JP4232422B2 - 暖房便座 - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トイレの便器に設置し便座を加熱して暖房する暖房便座に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
便座を加熱する暖房便座の多くは、発熱抵抗体を便座の中に設置する構成になっている。商用電源から常時発熱抵抗体に電力を供給し便座の着座面を所定温度に暖房しているものである。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来より知られている暖房部座は、便座面を所定温度まで昇温するのにかなりの時間を要し、また便座の非使用時にも保温のための電力を消費するという課題があった。つまり、使用者の便宜を図るために、不定期なトイレ使用に対し小電力の発熱抵抗体に常時通電して所定温度に保温し着座時に冷感を感じさせないようにしている。そこで、本発明は上記する従来の課題を解決した暖房便座を提供しようとするものである。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明はこの様な従来の構成が有している課題を解決するもので、便座に設けた金属等の発熱体を、誘導加熱コイルによって誘導加熱して短時間に所定温度まで昇温でき、使用者の着座により誘導加熱コイルのインピーダンスが変化することを検知して加熱を停止し保温の必要のない暖房便座としているものである。
【０００５】
【発明の実施の形態】
請求項１に記載した発明は、交流電力を供給するインバータと、前記インバータから送られる電流により交流磁界を発生する誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルで誘起される誘導電流で発熱し便座を加熱する発熱体と、前記誘導加熱コイルのインピーダンスの変化を検知するインピーダンス変化検知手段と、前記インピーダンス変化検知手段の出力を入力しインバータを制御する制御手段とを備え、使用者が前記便座への着座した場合と着座しない場合との前記誘導加熱コイルのインピーダンスの変化を前記インピーダンス変化検知手段で検知し、前記インバータを制御することによって便座の着座面を短時間で所定温度に加熱し、誘導加熱コイルのインピーダンスの変化により大人または子供等の着座位置がことなっても確実に着座が検知できる暖房便座とすることができる。
【０００６】
請求項２に記載した発明は、使用者が便座に着座すると、発熱体と誘導加熱コイルとの距離が短くなる構成とすることにより、誘導加熱コイルで発生した高周波磁界は発熱体に鎖交しやすくなり誘導加熱コイルのインピーダンスを変化させることができる。
【０００７】
請求項３に記載した発明は、制御手段は使用者が着座すると便座の加熱を停止させることにより長い着座時も便座の温度が徐徐に低下するので低温火傷のない暖房便座とすることができる。
【０００８】
請求項４に記載した発明は、使用者のトイレへの入室を検知する人体検知手段を備え、制御手段は前記人体検知手段が検知すると便座の加熱を開始し、使用者を検知後所定時間経過するまでに着座を検知しないと便座の加熱を停止させることにより使用者の入室検知で加熱を開始し着座までに着座面を所定温度に昇温し着座すると加熱を停止するので、または使用者が男子の小便や便器の掃除等の便座を非使用な用事でトイレに入室する場合であっても所定時間経過後に加熱を停止するので保温のいらない暖房便座とすることができる。
【０００９】
【実施例】
以下本発明の実施例について図を参照しながら説明する。
【００１０】
（実施例１）
図１は本発明の暖房便座の構成図である。図１に基づいて実施例１について説明する。本実施例の暖房便座は、西洋式トイレの男子小便も共用して使用するものを示している。
【００１１】
１は商用電源１０の商用周波数の電流を整流平滑し、高周波電流に変換するインバータで誘導加熱コイル２に接続される。誘導加熱コイル２は便器５の上の便座３内に配置されインバータ１から供給される高周波電流により高周波磁界を発生する。４は着座面と反対側を断熱する断熱材（弾性材）６を介して誘導加熱コイル２に対向して配置される発熱体で導電性のある金属等で構成している。断熱材６は使用者の荷重により凹み、使用者がいなくなるともとの形状を保持する弾性を有する。１２は着座面の温度を検知する座面温度検知手段でサーミスタ等で構成される。１１は誘導加熱コイル２に流れる電流を検知する電流センサ（インイーダンス検知手段）で誘導加熱コイル２のインピーダンスが変化すると流れる電流も変化するので誘導加熱コイルのインピーダンス変化を検知できる。１３はトイレのドア１４から使用者が入室するのを検知する赤外センサ（人体検知手段）で人体から発せられる赤外線を検知するフォトダイオード等で構成される。制御手段８は電流センサ１１と座面温度検知手段１２と赤外線センサ１３との出力を入力手段７を介して入力し、インバータ１を出力手段９を介して制御する。
