JP5862921B2 - 暖房便座装置 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、暖房便座装置に関し、具体的には便器に設けられる便座を暖めることができる暖房便座装置に関する。
新しい暖房便座の加熱形態として、誘導加熱コイルに高周波電流を供給することによる誘導加熱方式を用いた便座装置が提案されている。このような誘導加熱方式では、誘導加熱コイルから発生する磁界の強さに対する人体への影響度合いが研究されており、人体へ影響が及ばない磁束密度の大きさも公表されている。
人体への磁界を抑制する誘導加熱の駆動方法として、人体の検知によって誘導加熱を駆動し、着座の検知によって誘導加熱を停止する方法が考えられている(特許文献1)。しかし、一般に暖房便座で使用されている着座検知は、局部洗浄動作の開始を許可する条件とされており、使用者が一定時間の着座した状態を検知することにより、着座検知を確定している。このため、使用者は、着座してから着座検知を確定するまでの一定時間、磁界にさらされる可能性がある点で改善の余地がある。
一方、人体への磁界の影響を抑制するために、誘導加熱の駆動方法として、入室の検知によって誘導加熱を駆動し、便蓋の近傍に人体が存在することを検知して誘導加熱を停止する方法が考えられている(特許文献2)。しかし、この駆動方法では、磁界に起因する人体への影響の問題は解消するものの、早めに加熱が中止され、使用者が着座する際には、便座が十分に暖まっていないこともありうる。このため、使用者に不快感を与えてしまうといった点で改善の余地がある。
一方、人体への磁界の影響や、便座温度の問題を解決するために、使用者自身が便蓋を開けたり、専用スイッチを操作したりすることで、誘導加熱を停止又は通電量を磁界の影響がない数値に下げたりする方法や、便座が十分に暖まり、誘導加熱が停止した状態ではないと、便蓋が開かずに、使用者が着座できない方法が考えられる。さらに、磁界が発生していること、加熱が不十分であることを報知して、着座を抑制する方法、なども考えられる。しかしながら、いずれの方法であっても、暖房便座の使用を規制することになり、使用者にとって不快感や不便を感じさせてしまうといった問題が残る。
特開2001−8859号公報 特開2008−18114号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、誘導加熱の原理を利用した暖房便座装置であって、暖房開始とともに迅速に冷たさを感じさせない温度まで便座を昇温するとともに、着座したあとでは磁界によって人体に影響を与えないようにすることが可能な暖房便座装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、導電体からなる発熱部を有する便座本体と、前記発熱部を誘導加熱する磁界を発生する誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルへの通電を制御する制御部と、人体が存在することを検知する人体検知部と、使用者の前記便座本体への着座する直前の状態である着座動作を検知する着座動作検知部と、使用者が便座に着座した後に実行可能な機能の動作開始の許可を判定する機能許可着座検知部と、を備え、前記制御部は、前記人体検知部により人体の存在を検知したとき、前記誘導加熱コイルへの通電により前記便座本体を暖める第1暖房モードを開始し、前記着座動作検知部により人体の着座動作を検知したあとは、前記誘導加熱コイルへの通電量が前記第1暖房モードにおける通電量よりも小さい第2暖房モードに移行させ、前記着座動作検知部と、前記機能許可着座検知部と、は、ひとつのセンサを兼用し、前記着座動作検知部による検知処理時の動作周期は、前記機能許可着座検知部による検知処理時の動作周期よりも短いことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、着座動作検知部による使用者の便座本体への着座する直前の状態である着座動作の検知によって第1暖房モードから第2暖房モードに移行するため、着座前までは便座を迅速に加熱でき、着座している状態では使用者に与える磁界の影響を十分に抑制することができる。
また、この暖房便座装置によれば、着座動作検知部が、通常、暖房便座に用いられている洗浄開始許可を判定する機能許可着座検知部を兼ねた構造となっているので、センサを複数設ける必要がなく、便座に着座する使用者に対する最適位置に一つのセンサを設けること可能となり、設置位置の違いによる着座精度の違いを無くすこともできる。
また、この暖房便座装置によれば、確実に誘導加熱コイルから発生する磁界が使用者へ及ぼす影響を無くした状態で、使用者に着座してもらうことができる。すなわち、通常の暖房便座の機能許可着座検知部は、使用者が一定時間の着座した状態を検知して、着座したと判定している。その理由は、着座動作検知部の投影面積等が小さく検知しにくい子供や、トイレブース及び便座装置の掃除の際など、短時間の着座検知と同時に便座装置に付属するリモコン等の洗浄開始スイッチを押圧した場合の誤洗浄を防止するためである。しかし、本暖房便座装置では、着座動作検知部において動作周期が短くなっているので、使用者が着座完了した後での判断ではなく、着座動作、すなわち着座直前を検知することができる。したがって、誘導加熱コイルから発生する磁界が使用者へ及ぼす影響を確実に無くした状態で、使用者に着座してもらうことができるようになる。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記第2暖房モードにおける前記誘導加熱コイルへの通電量は、前記誘導加熱コイルが発生する磁界が便座に着座した人体に対して影響を及ぼさない磁界となる通電量であることを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、着座動作検知部による着座動作の検知によって第2暖房モードに移行するため、使用者は、誘導加熱コイルから発生する磁界が使用者へ影響を及ぼさない状態に確実に移行したあとで着座することができる。また、着座動作検知部は、使用者の着座動作を検知しているので、使用者が便座に着座する寸前まで便座を暖めておくことができる。これにより、使用者が着座した際に冷たさを感じたり、不快感をおぼえたりすることのない暖房便座を提供することができる。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、前記制御部は、前記人体検知部による人体の存在を検知した後、前記着座動作検知部が使用者の着座を検知しておらず、前記第1暖房モードが一定時間が経過した場合は、前記第2暖房モードに移行することを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、第1暖房モードでは時限制御を有しているので、無駄に便座の温度が上がりすぎるといった問題がなく、無駄な電力消費を抑えた省エネルギー効果を得ることができる。
また、第4の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明において、前記第2暖房モードは、前記便座本体を昇温させる昇温モードと、前記便座本体の温度を一定に保つ保温モードと、を有し、前記保温モードは、前記第2暖房モードを実行する期間内で最後に実行されることを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、保温モードを備えているので、使用者が着座した後でも、便座本体が一定の温度に保たれる。このため、使用者が長時間、便座に着座した状態が続いても、便座本体の温度が下がることなく、快適な暖房便座にすることができる。また、誘導加熱方式で、便座本体の昇温、保温を実現できるので、誘導加熱方式と、伝熱加熱方式と、の二つの方式を用いる構造に比べて、簡単な構造及び簡単な制御で快適な暖房便座を実現できる。
