JPH11124558A - 溶液型接着剤 - Google Patents

溶液型接着剤

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JPH11124558A
JPH11124558A JP30931597A JP30931597A JPH11124558A JP H11124558 A JPH11124558 A JP H11124558A JP 30931597 A JP30931597 A JP 30931597A JP 30931597 A JP30931597 A JP 30931597A JP H11124558 A JPH11124558 A JP H11124558A
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resin
nylon resin
epoxy
alcohol
nylon
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JP30931597A
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English (en)
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Kunio Tawara
邦夫 俵
Eiji Isowa
英治 磯輪
Shin Takahashi
伸 高橋
Osahiro Nakagawa
修太 中川
Takashi Nakatani
隆 中谷
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Toagosei Co Ltd
Original Assignee
Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルコール可溶性ナイロン樹脂とエポキシ樹
脂からなり、液安定性が高く、かつ、短時間硬化可能な
接着剤の提供。 【解決手段】 常温で固体のアルコール可溶性ナイロン
樹脂と1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物
との部分反応物溶液からなる接着剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコール可溶性
ナイロン樹脂と1分子中に2個以上のエポキシ基を有す
る化合物(以下、エポキシ化合物とも称す)を含有する
溶液型接着剤に関するものであって、本発明の接着剤は
各種金属、プラスチック、ガラス等の接着に有用な接着
剤であり、また、短時間で加熱硬化が完了する接着剤と
して用いられものでもある。すなわち、本発明は接着剤
技術に関するものである。
【0002】
【従来技術】従来、金属やプラスチックを接着するため
に、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等を主成分とする
加熱硬化型接着剤が用いられており、それらの中でも、
アルコール可溶性ナイロン等のナイロン樹脂を主成分と
した接着剤は、金属、プラスチックに強固な接着性を有
するため、硬化剤としてのエポキシ樹脂、フェノール樹
脂等と併用されて広く使用されている。例えば、アルコ
ール可溶性ナイロン樹脂とビスフェノールA型エポキシ
樹脂を配合した接着剤は良く知られており、当該接着剤
の接着時間を短くするために、他の硬化剤と併用するこ
とも良く行われている。また、硬化剤として、ビスフェ
ノールA型エポキシ樹脂以外のジシアンジアミド(Journ
al of Applied polymer science,Vol.8,p.1287-1295(19
64))、テトラエチレンジアミンやフェノール樹脂(Adhes
ive Age,(6)p.20(1963))を併用した場合も挙げられる。
更に、特公平2−19870号公報には、接着性の優れ
たアルコール可溶性のナイロン樹脂とエポキシシランか
らなる接着剤組成物も記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、いずれの接着
剤も接着時間が長かったり、接着剤自身が濁っていた
り、塗工後、接着までの時間が限定されるなどの問題を
有している。本発明者等は、アルコール可溶性ナイロン
樹脂とエポキシ樹脂からなる接着剤であって、前記問題
点が解消され、液安定性が高く、かつ、短時間硬化可能
な接着剤を得るべく検討を行ったのである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、かかる課
題を解決するために鋭意検討した結果、アルコール可溶
性ナイロン樹脂とエポキシ化合物を溶媒に溶解した後、
部分的に反応させて得られる部分反応物を主成分として
接着剤を調製することにより上記課題を解決しうること
を見い出し本発明を完成した。即ち、本発明は、常温で
固体のアルコール可溶性ナイロン樹脂と1分子中に2個
