JP5862921B2 - 暖房便座装置 - Google Patents
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Description
また、この暖房便座装置によれば、着座動作検知部が、通常、暖房便座に用いられている洗浄開始許可を判定する機能許可着座検知部を兼ねた構造となっているので、センサを複数設ける必要がなく、便座に着座する使用者に対する最適位置に一つのセンサを設けること可能となり、設置位置の違いによる着座精度の違いを無くすこともできる。
また、この暖房便座装置によれば、確実に誘導加熱コイルから発生する磁界が使用者へ及ぼす影響を無くした状態で、使用者に着座してもらうことができる。すなわち、通常の暖房便座の機能許可着座検知部は、使用者が一定時間の着座した状態を検知して、着座したと判定している。その理由は、着座動作検知部の投影面積等が小さく検知しにくい子供や、トイレブース及び便座装置の掃除の際など、短時間の着座検知と同時に便座装置に付属するリモコン等の洗浄開始スイッチを押圧した場合の誤洗浄を防止するためである。しかし、本暖房便座装置では、着座動作検知部において動作周期が短くなっているので、使用者が着座完了した後での判断ではなく、着座動作、すなわち着座直前を検知することができる。したがって、誘導加熱コイルから発生する磁界が使用者へ及ぼす影響を確実に無くした状態で、使用者に着座してもらうことができるようになる。
第8の発明は、第1〜7のいずれか1つの発明において、前記着座動作検知部の1回当たりの動作時間は、前記機能許可着座検知部の1回当たりの動作時間よりも短いことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、センサの寿命を延ばすことができる。
第9の発明は、第1〜8のいずれか1つの発明において、前記人体検知部が前記人体の存在を検知する前における前記センサの動作周期は、前記人体検知部が前記人体の存在を検知した後における前記センサの動作周期よりも長いことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、複数のセンサを設けることなく1つのセンサで動作周期を変更することができる。また、便座に着座する使用者に対して最適な位置にセンサを設けることができ、設置位置の違いによる着座検知精度の違いをなくすことができる。
図1は、本実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する模式的斜視図である。
図2は、本実施の形態にかかる暖房便座装置を表す模式図で、(a)は、暖房便座装置を上方から眺めた模式的平面図、(b)は、(a)に表した切断面A−Aにおける模式的断面図である。なお、図2(b)においては、説明の関係上、閉じた状態の便蓋も表されている。
入室検知センサ441は、例えば焦電センサであり、使用者がトイレルームに入ったことを検知する(人体検知部)。ケーシング400内には便蓋300を開閉する便蓋開閉装置(図示せず)が設けられている。すなわち、入室検知センサ441によって使用者の入室を検知すると、一定時間経過後に便蓋開閉装置が動作して、便蓋300を自動的に開ける。
なお、便蓋300は、上記のように自動的に開閉する場合のほか、使用者の手動や使用者のボタン操作によっても開閉可能である。
これらの各種機能のうち、使用者が便座200に着座したあとで動作可能にすべきものは、機能許可着座センサ443から検知した旨の信号が出力された場合に動作可能になる。
すなわち、図3に表したように、本実施形態に係る暖房便座装置100においては、便座200に設けられた構成と、便蓋300に設けられた構成と、ケーシング400に設けられた構成と、を備える。
便座200には、例えば高周波電源装置220、発熱部231、誘導加熱コイル222及び温度センサ240が設けられる。
なお、本実施形態では、高周波電源装置220を便座200内に設けているが、ケーシング400内に設けてもよい。
便蓋300には、磁界漏れ抑制手段である磁気シールド310が設けられる。
先ず、ステップS101に表したように、制御部410は、入室検知センサ441による使用者のトイレ室内へ入室検知の有無を判断する。入室検知センサ441が使用者の入室を検知すると、ステップS102に表したように、制御部410は、第1の昇温制御を実行する。第1の昇温制御では、誘導加熱コイル222への高周波電流の供給を開始し、その供給を供給開始から高周波電流を第1の時間以内、行う。
一方、使用者の着座動作を検知していない場合には、ステップS108へ進む。ステップS108では、制御部410は、第2の昇温制御による高周波電流の供給が、人体検知から第2の時間経過したか否かを判断する。第2の時間経過していない場合には、そのまま第2の昇温制御を続行し、ステップS107へ戻る。
第3の昇温制御は、第2の昇温制御よりも単位時間当たりの高周波電流の供給量を低減した昇温を行う制御である。
図5(a)は、使用者の入室から着座までの動作を例示している。
図5(b)は、(a)の動作に対応した各種センサの動作シーケンスを例示している。
図5(c)は、(a)の動作に対応した誘導加熱コイルへの投入電力のシーケンスを例示している。
図5(d)は、(a)の動作に対応した漏れ磁界の磁束密度の遷移を例示している。ここで、磁束密度は、利用者が着座していない状態では暖房便座装置100から一定距離をあけた位置で測定した値であり、利用者が着座している状態では便座200の着座面で測定した値である。
図5(e)は、(a)の動作に対応した便座の温度の変化を表す昇温カーブを例示している。
