JP2008050421A - ポリアミド接着剤及びその利用 - Google Patents

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Abstract

【課題】接着剤溶液の保存安定性及び半硬化状態のシートにした接着シートの保存安定性に優れ、さらには高温・高湿度下での接着強度とハンダ耐熱性に優れる、フレキシブルプリント配線板に好ましく用いることができる接着剤を提供すること。
【解決手段】アミン価が4.0(mgKOH/g)以下のポリアミド樹脂とエポキシ化合物とを含有する接着剤であって、前記ポリアミド樹脂が、その構成成分として、
アミノ基間のアルキレン鎖の炭素数が10〜12の長鎖アルキレンジアミン(a)、
アミノ基とカルボキシル基との間のアルキレン鎖の炭素数が9〜11のアミノカルボン酸(b)もしくは該アミノカルボン酸の分子内環状アミド化合物(c)、
及び、カルボキシル基間のアルキレン鎖の炭素数が8〜10の長鎖アルキレンジカルボン酸(d)からなる群より選ばれる少なくとも1種の長鎖アルキレン成分を含んでなることを特徴とする接着剤。
【選択図】なし

Description

本発明はポリアミド接着剤に関し、特にフレキシブルプリント配線板(以下「FPC」と称す)用接着剤として好ましく用いることができる、接着強度とハンダ耐熱性に優れ、さらには接着剤溶液の保存安定性、及び半硬化状態のシートにした接着シートの保存安定性に優れたポリアミド接着剤に関する。
近年、携帯電話や、デジタルカメラ、モバイル型携帯パーソナルコンピューター、携帯型音楽プレーヤー等、電気・電子機器は小型、高性能化が進んでいる。それに伴い機器内部のFPCは、より高集積化、多層化されている。
フレキシブル銅張板は、可とう性のある絶縁性ベースフィルムの片面または両面に接着剤層を介して銅箔を貼り合わせた構造であり、絶縁性ベースフィルムの基材としては、高耐熱性・高信頼性であるポリイミドフィルムが使用されることが多い。更に、このフレキシブル銅張板は、レジスト層形成、露光、現像、エッチング、レジスト層剥離などの工程を経て、銅箔に導電性回路を形成したFPCとなる。
これらのFPCには、導電性回路の保護や絶縁性を目的として、フレキシブル銅張板の絶縁性ベースフィルムと銅箔とを貼り合わせるための接着剤、カバーレイ用接着剤や層間接着剤等の接着剤や、半導体封止材などが広く用いられている。電気・電子機器の小型、高性能化に伴い、これら接着剤や封止材には従来に比べ、高い性能が求められている。
例えば導電性回路の狭小化に伴う高温・高湿下での強固な接着性や、生産性向上を目的とした短時間硬化性が求められている。
さらには、従来のハンダ付け工程が、基板全体を高温に晒す、所謂ハンダリフロー方式に変わったり、環境問題から従来の鉛ハンダから鉛を使わない、所謂鉛フリーハンダが用いられる様になり、接着剤にもさらに高い耐熱性(ハンダ耐熱性)が求められるようになった。
従来、金属とプラスチックフィルムや、金属同士、プラスチックフィルム同士、ガラス等の接着剤として、ポリアミド系接着剤が用いられている。
例えば、耐薬品性と耐熱接着性に優れ、高い接着強度を有するTAB用テープの接着剤として、特開平5−29399号公報が開示され、また、液安定性が高く、短時間硬化可能な接着剤として特開平11−124558号公報が開示されている。
特開平5−29399号公報 特開平11−124558号公報
しかしながら、特許文献1に示されている様なポリアミド系接着剤では高温・高湿度下での接着強度が不十分であり、また、高温・高湿度下に晒された後のハンダ耐熱性(以下、「加湿ハンダ耐熱性」と称す)が劣る。さらには、架橋剤を混合した後の接着剤溶液の保存安定性が劣り、長時間の使用中に粘度が上昇したり、ついにはゲル化したりする。また、架橋剤を混合した後に溶媒を揮発させた、半硬化状態のシートである、所謂「Bステージ」の接着シートにした場合に、接着シートの保存条件によっては硬化が進行して、使用する際に接着強度が低下したり、回路基板への埋め込み性が低下したりする。この現象は、接着剤を構成する成分であるポリアミド樹脂とエポキシ化合物との反応が比較的低温でも進行することに由来する。特にポリアミド樹脂のアミン価が高いほど反応の進行が速い。
特許文献2に示されている様なポリアミド系接着剤では、加熱反応時間が非常に長く、また反応温度と反応時間の制御が非常に狭い範囲に限られており、生産性に劣る。更には、出来上がった反応生成物は、加熱を停止した後も徐々に反応を続けるため、接着剤として塗工している最中にも粘度が上昇して塗工出来なくなるという欠点を有している。
