との間に形成された第4渡り線案内溝36aに嵌合されて同第4渡り線案内溝36aに沿って周方向に案内される。そして、周方向に案内された導線Lは、第3分割コアC3から周方向に第6分割コアC6に向かって一定の間隔Dだけ引き回される。
第6分割コアC6に引き回された導線Lは、第6分割コアC6に装着した第3分割インシュレータ8aの一方の分割内壁33bと一方の外壁36との間に形成された第4渡り線案内溝36aに嵌合されて同第4渡り線案内溝36aに沿って周方向に案内される。
第4渡り線案内溝36aに沿って周方向に案内された導線Lは、分割内壁33a,33b間の開口部34から径方向内側に引き入れられる。開口部34から径方向内側に引き入れられた導線Lは、第6分割コアC6(第6ティース部T6)に巻回される。
そして、導線Lによる第6分割コアC6への巻回が終了し巻線W2が形成されると、導線Lは、分割内壁33a,33b間の開口部34から径方向外側に引き出される。引き出された導線Lは、他方の分割内壁33bと他方の外壁36との間に形成された第4渡り線案内溝36aに嵌合されて同第4渡り線案内溝36aに沿って周方向に案内される。そして、周方向に案内された導線Lは、第6分割コアC6から周方向に第9分割コアC9に向かって一定の間隔Dだけ引き回される。
第9分割コアC9に引き回された導線Lは、第9分割コアC9に装着した第3分割インシュレータ8aの一方の分割内壁33bと一方の外壁36の間に形成された第4渡り線案内溝36aに嵌合されて同第4渡り線案内溝36aに沿って周方向に案内される。
第4渡り線案内溝36aに沿って周方向に案内された導線Lは、分割内壁33a,33b間の開口部34から径方向内側に引き入れられる。開口部34から径方向内側に引き入れられた導線Lは、第9分割コアC9(第9ティース部T9)に巻回される。
そして、導線Lによる第9分割コアC9への巻回が終了し巻線W3が形成されると、導線Lは、分割内壁33a,33b間の開口部34から径方向外側に引き出される。引き出された導線Lは、他方の分割内壁33bと他方の外壁36との間に形成された第4渡り線案内溝36aに嵌合されて同第4渡り線案内溝36aに沿って周方向に案内される。そして、周方向に案内された導線Lは、第9分割コアC9から周方向に第12分割コアC12に向かって一定の間隔Dだけ引き回される。
第12分割コアC12に引き回された導線Lは、第12分割コアC12に装着した第3分割インシュレータ8aの一方の分割内壁33bと一方の外壁36との間に形成された第4渡り線案内溝36aに嵌合されて同第4渡り線案内溝36aに沿って周方向に案内される。
第4渡り線案内溝36aに沿って周方向に案内された導線Lは、分割内壁33a,33b間の開口部34から径方向内側に引き入れられる。開口部34から径方向内側に引き入れられた導線Lは、第12分割コアC12(第12ティース部T12)に巻回される。
そして、第12分割コアC12への巻線W4が形成されると、導線Lは、第12分割コアC12に装着した第3分割インシュレータ8aの他方の分割内壁33bに形成した逃がし溝15aを介して端末線案内溝35に嵌合されて同端末線案内溝35に沿って軸方向一側へ引き出される。軸方向一側へ引き出された導線Lは、終端部LEwの長さを確保して切断される。これによって、導線LによるW相の各巻線W1〜W4の形成は終了する。
そして、図5(c)に示すように、始端部LSwと終端部LEwとの間に、第3分割コアC3に巻線W1、第6分割コアC6に巻線W2、第9分割コアC9に巻線W3、第12分割コアC12に巻線W4がそれぞれ間隔Dを開けて1つの導線Lにて連なった吊るし柿状の第3巻線群G3が形成される。
このとき、各分割コアC3,C6,C9,C12は互いに間隔Dだけ離間しているため、巻線W1,W2間、巻線W2,W3間、及び、巻線W3,W4間の導線Lが、間隔DのW相の渡り線Lwとなる。
次に、上記のように成形した第1〜第3巻線群G1〜G3を合体させる巻線群合体工程について説明する。
(第1巻線群G1と第2巻線群G2の合体(第1合体工程))
図6に示すように、第1及び第2巻線群G1,G2の各分割コアCは、共に第1インシュレータ7が装着されるとともに、X矢印方向に連なって合体される。このとき、各分割コアCは、ティース部TがY矢印方向(X矢印方向に対して直交方向)を向くように配置されている。
そして、第1巻線群G1の各分割コアCは、第1分割インシュレータ7aに形成した第1渡り線案内溝16aに、U相の渡り線Luの端部が嵌合している。
また、第2巻線群G2の各分割コアCは、第1分割インシュレータ7aに形成した第2渡り線案内溝16bに、V相の渡り線Lvの端部が嵌合している。
まず、図7(a)に示すように、第2巻線群G2の各分割コアCのそれぞれが、第1巻線群G1の各分割コアC間であってU相の渡り線Luの位置に配置されるようにX矢印方向に沿って並設される。
次に、図7(b)に示すように、第2巻線群の各分割コアCの姿勢を、渡り線Lvを回転中心として第1巻線群G1の各分割コアCに対してほぼ90°を傾ける。続いて、ほぼ90°傾けた状態で第2巻線群G2の各分割コアCを、Y矢印方向に移動させて第1巻線群G1の各分割コアC間(渡り線Luに対応する位置)に介在させる。
この介在させるとき、第2巻線群G2の各分割コアC間に形成したV相の渡り線Lvを、第1巻線群G1の分割コアCの第1分割インシュレータ7aに形成した第2渡り線案内溝16bに嵌合させる。