また、第の発明は、第1〜4のいずれか1つの発明において、前記着座動作検知部は、人体の着座動作の検知を、前記機能許可着座検知部による前記洗浄の動作開始の許可の判定よりも先に行うことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、洗浄許可を判定するよりも先である着座直前の動作を検知することができ、使用者が着座した際には確実に第2暖房モードへ切り替えることができる。これにより、着座直前まで加熱でき、使用者が着座する際には冷たさを感じさせずに済むとともに、誘導加熱コイルから発生する磁界が使用者へ影響を及ぼさない状態に確実に移行したあとで着座してもらうことができる。
また、第の発明は、第1〜5のいずれか1つの発明において、前記着座動作検知部による人体を検知してから着座を判断するまでの処理回数が、前記機能許可着座検知部による人体を検知してから着座を検知するまでの処理回数よりも少ないことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、確実に誘導加熱コイルから発生する磁界が使用者へ及ぼす影響を無くした状態で、使用者に着座してもらうことができる。すなわち、通常の暖房便座の機能許可着座検知部は、使用者が着座してから一定時間経過した後に着座したことを判定している。その理由は、着座動作検知部の投影面積等が小さく検知しにくい子供や、トイレブース及び便座装置の掃除の際など、短時間の着座検知と同時に便座装置に付属するリモコン等の洗浄開始スイッチを押圧した場合の誤洗浄を防止するためである。本暖房便座装置では、着座動作検知部において着座を判断するまでの処理回数が少なくなっているので、使用者が着座完了した後での判断ではなく、着座動作、すなわち着座直前を検知することができる。したがって、誘導加熱コイルから発生する磁界が使用者へ及ぼす影響を確実に無くした状態で、使用者に着座してもらうことができるようになる。
また、第の発明は、第1〜のいずれか1つの発明において、前記着座動作検知部は、前記便座本体の鉛直方向における使用者の速度変化を検知することを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、トイレを使用する一連の動作中で、上方から下方にお尻を移動させる動作、つまり便座に着座するといった便座特有の動作を、法線方向の動作速度の変化を検知することで、確実に捉えることができる。これにより、使用者が着座動作に入り、便座に接する直前の状態を検知して、第2暖房モードへ切り替えることができる。したがって、誘導加熱コイルから発生する磁界が使用者へ及ぼす影響を確実に無くした状態で、使用者に着座してもらうことができるようになる。
第8の発明は、第1〜7のいずれか1つの発明において、前記着座動作検知部の1回当たりの動作時間は、前記機能許可着座検知部の1回当たりの動作時間よりも短いことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、センサの寿命を延ばすことができる。
第9の発明は、第1〜8のいずれか1つの発明において、前記人体検知部が前記人体の存在を検知する前における前記センサの動作周期は、前記人体検知部が前記人体の存在を検知した後における前記センサの動作周期よりも長いことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、複数のセンサを設けることなく1つのセンサで動作周期を変更することができる。また、便座に着座する使用者に対して最適な位置にセンサを設けることができ、設置位置の違いによる着座検知精度の違いをなくすことができる。
本発明の態様によれば、誘導加熱の原理を利用した暖房便座装置であって、暖房開始とともに迅速に冷たさを感じさせない温度まで便座を昇温するとともに、着座したあとでは磁界による影響が人体に及ばない暖房便座装置が提供される。
本実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する模式的斜視図である。 本実施の形態にかかる暖房便座装置を表す模式図である。 本実施形態に係る暖房便座装置の機能ブロック図である。 制御部による誘導加熱の制御フローチャートである。 入室から着座までの動作と誘導加熱動作のシーケンスとを例示する図である。 昇温制御の具体例を説明するタイミングチャートである。 昇温制御の具体例を説明するタイミングチャートである。 昇温制御の具体例を説明するタイミングチャートである。 昇温制御の具体例を説明するタイミングチャートである。 昇温制御の他の具体例を説明するタイミングチャートである。 昇温制御の他の具体例を説明するタイミングチャートである。 昇温制御の他の具体例を説明するタイミングチャートである。 昇温制御の他の具体例を説明するタイミングチャートである。 センサの動作タイミングを例示する図である。 センサの情報の読み込みタイミングを例示する図である。 電波センサを例示する図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する模式的斜視図である。
図2は、本実施の形態にかかる暖房便座装置を表す模式図で、(a)は、暖房便座装置を上方から眺めた模式的平面図、(b)は、(a)に表した切断面A−Aにおける模式的断面図である。なお、図2(b)においては、説明の関係上、閉じた状態の便蓋も表されている。
本実施の形態に係る暖房便座装置100は、トイレ装置10における洋式腰掛便器800の上に設置されるもので、便座200と、便蓋300と、便座200及び便蓋300を開閉可能に支持するケーシング400と、を備える。便蓋300は、閉じた状態において便座200の上方を覆うことができる。例えば便座200には、高周波電流を生成する高周波電源装置220が内蔵される。なお、高周波電源装置220は、ケーシング400に内蔵されていてもよい。
便座200または便蓋300には、高周波電源装置220から供給された高周波電流により磁界を発生させる誘導加熱コイル222が設けられる。便座200には、磁界によって誘導加熱される導電体からなる発熱部231が設けられる。より具体的には、発熱部231は、誘導加熱コイル222から発生する磁界で誘起される渦電流により発熱する。
ケーシング400には、入室検知センサ441、立位検知センサ442、機能許可着座センサ443及び着座動作センサ444が設けられている。
入室検知センサ441は、例えば焦電センサであり、使用者がトイレルームに入ったことを検知する(人体検知部)。ケーシング400内には便蓋300を開閉する便蓋開閉装置(図示せず)が設けられている。すなわち、入室検知センサ441によって使用者の入室を検知すると、一定時間経過後に便蓋開閉装置が動作して、便蓋300を自動的に開ける。
立位検知センサ442は、例えば光電センサであり、使用者までの距離を測定して、洋式腰掛便器800の前方の所定位置に使用者が立っていることを検知する。立位検知センサ442によって使用者が便座200から一定距離(例えば、30cm)以上離れたことを検知すると、便蓋開閉装置が作動して便蓋300を自動的に閉じる。
なお、便蓋300は、上記のように自動的に開閉する場合のほか、使用者の手動や使用者のボタン操作によっても開閉可能である。
機能許可着座センサ443は、例えば光電センサであり、使用者が便座200に着座して、暖房便座装置100の各種機能の動作可能な状態を検知する。機能許可着座センサ443は、例えば立位検知センサ442と同じ投受光窓を介して光を投光及び受光する。機能許可着座センサ443は使用者までの距離を測定して、一定距離(例えば、10cm)以内に使用者が接近したか否かを検知し、検知後に一定のディレイを設けて検知した旨の信号を出力する。すなわち、機能許可着座センサ443は、使用者が便座200に確実に着座したあと、検知した旨の信号を出力する。この信号の有無によって、着座後に使用可能な各種機能の動作の可否が決定される。
着座動作センサ444は、例えば光電センサであり、使用者が便座200に着座する動作を検知する(着座動作検知部)。例えば、着座動作センサ444は、使用者までの距離を測定して、一定距離(例えば、10cm)以内に使用者が接近したか否かを検知し、検知後にディレイ無しで検知した旨の信号を出力する。すなわち、着座動作センサ444は、使用者が便座200に着座する直前のタイミングで検知した旨の信号を出力することができる。この信号によって、便座200の暖房モードの切り替えが行われる。
