JP5522430B2 - 暖房便座装置 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、一般的に、暖房便座装置に関し、具体的には便器に設けられる便座を暖めることができる暖房便座装置に関する。
暖房便座装置は、例えば、便座を暖めるヒータを有する。ヒータは、通電されることにより発熱し、使用者が着座する便座を暖めることができる。このような暖房便座装置では、便蓋の表面あるいは便座の下面からの放熱を抑制して省エネルギー化を図るために種々の提案がなされている。
例えば、便蓋および便座の少なくともいずれかに断熱材を設けた暖房便座装置がある(特許文献1および2)。特許文献1および2に記載されたような断熱性をより高めた暖房便座装置は、断熱材を備えているため、便座および便蓋から外部へ放熱されることにより生ずるエネルギーロスを抑制することができる。
しかしながら、便蓋と便座との間の空間は、外部と断熱されている、すなわち外部への放熱が抑制されているため、その空間内に蓄積される熱量は、より大きくなる。そして、便蓋と便座との間の空間内に蓄積された熱は、その空間内における熱の移動や対流により鉛直方向の上方へ集中する。その結果、便蓋と便座との間の空間内のより高い部分(空間)に熱溜まりが発生し、便座の着座面の高低差に応じて着座面の温度むらが生ずる場合がある。着座面の温度むらが生ずると、便座の座り心地が悪くなったり、エネルギーが無駄になるという問題がある。
特開2000−126087号公報 特開2000−83862号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、便座の着座面の温度むらを抑制することができる、あるいは省エネルギー化を図ることができる暖房便座装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、着座可能な着座面と、前記着座面を加熱する第1の発熱部と、を有する便座と、前記着座面を加熱する第2の発熱部を有し、閉じた際に前記便座の上方を覆う便蓋と、前記便蓋の開閉に応じて前記第1および第2の発熱部の通電量を制御する制御部と、を備え、前記着座面は、略水平な水平領域と、前記水平領域から上方に延在した傾斜領域と、を有し、前記制御部は、前記便蓋が閉じると、前記第2の発熱部に通電し前記着座面を加熱して前記着座面を第1の温度に維持する制御を実行し、前記便蓋が開くと、前記第2の発熱部の通電を停止または通電量を低減し、前記第1の発熱部に通電し前記着座面を加熱して、前記着座面を第1の温度よりも高い第2の温度に維持する制御を実行し、前記水平領域の上方における単位面積あたりの第2の発熱部の発熱量は、前記傾斜領域の上方における単位面積あたりの第2の発熱部の発熱量よりも大きいことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、便蓋の開閉に応じて着座面を加熱する発熱部の通電や通電量を変更するため、便蓋と便座との間の空間に熱が蓄積されても、便座の着座面に温度むらが生ずることを抑制することができる。また、これにより、保温状態での待機電力を削減することができ、省エネルギー化を図ることができる。さらに、着座面の温度むらを抑制することができるため、快適な座り心地を得ることができる。
また、この暖房便座装置によれば、水平領域にはより大きい熱量を供給し、水平領域よりも高い位置にある傾斜領域にはより小さい熱量を供給する。そのため、着座面の高低差に応じて生ずる温度むらを抑制することができる。
また、第の発明は、第の発明において、前記水平領域の上方における単位面積あたりの第2の発熱部のヒータ配線密度は、前記傾斜領域の上方における単位面積あたりの第2の発熱部のヒータ配線密度よりも大きいことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、便蓋が有する第2の発熱部の単位面積あたりの配線密度を調整することにより着座面への供給熱量を調整するため、第2の発熱部の配置形態を簡素化することができる。
また、第の発明は、第の発明において、前記第2の発熱部は、前記便蓋が閉じた状態において、前記水平領域の上方に配設された第1のヒータと、前記傾斜領域の上方に配設された第2のヒータと、を有し、前記制御部は、前記第1および第2のヒータの通電量をそれぞれ制御することにより、前記傾斜領域よりも前記水平領域の上方における単位面積あたりの第2の発熱部の発熱量を大きくする制御を実行可能とすることを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、第1および第2のヒータを使い分けることにより、傾斜領域と水平領域に供給する熱量を別々に制御することができ、水平領域にはより大きい熱量を供給し、水平領域よりも高い位置にある傾斜領域にはより小さい熱量を供給することを可能とする。そのため、着座面の高低差に応じて生ずる温度むらを抑制することができる。
また、第の発明は、第の発明において、前記第2の発熱部は、前記便蓋が閉じた状態において、前記水平領域および傾斜領域の両領域の上方に配設されたメインヒータと、前記傾斜領域の上方には配設されず前記水平領域の上方に配設されたサブヒータと、を有し、前記制御部は、前記サブヒータの通電量を制御することにより、前記傾斜領域よりも前記水平領域の上方における単位面積あたりの第2の発熱部の発熱量を大きくする制御を実行可能とすることを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、メインヒータおよびサブヒータを使い分けることにより、傾斜領域と水平領域に供給する熱量を別々に制御することができ、水平領域にはより大きい熱量を供給し、水平領域よりも高い位置にある傾斜領域にはより小さい熱量を供給することを可能とする。そのため、着座面の高低差に応じて生ずる温度むらを抑制することができる。
