JPH039971B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は便座に座つた人体の局部を水で洗浄
し、温風で乾燥する衛生洗浄装置に関する。

従来例の構成とその問題点 従来の衛生洗浄装置は、寒い時期の採暖手段と
してプラスチツクで成形された便座の裏側からヒ
ータで加熱して尻部と接触する便座表面を暖める
構成が主流であつたが、加熱立上りが遅いために
座る直前にヒータを通電しても暖まりきらず、座
つた瞬間に冷たい不快感を覚えたり、採暖効果が
十分に得られないうちに使用を終えてしまうこと
が多く、そのため１日中通電して使用するのが常
であつた。しかし便座の短い使用時間を考えると
それはエネルギーの無駄の多い使い方であり、改
善が望まれていた。

発明の目的 本発明はかかる従来の問題を解消するもので、
衛生洗浄装置の非使用状態においては採暖用のエ
ネルギー消費を零とし、使用時には暖い便座を使
用できる衛生洗浄装置の提供を目的とするもので
ある。

発明の構成 この目的を達成するために本発明は、温風乾燥
手段を有する従来の衛生洗浄装置に、蓋が閉じて
いることを検出する蓋閉検出手段と、便器が設置
された室内の人体を検出する室内人体検出手段
と、前記蓋閉検出手段と前記室内人体検出手段と
のアンド信号により乾燥手段を付勢する乾燥付勢
手段を設けたものである。

この構成によつて、使用者が室内に入ると乾燥
手段が自動的に付勢され、蓋と便座との間隙を温
風が通ることによつて便座の表面が急速に加熱さ
れる。使用者が下着を下ろして蓋を開けると自動
的に乾燥手段が消勢されるので使用者は快適に加
熱された便座の上に座ることができるものであ
る。使用後は蓋を閉じておくことにより、次の使
用時に上記動作をくり返すものである。

実施例の説明 以下、本発明の一実施例を、第１図〜第３図を
用いて説明する。

第１図は本発明の衛生洗浄装置の一実施例にお
ける上面構成図、第２図は同装置の側面構成図で
あり、１は便器、２は前記便器１内を水洗するた
めの水を貯えるシスターンである。３は前記便器
１上に設置された便座であり、その内部に便座を
加熱するヒータ（図示せず）を有し、また便座３
の温度を検出する温度センサ４を有する。５は前
記便座３を覆う蓋であり、６は前記蓋５が閉状態
のときに作動する蓋閉検出手段であつて蓋閉時の
ヒンジ部の回転で作動するマイクロスイツチから
なる。７は前記蓋５のヒンジ部に結合されたクラ
ツチ、８は前記クラツチ７を回転して前記蓋５を
閉じるモータであり、前記クラツチ７の作用で蓋
を閉状態から手で開けるときには前記蓋５のヒン
ジ部と前記モータ８との結合がはずれて楽に開け
ることができ、開状態から前記モータ８が回転す
ると前記クラツチ７の作用で前記蓋５のヒンジ部
と前記モータ８とが結合し、蓋を閉じることがで
きるものである。９は前記便座３に座つた人体局
部に洗浄水を放出するノズル、１０洗浄水を適温
に加熱する湯沸器、１１は前記シスターン２の貯
水内に没せられた水フイルター、１２は前記水フ
イルター１１から水を吸引し前記湯沸器１０に圧
送すると同時に、前記湯沸器１０内の適温に加熱
された洗浄水を順次前記ノズル９に圧送して人体
局部に洗浄水を放出させるポンプ、１３は洗浄水
で漏れた人体局部に温風を吹出す温風吹出し口、
１４は前記温風吹出し口１３へ送風を行うフア
ン、１５は前記フアン１４を回転させるモータ、
１６は前記フアン１４からの送風を適温に加熱す
るヒータ、１７は前記蓋５の裏に設けられた衝撃
吸収用のゴム脚、１８は前記蓋５が閉じている状
態で前記温風吹出し口１３から吹出される温風、
１９は前記便器１が設置された室内の人体２０を
検出する赤外センサ、２１は前記赤外センサ１９
の検知領域を示し、２２は前記温度センサ４、マ
イクロスイツチ６、赤外センサ１９の入力信号に
よつて前記便座３内のヒータ、モータ８、湯沸器
１０、ポンプ１２、モータ１５、ヒータ１６等を
制御する付勢手段である。２３は前記便座３およ
び蓋５を回転自在に支持するとともに前記の各種
手段を収納する収納ボツクスである。