ここで、ケーシング400の内部には、衛生洗浄装置としての機能部が併設されていてもよい。すなわち、ケーシング400には、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて水を噴出する図示しない吐水ノズルを有する衛生洗浄機能部などが内蔵されていてもよい。
また、ケーシング400の内部には、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる「温風乾燥機能」や「脱臭ユニット」や「室内暖房ユニット」などの各種の機構が適宜設けられていてもよい。
これらの各種機能のうち、使用者が便座200に着座したあとで動作可能にすべきものは、機能許可着座センサ443から検知した旨の信号が出力された場合に動作可能になる。
図2(a)に表したように、ケーシング400の内部には、制御部410が設けられている。そして、商用電源から供給される電力(以下、説明の便宜上「商用電力」と称する)は、制御部410及び高周波電源装置220に投入される。高周波電源装置220は、制御部410から供給される制御信号に基づいて高周波電流を生成する。
図2(b)に表したように、便座200は、便座200の外形を形成する筐体210を有する。筐体210は、樹脂などの絶縁性を有する材料により形成されている。なお、筐体210は、複数の部材により形成されていてもよいし、1つの部材により形成されていてもよい。
便座200の筐体210の内部には、高周波電源装置220から供給された高周波電流が通電されることにより磁界を発生する誘導加熱コイル222が設けられている。誘導加熱コイル222は、便座200の内部の上面(着座面に対向する内面)210aに付設されている。なお、誘導加熱コイル222は、支持体によって支持されていてもよい。
誘導加熱コイル222から発生する磁界で誘起される渦電流により発熱する発熱部231は、便座200の上面(着座面)に付設されている。あるいは、発熱部231は、便座200の筐体210の内部に設けられていてもよい。あるいは、発熱部231は、便座200の内部の上面210aに付設されていてもよい。
発熱部231の材料としては、例えば鉄やステンレスなどの強磁性体、またはアルミニウムなどの常磁性体といった金属を用いることができる。便座200の外部に磁界を放出させにくくするためには、電気抵抗が大きい鉄やステンレスなどの強磁性体を発熱部231に用いることがより好ましい。なお、発熱部231が便座200の上面に設けられる場合には、人体と発熱部231とが直接的に接触しないように、塗装、コーティング、フィルムなどが発熱部231の表面に施されることがより好ましい。
便座200には、温度センサ240が設けられている。温度センサ240は、例えば発熱部231の温度を検出する。なお、説明の便宜上、発熱部231の温度は、便座200の着座面の温度と等価であるとする。本実施形態では、便座200の着座面の温度のことを、単に便座200の温度ともいう。温度センサ240による温度の検出信号は、高周波電源装置220及び制御部410に送られる。
制御部410と高周波電源装置220とは、給電線415により接続されている。商用電力などの低周波電流と、制御部410から供給される制御信号と、は給電線415を通して高周波電源装置220に供給される。つまり、制御部410は、高周波電源装置220の動作を制御する。給電線415は、高周波電源装置220から出力される高周波電流よりも相対的に周波数が低い低周波電流を高周波電源装置220に供給する。高周波電源装置220は、制御部410から供給される制御信号に基づいて、低周波電流を高周波電流に変換する。すなわち、高周波電源装置220は、給電線415を通して供給される低周波電流を、その周波数よりも高い周波数の電流(以下、説明の便宜上「高周波電流」と称する)に変換する。
高周波電源装置220により変換された高周波電流は、誘導加熱コイル222へ流れる。そうすると、誘導加熱コイル222は、磁界を発生する。誘導加熱コイル222が磁界を発生すると、発熱部231は、その磁界で誘起される渦電流により発熱する。そのため、本実施の形態に係る暖房便座装置100は、誘導加熱の原理を利用し、便座200の着座面を急速に加熱することができ、より早く着座面を適温にすることができる。
また、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、便座200の着座面を急速に加熱することができるため、使用者が便座200を使用していないときには、必ずしも便座200を保温しておく必要はない。そのため、例えば「シーズヒータ」や、「ハロゲンヒータ」や、「カーボンヒータ」などの抵抗加熱手段により便座200の着座面を加熱する場合よりも省エネルギー化を図ることができる。
便蓋300には、誘導加熱によって発生する磁界が便蓋300を通過する度合いを抑制する磁界漏れ抑制手段として、例えば強磁性体の磁気シールド310が設けられている。磁気シールド310は、便蓋300が閉じた状態で便座200の少なくとも前方及び側方を覆う位置に配置される。このように便蓋300に磁気シールド310が設けられていると、便蓋300を閉じている間に誘導加熱によって便座200を暖める際、誘導加熱コイル222からの漏れ磁束を低減することができる。特に、使用者はトイレ入室時には洋式腰掛便器800の前方または側方から便座200に近づくことから、使用者が近づく方向である便座200の少なくとも前方及び側方を覆う位置に磁気シールド310を設けることで、漏れ磁束を効果的に抑制することができる。
なお、図2に例示した暖房便座装置100では、便座200の筐体210の内部に誘導加熱コイル222が設けられているが、便蓋300の筐体内に誘導加熱コイル222が設けられていてもよい。便蓋300の筐体内に誘導加熱コイル222が設けられた暖房便座装置100では、便蓋300が閉じた状態において、誘導加熱コイル222により磁界を発生させる。これにより、便座200に設けられた発熱部231は、その磁界で誘起される渦電流により発熱する。また、発熱部231についても、便座200ではなく、便蓋300に設けられていてもよい。なお、以下の説明では、便座200に誘導加熱コイル222及び発熱部231が設けられている構成を例とする。
図3は、本実施形態に係る暖房便座装置の機能ブロック図である。
すなわち、図3に表したように、本実施形態に係る暖房便座装置100においては、便座200に設けられた構成と、便蓋300に設けられた構成と、ケーシング400に設けられた構成と、を備える。
便座200には、例えば高周波電源装置220、発熱部231、誘導加熱コイル222及び温度センサ240が設けられる。
なお、本実施形態では、高周波電源装置220を便座200内に設けているが、ケーシング400内に設けてもよい。
便蓋300には、磁界漏れ抑制手段である磁気シールド310が設けられる。
ケーシング400には、制御部410、入室検知センサ441、立位検知センサ442、機能許可着座センサ443、着座動作センサ444及び便蓋開閉装置450が設けられる。便蓋開閉装置450は、便蓋300の開閉のほか、便座200の開閉も行う機構を備えていてもよい。また、ケーシング400には、必要に応じて局部洗浄部460が設けられている。
次に、制御部410による誘導加熱の制御動作について説明する。なお、本実施形態では、誘導加熱の制御動作を制御部410が行う場合について説明するが、高周波電源装置220に設けられた高周波電流制御部(誘導加熱コイル222への高周波電流の供給量を制御する部分)によって同様な制御動作を行ってもよい。
図4は、制御部による誘導加熱の制御フローチャートである。
先ず、ステップS101に表したように、制御部410は、入室検知センサ441による使用者のトイレ室内へ入室検知の有無を判断する。入室検知センサ441が使用者の入室を検知すると、ステップS102に表したように、制御部410は、第1の昇温制御を実行する。第1の昇温制御では、誘導加熱コイル222への高周波電流の供給を開始し、その供給を供給開始から高周波電流を第1の時間以内、行う。
次に、ステップS103に表したように、制御部410は、第1の昇温制御による高周波電流の供給が、供給開始から第1の時間経過したか否かを判断する。第1の時間経過していない場合には、ステップS104に表したように、便蓋300が開いたか否かを判断する。便蓋300が開いていない場合には、ステップS103へ戻る。