以上のエポキシ基を有する化合物を溶液中で反応させて
得られる部分反応物溶液からなり、該反応物溶液の粘度
が反応前の溶液粘度の2〜100倍であることを特徴と
する溶液型接着剤に関するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
○ナイロン樹脂 本発明に用いられるアルコール可溶性ナイロン樹脂と
は、アルコール系溶媒に可溶な常温で固体のナイロン樹
脂であって、各種の二塩基酸やジアミン等を共重合して
得られるナイロン樹脂及びナイロン樹脂中のポリアミド
結合にN−アルコキシメチル基を導入したナイロン樹脂
等である。この様なナイロン樹脂は広く知られており、
特公昭49−27522号公報、特公昭49−2752
3号公報、ナイロン樹脂ハンドブック、Journal of Ame
rican ChemicalSociaty 71,651(1949)等に記載の方法で
製造できるものである。共重合ナイロン樹脂は、2種類
以上のジアミン及び/又は2種類以上の二塩基酸を共重
合させて得られるものであって、ジアミンとしてはヘキ
サメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、p-ジ-
アミノメチルシクロヘキサン、ビス(p-アミンシクロヘ
キシル)メタン、m-キシレンジアミン、1,4-ビス(3-アミ
ノプロポキシ)シクロヘキサン、ピペラジン、イソホロ
ンジアミン等が、二塩基酸としてはアジピン酸、セバチ
ン酸、アゼライン酸、ドデカン二酸、ウンデカン酸、ダ
イマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5-
スルホイソフタル酸ナトリウム等が挙げられる。またナ
イロン樹脂の製造には、アミノカルボン酸等も使用可能
であり、11-アミノウンデカン酸、12-アミノドデカン
酸、4-アミノメチル安息香酸、4-アミノメチルシクロヘ
キサンカルボン酸、7-アミノエナント酸、9-アミノノナ
ン酸等のアミノカルボン酸や、ε-カプロラクタム、ω-
ラウロラクタム、α-ピロリドン、α-ピペリドン等のラ
クタムも使用される。かかる化合物から得られるナイロ
ン樹脂としては、例えば、6/66、6/6−10、6
/66/6−10、6/66/11、6/66/12、
6/6−10/6−11、6/6−10/6−12、6
/11/イソホロンジアミン、6/66/p−ジ(アミ
ノシクロヘキシル)メタン、6/6/6/66/610
/12等の構成のナイロン樹脂が挙げられる。また、ナ
イロン樹脂中のポリアミド結合にホルマリンとアルコー
ルを付加させN−アルコキシメチル基を導入することに
よりアルコール可溶性ナイロン樹脂としたものが本発明
でも用いられ、具体的には、6−ナイロン、66−ナイ
ロン等をアルコキシメチル化したものが挙げられる。N
−アルコキシメチル基の導入は、融点の低下し、可撓性
の増大、溶解性の向上に寄与するものであり、目的に応
じて導入率が決定される。
【0006】本発明では、常温で固体で、アルコールに
可溶なものであれば、用いられるナイロン樹脂に格別の
限定はないが、好ましいものとしては、脂肪族ジアミン
と脂環式ジアミンを共重合して得られるナイロン樹脂が
挙げられ、かかるナイロン樹脂は、溶媒中への溶解性に
優れ、長期間保存時も増粘が少なく、また、広範囲な被
着材に対して良好な接着性を示すため好ましい。常温で
液状のナイロン樹脂は、エポキシ化合物と配合したとき
に反応が速く、ゲル化し、溶液中で析出したり、著しく
増粘したりして本発明の目的を達成するためには使用で
きない。用いられるナイロン樹脂はその融点が、50℃
以上220℃以下のものが好ましく、70℃以上180
℃以下の範囲のものがより好ましい。50℃以下の場合
には、硬化物の耐熱性が劣り、また、220℃以上の場
合には、溶剤に対する溶解性に欠ける様になり、本発明
にとり好ましくない。
【0007】○エポキシ化合物 本発明で用いられるエポキシ化合物とは、1分子中にエ
ポキシ基を2個以上有するものである。具体的な化合物
としては、エピクロルヒドリンとビスフェノールAとの
反応から得られるビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビ
スフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ
樹脂、脂肪族エポキシ樹脂等が挙げられる。本発明にと
って好ましいエポキシ化合物は、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂及びノボラック型エポキシ樹脂であり、これ
らは接着性に優れるものである。具体的なエポキシ樹脂
としては、エピコート828、834、1001、10
04、1007、1009(以上、油化シェルエポキシ
株式会社製)等のビスフェノールA型エポキシ樹脂、エ
ピコート152、154(以上、油化シェルエポキシ株
式会社製)等のノボラック型エポキシ樹脂、エピコート