次に、第1巻線群G1の各分割コアC間にそれぞれ介在された第2巻線群G2の各分割コアCの姿勢を元の状態に戻す。つまり、第2巻線群G2の各分割コアCのティース部T先端がY矢印方向(第1巻線群G1のティース部Tと同一方向)を向くように、その第2巻線群G2の各分割コアCの姿勢を渡り線Lvを回転中心としてほぼ90°回転させる。
第2巻線群G2の各分割コアCの姿勢が元の状態に戻るとき、第1巻線群G1の各渡り線Luが第2巻線群G2の分割コアCの第1分割インシュレータ7aに形成した第1渡り線案内溝16aに嵌合する。そして、第1及び第2巻線群G1,G2の各分割コアCの第1分割インシュレータ7aに形成した第1及び第2渡り線案内溝16a,16bに、それぞれ渡り線Lu,Lvが嵌合した状態で、第1巻線群G1の各分割コアCと第2巻線群G2の各分割コアCとをそれぞれ隣接させる。
これによって、図6に示すように、第1巻線群G1の各分割コアCと第2巻線群G2の各分割コアCとが隣接して合体配置される。
第1巻線群G1の各分割コアCと第2巻線群G2の各分割コアCとが合体配置されたとき、渡り線Lu,Lvの長さ(間隔D)は分割コアC二個分の長さに設定されている。そのため、並設した2個の第1及び第2巻線群G1,G2の分割コアCと並設した2個の第1及び第2巻線群G1,G2の分割コアCとの間に分割コアC1個分の空間がそれぞれ形成される。
そして、図8に示すように、この1個分の各空間に第3巻線群G3の各分割コアCがそれぞれ配置される。
(第1及び第2巻線群G1,G2と第3巻線群G3との合体(第2合体工程))
第3巻線群G3の各分割コアCは、第2インシュレータ8が装着されるとともに、X矢印方向に連なっている。このとき、各分割コアCは、ティース部TがY矢印方向に向くように配置されている。
そして、第3巻線群G3の各分割コアCは、第3分割インシュレータ8aに形成した第4渡り線案内溝36aに、W相の渡り線Lwの端部が嵌合している。
次に、図9に示すように、第3巻線群G3の各分割コアCを、合体した第1及び第2巻線群G1,G2の各分割コアCに対して、反Z矢印方向であって、前記各空間と対峙する位置に配置する。そして、第3巻線群の各分割コアCを、Z矢印方向に移動させて、前記各空間にそれぞれ介在させる。
この介在させるとき、第1及び第2巻線群G1,G2の各分割コアC間に形成した渡り線Lu.Lvを、第3巻線群G3の各分割コアCの第3分割インシュレータ8aに形成した第4渡り線案内溝36aに嵌合させる。
このとき、第3巻線群G3の各分割コアC間に形成されたW相の渡り線Lwは、第1及び第2巻線群G1,G2の分割コアCの第1分割インシュレータ7aにそれぞれ形成した第3渡り線案内溝16cに嵌合する。
これによって、図8に示すように、合体配置された第1及び第2巻線群G1,G2の各分割コアCに対して、第3巻線群G3の各分割コアCのそれぞれが隣接して合体配置される。つまり、X矢印方向に、第1分割コアC1→第2分割コアC2→第3分割コアC3→第4分割コアC4→第5分割コアC5→第6分割コアC6→第7分割コアC7→第8分割コアC8→第9分割コアC9→第10分割コアC10→第11分割コアC11→第12分割コアC12の順の分割コアCが連接される。
そして、X矢印方向に連接した12個の分割コアCを円環状化してステータ3を形成する(分割コア環状化工程)。即ち、各分割コアCのティース部Tが径方向内側に向くように、12個の分割コアCを環状化する。
環状化は、連接した12個の分割コアCを円筒支持体の円筒面の巻き付ける公知の方法で行われる。即ち、連接した12個の分割コアCを順番にそのティース部Tの先端面を、円筒支持体の外周面を周方向に当接させて行くことによって、ティース部Tが径方向内側に向くとともに12個の分割コアCが環状化する。
この環状化によって、分割コアCの分割環状部Caの周方向両側面が隣接する分割コアCの分割環状部Caの周方向側面と当接するとともに、各ティース部Tが径方向内側に向いて配置された図1に示すステータ3が形成される。
このとき、U相の渡り線線Luは、第1及び第2巻線群G1,G2の分割コアCに設けた第1分割インシュレータ7aの第1渡り線案内溝16aと、第3巻線群G3の分割コアCに設けた第3分割インシュレータ8aの第4渡り線案内溝36aとにそれぞれ嵌合されている。
また、V相の渡り線線Lvは、第1及び第2巻線群G1,G2の分割コアCに設けた第1分割インシュレータ7aの第2渡り線案内溝16bと、第3巻線群G3の分割コアCに設けた第3分割インシュレータ8aの第4渡り線案内溝36aとにそれぞれ嵌合されている。
また、W相の渡り線線Lwは、第1及び第2巻線群G1,G2の分割コアCに設けた第1分割インシュレータ7aの第3渡り線案内溝16cと、第3巻線群G3の分割コアCに設けた第3分割インシュレータ8aの第4渡り線案内溝36aとにそれぞれ嵌合されている。
そして、円環状に形成されたステータ3は、図1に示すようにハウジング2内に固設される。
次に、上記したブラシレスモータ1の作用について記載する。
第1〜第3巻線群G1〜G3の各巻線U1〜U4,V1〜V4,W1〜W4は、12個全ての分割コアCが連接されていない状態、すなわち、分割コアCが互いに間隔Dだけ離された状態で、その分割コアCに対して導線Lを巻回することで形成される。そのため、巻回に際して邪魔になるものが近くにないことから、巻線U1〜U4,V1〜V4,W1〜W4を占積率を上げて形成することが可能となっている。
