JP2017060235A - 電動機 - Google Patents

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健彌 寶井
Kenya Takarai
健彌 寶井
邦人 野口
Kunito Noguchi
邦人 野口
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Abstract

【課題】各相の巻線が接続される接続端子のヒュージング加工条件を同じにできる新規な電動機を提供することにある。【解決手段】各相の巻線部(40)を形成する巻線の巻き始め端部と巻き終り端部に、それぞれ巻き始め接続端子(26W1)と巻き終り接続端子(26W2)を接続し、この巻き始め接続端子と巻き終り接続端子を他の相の接続端子(26U、26V)とほぼ同じ形状に形成した。これによれば、接続端子は、1つの相の巻き始め接続端子、残りの2つの相の接続端子、及び1つの相の巻き終り接続端子の4つとなる。これによって、各接続端子には1本の巻線が接続されることになり、各接続端子の形状を統一できてヒュージング加工の条件を同じにすることができ、結果として加工性を向上することができる。【選択図】図6

Description

本発明はブラシレス方式の電動機に係り、特に巻線に流れる電力を制御する制御基板を内蔵した電動機に関するものである。
近年、自動車の低燃費化への要求が高まるにつれ、アイドルストップ機能付きの自動車やハイブリッド車の実用化が進んでいる。これらの車両は、内燃機関の停止時に内燃機関によって駆動される流体ポンプも停止するため、内燃機関以外の流体ポンプ駆動源が必要となる。また、ハイブリッド車や電気自動車においては、走行用モータやその制御装置、またはバッテリを冷却するための冷却水ポンプが必要とされる。これらの背景から、電動機を使用してインペラが固定されたロータに回転力を付与してポンプ作用を行う電動流体ポンプの使用が増加する傾向にある。
このような電動流体ポンプに使用される電動機はブラシレス方式の電動機であり、3相の巻線が巻回されたステータ部の内部に、永久磁石を備えたロータ部を内装したインナーロータ型の直流電動機が使用されている。そして、このインナーロータ型の直流電動機では、複数の突極部に各相の巻線を分割して巻回することで複数の巻線部を形成し、この巻線部に駆動電流を流して界磁を作る構成となっているため、各相の同相の巻線部を渡り線で繋ぐようにしている。また、この電動機は制御基板を内蔵した機電一体型の電動機である。
インナーロータ型の直流電動機は、ステータ内側の複数の突極部のそれぞれに巻線が巻回されて複数の巻線部が形成され、これら複数の巻線部から引き出された巻線を引き回し、所定の接続端子と結線が行われる構造を有している。そして、接続端子に巻線を接続する方法として、ヒュージング加工が知られている。
ヒュージング加工は、被覆線を挟み込む形状のヒュージング用接続部に被覆線を挟み、その状態で圧力を加えながら接続端子に電流を流して発熱させ、この発熱により被覆線の被覆を溶かして被覆を剥離し、圧力と熱により被覆線の芯線と接続端子とを固相接合させ、これにより接続端子と巻線とを電気的に接続する技術である。このようなヒュージング加工によって巻線と接続端子を電気的に接続した電動機としては、特開2015−70652号公報(特許文献1)等でよく知られているものである。
特開2015−70652号公報
ところで、デルタ結線方式の巻線部を備えた電動機においては、巻線と接続端子の構成はおおよそ次のような構成となっている。
各相の巻線が巻回され巻線部は、通常はU相、V相、W相の順番で配置されており、各相の巻線を例えば3個に分けて巻き込む場合、9個のボビン部が鉄心に形成される。すなわち、U相の第1ボビン部、V相の第1ボビン部、W相の第1ボビン部が第1の組とされ、U相の第2ボビン部、V相の第2ボビン部、W相の第2ボビン部が第2の組とされ、U相の第3ボビン部、V相の第3ボビン部、W相の第3ボビン部が第3の組とされ、これらは組順に順番に配置されている。
