JP2010138368A - 接着剤組成物並びにこれを用いたカバーレイフィルム及びフレキシブル銅張積層板 - Google Patents

接着剤組成物並びにこれを用いたカバーレイフィルム及びフレキシブル銅張積層板 Download PDF

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Abstract

【課題】ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、ノボラック樹脂及び硬化促進剤を含有する接着剤組成物において、耐熱性に優れた接着剤組成物を提供する。また、ポリイミドフィルムに対して高い接着性を示し、ハンダ耐熱性及び吸湿ハンダ耐熱性に優れた、FPCに好ましく使用できる接着剤組成物を提供する。
【解決手段】25℃で固体の溶剤可溶性ナイロン樹脂と、エポキシ樹脂と、特定の構造を有するノボラック樹脂及び酸解離定数が8.3を超える硬化促進剤とを含有する接着剤組成物であって、前記ナイロン樹脂はジアミン成分の合計量を100モル%としたとき、ピペラジンを20モル%以上含み、かつ、アミン価が1〜6(mgKOH/g)であることを特徴とする接着剤組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は接着剤組成物に関し、特にフレキシブルプリント配線板(以下「FPC」ともいう。)用接着剤として好ましく使用することができるものに関する。FPC用接着剤として求められる配線基板への接着性、ハンダ耐熱性及び加熱接着時の樹脂の流れ出し性や回路溝への埋り込み性が良好で、接着後の基板の反りなど製品外観上の不具合が生じることがない接着フィルム及びそれらに用いられる接着剤組成物に関するものであり、電子材料技術に属するものである。
近年、電子機器の小型化、高密度化等の多様化に伴い、フレキシブル回路基板あるいはフレキシブル印刷配線板の需要が増大している。そのような情勢の中でフレキシブル印刷回路基板の製造においても高集積化、多層化が進んでいる。
フレキシブル銅張積層板は、可とう性のある絶縁性ベースフィルムの片面又は両面に接着剤層を介して銅箔を貼り合わせた構造であり、絶縁性ベースフィルムの基材としては、高耐熱性・高信頼性を有するポリイミドフィルムが使用されることが多い。更に、このフレキシブル銅張積層板は、レジスト層形成、露光、現像、エッチング、レジスト層剥離などの工程を経て、銅箔に導電性回路を形成したFPCとなる。
これらFPCには、導電性回路の保護や絶縁性を目的として、フレキシブル銅張積層板の絶縁性ベースフィルムと銅箔とを貼り合わせるための接着剤、カバーレイ用接着剤や層間接着剤等の接着剤や、半導体封止剤等が広く用いられている。
従来、絶縁ベースフィルムと金属、絶縁ベースフィルム同士、金属同士等の接着に用いられるものとして、種々の接着剤が提案されている。例えば、ポリビニルブチラール/ノボラック樹脂系、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)/ノボラック樹脂系、ナイロン樹脂/エポキシ樹脂系、NBR/エポキシ樹脂系、アクリルエラストマー/エポキシ樹脂系等の接着剤が使用されている。この中でも、ナイロン樹脂/エポキシ樹脂系接着剤は優れた接着性能を示すため、特に広く使用されている。
例えば、特許文献1には、耐薬品性と耐熱接着性に優れ、高い接着性を有するTAB用テープの接着剤が開示されている。また、特許文献2には、接着性と難燃性に優れ、高い接着性を有するカバーレイ用接着剤が開示されている。
特開平5−29399号公報 特許3718357号公報
しかしながら、特許文献1に示されているような接着剤では硬化剤及び硬化促進剤を混合した後の接着剤溶液の保存安定性に劣り、長時間の保管中に粘度の上昇及びゲル化が発生する。この現象は、接着剤を構成する成分であるエポキシ樹脂と硬化剤及び硬化促進剤との反応が比較的低温でも進行することに由来する。また、ナイロン樹脂とエポキシ樹脂との反応も同時に進行しており、特にナイロン樹脂のアミン価が高いほど進行が速い。更に、接着剤組成物の反応速度が速すぎる場合には、溶剤乾燥時の加熱により、絶縁性ベースフィルムに塗布した当該組成物の架橋反応が進行する。そのため、次の銅箔との貼り合わせ工程において、加熱接着剤時の樹脂流れ出し性が悪く、回路溝の埋り込み性が不十分となる。ひいては回路間の絶縁不良となる。一方、アミン価を低く抑えたナイロン樹脂とエポキシ樹脂からなる接着剤においては、硬化剤及び硬化促進剤を配合しない場合には硬化の進行が遅く、FPC用途に使用できるだけの高い接着性、耐熱性が得られない。更に、硬化反応が進行していない場合には、次の銅箔との貼り合わせ工程において、加熱接着剤時の樹脂流れ出し量が多く、実装部品との接続接点を完全に塞ぐために、接点の通電ができなくなることが問題となっていた。
また、特許文献2に示されているような接着剤では、ハンダリフロー炉などによる高温処理を施した場合、接着剤の吸湿による発泡が起り、接着層の剥がれが生じる。その結果、絶縁信頼性が悪くなることが問題とされている。
なお、本発明において、吸湿条件下におけるハンダ耐熱性を「吸湿ハンダ耐熱性」という。