また、第1〜第3巻線群G1〜G3の各分割コアCにおいて、渡り線Lu,Lv,Lwの長さ、即ち、それら隣り合う分割コアCとの間に一定の間隔Dをそれぞれ開けた。そして、その間隔Dは、他の2つの巻線群の分割コアCがそれぞれ1個ずつ介在する間隔とした。
そして、巻線U1〜U4を巻回した各分割コアCからなる第1巻線群G1に対して、巻線V1〜V4を巻回した各分割コアCからなる第2巻線群G2を、第3巻線群G3の分割コアCが1個介在する隙間を残して合体させる。さらに、合体した第1及び第2巻線群G1,G2に対して、巻線W1〜W4を巻回した各分割コアCからなる第3巻線群G3を合体、即ち、第1及び第2巻線群G1,G2を合体させたときに生じる第3巻線群G3の分割コアCのための1個分の隙間に、第3巻線群G3の分割コアCをそれぞれ介在させる。
これによって、第1〜第3巻線群G1〜G3の各分割コアCが予め定めた順番で交互に一方向に連接され、その連接された各分割コアCを円環状化すればステータ3が簡単に形成される。
また、第1及び第2巻線群G1,G2の各分割コアCに設けた第1分割インシュレータ7aに第1〜第3渡り線案内溝16a〜16cを形成するとともに、第3巻線群G3の各分割コアCに設けた第3分割インシュレータ8aに第4渡り線案内溝36aを形成した。
そして、U相の渡り線線Luを、第1分割インシュレータ7aの第1渡り線案内溝16aと、第3分割インシュレータ8aの第4渡り線案内溝36aとにそれぞれ嵌合させた。また、V相の渡り線線Lvを、第1分割インシュレータ7aの第2渡り線案内溝16bと、第3分割インシュレータ8aの第4渡り線案内溝36aとにそれぞれ嵌合させた。また、W相の渡り線線Lwを、第1分割インシュレータ7aの第3渡り線案内溝16cと、第3分割インシュレータ8aの第4渡り線案内溝36aとにそれぞれ嵌合させた。
これによって、各渡り線Lu,Lv,Lwは、各分割コアCを円環状化したときの弛みが防止される。しかも、各渡り線Lu,Lv,Lwは、対応する第1〜第3渡り線案内溝16a〜16cによってそれぞれ軸方向の移動が規制されるとともに、第4渡り線案内溝36aによってそれぞれ径方向の移動が規制される。従って、各渡り線Lu,Lv,Lwは、第1及び第2インシュレータ7,8にて安定に保持される。
さらに、U相の巻線U1〜U4を形成した各分割コアCの第1巻線群G1、V相の巻線U1〜U4を形成した各分割コアCの第2巻線群G2、そして、W相の巻線W1〜W4を形成した第3巻線群G3を、それぞれ事前に作っておく。そして、それらを合体させるだけで、各分割コアCが円環状に連接される前の、第1〜第3巻線群G1〜G3の各分割コアCを予め定めた順番で交互に一方向に連接させることができる。
また、U相の第1巻線群G1とV相の第2巻線群G2を合体させるとき、第2巻線群G2の各分割コアCの姿勢を、渡り線Lvを回転中心として第1巻線群G1の各分割コアCに対してほぼ90°を傾ける。次に、ほぼ90°傾けた状態で第2巻線群G2の各分割コアCを、第1巻線群G1の各分割コアC間(渡り線Luに対応する位置)に介在させると同時に、V相の渡り線Lvを、第1巻線群G1の第1分割インシュレータ7aに形成した第2渡り線案内溝16bに嵌合させる。
次に、第1巻線群G1の各分割コアC間にそれぞれ介在された第2巻線群G2の各分割コアCの姿勢を元の状態に戻すとき、第1巻線群G1の各分割コアC間に形成されたU相の渡り線Luを、第2巻線群G2の第1分割インシュレータ7aに形成した第1渡り線案内溝16aに嵌合させる。
つまり、第1巻線群G1の各分割コアCに対して、第2巻線群G2の各分割コアCの姿勢をほぼ90°傾け、そして、元の姿勢に戻すようにするだけで容易にU相の第1巻線群G1とV相の第2巻線群G2とを合体させることが可能となっている。
また、合体した第1及び第2巻線群G1,G2に対してW相の第3巻線群G3を合体させるとき、合体した第1及び第2巻線群G1,G2の各分割コアCに対して、反Z矢印方向に位置に配置する。そして、第3巻線群G3の各分割コアCを、Z矢印方向に移動させて、第1及び第2巻線群G1,G2の渡り線Lu.Lvを、第3巻線群G3の第3分割インシュレータ8aに形成した第4渡り線案内溝36aに嵌合させる。このとき、第3巻線群G3のW相の渡り線Lを、第1及び第2巻線群G1,G2の第1分割インシュレータ7aにそれぞれ形成した第3渡り線案内溝16cに嵌合させる。
つまり、合体配置された第1及び第2巻線群G1,G2の各分割コアCに対して、第3巻線群G3の各分割コアCをZ矢印方向に移動させるだけで容易に合体させることが可能となっている。
そして、第1〜第3巻線群G1〜G3の各始端部LSu,LSv,LSwと各終端部LEu,LEv、LEwを軸線方向一側に引き出し、それぞれ対応するU相、V相、W相動力線にそれぞれ接続する。そして、第1巻線群G1の巻線U1〜U4にはU相の駆動電源を供給し、第2巻線群G2の巻線V1〜V4にはV相の駆動電源を供給し、第3巻線群G3の巻線W1〜W4にはW相の駆動電源を供給する。これによって、ステータ3に回転磁界が発生し、ロータ4を回転させる。
次に、上記実施形態の効果について記載する。
(1)各相の巻線U1〜U4,V1〜V4,W1〜W4を形成する分割コアCを、それぞれ相毎に分割コアCが一定の間隔Dを開けて連なる第1〜第3巻線群G1〜G3とした。そして、それら巻線群G1〜G3毎に、導線Lにて各相の巻線U1〜U4,V1〜V4,W1〜W4を形成したので、巻回に際して邪魔になるものが近くになく、巻線U1〜U4,V1〜V4,W1〜W4の占積率を上げることができる。