そして、U相巻線の巻き始め端部、V相巻線の巻き始め端部、及びW相巻線の巻き始め端部から延びる各巻線は、U相の第1ボビン部〜第3ボビン部、V相の第1ボビン部〜第3ボビン部、W相の第1ボビン部〜第3ボビン部に渡り線を介して夫々巻かれている。
デルタ結線方式においては各相の巻線が連続しているため、例えば、W相接続端子を巻き始め端子とすると、巻線はW相の第1ボビン部〜第3ボビン部に巻回され、次にV相の第1ボビン部〜第3ボビン部に巻回され、最後にU相の第1ボビン部〜第3ボビン部に巻回され、U相の第3ボビン部の最終端末がW相接続端子に戻され接続されて終点となるものである。
そして、各相の巻線は各相の接続端子に接続されることになるが、U相接続端子とV相接続端子に接続される巻線は、巻線の途中から引き出されて接続されるため、U相接続端子とV相接続端子には1本の巻線が接続されるのに対し、W相の接続端子は巻き始め端部と巻き終り端部の2本が接続されることになる。
このように、デルタ結線方式の場合は、W相接続端子には2本の巻線(巻き始め端部と巻き終り端部)が接続される。このため、2本の巻線を一緒にして接続端子に接続する構成にすると、接続端子の構成が他の相の接続端子(U相、V相)と異なることになる。これによってヒュージング加工における加工条件(電極形状、寸法、移動距離等)が変わり、ヒュージング加工の加工条件が異なることで作業効率が低下するようになる。
本発明の目的は、各相の巻線が接続される接続端子のヒュージング加工条件を同じにできる新規な電動機を提供することにある。
本発明の特徴は、各相の巻線部を形成する巻線の1つの相の巻き始め端部と巻き終り端部に、それぞれ巻き始め接続端子と巻き終り接続端子を接続し、この巻き始め接続端子と巻き終り接続端子を他の相の接続端子とほぼ同じ形状に形成した、ところにある。
本発明によれば、接続端子は、1つの相の巻き始め接続端子、残りの2つの相の接続端子、及び1つの相の巻き終り接続端子となる。これによって、各接続端子には1本の巻線が接続されることになり、各接続端子の形状を統一できてヒュージング加工の条件を同じにすることができ、結果として作業効率を向上することができる。
本発明が適用される電動流体ポンプの全体斜視図である。 図1に示す電動流体ポンプからカバーを取り去った後の電動流体ポンプの斜視図である。 図2に示す電動流体ポンプから電動機部を取りだした後の電動機部の斜視図である。 図3に示す電動機部から制御基板を取り去った後の電動機部の斜視図である。 図1に示す電動流体ポンプの縦断面を示す断面図である 図4に示す電動機部からホルダーを取り去った後の渡り線を省略したステータの斜視図である。 制御基板とステータの取り付け関係を説明するための分解斜視図である。 制御基板を上から見た上面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されることなく、本発明の技術的な概念の中で種々の変形例や応用例をもその範囲に含むものである。
以下、本発明になる電動流体ポンプの実施形態を図面に基づいて説明する。図1は電動流体ポンプの全体構成を示す斜視図である。電動流体ポンプ10はアルミ合金等で作られた本体10Aと、この本体10Aに隣接して固定された駆動制御部を覆うアルミ合金等の金属製のカバー10Bとより構成されている。
この電動流体ポンプ10は図示しないポンプハウジングに固定され、回転軸の先端に取り付けたインペラを回転させてポンプ作用を行うものである。本体10Aからは外部コネクタ12が取り出され、図示しないバッテリから電力が供給されるようになっている。カバー10Bは金属製であるため、駆動制御部で発生した熱を外部に放散するヒートシンク機能を備えている。
図2はカバー10Bを取り去った後の電動流体ポンプ10の斜視図を示している。本体10Aの内部には電動機部(図示せず)が収納されており、この電動機部は全体を覆うように合成樹脂で取り囲まれている。電動機部の外周の一部に繋がる箱状の収納部16が本体10Aに設けられており、この収納部16に後述する電気部品や上述した外部コネクタ12が配置されている。
電動機部の上側には制御基板18が配置、固定されており、電動機部と制御基板18の間に駆動制御回路が取り付けられている。この駆動制御回路は電動機部をインバータ制御するために必要な回路を備えている。