本発明は上記の課題を解決するものであり、その目的はポリイミドフィルムに対して高い接着性を示し、ハンダ耐熱性及び吸湿ハンダ耐熱性に優れた、FPCに好ましく使用できる接着剤組成物を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、溶剤可溶性ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、特定の構造を有するノボラック樹脂及び特定の硬化促進剤を含む接着剤組成物を熱硬化させることにより、被着体への密着性が向上し、かつ、吸湿条件下における耐熱性が向上することを見出した。また、溶剤可溶性ナイロン樹脂の構成成分としてピペラジンを特定量導入し、かつ、該ナイロン樹脂のアミン価が特定範囲の場合にポリイミドフィルム等の可とう性フィルムへの高い接着性を発現することを見出した。本発明の接着剤組成物をFPCに用いた場合には、ハンダ耐熱性及び吸湿条件下におけるハンダ耐熱性に優れることを見出して、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る接着剤組成物は、25℃で固体の溶剤可溶性ナイロン樹脂と、エポキシ樹脂と、下記一般式(1)で示される構造を有するノボラック樹脂及び酸解離定数(以下「pKa」ともいう。)が8.3を超える硬化促進剤とを含有する接着剤組成物であって、前記ナイロン樹脂はジアミン成分の合計量を100モル%としたとき、ピペラジンを20モル%以上含み、かつ、アミン価が1〜6(mgKOH/g)であることを特徴とする。
Figure 2010138368
[式(1)におけるXはメラミン構造又はグアナミン構造であり、Yは水素原子又はメチル基である。また、nは1〜10の整数である。]
上記ナイロン樹脂の酸価が、4〜10(mgKOH/g)であることが好ましい。
上記エポキシ樹脂は、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであることが好ましい。
上記エポキシ樹脂の含有量が、上記溶剤可溶性ナイロン樹脂100質量部に対して、25〜150質量部であることが好ましい。
上記ノボラック樹脂の含有量が、下記計算式で示される範囲であることが好ましい。
水酸基当量/エポキシ当量 =
{(ノボラック樹脂の含有量)÷(ノボラック樹脂の水酸基当量)}÷
{(エポキシ樹脂の含有量)÷(エポキシ樹脂のエポキシ基当量)}
= 0.2〜1.5
上記のいずれかに記載の接着剤組成物が、ポリイミドフィルムの片面に塗布されていることを特徴とするカバーレイフィルム。
上記のいずれかに記載の接着剤組成物で、ポリイミドフィルムの少なくとも片面に銅箔を貼り合わせてなることを特徴とするフレキシブル銅張積層板。
本発明に係る接着剤組成物は、以上の様に、特定のナイロン樹脂、エポキシ樹脂、特定の構造を有するノボラック樹脂及び特定の硬化促進剤を含有する。そのため、ポリイミドフィルムに対し高い接着性を発現し、耐熱性に優れる。FPCに用いた場合には、高いハンダ耐熱性及び吸湿ハンダ耐熱性が得られるため、絶縁信頼性が向上する。
本発明の一実施形態について説明すると以下の通りであるが、本発明はこれに限定されるものではない。
○接着剤組成物
本発明に係る接着剤組成物は、溶剤可溶性ナイロン樹脂、エポキシ樹脂、特定の構造を有するノボラック樹脂及び特定の硬化促進剤を含有するものであり、それぞれの樹脂は以下の通りである。
本発明に用いられる溶剤可溶性ナイロン樹脂とは、アルコール系溶媒等に溶解する25℃で固体のナイロン樹脂であり、各種のジカルボン酸とジアミン等の脱水縮合反応やアミノカルボン酸の自己縮合、アミノカルボン酸の分子内環状化合物の開環重合及びこれらの反応の複合によって合成することができる。本発明に係るナイロン樹脂は、構成成分としてピペラジンを含む。ピペラジンを含有することで、ポリイミドフィルム等の可とう性フィルムへの接着性が飛躍的に向上する。ピペラジンの含有率は、ジアミン成分の合計量を100モル%としたとき、20〜100モル%であることが必要であり、好ましくは40〜100モル%である。ピペラジン含有率が20モル%に満たない場合には、ポリイミドフィルムに対して十分な接着性を得ることができない。
本発明のナイロン樹脂を合成する際に使用されるピペラジン以外のジアミン化合物としては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、p−ジアミノメチルシクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、m−キシレンジアミン、イソホロンジアミン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
ジカルボン酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム等が挙げられるがこれらに限定するものではない。溶剤への溶解性を確保するため、アゼライン酸、ウンデカン二酸及びダイマー酸等の結晶性が比較的低いジカルボン酸を全量又は一部用いるのが好ましい。
アミノカルボン酸としては、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、4−アミノメチル安息香酸、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等が挙げられ、アミノカルボン酸の分子内環状化合物としては、β−ラクタム、ε−カプロラクタム、ラウリンラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドン等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