また、第の発明は、第1〜第のいずれか1つの発明において、前記便座は、前記着座面と前記第1の発熱部との間に設けられ弾力性を有するクッション部をさらに有し、前記制御部は、前記便蓋が閉じると、前記第1の発熱部に通電して前記着座面を内部からも加熱することを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、便座はクッション部を有するため、より快適な座り心地を得ることができる。また、便蓋が閉じた待機状態では、便座の着座面およびクッション部は、便座の内部および外部から加熱される。そのため、便蓋が開いた後に、着座面の温度が低下することを抑制することができ、また座り心地が低下することを抑制することができる。
また、第の発明は、第1の発明において、前記制御部は、便蓋が閉じると、前記着座面の温度が前記第1の温度に接近するまで前記第2の発熱部に通電し高出力で発熱させた後、前記第2の発熱部の通電量を低減させることにより、前記着座面の温度を均一にする制御を実行することを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、便蓋が閉じたときに着座面の温度が低下していても、便蓋が閉じた後に便座を外部から高出力で加熱し、その後に着座面を保温するため、着座面の温度をより早く待機温度に接近させることができる。また、便座を連続的に使用した場合でも、快適な座り心地を得ることができる。
本発明の態様によれば、便座の着座面の温度むらを抑制することができる、あるいは省エネルギー化を図ることができる暖房便座装置が提供される。
本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。 本実施形態にかかる暖房便座装置の断面を表す断面模式図である。 本実施形態にかかる暖房便座装置の動作の概要を説明するためのタイムチャートである。 本実施形態の比較例にかかる暖房便座装置の動作の概要を説明するためのタイムチャートである。 本実施形態の第2の発熱部の配置形態について説明するための平面模式図である。 第2の発熱部の配置形態の具体例を表す平面模式図である。 第2の発熱部の配置形態の他の具体例を表す平面模式図である。 第2の発熱部の配置形態のさらに他の具体例を表す平面模式図である。 第2の発熱部の配置形態のさらに他の具体例を表す平面模式図である。 本具体例にかかる暖房便座装置の動作を例示するタイムチャートである。 第2の発熱部の配置形態のさらに他の具体例を表す平面模式図である。 本具体例にかかる暖房便座装置の動作を例示するタイムチャートである。 本実施形態にかかる暖房便座装置の動作の他の具体例を表すタイムチャートである。 本実施形態の便座の具体例を表す断面模式図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。
図2は、本実施形態にかかる暖房便座装置の断面を表す断面模式図である。
なお、図2は、図1に表したA−A断面図に相当する。
図1に表したトイレ装置は、洋式腰掛便器500と、その上に設けられた暖房便座装置100と、を備える。暖房便座装置100は、暖房便座機能部400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、暖房便座機能部400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。つまり、便座200と便蓋300とは、図2に表した回動軸401において軸支され、その回動軸401を中心として回動できる。そして、便蓋300は、図1に表したように、閉じた状態において便座200の上方および側方を覆っている。
便座200は、図2に表したように、第1の発熱部210を内蔵する。この第1の発熱部210は、通電されて発熱することにより、便座200を暖めることができる。つまり、第1の発熱部210は、便座の表面(着座面)に伝えられる熱を発生する。なお、図2に表した便座200では、1本の第1の発熱部210が往復するように設置されているが、第1の発熱部210の設置形態や設置数はこれだけに限定されず、例えば2本以上の複数の第1の発熱部210が設置されていてもよい。つまり、第1の発熱部は、便座200の着座面を暖めることができるように配置されていればよい。
また、便座200は、図2に表したように、その着座面がほぼ水平な水平領域201と、その着座面が回動軸401に向かって上方に延在した傾斜領域203と、を有する。すなわち、傾斜領域203は、水平領域201から上方に延在し、水平領域201よりも水平方向に対する傾斜角度が大きく、より上方に傾いている。あるいは、傾斜領域203は、水平領域201よりも高くなっており、回動軸401に向かって上方に延在している。
便蓋300は、便座200と同様に、第2の発熱部310を内蔵する。この第2の発熱部310は、通電されて発熱することにより、便座200の表面(着座面)を暖めることができる。つまり、第2の発熱部310は、便蓋300が閉じた状態、すなわち便蓋300が便座200の上方を覆った状態において、便座200の着座面に放熱される熱を発生する。なお、図2に表した便蓋300では、1本の第2の発熱部310が往復するように設置されているが、第2の発熱部310の設置形態や設置数はこれだけに限定されるわけではない。第2の発熱部310の設置形態や設置数については、後に詳述する。
第1および第2の発熱部210、310としては、いわゆる「チュービングヒータ」や、「シースヒータ」、「ハロゲンヒータ」、「カーボンヒータ」などを用いることができる。また、第1および第2の発熱部210、310の形状は、ワイヤ状やシート状やメッシュ状などのいずれであってもよい。
暖房便座機能部400は、便蓋300の開閉を検知する便蓋開閉検知センサ430を有する。便蓋開閉検知センサ430としては、例えば、ホールICまたはマイクロスイッチなどを用いることができる。そのため、便蓋開閉検知センサ430は、暖房便座機能部400に内蔵されていることに限定されず、便蓋300のヒンジ部や暖房便座機能部400の外部に設けられていてもよい。つまり、便蓋開閉検知センサ430は、便蓋300の開閉を検知できればよい。
