JP3718357B2 - フレキシブル印刷配線板、カバーレイフィルム及び接着剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性を有するフィルム上に形成された銅箔回路基板上に、特定の接着剤を介してカバーレイフィルムが貼り合わされたフレキシブル印刷配線板に関し、特に調製の容易なフレキシブル印刷配線板に関するものであり、更には、短時間のプレス接着でカバーレイフィルムが貼り合わされたフレキシブル印刷配線板の調製を可能にする接着剤組成物の塗布されたカバーレイフィルム及びそれらに用いられる接着剤組成物に関するものであり、電子材料技術に属するものである。
【0002】
【従来技術】
近年、電子機器の小型化、高密度化等の多様化に伴い、フレキシブル回路基板あるいはフレキシブル印刷配線板の需要が増大している。そのような情勢の中でフレキシブル印刷回路基板の製造においても、高密度化された印刷回路基板としての品質を満足する製品を生産性良く製造し得る製法が要求されている。即ち、接着剤で接着する工程において、特に、可撓性のあるカバーレイフィルムと印刷回路基板を貼り合わせる際に、プレスで熱圧着し硬化させる工程に時間がかかることが問題となり、その解決方法が求められている。
従来、フレキシブル印刷回路基板の製造に用いられるものとして、種々の接着剤が提案されている。例えば、ポリビニルブチラール/フェノール樹脂系、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)/フェノール樹脂系、ナイロン樹脂/エポキシ樹脂系、NBR/エポキシ樹脂系、アクリルエラストマー/エポキシ樹脂系等の接着剤が可撓性フィルムと銅箔との貼り合わせに使用されている。この中でも、ナイロン樹脂/エポキシ樹脂系接着剤は優れた接着性能を示すため、特に広く使用されている。
また、可撓性フィルムに積層された銅箔に所望の回路をエッチングして得られたフレキシブル印刷回路基板の回路を保護する目的のカバーレイに用いられ可撓性フィルムを貼り合わせるためにも接着剤が使用される。この際にも、同様に、ナイロン/エポキシ系接着剤等が検討されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらの接着剤のいずれも硬化条件として、高温で長時間のプレス圧着が必要であり、硬化に長時間要するものが多く、また、硬化剤を配合したものは、液安定性に欠けるなどの問題を有している。かかる問題を改良するために、通常の硬化剤の他に、硬化触媒や硬化促進剤を添加することもおこなわれているが、未だ完全に満足し得るものは得られていない。
この様な状況下にあるため、フレキシブル印刷配線板用接着剤、特に1液で液安定性に優れ、かつ、硬化時間の短縮により、特にフレキシブルプリント基板のカバーレイを積層する時の生産効率を高め、コストダウンを図り得る接着剤の開発が強く望まれている。
本発明者等は、これらの要望を満たすフレキシブル印刷配線板用接着剤、特に可撓性を有するフィルム上に形成された銅箔回路基板上にカバーレイフィルムを積層接着するに適した接着剤を見出すべく研究を行ったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決する接着剤として、種々の組成の接着剤について検討し、特定の構成の接着剤が、それらの要望を満たすものであることを見出し本発明を完成したのである。すなわち、本発明は可撓性を有するフィルム上に形成された銅箔回路基板上に常温で固体のアルコール可溶性ナイロン樹脂100重量部に対しノボラック型エポキシ樹脂3〜50重量部及び臭素化エポキシ樹脂3〜50重量部(但し、ノボラック型エポキシ樹脂と臭素化エポキシ樹脂の合計量は前記ナイロン樹脂100重量部に対し90重量部以下である)を配合してなり、且つ前記ナイロン樹脂とエポキシ樹脂とを加熱下で部分的(但し、前記ナイロン樹脂、エポキシ樹脂及び溶剤からなり、前記樹脂の濃度が3〜80重量%である混合溶液を加熱したときの前記混合溶液の粘度が2〜100倍の範囲の粘度になる程度)に反応させた部分反応物からなる接着剤組成物でカバーレイフィルムを貼り合わせてなることを特徴とするフレキシブル印刷配線に関する発明、常温で固体のアルコール可溶性ナイロン樹脂100重量部に対しノボラック型エポキシ樹脂3〜50重量部及び臭素化エポキシ樹脂3〜50重量部(但し、ノボラック型エポキシ樹脂と臭素化エポキシ樹脂の合計量は前記ナイロン樹