また、ナイロン樹脂中のポリアミド結合にホルマリンとアルコールとを付加させたN−アルコキシメチル基を導入することによりアルコール可溶性ナイロン樹脂としたものが本発明でも用いることができる。N−アルコキシメチル基の導入は、融点の低下、可とう性の増大、溶解性の向上に寄与するものであり、目的に応じて導入率が決定される。
本発明における接着剤組成物は、ナイロン樹脂とエポキシ樹脂とを含有する接着剤であって、ナイロン樹脂のアミノ基およびカルボキシル基と、エポキシ樹脂のエポキシ基とが反応することにより、硬化が進行する。その中でもアミノ基はカルボキシル基よりもエポキシ基との反応性が早く、短い時間での加熱処理により高い接着強度とハンダ耐熱性を得ることができる。一般的にナイロン樹脂のアミン価が高く、酸価が低いと、アミノ基とエポキシ基との反応が早く、短時間の加熱処理で良好な硬化性が得られるが、塗工した接着剤を乾燥させるための熱量によっても反応が進行するため、加熱接着時の樹脂粘度が高くなりすぎて回路への埋り込みが悪くなり、ハンダ特性や絶縁性に不具合が生じることがある。また、常温でも反応が進行する為、混合直後から徐々に反応が進み、液粘度が大幅に上昇しゲル化する場合がある。一方、アミン価が低く、酸価が高いとアミノ基とエポキシ基との反応を抑制する効果が働くため、短い時間での加熱処理では十分な硬化性が得られない。その為、硬化性と安定性を両立できる適切なアミン価および酸価に設定する必要があり、その範囲はアミン価が1〜6(mgKOH/g)であり、酸価が4〜10(mgKOH/g)である。アミン価が1(mgKOH/g)未満の場合や酸価が10(mgKOH/g)を越えた場合、エポキシ樹脂との反応性が劣り、接着剤を硬化させる際に接着剤層が貼り合わせ面の端部からはみ出したり、発泡して外観不良を生じたりする。また硬化が不十分となり、接着強度やハンダ耐熱性の低下を生じる傾向にある。アミン価が6(mgKOH/g)を越える場合や酸価が4(mgKOH/g)未満の場合には、エポキシ樹脂との反応性が高すぎるため、塗工した接着剤を乾燥させるための熱量によって反応が進行し、加熱接着時の樹脂粘度が高くなりすぎて回路への埋り込みが悪くなり、ハンダ特性や絶縁性に不具合が生じる。また、混合溶液状態においても反応が進行しやすいため、溶液保管時での粘度上昇およびゲル化が進行しやすく実用に耐えない。なお、ナイロン樹脂のアミン価は、樹脂1g中に存在するアミンを中和するのに要する塩酸に当量のKOHのmg数を意味し、酸価は樹脂1g中に存在する酸を中和するのに要するKOHのmg数を意味する。測定方法は、後述する。
ナイロン樹脂は、無溶剤下での一括仕込みで脱水縮合反応、脱アルコール反応、開環重合反応等により合成することができる。その際には、原料モノマーと一緒に予め水を仕込んでおき、この水を留去しながら脱水反応を行うこともできる。この反応は常圧下、減圧下のいずれで行ってもよい。ナイロン樹脂の分子量及びアミン価の調整は、ナイロン樹脂を合成する際のジアミンとジカルボン酸との仕込み比率や反応時間及び減圧度の調整によって実施されるものである。
次に本発明で用いられるエポキシ樹脂について説明する。
本発明で使用されるエポキシ樹脂は、ナイロン樹脂を硬化させる架橋剤の役割を担っている。エポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル及びそのオリゴマー、オルトフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−ヒドロキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、トリメリット酸トリグリシジルエステル等のグリジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン、トリフェニルグリシジルエーテルエタン、ソルビトールのポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールのポリグリシジルエーテル等のグリシジルエーテル類が挙げられるが、これらに限定するものではない。また、フェノールノボラックエポキシ樹脂、o−クレゾールノボラックエポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラックエポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂用いることができる。
さらに、エポキシ樹脂の例として、難燃性を付与した臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、リン含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン骨格含有エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、ターシャリーブチルカテコール型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などを用いることができる。