また、暖房便座機能部400は、図2に表したように、第1および第2の発熱部210、310の通電量(加熱量)を制御する制御部410を有する。そして、制御部410は、便蓋開閉検知センサ430からの検知信号に基づいて、すなわち便蓋300の開閉動作に基づいて、第1および第2の発熱部210、310の通電量を制御できる。
なお、暖房便座機能部400は、便座200への使用者の着座を検知する図示しない着座検知手段と、便座200の前方にいる使用者を検知する図示しない人体検知手段と、トイレ室への使用者の入室を検知する図示しない入室検知手段と、を有していてもよい。これによれば、例えば、制御部410は、入室検知手段がトイレ室への使用者の入室を検知すると、あるいは人体検知手段が便座200の前方にいる使用者を検知すると、第1および第2の発熱部210、310の通電量を制御し便座200の着座面を暖めることができる。
このような図示しない着座検知手段、人体検知手段、および入室検知手段としては、例えば、焦電センサや、測距センサなどの赤外線投光式のセンサ、超音波センサ、またはドップラーセンサなどのマイクロ波センサなどを用いることができる。なお、焦電センサは、使用者の接近を迅速に検知できる点で入室検知手段により適している。また、測距センサは、使用者がトイレ室の中に居るか否かなどを検知する人体検知手段により適している。ただし、本発明においては、着座検知手段、人体検知手段、および入室検知手段は、必ずしも設けなくてもよい。
また、暖房便座機能部400は、衛生洗浄装置としての機能部を併設してもよい。すなわち、暖房便座機能部400は、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて水を噴出する図示しない吐水ノズルを有する衛生洗浄機能部などを適宜備えてもよい。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
またさらに、暖房便座機能部400には、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる「温風乾燥機能」や「脱臭ユニット」や「室内暖房ユニット」などの各種の機構が適宜設けられていてもよい。ただし、本発明においては、衛生洗浄機能部やその他の付加機能部は必ずしも設けなくてもよい。
次に、本実施形態にかかる暖房便座装置100の動作の概要について、図面を参照しつつ説明する。
図3は、本実施形態にかかる暖房便座装置の動作の概要を説明するためのタイムチャートである。
また、図4は、本実施形態の比較例にかかる暖房便座装置の動作の概要を説明するためのタイムチャートである。
まず、使用者が便座200の着座面に着座しているときには、制御部410は、便座200の着座面への供給熱量を制御し、着座面の温度を適温(目標温度:第2の温度)に保温している(時間t1よりも前)。続いて、使用者が便座200から離座して、便蓋300が閉じると、すなわち便蓋開閉検知センサ430が便蓋300の閉止を検知すると、制御部410は、着座面への供給熱量を低下させる(時間t1)。なお、便蓋300の閉止動作については、使用者が離座した後に手動により便蓋300を閉じてもよいし、使用者がトイレ室から退室してから所定時間が経過した後に、制御部410が制御信号により便蓋300を閉じてもよい。このとき、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、図3に表したように、熱溜まりが少ない部分への供給熱量(実線)よりも熱溜まりが多い部分への供給熱量(破線)をより小さくする。
ここで、熱溜まりについて説明する。便蓋300は、図1および図2に関して前述したように、閉じた状態において便座200の上方および側方を覆っている。そのため、便座200および便蓋300が閉じた状態では、便座200の着座面に供給した熱は、便蓋300と便座200との間の空間から外部へ逃げにくい。つまり、便蓋300と便座200との間の空間から外部への放熱は、抑制されている。これにより、便蓋300と便座200との間の空間に蓄積される熱量は、便蓋300が開いている場合や、便蓋300が便座200の側方などを覆っていない場合などよりも大きい。
一方、本実施形態の便座200は、図1および図2に関して前述したように、着座面がほぼ水平な水平領域201と、着座面が回動軸401に向かって上方に傾斜した傾斜領域203と、を有する。そのため、便蓋300と便座200との間の空間に蓄積された熱は、その空間内における熱の移動や対流により鉛直方向の上方へ集中する。つまり、便蓋300と便座200との間の空間に蓄積された熱は、水平領域201から傾斜領域203に向かって移動し、その傾斜領域203をかけ上がる。そうすると、図2に表したように、熱溜まり部110が発生する。これによれば、便座200の高低差に応じて、着座面の温度むらが生ずる場合がある。
これについて、図面を参照しつつさらに説明する。図4に表したように、便蓋300が閉じたときに、制御部410が着座面への供給熱量を一様に低下させると(時間t1)、熱溜まり部110に隣接した着座面の温度は上昇し、一方で、熱溜まり部110から離間した着座面の温度は低下する場合がある。つまり、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面の温度は、熱溜まり部110の熱と、供給された熱と、により上昇する。一方、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面の温度は、供給熱量が低下したことにより低下する。
また、便蓋300が閉じているため、便蓋300と便座200との間の空間に蓄積された熱は、その空間の外部に放熱されにくい。そのため、図4に表したように、制御部410が着座面への供給熱量を一様に低下させた場合でも、熱溜まり部110に隣接した着座面と、熱溜まり部110から離間した着座面と、の温度は、全体としてあまり低下しない。