第1の昇温制御による高周波電流の供給開始から第1の時間が経過した場合には、ステップS105に表したように、便蓋300を開ける。すなわち、制御部410は、便蓋開閉装置450に便蓋300を開く旨の指示を与える。この指示によって便蓋開閉装置450が動作し、便蓋300を自動的に開ける。
便蓋300が自動的に開いた場合、または第1の時間を経過する前に便蓋300が開けられた場合(ステップS104でYes)、制御部410は、ステップS106に表したように、第1の昇温制御から第2の昇温制御へ移行する。第2の昇温制御は、第1の昇温制御よりも単位時間当たりの高周波電流の供給量を低減した昇温を行う制御である。
次に、ステップS107で表したように、制御部410は、着座動作センサ444によって使用者の着座動作を検知したか否かを判断する。使用者の着座動作を検知した場合には、ステップS109に表したように、制御部410は、第2の昇温制御から第3の昇温制御へ移行する。
一方、使用者の着座動作を検知していない場合には、ステップS108へ進む。ステップS108では、制御部410は、第2の昇温制御による高周波電流の供給が、人体検知から第2の時間経過したか否かを判断する。第2の時間経過していない場合には、そのまま第2の昇温制御を続行し、ステップS107へ戻る。
一方、第2の時間経過した場合には、ステップS109に表したように、制御部410は、第2の昇温制御から第3の昇温制御へ移行する。すなわち、制御部410は、第2の昇温制御を実行しているあいだに、使用者の着座動作を検知した場合、または第2の時間を経過した場合、第2の昇温制御から第3の昇温制御へと移行する。
第3の昇温制御は、第2の昇温制御よりも単位時間当たりの高周波電流の供給量を低減した昇温を行う制御である。
次に、ステップS110で表したように、制御部410は、便座200の温度が予め定めた設定温度(例えば、快適温度)に到達したか否かを判断する。すなわち、制御部410は、温度センサ240による温度の検出信号に基づいて、便座200の温度が設定温度に到達したか否かを判断する。設定温度に到達していない場合、制御部410は、第3の昇温制御を続行する。一方、設定温度に到達した場合、制御部410は、ステップS111に表したように、第3の昇温制御から保温制御へ移行する。これにより、便座200の温度が快適温度に保たれることになる。
図5は、使用者のトイレルームへの入室から着座までの動作と誘導加熱動作のシーケンスとを例示する図である。
図5(a)は、使用者の入室から着座までの動作を例示している。
図5(b)は、(a)の動作に対応した各種センサの動作シーケンスを例示している。
図5(c)は、(a)の動作に対応した誘導加熱コイルへの投入電力のシーケンスを例示している。
図5(d)は、(a)の動作に対応した漏れ磁界の磁束密度の遷移を例示している。ここで、磁束密度は、利用者が着座していない状態では暖房便座装置100から一定距離をあけた位置で測定した値であり、利用者が着座している状態では便座200の着座面で測定した値である。
図5(e)は、(a)の動作に対応した便座の温度の変化を表す昇温カーブを例示している。
先ず、未使用の状態では、入室検知センサ441による入室検知のみが行われる。入室検知センサ441によってトイレルームへの入室が検知されていない状態(未使用の状態)では、誘導加熱コイル222への投入電力は、停止制御CT0(電力投入の停止)または待機制御CTr(便座200の温度を待機温度に保つだけの電力投入)である。停止制御CT0では、誘導加熱コイル222から便座200の外側へ漏れる磁界の磁束密度B0はゼロである。また、待機制御CTrでは、磁束密度Brは非常に少ない。
停止制御CT0を実行中の便座200の温度THsは、ほぼ室温である。また、待機制御CTrの実行中の便座200の温度は、待機温度THrである。
次に、入室検知センサ441が使用者のトイレルームへの入室を検知すると(時刻t0)、制御部410は、誘導加熱コイル222への投入電力を、第1の昇温制御CT1へ移行する。第1の昇温制御CT1では、誘導加熱コイル222から便座200の外側へ漏れる磁界の磁束密度B1は、磁束密度B0及びBrよりは高いが、基準となる磁束密度Brefよりも小さい。
第1の昇温制御CT1は、入室検知の時刻t0から第1の時間が経過する時刻t1まで実行される。時刻t1では、便座200の温度は、第1の温度TH1まで上昇する。
次に、入室検知の時刻t0から第1の時間が経過した時刻t1で、便蓋300を自動的に開ける。また、制御部410は、誘導加熱コイル222への投入電力を、第1の昇温制御CT1から第2の昇温制御CT2へと移行する。第2の昇温制御CT2では、第1の昇温制御CT1よりも単位時間当たりの高周波電流の供給量が低い。しかし、便蓋300が開いているため、便蓋300による磁気シールド効果は減少する。したがって、第2の昇温制御CT2の実行中の磁束密度B2は、磁束密度B1よりも大きい。ただし、磁束密度B2は、基準となる磁束密度Brefよりは小さい。
便蓋300が開いたのち、時刻t’から立位検知センサ442、機能許可着座センサ443及び着座動作センサ444の動作が開始される。その後、使用者が着座の動作に入り、着座直前の時刻t2で着座動作センサ444から着座動作を検知した旨の信号が出力される。制御部410は、着座動作センサ444から出力された信号を受けて、誘導加熱コイル222への投入電力を、第2の昇温制御CT2から第3の昇温制御CT3へと移行する。第3の昇温制御CT3では、第2の昇温制御CT2よりも単位時間当たりの高周波電流の供給量が低い。
第3の昇温制御CT3を実行中の磁束密度B3は、使用者が便座200に着座した状態でも人体に影響を及ぼさない値である。
第2の昇温制御CT2から第3の昇温制御CT3へ切り替わる時刻t2では、便座200の温度は冷感限界温度TH2に達している。また、第3の昇温制御CT3の実行によって、便座200の温度は冷感限界温度TH2から快適温度TH3に到達する。
着座動作センサ444による着座直前の検知のあと、機能許可着座センサ443によって着座状態を検知すると(時刻tw)、各種の機能が使用可能状態になる。一方、第3の昇温制御CT3の実行によって便座200の温度が快適温度TH3に到達した段階で(時刻tg)、制御部410は、誘導加熱コイル222への投入電力を、第3の昇温制御CT3から保温制御CTkへと移行する。これにより、便座200の温度は、快適温度TH3に維持される。
保温制御CTkを実行している間の磁束密度はBkである。保温制御CTkでは、快適温度TH3を維持する程度のわずかな電流量で済むことから、磁束密度Bkは磁束密度B3よりも小さい。
本実施形態では、入室検知センサ441による入室の検知から着座動作センサ444による着座直前の検知までの間に行う昇温制御を第1暖房モードといい、着座動作センサ444による着座直前を検知した際に移行している昇温制御を(使用者が着座した状態でも人体に影響を及ぼさない磁束密度になる昇温制御)を第2暖房モードという。
図5に表した例では、第1の昇温制御CT1及び第2の昇温制御CT2が第1暖房モードであり、第3の昇温制御CT3及び保温制御CTkが第2暖房モードである。
なお、第2暖房モードには、誘導加熱コイル222への通電が行われていない状態も含まれる。第2暖房モードに、少なくとも第3の昇温制御CT3と保温制御CTkとが含まれる場合、保温制御CTkは、第2暖房モードを実行する期間における最後に実行される。
このような昇温制御によって、使用者が着座する寸前まで便座200を暖めることができ、使用者が着座した際に便座200の冷たさを感じさせることなく、不快感をおぼえさせない暖房便座を提供できるようになる。しかも、着座直前には第2暖房モードに移行しているため、着座後(便座200の着座面に使用者のおしりが触れた後)には、確実に第2暖房モードに移行しており、高い磁束密度を持つ磁界に人体がさらされない環境を提供でき、安心して使用してもらうことができるようになる。
次に、制御部410による具体的な昇温制御について説明する。
図6〜図9は、昇温制御の具体例を説明するタイミングチャートである。
図6〜図9に表したタイミングチャートは、防磁効果を有する便蓋が設けられている場合の制御について例示している。