図3は本体10Aから電動機部10Cを取り出した後の、電動機部10Cの斜視図を示している。電動機部10Cにはステータ部20と内部に収納されたロータ部(図示せず)、及びこのロータ部に固定された回転軸とより構成されている。ステータ部20にはホルダー14がボルト24によって固定されている。
図4は電動機部10Cから制御基板18を取り去った後の電動機部10Cの斜視図を示している。電動機部には制御基板18及びステータ部20の巻線と電気的な接続を行うための接続端子26が設けられており、各接続端子であるU相接続端子26U、V相接続端子26V、及びW相接続端子26W1、26W2は制御基板18及びステータ部20の巻線と電気的な接続を行うための機能を有している。U相接続端子26U、V相接続端子26V、及びW相接続端子26W1、26W2は各相の入力部に接続されている。
尚、U相接続端子26U、V相接続端子26V、及びW相接続端子26W1、26W2はステータ部20の軸方向に沿って延びており、ステータ部20の軸方向と直交するように配置された制御基板18に接続されている。
以上のような電動流体ポンプの更に詳細な内部構造を図5に基づいて説明する。図5にあるように、電動機部10Cは少なくともロータ部32とステータ部20とより構成されている。この電動機部10Cは例えば、アルミ合金等で作られた金属製の本体10Aの一方に設けた電動機部収納部34に収納されている。ロータ部32はステータ部20の内周側に配置されており、永久磁石を備えていることから、ステータ部20の巻線部40によって作られる界磁によって回転力が与えられる。
また、この本体10Aの電動機部収納部34とは反対側はポンプハウジング(図示せず)に固定される構成となっている。この部分にはポンプ作用を行うインペラ36が配置され、回転軸22によって回転されるようになっている。そして、回転軸22は電動機部10Cを構成するロータ部32と固定され、ロータ部32の回転によって回転軸32は回転されるものである。
電動機部収納部34とインペラ36の間は液密的に封止されており、この部分に液体が侵入してくることはない。電動機部収納部34内には上述したようにステータ部20を構成する鉄心38と、これの突極部(図示せず)に巻回された巻線部40と、同相の巻線部40を接続する渡り線の案内、保持を行う渡り線保持溝を備えた渡り線ガイド42が収納されている。これの具体的な構成は後述する。
渡り線ガイド42は各突極部の間に植立するように形成されている。また、同様に各突極部の背面にも渡り線を案内する渡り線ガイド42が形成されている。
ステータ部20は合成樹脂によって固定的に覆われており、両者が固定された状態で制御基板18が固定されるものである。制御基板18には上述したようにインバータ制御に必要な回路が搭載されており、U相接続端子26U、V相接続端子26V、及びW相接続端子26W1、26W2を介して巻線部40と接続されている。制御基板18の端側にはインダクタ、コンデンサ等の電気部品が搭載されており、これらの形状的に大きい電気部品の一部は収納部16に収納されるようになっている。以上のような構成の電動流体ポンプは既に良く知られているので、これ以上の説明は省略する。
ところで、上述した通り、デルタ結線方式の巻線部を備えた電動機においては、各相の巻線は各相の接続端子に接続されているが、例えば、W相の接続端子を巻き始め端子とすると、U相接続端子とV相接続端子は、巻線の途中に位置するため1本の巻線が接続されるが、W相の接続端子は巻き始め端部と巻き終り端部の2本が接続されることになる。
このように、デルタ結線方式の場合は、W相接続端子には2本の巻線(巻き始め端部と巻き終り端部)が接続される。このため、2本の巻線を一緒にして接続端子に接続すると、接続端子の構成が他の接続端子(U相、V相)と異なることになる。これによってヒュージング加工における加工条件(電極形状、寸法、移動距離等)が変わり、ヒュージング加工の条件が異なることで作業効率が低下するようになる。
そこで、本実施形態では、各相の巻線部を形成する巻線の1つの相の巻き始め端部と巻き終り端部に、それぞれ巻き始め接続端子と巻き終り接続端子を接続し、この巻き始め接続端子と巻き終り接続端子を他の相の接続端子とほぼ同じ形状に形成する構成を提案するものである。