なお、図4に表した着座面の温度は一例にすぎず、熱溜まり部110に隣接した着座面と、熱溜まり部110から離間した着座面と、の温度は、全体として低下する場合もある。また、熱溜まり部110に隣接した着座面であっても、箇所によっては、図4に表したようには上昇せずに低下する場合もある。いずれにせよ、図4に表したように、便蓋300が閉じたときに、制御部410が着座面への供給熱量を一様に低下させると、便座200の高低差に応じて着座面の温度むらが生ずる場合がある。着座面の温度むらが生ずると、便座の座り心地が悪くなったり、エネルギーが無駄になるおそれがある。
これに対して、本実施形態の暖房便座装置100は、図3に表したように、熱溜まりが少ない部分への供給熱量よりも熱溜まりが多い部分への供給熱量の方をより小さくする。これによれば、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面の温度は、熱溜まり部110の熱と、熱溜まりが少ない部分への供給熱量よりも低下された供給熱量と、により待機温度(第1の温度)に保温される。一方、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面の温度は、熱溜まりが多い部分への供給熱量よりも大きい供給熱量により待機温度に保温される。
そのため、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、便蓋300が閉じた後に熱溜まり部110が発生した場合であっても、便座200の着座面に温度むらが生ずることを抑制できる。そして、着座面の温度を待機温度近傍に維持することができる。これによれば、暖房便座装置100の省エネルギー化を図ることができる。
次に、熱溜まりが少ない部分への供給熱量よりも熱溜まりが多い部分への供給熱量をより小さくする具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図5は、本実施形態の第2の発熱部の配置形態について説明するための平面模式図である。
本実施形態の便蓋300では、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面の上方における単位面積あたりの第2の発熱部310の発熱量(供給熱量)は、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面の上方における単位面積あたりの第2の発熱部310の発熱量(供給熱量)よりも大きい。より具体的には、熱溜まりがより少ない部分には第2の発熱部310が密集して配置され、一方で、熱溜まりがより多い部分には第2の発熱部310が疎ら(まばら)に配置されている。つまり、第2の発熱部310は、熱溜まりがより少ない部分には、第2の発熱部310の単位面積あたりの配線密度が大きくなるように配置され、一方で、熱溜まりがより多い部分には、第2の発熱部310の単位面積あたりの配線密度が小さくなるように配置されている。
あるいは、図5に表したように、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面の上方に位置する便蓋300の部分301には、第2の発熱部310が密集して配置され、一方で、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面の上方に位置する便蓋300の部分303には、第2の発熱部310が疎らに配置されている。つまり、第2の発熱部310は、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面の上方に位置する便蓋300の部分301には、第2の発熱部310の単位面積あたりの配線密度が大きくなるように配置され、一方で、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面の上方に位置する便蓋300の部分303には、第2の発熱部310の単位面積あたりの配線密度が小さくなるように配置されている。
これによれば、制御部410が第2の発熱部310に通電すると、第2の発熱部310は、第2の発熱部310がより密集して配置された部分301において、便座200の着座面により大きい熱量を供給できる。一方、第2の発熱部310は、第2の発熱部310より疎らに配置された部分303において、便座200の着座面により小さい熱量を供給できる。なお、便座200の内蔵された第1の発熱部210は、便蓋300に内蔵された第2の発熱部310のようには必ずしも疎密に配置されていなくともよく、略均一に配置されていてもよい。
そして、便蓋300が開くと、すなわち便蓋開閉検知センサ430が便蓋300の開放を検知すると、制御部410は、第2の発熱部310の通電を停止あるいは通電量を低減し、第1の発熱部210に通電することにより、便座200の着座面を内部から加熱し、その着座面の温度を待機温度(第1の温度)よりも高い目標温度(第2の温度)に保温する。一方、便蓋300が閉じると、制御部410は、第2の発熱部310に通電することにより、便座200の着座面を外部から加熱し、その着座面の温度を待機温度に保温する。これによれば、便座200の着座面に温度むらが生ずることを抑制することができる。
次に、図5に関して説明した第2の発熱部の配置形態の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図6は、第2の発熱部の配置形態の具体例を表す平面模式図である。
なお、図6においては、便蓋300に内蔵された第2の発熱部310についても、説明の便宜上、実線にて表している。これは、後述する図7〜図9、および図11においても同様である。
本具体例では、第2の発熱部310は、便蓋300の後方部よりも前方部において、より多く分岐している。つまり、第2の発熱部310は、便蓋300の前方に向かうにつれてより多く分岐している。これにより、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面の上方に位置する便蓋300の部分301には、第2の発熱部310の単位面積あたりの配線密度が大きくなるように配置されている。一方、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面の上方に位置する便蓋300の部分303には、第2の発熱部310の単位面積あたりの配線密度が小さくなるように配置されている。