(2)第1〜第3巻線群G1〜G3において、渡り線Lu,Lv,Lwの長さ、即ち、それら隣り合う分割コアCの間に間隔Dをそれぞれ開けた。そして、その間隔Dは、他の2つの巻線群の分割コアCがそれぞれ1個ずつ介在する間隔とした。従って、第1〜第3巻線群G1〜G3の各分割コアCが予め定めた順番で交互に一方向に連接できる。そして、その連接された各分割コアCは、簡単かつ容易に円環状化できことから低コストでステータ3を作ることができる。
(3)U相の第1巻線群G1、V相の第2巻線群G2、W相の第3巻線群G3を、それぞれ事前に作っておき、それらを合体させ、円環状にするだけで、第1〜第3巻線群G1〜G3の各分割コアCを予め定めた順番で交互に一方向に連接したステータ3を容易かつ低コストで作ることができる。
(4)渡り線Lu,Lv,Lwは、各分割コアCの分割環状部Ca上に形成された第1分割インシュレータ7aの第1〜第3渡り線案内溝16a〜16c及び第3分割インシュレータ8aの第4渡り線案内溝36aに沿って周方向に案内される。従って、渡り線Lu,Lv,Lwは、ともにステータコア6の環状部Rに沿って配置させることができる。
(5)第1〜第3巻線群G1〜G3の各始端部LSu,LSv,LSwと各終端部LEu,LEv、LEwが引き出され、それぞれ対応するU相、V相、W相動力線にそれぞれ接続させることから、その溶着箇所が少なく、溶着作業が容易となる。
(6)各相の渡り線Lu,Lv,Lwは、第1分割インシュレータ7aに形成した第1〜第3渡り線案内溝16a〜16cにそれぞれ対応して嵌合されるとともに、第3分割インシュレータ8aの第4渡り線案内溝36aに嵌合される。従って、各分割コアCを円環状化したときの各渡り線Lu,Lv,Lwの弛みを防止することができるとともに、各渡り線Lu,Lv,Lwを安定に保持することができる。
(7)U相の第1巻線群G1とV相の第2巻線群G2を合体させるとき、第1巻線群G1の各分割コアCに対して、第2巻線群G2の各分割コアCの姿勢を90°傾け、そして、元の姿勢に戻すようにするだけで容易に合体させることができる。
(8)合体した第1及び第2巻線群G1,G2に対してW相の第3巻線群G3を合体させるとき、合体配置された第1及び第2巻線群G1,G2の各分割コアCに対して、第3巻線群G3の各分割コアCを、Z矢印方向に移動させるだけで容易に合体させることができる。
なお、本実施形態では、4個の分割コアCを連ねた第1〜第3巻線群G1〜G3をそれぞれ事前に形成した。
これを、第1巻線群G1について、4個の分割コアCに間隔Dを開けて巻線群を形成し、続いて、始端部LSuと終端部LEuの両長さ分の間隔を開けて、再び新たな4個の分割コアCに間隔Dを開けて巻線群を形成しこれを繰り返し多数の巻線群からなる集合体を形成する。
つまり、4個の分割コアCを1組とした第1巻線群G1を始端部LSuと終端部LEuの両長さ分の間隔を開けて1本の導線Lにて連続して形成した多数の第1巻線群G1からなる集合体を形成する。
そして、多数の第1巻線群G1が連なった巻線群の集合体から、始端部LSuと終端部LEuの両長さ分の間隔が開いた巻線群と巻線群の間の中間部分を切断するようにして、1つの第1巻線群G1を事前に作るようにして実施してもよい。
同様に、第2巻線群G2について、4個の分割コアCを1組とした第2巻線群G2を始端部LSvと終端部LEvの両長さ分の間隔を開けて1本の導線Lにて連続して形成した多数の第2巻線群G2からなる集合体を形成する。
そして、多数の第2巻線群G2が連なった巻線群の集合体から、始端部LSuと終端部LEuの両長さ分の間隔が開いた巻線群と巻線群の間の中間部分を切断するようにして、1つの第2巻線群G2を事前に作るようにして実施してもよい。
同様に、第3巻線群G3について、4個の分割コアCを1組とした第3巻線群G3を始端部LSwと終端部LEwの両長さ分の間隔を開けて1本の導線Lにて連続して形成した多数の第3巻線群G3からなる集合体を形成する。
そして、多数の第3巻線群G3が連なった巻線群の集合体から、始端部LSwと終端部LEwの両長さ分の間隔が開いた巻線群と巻線群の間の中間部分を切断するようにして、1つの第3巻線群G3を事前に作るようにして実施してもよい。
(第2実施形態)
次に、ブラシレスモータに備えたステータの第2実施形態を説明する。
本実施形態は、分割コアCに装着するインシュレータに特徴を有し、1種類のインシュレータが全ての分割コアCに装着される点に第1実施形態と相異する。従って、本実施形態では、説明の便宜上、特徴部分について詳細に説明し共通部分については符号を同じにして詳細な説明を省略する。
本実施形態では、図10(a)〜(c)に示すように、第1実施形態で説明した第1及び第2分割インシュレータ7a,7bよりなる第1インシュレータ7が12個全ての分割コアCにそれぞれ装着されている。
そして、第1インシュレータ7を装着した第1及び第2巻線群G1,G2の各分割コアCに巻線を巻回する方法(巻線群作成工程)は、第1実施形態と同じである。また、第1インシュレータ7を装着した第3巻線群G3の各分割コアCに巻線を巻回する方法は、第3渡り線案内溝16cに対応する渡り線Lwを嵌合させる点を除いて他の巻線群と基本的に同じなので、説明の便宜上、省略する。
次に、第1〜第3巻線群G1〜G3を合体する巻線群合体工程について説明する。