停止制御CT0を実行中の便座200の温度THsは、ほぼ室温である。また、待機制御CTrの実行中の便座200の温度は、待機温度THrである。
第1の昇温制御CT1は、入室検知の時刻t0から第1の時間が経過する時刻t1まで実行される。時刻t1では、便座200の温度は、第1の温度TH1まで上昇する。
第3の昇温制御CT3を実行中の磁束密度B3は、使用者が便座200に着座した状態でも人体に影響を及ぼさない値である。
保温制御CTkを実行している間の磁束密度はBkである。保温制御CTkでは、快適温度TH3を維持する程度のわずかな電流量で済むことから、磁束密度Bkは磁束密度B3よりも小さい。
図5に表した例では、第1の昇温制御CT1及び第2の昇温制御CT2が第1暖房モードであり、第3の昇温制御CT3及び保温制御CTkが第2暖房モードである。
図6〜図9は、昇温制御の具体例を説明するタイミングチャートである。
図6〜図9に表したタイミングチャートは、防磁効果を有する便蓋が設けられている場合の制御について例示している。
各図において、(a)は時間に対する便座の温度の変化を表す昇温カーブを例示している。また、(b)は時間に対する磁束密度の変化を表している。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第1の時間TM1が経過する時刻t1まで、着座動作センサ444によって便蓋300の閉状態を検知していることを条件として、第1の昇温制御CT1を実行する。
ここで、高周波電流の供給量は、カレントトランスによる検出値、スイッチングトランジスタのパルス数及びオン時間等によって得られる。
この第1の昇温制御CT1において、便座の昇温カーブの傾斜はθ1になる。
ここで、第1の温度TH1は、冷感限界温度TH2以下の温度として予め設定されている。第1の温度TH1が冷感限界温度TH2よりも低くても、便座200が第1の温度TH1に到達していれば、利用者は着座した際にわずかな冷感を受けるだけで済む。
第2の昇温制御CT2では、第1の昇温制御CT1よりも単位時間当たりの高周波電流の供給量が低い。すなわち、第2の昇温制御CT2において、便座の昇温カーブの傾斜θ2は、第1の昇温制御CT1の昇温カーブの傾斜θ1よりも小さい。
制御部410は、第2の昇温制御CT2において、便座200の温度制御を第1の昇温制御CT1と同様な例えばフィードフォワード制御によって行う。
第3の昇温制御CT3では、第2の昇温制御CT2よりも単位時間当たりの高周波電流の供給量が低い。すなわち、第3の昇温制御CT3において、便座の昇温カーブの傾斜θ3は、第2の昇温制御CT2の昇温カーブの傾斜θ2よりも小さい。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から、着座動作センサ444によって便蓋300の閉状態を検知していることを条件として、第1の昇温制御CT1を実行する。第1の昇温制御CT1における便座の昇温カーブの傾斜はθ1である。また、第1の昇温制御CT1を実行している間の磁束密度はB1である。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第1の時間TM1が経過する時刻t1まで、着座動作センサ444によって便蓋300の閉状態を検知していることを条件として、第1の昇温制御CT1を実行する。第1の昇温制御CT1における便座の昇温カーブの傾斜はθ1である。また、第1の昇温制御CT1を実行している間の磁束密度はB1である。
利用者が着座した際には、便座200の温度は冷感限界温度TH2に達しているため、利用者に冷感を与えることはない。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第1の時間TM1が経過する時刻t1まで、着座動作センサ444によって便蓋300の閉状態を検知していることを条件として、第1の昇温制御CT1を実行する。第1の昇温制御CT1における便座の昇温カーブの傾斜はθ1である。また、第1の昇温制御CT1を実行している間の磁束密度はB1である。
図10〜図13は、昇温制御の他の具体例を説明するタイミングチャートである。
図10〜図13に表したタイミングチャートは、便蓋に防磁効果がない場合、または便蓋が設けられていない場合の制御について例示している。
各図において、(a)は時間に対する便座の温度の変化を表す昇温カーブを例示している。また、(b)は時間に対する磁束密度の変化を表している。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第2の時間TM2が経過する時刻t2まで、第2の昇温制御CT2を実行する。第2の昇温制御CT2における便座の昇温カーブの傾斜はθ2’である。また、第2の昇温制御CT2を実行している間の磁束密度はB2’である。磁束密度B2’は、磁束密度B2よりも大きい。これは、便蓋300による防磁効果を得られないためである。ただし、磁束密度B’は、基準となる磁束密度Brefよりは小さい。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第2の時間TM2が経過する時刻t2まで、第2の昇温制御CT2を実行する。第2の昇温制御CT2における便座の昇温カーブの傾斜はθ2’’である。磁束密度B2’’は、磁束密度B2’よりも小さい。