本発明は上記の課題を解決するものであり、その目的は接着剤溶液の保存安定性及びBステージでの接着シートの保存安定性に優れ、さらには高温・高湿度下での接着強度とハンダ耐熱性に優れた、FPCに好ましく用いることができる接着剤を提供するものである。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、特定のアミン価を有するポリアミド樹脂とエポキシ化合物とからなる接着剤であって、該ポリアミド樹脂の成分として長鎖のアルキレン成分を導入することにより、保存安定性と接着剤物性の両立したFPC用接着剤を得られることを見出して、本発明を完成させるに至った。
即ち、第1の発明は、アミン価が4.0(mgKOH/g)以下のポリアミド樹脂とエポキシ化合物とを含有する接着剤であって、前記ポリアミド樹脂が、その構成成分として、
アミノ基間のアルキレン鎖の炭素数が10〜12の長鎖アルキレンジアミン(a)、
アミノ基とカルボキシル基との間のアルキレン鎖の炭素数が9〜11のアミノカルボン 酸(b)もしくは該アミノカルボン酸の分子内環状アミド化合物(c)、
及び、カルボキシル基間のアルキレン鎖の炭素数が8〜10の長鎖アルキレンジカルボ ン酸(d)
からなる群より選ばれる少なくとも1種の長鎖アルキレン成分を含んでなることを特徴とする接着剤であり、
第2の発明は、エポキシ化合物が、3官能以上の多官能エポキシ化合物であることを特徴とする第1の発明の接着剤である。
第3の発明は、ポリアミド樹脂とエポキシ化合物との割合が、ポリアミド樹脂/エポキシ化合物=60〜97/40〜3(重量比)であることを特徴とする第1または第2の発明の接着剤である。
第4の発明は、プラスチックフィルム1、第1ないし第3いずれかの発明の接着剤から形成される硬化性接着剤層(I)及びプラスチックフィルム2が積層されてなる接着シートである。
第5の発明は、第1ないし第3いずれかの発明の接着剤から形成される硬化接着剤層(II)を介して、ベースフィルムと銅箔とが貼り合わされてなるフレキシブル銅張板である。
第6の発明は、フレキシブルプリント配線板の導電性回路面に、第1ないし第3いずれかの発明の接着剤から形成される硬化接着剤層(II)及びプラスチックフィルム1が積層されてなる、被覆されたフレキシブルプリント配線板である。
第7の発明は、第4の発明の接着シートからプラスチックフィルム2を剥がし、露出した硬化性接着剤層(I)を、フレキシブルプリント配線板の導電性回路面に貼り合わせ、加熱し、前記硬化性接着剤層(I)を硬化することを特徴とする、前記フレキシブルプリント配線板の導電性回路面を、硬化接着剤層(II)を介してプラスチックフィルム1で被覆する方法である。
本発明により、接着剤溶液の保存安定性及びBステージでの接着シートの保存安定性に優れ、さらには高温・高湿度下での接着強度とハンダ耐熱性に優れた、FPCに好ましく用いることができる接着剤を提供することができるようになった。
本発明の接着剤は、ポリアミド樹脂とエポキシ化合物とを含有する接着剤であって、ポリアミド樹脂のアミノ基とエポキシ化合物のエポキシ基とが反応することにより、強固な接着強度とハンダ耐熱性を得ることが出来る。一般的にポリアミド樹脂のアミン価が高いと、アミノ基とエポキシ基との反応は非常に速く、常温でも反応が進行する。ポリアミド樹脂と架橋剤としてのエポキシ化合物を混合すると、混合直後から徐々に反応が始まり、使用途中で粘度が上昇し、ついにはゲル化したりする。
また、接着剤の使用方法として、剥離性のフィルム等に塗工して、必要に応じて加熱等の方法により溶媒を除去した後、半硬化の状態(Bステージ)の接着シートとして保存し、使用時に剥離性フィルムを剥がして被着体に貼り合せてから、加熱硬化させるような方法も用いられる。この場合、半硬化状態の接着シートが、保存中に硬化が進行して、接着強度が低下したり、導電性回路面への埋め込み性が低下したりする。
このような、接着剤溶液の保存安定性や、Bステージでの接着シートの保存安定性を良好なものとするためには、ポリアミド樹脂のアミン価を4.0(mgKOH/g)以下にする必要がある。
また、ポリアミド樹脂が、その構成成分として前記長鎖アルキレン成分を含有することにより、ポリアミド樹脂に適度な弾性を付与して、高温・高湿度下での強固な接着強度とハンダ耐熱性を与えることが出来る。
本発明のポリアミド樹脂は
(1):ジアミン/ジカルボン酸の脱水縮合反応
(2):アミノカルボン酸の自己縮合
(3):アミノカルボン酸の分子内環状化合物の開環重合
(4):(1)+(2)
(5):(1)+(3)
(6):(1)+(2)+(3)
(7):(2)+(3)
の7通りの形態により任意に合成することが出来る。(1)の形態におけるジアミン成分としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、イソホロンジアミン、オルトフェニレンジアミン、メタフェニレンジアミン、パラフェニレンジアミン、オルトキシリレンジアミン、メタキシリレンジアミン、パラキシリレンジアミン、パラジアミノメチルシクロヘキサン、ピペラジン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、1,10−デカメチレンジアミン、1,11−ウンデカメチレンジアミン、1,12−ドデカメチレンジアミン等が挙げられる。