本発明で用いられる接着剤においては、ナイロン樹脂との反応性を高め、かつ、高い耐熱性を発現させるために、エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものを用いるのが好ましい。エポキシ基が1個のエポキシ樹脂を用いた場合、ナイロン樹脂との架橋度が低いために十分なハンダ耐熱性が得られない場合がある。
本発明の接着剤組成物におけるナイロン樹脂とエポキシ樹脂との配合割合は、ナイロン樹脂100質量部に対し、エポキシ樹脂が25〜150質量部の範囲内で含有することが好ましい。より好ましくは、エポキシ樹脂が30〜120質量部の範囲内である。配合割合がこの範囲内にあることが、良好な性能を発揮する。エポキシ樹脂の配合割合が25質量部未満ではナイロン樹脂の硬化が不十分となり、架橋度が低いために十分な接着性及び耐熱特性が得られなくなる。一方、エポキシ樹脂の配合割合が150質量部を越えた場合には、接着剤中に占めるナイロン樹脂の配合比率が少なくなり、ハンダ耐熱性が低下する傾向にある。
次に本発明で用いられる特定の構造を有するノボラック樹脂について説明する。
本発明で使用される特定の構造を有するノボラック樹脂は、エポキシ樹脂を硬化させる架橋剤、及び銅との接着性向上の役割を担っている。
本発明で使用される特定の構造を有するノボラック樹脂は、下記一般式(1)で示される構造である。
Figure 2010138368
[式(1)におけるXはメラミン構造又はグアナミン構造であり、Yは水素原子又はメチル基である。また、nは1〜10の整数である。]
本発明で使用される一般式(1)で示されるノボラック樹脂のXとしては、メラミン構造又はグアナミン構造である。例えば、グアナミン構造として、アセトグアナミン、ベンゾグアナミンなどが挙げられる。
本発明で使用される特定の構造を有するノボラック樹脂中のメラミン構造及びグアナミン構造の含有量は、窒素含有量として示すことができ、好ましい窒素含有量は5〜30質量%、より好ましくは、6〜25質量%である。メラミン構造及びグアナミン構造を有するノボラック樹脂の窒素含有量が5質量%未満である場合、銅との接着性が弱くなり、ハンダリフロー炉などの高温処理が施された場合、接着剤が銅界面より剥離して、絶縁信頼性が悪くなる。さらに、メラミン構造及びグアナミン構造を有するノボラック樹脂の窒素含有量が30質量%を超える場合には、エポキシ樹脂とアミノ基との反応が起こり易くなり、溶液保管時での粘度上昇及びゲル化が進行しやすく実用に耐えない。
なお、ノボラック樹脂中の窒素含有量は、ガスクロマトグラフ法又は差動法により、定量することができる。
本発明で使用される特定の構造を有するノボラック樹脂は、広く市販されている。例えば、DIC社製の商品名「フェノライトLA−7052」、「フェノライトLA−7054」、「フェノライトLA−7751」、「フェノライトLA−1356」、「フェノライトLA−1398」、ジャパンエポキシレジン社製の商品名「YLH−969」などが挙げられる。
本発明で使用される特定の構造を有するノボラック樹脂の含有量が、下記計算式で示される範囲であることが好ましい。
水酸基当量/エポキシ当量 =
{(ノボラック樹脂の含有量)÷(ノボラック樹脂の水酸基当量)}÷
{(エポキシ樹脂の含有量)÷(エポキシ樹脂のエポキシ基当量)}
= 0.2〜1.5
特定の構造を有するノボラック樹脂の含有量を示す[水酸基当量/エポキシ当量]が、0.2より少ない場合は、銅との接着性が弱くなり、ハンダリフロー炉などの高温処理が施された場合、接着剤が銅界面より剥離して、絶縁信頼性が悪くなる。また、水酸基当量/エポキシ当量が、1.5を超える場合には、エポキシ樹脂とアミノ基との反応が起こり易くなり、溶液保管時での粘度上昇及びゲル化が進行しやすく実用に耐えない。
次に本発明で用いられる硬化促進剤について説明する。
本発明で使用される硬化促進剤は、エポキシ樹脂及び特定の構造を有するノボラック樹脂との硬化反応を促進させ、銅箔との張り合わせ工程における加熱接着時の樹脂の流れ出し性を調整する役割を担っている。
本発明で使用される硬化促進剤のpKaは、8.3を超えるものである。より好ましくは、8.7以上13未満である。硬化促進剤のpKaが8.3以下であると、接着剤組成物の硬化速度が遅くなるために、銅箔貼り合わせ工程における接着剤組成物の溶融粘度が低くなり、加熱接着時の樹脂の流れ出し性が多くなる。その結果、接続接点の通電が不十分となる。
本発明で使用される硬化促進剤は、pKaが8.3超える任意の化合物を用いることができる。例えば、N,N−ジメチルベンジルアミン、N,N−ジエチルベンジルアミン、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7,1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5などが挙げられる。また、それら硬化促進剤の塩を用いることができる。例えば、フェノール塩、オクチル酸塩、オレイン酸塩、ギ酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などが挙げられる。
