JP3716719B2 - 便器装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、暖房便座を有した便器装置に関する。また、本発明は、さらに人体臀部洗浄用の温水を生成させる温水タンクを備えた便器装置に関する。詳しくは、この便座あるいは温水タンクのヒータへの通電量を少なくするよう改良された便器装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
暖房便座のヒータへの通電を節電するために、便蓋の起倒状態を検出し、便蓋が起立状態にあるときには便座使用とみなして便座の目標温度を高温に設定し、便蓋が倒伏状態にあるときには便座不使用とみなして便座の目標温度を低温に設定する制御方式がある。
【0003】
ところが、このような制御方式にあっては、男子が立ち小便を行う時とか、便器本体の掃除の時等、便蓋が開いた状態で便座を温める必要がない時にも便座ヒータに通電してしまい、無駄な電気が使用されてしまうという問題点があった。
【0004】
このような問題点を解決するために、便座、便蓋ともに開状態と検知された時には、便座ヒータへの通電をOFFし、便座が閉、便蓋が開状態と検知された時には、便座ヒータを暖房温度に制御し、便座、便蓋ともに閉状態と検知された時には、便座ヒータを低温度又はOFFとするように制御する方式が特開2000−83863号公報にて提案されている。
【0005】
さらに同号公報には、便座が開状態と検知された時に、便座及び温水タンクのヒータへの通電をOFFとする便座及び温水タンクの制御方式も提案されている。
【0006】
また、特開2000−93353号公報には、便器と、該便器に載置される便座と、該便座を温める便座用発熱ヒータと、回動可能な便蓋と、人体を検知する人体検知センサと、便蓋の開閉を検知する便蓋開閉センサ手段とを備えた便器装置において、図3のように、着座センサ等よりなる人体検知センサにより人体を検知したときは、第1の設定温度T1に設定し、前記人体検知センサにより人体を検知していないときは、前記第1の設定温度T1よりΔt1低くした第2の設定温度T2に設定し、前記便蓋の閉を検知したとき前記第2の設定温度T2よりΔt2低くした第3の設定温度T3に設定するように制御される制御装置を備えた便器装置が記載されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記特開2000−83863号の制御方式では、便蓋が起立し、便座が倒伏した状態では必ず便座が暖房温度となり、温水タンクの水温が高温となるように通電される。ところが、実際には、便蓋が起立し便座が倒伏していても、実際には着座がなされないことがあり、このような場合には無駄にヒータに通電することになる。
【0008】
上記特開2000−93353号公報では、便蓋が開いているときには必ず便座の目標温度をT2(中温)に設定しており、便蓋が起立しているときに便座の起立、倒伏に対応はしていない。
【0009】
便座のヒータは便座の上面に沿って設けられているので、便蓋が起立していても、便座も起立しているときには、便蓋が便座に重なっており、便座からの放熱は少ない。一方、便蓋が起立しており便座が倒伏しているときには、便座上面からの放熱量が多い。従って、単に便蓋の起立に対応するだけでなく、さらに便座の起立倒伏にも対応して便座ヒータへの通電が制御されるべきである。
【0010】
本発明は、暖房便座や温水タンクへの通電の一層の節電を図ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の便器装置は、便蓋と、ヒータを有した便座と、該便座への着座を検出する着座検出手段と、該便蓋及び便座の起立及び倒伏を検出する起倒検出手段と、該着座検出手段及び該起倒検出手段の検出状態に応じて前記ヒータへの通電を制御する制御手段とを有する便器装置において、該制御手段は、該着座検出手段が着座を検出しているときには便座の目標温度を高温とし、着座検手段が着座を検出しておらず、便蓋が起立状態にあり、便座が倒伏状態にあるときには、便座の目標温度を中高温とし、便蓋及び便座がいずれも起立状態にあるときには便座の目標温度を中低温とし、便蓋及び便座がいずれも倒伏状態にあるときには便座の目標温度を低温とするか又はヒータへの通電を停止することを特徴とするものである。