各図において、(a)は時間に対する便座の温度の変化を表す昇温カーブを例示している。また、(b)は時間に対する磁束密度の変化を表している。
図6は、入室等の人体検知があった後、第2の時間内に便座200への着座があった場合の昇温制御について例示するタイミングチャートである。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第1の時間TM1が経過する時刻t1まで、着座動作センサ444によって便蓋300の閉状態を検知していることを条件として、第1の昇温制御CT1を実行する。
第1の昇温制御CT1では、第1の時間TM1内に便座200の温度を初期温度TH0から第1の温度TH1まで高めるための高周波電流を誘導加熱コイル222へ供給する。
ここで、高周波電流の供給量は、カレントトランスによる検出値、スイッチングトランジスタのパルス数及びオン時間等によって得られる。
制御部410は、第1の昇温制御CT1において、便座200の温度制御を例えばフィードフォワード制御によって行う。すなわち、便座200の初期温度TH0と第1の温度TH1との差と、第1の時間TM1と、の関係(例えば、関係式やテーブルデータ)から得られる高周波電流の電流量を誘導加熱コイル222へ供給する。
この第1の昇温制御CT1において、便座の昇温カーブの傾斜はθ1になる。
第1の昇温制御CT1では、第1の時間TM1内に便座200の温度が冷感限界温度TH2以下の第1の温度TH1に到達するよう急速加熱が行われる。
ここで、第1の温度TH1は、冷感限界温度TH2以下の温度として予め設定されている。第1の温度TH1が冷感限界温度TH2よりも低くても、便座200が第1の温度TH1に到達していれば、利用者は着座した際にわずかな冷感を受けるだけで済む。
また、第1の昇温制御CT1を実行している間の磁束密度はB1である。ここで、磁束密度B1は、利用者が着座していない状態の条件で測定した値である。磁束密度B1は、誘導加熱を利用する機器の基準となる磁束密度Brefよりも小さい。第1の昇温制御CT1では、急速加熱を行うために比較的大きな高周波電流を誘導加熱コイル222へ供給するが、便蓋300が閉じているため外部へ漏れる磁束密度は小さい。
次に、第1の時間TM1を経過すると、制御部410は便蓋300を自動的に開ける制御を行う。そして、制御部410は、第1の昇温制御CT1から第2の昇温制御CT2へ移行する制御を行う。
第2の昇温制御CT2では、第1の昇温制御CT1よりも単位時間当たりの高周波電流の供給量が低い。すなわち、第2の昇温制御CT2において、便座の昇温カーブの傾斜θ2は、第1の昇温制御CT1の昇温カーブの傾斜θ1よりも小さい。
制御部410は、第2の昇温制御CT2において、便座200の温度制御を第1の昇温制御CT1と同様な例えばフィードフォワード制御によって行う。
第2の昇温制御CT2を実行している間の磁束密度はB2である。ここで、磁束密度B2は、利用者が着座していない状態の条件で測定した値である。第2の昇温制御CT2では、便蓋300が開いている状態で誘導加熱を行うため、第1の昇温制御CT1を実行しているときの磁束密度B1よりは大きな磁束密度B2になる。しかし、第2の昇温制御CT2では、第1の昇温制御CT1よりも昇温カーブの傾斜が小さいため、磁束密度の増加はわずかである。さらに、磁束密度B2は、基準となる磁束密度Brefよりも小さい。
その後、第2の時間TM2(人体検知をした時刻t0から時刻t2までの時間)内に利用者が便座200に着座すると(着座の時刻td)、制御部410は、第2の昇温制御CT2から第3の昇温制御CT3へ移行する制御を行う。すなわち、着座動作センサ444によって使用者の着座直前を検知した場合、その検知結果に基づき制御部410は第2の昇温制御CT2から第3の昇温制御CT3へ切り替える。
第3の昇温制御CT3では、第2の昇温制御CT2よりも単位時間当たりの高周波電流の供給量が低い。すなわち、第3の昇温制御CT3において、便座の昇温カーブの傾斜θ3は、第2の昇温制御CT2の昇温カーブの傾斜θ2よりも小さい。
第3の昇温制御CT3は、利用者が便座200に着座した状態での昇温制御になる。したがって、傾斜θ3による昇温は、利用者が急速な昇温を感じない程度に非常にゆっくりとなる。便座200の温度は、第3の昇温制御CT3を実行している間に冷感限界温度TH2に達し、さらに予め設定した温度(快適温度TH3)にまで到達する。
第3の昇温制御CT3を実行している間の磁束密度はB3である。ここで、磁束密度B3は、利用者が着座している状態の条件で測定した値である。第3の昇温制御CT3では、利用者が便座200に着座している状態での昇温制御になるため、第1の昇温制御CT1及び第2の昇温制御CT2を実行しているときの磁束密度B1及びB2よりも小さくなる。このため、利用者が便座200に着座しているあいだの誘導加熱であっても、漏れ磁束が人体に影響を与えることはない。
制御部410は、第3の昇温制御CT3を、便座200の温度が快適温度TH3に到達するまで実行する。制御部410は、第3の昇温制御CT3を実行する期間の前半では、便座200の温度制御を例えばフィードフォワード制御によって行う。一方、期間の後半では、便座200の温度制御を例えばフィードバック制御によって行う。これにより、便座200の温度が快適温度TH3を超えるオーバーシュートを抑制することができる。
制御部410は、便座200の温度が快適温度TH3に到達すると(時刻tg)、第3の昇温制御CT3から保温制御CTkへ移行する制御を行う。これにより、便座200の温度は、快適温度TH3に維持される。
保温制御CTkを実行している間の磁束密度はBkである。保温制御CTkでは、快適温度TH3を維持する程度のわずかな電流量で済むことから、磁束密度Bkは非常に小さい。ここで、磁束密度Bkは、利用者が着座している状態の条件で測定した値である。
このような昇温制御によって、高い磁束密度を持つ磁界に人体がさらされるのを防止しつつ、利用者のトイレ入室から着座するまでの間に無駄な電力を消費せずに便座を暖めることができる。これにより、省電力でありながら、利用者が着座した際の冷感を最小限に抑制できる便座加熱を安全に行うことが可能になる。
図7は、入室等の人体検知があった後、第1の時間内に便蓋300が開いた場合の昇温制御について例示するタイミングチャートである。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から、着座動作センサ444によって便蓋300の閉状態を検知していることを条件として、第1の昇温制御CT1を実行する。第1の昇温制御CT1における便座の昇温カーブの傾斜はθ1である。また、第1の昇温制御CT1を実行している間の磁束密度はB1である。
ここで、時刻t0から予め設定された第1の時間TM1を経過する時刻t1までの間に、利用者が手動で、または利用者の指示によって便蓋300が開けられたとする(時刻tp)。この場合、制御部410は、第1の昇温制御CT1から第2の昇温制御CT2へ移行する制御を行う。第2の昇温制御CT2において、便座の昇温カーブの傾斜θ2は、第1の昇温制御CT1の昇温カーブの傾斜θ1よりも小さい。第2の昇温制御CT2を実行している間の磁束密度はB2である。
その後、第2の時間TM2内に利用者が便座200に着座すると(着座の時刻td)、制御部410は、第2の昇温制御CT2から第3の昇温制御CT3へ移行する制御を行う。第3の昇温制御CT3において、便座の昇温カーブの傾斜θ3は、第2の昇温制御CT2の昇温カーブの傾斜θ2よりも小さい。第3の昇温制御CT3を実行している間の磁束密度はB3である。
制御部410は、第3の昇温制御CT3を、便座200の温度が快適温度TH3に到達するまで実行する。制御部410は、便座200の温度が快適温度TH3に到達すると(時刻tg)、第3の昇温制御CT3から保温制御CTkへ移行する制御を行う。これにより、便座200の温度は、快適温度TH3に維持される。保温制御CTkを実行している間の磁束密度はBkである。
このような昇温制御によって、トイレ入室から比較的早いタイミングで便蓋300が開いた場合でも、高い磁束密度を持つ磁界に人体がさらされるのを防止しつつ、利用者のトイレ入室から着座するまでの間に無駄な電力を消費せずに便座を暖めることができる。これにより、省電力でありながら、利用者が着座した際の冷感を最小限に抑制できる便座加熱を安全に行うことが可能になる。