(第1巻線群G1と第2巻線群G2の合体(第1合体工程))
第1巻線群G1と第2巻線群G2の合体は、第1実施形態と同様な方法で行われる(図6及び図7参照)。
つまり、U相の第1巻線群G1とV相の第2巻線群G2を合体させるとき、第2巻線群G2の各分割コアCの姿勢を、渡り線Lvを回転中心として第1巻線群G1の各分割コアCに対してほぼ90°を傾ける。次に、ほぼ90°傾けた状態で第2巻線群G2の各分割コアCを、第1巻線群G1の各分割コアC間(渡り線Luに対応する位置)に介在させると同時に、V相の渡り線Lvを、第1巻線群G1の第1分割インシュレータ7aに形成した第2渡り線案内溝16bに嵌合させる。
次に、第1巻線群G1の各分割コアC間にそれぞれ介在された第2巻線群G2の各分割コアCの姿勢を元の状態に戻す。このとき、第1巻線群G1の各分割コアC間に形成されたU相の渡り線Luを、第2巻線群G2の第1分割インシュレータ7aに形成した第1渡り線案内溝16aに嵌合させる。
このように、第1巻線群G1の各分割コアCに対して、第2巻線群G2の各分割コアCの姿勢をほぼ90°傾け、そして、元の姿勢に戻すようにするだけで容易にU相の第1巻線群G1とV相の第2巻線群G2を合体させることが可能となっている。
(第1及び第2巻線群G1,G2と第3巻線群G3との合体(第2合体工程))
合体した第1及び第2巻線群G1,G2と第3巻線群G3との合体は、先の第1巻線群G1と第2巻線群G2との合体と同様な方法で行われる。
つまり、合体した第1及び第2巻線群G1,G2に第3巻線群G3を合体させるとき、第3巻線群G3の各分割コアCの姿勢を、渡り線Lwを回転中心として合体した第1及び第2巻線群G1,G2の各分割コアCに対してほぼ90°を傾ける。
次に、図11に示すように、ほぼ90°傾けた状態で第3巻線群G3の各分割コアCを、第1及び第2巻線群G1,G2の分割コアCの間の空間(分割コアC1個分の空間)と対応する位置に配置する。このとき、W相の渡り線Lwを、第1及び第2巻線群G1,G2の第1分割インシュレータ7aに形成した第3渡り線案内溝16cにそれぞれ嵌合させる。
次に、第1及び第2巻線群G1,G2の各分割コアC間にそれぞれ介在された第3巻線群G3の各分割コアCの姿勢を元の状態に戻す。このとき、第1及び第2巻線群G1,G2の各分割コアC間に形成されたU相、V相の渡り線Lu,Lvを、第3巻線群G3の第1分割インシュレータ7aに形成した対応する第1及び第2渡り線案内溝16a,16bにそれぞれ嵌合させる。
このように、合体した第1及び第2巻線群G1,G2の各分割コアCに対して、第3巻線群G3の各分割コアCの姿勢をほぼ90°傾け、そして、元の姿勢に戻すようにするだけで容易に第1〜第3巻線群G1〜G3を合体させることが可能となっている。
第1〜第3巻線群G1〜G3を合体させた後は、第1実施形態と同様に、環状化されてステータ3が形成される。
以上詳述したように、第2実施形態は、第1実施形態の記載した(1)〜(5)の効果とほぼ同様の効果を有する。また、それらに加えて、以下の効果を有する。
(9)上記実施形態によれば、1種類の第1インシュレータ7だけを使ったので、部品数が少なくなり、製造コスト及び部品管理が容易となる。
(10)上記実施形態によれば、合体させる動作が、いずれも分割コアCの姿勢を回動させ、元の姿勢に戻す動作なので、合体させる動作が簡単となり製造システムを安価に構築することができる。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記第2実施形態おいて、第1実施形態で説明したように、1本の導線Lにて連続して形成した多数の巻線群からなる集合体を、各第1〜第3巻線群G1〜G3についてそれぞれ形成する。そして、各集合体から、1つの第1〜第3巻線群G1〜G3をそれぞれ事前に作るようにして実施してもよい。
[他の合体方法]
・上記第2実施形態の巻線群合体工程では、まず第1合体工程で第1及び第2巻線群G1,G2を合体し、その後の第2合体工程で、合体した第1及び第2巻線群G1,G2と第3巻線群G3とを合体したが、この製造方法に特に限定されるものではなく、例えば図12〜図18に示す合体方法としてもよい。
(巻線群配置工程)
まず、第1〜第3巻線群G1〜G3を所定の位置関係で配置する巻線群配置工程を行う。この工程では、まず、第1〜第3巻線群G1〜G3を図12及び図13に示すように配置する。このとき、第1〜第3巻線群G1〜G3のそれぞれにおいて、各分割コアCは上記第2実施形態と同様に、互いに一定の間隔D(図10参照)を開けつつ直線的に並設される。
第1及び第2巻線群G1,G2は、それらの分割コアCのティース部Tが互いに反対方向を向くように配置される。図13では、第1巻線群G1の分割コアCのティース部Tが下方を向き、第2巻線群G2の分割コアCのティース部Tが上方を向くように図示している。このとき、第1及び第2巻線群G1,G2の第1分割インシュレータ7aの第1渡り線案内溝16a同士が第1及び第2巻線群G1,G2のティース方向(図13において上下方向)に沿って対向するように、第1及び第2巻線群G1,G2が配置される。
第3巻線群G3は、第1巻線群G1の側方位置であって、図13における上下方向に第2巻線群G2と対向する位置に配置される。このとき、第3巻線群G3は、そのティース方向(第3巻線群G3のティース部Tが向く方向)が第1巻線群G1のティース方向と直交するように、第1巻線群G1の側方に配置される。またこのとき、互いに平行な直線状をなす第1巻線群G1のU相の渡り線Luと第3巻線群G3のW相の渡り線Lwとは、第3巻線群G3のティース方向に並び、それら渡り線Lu,Lwの間隔は、第1渡り線案内溝16aと第3渡り線案内溝16cとの間隔と等しくなっている。