190P(以上、油化シェルエポキシ株式会社製)等の
グリシジルエステル型エポキシ樹脂、エピコート604
(以上、油化シェルエポキシ株式会社製)等のグリシジ
ルアミン型エポキシ樹脂、その他、デナコールEX−2
11、EX−411(以上、ナガセ化成株式会社製)等
の脂肪族グリコールのグリシジルエステル型エポキシ樹
脂、エピコート5050、エピコート5051(以上、
油化シェルエポキシ株式会社製)等の臭素化ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、BREN−S、BREN−30
4(以上、日本化薬株式会社製)等の臭素化ノボラック
型エポキシ樹脂等が挙げられる。
【0008】本発明の接着剤としては、原料のナイロン
樹脂とエポキシ化合物の配合割合が重量比で、100/
2〜100/200のものが好ましく、100/5〜1
00/100のものが更に好ましい。これらの範囲に満
たないときは、本発明の目的である硬化時間短縮の効果
が少なく、また、この範囲を越えるときには、溶液中で
沈殿物が発生したり、得られた反応物の液安定性が損な
われたりするなどの問題が生じ易い。
【0009】○溶剤 本発明の接着剤は溶液型であり、用いられる溶剤として
は、ナイロン樹脂とエポキシ化合物の両方を溶解する能
力を有するものが好ましく、ナイロン樹脂はアルコール
系溶剤に可溶であり、エポキシ化合物は、ケトン系、エ
ステル系、芳香族系溶剤、塩素系溶剤に溶解するため、
アルコール系溶剤とケトン系溶剤の混合溶剤、アルコー
ル系溶剤とエステル系溶剤の混合溶剤、アルコール系溶
剤と芳香族系溶剤の混合溶剤などの混合溶剤が良好なも
のとして用いられる。溶剤の具体的な例としては、メタ
ノール、エタノール、i-プロピルアルコール、n-プロピ
ルアルコール、i-ブチルアルコール、n-ブチルアルコー
ル、ベンジルアルコール、エチレングリコールメチルエ
ーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチ
レングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコ
ール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケ
トン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、
シクロヘキサノン、イソホロン等のケトン系溶剤、トル
エン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン等の芳香
族系溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピ
レングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メト
キシブチルアセテート等のエステル系溶剤、クロロホル
ム、四塩化炭素、ジクロロメタン、トリクロロエチレン
等の塩素系溶剤が挙げられる。その他、ナイロン樹脂の
溶解性を向上させるために、水、フェノール、ギ酸、酢
酸等を添加したものも使用可能である。かかる溶剤のな
かから、アルコール系溶剤と他の溶剤の1種又は2種以
上を併用した混合溶剤が本発明にとり好ましく、例え
ば、メタノール/トルエン、i-プロピルアルコール/ト
ルエン、i-プロピルアルコール/ジクロロメタン等の混
合溶剤が具体的に挙げられる。アルコール系混合溶剤と
しては、全溶剤中のアルコール量が30重量%以上、8
0重量%以下のものが好ましい。この割合から外れたと
きは、ナイロン樹脂やエポキシ化合物の溶解性が低下
し、不溶性沈殿が生成し、液安定性が低下する様にな
る。
【0010】○調製方法 本発明の接着剤、即ち常温で固体のアルコール可溶性ナ
イロン樹脂と1分子中に2個以上のエポキシ基を有する
化合物を溶液中で反応させて得られる部分反応物溶液か
らなり、該反応物溶液の粘度が反応前の溶液粘度の2〜
100倍である溶液型接着剤は、上記に記載した原料の
ナイロン樹脂及びエポキシ化合物を適度な溶解性を有す
る溶剤に溶解し、低温で加熱することにより調製され
る。すなわち、原料のナイロン樹脂及びエポキシ化合物
を溶解した溶液を低温で加熱して、ナイロン樹脂とエポ
キシ化合物を部分的に反応させ、その結果として溶液の
粘度は上昇するのであるが、反応の程度としては、原料
の樹脂及び化合物の混合溶液の粘度が、反応前の2〜1
00倍の範囲に抑えるのが必要で、その範囲を外れる
と、本発明の目的を達成することが出来ない。本発明の
目的をより良好に達成するためには3〜50倍の粘度と
するのが好ましい。目的とする粘度の溶液を得るために
は、反応温度が50℃以上、好ましくは60℃以上15
0℃以下になる様に加熱し、40時間以上、好ましくは
48時間以上、更に好ましくは68時間以上反応させ
て、反応前の粘度の2〜100倍の溶液とするのが望ま
しい。反応温度が150℃を越える場合には、反応速度
が速すぎ、架橋反応が過剰に進みすぎ、著しく増粘した