脂100重量部に対し90重量部以下である)を配合してなり、且つ前記ナイロン樹脂とエポキシ樹脂とを加熱下で部分的(但し、前記ナイロン樹脂、エポキシ樹脂及び溶剤からなり、前記樹脂の濃度が3〜80重量%である混合溶液を加熱したときの前記混合溶液の粘度が2〜100倍の範囲の粘度になる程度)に反応させた部分反応物からなる接着剤組成物が片面に塗布されていることを特徴とするフレキシブル印刷配線板用カバーレイフィルムに関する発明及び常温で固体のアルコール可溶性ナイロン樹脂100重量部に対しノボラック型エポキシ樹脂3〜50重量部及び臭素化エポキシ樹脂3〜50重量部(但し、ノボラック型エポキシ樹脂と臭素化エポキシ樹脂の合計量は前記ナイロン樹脂100重量部に対し90重量部以下である)を配合してなり、且つ前記ナイロン樹脂とエポキシ樹脂とを加熱下で部分的(但し、前記ナイロン樹脂、エポキシ樹脂及び溶剤からなり、前記樹脂の濃度が3〜80重量%である混合溶液を加熱したときの前記混合溶液の粘度が2〜100倍の範囲の粘度になる程度)に反応させた部分反応物からなることを特徴とするフレキシブル印刷配線板用接着剤組成物に関する3発明からなるものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
○接着剤組成物
本発明における接着剤組成物は、常温で固体のアルコール可溶性ナイロン樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂及び臭素化エポキシ樹脂という3種の樹脂を特定割合で配合してなるものであり、それぞれの樹脂は以下のとおりのものである。
・ナイロン樹脂
常温で固体のアルコール可溶性ナイロン樹脂とは、アルコール系溶媒に可溶な常温で固体のナイロン樹脂であって、各種の二塩基酸やジアミン等を共重合して得られるナイロン樹脂及びナイロン樹脂中のポリアミド結合にN−アルコキシメチル基を導入したナイロン樹脂等である。
この様なナイロン樹脂は、当業界では公知であり、共重合ナイロンとしては、モノマーとして、2種類以上のジアミン及び/又は2種類以上の二塩基酸からなるものであって、ジアミンとしてはヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、p-ジ-アミノメチルシクロヘキサン、ビス(p-アミンシクロヘキシル)メタン、m-キシレンジアミン、1,4-ビス(3-アミノプロポキシ)シクロヘキサン、ピペラジン、イソホロンジアミン等が、二塩基酸としてはアジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、ウンデカン酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5-スルホイソフタル酸ナトリウム等が挙げられる。
またナイロン樹脂の製造には、アミノカルボン酸等も使用可能であり、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン酸、4-アミノメチル安息香酸、4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸、7-アミノエナント酸、9-アミノノナン酸等のアミノカルボン酸や、ε-カプロラクタム、ω-ラウロラクタム、α-ピロリドン、α-ピペリドン等のラクタムも使用される。
かかる化合物から得られるナイロン樹脂としては、例えば、6/66、6/6−10、6/66/6−10、6/66/11、6/66/12、6/6−10/6−11、6/6−10/6−12、6/11/イソホロンジアミン、6/66/p−ジ(アミノシクロヘキシル)メタン、6/66/6、6/6−10/12等の構成のナイロン樹脂が挙げられる。
また、ナイロン樹脂中のポリアミド結合にホルマリンとアルコールを付加させN−アルコキシメチル基を導入することによりアルコール可溶性ナイロン樹脂としたものが本発明でも用いられ、具体的には、6−ナイロン、66−ナイロン等をアルコキシメチル化したものが挙げられる。N−アルコキシメチル基の導入は、融点の低下、可撓性の増大、溶解性の向上に寄与するものであり、目的に応じて導入率が決定される。
本発明では、常温で固体で、アルコールに可溶なものであれば、用いられるナイロン樹脂に格別な限定はないが、好ましいものとしては、脂肪族ジアミンと脂環式ジアミンを共重合して得られるナイロン樹脂が挙げられ、かかるナイロン樹脂は、溶媒への溶解性に優れ、長期間保存時も増粘が少なく、また、広範囲な被着材に対して良好な接着性を示すため好ましい。
