JP2012205668A - 暖房便座装置 - Google Patents

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Kenji Hashizume
賢二 橋詰
Yoichi Murase
陽一 村瀬
Yoshiyuki Hasegawa
長谷川  義之
Satoko Noguchi
聡子 野口
Toshio Oguro
利雄 小黒
Kazuko Sato
和子 佐藤
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Abstract

【課題】暖房開始とともに迅速に冷たさを感じさせない温度まで便座を昇温できる暖房便座装置を提供することを目的とする。
【解決手段】便座と、閉じた状態の便座の上方を覆う便蓋と、便座及び便蓋を開閉可能に支持するケーシングと、高周波電流を生成する高周波電源装置と、便座に設けられ、高周波電流が通電されることにより磁界を発生する誘導加熱コイルと、便座に設けられ、誘導加熱コイルが発生した磁界によって渦電流を生成して誘導加熱を起こす導電体と、便蓋の開閉状態を検知する便蓋開閉検知手段と、便蓋の開閉状態を1つの条件として、誘導加熱コイルへの高周波電流の供給を制御する制御部と、を備え、制御部は、便蓋開閉検知手段により便蓋が閉じているのを検知していることを条件として、誘導加熱コイルへの高周波電流の供給の供給開始から第1の時間以内の前記高周波電流の供給を行う第1の昇温制御を実行することを特徴とする暖房便座装置が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明の態様は、暖房便座装置に関し、具体的には便器に設けられる便座を暖めることができる暖房便座装置に関する。
便座を暖める手段として、誘導加熱を利用して不使用時の消費電力を極めて少なくした暖房便座装置が提案されている。誘導加熱は、コイルに高周波電流を通電させて、コイルから磁界を発生させ、その磁界が導電体を通過することにより渦電流を生成させて導電体を加熱するものである。例えば、特許文献1では、着座前の人体検知で誘導加熱コイルに高周波電流を供給し、着座によって誘導加熱コイルへの高周波電流の供給を停止する暖房便座装置が提案されている。
しかしながら、従来提案されている技術では、着座前の人体検知から着座検知までの間、常に一定に昇温するので、便座に早く座りたくても便座が暖まっておらず冷たさを感じてしまうことがある。また、昇温速度を上げるために誘導加熱コイルへの高周波電流の供給量を増やすと、誘導加熱コイルから照射される高い磁束密度を持つ磁界に人体がさらされる可能性がある。
特開2001−8859号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、誘導加熱の原理を利用した暖房便座装置であって、暖房開始とともに迅速に冷たさを感じさせない温度まで便座を昇温することが可能な暖房便座装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、便座と、閉じた状態の前記便座の上方を覆う便蓋と、前記便座及び前記便蓋を開閉可能に支持するケーシングと、高周波電流を生成する高周波電源装置と、前記便座に設けられ、前記高周波電流が通電されることにより磁界を発生する誘導加熱コイルと、前記便座に設けられ、前記誘導加熱コイルが発生した磁界によって渦電流を生成して誘導加熱を起こす導電体と、前記便蓋の開閉状態を検知する便蓋開閉検知手段と、前記蓋開閉検知手段によって検知された前記便蓋の開閉状態を1つの条件として前記高周波電源装置を制御して、前記誘導加熱コイルへの高周波電流の供給を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記便蓋開閉検知手段により前記便蓋の閉状態を検知していることを条件として、前記誘導加熱コイルへの前記高周波電流の供給の開始から第1の時間以内の前記高周波電流の供給で行う第1の昇温制御を実行することを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、誘導加熱を開始する際には便蓋が閉じているから、便蓋が防磁の役目を果たす。そのため、誘導加熱開始時には、高周波電流を多めに供給することができる。これにより、使用していないときに便座の暖房を切っていても、便座に座ったとき冷たいと感じない冷感限界温度まで、より迅速に到達させることができる。また、第1の昇温制御の際には便蓋が便座を覆っているので、誘導加熱コイルから発生する磁界の漏れを抑制することができる。これにより、高い磁束密度を持つ磁界が人体に入射するのを防止することができる。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記制御部は、前記第1の昇温制御の途中で前記便蓋開閉検知手段により前記便蓋が開いたことを検知した場合、前記第1の昇温制御よりも単位時間当たりの前記高周波電流の供給量を低減した第2の昇温制御を実行することを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、第1の昇温制御の途中で便蓋が開くと、高周波電流の供給量を低減するので、防磁の役目を果たしていた便蓋が便座上から離れても、高い磁束密度を持つ磁界が人体に入射するのを防止することができる。