第３図は同装置の制御ブロツク図であり、２４
は前記ポンプ１２の洗浄手段を付勢して洗浄の
ON−OFFを行う洗浄スイツチ、２５は前記モー
タ１５およびヒータ１６からなる乾燥手段２６を
付勢して洗浄後の局部乾燥のON−OFFを行う乾
燥スイツチ、２７は前記赤外センサ１９と増幅判
別器２８からなる室内人体検出手段、２９は前記
便座３に内蔵されたヒータからある便座暖房手
段、３０，３１はインバータ回路、３２，３３は
アンドゲート回路、３４はオアゲート回路であ
る。また、３５は前記温度センサ４と温度設定器
３６と増幅判別器３７とからなる便座温度検出手
段である。

上記構成において、前記蓋５が閉じられてかつ
便器１が設置されている室内に使用者が居ない、
つまり衛生洗浄装置不使用の状態では、前記赤外
センサ１９に入力はなく、前記室内人体検出手段
２７からの出力はLowである。従つて前記乾燥
手段２６および前記便座暖房手段は付勢されず、
採暖のためのエネルギー消費は零である。このと
き、前記湯沸手段１０は洗浄水を適温に保持して
いる。今、室内に人が入ると即座に前記赤外セン
サ１９によつて検出され、前記室内人体検出手段
２７の出力がHiに変わる。このとき前記便座３
の温度が設定温度より低い場合には前記便座温度
検出手段３５の出力はLow、従つて前記インバ
ータ回路３０の出力はHiであり、かつ蓋閉検出
手段６の出力もHiであるので、前記アンドゲー
ト回路３３の出力がHiになり前記乾燥手段２６
が付勢されて前記温風吹出し口１３から温風１８
が吹出し、前記温風は前記蓋５の裏側に当たつて
から前記蓋５と前記便座３との間隙を通る。従つ
て前記便座３の上部は流れ出る温度によつて急速
に加熱される。同時に前記アンドゲート回路３２
の出力もHiになるので、前記便座暖房手段２９
も付勢され便座を内部からも加熱する。この間の
便座３の温度は前記便座温度検出手段３５によつ
て監視され、前記インバータ回路３０の出力を
Hi−Lowすることによつて過熱を防ぎ設定温度
に保つ。使用者が入室後、室のドアを開閉し下着
を下ろす等の準備作業の後、前記蓋５を上げよう
とすると、前記クラツチ７の作用で楽に開けるこ
とができ、開くと前記蓋閉検出手段６の出力が
Lowになつて前記乾燥手段２６が付勢される。
この時前記便座暖房手段２９は付勢され続け、便
座１を設定温度に維持する。使用者は便座３に座
つた後、洗浄を行いたい場合には前記洗浄スイツ
チ２４によつて前記洗浄手段１２を付勢し洗浄を
行うことができる。洗浄後乾燥を行う場合には前
記乾燥スイツチ２５によつていつでも前記乾燥手
段２６を付勢し、乾燥を行うことができる。洗
浄・乾燥を終了して使用者が室を出ると、前記赤
外センサ１９への入力が無くなるので、前記室内
人体検出手段２７の出力がLowに変わり、前記
インバータ回路３１の出力がHiになつて短時間
前記蓋閉手段８を付勢し、自動的に前記蓋５を閉
状態にする。同時に前記便座暖房手段２９も消勢
され、採暖エネルギー使用状態が零のもとの状態
に房り、次の衛生洗浄装置の使用を待機するもの
である。