図7は、第2の発熱部の配置形態の他の具体例を表す平面模式図である。
なお、図7(a)は、便蓋300を上方から眺めた上面模式図であり、図7(b)は、便蓋300を右側方から眺めた側面模式図である。
本具体例では、第2の発熱部310は、図7(a)に表したように、便座200の着座面の上方を往復するように配置されている。一方、便蓋300を側方から眺めると、第2の発熱部310は、図7(b)に表したように、便蓋300の後方部よりも前方部において、隣接した第2の発熱部310同士の間隔が小さくなるように配置されている。つまり、第2の発熱部310は、便蓋300の前方に向かうにつれて、隣接した第2の発熱部310同士の間隔が小さくなるように配置されている。
これにより、図6に関して前述した具体例と同様に、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面の上方に位置する便蓋300の部分301には、第2の発熱部310の単位面積あたりの配線密度が大きくなるように配置されている。一方、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面の上方に位置する便蓋300の部分303には、第2の発熱部310の単位面積あたりの配線密度が小さくなるように配置されている。
図8は、第2の発熱部の配置形態のさらに他の具体例を表す平面模式図である。
本具体例では、第2の発熱部310は、便蓋300を上方からみたときに、便蓋300の後方部よりも前方部において、隣接した第2の発熱部310同士の間隔が小さくなるように配置されている。つまり、第2の発熱部310は、便蓋300を上方からみたときに、便蓋300の前方に向かうにつれて、隣接した第2の発熱部310同士の間隔が小さくなるように配置されている。
これにより、図6および図7に関して前述した具体例と同様に、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面の上方に位置する便蓋300の部分301には、第2の発熱部310の単位面積あたりの配線密度が大きくなるように配置されている。一方、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面の上方に位置する便蓋300の部分303には、第2の発熱部310の単位面積あたりの配線密度が小さくなるように配置されている。
以上、図6〜図8に表した第2の発熱部の配置形態の具体例によれば、制御部410は、第2の発熱部310に通電することにより、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面により小さい熱量を供給できる。一方、制御部410は、第2の発熱部310に通電することにより、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面により大きい熱量を供給できる。これにより、便座200の着座面に温度むらが生ずることを抑制することができる。また、便蓋300に内蔵された第2の発熱部310の単位面積あたりの配線密度を調整することにより着座面への供給熱量を調整するため、第2の発熱部310の配置形態を簡素化することができる。
次に、第2の発熱部310が複数の系統を有する具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図9は、第2の発熱部の配置形態のさらに他の具体例を表す平面模式図である。
また、図10は、本具体例にかかる暖房便座装置の動作を例示するタイムチャートである。
本具体例においても、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面の上方における単位面積あたりの第2の発熱部310の発熱量(供給熱量)は、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面の上方における単位面積あたりの第2の発熱部310の発熱量(供給熱量)よりも大きい。また、図5〜図8に関して前述した具体例では、第2の発熱部310は、1つ系統(例えば、1本のヒータ)を有する場合を例に挙げて説明したが、本実施形態の便蓋300の内蔵された第2の発熱部310の配置形態は、これだけに限定されるわけではない。つまり、図5〜図8に関して前述した具体例では、1つの系統の発熱部の配置形態を便蓋300の部分301、303において異ならせることにより、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面により小さい熱量を供給し、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面により大きい熱量を供給する。
これに対して本具体例では、第2の発熱部310は、複数の系統を有し、制御部410は、その複数の系統の発熱部の通電量をそれぞれ制御する。これにより、制御部410は、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面により小さい熱量を供給し、水平領域201のような熱溜まり部110から離間着座面により大きい熱量を供給でき、特に、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面に供給する熱量と、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面に供給する熱量とを、別々に制御できる。
より具体的には、本具体例の発熱部310は、図9に表したように、熱溜まりがより少ない部分に配置された第1のヒータ311と、熱溜まりがより多い部分に配置された第2のヒータ313と、を有する。あるいは、本具体例の発熱部310は、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面の上方に位置する便蓋300の部分に配置された第1のヒータ311と、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面の上方に位置する便蓋300の部分に配置された第2のヒータ313と、を有する。