また、便蓋が開いた後も誘導加熱を停止せずに、第1の昇温制御を第2の昇温制御に切り替えて昇温を続けるので、便蓋が開いてから着座するまでの間に便座の温度を着座時に冷たさを感じさせない温度まで到達させることができ、快適である。
また、第3の発明は、第1の発明において、前記便蓋を開閉する便蓋開閉装置をさらに備え、前記制御部は、前記便蓋が閉じた状態で前記第1の時間が経過すると、前記便蓋開閉装置によって前記便蓋を開く制御を行い、さらに、前記第1の昇温制御よりも単位時間当たりの前記高周波電流の供給量を低減した第2の昇温制御を実行することを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、第1の昇温制御の後に、便蓋を開いて、さらに高周波電流の供給量を低減するので、防磁の役目を果たしていた便蓋が便座上から離れても、高い磁束密度を持つ磁界が人体に入射するのを防止することができる。
また、快適温度や冷感温度に到達する前に便蓋を自動的に開くので、便蓋がなかなか開かずに、じれったい感じを与えることなく、快適である。
また、便蓋が開いた後も誘導加熱を停止せずに、第1の昇温制御を第2の昇温制御に切り替えて昇温を続けるので、便蓋が開いてから着座するまでの間に便座の温度を着座時に冷たさを感じさせない温度まで到達させることができ、快適である。
また、第4の発明は、第2または第3の発明において、前記制御部は、前記第2の昇温制御を実行した後に、前記第2の昇温制御よりも単位時間当たりの前記高周波電流の供給量を低減して前記導電体の温度を予め定めた設定温度に到達させる第3の昇温制御を実行することを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、快適温度に到達させる昇温制御を、第1及び第2の昇温制御よりも単位時間当たりの高周波電流の供給量が低減された第3の昇温制御で行うため、便座温度はオーバーシュートせずに設定温度に到達することができる。これにより、利用者は熱いと感じることなく快適である。
また、第5の発明は、第2または第3の発明において、前記便座に着座する直前の人体を検知する着座検知手段をさらに備え、前記制御部は、前記着座検知手段により前記便座に着座する直前の人体を検知した場合、前記第2の昇温制御よりも単位時間当たりの前記高周波電流の供給量を低減して前記導電体の温度を予め定めた設定温度に到達させる第3の昇温制御を実行することを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、着座すると、第1及び第2の昇温制御よりも単位時間当たりの高周波電流の供給量が低減された第3の昇温制御で行うため、高い磁束密度を持つ磁界が着座した人に入射されることがない。
また、便座温度はオーバーシュートせずに設定温度に到達することができる。これにより、利用者は熱いと感じることなく快適である。
また、第6の発明は、第1〜第5のいずれか1つに記載の発明において、前記便蓋は、前記高周波電流によって発生する磁界が前記便蓋を通過する度合いを抑制する磁界漏れ抑制手段をさらに有し、前記磁界漏れ抑制手段は、前記便蓋が閉じた状態で前記便座の少なくとも前方及び側方を覆う位置に配置された磁気シールドを含むことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、便蓋に設けた磁界漏れ抑制手段によって、暖房便座装置の前方及び側方への磁界の漏れを効果的に低減することができる。これにより、便蓋を閉じて実行する第1の昇温制御を、より大きな高周波電流で行うことができ、便座をより迅速に昇温することができる。
本発明の態様によれば、誘導加熱の原理を利用した暖房便座装置であって、暖房開始とともに迅速に冷たさを感じさせない温度まで便座を昇温することが可能な暖房便座装置が提供される。
本実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する模式的斜視図である。 本実施の形態にかかる暖房便座装置を表す模式図である。 本実施形態に係る暖房便座装置の機能ブロック図である。 制御部による誘導加熱の制御フローチャートである。 昇温制御の具体例を説明するタイミングチャートである。 昇温制御の具体例を説明するタイミングチャートである。 昇温制御の具体例を説明するタイミングチャートである。 昇温制御の具体例を説明するタイミングチャートである。 磁気シールドを備えた便蓋を閉じた状態の模式的斜視図である。 図9に表した切断面B−Bにおける模式的断面図である。 磁気シールドを備えた便蓋を閉じた状態の模式的斜視図である。 図11に表した切断面C−Cにおける模式的断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する模式的斜視図である。
図2は、本実施の形態にかかる暖房便座装置を表す模式図で、(a)は、暖房便座装置を上方から眺めた模式的平面図、(b)は、(a)に表した切断面A−Aにおける模式的断面図である。なお、図2(b)においては、説明の関係上、閉じた状態の便蓋も表されている。
本実施の形態に係る暖房便座装置100は、トイレ装置10における洋式腰掛便器800の上に設置されるもので、便座200と、便蓋300と、便座200及び便蓋300のを開閉可能に支持するケーシング400と、を備える。便座200と便蓋300とは、ケーシング400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。便蓋300は、閉じた状態において便座200の上方を覆うことができる。例えば便座200には、高周波電流を生成する高周波電源装置220が内蔵される。なお、高周波電源装置220は、ケーシング400に内蔵されていてもよい。