次に、上記の第1〜第3巻線群G1〜G3の配置から、第2巻線群G2を第1及び第3巻線群G1,G3に対する方向(第2巻線群G2の反ティース方向であって、図13における下方)に組み付ける。これにより、図14に示すように、第2巻線群G2の第1分割インシュレータ7aの第1及び第3渡り線案内溝16a,16cに、第1巻線群G1の渡り線Lu及び第3巻線群G3の渡り線Lwがそれぞれ嵌合される。
上記のように、巻線群配置工程では、第2巻線群G2の分割コアCの向き(図13においてティース部Tが上方を向く向き)を基準として、第1巻線群G1の分割コアCは、U相の渡り線Luを中心に180°反転された状態とされる。そして、第3巻線群G3の分割コアCは、W相の渡り線Lwを中心に反第1巻線群方向(図14における時計回り方向)に90°回転された状態とされる。つまり、図14に示すように、第1〜第3巻線群G1〜G3の分割コアCが互いに、渡り線Lu,Lv,Lwの周囲の異なる位置に配置されるようになっている。
(巻線群回転工程)
次に、第1〜第3巻線群G1〜G3の各分割コアCをU相、V相、W相の順で一方向に一列に並べる巻線群回転工程を行う。この工程では、第1及び第3巻線群G1,G3の分割コアCがそれぞれ自身の渡り線Lu,Lwを中心として回転されることで、各巻線群G1〜G3の各分割コアCが一方向に一列に並べられる。
本例では、まず、図15及び図16に示すように、第1巻線群G1の各分割コアCをU相の渡り線Luを中心として、分割コアCの背面側(反ティース部側)に180°回転させる。このとき、第1巻線群G1の第1分割インシュレータ7aの第2及び第3渡り線案内溝16b,16cに、第2及び第3巻線群G2,G3の渡り線Lv,Lwをそれぞれ嵌合させる。これにより、図16に示すように、第1巻線群G1と第2巻線群G2とは、ティース部Tが同一方向を向く状態でそれらの分割コアCが一方向に並ぶように配置される。
その後、図17及び図18に示すように、第3巻線群G3の各分割コアCを、W相の渡り線Lwを中心に90°回転させる。このとき、第3巻線群G3の第1分割インシュレータ7aの第1及び第2渡り線案内溝16a,16bに、第1及び第2巻線群G1,G2の渡り線Lu,Lvをそれぞれ嵌合させる。これにより、図18に示すように、第1〜第3巻線群G1〜G3は、ティース部Tが同一方向を向く状態でそれらの分割コアCが一方向に一列に並ぶように配置される。
なお、第1及び第3巻線群G1,G3の回転順は上記の例に限定されるものではなく、第1巻線群G1の前に第3巻線群G3を回転させてもよく、また、それらを同時に回転させてもよい。
上記のような製造方法では、第2巻線群G2の各渡り線案内溝16a〜16cに渡り線Lu,Lv,Lwを嵌合させつつ、各巻線群G1〜G3の分割コアCを互いに渡り線Lu,Lv,Lwの周囲の異なる位置に配置する巻線群配置工程と、第2巻線群G2に対して第1及び第3巻線群G1,G3を回転させる巻線群回転工程とが分離されている。このため、巻線群配置工程で用いる組付治具に、分割コアCを回転させる機能を付加する必要がない。
これに対し、上記第2実施形態の製造方法では、第1合体工程と第2合体工程のそれぞれの工程において、渡り線を渡り線案内溝に嵌合させるべく巻線群をスライドさせて組み付けるスライド組み付けと、分割コアCの回転とが必要であり、それら両方を可能とする組付治具を用意しなければならない。
つまり、上記の図12〜図18に示す例によれば、巻線群のスライド組み付けと分割コアCの回転の両方を可能とする複雑な組付治具が不要となるため、より安価な製造システムを構築することが可能となり、また、製造設備の小型化にも寄与できる。
また、上記の例によれば、第2渡り線案内溝16b(第1〜第3渡り線案内溝16a〜16cの真ん中の案内溝)に嵌合されるV相の渡り線Lvを有する第2巻線群G2の姿勢に合わせるように、第1及び第3巻線群G1,G3が回転される。このため、各相の巻線群G1〜G3の第1分割インシュレータ7aに形成された第1〜第3渡り線案内溝16a〜16cに各渡り線Lu,Lv,Lwを容易に嵌合させつつ、各相の巻線群G1〜G3を合体させることが可能となる。
・上記第2実施形態では、第1インシュレータ7に第1〜第3渡り線案内溝16a〜16cを軸方向に並設し、各渡り線Lu,Lv,Lwを嵌合させた。
これを、図19(a)、(b)に示すように、第3ヨーク被覆部12cの軸方向外側面であってそれぞれの分割内壁13a,13bより径方向外側に、径方向に並ぶ3つの第1〜第3渡り線案内溝16a〜16cを分割環状部Caに沿って円弧状にそれぞれ形成する。そして、第1渡り線案内溝16aにはU相の渡り線Luを、第2渡り線案内溝16bにはV相の渡り線Lvを、第3渡り線案内溝16cにはW相の渡り線Lwをそれぞれ割り当てるようにして実施してもよい。
この場合、図20に示すように、例えば、第1巻線群G1の各渡り線Luの両端部は、第1分割インシュレータ7aの第1渡り線案内溝16aに嵌合する。そして、始端部LSuと終端部LEuとの間に、第1分割コアC1に巻線U1、第4分割コアC4に巻線U2、第7分割コアC7に巻線U3、第10分割コアC10に巻線U4が一定の間隔Dを開けて1つの導線Lにて連なった第1巻線群G1が形成される。