利用者が着座した際には、便座200の温度は冷感限界温度TH2に達しているため、利用者に冷感を与えることはない。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第2の時間TM2が経過する時刻t2まで、第2の昇温制御CT2を実行する。第2の昇温制御CT2における便座の昇温カーブの傾斜はθ2’である。磁束密度B2’である。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第2の時間TM2が経過する時刻t2まで、第2の昇温制御CT2を実行する。第2の昇温制御CT2における便座の昇温カーブの傾斜はθ2’’である。磁束密度B2’’は、磁束密度B2’よりも小さい。
図14は、センサの動作タイミングを例示する図である。
図14(a)では、機能許可着座センサの動作タイミングを例示し、図14(b)では、着座動作センサの動作タイミングを例示している。
機能許可着座センサ443と、着座動作センサ444と、を1つのセンサで兼用することにより、複数のセンサを設ける必要がなくなる。また、便座200に着座する使用者に対して最適な位置にセンサを設けることができ、設置位置の違いによる着座検知制度の違いをなくすことができる。
図15(a)では、機能許可着座センサの情報の読み込みタイミングを例示し、図15(b)では、着座動作センサの情報の読み込みタイミングを例示している。
上記説明した着座動作センサ444では、光電センサを用いる例を説明したが、着座動作センサ444としては、光電センサ以外でも、例えば静電センサや電波センサといった他のセンサを用いることができる。
図16(a)は、電波センサの概略ブロック図である。図16(b)は、電波センサの出力波形を例示した図である。
図16(a)に表したように、電波センサ480は、発信回路481、分岐部482、送信アンテナ483、受信アンテナ484及びミキサ回路485を備えている。
この電波センサ480は、ドップラー効果を利用したもので、発信回路481で発信された送信信号を分岐部482で送信アンテナ483及びミキサ回路485に分岐し、送信アンテナ483から例えばマイクロ波による電波WV1を送信する。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
Claims (9)
- 導電体からなる発熱部を有する便座本体と、
前記発熱部を誘導加熱する磁界を発生する誘導加熱コイルと、
前記誘導加熱コイルへの通電を制御する制御部と、
人体が存在することを検知する人体検知部と、
使用者の前記便座本体への着座する直前の状態である着座動作を検知する着座動作検知部と、
使用者が便座に着座した後に実行可能な洗浄の動作開始の許可を判定する機能許可着座検知部と、
を備え、
前記制御部は、
前記人体検知部により人体の存在を検知したとき、前記誘導加熱コイルへの通電により前記便座本体を暖める第1暖房モードを開始し、
前記着座動作検知部により人体の着座動作を検知したあとは、前記誘導加熱コイルへの通電量が前記第1暖房モードにおける通電量よりも小さい第2暖房モードに移行させ、
前記着座動作検知部と、前記機能許可着座検知部と、は、ひとつのセンサを兼用し、
前記着座動作検知部による検知処理時の動作周期は、前記機能許可着座検知部による検知処理時の動作周期よりも短いことを特徴とする暖房便座装置。 - 前記第2暖房モードにおける前記誘導加熱コイルへの通電量は、前記誘導加熱コイルが発生する磁界が便座に着座した人体に対して影響を及ぼさない磁界となる通電量であることを特徴とする請求項1に記載の暖房便座装置。
- 前記制御部は、
前記人体検知部による人体の存在を検知した後、前記着座動作検知部が使用者の着座を検知しておらず、前記第1暖房モードが一定時間が経過した場合は、前記第2暖房モードに移行することを特徴とする請求項1または2に記載の暖房便座装置。 - 前記第2暖房モードは、前記便座本体を昇温させる昇温モードと、前記便座本体の温度を一定に保つ保温モードと、を有し、
前記保温モードは、前記第2暖房モードを実行する期間内で最後に実行されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の暖房便座装置。 - 前記着座動作検知部は、人体の着座動作の検知を、前記機能許可着座検知部による前記洗浄の動作開始の許可の判定よりも先に行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の暖房便座装置。
- 前記着座動作検知部による人体を検知してから着座を判断するまでの処理回数は、前記機能許可着座検知部による人体を検知してから着座を検知するまでの処理回数よりも少ないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の暖房便座装置。
- 前記着座動作検知部は、前記便座本体の鉛直方向における使用者の速度変化を検知することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の暖房便座装置。
- 前記着座動作検知部の1回当たりの動作時間は、前記機能許可着座検知部の1回当たりの動作時間よりも短いことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の暖房便座装置。
- 前記人体検知部が前記人体の存在を検知する前における前記センサの動作周期は、前記人体検知部が前記人体の存在を検知した後における前記センサの動作周期よりも長いことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の暖房便座装置。
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