便座200または便蓋300には、高周波電源装置220から供給された高周波電流により磁界を発生させる誘導加熱コイル222が設けられる。便座200には、磁界によって誘導加熱される導電体からなる発熱部231が設けられる。より具体的には、発熱部231は、誘導加熱コイル222から発生する磁界で誘起される渦電流により発熱する。
ケーシング400には、入室検知センサ441、立位検知センサ442、着座センサ443及び便蓋開閉検知センサ444が設けられている。
入室検知センサ441には、例えば焦電センサであり、使用者がトイレ室内に入ったことを検知する。入室検知センサ441が使用者の入室を検知すると、一定時間経過後に便蓋300が自動的に開く。すなわち、ケーシング400内には便蓋300を開閉する便蓋開閉装置(図示せず)が設けられている。入室検知センサ441によって使用者の入室を検知した場合、その検知から一定時間経過後に便蓋開閉装置が作動して便蓋300を自動的に開く。
立位検知センサ442は、例えば光電センサであり、使用者までの距離を測定して、洋式腰掛便器800の前方で使用者が立っていることを検知する。立位検知センサ442によって使用者が便座200から一定距離(例えば、30cm)以上離れたことを検知すると、便蓋開閉装置が作動して便蓋300を自動的に閉じる。
なお、便蓋300は、上記のように自動的に開閉する場合のほか、使用者の手動や使用者のボタン操作によっても開閉可能である。
着座センサ443は、例えば光電センサであり、便座200に着座する直前の人体を検知する。着座センサ443は、例えば立位検知センサ442と同じ投受光窓を介して光を投光及び受光する。着座センサ443は使用者までの距離を測定して、一定距離(例えば、10cm)以内に使用者が接近したか否かを検知し、暖房便座装置100の各種機能の動作の開始または停止する。
便蓋開閉検知センサ444は、例えばマイクロスイッチであり、便蓋300の開閉状態を検知する。例えば、便蓋300が便座200から一定角度以上開くと便蓋開閉検知センサ444が便蓋300の開状態を検知する。
ここで、ケーシング400の内部には、衛生洗浄装置としての機能部が併設されていてもよい。すなわち、ケーシング400には、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて水を噴出する図示しない吐水ノズルを有する衛生洗浄機能部などが内蔵されていてもよい。
また、ケーシング400の内部には、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる「温風乾燥機能」や「脱臭ユニット」や「室内暖房ユニット」などの各種の機構が適宜設けられていてもよい。ただし、本実施の形態においては、衛生洗浄機能部やその他の付加機能部は必ずしも設けなくてもよい。
図2(a)に表したように、ケーシング400の内部には、制御部410が設けられている。そして、商用電源から供給される電力(以下、説明の便宜上「商用電力」と称する)は、制御部410及び高周波電源装置220に投入される。高周波電源装置220は、制御部410から供給される制御信号に基づいて高周波電流を生成する。
図2(b)に表したように、便座200は、便座200の外形を形成する筐体210を有する。筐体210は、樹脂などの絶縁性を有する材料により形成されている。なお、筐体210は、複数の部材により形成されていてもよいし、1つの部材により形成されていてもよい。
便座200の筐体210の内部には、高周波電源装置220から供給された高周波電流が通電されることにより磁界を発生する誘導加熱コイル222が設けられている。誘導加熱コイル222は、便座200の内部の上面(着座面に対向する内面)210aに付設されている。なお、誘導加熱コイル222は、支持体によって支持されていてもよい。
誘導加熱コイル222から発生する磁界で誘起される渦電流により発熱する発熱部231は、便座200の上面(着座面)に付設されている。あるいは、発熱部231は、便座200の筐体210の内部に設けられていてもよい。あるいは、発熱部231は、便座200の内部の上面210aに付設されていてもよい。
発熱部231の材料としては、例えば鉄やステンレスなどの強磁性体、またはアルミニウムなどの常磁性体といった金属を用いることができる。便座200の外部に磁界を放出させにくくするためには、電気抵抗が大きい鉄やステンレスなどの強磁性体を発熱部231に用いることがより好ましい。なお、発熱部231が便座200の上面に設けられる場合には、人体と発熱部231とが直接的に接触しないように、塗装、コーティング、フィルムなどが発熱部231の表面に施されることがより好ましい。
便座200には、温度センサ240が設けられている。温度センサ240は、例えば発熱部231の温度を検出する。なお、説明の便宜上、発熱部231の温度は、便座200の着座面の温度と等価であるとする。本実施形態では、便座200の着座面の温度のことを、単に便座200の温度ともいう。温度センサ240による温度の検出信号は、高周波電源装置220及び制御部410に送られる。