【００１２】
以下本実施例の動作について説明する。図示していない便座の暖房使用スイッチを使用側に操作すると、制御手段８が動作を開始して赤外線センサ１３からの入力を待ち、赤外線センサ１３で使用者のトイレへの入室を検知するとインバータ１を制御して誘導加熱コイル２に高周波電流を供給して便座の加熱を開始する。誘導加熱コイル２からは供給された高周波電流に応じた高周波磁界が発生する。この高周波磁界は、断熱材６を透過して発熱体４と鎖交し誘導加熱する。制御手段８は座面温度検知手段１２からの入力により座面温度をモニターして座面温度が所定温度になるように所定温度との温度差が大きい場合は大パワーで温度差が小さい場合は小パワーでインバータ１を制御する。使用者がトイレに入室してから着座するまでの時間で便座温度は所定温度なるように制御する。
【００１３】
使用者が便座３に着座すると使用者の荷重により断熱材６は弾性を有するので圧縮して発熱体４と誘導加熱コイル２の距離が短くなり誘導加熱コイル２で発生した高周波磁界は発熱体４に鎖交しやすくなり誘導加熱コイル２のインピーダンスが変化し流れる電流が変化する。制御手段８は電流センサ１１から誘導加熱コイル２の電流の変化を入力すると使用者の着座と判定してインバータ１を制御して便座の加熱を停止する。長い着座であれば座面温度は徐々に下がり低温火傷するおそれはない。使用者が便座から離れると断熱材６は弾性を有するので元の形状に回復し発熱体４と加熱コイル６の距離は着座前と同様になる。使用者が男子で小便をする場合または掃除をする場合は着座しないので制御手段８は入室を検知後所定時間経過すると加熱を停止するので以後の便座加熱用の電力は消費されない。夏などに便座の暖房を長期に使用しない場合は図示していない便座暖房スイッチを非使用側にしておくとトイレに入室しても便座の加熱は開始されない。
【００１４】
本実施例では断熱材６に弾性を有する構成としたが発熱体４に弾性を有する構成としてもよい。使用者の着座の荷重により着座部が凹み加熱コイル２との距離が短くなるようにし、長い着座により座面温度の低下が大きく再加熱する場合は距離の短い部分が誘導加熱されやすいので小電力で着座部の加熱が可能になる。
【００１５】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、便座の着座面を短時間で所定温度に加熱し、誘導加熱コイルのインピーダンスの変化により大人または子供等の着座位置がことなっても確実に着座が検知できる暖房便座とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施例１における暖房便座の構成図
【符号の説明】
１ インバータ
２ 誘導加熱コイル
３ 便座
４ 発熱体
８ 制御手段
１０ 電流センサ（インピ−ダンス変化検知手段）

Claims (4)

1. 交流電力を供給するインバータと、前記インバータから送られる電流により交流磁界を発生する誘導加熱コイルと、前記誘導加熱コイルで誘起される誘導電流で発熱し便座を加熱する発熱体と、前記誘導加熱コイルのインピーダンスの変化を検知するインピーダンス変化検知手段と、前記インピーダンス変化検知手段の出力を入力しインバータを制御する制御手段とを備え、使用者が前記便座への着座した場合と着座しない場合との前記誘導加熱コイルのインピーダンスの変化を前記インピーダンス変化検知手段で検知し、前記インバータを制御することを特徴とした暖房便座。
2. 使用者が便座に着座すると、発熱体と誘導加熱コイルとの距離が短くなる構成を特徴とする請求項１に記載の暖房便座。
3. 制御手段は使用者が着座すると便座の加熱を停止する請求項１または２に記載の暖房便座。
4. 使用者のトイレへの入室を検知する人体検知手段を備え、制御手段は前記人体検知手段が検知すると便座の加熱を開始し、使用者を検知後所定時間経過するまでに着座を検知しないと便座の加熱を停止する請求項１〜３のいずれか１項に記載の暖房便座。

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