常温で液状のナイロン樹脂は、エポキシ化合物と配合したときに反応が速く、ゲル化し、溶液中で析出したり、著しく増粘したりして本発明の目的を達成するためには使用できない。
用いられるナイロン樹脂はその融点(顕微鏡式)が50℃以上220℃以下のものが好ましく、70℃以上180℃以下の範囲のものがより好ましい。融点が50℃未満の場合には、硬化物の耐熱性が劣り、また、220℃を超える場合には、溶剤に対する溶解性に欠け、本発明にとって好ましくない。
【0006】
・ノボラック型エポキシ樹脂
本発明で用いられるノボラック型エポキシ樹脂は、数多くの種類があるエポキシ樹脂の中で特に耐熱性に優れたものとして広く使用されているものであり、フェノール或いはo-クレゾールを出発原料としてホルムアルデヒドで縮合したものをエピクロルヒドリンと反応させたものであって、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。
【0007】
・臭素化エポキシ樹脂
本発明で用いられる臭素化エポキシ樹脂とは、エポキシ樹脂に臭素を付加させたものであり、例えば臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
このうち、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂は、テトラブロモビスフェノールA等の臭素化ビスフェノールAとエピクロルヒドリンを反応させて得られるものであり、さらには、末端のエポキシ基の一部をトリブロモフェノール等の臭素化化合物で封鎖したものも使用できる。
また、臭素化ノボラック型エポキシ樹脂は、ブロモフェノール等から得られる臭素化フェノールノボラック樹脂とエピクロルヒドリンを反応させて得られるものである。
さらに、臭素化モノグリシジルフェノールや臭素化モノグリシジルクレゾール等の臭素化モノエポキシ化合物を本発明の目的とする性能を損なわない範囲で、臭素化ノボラック型エポキシ樹脂の一部を構成するものとして使用することも可能である。
【0008】
・樹脂配合割合
本発明の接着剤組成物におけるナイロン樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂及び臭素化エポキシ樹脂の配合割合は、ナイロン樹脂100重量部に対しノボラック型エポキシ樹脂3〜50重量部及び臭素化エポキシ樹脂3〜50重量部であり、好ましくはナイロン樹脂100重量部に対しノボラック型エポキシ樹脂5〜40重量部及び臭素化エポキシ樹脂5〜40重量部である。また、ノボラック型エポキシ樹脂と臭素化エポキシ樹脂の合計量がナイロン樹脂100重量部に対し90重量部以下であるのが好ましい。
ノボラック型エポキシ樹脂の割合が少ないときには、架橋度が低く溶液粘度の上昇速度も遅く耐熱性に欠け、また、その割合が多いときには、硬化物が固くて脆くなる。
臭素化エポキシ樹脂の割合が少ないときには難燃性が不足し、また、その割合が多いときには硬化物が固く、硬化物が不透明になる。
これらの樹脂はそれぞれ単独で或いは二種以上併用して使用することも可能である。
【0009】
・溶剤
本発明の接着剤組成物は、一般的には溶剤に溶解して溶液型接着剤として用いられ、溶剤としてはナイロン樹脂とエポキシ樹脂の両方を溶解するものが好ましく、ナイロン樹脂はアルコール系溶剤に可溶であり、エポキシ樹脂は、ケトン系、エステル系、芳香族系溶剤、塩素系溶剤に溶解するため、アルコール系溶剤とケトン系溶剤の混合溶剤、アルコール系溶剤とエステル系溶剤の混合溶剤、アルコール系溶剤と芳香族系溶剤の混合溶剤などの組合せのものが好ましい。
溶剤の具体的な例としては、メタノール、エタノール、iso-プロピルアルコール、n-プロピルアルコール、iso-ブチルアルコール、n-ブチルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン等の芳香族系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メトキシブチルアセテート等のエステル系溶剤、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤が挙げられる。その他、ナイロン樹脂の溶解性を向上させるために、水、フェノール、ギ酸、酢酸等を添加したものも使用可能である。