本実施形態によれば、接続端子は、1つの相の巻き始め接続端子、残りの2つの相の接続端子、及び1つの相の巻き終り接続端子となる。これによって、各接続端子には1本の巻線が接続されることになり、各接続端子の形状を統一できてヒュージング加工の条件を同じにすることができ、結果として作業効率を向上することができるようになるものである。
以下、本実施形態になる電動機部10Cを構成するステータ部20の詳細構造を図5、図6に基づいて説明する。
図5、図6において、ステータ部20を構成する鉄心38は、積層されたケイ素鋼板等から構成されたもので、内周側に向けて放射状に延びた9個の突極部を有している。鉄心38は一体型のコアであり、突極部も同時に形成されている。突極部の周囲には絶縁性の合成樹脂からなるボビン部20Aが設けられている。このボビン部20Aは自身の周囲に巻回される巻線と突極部との絶縁を確保するための機能を有している。このボビン部20Aに各相の巻線が巻かれて巻線部40となるものである。
9個の突極部は互いに隣り合うように配置されており、巻線が巻かれたボビン部20Aと鉄心38の内周部には電気絶縁性機能を備える合成樹脂からなる絶縁基部20Bが設けられている。ボビン部20Aと絶縁基部20Bとは絶縁性の合成樹脂を射出して一体的に成形されたものである。絶縁基部20Bは鉄心38の軸方向に所定の長さだけ突出して形成されており、その径方向の絶縁部表面20Cは略平坦な形状に形成されている。
この絶縁部表面20Cには、各相の同相の巻線部40を繋ぐ渡り線を案内する渡り線ガイド42が各ボビン部20Aの間に植立するように一体的に形成されている。この渡り線ガイド42は絶縁部表面20Cの円周上で、各巻線部40の間に点在するように植立している。また、絶縁部表面20Cから軸方向に突出した巻線部40の背面円周側にも渡り線を案内する渡り線ガイド42が形成されている。これらの渡り線ガイド42の外周壁に渡り線(図示せず)を案内、保持する渡り線保持溝48が形成されている。この渡り線は各相の同相の巻線部40から延びているものであるが、図6では渡り線を省略している。
突極部を覆うボビン部20Aは各相の巻線が巻回されて巻線部40となるもので、通常はU相、V相、W相の順番で配置されている。本実施形態では各相の巻線を3個に分けて巻き込むため、9個のボビン部20Aが鉄心38に形成されている。
すなわち、U相の第1ボビン部、V相の第1ボビン部、W相の第1ボビン部が第1の組とされ、U相の第2ボビン部、V相の第2ボビン部、W相の第2ボビン部が第2の組とされ、U相の第3ボビン部、V相の第3ボビン部、W相の第3ボビン部が第3の組とされ、これらは組順に順番に配置されている。
U相巻線の巻き始め端部、V相巻線の巻き始め端部、及びW相巻線の巻き始め端部から延びる各巻線は、U相の第1ボビン部〜第3ボビン部、V相の第1ボビン部〜第3ボビン部、W相の第1ボビン部〜第3ボビン部に渡り線を介して夫々巻かれている。そして、各相の第3ボビン部から引き出された各相の巻線引出部は各相の接続端子に接続されている。
本実施形態ではデルタ結線されているため、W相接続端子26W1、26W2が設けられている。したがって、W相接続端子26W1、26W2は巻線の巻き始め端部と巻き終り端部に対応するが、ここでは、W相接続端子26W1が巻き始め端部に対応し、W相接続端子26W2が巻き終わり端部に対応する。
例えば、W相接続端子26W1が巻線の巻き始め端部とすると、巻線はW相の第1ボビン部〜第3ボビン部に巻回され、次にV相の第1ボビン部〜第3ボビン部に巻回され、最後にU相の第1ボビン部〜第3ボビン部に巻回され、U相の第3ボビン部の最終端末がW相接続端子26W2に接続されて巻き終り端部となるものである。そして、W相の第3ボビン部とV相の第1ボビン部の間の巻線引出部でV相接続端子26Vが接続され、V相の第3ボビン部とU相の第1ボビン部の間の巻線引出部でU相接続端子26Uが接続されているものである。