そして、本具体例にかかる暖房便座装置100の動作について説明すると、まず、便蓋300が開いた状態では、制御部410は、図10に表したように、第1および第2のヒータ311、313の通電を停止している(時間t1〜t2)。そのため、便座200の着座面の温度は低下する。このとき、使用者が便座200の着座面に着座していない場合には、着座面からの放熱が進むため、その着座面の温度はよりはやく低下する。一方、使用者が便座200の着座面に着座している場合でも、外気温度や外気との接触面積などの影響により、着座面の温度が低下することがある。
続いて、便蓋300が閉じると、制御部410は、第1および第2のヒータ311、313に通電し発熱させる(時間t2)。このとき、便蓋300が閉じた直後であって、熱溜まり部110は発生していないため、制御部410は、図10に表したように、第1のヒータ311の出力(供給熱量:実線)と第2のヒータ313の出力(供給熱量:破線)とが同じになるように、第1および第2のヒータ311、313の通電量を制御する。
これによれば、制御部410が第2の発熱部310(第1および第2のヒータ311、313)に通電することにより、第1のヒータ311と第2のヒータ313とは、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面と、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面と、に同じ程度の熱量を供給できる。また、便蓋300が閉じているため、便蓋300と便座200との間の空間に蓄積された熱は、その空間の外部に放熱されにくい。これにより、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面と、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面と、がほぼ同じ加熱勾配で加熱されるため、便座200の着座面を早期に待機温度に接近させることができる。
また、便蓋300が開いているときには、制御部410は、第1および第2のヒータ311、313の通電を停止しているため(時間t1〜t2)、便蓋300に内蔵された第2の発熱部310により供給される熱が無駄に放熱されることを抑制することができる。これにより、暖房便座装置100の省エネルギー化を図ることができる。
続いて、第2の発熱部310からの加熱によって次第に熱溜まり部110が発生するため、着座面の温度が待機温度に接近すると、制御部410は、第2のヒータ313の通電を停止し、第1のヒータ311の通電量を低下させる(時間t3)。これによれば、便座200の着座面の温度むらを抑制しつつ、発生した熱溜まり部110を利用して傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面を保温させて、その着座面の温度を待機温度の近傍に維持することができる。
図11は、第2の発熱部の配置形態のさらに他の具体例を表す平面模式図である。
また、図12は、本具体例にかかる暖房便座装置の動作を例示するタイムチャートである。
本具体例においても、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面の上方における単位面積あたりの第2の発熱部310の発熱量(供給熱量)は、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面の上方における単位面積あたりの第2の発熱部310の発熱量(供給熱量)よりも大きい。また、図9および図10に関して前述した具体例と同様に、第2の発熱部310は、複数の系統を有し、制御部410は、その複数の系統の発熱部の通電量をそれぞれ制御する。
より具体的には、本具体例の発熱部310は、図11に表したように、熱溜まりがより少ない部分およびより多い部分に配置されたメインヒータ315と、熱溜まりがより少ない部分に配置されたサブヒータ317と、を有する。あるいは、本具体例の発熱部310は、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面および傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面の上方に位置する便蓋300の部分に配置されたメインヒータ315と、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面の上方に位置する便蓋300の部分に配置されたサブヒータ317と、を有する。つまり、メインヒータ315は、着座面の略全体の上方に位置する便蓋300の部分に配置されている。あるいは、メインヒータ315は、便蓋300の周縁近傍に配置されている。
そして、本具体例にかかる暖房便座装置100の動作について説明すると、まず、便蓋300が開いた状態であって、使用者が着座していない状態では、制御部410は、図12に表したように、メインヒータ315およびサブヒータ317の通電を停止している(時間t1〜t2)。そのため、便座200の着座面の温度は低下する。このとき、図9および図10に関して前述したように、使用者が便座200の着座面に着座していない場合には、着座面からの放熱が進むため、その着座面の温度はよりはやく低下する。一方、使用者が便座200の着座面に着座している場合でも、外気温度や外気との接触面積などの影響により、着座面の温度が低下することがある。
続いて、便蓋300が閉じると、制御部410は、メインヒータ315およびサブヒータ317に通電し発熱させる(時間t2)。このとき、便蓋300が閉じた直後であって、熱溜まり部110は発生していないため、制御部410は、図12に表したように、サブヒータ317の出力(供給熱量:実線)とメインヒータ315の出力(供給熱量:破線)とが同じになるように、メインヒータ315およびサブヒータ317の通電量を制御する。