かかる溶剤のなかから、アルコール系溶剤と他の溶剤を1種又は2種以上を併用した混合溶剤としては、例えば、メタノール/トルエン、iso-プロピルアルコール/トルエン、iso-プロピルアルコール/ジクロロメタン等の混合溶剤が具体的に挙げられる。
アルコール系溶剤としては、全溶剤中のアルコール量が30重量%以上、80重量%以下のものが好ましい。この割合から外れたときは、ナイロン樹脂やエポキシ樹脂の溶解性が低下し、不溶性沈殿が生成し、液安定性が著しく低下する様になる。
【0010】
・添加剤
ナイロン樹脂/エポキシ樹脂系接着剤では、通常、硬化を進めるために、エポキシ系硬化剤を配合することが行われており、例えば、硬化剤として、ジシアンジアミドやジアミノジフェニルメタン(特開昭53-134356、特公平3-8395)、フェノール樹脂(特公昭46-16279、特開昭57-3877)等が挙げられている。さらに、イミダゾール系硬化剤(特開平2-143447)により硬化を速める工夫もされており、特開平4-304282には相溶性をあげるためにポリアミド型もしくはポリアミドアミン型硬化剤を配合することが提案されている。
本発明の接着剤組成物には、接着特性を損なわない範囲で、これらの硬化剤や各種の樹脂・添加剤を配合することが可能であり、具体的にはフェノール樹脂、イミダゾール化合物、アミン化合物等の硬化剤や硬化促進剤、シランカップリング剤、熱老化防止剤、レベリング剤、消泡剤、難燃剤、充填剤等が挙げられる。
特に、難燃剤は、本発明に取り重要であり、臭素化フェノール樹脂等の臭素化樹脂、デカブロモジフェニルエーテル等の臭素化合物、トリフェニルホスフェート等のリン系化合物、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン等のアンチモン化合物等の難燃剤が添加使用される。
【0011】
・接着剤の調製方法
本発明において、必須成分としてのナイロン樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂及び臭素化エポキシ樹脂からなる接着剤組成物を、前記の任意の添加剤と共に、通常、前記溶剤に溶解して溶液型接着剤として、フレキシブル印刷配線板の製造に用いられる。
溶液型接着剤として用いる際の樹脂の溶液濃度としては、3〜80重量%が好ましく、より好ましくは10〜50重量%である。
この範囲を越えるときは、調製した接着剤の溶液粘度が高く、可撓性フィルムへ塗工する際に均一な塗膜を形成させるのが困難であり、また、下記に述べる低温加熱により部分反応物の調製時に急激にゲル化する恐れがある。一方、この範囲に満たないときは、調製した接着剤の溶液粘度が低く、可撓性フィルムへの塗工の際に所望する膜厚に塗布するのが困難になり、部分反応物の調製に時間が掛かりすぎる恐れがある。
本発明の接着剤組成物は前記溶剤に溶解して溶液型接着剤として、フレキシブル印刷配線板の製造に用いられるのであるが、溶液を低温で加熱して、ナイロン樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂及び臭素化エポキシ樹脂を部分的に反応させ、それらの樹脂の部分反応物溶液を接着剤として用いるのが好ましい。
反応の程度は溶液粘度で調整することができ、本発明において、原料の樹脂の混合溶液の粘度の2〜100倍の範囲の粘度になる迄溶液中で反応させるのが好ましく、3〜50倍の範囲の粘度となる迄反応させるのがより好ましい。
目的とする粘度の溶液を得るためには、反応温度が50℃以上、好ましくは60℃以上150℃以下になる様に溶液を加熱し、40時間以上、好ましくは48時間以上、更に好ましくは68時間以上反応させて、反応前の粘度の2〜100倍の溶液とするのが望ましい。
反応温度が150℃を越える場合には、反応速度が速すぎ、架橋反応が過剰に進みすぎ、著しく増粘したり、不溶性の架橋物が生成して不具合が生じることが多い。一方、反応温度が50℃未満であったり反応時間が短かい場合は、反応が不十分で、当然粘度の高いものが得られず、得られる反応物は硬化性が不満足なものである。反応時間は液粘度上昇やゲル化を起こさない範囲で伸ばすことができる。
【0012】
○フレキシブル印刷配線板
本発明のフレキシブル印刷配線板は、銅箔回路基板とカバーレイフィルムとを貼り合わせてなるものである。
・銅箔回路基板
銅箔回路基板とは、可撓性フィルムと銅箔とを適当な接着剤を用い、ロール圧着や熱プレス等の方法により貼り合わせた後、所望の回路パターンに銅箔層がエッチングされたものである。