ジカルボン酸成分としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、ダイマー酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、5−スルホイソフタル酸ナトリウム等が挙げられる。
また、ジカルボン酸化合物とアルキルアルコールとのエステル化物等もジカルボン酸成分として用いられる。
(2)の形態におけるアミノカルボン酸としては、ω−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸等が挙げられる。
(3)の形態におけるアミノカルボン酸の分子内環状化合物としては、β−ラクタム、α−ピロリドン、α−ピペリドン、ε−カプロラクタム、ω−カプリロラクタム、カプリンラクタム、ラウリンラクタム等が挙げられる。
これらジアミン、ジカルボン酸、アミノカルボン酸、アミノカルボン酸の分子内環状化合物は目的に応じて適宜組み合わせて用いることが出来るが、(1)の形態におけるジアミン成分とジカルボン酸成分とは、後述する理由により当量もしくはジアミン成分過剰で用いることが好ましい。
本発明の接着剤は有機溶剤に溶解した溶液として用いる場合が多いので、有機溶剤に溶解するような組み合わせで用いることが好ましい。一般的にジアミン成分とジカルボン酸成分とを夫々一種類の組み合わせで用いたり、あるいはアミノカルボン酸を一種類、もしくはアミノカルボン酸の分子内環状化合物を一種類用いて重合して得られる、所謂ホモポリマーの場合には有機溶剤に対する溶解性が乏しい。好ましくはジアミン成分もしくはジカルボン酸成分のいずれかを2種類以上の組み合わせとするか、あるいはジアミン成分とジカルボン酸成分のいずれも2種類以上の組み合わせとしたり、アミノカルボン酸を二種類以上の組み合わせとしたり、アミノカルボン酸の分子内環状化合物を二種類以上の組み合わせとしたり、または前記(4)(5)(6)(7)の様な二種類以上の重合形態の組み合わせにした方が上記有機溶剤に対する溶解性が良好となる。
また、ポリアミド樹脂中の−NHCO−結合のNHの水素を置換して、N−メチロール基やN−アルコキシメチル基、メルカプタン基等を導入したものは、可溶性ポリアミド樹脂として、有機溶剤に対する溶解性の良好な樹脂が得られる。
前記(1)〜(7)の形態の何れの場合も、無溶剤下で、一括仕込みで脱水縮合反応、脱アルコール反応、開環重合反応等により合成することが出来る。モノマーと一緒に予め水を仕込んでおき、この水を留去しながら脱水反応を行うと反応を制御しやすい。この反応は常圧下、減圧下の何れで行ってもよい。分子量の調整は、ジアミン成分とジカルボン酸成分との仕込みモル比と、酸価、アミン価の制御により行う。前記(1)(4)(5)(6)の形態においては、ジアミン成分とジカルボン酸成分とを等モルで仕込んだ場合には比較的高分子量の樹脂が得られ、ジアミン成分もしくはジカルボン酸成分の何れかを過剰になるように仕込んだ場合には比較的低分子量の樹脂が得られる。常圧下で得られた樹脂を更に減圧下で反応を続けると、高分子量の樹脂が得られる。
本発明のポリアミド樹脂のアミン価は4.0(mgKOH/g)以下の範囲にあることが重要である。アミン価が4.0(mgKOH/g)を超えると、接着剤溶液の保存安定性や、Bステージでの接着シートの保存安定性を損なう。より好ましいアミン価の範囲は2.0〜4.0(mgKOH/g)である。前記(1)の形態の場合、ジアミン成分とジカルボン酸成分の仕込みモル比を当量よりもジカルボン酸過剰として仕込み、アミン価を4.0(mgKOH/g)以下とした場合、酸価が過度に高くなることがある。本発明のポリアミド樹脂とエポキシ化合物との反応は、前述したようにポリアミド樹脂のアミノ基とエポキシ化合物のエポキシ基との反応である。酸価が高くなると、アミノ基とエポキシ基との反応を抑制する効果が働き、硬化性が低下する場合がある。従って、アミン価を4.0(mgKOH/g)以下とする場合には、仕込みモル比を酸過剰とはせずに、当量もしくはアミン過剰で縮合反応を進めることが好ましい。
前記(2)と(3)の形態の場合には、重合度の調整により所定のアミン価に調整することが出来る。
本発明に用いる長鎖アルキレン成分について説明する。
アミノ基間のアルキレン鎖の炭素数が10〜12の長鎖アルキレンジアミン(a)とは、下記式[1]のnが10〜12のジアミンである。
2N−(CH2n−NH2 [1]