【0012】
かかる便器装置にあっては、着座の有無及び便蓋便座の起倒状態に対応した4段階の通電パターンに従って暖房便座への通電が制御されるため、3段階制御方式の上記従来例よりもきめ細かい節電が可能であると共に、便座に座ったときには冷感を感じない。
【0013】
即ち、本発明では、便座と便蓋との双方が倒伏しているときは、便座の目標温度を低温とするか又はヒータOFFとし、節電する。
【0014】
便蓋のみが起立したときには、便座目標温度中高温とし、着座に備え、その後着座されたときには便座目標温度を高温とし、冷感を防ぐ。
【0015】
便蓋及び便座の双方が起立状態にあるときには、便座目標温度を中低温とする。このときの温度は中低温であっても便座上面に便蓋が重なっているので、便座上面はかなり暖かいものとなる。一般に、便座ヒータは便座上面に沿って配置されているので、便蓋及び便座の双方が起立しているときには、便蓋が便座に重なっており、便座上面からの放熱が少なく、便座上面はかなり暖かいものとなる。従って、この便座を倒して直ちに着座しても、冷感は感じられない。この便蓋、便座の起立状態の通電量は、目標温度が中低温であるため、少なくて足りる。
【0016】
本発明では、人体臀部を洗浄するための温水を生成させるヒータ付き温水タンクを備えており、この温水タンクのヒータの制御手段として、前記便蓋が起立状態にあるときには温水タンクの温水の目標温度を高水温とし、便蓋が倒伏状態にあるときには目標温度を低水温とする制御手段を備えてもよい。
【0017】
かかる温水タンクへの通電制御方式とすれば、実際に着座が行われているときにのみ温水タンクの目標水温が高水温に設定され、その他のときには目標水温が低水温とされる。従って、便蓋が開き便座が倒伏していても、着座がなされないときには温水タンクは低水温モードとなるので、上記従来例よりも節電が実施される。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基いて説明する。図1は実施の形態に係る便器装置のフローチャート、図2はこの便器装置を備えた洋風便器の透視斜視図である。
【0019】
図2の通り、洋風便器1の上面には開閉可能に暖房便座2が設けられ、この便座2内には便座2を暖めるためのヒータ3が内装されたものとなっている。また、便座2上には開閉可能に便蓋4が設けられている。本実施の形態では、便座2及び便蓋4はそれぞれ手動により起立、倒伏するものとなっている。この便座2及び便蓋4の起立、倒伏状態を検出する開閉検知機構5が設けられている。
【0020】
開閉検知機構5はタンクカバー7内に設けられた制御器6に接続されている。この制御器6には、便座2への着座を検出する着座センサ10も接続されている。
【0021】
この実施の形態にあっては、便器装置は、使用者の臀部に向って温水を噴出させる温水洗浄装置を備えている。この温水洗浄装置は、ノズル8から噴出させるための温水を生成する、ヒータを内蔵した温水タンク9が設けられている。
【0022】
前記制御器6は、前記便座2のヒータ3と、この温水タンク9のヒータへの通電を制御する。
【0023】
次にこの制御内容について図1を参照して説明する。
【0024】
初期状態にあっては、便器は使用されておらず、▲1▼の通り便座及び便蓋はいずれも倒伏している。この場合、暖房便座2の目標温度を低温(例えば24〜26℃又はそれ以下)とするか、又はヒータ3をOFFとする。便座温度を24〜26℃と低温にしても、便蓋が被さっており、便座2の上面はある程度暖かいものとなっている。また、温水タンク9については目標水温を低温(例えば32〜36℃)とする。
【0025】
この初期状態から便蓋4を起立させ、便座3は倒伏したままとした場合は、間もなく人体が便座2に座る可能性が大きいので、▲2▼の通り、便座2の目標温度を中高温(例えば30〜32℃)と高くする。温水タンク9については目標水温をそれまで通り低温とする。これは、実際に着座がなされるまでは温水タンク水温を低目のままとし、節電を図るためである。
【0026】