可撓性フィルムとしては、以下に説明するカバーレイフィルムと同質の材料が用いられる。
・カバーレイフィルム
カバーレイフィルムとしては、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、アラミドフィルム等が挙げられる。本発明にとって好ましいフィルムは、その膜厚が12〜75μmのものであり、フィルムの片面もしくは両面に、コロナ放電処理、低温プラズマ処理、サンドブラスト処理等の表面処理を行ったものも用いることが出来る。
【0013】
○接着方法
本接着剤組成物を用いて銅箔回路基板とカバーレイフィルムとを貼り合わせる方法としては、まず、フィルムに接着剤組成物溶液を刷毛塗り、浸漬塗布、スプレー塗布、ロール塗布、カーテン塗布、しごき塗り、流し塗り等の方法により塗工する方法が挙げられる。塗工後の乾燥膜厚としては1〜100μmであるのが好ましく、より好ましくは10〜50μmの膜厚である。フィルムに塗工された溶液は好ましくは40〜250℃、より好ましくは80〜160℃の温度で熱風加熱、遠赤外線加熱、高周波誘導加熱などの炉を通して加熱乾燥され、乾燥後保管・移動等のために離型性フィルムが積層される。
離型性フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、シリコーン離型処理紙、ポリオレフィン樹脂コート紙、TPXフィルム、フッ素系樹脂フィルム等が挙げられる。もちろん、工程の組み方次第では、離型性フィルムを使用せず、接着工程に移すことも可能である。
接着剤組成物が塗布されたカバーレイフィルムは、離型性フィルムを取り除いた後、銅箔回路基板に重ね合わせ、好ましくは60〜250℃、より好ましくは100〜180℃で1〜10分間、10〜50kgf/cm2の圧力でプレスすることにより、貼り合わせ接着することができ、その後、加熱炉等で、100〜200℃で20〜60分間加熱し、後硬化することにより、接着剤の硬化が完了する。
【0014】
○用途
本発明は、電子機器・電気機器等に使用されるフレキシブル印刷配線板の製造に際して、接着プレス時間が短時間で行えるというメリットを生むものであり、調製されたフレキシブル印刷配線板は高度の性能、耐久性を有するものであり、各種産業界に広く提供できるものである。
【0015】
【作用】
本発明接着剤組成物は、以下の点で、フレキシブル印刷配線板用接着剤、特にカバーレイフィルムの接着において有用な性能を発揮するものである。
▲1▼本発明組成物をカバーレイフィルムの接着に適用した場合には、フレキシブル印刷回路基板との接着時、ナイロン樹脂とエポキシ樹脂が予め部分的に架橋構造を取っているため、短時間でプレス接着ができ作業性に優れ、また、適度の溶融粘度を有するため、流れ出し性や回路溝への埋まり性のバランスがとれたカバーレイ特性を有する。
▲2▼接着・硬化が完了した後は、ナイロン樹脂とエポキシ樹脂特有の強固な接着性を有し、フレキシブル印刷配線板としての種々の性能を発揮し、カバーレイとしての極めて高い特性を示す。
【0016】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて説明する。
○試験方法
・接着試料の作成
接着剤溶液をポリイミドフィルム25μmに乾燥後の膜厚が30μmになるように塗布し、100℃×2分間乾燥した後、圧延銅箔35μmを接着した。その後、180℃×30kgf/cm2×5分間の熱プレスを行い、さらに、150℃で1時間オーブンにて加熱硬化させた。
・溶液粘度
JIS K 6833に準拠し、回転粘度計で加熱反応前と加熱反応後の25℃の溶液粘度(単位mPa・s)を測定し、それらの比をもって反応の進み具合の目安とした。
・硬化物外観
接着剤硬化体の外観(透明性)を目視で判定した。
・剥離強度の測定
JIS C 6481に準拠し、上記ポリイミドフィルムを銅箔から剥がすときの剥離強度(単位kgf/cm)を23℃で測定した。
・ハンダ耐熱性
JIS C 6481に準拠し、接着試料を260℃のハンダ浴に60秒間浮かべ、接着剤層の膨れ、剥がれや変色の有無を目視観察した。
・流出性
上記接着剤を塗工したポリイミドフィルムに6mmφのパンチ穴を開けて、同様に銅箔と接着し、ポリイミド穴部からの接着剤層の最大流出長さを測定した。
【0017】
○実施例1〜3