このようにW相接続端子を2個(26W1,26W2)に分けた理由は、ヒュージング加工における作業効率を向上するためである。つまり、デルタ結線であるためW相接続端子には2本の巻線(巻き始め端部と巻き終り端部)が接続される。このため、2本の巻線を一緒にして接続端子に接続すると、接続端子の構成が他の接続端子(U相、V相)と異なることになる。これによってヒュージング加工における加工条件(電極形状、寸法、移動距離等)が変わり、作業効率が低下するようになる。
このため、全ての接続端子を1本の巻線と接続することで、ヒュージング加工の作業効率を向上している。また、ヒュージング加工の加工条件を同じにするため、W相接続端子26W1、26W2、U相接続端子26U、及びV相接続端子26Vはほぼ同じ形状に形成されている。
このように、本実施形態では、接続端子は、ほぼ同じ形状の1つの相の巻き始め接続端子、残りの2つの相の接続端子、及び1つの相の巻き終り接続端子の4つとなる。これによって、各接続端子には1本の巻線が接続されることになり、各接続端子の形状を統一できてヒュージング加工の条件を同じにすることができ、結果として作業効率を向上することができる。
また、図6からわかるように、各接続端子26U、26V、26W1、26W2は、渡り線ガイド42に設けられていると共に、渡り線ガイド42の渡り線保持溝48より半径方向内側のボビン20A側に配置されている。更に、各巻線引出部を接続する各接続端子26U、26V、26W1、26W2のヒュージング用接続部50は、ステータの内側に位置するボビン部20A側とは反対側の外周側に形成されている。これらのヒュージング用接続部50は、引き出された巻線引出部を挟み込む形状の接続部に形成されている。
すなわち、引き出された巻線引出部を挟み、この状態で圧力を加えながら、各接続端子26U、26V、26W1、26W2に電流を流して発熱させ、この発熱により巻線の被覆を溶かして剥離し、圧力と熱により巻線引出部の芯線と、各接続端子26U、26V、26W1、26W2のヒュージング用接続部50とを固相接合させて電気的な接続を行うようになっている。
U相接続端子26Uに接続されるU相巻線引出部は、渡り線ガイド42の外周面に形成された3条の渡り線保持部48の中央の渡り線保持溝の引出案内部48U-Outから引き出されている。また、V相接続端子26Vに接続されるV相巻線引出部は、渡り線ガイド42の3条の渡り線保持部48の最も下側の渡り線保持溝の引出案内部48V-Outから引き出されている。同様に、W相接続端子に接続されるW相の巻線引出部は、渡り線ガイド42の3条の渡り線保持部48の最も上側の渡り線保持溝の引出案内部48W-Outから引き出されている。
絶縁基体20Bの絶縁部表面20Cには、各相の同相の巻線部40を繋ぐ渡り線を案内する渡り線ガイド42が植立するように一体的に形成されている。渡り線ガイド42の外周面には各相の渡り線保持溝が形成されている。渡り線ガイド42の渡り線保持溝48は、上側から順番にW相側の渡り線保持溝、U相側の渡り線保持溝、V相側の渡り線保持溝で形成されている。ただしこれらの順番は適宜変更可能であるので、本実施形態のように限定されないものである。
そして、各相の渡り線保持溝にはU相側渡り線、V相側渡り線、W相側の渡り線が案内、保持されている。ただし、U相側の渡り線の巻線引出部は、U相接続端子26Uと接続されるため、U相接続端子26U側に引き出されるものである。同様に、図示していないが、V相側の渡り線の巻線引出部は、V相接続端子26Vと接続されるため、V相接続端子26V側に引き出され、W相側の渡り線の巻線引出部は、W相接続端子26W2と接続されるため、W相接続端子26W2側に引き出されるものである。
渡り線ガイド42の外周面より内側には、各相の接続端子26U、26V,26W1,26W2が植立するように設けられている。各相の接続端子の外側面にはヒュージング用接続部50が形成されている。ヒュージング用接続部50は、各相の巻線引出部を挟み込むためのU字状の挟み込み部が形成されており、この挟み込み部は各相の接続端子からボビン20Aと反対側に切り起こされている。