制御部410と高周波電源装置220とは、給電線415により接続されている。商用電力などの低周波電流と、制御部410から供給される制御信号と、は給電線415を通して高周波電源装置220に供給される。つまり、制御部410は、高周波電源装置220の動作を制御する。給電線415は、高周波電源装置220から出力される高周波電流よりも相対的に周波数が低い低周波電流を高周波電源装置220に供給する。高周波電源装置220は、制御部410から供給される制御信号に基づいて、低周波電流を高周波電流に変換する。すなわち、高周波電源装置220は、給電線415を通して供給される低周波電流を、その周波数よりも高い周波数の電流(以下、説明の便宜上「高周波電流」と称する)に変換する。
高周波電源装置220により変換された高周波電流は、誘導加熱コイル222へ流れる。そうすると、誘導加熱コイル222は、磁界を発生する。誘導加熱コイル222が磁界を発生すると、発熱部231は、その磁界で誘起される渦電流により発熱する。そのため、本実施の形態に係る暖房便座装置100は、誘導加熱の原理を利用し、便座200の着座面を急速に加熱することができ、より早く着座面を適温にすることができる。また、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、便座200の着座面を急速に加熱することができるため、使用者が便座200を使用していないときには便座200を保温しておく必要はない。そのため、例えば「シーズヒータ」や、「ハロゲンヒータ」や、「カーボンヒータ」などの抵抗加熱手段により便座200の着座面を加熱する場合よりも省エネルギー化を図ることができる。
便蓋300には、誘導加熱によって発生する磁界が便座200を通過する度合いを抑制する磁界漏れ抑制手段として、例えば強磁性体の磁気シールド310が設けられている。磁気シールド310は、便蓋300が閉じた状態で便座200の少なくとも前方及び側方を覆う位置に配置される。このように便蓋300に磁気シールド310が設けられていると、便蓋300を閉じている間に誘導加熱によって便座200を暖める際、誘導加熱コイル222からの漏れ磁束を低減することができる。特に、使用者はトイレ入室時には洋式腰掛便器800の前方または側方から便座200に近づくことから、使用者が近づく方向である便座200の少なくとも前方及び側方を覆う位置に磁気シールド310を設けることで、漏れ磁束を効果的に抑制することができる。
なお、図2に例示した暖房便座装置100では、便座200の筐体210の内部に誘導加熱コイル222が設けられているが、便蓋300の筐体内に誘導加熱コイル222が設けられていてもよい。便蓋300の筐体内に誘導加熱コイル222が設けられた暖房便座装置100では、便蓋300が閉じた状態において、誘導加熱コイル222により磁界を発生させる。これにより、便座200に設けられた発熱部231は、その磁界で誘起される渦電流により発熱する。また、発熱部231についても、便座200ではなく、便蓋300に設けられていてもよい。なお、以下の説明では、便座200に誘導加熱コイル222及び発熱部231が設けられている構成を例とする。
図3は、本実施形態に係る暖房便座装置の機能ブロック図である。
すなわち、図3に表したように、本実施形態に係る暖房便座装置100においては、便座200に設けられた構成と、便蓋300に設けられた構成と、ケーシング400に設けられた構成と、を備える。
便座200には、例えば高周波電源装置220、発熱部231、誘導加熱コイル222及び温度センサ240が設けられる。
なお、本実施形態では、高周波電源装置220を便座200内に設けているが、ケーシング400内に設けてもよい。
便蓋300には、磁界漏れ抑制手段である磁気シールド310が設けられる。
ケーシング400には、制御部410、入室検知センサ441、立位検知センサ442、着座センサ443、便蓋開閉検知センサ444及び便蓋開閉装置450が設けられる。便蓋開閉装置450は、便蓋300の開閉のほか、便座200の開閉も行う機構を備えていてもよい。また、ケーシング400には、必要に応じて局部洗浄部460が設けられている。
次に、制御部410による誘導加熱の制御動作について説明する。なお、本実施形態では、誘導加熱の制御動作を制御部410が行う場合について説明するが、高周波電源装置220に設けられた高周波電流制御部(誘導加熱コイル222への高周波電流の供給量を制御する部分)によって同様な制御動作を行ってもよい。
図4は、制御部による誘導加熱の制御フローチャートである。
先ず、ステップS101に表したように、制御部410は、入室検知センサ441による使用者のトイレ室内へ入室検知の有無を判断する。入室検知センサ441が使用者の入室を検知すると、ステップS102に表したように、制御部410は、第1の昇温制御を実行する。第1の昇温制御では、誘導加熱コイル222への高周波電流の供給を開始し、その供給を供給開始から高周波電流を第1の時間以内、行う。
次に、ステップS103に表したように、制御部410は、第1の昇温制御による高周波電流の供給が、供給開始から第1の時間経過したか否かを判断する。第1の時間経過していない場合には、ステップS104に表したように、便蓋300が開いたか否かを判断する。便蓋300が開いたか否かの判断は、便蓋開閉検知センサ444からの検知信号によって行われる。便蓋300が開いていない場合には、ステップS103へ戻る。
第1の昇温制御による高周波電流の供給開始から第1の時間が経過した場合には、ステップS105に表したように、便蓋300を開ける。すなわち、制御部410は、便蓋開閉装置450に便蓋300を開く旨の指示を与える。これにより、便蓋300が自動的に開く。