還流冷却管、撹拌装置の付いたフラスコに、融点115〜125℃の共重合ナイロン樹脂Aを100重量部(以下、部と略す)、エポキシ当量200g/eqのオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(以下、エポキシ樹脂B−1と略す)を10部、臭素含有率51%、エポキシ当量625g/eqの臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂(以下、臭素化エポキシ樹脂C−1と略す)30部とメタノール/トルエン混合溶剤(=1/1、重量比)560部を入れ、60℃で3時間掛けて溶解し、均一な溶解液を得た後、その温度を保持し、120時間撹拌して反応を進め、固形分濃度20重量%の接着剤を得た。その接着剤を用いて、カバーレイフィルム用としての特性を評価した結果を表1に示す。
実施例2〜3は、実施例1の処方で、加熱条件を変えて接着剤を調製した例である。
【0018】
【表1】
【0019】
○実施例4〜7、比較例1〜4
実施例1のエポキシ樹脂の種類と使用量を表2及び表3に示す様に代えた以外は実施例1と同様の操作を行い種々の接着剤を得、同様にカバーレイフィルム用としての特性を評価した結果を表2及び表3に示す。
表中の略称で示されているエポキシ樹脂及び臭素化エポキシ樹脂は以下のとおりのものである。
エポキシ樹脂B−1;上記のとおり
エポキシ樹脂B−2;エポキシ当量180g/eqのフェノールノボラック型
エポキシ樹脂B−3;エポキシ当量650g/eqのビスフェノールノA型
臭素化エポキシ樹脂C−1;上記のとおり
臭素化エポキシ樹脂C−2;エポキシ当量285g/eq、臭素含有率36%のフェノールノボラック型
【0020】
【表2】
【0021】
【表3】
【0022】
【効果】
本発明はフレキシブル印刷配線板並びにその製造に用いられるカバーレイフィルム及び接着剤組成物に関するものであり、本発明によれば、フレキシブル印刷配線板の製造における、接着工程のプレス時間が短縮でき、極めて高い生産効率を達成することができる。また、製造されたフレキシブル印刷配線板は、接着性と耐熱性に優れるため、電子機器、電気機器等の用途で広く使用できるものである。
Claims (3)
- 可撓性を有するフィルム上に形成された銅箔回路基板上に常温で固体のアルコール可溶性ナイロン樹脂100重量部に対しノボラック型エポキシ樹脂3〜50重量部及び臭素化エポキシ樹脂3〜50重量部(但し、ノボラック型エポキシ樹脂と臭素化エポキシ樹脂の合計量は前記ナイロン樹脂100重量部に対し90重量部以下である)を配合してなり、且つ前記ナイロン樹脂とエポキシ樹脂とを加熱下で部分的(但し、前記ナイロン樹脂、エポキシ樹脂及び溶剤からなり、前記樹脂の濃度が3〜80重量%である混合溶液を加熱したときの前記混合溶液の粘度が2〜100倍の範囲の粘度になる程度)に反応させた部分反応物からなる接着剤組成物でカバーレイフィルムを貼り合わせてなることを特徴とするフレキシブル印刷配線板。
- 常温で固体のアルコール可溶性ナイロン樹脂100重量部に対しノボラック型エポキシ樹脂3〜50重量部及び臭素化エポキシ樹脂3〜50重量部(但し、ノボラック型エポキシ樹脂と臭素化エポキシ樹脂の合計量は前記ナイロン樹脂100重量部に対し90重量部以下である)を配合してなり、且つ前記ナイロン樹脂とエポキシ樹脂とを加熱下で部分的(但し、前記ナイロン樹脂、エポキシ樹脂及び溶剤からなり、前記樹脂の濃度が3〜80重量%である混合溶液を加熱したときの前記混合溶液の粘度が2〜100倍の範囲の粘度になる程度)に反応させた部分反応物からなる接着剤組成物が片面に塗布されていることを特徴とするフレキシブル印刷配線板用カバーレイフィルム。
- 常温で固体のアルコール可溶性ナイロン樹脂100重量部に対しノボラック型エポキシ樹脂3〜50重量部及び臭素化エポキシ樹脂3〜50重量部(但し、ノボラック型エポキシ樹脂と臭素化エポキシ樹脂の合計量は前記ナイロン樹脂100重量部に対し90重量部以下である)を配合してなり、且つ前記ナイロン樹脂とエポキシ樹脂とを加熱下で部分的(但し、前記ナイロン樹脂、エポキシ樹脂及び溶剤からなり、前記樹脂の濃度が3〜80重量%である混合溶液を加熱したときの前記混合溶液の粘度が2〜100倍の範囲の粘度になる程度)に反応させた部分反応物からなることを特徴とするフレキシブル印刷配線板用接着剤組成物。
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