図8は、第2の時間と同時に着座した場合の昇温制御について例示するタイミングチャートである。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第1の時間TM1が経過する時刻t1まで、着座動作センサ444によって便蓋300の閉状態を検知していることを条件として、第1の昇温制御CT1を実行する。第1の昇温制御CT1における便座の昇温カーブの傾斜はθ1である。また、第1の昇温制御CT1を実行している間の磁束密度はB1である。
第1の時間TM1で第1の昇温制御CT1を行うと、便座200の温度は第1の温度TH1に到達する。第1の時間TM1を経過すると、制御部410は便蓋300を自動的に開ける制御を行う。そして、制御部410は、第1の昇温制御CT1から第2の昇温制御CT2へ移行する制御を行う。第2の昇温制御CT2において、便座の昇温カーブの傾斜θ2は、第1の昇温制御CT1の昇温カーブの傾斜θ1よりも小さい。第2の昇温制御CT2を実行している間の磁束密度はB2である。
第2の時間TM2で第2の昇温制御CT2を行うと、便座200の温度は冷感限界温度TH2に到達する。そして、第2の時間TM2が経過した時刻t2で利用者が便座に着座すると(時刻t2=td)、制御部410は、第2の昇温制御CT2から第3の昇温制御CT3へ移行する制御を行う。第3の昇温制御CT3において、便座の昇温カーブの傾斜θ3は、第2の昇温制御CT2の昇温カーブの傾斜θ2よりも小さい。第3の昇温制御CT3を実行している間の磁束密度はB3である。
利用者が着座した際には、便座200の温度は冷感限界温度TH2に達しているため、利用者に冷感を与えることはない。
制御部410は、第3の昇温制御CT3を、便座200の温度が快適温度TH3に到達するまで実行する。制御部410は、便座200の温度が快適温度TH3に到達すると(時刻tg)、第3の昇温制御CT3から保温制御CTkへ移行する制御を行う。これにより、便座200の温度は、快適温度TH3に維持される。保温制御CTkを実行している間の磁束密度はBkである。
このような昇温制御によって、トイレ入室から自動的に便蓋300が開けられ、平均的なタイミングで便座200に着座した場合、高い磁束密度を持つ磁界に人体がさらされるのを防止しつつ、無駄な電力を消費せずに冷感限界温度TH2まで便座を暖めることができるようになる。これにより、省電力でありながら、利用者に冷感を与えない便座加熱を安全に行うことが可能になる。
図9は、第2の時間を経過したあとに着座した場合の昇温制御について例示するタイミングチャートである。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第1の時間TM1が経過する時刻t1まで、着座動作センサ444によって便蓋300の閉状態を検知していることを条件として、第1の昇温制御CT1を実行する。第1の昇温制御CT1における便座の昇温カーブの傾斜はθ1である。また、第1の昇温制御CT1を実行している間の磁束密度はB1である。
第1の時間TM1で第1の昇温制御CT1を行うと、便座200の温度は第1の温度TH1に到達する。第1の時間TM1を経過すると、制御部410は便蓋300を自動的に開ける制御を行う。そして、制御部410は、第1の昇温制御CT1から第2の昇温制御CT2へ移行する制御を行う。第2の昇温制御CT2において、便座の昇温カーブの傾斜θ2は、第1の昇温制御CT1の昇温カーブの傾斜θ1よりも小さい。第2の昇温制御CT2を実行している間の磁束密度はB2である。
第2の時間TM2で第2の昇温制御CT2を行うと、便座200の温度は冷感限界温度TH2に到達する。そして、第2の時間TM2が経過した時刻t2で、制御部410は、第2の昇温制御CT2から第3の昇温制御CT3へ移行する制御を行う。第3の昇温制御CT3において、便座の昇温カーブの傾斜θ3は、第2の昇温制御CT2の昇温カーブの傾斜θ2よりも小さい。第3の昇温制御CT3を実行している間の磁束密度はB3である。
第2の時間TM2を経過して、第3の昇温制御CT3を実行している間に利用者が便座200に着座した場合、制御部410はそのまま第3の昇温制御CT3を続行する。第3の昇温制御CT3は、便座200の温度が快適温度TH3に到達するまで続行される。
そして、制御部410は、便座200の温度が快適温度TH3に到達すると(時刻tg)、第3の昇温制御CT3から保温制御CTkへ移行する制御を行う。これにより、便座200の温度は、快適温度TH3に維持される。保温制御CTkを実行している間の磁束密度はBkである。
このような昇温制御によって、トイレ入室から自動的に便蓋300が開けられ、平均的なタイミングよりも遅いタイミングで便座200に着座した場合でも、高い磁束密度を持つ磁界に人体がさらされるのを防止しつつ、無駄な電力を消費せずに冷感限界温度TH2まで便座を暖めることができるようになる。これにより、省電力でありながら、利用者に冷感を与えない便座加熱を安全に行うことが可能になる。
次に、制御部410による具体的な昇温制御の他の例について説明する。
図10〜図13は、昇温制御の他の具体例を説明するタイミングチャートである。
図10〜図13に表したタイミングチャートは、便蓋に防磁効果がない場合、または便蓋が設けられていない場合の制御について例示している。
各図において、(a)は時間に対する便座の温度の変化を表す昇温カーブを例示している。また、(b)は時間に対する磁束密度の変化を表している。
図10は、第2の時間と同時に着座した場合の昇温制御について例示するタイミングチャートである。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第2の時間TM2が経過する時刻t2まで、第2の昇温制御CT2を実行する。第2の昇温制御CT2における便座の昇温カーブの傾斜はθ2’である。また、第2の昇温制御CT2を実行している間の磁束密度はB2’である。磁束密度B2’は、磁束密度B2よりも大きい。これは、便蓋300による防磁効果を得られないためである。ただし、磁束密度B’は、基準となる磁束密度Brefよりは小さい。
第2の時間TM2で第2の昇温制御CT2を行うと、便座200の温度は快適温度TH3に到達する。そして、第2の時間TM2が経過した時刻t2で利用者が便座に着座すると(時刻t2=td)、制御部410は、第2の昇温制御CT2から保温制御CTkへ移行する制御を行う。これにより、便座200の温度は、快適温度TH3に維持される。保温制御CTkを実行している間の磁束密度はBkである。
このような昇温制御によって、トイレ入室から平均的なタイミングで便座200に着座した場合、高い磁束密度を持つ磁界に人体がさらされるのを防止しつつ、無駄な電力を消費せずに快適温度TH3まで便座を暖めることができるようになる。これにより、省電力でありながら、利用者に冷感を与えない便座加熱を安全に行うことが可能になる。
図11は、第2の時間と同時に着座した場合の他の昇温制御ついて例示するタイミングチャートである。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第2の時間TM2が経過する時刻t2まで、第2の昇温制御CT2を実行する。第2の昇温制御CT2における便座の昇温カーブの傾斜はθ2’’である。磁束密度B2’’は、磁束密度B2’よりも小さい。
第2の時間TM2で第2の昇温制御CT2を行うと、便座200の温度は冷感限界温度TH2に到達する。そして、第2の時間TM2が経過した時刻t2で利用者が便座に着座すると(時刻t2=td)、制御部410は、第2の昇温制御CT2から第3の昇温制御CT3へ移行する制御を行う。第3の昇温制御CT3において、便座の昇温カーブの傾斜θ3は、第2の昇温制御CT2の昇温カーブの傾斜θ2’’よりも小さい。第3の昇温制御CT3を実行している間の磁束密度はB3である。
利用者が着座した際には、便座200の温度は冷感限界温度TH2に達しているため、利用者に冷感を与えることはない。