便蓋300が自動的に開いた場合、または第1の時間を経過する前に便蓋300が開けられた場合(ステップS104でYes)、制御部410は、ステップS106に表したように、第1の昇温制御から第2の昇温制御へ移行する。第2の昇温制御は、第1の昇温制御よりも単位時間当たりの高周波電流の供給量を低減した昇温を行う制御である。
次に、ステップS107で表したように、制御部410は、第2の昇温制御による高周波電流の供給が、人体検知から第2の時間経過したか否かを判断する。第2の時間経過していない場合には、そのまま第2の昇温制御を続行する。一方、第2の時間経過した場合には、ステップS108に表したように、制御部410は、第2の昇温制御から第3の昇温制御へ移行する。第3の昇温制御は、第2の昇温制御よりも単位時間当たりの高周波電流の供給量を低減した昇温を行う制御である。
次に、ステップS109で表したように、制御部410は、便座200の温度が予め定めた設定温度(例えば、快適温度)に到達したか否かを判断する。すなわち、制御部410は、温度センサ240による温度の検出信号に基づいて、便座200の温度が設定温度に到達したか否かを判断する。設定温度に到達していない場合、制御部410は、第3の昇温制御を続行する。一方、設定温度に到達した場合、制御部410は、ステップS110に表したように、第3の昇温制御から保温制御へ移行する。これにより、便座200の温度が快適温度に保たれることになる。
次に、制御部410による具体的な昇温制御について説明する。
図5〜図8は、昇温制御の具体例を説明するタイミングチャートである。
各図において、(a)は時間に対する便座の温度の変化を表す昇温カーブを例示している。また、(b)は時間に対する磁束密度の変化を表している。
図5は、入室等の人体検知があった後、第2の時間内に便座200への着座があった場合の昇温制御について例示するタイミングチャートである。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第1の時間TM1が経過する時刻t1まで、便蓋開閉検知センサ444によって便蓋300の閉状態を検知していることを条件として、第1の昇温制御CT1を実行する。
第1の昇温制御CT1では、第1の時間TM1内に便座200の温度を初期温度TH0から第1の温度TH1まで高めるための高周波電流を誘導加熱コイル222へ供給する。
ここで、高周波電流の供給量は、カレントトランスによる検出値、スイッチングトランジスタのパルス数及びオン時間等によって得られる。
制御部410は、第1の昇温制御CT1において、便座200の温度制御を例えばフィードフォワード制御によって行う。すなわち、便座200の初期温度TH0と第1の温度TH1との差と、第1の時間TM1と、の関係(例えば、関係式やテーブルデータ)から得られる高周波電流の電流量を誘導加熱コイル222へ供給する。
この第1の昇温制御CT1において、便座の昇温カーブの傾斜はθ1になる。
第1の昇温制御CT1では、第1の時間TM1内に便座200の温度が冷感限界温度TH2以下の第1の温度TH1に到達するよう急速加熱が行われる。
ここで、第1の温度TH1は、冷感限界温度TH2以下の温度として予め設定されている。第1の温度TH1が冷感限界温度TH2よりも低くても、便座200が第1の温度TH1に到達していれば、利用者は着座した際にわずかな冷感を受けるだけで済む。
また、第1の昇温制御CT1を実行している間の磁束密度はB1である。ここで、磁束密度は、利用者が着座していない状態では暖房便座装置100から一定距離をあけた位置で測定した値であり、利用者が着座している状態では便座200の着座面で測定した値である。磁束密度B1は、誘導加熱を利用する機器の基準となる磁束密度Brefよりも小さい。第1の昇温制御CT1では、急速加熱を行うために比較的大きな高周波電流を誘導加熱コイル222へ供給するが、便蓋300が閉じているため外部へ漏れる磁束密度は小さい。
次に、第1の時間TM1を経過すると、制御部410は便蓋300を自動的に開ける制御を行う。そして、制御部410は、第1の昇温制御CT1から第2の昇温制御CT2へ移行する制御を行う。
第2の昇温制御CT2では、第1の昇温制御CT1よりも単位時間当たりの高周波電流の供給量が低い。すなわち、第2の昇温制御CT2において、便座の昇温カーブの傾斜θ2は、第1の昇温制御CT1の昇温カーブの傾斜θ1よりも小さい。
制御部410は、第2の昇温制御CT2において、便座200の温度制御を第1の昇温制御CT1と同様な例えばフィードフォワード制御によって行う。
第2の昇温制御CT2を実行している間の磁束密度はB2である。第2の昇温制御CT2では、便蓋300が開いている状態で誘導加熱を行うため、第1の昇温制御CT1を実行しているときの磁束密度B1よりは大きな磁束密度B2になる。しかし、第2の昇温制御CT2では、第1の昇温制御CT1よりも昇温カーブの傾斜が小さいため、磁束密度の増加はわずかである。さらに、磁束密度B2は、基準となる磁束密度Brefよりも小さい。
その後、第2の時間TM2(人体検知をした時刻t0から時刻t2までの時間)内に利用者が便座200に着座すると(着座の時刻td)、制御部410は、第2の昇温制御CT2から第3の昇温制御CT3へ移行する制御を行う。すなわち、着座センサ443によって使用者の着座直前を検知した場合、その検知結果に基づき制御部410は第2の昇温制御CT2から第3の昇温制御CT3へ切り替える。