本発明で使用される硬化促進剤の使用量は、本発明の接着剤組成物におけるナイロン樹脂100質量部に対して、0.2〜5質量部である。好ましくは0.5〜3質量部である。硬化促進剤の使用量が0.2質量部未満では、加熱接着時の樹脂の流れ出し量が多すぎ、回路接続のための十分な導通が得られない。また、5質量部を超えると加熱接着時の樹脂粘度が高くなりすぎて、回路への埋り込みが悪くなりハンダ特性や絶縁性に不具合が生じる。
本発明の接着剤組成物は、一般的には溶剤に溶解して溶液型接着剤として用いられるが、溶剤としては、ナイロン樹脂、エポキシ樹脂を溶解するものが好ましい。ナイロン樹脂はアルコール系溶剤に可溶であり、エポキシ樹脂はケトン系、エステル系、芳香族系溶剤、塩素系溶剤に溶解するため、アルコール系溶剤とケトン系の溶剤の混合溶媒、アルコール系溶媒とエステル系溶媒の混合溶剤、アルコール系溶剤と芳香族系の混合溶剤等の組み合わせから選択できる。
溶剤の具体的な例としては、メタノール、エタノール、i−プロピルアルコール、n−プロピルアルコール、i−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、ベンジルアルコール、エチレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジアセトンアルコール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、メシチレン等の芳香族系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル系溶剤、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、トリクロロエチレン等の塩素系溶剤が挙げられる。その他、ナイロン樹脂の溶解性を向上させるために、水、フェノール、ギ酸、酢酸等を添加したものも使用可能である。これらの溶剤の中から、アルコール系溶剤と他の溶剤を1種又は2種以上を併用した混合溶剤が本発明にとり好ましく、例えば、メタノール/トルエン、i−プロピルアルコール/トルエン、i−イソプロピルアルコール/ジクロロメタン等の混合溶剤が具体的に挙げられる。アルコール溶剤としては、全溶剤中のアルコール量が30質量%以上、80質量%以下のものが好ましい。この割合から外れたときは、ナイロン樹脂やエポキシ樹脂の溶解性が低下し、不溶性沈殿が生成するため液安定性が著しく低下する。
本発明の接着剤組成物には、ナイロン樹脂とエポキシ樹脂以外に接着性向上や溶液特性の改善等の目的で、本発明の目的を損なわない範囲で任意に添加剤を配合することが可能である。例えば、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマー及びゴムなどの樹脂成分、カップリング剤、熱老化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、消泡剤、増粘剤、難燃剤、充填剤、染料等が挙げられる。また、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、カーボンブラック、シリカ等のフィラー成分を添加し、分散させることも可能である。かかる添加剤は、原料の溶剤への溶解時あるいは溶解後に添加することが可能である。
上記樹脂成分の例としては、アクリロニトリルブタジエンゴム、アクリルゴム、アクリルエチレンゴム、イソプレンゴム、エチレンプロピレンゴム、エチレンプロピレンジエンゴム、エチレンプロピレンαオレフィンゴム、エチレン酢酸ビニルエラストマー、ポリエステルウレタンエラストマー、ポリエーテルウレタンエラストマー、ポリカーボネートウレタンエラストマー、スチレンブタジエンスチレンエラストマー、スチレンイソプレンスチレンエラストマー、スチレンエチレンブチレンスチレンエラストマー、スチレンエチレンプロピレンスチレンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリルスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルブチラール、ポリカーボネート、ポリアセタール、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、メラミン樹脂、尿素樹脂、フェノキシ樹脂などが挙げられる。また、これら樹脂を変性して、カルボキシル基、エポキシ基、イソシアネート基、水酸基、チオール基などを付与したものが挙げられる。
カップリング剤の例としては、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトシキシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシランなどのシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミネート系カップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤などが挙げられる。
酸化防止剤の例としては、2,6−ジ−o−ブチル−4−メチルフェノール、n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス〔メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕メタンなどのフェノール系酸化防止剤、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−ジチオプロピオネートなどのイオウ系酸化防止剤、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトなどのリン系酸化防止剤などが挙げられる。
紫外線吸収剤の例としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−〔(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル〕−ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクチルベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤、フェニルサリシレートなどのサリシレート系紫外線吸収剤、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレートなどのシアノアクリレート系紫外線吸収剤、2−エトキシ−2’−エチルオキザリックアシッドビスアニリドなどのオキザリックアニリド系紫外線吸収剤、ビス−〔2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペジリニル〕セバケート、ビス−〔N−メチル−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル〕セバケートなどのヒンダードアミン系紫外線吸収剤などが挙げられる。
難燃剤の例としては、テトラブロモビスフェノールA、ヘキサブロモベンゼン、デカブロモジフェニルエーテル、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(ペンタブロモフェニル)エタン、ビス(テトラブロモフタルイミド)エタンなどの臭素系難燃剤、トリフェニルホスフェート、2−エチルヘキシルジフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェートなどの芳香族リン酸エステル系難燃剤、1,3−フェニレンビス(ジフェニルホスフェート)、1,3−フェニレンビス(ジキシレニル)ホスフェート、ビスフェノールAビス(ジフェニルホスフェート)などの芳香族縮合リン酸エステル、トリス(ジクロロプロピル)ホスフェートなどの含ハロゲンリン酸エステル系難燃剤、赤リンなどの赤リン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、三酸化アンチモンなどの無機系難燃剤、シリコン系難燃剤、ホウ素系難燃剤などが挙げられる。
充填剤の例として、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウム、カーボンブラック、シリカ、銅粉、アルミニウム粉、銀粉等が挙げられる。
本発明において、必須成分としてナイロン樹脂とエポキシ樹脂とを含む接着剤組成物を、前記の任意の添加剤と共に、通常、前記溶剤に溶解して溶液型接着剤として用いられる。溶液型接着剤として用いる場合の樹脂濃度としては、5〜50質量%が好ましく、より好ましくは10〜40質量%である。樹脂濃度がこの範囲であれば、調製した接着剤の溶液粘度が適性であり、可とう性フィルムへ塗工する際に均一な塗膜を形成させることができる。
本発明の接着剤組成物が用いられるFPCは、下記カバーレイフィルムとフレキシブル銅張積層板とを貼り合わせてなるものである。
○カバーレイフィルム
カバーレイフィルムとしては、ポリイミドフィルム、ポリエステルフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、アラミドフィルム等が挙げられる。本発明にとって好ましいフィルムは、その膜厚が12〜75μmのものであり、フィルムの片面もしくは両面に、コロナ放電処理、低温プラズマ処理、サンドブラスト処理等の表面処理を行ったものも用いることができる。
○フレキシブル銅張積層板
フレキシブル銅張積層板とは、上記カバーレイフィルムと同様の可とう性フィルムと銅箔とを接着剤を用いて、ロール圧着や熱プレス等の方法により貼り合わせた後、所望の回路パターンに銅箔層がエッチングされたものである。
本接着剤組成物を用いて可とう性フィルムと銅箔とを貼り合わせる方法としては、例えば以下の方法を挙げることできる。
1)接着剤溶液を可とう性フィルムに塗布し、乾燥させて接着剤層を形成し、その上に銅箔を貼り合わせて加熱することにより両基材間の接着剤層を硬化させる。
2)接着剤溶液を銅箔に塗布し、乾燥させて接着剤層を形成し、その上に可とう性フィルムを貼り合わせて加熱することにより両基材間の接着剤層を硬化させる。
3)接着剤溶液を離型性フィルムに塗工し、乾燥させて接着剤層を形成する。ついで該接着剤層と可とう性フィルムとを貼り合わせて、前記離型性フィルムを剥がし、露出した接着剤層と銅箔とを貼り合わせた後に加熱することにより両基材間の接着剤層を硬化させる。
4)接着剤溶液を離型性フィルムに塗工し、乾燥させて接着剤層を形成する。ついで該接着剤層と銅箔とを貼り合わせて、前記離型性フィルムを剥がし、露出した接着剤層と可とう性フィルムとを貼り合わせた後に加熱することにより両基材間の接着剤層を硬化させる。