これによれば、制御部410が第2の発熱部310(メインヒータ315およびサブヒータ317)に通電することにより、サブヒータ317およびメインヒータ315は、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面および水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面に同じ程度の熱量を供給できる。また、便蓋300が閉じているため、便蓋300と便座200との間の空間に蓄積された熱は、その空間の外部に放熱されにくい。これにより、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面と、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面と、がほぼ同じ加熱勾配で加熱されるため、便座200の着座面を早期に待機温度に接近させることができる。
また、便蓋300が開いているときには、制御部410は、メインヒータ315およびサブヒータ317の通電を停止しているため(時間t1〜t2)、便蓋300に内蔵された第2の発熱部310により供給される熱が無駄に放熱されることを抑制することができる。これにより、暖房便座装置100の省エネルギー化を図ることができる。
続いて、第2の発熱部310からの加熱によって次第に熱溜まり部110が発生するため、着座面の温度が待機温度に接近すると、制御部410は、メインヒータ315の通電を停止し、サブヒータ317の通電量を低下させる(時間t3)。これによれば、便座200の着座面の温度むらを抑制しつつ、発生した熱溜まり110を利用して傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面を保温させて、その着座面の温度を待機温度の近傍に維持することができる。
以上、図9〜図12に表した第2の発熱部の配置形態の具体例によれば、第1および第2のヒータ311、313を使い分けることにより、あるいはメインヒータ315およびサブヒータ317を使い分けることにより、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面と、水平領域201のような熱溜まり部110にから離間した着座面と、に供給する熱量を制御できる。これにより、便座200の着座面に温度むらが生ずることを抑制することができる。また、第2の発熱部310により供給される熱が無駄に放熱されることを抑制することができるため、暖房便座装置100の省エネルギー化を図ることができる。
図13は、本実施形態にかかる暖房便座装置の動作の他の具体例を表すタイムチャートである。
前述したように、便蓋300が開いた状態では、便座200の着座面の温度は低下する、あるいは低下している。そのため、便蓋300が閉じると、制御部410は、第1および第2の発熱部210、310の両方に通電し、着座面の温度をより早く待機温度に接近させる(時間t1)。より具体的には、着座面の温度をより早く待機温度に接近させるために、制御部410は、第2の発熱部310に通電し、第2の発熱部310の出力を高出力あるいは最大出力とする(時間t1)。
このとき、前述した動作のように、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面により大きい熱量を供給すると、着座面の前端部の温度が待機温度よりも高くなる場合がある。そこで、本具体例の動作では、制御部410は、第1および第2の発熱部210、310の両方に通電して着座面を昇温させているときに、着座面の前端部と後端部との温度差ΔTを検知する。
なお、制御部410は、便座200の前端部近傍と後端部近傍とに設置された図示しないサーミスタなどの温度センサからの検知信号により、着座面の前端部と後端部との温度差ΔTを検知できる。あるいは、制御部410は、図示しない赤外線投光式のセンサなどの検知信号により、着座面の前端部と後端部との温度差ΔTを検知できる。
そして、制御部410は、温度差ΔTに基づき、着座面の前端部の温度が許容温度の上限よりも高くなると判断した場合には、第2の発熱部310の通電を停止あるいは通電量を低減し、第1の発熱部210により着座面を昇温させる(時間t2)。そして、熱溜まり部110が発生することにより着座面の後端部の温度が待機温度に接近すると、制御部410は、第1の発熱部210の通電を停止し、第2の発熱部310の通電を再開し、着座面の温度を待機温度近傍に維持する(時間t3)。これによれば、制御部410は、着座面の前端部の温度が許容温度の上限よりも高くなることを抑制しつつ、着座面の温度を待機温度に接近させ、その待機温度近傍に維持することができる。また、便座200の着座面に温度むらが生ずることを抑制することができ、着座面の温度を略均一にすることができる。
次に、本実施形態の便座200の具体例について、図面を参照しつつ説明する。
図14は、本実施形態の便座の具体例を表す断面模式図である。
なお、図14は、図1に表したB−B断面図に相当する。
便座200は、基材230と、弾力性(クッション性)を有するクッション部240と、クッション部240の上面や側面を覆う表面部250と、第1の発熱部210の上に隣接して設けられた熱伝導体260と、基材230の内部に設けられた断熱材220と、を有する。基材230は、上板231と底板233とを有する。但し、基材230は、一体的に形成されていてもよい。また、表面部250の表面は、着座面として機能する。なお、本願明細書において「弾力性(クッション性)」とは、荷重を受けて圧縮変形したり、荷重を受けて厚みが変化する性質をいうものとする。
基材230は、例えばPP(polypropylene:ポリプロピレン)等の樹脂から形成されている。熱伝導体260としては、例えばアルミシートやカーボンシートなどが挙げられる。クッション部240は、基材230よりも柔らかい材料により形成され、使用者が便座200に着座すると、その体重に応じて変形して体重を分散させる。そして、制御部410は、便蓋300が閉じると、第1の発熱部210に通電し、便座200の着座面を内部からも加熱する。