第3の昇温制御CT3では、第2の昇温制御CT2よりも単位時間当たりの高周波電流の供給量が低い。すなわち、第3の昇温制御CT3において、便座の昇温カーブの傾斜θ3は、第2の昇温制御CT2の昇温カーブの傾斜θ2よりも小さい。
第3の昇温制御CT3は、利用者が便座200に着座した状態での昇温制御になる。したがって、傾斜θ3による昇温は、利用者が急速な昇温を感じない程度に非常にゆっくりとなる。便座200の温度は、第3の昇温制御CT3を実行している間に冷感限界温度TH2に達し、さらに予め設定した温度(快適温度TH3)にまで到達する。
第3の昇温制御CT3を実行している間の磁束密度はB3である。第3の昇温制御CT3では、利用者が便座200に着座している状態での昇温制御になるため、第1の昇温制御CT1及び第2の昇温制御CT2を実行しているときの磁束密度B1及びB2よりも小さくなる。このため、利用者が便座200に着座しているあいだの誘導加熱であっても、漏れ磁束が人体に影響を与えることはない。
制御部410は、第3の昇温制御CT3を、便座200の温度が快適温度TH3に到達するまで実行する。制御部410は、第3の昇温制御CT3を実行する期間の前半では、便座200の温度制御を例えばフィードフォワード制御によって行う。一方、期間の後半では、便座200の温度制御を例えばフィードバック制御によって行う。これにより、便座200の温度は、オーバーシュートせずに快適温度TH3に到達することができる。
制御部410は、便座200の温度が快適温度TH3に到達すると(時刻tg)、第3の昇温制御CT3から保温制御CTkへ移行する制御を行う。これにより、便座200の温度は、快適温度TH3に維持される。
保温制御CTkを実行している間の磁束密度はBkである。保温制御CTkでは、快適温度TH3を維持する程度のわずかな電流量で済むことから、磁束密度Bkは非常に小さい。
このような昇温制御によって、高い磁束密度を持つ磁界が人体に入射するのを防止しつつ、利用者のトイレ入室から着座するまでの間に無駄な電力を消費せずに便座を暖めることができる。これにより、省電力でありながら、利用者が着座した際の冷感を最小限に抑制できる便座加熱を安全に行うことが可能になる。
図6は、入室等の人体検知があった後、第1の時間内に便蓋300が開いた場合の昇温制御について例示するタイミングチャートである。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から、便蓋開閉検知センサ444によって便蓋300の閉状態を検知していることを条件として、第1の昇温制御CT1を実行する。第1の昇温制御CT1における便座の昇温カーブの傾斜はθ1である。また、第1の昇温制御CT1を実行している間の磁束密度はB1である。
ここで、時刻t0から予め設定された第1の時間TM1を経過する時刻t1までの間に、利用者が手動で、または利用者の指示によって便蓋300が開けられたとする(時刻tp)。この場合、制御部410は、第1の昇温制御CT1から第2の昇温制御CT2へ移行する制御を行う。第2の昇温制御CT2において、便座の昇温カーブの傾斜θ2は、第1の昇温制御CT1の昇温カーブの傾斜θ1よりも小さい。第2の昇温制御CT2を実行している間の磁束密度はB2である。
その後、第2の時間TM2内に利用者が便座200に着座すると(着座の時刻td)、制御部410は、第2の昇温制御CT2から第3の昇温制御CT3へ移行する制御を行う。第3の昇温制御CT3において、便座の昇温カーブの傾斜θ3は、第2の昇温制御CT2の昇温カーブの傾斜θ2よりも小さい。第3の昇温制御CT3を実行している間の磁束密度はB3である。
制御部410は、第3の昇温制御CT3を、便座200の温度が快適温度TH3に到達するまで実行する。制御部410は、便座200の温度が快適温度TH3に到達すると(時刻tg)、第3の昇温制御CT3から保温制御CTkへ移行する制御を行う。これにより、便座200の温度は、快適温度TH3に維持される。保温制御CTkを実行している間の磁束密度はBkである。
このような昇温制御によって、トイレ入室から比較的早いタイミングで便蓋300が開いた場合でも、高い磁束密度を持つ磁界が人体に入射するのを防止しつつ、利用者のトイレ入室から着座するまでの間に無駄な電力を消費せずに便座を暖めることができる。これにより、省電力でありながら、利用者が着座した際の冷感を最小限に抑制できる便座加熱を安全に行うことが可能になる。
図7は、第2の時間と同時に着座した場合の昇温制御について例示するタイミングチャートである。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第1の時間TM1が経過する時刻t1まで、便蓋開閉検知センサ444によって便蓋300の閉状態を検知していることを条件として、第1の昇温制御CT1を実行する。第1の昇温制御CT1における便座の昇温カーブの傾斜はθ1である。また、第1の昇温制御CT1を実行している間の磁束密度はB1である。
第1の時間TM1で第1の昇温制御CT1を行うと、便座200の温度は第1の温度TH1に到達する。第1の時間TM1を経過すると、制御部410は便蓋300を自動的に開ける制御を行う。そして、制御部410は、第1の昇温制御CT1から第2の昇温制御CT2へ移行する制御を行う。第2の昇温制御CT2において、便座の昇温カーブの傾斜θ2は、第1の昇温制御CT1の昇温カーブの傾斜θ1よりも小さい。第2の昇温制御CT2を実行している間の磁束密度はB2である。