前記離型性フィルムとしては、離型処理を施したPETフィルム、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、シリコーン離型処理紙、ポリオレフィン樹脂コート紙、TPXフィルム、フッ素系樹脂フィルム等が挙げられる。
接着剤溶液を塗工する方法としては、刷毛塗り、浸漬塗布、スプレー塗布、コンマコート、ナイフコート、ダイコート、リップコート、ロールコーター塗布、カーテン塗布等の方法により塗工する。塗工後の乾燥膜厚としては1〜100μmであるのが好ましく、より好ましくは10〜50μmの膜厚である。基材に塗工された接着剤溶液は好ましくは40〜250℃、より好ましくは70〜170℃の温度で熱風乾燥、遠赤外線加熱、高周波誘導加熱等の炉を通して加熱乾燥される。両基材を重ね合わせた接着剤層の硬化方法としては、80〜250℃の温度で熱風乾燥、遠赤外線加熱、高周波誘導加熱等の炉を通しての加熱する方法が用いられる。その中でも加熱プレス機による加圧下での加熱方法が高い接着性を得るために好ましい。
以下に、実施例に基づいて説明する。
〔ナイロン樹脂合成例〕
(合成例1)
攪拌機、還流脱水装置及び蒸留管を備えたフラスコに、ジカルボン酸成分としてアゼライン酸65質量部、ドデカン二酸190質量部及びジアミン成分としてピペラジン100質量部、蒸留水120質量部を仕込んだ。温度を120℃に昇温して水を留出させた後に、20℃/時間の割合で240℃にまで昇温し、3時間反応を継続してナイロン樹脂1を得た。そのときのアミン価は4.5(mgKOH/g)であった。
(合成例2〜7)
上記合成例1と同じ方法で、表1に示す組成のナイロン樹脂2〜7を合成した。
Figure 2010138368
○アミン価の測定
ナイロン樹脂3gを1−ブタノール20mlとトルエン20mlとの混合溶液に溶解し、京都電子工業社製自動滴定装置「AT−510」にビュレットとして同社製「APB−510−01B」を接続したものを使用した。滴定試薬としては0.1mol/Lの2−プロパノール性塩酸溶液を用いて電位差滴定を行い、樹脂1gあたりの塩酸と当量KOHのmg数を算出した。
○酸価の測定
ナイロン樹脂1gをベンジルアルコール40mlに溶解し、京都電子工業社製自動滴定装置「AT−510」にビュレットとして同社製「APB−510−20B」を接続したものを使用した。滴定試薬としては0.01mol/Lのベンジルアルコール性KOH溶液を用いて電位差滴定を行い、樹脂1gあたりのKOHのmg数を算出した。
(実施例1)
合成例で得られたナイロン樹脂1 100質量部、エポキシ樹脂A 64.2質量部、ノボラック樹脂A 29.3質量部及び硬化促進剤 2.6部をメタノール/トルエン=1/1(質量比)の混合溶剤713質量部に溶解した。次いで以下に示す方法により、接着剤積層物を作製し、以下に示す方法により各種試験を行った。その結果を表2に示す。
表2及び3における略号は、以下のものを示す。表中の配合量の単位は、質量部である。また、実施例で使用したノボラック樹脂の構造を一般式(2)に示す。
・エポキシ樹脂A:DIC社製 商品名「エピクロンN−655」[o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、エポキシ当量=210g/当量]
・ノボラック樹脂A:DIC社製 商品名「フェノライトLA−1356」[式(2)に示すメラミン構造含有フェノールノボラック樹脂、窒素含有量16%、水酸基当量=146g/当量]
・ノボラック樹脂B:DIC社製 商品名「フェノライトLA−3018」[式(2)に示すメラミン構造含有クレゾールノボラック樹脂、窒素含有量18%、水酸基当量=151g/当量]
・ノボラック樹脂C:ジャパンエポキシレジン社製 商品名「YLH−969」[式(2)に示すメラミン構造含有フェノールノボラック樹脂、窒素含有量15%、水酸基当量=148g/当量]
・フェノール樹脂A:DIC社製 商品名「フェノライトTD−2106」(水酸基当量=104g/当量)
・硬化促進剤A:N,N−ジメチルベンジルアミン(pKa=8.9)
・硬化促進剤B:1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカン(pKa=12.5)
・硬化促進剤C:2−エチル−4−メチルイミダゾール(pKa=8.3)
・硬化促進剤D:2−ウンデシルイミダゾール(pKa=7.8)
・硬化促進剤E:1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデカンのフェノール塩
Figure 2010138368
[式(2)におけるYは水素原子又はメチル基であり、nは1〜10の整数である。]
Figure 2010138368
(実施例2〜10)
表2の実施例2〜10に記載の組成を実施例1と同様の方法に従って接着剤組成物を得た。次いで実施例1と同様の方法により接着剤積層物を作製し、実施例1と同様の方法により各種試験を行った。その結果を表2に示す。
Figure 2010138368
(比較例1〜7)
表3の比較例1〜7に記載の組成を実施例1と同様の方法に従って接着剤組成物を得た。次いで実施例1と同様の方法により接着剤積層物を作製し、実施例1と同様の方法により各種試験を行った。その結果を表3に示す。