り、不溶性の架橋物が生成して不具合が生じることが多
い。一方、反応温度が50℃未満であったり反応時間が
短かい場合は、反応が不十分で、当然粘度の高いものが
得られず、得られる反応物は硬化性が不満足なものであ
る。反応時間は液粘度上昇やゲル化を起こさない範囲で
伸ばすことができる。
【0011】○添加剤 本発明の接着剤にはナイロン樹脂とエポキシ化合物以外
に、接着性向上や溶液特性の改善など種々の目的で、添
加剤を配合することが可能である。例えば、フェノール
樹脂、キシレン樹脂、アミノ樹脂、ベンゾグアナミン樹
脂、ブロック化イソシアネート化合物、アミノ樹脂等の
硬化剤成分、イミダゾール化合物、第三級アミン化合
物、三フッ化ホウ素三級アミン塩、ジシアンジアミド等
のエポキシ樹脂硬化剤、ポリオレフィン樹脂、アクリル
樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリビニ
ルブチラール樹脂等の樹脂成分、ロジン・テルペン樹
脂、石油樹脂等の粘着付与剤成分、ジノニルフェノール
p-トルエンスルホンアミド、ジオクチルフタレート、ト
ルクレジルフォスフェート等の可塑剤成分、燐酸系、ハ
ロゲン系等の難燃剤、その他、紫外線吸収剤、加水分解
防止剤、熱老化剤、カップリング剤、レベリング剤、消
泡剤、増粘剤、染料が挙げられる。また、酸化チタン、
タルク、炭酸カルシウム、三酸化アンチモン、水酸化ア
ルミニウム、カーボンブラック、シリカ等のフィラー成
分を添加し、分散させることも可能である。かかる添加
剤は、原料の溶剤への溶解時あるいは加熱反応終了後、
適当な時点で添加することが可能である。
【0012】○接着方法 本発明の接着剤を塗工するにあたっては、刷毛塗り、浸
漬塗布、スプレー塗布、ロール塗布、カーテン塗布、し
ごき塗り、流し塗り等の方法が適用される。塗工後の乾
燥膜厚は1〜100μmであるのが好ましく、より好ま
しくは3〜50μmである。接着剤を一方の基材に塗工
した後、40〜250℃の温度で熱風加熱、遠赤外線加
熱、高周波誘導加熱などの炉を通して加熱乾燥した後、
80〜250℃で他方の基材を加熱圧着することにより
接着することができる。
【0013】○用途 本発明の接着剤は、自動車・電気機器・産業機器・建材
等の用途に使用される各種プラスチック、金属、無機材
料の基材に対して高い接着性を有するものとしてそれら
の分野で広く使用されるものである。
【0014】
【作用】本発明の接着剤は、以下の点で、溶液型接着剤
として有用な性能を発揮する。 ナイロン樹脂とエポキシ化合物が溶液中で予め部分的
に反応し、架橋構造を取ることにより、硬化時間が短縮
でき、かつ、適度な濡れ性を保持することにより、基材
への優れた密着性を発揮する。 ナイロン樹脂とエポキシ化合物のそれぞれの広範な基
材への接着性が生かされ、かつ、また、極めて高い接着
耐久性を発現することができる。 これらの性能は、ナイロン樹脂はその末端アミン結合や
カルボキシル基がエポキシ基と反応し架橋構造をとるも
のであるが、溶液中で、比較的穏和な条件で反応させる
ことにより、アミド結合に対しても、エポキシ基が反応
し、緩やかな架橋構造を取ることによるものと推定され
る。
【0015】
【実施例】
○ナイロン樹脂A−1の合成 ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム、ω−アミノ
ウンデカン酸、ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の
等モル塩、及び、蒸留水を30:30:20:20のモ
ル比でオートクレーブ内に仕込み、系内を窒素置換し
た。その後、系内の温度を230℃まで3時間かけて昇
温し、圧力を18kgf/cm2にした後、水を少量ずつ溜去
しながら、4時間反応を行った。さらに、系内の圧力を
常圧に戻し、270℃まで昇温し、30分間保持した
後、重合物を抜き出し、ペレット状にに切断した。得ら
れたナイロン樹脂A−1は、示差熱量計の吸熱ピークか
ら測定したところ、融点98℃であった。
【0016】○ナイロン樹脂A−2の合成 ナイロン樹脂A−1と同様の方法で、ピペラジンとアゼ
ライン酸の等モル塩、ピペラジンとドデカン二酸の等モ
ル塩、ω−アミノウンデカン酸、及び蒸留水を15:7
0:15:80のモル比でオートクレーブ内に仕込み、
系内を窒素置換した。その後、系内の温度を230℃ま
で3時間かけて昇温し、圧力を18kgf/cm2にした後、
水を少量ずつ溜去しながら、4時間反応を行った。さら
に、系内の圧力を常圧に戻し、270℃まで昇温し、3
0分間保持した後、重合物を抜き出し、ペレット状にに
切断した。得られたナイロン樹脂A−2は、示差熱量計
の吸熱ピークから測定したところ、融点112℃であっ
た。
【0017】○試験方法 接着強度の測定 接着剤溶液を用いて、表面を溶剤脱脂したアルミニウム
板(A−1050P、1.0mm厚×25mm幅×100mm
長)に乾燥膜厚20μmになるように塗工し、100℃