制御部410は、第3の昇温制御CT3を、便座200の温度が快適温度TH3に到達するまで実行する。制御部410は、便座200の温度が快適温度TH3に到達すると(時刻tg)、第3の昇温制御CT3から保温制御CTkへ移行する制御を行う。これにより、便座200の温度は、快適温度TH3に維持される。保温制御CTkを実行している間の磁束密度はBkである。
このような昇温制御によって、トイレ入室から平均的なタイミングで便座200に着座した場合、高い磁束密度を持つ磁界に人体がさらされるのを防止しつつ、無駄な電力を消費せずに冷感限界温度TH2まで便座を暖めることができるようになる。これにより、省電力でありながら、利用者に冷感を与えない便座加熱を安全に行うことが可能になる。
なお、図10及び図11に例示したタイミングチャートでは、第2の時間TM2の経過と同時に着座した場合を示したが、第2の時間TM2を経過したあとで着座した場合も同様なタイミングで昇温制御される。
図12は、第2の時間の経過前に着座した場合の昇温制御について例示するタイミングチャートである。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第2の時間TM2が経過する時刻t2まで、第2の昇温制御CT2を実行する。第2の昇温制御CT2における便座の昇温カーブの傾斜はθ2’である。磁束密度B2’である。
その後、第2の時間TM2内に利用者が便座200に着座すると(着座の時刻td)、制御部410は、第2の昇温制御CT2から第3の昇温制御CT3へ移行する制御を行う。第3の昇温制御CT3において、便座の昇温カーブの傾斜θ3は、第2の昇温制御CT2の昇温カーブの傾斜θ2’よりも小さい。第3の昇温制御CT3を実行している間の磁束密度はB3である。
制御部410は、第3の昇温制御CT3を、便座200の温度が快適温度TH3に到達するまで実行する。制御部410は、便座200の温度が快適温度TH3に到達すると(時刻tg)、第3の昇温制御CT3から保温制御CTkへ移行する制御を行う。これにより、便座200の温度は、快適温度TH3に維持される。保温制御CTkを実行している間の磁束密度はBkである。
このような昇温制御によって、トイレ入室から比較的早いタイミングで着座した場合でも、高い磁束密度を持つ磁界に人体がさらされるのを防止しつつ、利用者のトイレ入室から着座するまでの間に無駄な電力を消費せずに便座を暖めることができる。これにより、省電力でありながら、利用者が着座した際の冷感を最小限に抑制できる便座加熱を安全に行うことが可能になる。
図13は、第2の時間の経過前に着座した場合の他の昇温制御について例示するタイミングチャートである。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第2の時間TM2が経過する時刻t2まで、第2の昇温制御CT2を実行する。第2の昇温制御CT2における便座の昇温カーブの傾斜はθ2’’である。磁束密度B2’’は、磁束密度B2’よりも小さい。
その後、第2の時間TM2内に利用者が便座200に着座すると(着座の時刻td)、制御部410は、第2の昇温制御CT2から第3の昇温制御CT3へ移行する制御を行う。第3の昇温制御CT3において、便座の昇温カーブの傾斜θ3は、第2の昇温制御CT2の昇温カーブの傾斜θ2’’よりも小さい。第3の昇温制御CT3を実行している間の磁束密度はB3である。
制御部410は、第3の昇温制御CT3を、便座200の温度が快適温度TH3に到達するまで実行する。制御部410は、便座200の温度が快適温度TH3に到達すると(時刻tg)、第3の昇温制御CT3から保温制御CTkへ移行する制御を行う。これにより、便座200の温度は、快適温度TH3に維持される。保温制御CTkを実行している間の磁束密度はBkである。
このような昇温制御によって、トイレ入室から比較的早いタイミングで着座した場合でも、高い磁束密度を持つ磁界に人体がさらされるのを防止しつつ、利用者のトイレ入室から着座するまでの間に無駄な電力を消費せずに便座を暖めることができる。これにより、省電力でありながら、利用者が着座した際の冷感を最小限に抑制できる便座加熱を安全に行うことが可能になる。
次に、機能許可着座センサ及び着座動作センサによる検知について説明する。
図14は、センサの動作タイミングを例示する図である。
図14(a)では、機能許可着座センサの動作タイミングを例示し、図14(b)では、着座動作センサの動作タイミングを例示している。
すなわち、図14(a)に表したように、機能許可着座センサ443は、周期ST1ごとに動作する。例えば、機能許可着座センサ443として光電センサを用いる場合、この周期ST1ごとに投光を行う。
一方、図14(b)に表したように、着座動作センサ444は、周期ST2ごとに動作する。周期ST2は、周期ST1よりも短い。例えば、周期ST2を周期ST1の1/2にする。これにより、着座動作センサ444は、機能許可着座センサ443による検知よりも早いタイミングで着座動作を検知できる。
なお、着座動作センサ444の動作周期を機能許可着座センサ443の動作周期よりも短くするにあたり、着座動作センサ444の1回当たりの動作時間を、機能許可着座センサ443の1回当たりの動作時間よりも短くするようにしてもよい。これによって、センサの寿命を延ばすことができる。
ここで、機能許可着座センサ443と、着座動作センサ444と、を1つのセンサで兼用してもよい。この場合、入室検知センサ441によって入室を検知した後、センサの動作周期をST1からST2に変更して着座検知を行い、その後、第2暖房モードに移行した後、センサの動作周期をST2からST1に戻すようにすればよい。
機能許可着座センサ443と、着座動作センサ444と、を1つのセンサで兼用することにより、複数のセンサを設ける必要がなくなる。また、便座200に着座する使用者に対して最適な位置にセンサを設けることができ、設置位置の違いによる着座検知制度の違いをなくすことができる。
図15は、センサの情報の読み込みタイミングを例示する図である。
図15(a)では、機能許可着座センサの情報の読み込みタイミングを例示し、図15(b)では、着座動作センサの情報の読み込みタイミングを例示している。
すなわち、図15(a)に表したように、機能許可着座センサ443については、1回の動作期間内において、動作開始から時間SPT1が経過したタイミングSP1、及び動作開始から時間SPT2が経過したタイミングSP2で、制御部410が機能許可着座センサ443からの出力信号を読み取る。制御部410は、機能許可着座センサ443の情報について、例えば連続した4回のタイミングSP1〜SP4で人体を検知している場合、着座後の機能を動作可能であると判定する。
図15(b)に表したように、着座動作センサ444についても、1回の動作期間内において、動作開始から時間SPT1が経過したタイミングSP1、及び動作開始から時間SPT2が経過したタイミングSP2で、制御部410が機能許可着座センサ443からの出力信号を読み取る。ただし、制御部410は、着座動作センサ444の情報について、機能許可着座センサ443よりも少ない処理回数で着座動作を判定する。例えば、連続した2回のタイミングSP1、SP2で人体を検知している場合、着座動作があったと判定する。なお、1回のタイミングで判定してもよいが、信号ノイズ等による誤検知を防止する観点から、2回以上が好ましい。
ここで、上記の読み取りタイミングについては、機能許可着座センサ443と、着座動作センサ444と、を1つのセンサで兼用した場合であっても適用可能である。この場合、入室検知センサ441によって入室を検知した後、センサの動作期間において、連続した2回のタイミングSP1、SP2で人体を検知した段階で着座動作を判定し、その後に続けて2回のタイミングSP3、SP4でも人体を検知した段階で着座後の機能を動作可能であると判定する。
次に、着座動作センサ444の他の例について説明する。
上記説明した着座動作センサ444では、光電センサを用いる例を説明したが、着座動作センサ444としては、光電センサ以外でも、例えば静電センサや電波センサといった他のセンサを用いることができる。
図16は、電波センサを例示する図である。
図16(a)は、電波センサの概略ブロック図である。図16(b)は、電波センサの出力波形を例示した図である。