便蓋4を起立させた後、着座されることなく便蓋4が再び倒伏されたときには初期状態▲1▼に戻る。
【0027】
便蓋4を起立させた後、着座が検出されたときには、▲3▼の通り、便座2の目標温度を高温(例えば36〜37℃)とし、着座者の臀部を暖める。また、この場合、温水タンク9の目標水温を高温(例えば37〜39℃)とし、臀部の温水洗浄に備える。
【0028】
その後、使用者が立ち上がると便座2の目標温度を中高温に戻し、温水タンク9の目標水温については低温に戻す。その後、便蓋4が倒伏されると、初期状態▲1▼に戻す。
【0029】
初期状態から便蓋4及び便座2の双方が起立された場合、便器近傍に人が居り、この人が近いうちに便座2に座るかもしれないので、予備的に便座2を暖めるべく▲5▼の通り、便座の目標温度を中低温(例えば27〜29℃)に高める。なお、このときの便座目標温度を前記の中高温(30〜32℃)よりも低くするのは、便蓋4及び便座2が起立した状態にあっては、便座2の上面が便蓋4で覆われ便座2からの放熱が少ないからである。即ち、便座2の目標温度が中低温(27〜29℃)であっても、便座2の上面(表面)温度は、上面が便蓋4で覆われていない便座2の目標温度を中高温とした▲2▼の場合と同等程度になる。
【0030】
また、この▲5▼の状態にあっては温水タンク9の目標水温は低温のままとする。これは、実際に着座がなされるまでは温水タンク9の水温を上昇させずに節電を図るためである。
【0031】
▲5▼の便蓋4及び便座2の双方起立状態から便座2及び便蓋4の双方を倒伏させたときには▲1▼の初期状態に戻る。
【0032】
また、▲5▼の便蓋4及び便座2の双方起立状態から便座2のみを倒伏させたときには、前記▲2▼の制御内容とする。
【0033】
前記▲2▼の便蓋4起立、便座2倒伏の状態から便座2も起立させたときには、該▲5▼の制御内容とする。
【0034】
このように、便座2の起立、倒伏、便蓋4の起立、倒伏及び着座の有無に応じて便座2の目標温度を4段階にわたってきめ細かく制御することにより、十分な節電が実施されると共に、便座に着座したときの冷感も確実に防止される。また、温水タンク9のヒータへの通電制御も、実際に使用者が着座してから目標水温が高温となるようにするものであり、節電が図られている。
【0035】
【発明の効果】
以上の通り、本発明の便器装置によると、十分な節電が実行されると共に、便座に着座したときの冷感も確実に防止される。また、本発明によると、温水タンクの通電も十分に節電される。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る便器装置の制御フローチャートである。
【図2】実施の形態に係る便器装置を備えた洋風便器の斜視図である。
【図3】従来の制御例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 洋風便器
2 便座
3 便座のヒータ
4 便蓋
5 開閉検出機構
6 制御器
9 温水タンク
10 着座センサ
Claims (2)
- 便蓋と、
ヒータを有した便座と、
該便座への着座を検出する着座検出手段と、
該便蓋及び便座の起立及び倒伏を検出する起倒検出手段と、
該着座検出手段及び該起倒検出手段の検出状態に応じて前記ヒータへの通電を制御する制御手段とを有する便器装置において、
該制御手段は、
該着座検出手段が着座を検出しているときには便座の目標温度を高温とし、
着座検手段が着座を検出しておらず、便蓋が起立状態にあり、便座が倒伏状態にあるときには、便座の目標温度を中高温とし、
便蓋及び便座がいずれも起立状態にあるときには便座の目標温度を中低温とし、
便蓋及び便座がいずれも倒伏状態にあるときには便座の目標温度を低温とするか又はヒータへの通電を停止することを特徴とする便器装置。 - 請求項1において、人体臀部を洗浄するための温水を生成させるヒータ付き温水タンクを備えており、
この温水タンクのヒータの制御手段として、前記便蓋が起立状態にあるときには温水タンクの温水の目標温度を高水温とし、便蓋が倒伏状態にあるときには目標温度を低水温とする制御手段を備えたことを特徴とする便器装置。
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