で2分間乾燥した後、同じアルミニウム板を重ね合わ
せ、130℃×5kgf/cm2で×20分間熱プレス接着し
た。接着後、剥離強度を測定した。また、被着材を軟質
PVCシート(1mm厚)に変えて、同様の接着試験を行
った。 硬化度 接着剤溶液を用いて、表面を溶剤脱脂したアルミニウム
板(A−1050P、1.0mm厚×100mm幅×100m
m長)に乾燥膜厚20μmになるように塗工し、100
℃で2分間乾燥した後、130℃×20分間オーブン加
熱を行った。その接着剤塗装板を還流冷却管のついたフ
ラスコに入れたメタノール/ジクロロメタン=1/1
(重量比)混合溶剤に浸漬し、2時間還流した。その
後、取り出し、接着剤塗膜の残存率を硬化度(重量%)
とした。 溶液粘度 溶液粘度はJIS-K-6833に準拠し、回転粘度計で25℃の
溶液粘度を測定したものをいい、原料溶解後の溶液粘度
と加熱反応後の溶液粘度を測定し、両者の比を求めた。
【0018】○実施例1 還流冷却管、撹拌装置の付いたフラスコに、ナイロン樹
脂A−1の90重量部(以下、部と略す)、ビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂エピコート1002(油化シェル
エポキシ株式会社製)10部、メタノール/トルエン混
合溶剤(1/1、重量比)400部を入れて25℃で溶
解し、3時間後に均一透明な溶液を得た。その溶液粘度
は330mPa・sであった。その後、60℃で120時間
加熱しながら撹拌して反応を進め、溶液粘度が1540
mPa・sである部分反応物を得た。その反応物を用いて、
剥離強度及び硬化度を測定した。その結果を表1に示
す。
【0019】
【実施例2〜4、比較例1〜3】実施例1と同じ原料を
用い、加熱反応条件を変えて反応させ種々の粘度を有す
る部分反応物を得た。その結果を表1に示す。なお、比
較例3では反応が進みすぎ、粘度が高くなりすぎ、被着
材に塗布乾燥後の接着剤表面は平滑でなく、接着加熱時
の乾燥物が溶融し難く被着材への濡れ性に問題があっ
た。
【0020】
【表1】
【0021】
【実施例5〜7、比較例4〜7】実施例1の処方で、ナ
イロン樹脂A−1の代わりに種々のナイロン樹脂を使用
し、加熱反応を行い、反応物を得た。反応前および加熱
反応後の溶液粘度を測定するとともに、それらの性能評
価を行った結果を表2に示す。
【0022】
【表2】
【0023】表中のナイロン樹脂の種類のA−2は、合
成したナイロン樹脂A−2、A−3は融点115℃の共
重合ナイロン6/66/12、A−4は融点150℃の
N−メトキシメチル化6/66共重合ナイロン、A−5
はヘンケルジャパン株式会社製の常温液状のポリアミド
樹脂バーサミド140である。
【0024】
【実施例8〜12、比較例8】実施例1でナイロン樹脂
の量及びエポキシ化合物の種類と量を変えて反応物を得
た。その結果を表3に示す。使用したエポキシ化合物は
下記のとおりである。 ○C−1:エピコート828(油化シェルエポキシ株式
会社製ビスフェノールA型エポキシ樹脂) ○C−2:エピコート154(油化シェルエポキシ株式
会社製フェノールノボラック型エポキシ樹脂) ○C−3:エピコート180S65(油化シェルエポキ
シ株式会社製o-クレゾールノボラック型エポキシ樹脂) ○C−4:エピコート190(油化シェルエポキシ株式
会社製グリシジルエステル型エポキシ樹脂) ○C−5:エピコート5050(油化シェルエポキシ株
式会社製臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂) ○C−6:クレジルグリシジルエーテル
【0025】
【表3】
【0026】
【効果】本発明により製造される溶液型接着剤は、極め
て短時間の硬化時間で接着することができるため、作業
性に優れるとともに、ナイロン樹脂をベースとし、エポ
キシ化合物により架橋しているため、広範囲の基材への
接着性に優れ、かつ、高度の耐久性を有する優れたもの
であり、自動車、電気、建材等の用途で広く賞用される
ものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中川 修太 愛知県名古屋市港区船見町1番地の1 東 亞合成株式会社名古屋総合研究所内 (72)発明者 中谷 隆 東京都港区西新橋一丁目14番地1号 東亞 合成株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温で固体のアルコール可溶性ナイロン
    樹脂と1分子中に2個以上のエポキシ基を有する化合物
    を溶液中で反応させて得られる部分反応物溶液からな
    り、該反応物溶液の粘度が反応前の溶液粘度の2〜10
    0倍であることを特徴とする溶液型接着剤。
JP30931597A 1997-10-23 1997-10-23 溶液型接着剤 Pending JPH11124558A (ja)

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