n=10のものは1,10−デカンジアミンもしくは1,10−デカメチレンジアミン、
n=11のものは1,11−ウンデカンジアミンもしくは1,11−ウンデカメチレンジアミン、
n=12のものは1,12−ドデカンジアミンもしくは1,12−ドデカメチレンジアミンと称されるものである。
アミノ基とカルボキシル基との間のアルキレン鎖の炭素数が9〜11のアミノカルボン酸(b)とは、下記式[2]のnが9〜11のアミノカルボン酸である。
2N−(CH2n−COOH [2]
これらの内、
n=10のものは11−アミノウンデカン酸もしくはω−アミノウンデカン酸、
n=11のものは12−アミノドデカン酸と称されるものである。
上記アミノカルボン酸の分子内環状アミド化合物(c)とは、下記式[3]のnが9〜11のラクタムと称されるものである。
Figure 2008050421
これらの内、
n=9のものはカプリンラクタム、
n=11のものはラウリンラクタムもしくはω−ラウリンラクタムと称されるものである。
カルボキシル基間のアルキレン鎖の炭素数が8〜10の長鎖アルキレンジカルボン酸(d)とは、下記式[4]のnが8〜10のジカルボン酸である。
HOOC−(CH2n−COOH [4]
n=8のものはセバシン酸、
n=9のものは1,11−ウンデカン二酸、
n=10のものは1,12−ドデカン二酸と称されるものである。
これらの(a)〜(d)に分類される長鎖アルキレン成分は前記した7通りの形態に従って一種類を用いても良いし、複数を組み合わせても良い。また、(a)〜(d)に分類される長鎖アルキレン成分はそれぞれ複数の種類を用いてもよい。
本発明に用いられるポリアミド樹脂を得る際に、これらの長鎖アルキレン成分を用いる量は特に制限は無いが、前記したように有機溶剤に対する溶解性を阻害しない範囲で用いることが好ましい。一般的にこれらの長鎖アルキレン成分の量が過量となると、得られたポリアミド樹脂が有機溶剤に溶解し難くなる傾向にある。
用いる量が過少であると、ポリアミド樹脂に適度な弾性を付与することが出来ず、高温・高湿度下での強固な接着強度とハンダ耐熱性を与えることが困難になる。
本発明に用いられるポリアミド樹脂は公知の有機溶剤に溶解した状態で使用しても良いし、溶融押し出しで使用してもよい。必要に応じて使用する有機溶剤としては、メタノールやエタノール、プロパノール、イソプロパノール等の低級アルコールが溶解性の点で好ましく、また、トルエンやキシレン等の芳香族炭化水素系溶剤を、溶解性が低下しない範囲で併用しても良い。
これら有機溶剤の沸点以下の温度で本発明に用いられるポリアミド樹脂を加熱溶解したものは、常温に戻ると流動性の無くなった、所謂ゲル状になる場合があるが、再度加熱すれば流動性は元に戻り、問題なく使用できる。溶融押し出しで使用する場合には、ポリアミド樹脂の融点以上の温度に加熱して使用できる。
次に、本発明に用いられるエポキシ化合物について説明する。
ポリアミド樹脂とともに本発明の接着剤を構成するエポキシ化合物は、該ポリアミド樹脂を硬化させる架橋剤の役割を担う。
エポキシ化合物の例としては、ビスフェノールAのジグリシジルエーテル、及びそのオリゴマー、オルトフタル酸ジグリシジルエステル、イソフタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、p−ヒドロキシ安息香酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、コハク酸ジグリシジルエステル、アジピン酸ジグリシジルエステル、セバシン酸ジグリシジルエステル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、及びアルキレングリコールジグリシジルエーテル類、トリメリット酸トリグリシジルエステル、トリグリシジルイソシアヌレート、1,4−グリシジルオキシベンゼン、ジグリシジルプロピレン尿素、グリセロールトリグリシジルエーテル、トリメチロールエタントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセロールアルキレンオキサイド付加物のトリグリシジルエーテル、テトラフェニルグリシジルエーテルエタン、トリフェニルグリシジルエーテルエタン等が挙げられる。
本発明のアミン価が4.0(mgKOH/g)以下のポリアミド樹脂との反応性を高めるために、エポキシ化合物としては、3官能以上のものを用いることが好ましい。
また、フェノールノボラックエポキシ樹脂やクレゾールノボラックエポキシ樹脂等も多官能エポキシ樹脂として好適に用いられる。これらは、それぞれ単独、または併用して用いることが出来る。