本具体例の便座200によれば、クッション部240は、基材230の上に設けられクッション性を有するため、使用者が便座200に座ったときの座り心地を向上させることができる。また、断熱材220は、便座200の下への放熱を抑制できる。つまり、本具体例の便座200は、クッション部を有するため、より快適な座り心地を得ることができる。また、便蓋300が閉じた待機状態では、便座200の内部に設けられた断熱材220は、第1および第2の発熱部210、310から加熱され、その熱が放熱することを抑制できる。そのため、本具体例の便座200は、便蓋300が開いた後に、着座面の温度が低下することを抑制でき、座り心地が低下することを抑制できる。
以上説明したように、本実施形態によれば、制御部410は、第2の発熱部310に通電することにより、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面により小さい熱量を供給し、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面により大きい熱量を供給できる。また、制御部410は、第1および第2のヒータ311、313を使い分けることにより、あるいはメインヒータ315およびサブヒータ317を使い分けることにより、傾斜領域203のような熱溜まり部110に隣接した着座面により小さい熱量を供給し、水平領域201のような熱溜まり部110から離間した着座面により大きい熱量を供給できる。これにより、便座200の着座面に温度むらが生ずることを抑制することができる。また、第2の発熱部310により供給される熱が無駄に放熱されることを抑制することができるため、暖房便座装置100の省エネルギー化を図ることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便座200や便蓋300などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや第1および第2の発熱部210、310の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
100 暖房便座装置、 110 熱溜まり部、 200 便座、 201 水平領域、 203 傾斜領域、 210 第1の発熱部、 220 断熱材、 230 基材、 231 上板、 233 底板、 240 クッション部、 250 表面部、 260 熱伝導体、 300 便蓋、 301、303 便蓋の部分、 310 第2の発熱部、 311 第1のヒータ、 313 第2のヒータ、 315 メインヒータ、 317 サブヒータ、 400 暖房便座機能部、 401 回動軸、 410 制御部、 430 便蓋開閉検知センサ、 500 洋式腰掛便器

Claims (6)

  1. 着座可能な着座面と、前記着座面を加熱する第1の発熱部と、を有する便座と、
    前記着座面を加熱する第2の発熱部を有し、閉じた際に前記便座の上方を覆う便蓋と、
    前記便蓋の開閉に応じて前記第1および第2の発熱部の通電量を制御する制御部と、
    を備え、
    前記着座面は、略水平な水平領域と、前記水平領域から上方に延在した傾斜領域と、を有し、
    前記制御部は、
    前記便蓋が閉じると、前記第2の発熱部に通電し前記着座面を加熱して前記着座面を第1の温度に維持する制御を実行し、
    前記便蓋が開くと、前記第2の発熱部の通電を停止または通電量を低減し、前記第1の発熱部に通電し前記着座面を加熱して、前記着座面を第1の温度よりも高い第2の温度に維持する制御を実行し、
    前記水平領域の上方における単位面積あたりの第2の発熱部の発熱量は、前記傾斜領域の上方における単位面積あたりの第2の発熱部の発熱量よりも大きいことを特徴とする暖房便座装置。
  2. 前記水平領域の上方における単位面積あたりの第2の発熱部のヒータ配線密度は、前記傾斜領域の上方における単位面積あたりの第2の発熱部のヒータ配線密度よりも大きいことを特徴とする請求項記載の暖房便座装置。
  3. 前記第2の発熱部は、前記便蓋が閉じた状態において、前記水平領域の上方に配設された第1のヒータと、前記傾斜領域の上方に配設された第2のヒータと、を有し、
    前記制御部は、前記第1および第2のヒータの通電量をそれぞれ制御することにより、前記傾斜領域よりも前記水平領域の上方における単位面積あたりの第2の発熱部の発熱量を大きくする制御を実行可能とすることを特徴とする請求項記載の暖房便座装置。
  4. 前記第2の発熱部は、前記便蓋が閉じた状態において、前記水平領域および傾斜領域の両領域の上方に配設されたメインヒータと、前記傾斜領域の上方には配設されず前記水平領域の上方に配設されたサブヒータと、を有し、
    前記制御部は、前記サブヒータの通電量を制御することにより、前記傾斜領域よりも前記水平領域の上方における単位面積あたりの第2の発熱部の発熱量を大きくする制御を実行可能とすることを特徴とする請求項記載の暖房便座装置。
  5. 前記便座は、前記着座面と前記第1の発熱部との間に設けられ弾力性を有するクッション部をさらに有し、
    前記制御部は、前記便蓋が閉じると、前記第1の発熱部に通電して前記着座面を内部からも加熱することを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の暖房便座装置。
  6. 前記制御部は、便蓋が閉じると、前記着座面の温度が前記第1の温度に接近するまで前記第2の発熱部に通電し高出力で発熱させた後、前記第2の発熱部の通電量を低減させることにより、前記着座面の温度を均一にする制御を実行することを特徴とする請求項1記載の暖房便座装置。
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