したがって、各相の巻線引出部はこの挟み込み部によってヒュージング加工されるものである。挟み込み部は図中で上側に開口しており、各相の巻線引出部を上側から挟み込み部に挿入し、この状態で上側からヒュージング加工機の加圧電極を下降してヒュージング加工を行うものである。このような構成を採用することにより、容易にヒュージング加工を行うことができるものである。また、巻線を挟み込むヒュージング用接続部50をステータの外側向きに設けているので、巻線の巻線機ノズルと干渉する恐れがないものである。
図7は制御基板と電動機を組み合わせる状態を示しており、ステータの軸方向に沿って各相の接続端子26U、26V、26W1、26W2が延びている。そしてステータの軸方向と直交する方向に制御基板18が配置されるものである。したがって、各相の接続端子26U、26V、26W1、26W2は制御基板18に設けた接続孔を貫通してハンダによって接合されているもので、詳しくは図8に示されている。
図8は制御基板18の上面図であり、U相接続端子26Uは導通部52に設けられた接続孔51Uを貫通し、ハンダによって導通部52と電気的に接続されている。同様に、V相接続端子26Vは導通部53に設けられた接続孔51Vを貫通し、ハンダによって導通部53と電気的に接続されている。
一方、W相接続端子26W1、及びW相接続端子26W2は、導通部54に設けられた接続孔51W1と接続孔51W2を貫通し、ハンダによって導通部54と電気的に接続されている。したがって、W相接続端子26W1、及びW相接続端子26W2は導通部54によって電気的に接続されており、これによって1つのW相接続端子が形成されることになる。
以上述べた通り、本発明によれば、各相の巻線部を形成する巻線の1つの相の巻き始め端部と巻き終り端部に、それぞれ巻き始め接続端子と巻き終り接続端子を接続し、この巻き始め接続端子と巻き終り接続端子を他の相の接続端子とほぼ同じ形状に形成した。
これによれば、接続端子は、1つの相の巻き始め接続端子、残りの2つの相の接続端子、及び1つの相の巻き終り接続端子の4つとなる。これによって、各接続端子には1本の巻線が接続されることになり、各接続端子の形状を統一できてヒュージング加工の条件を同じにすることができ、結果として作業効率を向上することができる。
尚、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。また、各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
10…電動流体ポンプ、10A…本体、10B…金属製のカバー、10C…電動機部、14…ホルダー、16…収納部、18…制御基板、20…ステータ部、20A…ボビン部、20B…絶縁基体、20C…絶縁部表面、26U…U相接続端子、26V…V相接続端子、26W1…W相の巻き始め接続端子、26W2…W相の巻き終り接続端子、32…ロータ部、34…電動機部収納部、36…インペラ、38…鉄心、42…渡り線ガイド、48…渡り線保持溝、48U-Out、48V-Out、48W-Out…各相の渡り線保持溝の引出部、50…ヒュージング用接続部。

Claims (2)

  1. ロータ部とステータ部から構成される電動機部と、
    前記電動機部を駆動制御する駆動信号を供給するU相接続端子、V相接続端子、及びW相接続端子と、
    前記ステータ部の内側の突極部に巻回されデルタ結線された、U相の複数の巻線部と、V相の複数の巻線部と、W相の複数の巻線部と、
    前記各相の同相の複数の前記巻線部の渡り線を案内する前記ステータ部に形成した渡り線ガイドと、
    前記各相の前記巻線部を形成する前記巻線の1つの相の巻き始め端部と巻き終り端部を接続する、巻き始め接続端子と巻き終り接続端子とを備え、
    前記巻き始め接続端子と前記巻き終り接続端子は他の相の接続端子とほぼ同じ形状に形成されていることを特徴とする電動機。
  2. 請求項1に記載の電動機において、
    前記各相の前記接続端子は制御基板に電気的に接続されていると共に、前記巻き始め接続端子と前記巻き終り接続端子は前記接続基板上でそれぞれが電気的に接続されていることを特徴とする電動機。
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