・上記各実施形態では、第2分割インシュレータ7bは第1分割インシュレータ7aと同一形状に形成された。これを、第2分割インシュレータ7bにおいて、第1〜第3渡り線案内溝16a〜16cを形成した分割内壁13a,13bを省略した形状で実施してもよい。
また同様に、第1実施形態の第4分割インシュレータ8bは第3分割インシュレータ8aと同一形状に形成されたが、第4分割インシュレータ8bにおいて、第4渡り線案内溝36aを形成した分割内壁33a,33b及び外壁36を省略した形状で実施してもよい。
・上記各実施形態において、第1〜第3巻線群G1〜G3の渡り線Lu,Lv,Lwの中間に接続線を加工することで並列回路を構成することが可能となる。
例えば、図21(a)、(b)に示すように、第1巻線群G1において、巻線U2及び巻線U3の間の渡り線Luの中間にターミナル部材40を電気的に接続するとともに、始端部LSuと終端部LEuを互いに電気的に接続する。これにより、始端部LSu及び終端部LEuとターミナル部材40との間に、巻線U1,U2と巻線U3,U4との並列回路が構成される。
また、例えば図22(a)、(b)に示すように、第1巻線群G1において、巻線U2及び巻線U3の間の渡り線Luの中間を折り返すことで折り返し部41を形成するとともに、始端部LSuと終端部LEuを互いに電気的に接続する。これにより、始端部LSu及び終端部LEuと折り返し部41との間に、巻線U1,U2と巻線U3,U4との並列回路が構成される。
なお、図21及び図22では、U相の第1巻線群G1を例にとって説明したが、勿論、第2及び第3巻線群G2,G3にも適用可能である。
また、例えば図23(a)、(b)に示すように、巻線群Gの分割コアCの個数を6個とし、それらの分割コアCに対して1本の導線Lを連続して巻回することで、U相の巻線Ua,Ub、V相の巻線Va,Vb、W相の巻線Wa,Wbを順に形成する。巻線Ubと巻線Vaとの間に形成される渡り線50a(導線L)の中間にターミナル部材51aを電気的に接続し、巻線Vbと巻線Waとの間に形成される渡り線50b(導線L)の中間にターミナル部材51bを電気的に接続する。そして、導線Lの巻き始めの始端部LSと巻き終わりの終端部LEとを電気的に接続する。これにより、巻線Ua,Ub,Va,Vb,Wa,Wbは、各相で2つの巻線が直列接続されたデルタ結線で構成される。なお、このような構成では、巻線群Gは異相の巻線Ua,Ub,Va,Vb,Wa,Wbを備えた構成となっている。
・上記各実施形態では、分割コアCを電磁鋼板(板状のコア片)の積層構造としたが、これ以外に例えば、圧粉体コアや、鍛造(冷間鍛造)や切削等で成形した一体ブロックとしてもよい。
・上記各実施形態の第1インシュレータ7において、各渡り線案内溝16a〜16cの形状を、図24〜図26に示すように変更してもよい。
図24に示すように、各渡り線案内溝16a〜16cは、周方向中央部側(開口部14側)に形成された直線部61と、その直線部61と周方向外側で連続して繋がる円弧部62とを有している。直線部61は、平面視(ステータ3の軸方向視)において、径方向(ティース被覆部11の延出方向)と直交する直線状をなす。円弧部62は、平面視において、ステータ3の中心軸線を中心とする円弧状をなす。つまり、各渡り線案内溝16a〜16cは、周方向中央よりの部位が直線状をなし、それ以外の周方向外側付近の部位が円弧状をなしている。
図25(a)に示すように、直線部61は、その径方向開口部に形成された突出部61aによって開口幅が狭まっている。これにより、直線部61に嵌め込まれた渡り線Lu,Lv,Lwが突出部61aと径方向に係止され、渡り線Lu,Lv,Lwが直線部61から径方向に抜けにくくなっている。
一方、図25(b)に示すように、円弧部62には、直線部61の突出部61aのような突起が形成されておらず、開口幅が狭まっていない形状となっている。
図26には、図24の第1インシュレータ7を装着した第1巻線群G1を一例として示す。第1巻線群G1の各渡り線Luが直線状となる状態(分割コア環状化工程の前の状態)において、渡り線Luは、渡り線案内溝16aの直線部61に奥まで嵌め込まれるとともに、円弧部62に対しては径方向に間隔を空けた状態(浮いた状態)で部分的に入り込んでいる。
そして、分割コア環状化工程によって渡り線Lu,Lv,Lwは円弧部62にも奥まで入り込む。円弧部62は上記のように開口幅が狭まっていない形状であるため、渡り線Lu,Lv,Lwは各渡り線案内溝16a〜16cの円弧部62にスムーズに入り込むようになっている。
このような構成によれば、上記実施形態のように渡り線案内溝16a〜16cが周方向全体に亘って円弧状である構成と比較して、渡り線Lu,Lv,Lwが直線状となる状態で渡り線Lu,Lv,Lwが渡り線案内溝16a〜16cに入り込む量が直線部61によって増える。これにより、渡り線案内溝16a〜16cによる渡り線Lu,Lv,Lwの保持がより安定し、その後の分割コア環状化工程が容易となる。更に、直線部61が突出部61aを備えることで、渡り線案内溝16a〜16cによる渡り線Lu,Lv,Lwの保持がより強固となる。また、渡り線案内溝16a〜16cが直線部61を有していることから、渡り線案内溝16a〜16cの部位の金型成形が容易となる。
なお、上記実施形態の第1インシュレータ7の各渡り線案内溝16a〜16cにおいて、図25(a)に示すような突出部を形成してもよい。