本発明の接着剤は、ポリアミド樹脂に対してエポキシ化合物を、ポリアミド樹脂/エポキシ化合物=60〜97/40〜3(重量比)の範囲内で含有することが好ましい。さらに好ましくは、ポリアミド樹脂に対してエポキシ化合物を、ポリアミド樹脂/エポキシ化合物=70〜95/30〜5(重量比)の範囲内で含有することが、良好な性能を発揮する。エポキシ化合物の含有割合が3未満ではポリアミド樹脂の硬化が不十分となり、強固な接着強度が得られにくくなる。一方、エポキシ化合物の含有割合が40を超えると、接着剤中に占めるポリアミド樹脂の割合が少なくなり、高温・高湿度下での強固な接着強度とハンダ耐熱性が低下する傾向にある。
本発明の接着剤は、ポリアミド樹脂とエポキシ化合物との硬化反応におけるエポキシ基の開環触媒として、広く知られる硬化触媒を用いることが出来る。このような硬化触媒としては、三級アミン(塩)類、イミダゾール類、ルイス酸(塩)類等が挙げられる。
三級アミン(塩)類の例としては、トリエチルアミン、N,N’−ジメチルベンジルアミン、アミノエチルピペラジン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、テトラメチルグアニジン、2−メチルアミノメチルフェノール等やそれらの塩類が挙げられる。
イミダゾール類の例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕−エチル−s−トリアジン等が挙げられる。
三フッ化ホウ素などのルイス酸をアミン塩としたものや、オニウム塩等は常温では安定であるが、加熱により急激に反応し、潜在性硬化剤として用いられる。
これらの硬化触媒は、本発明の接着剤100重量部に対して0.1〜10重量部の割合で用いられる。
本発明の接着剤は、前記エポキシ化合物以外の硬化剤をエポキシ化合物と共に含有していても良い。これらエポキシ化合物以外の硬化剤としては、イソシアネート化合物やレゾール型フェノール樹脂等が挙げられる。
本発明の接着剤はポリアミド樹脂とエポキシ化合物とから構成されるものであるが、必要に応じて難燃剤やフィラーを添加することが出来る。難燃剤としては、窒素系難燃剤、リン系難燃剤、無機物系難燃剤等が挙げられ、フィラーとしては、熱膨張収縮の抑制や疎水化を目的として、シリカ、アルミナ、珪藻土、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等が挙げられる。
本発明のポリアミド樹脂とエポキシ化合物とを含有する接着剤は、前記有機溶剤に溶解したものを使用しても良いし、溶融押し出しで使用してもよい。
フレキシブル銅張板を製造するための、ベースフィルムと銅箔との貼り合わせに利用する場合の使用方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。
すなわち、
(1−1):接着剤の有機溶剤溶液をベースフィルムに塗布し、乾燥させて硬化性接着剤層(I)を設け、その上に銅箔を貼り合わせて加熱し、前記硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法、
(1−2):接着剤の有機溶剤溶液を銅箔に塗布し、乾燥させて硬化性接着剤層(I)を設け、その上にベースフィルムを貼り合わせて加熱し、前記硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法、
(1−3):接着剤の有機溶剤溶液を剥離性フィルムに塗布し、乾燥させて硬化性接着剤層(I)を得る。次いで、該硬化性接着剤層(I)とベースフィルムとを貼り合わせ、前記剥離性フィルムを剥離し、露出した硬化性接着剤層(I)と銅箔とを貼り合わせた後に加熱し、前記硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法、
(1−4):接着剤の有機溶剤溶液を剥離性フィルムに塗布し、乾燥させて硬化性接着剤層(I)を得る。次いで、該硬化性接着剤層(I)と銅箔とを貼り合わせ、前記剥離性フィルムを剥離し、露出した硬化性接着剤層(I)とベースフィルムとを貼り合わせた後に加熱し、前記硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法、
(1−5):接着剤を溶融押出ししてベースフィルムに塗布し、硬化性接着剤層(I)を設け、その上に銅箔を貼り合わせて加熱し、前記硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法、
(1−6):接着剤を溶融押出しして銅箔に塗布し、硬化性接着剤層(I)を設け、その上にベースフィルムを貼り合わせて加熱し、前記硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法。
前記ベースフィルムとしては、ポリイミドフィルムやPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム等を用いることができる。