○接着試料の作製
実施例1〜10、比較例1〜7で得られた接着剤溶液を用いて厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ社製、商品名「カプトン100H」)に乾燥後の膜厚が20μmになるように塗布し、50℃で2分間乾燥した後に更に150℃で5分間乾燥した。次いで、厚さ35μmの圧延銅箔を貼り合わせて、80℃、0.3MPa、1m/分の条件でラミネートした。更にこのポリイミドフィルム/接着剤層/銅箔の積層体を150℃、3MPaの条件下で2分間加熱圧着した後、150℃のオーブンで2時間熱処理して接着剤層を硬化させて接着試料をそれぞれ作製した。
○はく離接着強さの測定
上記方法で作製した接着試料を10mmの幅に裁断して、銅箔をポリイミドフィルムから剥がすときのはく離接着強さを23℃の温度条件下で引張試験機にて測定した(単位;N/mm)。このとき、引張速度は50mm/分とした。
○ハンダ耐熱性
上記方法で作製した接着試料を20mm幅に裁断したものを、ポリイミドフィルムの面を上にして、260℃で溶融したハンダ浴に60秒間浮かべて、試験片表面の発泡状態を観察した。
○ : 試験前の状態と全く変化無し
× : 試験片表面全体に膨れ(接着層の剥がれ)が発生
○吸湿ハンダ耐熱性
上記方法で作製した接着試料を20mm幅に裁断したものを、40℃、85%湿度の恒温恒湿機に3日間放置した後、ポリイミドフィルムの面を上にして、260℃で溶融したハンダ浴に60秒間浮かべて、試験片表面の発泡状態を観察した。
○ : 試験前の状態と全く変化無し
× : 試験片表面全体に膨れ(接着層の剥がれ)が発生
○「加熱接着時の樹脂流れ出し性」確認用試料の作製
実施例1〜10、比較例1〜7で得られた接着剤溶液を用いて厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ社製、商品名「カプトン100H」)に乾燥後の膜厚が20μmになるように塗布し、50℃で2分間乾燥した後に更に150℃で3分間乾燥した。膜形成したポリイミドフィルムに直径6mmの穴を2箇所空け、次いで厚さ35μmの圧延銅箔を貼り合わせて、80℃、0.3MPa、1m/分の条件でラミネートした。更にこのポリイミドフィルム/接着剤層/銅箔の積層体を150℃、3MPaの条件下で2分間加熱圧着した。
○加熱接着時の樹脂流れ出し性
得られた接着試料の2箇所の穴を顕微鏡で観察して、穴端線より流れ出した接着剤の長さを計測し、平均流れ出し長さを求めた。このときの樹脂流れ出し長さが0.20mm以下であるものを合格と判定し、0.20mmを超えるものを不合格と判定した。当該判定基準は、加熱接着時の樹脂流れ出し性及び回路溝の埋り込み性から、樹脂流れ出し長さは0.20mm以下であることが必要であることによるものである。
本発明の接着剤組成物は、ポリイミドフィルム、PETフィルム等の樹脂フィルムや銅、アルミニウム等の金属箔の接着に使用することができる。特に、FPCやフレキシブルフラットケーブル等の接着に有用である。

Claims (7)

  1. 25℃で固体の溶剤可溶性ナイロン樹脂と、エポキシ樹脂と、下記一般式(1)で示される構造を有するノボラック樹脂及び酸解離定数が8.3を超える硬化促進剤とを含有する接着剤組成物であって、
    前記ナイロン樹脂はジアミン成分の合計量を100モル%としたとき、ピペラジンを20モル%以上含み、かつ、アミン価が1〜6(mgKOH/g)であることを特徴とする接着剤組成物。
    Figure 2010138368
    [式(1)におけるXはメラミン構造又はグアナミン構造であり、Yは水素原子又はメチル基である。また、nは1〜10の整数である。]
  2. 上記ナイロン樹脂の酸価が、4〜10(mgKOH/g)であることを特徴とする請求項1に記載の接着剤組成物。
  3. 上記エポキシ樹脂が、1分子中に2個以上のエポキシ基を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の接着剤組成物。
  4. 上記エポキシ樹脂の含有量が、上記溶剤可溶性ナイロン樹脂100質量部に対して、25〜150質量部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
  5. 上記ノボラック樹脂の含有量が、下記計算式で示される範囲であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着剤組成物。
    水酸基当量/エポキシ当量 =
    {(ノボラック樹脂の含有量)÷(ノボラック樹脂の水酸基当量)}÷
    {(エポキシ樹脂の含有量)÷(エポキシ樹脂のエポキシ基当量)}
    = 0.2〜1.5
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤組成物が、ポリイミドフィルムの片面に塗布されていることを特徴とするカバーレイフィルム。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着剤組成物で、ポリイミドフィルムの少なくとも片面に銅箔を貼り合わせてなることを特徴とするフレキシブル銅張積層板。
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