この構成によれば、使用者が入室した瞬間に便
座の表面が温風によつて加熱されるので、使用者
の尻部に接触する便座表面の加熱立上りが急速に
行われ、従つて使用者が入室してから室のドアを
開閉し下着を下ろし終えるまでの５秒程度の必要
準備時間中に設定温度まで上昇させることも可能
であり、使用者は座つた瞬間から適温の便座を使
用できるものである。しかも便座を急速に暖める
温風は、従来からの衛生洗浄装置が有する乾燥手
段を付勢して得る構成なので、機構は特に複雑に
ならず、安価に達成できる。また使用者が便座１
に座るために蓋を開けると蓋閉検出手段の作用に
よつて自動的に乾燥手段が消勢され、従つて不用
時に温風が吹出すことは無く、また乾燥時には乾
燥スイツチによつていつでも自由に乾燥手段を付
勢することができる。また、使用者が便座３に座
つているときは、便座暖房手段によつて引き続き
採暖することができる。また、使用者が衛生洗浄
装置を使い終えて室から出ると、自動的に乾燥手
段および便座暖房手段の付勢が停止されるので、
同装置を使用していないときの採暖用の電力消費
は零であり、省エネルギー効果が大きい。しかも
蓋５が自動的に閉じて次の入室のときに間違いな
く温風による便座１の急速加熱ができる状態に待
機しているので、使用者は毎使用時快適な暖を得
ることができる。なお、蓋５が閉じた状態におい
て、便座３の上部と蓋５とで温風が通り易い空洞
が形成されるような蓋５の構造にすることによつ
て、さらには蓋閉時の温風吹出し方向が更に上を
向くように可動ダンパーを設けることによつて便
座表面の加熱はさらに急速に行われ、即熱効果が
向上する。また、便座３に座つた瞬間の冷感のみ
を防止することで満足感を得ることができる人に
とつては、便座暖房手段は不要であり、また、大
きな容量のヒータを使用しない場合には過熱の発
生が少ないので便座温度検出手段によるヒータの
制御も不要であり、さらには、衛生洗浄装置使用
後に忘れずに蓋を閉めることができる場合には、
蓋閉手段は特に必要とせず、この例に限定される
ものではない。

発明の効果 本発明の衛生洗浄装置は、温風乾燥手段を有す
る従来の衛生洗浄装置に、蓋が閉じていることを
検出する蓋閉検出手段と、便器が設置された室内
の人体を検出する室内人体検出手段と、前記蓋閉
検出手段と前記室内人体検出手段とのアンド信号
により乾燥手段を付勢する乾燥付勢手段を設け、
使用者が室内に入ると乾燥手段が自動的に付勢さ
れて蓋と便座との間隙を温風が通ることにより便
座の表面を急速に加熱するとともに使用者が下着
を下ろして蓋を開けると自動的に乾燥手段が消勢
されて、使用者は暖い便座の上に座つて衛生洗浄
装置を使用でき、しかも使用後は蓋を閉じて室を
出ることにより次の使用時には上記動作をくり返
すことができるので、 １ 便座を暖める温風は、従来からの衛生洗浄装
置が有する乾燥手段を付勢して得るので、機構
は特に複雑にならず、従来便座暖房のなかつた
衛生洗浄装置でも安価に便座暖房が行える。

２ 採暖に要する電気エネルギーの消費は使用者
入室してから蓋を開けるまでの短期間に限ら
れ、従つて省エネルギー効果が極めて高い。

３ 便座表面を流れ速度の速い乾燥温風で直接加
熱するので、尻部が接触する部分の便座上部の
加熱立上りが極めて速く、かつ使用者が入室し
た瞬間から乾燥温風が吹出すので、使用者が室
のドアを開閉して下着を下げる等の前作業から
蓋を開けるまでの短い準備期間中に便座上部を
暖くすることが可能であり、従つて使用者は座
つた瞬間に快適な暖感覚を得ることができる。

等の特長を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の衛生洗浄装置の一実施例にお
ける上面構成図、第２図は同装置の側面構成図、
第３図は同装置の制御ブロツク図である。 ３……便座、５……蓋、６……蓋閉検出手段
（マイクロスイツチ）、９……洗浄ノズル、１２…
…ポンプ、１３……温風吹出し口、１４……フア
ン、１５……モータ、１６……ヒータ、１９……
赤外センサ、２２……付勢手段、２６……乾燥手
段、２７……室内人体検出手段、３３……アンド
ゲート回路。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 便器上に設置する便座と、前記便座の上部を
   覆う蓋と、前記便座に座つた人体の局部に洗浄水
   を放出して洗浄する洗浄手段と、洗浄水で漏れた
   人体局部に温風を放出して乾燥させる乾燥手段
   と、人体局部乾燥を行うための乾燥スイツチと、
   前記蓋が閉じていることを検出する蓋閉検出手段
   と、便器が設置された室内の人体を検出する室内
   人体検出手段と、前記蓋閉検出手段と前記室内人
   体検出手段とのアンド信号により前記乾燥手段を
   付勢する乾燥付勢手段とを有する衛生洗浄装置。