第2の時間TM2で第2の昇温制御CT2を行うと、便座200の温度は冷感限界温度TH2に到達する。そして、第2の時間TM2が経過した時刻t2で利用者が便座に着座すると(時刻t2=td)、制御部410は、第2の昇温制御CT2から第3の昇温制御CT3へ移行する制御を行う。第3の昇温制御CT3において、便座の昇温カーブの傾斜θ3は、第2の昇温制御CT2の昇温カーブの傾斜θ2よりも小さい。第3の昇温制御CT3を実行している間の磁束密度はB3である。
利用者が着座した際には、便座200の温度は冷感限界温度TH2に達しているため、利用者に冷感を与えることはない。
制御部410は、第3の昇温制御CT3を、便座200の温度が快適温度TH3に到達するまで実行する。制御部410は、便座200の温度が快適温度TH3に到達すると(時刻tg)、第3の昇温制御CT3から保温制御CTkへ移行する制御を行う。これにより、便座200の温度は、快適温度TH3に維持される。保温制御CTkを実行している間の磁束密度はBkである。
このような昇温制御によって、トイレ入室から自動的に便蓋300が開けられ、平均的なタイミングで便座200に着座した場合、高い磁束密度を持つ磁界が人体に入射するのを防止しつつ、無駄な電力を消費せずに冷感限界温度TH2まで便座を暖めることができるようになる。これにより、省電力でありながら、利用者に冷感を与えない便座加熱を安全に行うことが可能になる。
図8は、第2の時間を経過したあとに着座した場合の昇温制御について例示するタイミングチャートである。
先ず、便座200の温度が初期温度TH0の状態で、入室検知センサ441が人体を検知した時刻をt0とする。制御部410は、入室検知センサ441で人体を検知した時刻t0から第1の時間TM1が経過する時刻t1まで、便蓋開閉検知センサ444によって便蓋300の閉状態を検知していることを条件として、第1の昇温制御CT1を実行する。第1の昇温制御CT1における便座の昇温カーブの傾斜はθ1である。また、第1の昇温制御CT1を実行している間の磁束密度はB1である。
第1の時間TM1で第1の昇温制御CT1を行うと、便座200の温度は第1の温度TH1に到達する。第1の時間TM1を経過すると、制御部410は便蓋300を自動的に開ける制御を行う。そして、制御部410は、第1の昇温制御CT1から第2の昇温制御CT2へ移行する制御を行う。第2の昇温制御CT2において、便座の昇温カーブの傾斜θ2は、第1の昇温制御CT1の昇温カーブの傾斜θ1よりも小さい。第2の昇温制御CT2を実行している間の磁束密度はB2である。
第2の時間TM2で第2の昇温制御CT2を行うと、便座200の温度は冷感限界温度TH2に到達する。そして、第2の時間TM2が経過した時刻t2で、制御部410は、第2の昇温制御CT2から第3の昇温制御CT3へ移行する制御を行う。第3の昇温制御CT3において、便座の昇温カーブの傾斜θ3は、第2の昇温制御CT2の昇温カーブの傾斜θ2よりも小さい。第3の昇温制御CT3を実行している間の磁束密度はB3である。
第2の時間TM2を経過して、第3の昇温制御CT3を実行している間に利用者が便座200に着座した場合、制御部410はそのまま第3の昇温制御CT3を続行する。第3の昇温制御CT3は、便座200の温度が快適温度TH3に到達するまで続行される。
そして、制御部410は、便座200の温度が快適温度TH3に到達すると(時刻tg)、第3の昇温制御CT3から保温制御CTkへ移行する制御を行う。これにより、便座200の温度は、快適温度TH3に維持される。保温制御CTkを実行している間の磁束密度はBkである。
このような昇温制御によって、トイレ入室から自動的に便蓋300が開けられ、平均的なタイミングよりも遅いタイミングで便座200に着座した場合でも、高い磁束密度を持つ磁界が人体に入射するのを防止しつつ、無駄な電力を消費せずに冷感限界温度TH2まで便座を暖めることができるようになる。これにより、省電力でありながら、利用者に冷感を与えない便座加熱を安全に行うことが可能になる。
次に、便蓋300に設けられた磁気シールド310の具体例について説明する。
図9〜図12は、便蓋に設けられた磁気シールドを例示する模式図である。
図9及び図10は、便蓋300のほぼ全面に磁気シールド310が設けられた具体例を示している。
図9は、磁気シールドを備えた便蓋を閉じた状態の模式的斜視図である。
図10は、図9に表した切断面B−Bにおける模式的断面図である。
図9及び図10に表したように、この磁気シールド310は、便蓋300のほぼ全面に設けられている。例えば、磁気シールド310は、便蓋300の筐体内や、便蓋300の上面側、または下面側に設けられている。磁気シールド310には、例えば磁性体材料、導電体、メッシュ状導電体が用いられる。磁性体材料を用いる場合、便蓋300の材料に磁性体材料(例えば、強磁性体材料)を含ませて一体的に形成してもよいし、別体の磁性体材料による部材を便蓋300に取り付けるようにしてもよい。導電体としては、ステンレスやアルミニウムなどが用いられる。また、導電体には、ステンレスやアルミニウムなど、異なる材料を積層したものを用いてもよい。
図11は、磁気シールドを備えた便蓋を閉じた状態の模式的斜視図である。
図12は、図11に表した切断面C−Cにおける模式的断面図である。
図11及び図12に表したように、この具体例における便蓋300は、閉じた状態で便座200の上方を覆う上側部分300aと、便座200の前方及び側方を覆う縁部分300bと、を備えた形状になっている。