図16(a)に表したように、電波センサ480は、発信回路481、分岐部482、送信アンテナ483、受信アンテナ484及びミキサ回路485を備えている。
この電波センサ480は、ドップラー効果を利用したもので、発信回路481で発信された送信信号を分岐部482で送信アンテナ483及びミキサ回路485に分岐し、送信アンテナ483から例えばマイクロ波による電波WV1を送信する。
この電波WV1が人体HMに当たり、反射した電波WV2は受信アンテナ484で受信され、ミキサ回路485に送られる。ミキサ回路485では、分岐部482で分岐された送信信号と、受信アンテナ484で受信した電波WV2による受信信号と、のミキシングにより差分信号を抽出し、増幅回路486で増幅した後、センサ出力SVとしている。
図16(b)では、時間に対するセンサ出力SVの波形を例示している。ここでは、入室から着座までのセンサ出力SVの波形変化を示している。図16(b)に表したように、使用者がトイレのドアを開けると、センサ出力SVは波形SG1になる。次に、使用者が便座(便器)へ接近すると、センサ出力SVは波形SG2になる。次に、使用者が便座に向かって回転すると、センサ出力SVは波形SG3になる。次に、使用者が脱衣中では、センサ出力SVは波形SG4になる。次に、使用者が着座動作中では、センサ出力SVは波形SG5になる。そして、使用者が着座継続中では、センサ出力SVは波形SG6になる。
使用者の動作に応じた波形SG1〜SG6には、それぞれ特徴がある。すなわち、使用者の動作期間によって、波形の周波数帯が低い場合と、高い場合と、がある。これは使用者の動作速度の変化に起因している。したがって、このセンサ出力SVの変化を信号処理することで、波形SG1〜SG6の特徴を抽出し、どの波形SG1〜SG6に分類されるかによって使用者の動作を判別することができる。
このような電波センサ480を着座動作センサ444に利用した場合、波形SG5を抽出することで使用者の着座動作を判断することができる。例えば、着座動作の波形SG5は、他の動作の波形SG1〜SG4、SG6に比べて振幅が大きい(移動速度が速い)。この特徴を利用して波形SG5を抽出し、着座動作を検知する。制御部410による便座200の昇温制御は、センサ出力SVの波形SG5を抽出した段階で第2暖房モードに移行している。
ここで、電波センサ480を用いる場合には、電波WV1の放射方向を便座200に対して鉛直方向にすることが望ましい。すなわち、トイレを使用する一連の動作で、着座動作には、上方から下方に向けてお尻を移動させるといった特有の動きがある。すなわち、着座動作での波形SG5は、他の動作の波形SG1〜SG4、SG6に比べて振幅が大きいため、電波WV1の放射方向を便座200に対して鉛直方向することで、着座動作の信号強度をより高めて確実に使用者の着座動作を検知することができるようになる。
なお、上記のような電波センサ480では、入室検知センサ441、立位検知センサ442、機能許可着座センサ443及び着座動作センサ444の全てを兼用することもできる。すなわち、使用者のトイレルームへの入室から着座までの動作をセンサ出力SVの波形SG1〜SG6によって判別できるため、各波形SG1〜SG6の抽出によって、これらのセンサに必要な出力信号を得ることも可能である。この場合、電波センサ480のセンサ出力SVを処理する部分(信号処理回路、信号処理アルゴリズム等)のうち、波形SG1を抽出する部分が人体検知部になり、波形SG5を抽出する部分が着座動作検知部になる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、利用者のトイレ入室から着座するまでの間に無駄な電力を消費せずに、しかも高い磁束密度を持つ磁界に人体がさらされることなく、便座を暖めることができる。これにより、誘導加熱の原理を利用した暖房便座装置100であって、暖房開始とともに迅速に冷たさを感じさせない温度まで便座を昇温することが可能になる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10…トイレ装置、100…暖房便座装置、200…便座、220…高周波電源装置、222…誘導加熱コイル、231…発熱部、300…便蓋、310…磁気シールド、400…ケーシング、410…制御部、415…給電線、441…入室検知センサ、442…立位検知センサ、443…機能許可着座センサ、444…着座動作センサ、450…便蓋開閉装置、460…局部洗浄部、480…電波センサ、800…洋式腰掛便器

Claims (9)

  1. 導電体からなる発熱部を有する便座本体と、
    前記発熱部を誘導加熱する磁界を発生する誘導加熱コイルと、
    前記誘導加熱コイルへの通電を制御する制御部と、
    人体が存在することを検知する人体検知部と、
    使用者の前記便座本体への着座する直前の状態である着座動作を検知する着座動作検知部と、
    使用者が便座に着座した後に実行可能な洗浄の動作開始の許可を判定する機能許可着座検知部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記人体検知部により人体の存在を検知したとき、前記誘導加熱コイルへの通電により前記便座本体を暖める第1暖房モードを開始し、
    前記着座動作検知部により人体の着座動作を検知したあとは、前記誘導加熱コイルへの通電量が前記第1暖房モードにおける通電量よりも小さい第2暖房モードに移行させ、
    前記着座動作検知部と、前記機能許可着座検知部と、は、ひとつのセンサを兼用し、
    前記着座動作検知部による検知処理時の動作周期は、前記機能許可着座検知部による検知処理時の動作周期よりも短いことを特徴とする暖房便座装置。
  2. 前記第2暖房モードにおける前記誘導加熱コイルへの通電量は、前記誘導加熱コイルが発生する磁界が便座に着座した人体に対して影響を及ぼさない磁界となる通電量であることを特徴とする請求項1に記載の暖房便座装置。
  3. 前記制御部は、
    前記人体検知部による人体の存在を検知した後、前記着座動作検知部が使用者の着座を検知しておらず、前記第1暖房モードが一定時間が経過した場合は、前記第2暖房モードに移行することを特徴とする請求項1または2に記載の暖房便座装置。
  4. 前記第2暖房モードは、前記便座本体を昇温させる昇温モードと、前記便座本体の温度を一定に保つ保温モードと、を有し、
    前記保温モードは、前記第2暖房モードを実行する期間内で最後に実行されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の暖房便座装置。
  5. 前記着座動作検知部は、人体の着座動作の検知を、前記機能許可着座検知部による前記洗浄の動作開始の許可の判定よりも先に行うことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の暖房便座装置。
  6. 前記着座動作検知部による人体を検知してから着座を判断するまでの処理回数は、前記機能許可着座検知部による人体を検知してから着座を検知するまでの処理回数よりも少ないことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の暖房便座装置。
  7. 前記着座動作検知部は、前記便座本体の鉛直方向における使用者の速度変化を検知することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の暖房便座装置。
  8. 前記着座動作検知部の1回当たりの動作時間は、前記機能許可着座検知部の1回当たりの動作時間よりも短いことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の暖房便座装置。
  9. 前記人体検知部が前記人体の存在を検知する前における前記センサの動作周期は、前記人体検知部が前記人体の存在を検知した後における前記センサの動作周期よりも長いことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の暖房便座装置。
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