接着剤の有機溶剤溶液を塗布する方法としては、コンマコートや、ナイフコート、ダイコート、リップコート、刷毛塗りや、浸漬塗布、ロールコーター塗装、スプレー塗装、カーテン塗装等の従来公知の方法によることができる。
また、硬化性接着剤層(I)は、半硬化(いわゆる、「Bステージ」)状態とされていても良い。
FPCの導電性回路面の被覆に用いる場合の使用方法としては、例えば以下の方法を挙げることができる。
すなわち、
(2−1):接着剤の有機溶剤溶液をプラスチックフィルム1に塗布し、乾燥させて硬化性接着剤層(I)を設け、その上にプラスチックフィルム2を積層して接着シートを得る。
次いで、前記接着シートからプラスチックフィルム2を剥離して、露出した硬化性接着剤層(I)をFPCの導電性回路面に貼り合わせ、加熱して前記硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法、
(2−2):接着剤の有機溶剤溶液を剥離性フィルムに塗布し、乾燥させて硬化性接着剤層(I)を得る。次いで、該硬化性接着剤層(I)とFPCの導電性回路面とを貼り合わせてから、前記剥離性フィルムを剥離し、露出した硬化性接着剤層(I)とプラスチックフィルム1とを貼り合わせ、加熱して前記硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法、
(2−3): 接着剤を溶融押出ししてプラスチックフィルム1に塗布し、硬化性接着剤層(I)を設け、その上にプラスチックフィルム2を積層して接着シートを得る。
次いで、前記接着シートからプラスチックフィルム2を剥離して、露出した硬化性接着剤層(I)をFPCの導電性回路面に貼り合わせ、加熱して前記硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法。
ここに、前記プラスチックフィルム2は、硬化性接着剤層(I)から剥離されることが必要であるため、その表面が剥離処理された剥離性フィルムであることが好ましい。
また、前記プラスチックフィルム1としては、絶縁性や可とう性、耐熱性を有するプラスチックフィルムが好ましく、ポリイミドフィルムやPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、ポリフェニレンスルフィドフィルム、ポリカーボネートフィルム等を用いることができる。
剥離性フィルムとしては、ポリエステル、ポリオレフィン等のプラスチックフィルムや、グラシン紙、ポリエチレンラミネート上質紙等に、シリコーン化合物あるいはフッ素化合物を含む剥離剤をコーティングすることにより剥離処理されたものを用いることが出来る。
接着剤の有機溶剤溶液をプラスチックフィルム1に塗布する方法としては、フレキシブル銅張板の製造の項で述べた方法と同様の方法を用いることができる。
また同様に、硬化性接着剤層(I)は、半硬化状態とされていても良い。
本発明の接着剤の硬化方法は、従来公知の各種方法を用いることが出来る。例えば、硬化性接着剤層(I)を半硬化状態(Bステージ)にするためには、80℃〜150℃程度の温度で1〜2分間乾燥させる方法、また、硬化性接着剤層(I)を硬化させて硬化接着剤層(II)とする方法としては、40〜60℃の温度で3日〜5日程度の所謂エージングや、100℃〜150℃の温度で1時間〜4時間程度の硬化、180℃〜200℃の温度で10分〜30分程度の硬化、200℃以上の温度で数秒〜5分間程度の硬化方法等が用いられる。加熱の方法としては、恒温室でのエージングや、熱風乾燥炉、遠赤外線乾燥炉、高周波誘導加熱炉等の加熱方法が用いられる。また、加熱プレス機による加圧下での加熱等の方法も用いられることもある。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明する。例中、単に部とあるものは、重量部を示す。
(合成例1) ポリアミド樹脂(A−1)の合成
撹拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流脱水装置及び蒸留管を備えたフラスコに、イオン交換水180部、アジピン酸70.02部、アゼライン酸90.03部、ヘキサメチレンジアミン55.66部、1,10−デカンジアミン84.29部を仕込んだ。発熱の温度が一定になるまで撹拌し、温度が安定したら110℃まで昇温した。水の留出を確認してから30分後に温度を120℃に昇温し、その後、30分毎に10℃づつ昇温しながら脱水反応を続けた。温度が220℃になったら、そのままの温度で3時間反応を続け、目標アミン価になったことを確認してポリアミド樹脂(A−1)を得た。その特性値を表−1に示す。
(合成例2〜10)
表−1の仕込み重量に従って各成分を仕込み、合成例1と同様の方法で反応してポリアミド樹脂(A−2〜A−10)を得た。その特性値を表−1に示す。