・上記各実施形態では、ステータ3は12個のティース部Tを備えたが、ティース部Tの数が11個以下であったり、13個以上であったりしてもよい。
・上記各実施形態では、3相のブラシレスモータ1のステータ3に具体化したが、例えば2相のモータに応用してもよい。
1…ブラシレスモータ、2…ハウジング、3…ステータ、4…ロータ、5…回転軸、6…ステータコア、7,8…第1及び第2インシュレータ、7a,7b…第1及び第2分割インシュレータ、8a,8b…第3及び第4分割インシュレータ、11…ティース被覆部、11a〜11c…第1〜第3被覆部、11d…巻線保持壁、11e…巻線ガイド溝、12…環状部被覆部、12a〜12c…第1〜第3ヨーク被覆部、13…内壁、13a,13b…分割内壁、14…開口部、15…端末線案内溝、16a〜16c…第1〜第3渡り線案内溝、31…ティース被覆部、31a〜31c…第1〜第3被覆部、31d…巻線保持壁、31e…巻線ガイド溝、32…環状部被覆部、32a〜32c…第1〜第3ヨーク被覆部、33…内壁、33a,33b…分割内壁、34…開口部、35…端末線案内溝、36…外壁、36a…第4渡り線案内溝(ガイド溝)、R…環状部、T…ティース部、T1〜T12…第1〜第12ティース部、O…中心軸、U1〜U4,V1〜V4,W1〜W4…巻線、C…分割コア、Ca…分割環状部、C1〜C12…第1〜第12分割コア、G1〜G3…第1〜第3巻線群、L…導線、Lu,Lv,Lw…渡り線、LSu,LSv,LSw…始端部、LEu,LEv,LEw…終端部、D…間隔、G…巻線群、Ua,Ub,Va,Vb,Wa,Wb…巻線、50a,50b…渡り線。

Claims (7)

  1. 分割環状部と、その分割環状部の周方向中間部分から径方向内側に延出形成された1つのティース部とからなる分割コアを円環状に連接してステータを形成する際に、前記ティース部に巻回される巻線に対して絶縁するために分割コアに被覆装着するインシュレータであって、
    前記インシュレータの前記ティース部基端側の分割環状部の軸方向外側面に、内壁を前記分割環状部に沿って周方向に形成し、前記内壁の周方向中間部に径方向に貫通する開口部を形成するとともに、
    前記開口部にて周方向に2分された前記内壁の各径方向外側には、分割コアのティース部に巻回される巻線間を繋ぐ複数の渡り線を、周方向に案内する案内部を形成したことを特徴とするインシュレータ。
  2. 請求項1に記載のインシュレータにおいて、
    前記案内部は、前記開口部にて周方向に2分された前記内壁の各径方向外側面に凹設され、周方向に案内される前記渡り線を軸方向に移動不能に支持する渡り線案内溝であることを特徴とするインシュレータ。
  3. 請求項1に記載のインシュレータにおいて、
    前記案内部は、前記開口部にて周方向に2分された前記内壁の各径方向外側面と径方向に対峙した外壁を軸方向に延出し、その外壁と前記内壁との間に、周方向に案内される前記渡り線を径方向外側に移動不能に支持するガイド溝であることを特徴とするインシュレータ。
  4. 分割環状部と、その分割環状部の周方向中間部分から径方向内側に延出したティース部とからなる分割コアにインシュレータを装着し、そのインシュレータを装着した複数個の分割コアを1組とし、その組を複数有し、その各組の各分割コアをそれぞれ予め定めた順序で連接した円環状のステータであって、
    前記各組の各分割コアに装着した前記インシュレータは、その前記ティース部基端側の分割環状部の軸方向外側面に、内壁が分割環状部に沿って周方向に沿って形成され、
    前記内壁の周方向中間部に径方向には、貫通する開口部が形成され、
    前記開口部にて周方向に2分された前記内壁の各径方向外側には、自身の組の各分割コアのティース部に巻回される自身の組の巻線間を繋ぐ渡り線と、他の組の各分割コアのティース部に巻回される他の組の巻線間を繋ぐ各組の渡り線とを、周方向に案内する案内部が形成されたことを特徴とするステータ。
  5. 請求項4に記載のステータにおいて、
    前記インシュレータを装着した複数個の前記分割コアからなる組を、モータの相数だけ有し、
    前記モータの相数は、U相、V相及びW相の3相であることを特徴とするステータ。
  6. 請求項5に記載のステータにおいて、
    前記インシュレータの案内部は、前記開口部にて周方向に2分された前記内壁の各径方向外側面に凹設され、周方向に案内される前記渡り線を軸方向に移動不能に支持する渡り線案内溝であることを特徴とするステータ。
  7. 請求項5に記載のステータにおいて、
    前記インシュレータは、2相の各分割コアにそれぞれ装着される第1インシュレータと、残り1相の各分割コアにそれぞれ装着される第2インシュレータとからなり、
    前記第1インシュレータの案内部は、前記開口部にて周方向に2分された前記内壁の各径方向外側面に凹設され、周方向に案内される前記渡り線を軸方向に移動不能に支持する渡り線案内溝を有し、
    前記第2インシュレータの案内部は、前記開口部にて周方向に2分された前記内壁の各径方向外側面と径方向に対峙した外壁を軸方向に延出し、その外壁と前記内壁との間に、周方向に案内される前記渡り線を径方向外側に移動不能に支持するガイド溝を有したことを特徴とするステータ。
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