このような便蓋300において、磁気シールド310は、便蓋300を閉じた状態で便座200の外周部分を覆う形状に設けられる。すなわち、磁気シールド310は、便蓋300の縁部分300bに設けられるとともに、上側部分300aの縁側部分に設けられている。これにより、便座200の少なくとも前方及び側方を磁気シールド310で覆うことができる。
図11及び図12に表した磁気シールド310であっても、図9及び図10に表した磁気シールド310と同様に、例えば磁性体材料(強磁性体材料など)、導電体(異なる材料を積層したものを含む。)、メッシュ状導電体が用いられる。
なお、磁気シールド310の態様は一例であり、これらに限定されるものではない。いずれの態様であっても、便蓋300に磁気シールド310が設けられていることで、便蓋300を閉じた状態で誘導加熱を行った際の磁束の漏れを効果的に抑制することが可能になる。特に、急速加熱を行う際には高い磁束密度を持つ磁界が発生するが、便蓋300を閉じた状態であれば磁気シールド310によって磁束漏れを十分に抑制することができる。したがって、便蓋300が閉じていることを条件として行う上記の第1の昇温制御CT1では、加熱中に利用者が近づいてきても、高い磁束密度を持つ磁界が人体に入射せず、安心して利用してもらうことが可能になる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、利用者のトイレ入室から着座するまでの間に無駄な電力を消費せずに、しかも高い磁束密度を持つ磁界を人体に入射することなく、便座を暖めることができる。これにより、誘導加熱の原理を利用した暖房便座装置100であって、暖房開始とともに迅速に冷たさを感じさせない温度まで便座を昇温することが可能になる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10…トイレ装置、100…暖房便座装置、200…便座、220…高周波電源装置、222…誘導加熱コイル、231…発熱部、300…便蓋、310…磁気シールド、400…ケーシング、410…制御部、415…給電線、441…入室検知センサ、442…立位検知センサ、443…着座センサ、444…便蓋開閉検知センサ、450…便蓋開閉装置、460…局部洗浄部、800…洋式腰掛便器

Claims (6)

  1. 便座と、
    閉じた状態の前記便座の上方を覆う便蓋と、
    前記便座及び前記便蓋を開閉可能に支持するケーシングと、
    高周波電流を生成する高周波電源装置と、
    前記便座に設けられ、前記高周波電流が通電されることにより磁界を発生する誘導加熱コイルと、
    前記便座に設けられ、前記誘導加熱コイルが発生した磁界によって渦電流を生成して誘導加熱を起こす導電体と、
    前記便蓋の開閉状態を検知する便蓋開閉検知手段と、
    前記蓋開閉検知手段によって検知された前記便蓋の開閉状態を1つの条件として前記高周波電源装置を制御して、前記誘導加熱コイルへの高周波電流の供給を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記便蓋開閉検知手段により前記便蓋の閉状態を検知していることを条件として、前記誘導加熱コイルへの前記高周波電流の供給開始から第1の時間以内の前記高周波電流の供給を行う第1の昇温制御を実行することを特徴とする暖房便座装置。
  2. 前記制御部は、
    前記第1の昇温制御の途中で前記便蓋開閉検知手段により前記便蓋が開いたことを検知した場合、前記第1の昇温制御よりも単位時間当たりの前記高周波電流の供給量を低減した第2の昇温制御を実行することを特徴とする請求項1記載の暖房便座装置。
  3. 前記便蓋を開閉する便蓋開閉装置をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記便蓋が閉じた状態で前記第1の時間が経過すると、前記便蓋開閉装置によって前記便蓋を開く制御を行い、さらに、前記第1の昇温制御よりも単位時間当たりの前記高周波電流の供給量を低減した第2の昇温制御を実行することを特徴とする請求項1記載の暖房便座装置。
  4. 前記制御部は、
    前記第2の昇温制御を実行した後に、前記第2の昇温制御よりも単位時間当たりの前記高周波電流の供給量を低減して前記導電体の温度を予め定めた設定温度に到達させる第3の昇温制御を実行することを特徴とする請求項2または3に記載の暖房便座装置。
  5. 前記便座に着座する直前の人体を検知する着座検知手段をさらに備え、
    前記制御部は、前記着座検知手段により前記便座に着座する直前の人体を検知した場合、前記第2の昇温制御よりも単位時間当たりの前記高周波電流の供給量を低減して前記導電体の温度を予め定めた設定温度に到達させる第3の昇温制御を実行することを特徴とする請求項2または3に記載の暖房便座装置。
  6. 前記便蓋は、前記高周波電流によって発生する磁界が前記便蓋を通過する度合いを抑制する磁界漏れ抑制手段をさらに有し、
    前記磁界漏れ抑制手段は、前記便蓋が閉じた状態で前記便座の少なくとも前方及び側方を覆う位置に配置された磁気シールドを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の暖房便座装置。
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