(比較合成例1〜6)
表−2の仕込み重量に従って各成分を仕込み、合成例1と同様の方法で反応してポリアミド樹脂(A−11〜A−16)を得た。その特性値を表−2に示す。
《アミン価の測定》
ポリアミド樹脂1gをオルソジクロロベンゼン50mlとメタノール70mlとの混合溶剤に溶解し、自動滴定装置にて0.1mol/Lの塩酸水溶液で滴定して、樹脂1g当りの塩酸と当量のKOHのmg数を求めた。
《酸価の測定》
ポリアミド樹脂1gをエタノール/トルエン=70/30(重量比)の混合溶剤30mlに溶解し、0.1mol/LのKOHエタノール溶液で滴定して、樹脂1g当りのKOHのmg数を求めた。
(実施例1)
合成例1で得られたポリアミド樹脂(A−1)を、エタノール/トルエン=70/30(重量比)の混合溶剤で固形分30%になる様に溶解した。この溶液を樹脂分換算で(以下樹脂分換算で示す)93部、1,1,2,2−テトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン型エポキシ樹脂「エピコート 1031S」(ジャパンエポキシレジン社製)を7部取り、エタノール/トルエン=70/30(重量比)の混合溶剤で固形分濃度が25%となる様に混合溶解して接着剤溶液を得た。次いで、以下に示す方法により接着剤積層物を作製し、以下に示す方法により各種試験を行った。その結果を表−3に示す。
(実施例2〜10)
実施例1と同様の方法で、ポリアミド樹脂(A−2)〜(A−10)をそれぞれ溶解し、実施例1と同様の方法で、表−3の組成に従って接着剤溶液を得た。次いで、実施例1と同様の方法により接着剤積層物を作製し、実施例1と同様の方法により各種試験を行った。その結果を表−3に示す。
(比較例1〜6)
実施例1と同様の方法で、ポリアミド樹脂(A−11)〜(A−16)を溶解し、実施例1と同様の方法で、表−4の組成に従って接着剤溶液を得た。次いで、実施例1と同様の方法により接着剤積層物を作製し、実施例1と同様の方法により各種試験を行った。その結果を表−4に示す。
(接着剤積層物の作製)
1.フレキシブル銅張板の作製
実施例1〜10、比較例1〜6で得られた接着剤溶液を乾燥膜厚が10μmとなる様に、大きさが65mm×65mm、厚さ25μmのポリイミドフィルム(東レ社製、「カプトン100H」)に塗布し、80℃で2分乾燥させ、硬化性接着剤層を形成した。次に、該硬化性接着剤層と厚さ35μmの電解銅箔のマット面とを貼り合せ、80℃、1kgf/cm2、150mm/minの条件でラミネートした。更に、このポリイミドフィルム/硬化性接着剤層/銅箔積層物を加熱プレス機にて、150℃、10MPaの条件下で2分間熱圧着した後、150℃のオーブンで3時間熱処理して硬化性接着剤層を硬化させてフレキシブル銅張板を作製した。
2.カバーフィルム付き2層CCLの作製
実施例1〜10、比較例1〜6で得られた接着剤組成物を乾燥膜厚が30μmとなる様に、大きさが65mm×65mmである保護フィルム(シリコーン塗布により剥離処理されたPETフィルム)に塗布し、80℃で2分間乾燥させて硬化性接着剤層を形成した。次に、該硬化性接着剤層と厚さ25μmの、カバーフィルムとしてのポリイミドフィルム(東レ社製、「カプトン100H」)とを貼り合せ、80℃、1kgf/cm2、150mm/minの条件でラミネートし、硬化性接着剤層付きカバーフィルムを作製した。
次いで、この硬化性接着剤層付きカバーフィルムの保護フィルムを剥がして露出した硬化性接着剤層の面と、2層CCL(ポリイミドフィルムと電解銅箔との積層物)を常法により銅箔面にフォトレジスト塗布、パターン露光、現像、銅箔パターンエッチング、フォトレジスト剥離工程を経て作製した、銅線間が100μmとなる櫛型の導電性回路を有する2層CCLの導電性回路面とを貼り合せ、80℃、1kgf/cm2、150mm/minの条件でラミネートしてポリイミドフィルム/硬化性接着剤層/2層CCL積層物を得た。
更に、この積層物を加熱プレス機にて、150℃、10MPaの条件下で2分間熱圧着した後、150℃のオーブンで3時間熱処理して硬化性接着剤層を硬化させてカバーフィルム付き2層CCLを作製した。
《試験方法》
1.溶液保存安定性
実施例及び比較例で作製した接着剤溶液50gを、容量100mlのガラス瓶に入れて蓋をし、50℃のウォーターバスに入れて、接着剤溶液の流動性が無くなるまでの時間(単位:時間)を測定した。
2.はみ出し性の評価
前記方法で作製したフレキシブル銅張板、及びカバーフィルム付き2層CCLの貼り合せ端部からはみ出した接着剤層の長さ、すなわちフレキシブル銅張板もしくはカバーフィルム付き2層CCLの縁から、はみ出した接着剤の縁までの長さを測定し、その長さ(mm)を表示した。はみ出しのないものがはみ出し性が良好で、長さが長いもの程、はみ出し性が劣る。
3.外観
前記方法で作製したフレキシブル銅張板、及びカバーフィルム付き2層CCLの接着剤層の発泡状態を、それぞれ、ポリイミドフィルムの面から目視で評価した。
◎:接着剤層が平滑で発泡が全くない
〇:接着剤層に直径5mm以下の発泡が4個以下発生
△:接着剤層に直径10mm以上の発泡が5個〜10個発生
×:接着剤層の全面に発泡が発生
4.接着強度試験
前記方法で作製したフレキシブル銅張板、及びカバーフィルム付き2層CCLを10mmの幅にカットして、フレキシブル銅張板の場合はポリイミドフィルムと銅箔との間において、また、カバーフィルム付き2層CCLの場合はカバーフィルムと導電性回路面との間において、それぞれ引っ張り速度50mm/minでTピール試験を行った。
5.ハンダ耐熱試験(常態)
前記方法で作製したフレキシブル銅張板、及びカバーフィルム付き2層CCLをそれぞれ10mmの幅にカットしたものを、フレキシブル銅張板の場合はポリイミドフィルムの面を、カバーフィルム付き2層CCLの場合はカバーフィルムの面を、260℃で溶融した鉛フリーハンダ浴に1分間平らに乗せた後、取り出して接着剤層の発泡状態を観察した。
◎:試験前の状態と全く変化なし
〇:試験片に5個以下の膨れが発生するが、実用上問題なし
△:試験片の面積の1/2に膨れが発生
×:試験片全面に膨れが発生
6.ハンダ耐熱試験(加湿後)
前記方法で作製したフレキシブル銅張板、及びカバーフィルム付き2層CCLをそれぞれ10mmの幅にカットしたものを、60℃、90%RH加湿下にて24時間放置した後、前記常態の項と同様の操作をおこない、接着剤層の発泡状態を観察した。
◎:試験前の状態と全く変化なし
〇:試験片に5個以下の膨れが発生、実用上問題なし
△:試験片の面積の1/2に膨れが発生
×:試験片全面に膨れが発生
7.接着剤シートの保存安定性
前記「(接着剤積層物の作製)2.カバーフィルム付き2層CCLの作製」の途中で得られた、硬化性接着剤層付きカバーフィルムを、40℃、45%RHの恒温・恒湿室に1週間保存した。その後取り出して、保護フィルムを剥がし、前記と同様の方法により導電性回路を有するカバーフィルム付き2層CCLを作製した。作製後、光学顕微鏡にて、ポリイミドフィルムの面から、導電性回路への硬化接着剤層の埋め込み性を評価した。
〇:2層CCLの導電性回路に埋め込み不良が全くない。
△:2層CCLの導電性回路の縁から5μm未満の幅で埋め込み不良がある。
×:2層CCLの導電性回路の縁から5μm以上の幅で埋め込み不良がある。
Figure 2008050421
Figure 2008050421
Figure 2008050421
Figure 2008050421

Claims (7)

  1. アミン価が4.0(mgKOH/g)以下のポリアミド樹脂とエポキシ化合物とを含有する接着剤であって、前記ポリアミド樹脂が、その構成成分として、
    アミノ基間のアルキレン鎖の炭素数が10〜12の長鎖アルキレンジアミン(a)、
    アミノ基とカルボキシル基との間のアルキレン鎖の炭素数が9〜11のアミノカルボン酸(b)もしくは該アミノカルボン酸の分子内環状アミド化合物(c)、
    及び、カルボキシル基間のアルキレン鎖の炭素数が8〜10の長鎖アルキレンジカルボン酸(d)
    からなる群より選ばれる少なくとも1種の長鎖アルキレン成分を含んでなることを特徴とする接着剤。
  2. エポキシ化合物が、3官能以上の多官能エポキシ化合物であることを特徴とする請求項1に記載の接着剤。
  3. ポリアミド樹脂とエポキシ化合物との割合が、ポリアミド樹脂/エポキシ化合物=60〜97/40〜3(重量比)であることを特徴とする請求項1または2に記載の接着剤。
  4. プラスチックフィルム1、請求項1ないし3いずれかに記載の接着剤から形成される硬化性接着剤層(I)及びプラスチックフィルム2が積層されてなる接着シート。
  5. 請求項1ないし3いずれかに記載の接着剤から形成される硬化接着剤層(II)を介して、ベースフィルムと銅箔とが貼り合わされてなるフレキシブル銅張板。
  6. フレキシブルプリント配線板の導電性回路面に、請求項1ないし3いずれかに記載の接着剤から形成される硬化接着剤層(II)及びプラスチックフィルム1が積層されてなる、被覆されたフレキシブルプリント配線板。
  7. 請求項4に記載の接着シートからプラスチックフィルム2を剥がし、露出した硬化性接着剤層(I)を、フレキシブルプリント配線板の導電性回路面に貼り合わせ、加熱し、前記硬化性接着剤層(I)を硬化することを特徴とする、前記フレキシブルプリント配線板の導電性回路面を、硬化接着剤層(II)を介してプラスチックフィルム1で被覆する方法。

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