JP2013123574A - 暖房便座装置 - Google Patents

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【課題】着座中の温度むらを抑え省エネルギー化を図ることができる暖房便座装置を提供することを目的とする。
【解決手段】便座と、第1の誘導加熱コイルと、第2の誘導加熱コイルと、発熱体と、人体検知手段と、制御部と、を備えたことを特徴とする暖房便座装置が提供される。制御部は、第1の制御と、第2の制御と、を実行する。第1の制御は、人体検知手段が使用者を検知すると、使用者が便座に着座するまでに、第1の誘導加熱コイルに通電し便座の中央部の温度が使用者が便座に着座したときに冷たいと感じない冷感限界温度以上となるまで便座を加熱する。第2の制御は、第1の制御の後に、第1の誘導加熱コイルへの通電から第2の誘導加熱コイルへの通電へ切り替え、第1の制御における第1の誘導加熱コイルへの通電の出力よりも低い出力で第2の誘導加熱コイルに通電し便座を加熱する。
【選択図】図2

Description

本発明の態様は、一般的に、暖房便座装置に関し、具体的には便器に付設される便座を暖めることができる暖房便座装置に関する。
一般的に、便座の座面は、例えばPP(polypropylene:ポリプロピレン)等の樹脂で製造されているため、使用者は、冬場などの気温の低いときに冷えた便座に座ると冷感を感じる場合がある。そこで、便座を暖めることができる暖房便座装置がある。このような暖房便座装置では、便座の昇温の迅速性や、省エネルギー化などを図るために種々の提案がなされている。
例えば、誘導加熱の原理を利用し、使用者がトイレ室に入ってから便座に着座するまでの短時間で便座の温度を急速に上昇させる暖房便座が提案されている。誘導加熱では、加熱対象である導体付近に置かれた誘導加熱コイルに高周波電流を流すことにより高周波で変化する磁界が発生し、その導電体を通過する磁界が変化することで生ずる渦電流により導電体が発熱する。このような暖房便座のうち、便座を周回するように誘導加熱コイルを巻いた構造が知られている。
しかしながら、便座を周回するように誘導加熱コイルを巻いた構造では、便座において温度むらが生ずるという問題がある。すなわち、便座は、一般的に楕円形状を有する。便座の形状については、例えば、座り心地や、耐荷重性や、排泄の際の防汚性や、トイレ室内の空間の確保などが考慮されている。そのため、便座の前方部および後方部の幅は、便座の中央部の幅よりも狭い。一方、便座を周回するように誘導加熱コイルを巻いた構造では、渦電流は、便座を周回するように流れる。そして、便座の中央部を流れる渦電流と同じ渦電流が、より狭い幅を有する便座の前方部および後方部にも流れる。つまり、渦電流が流れることができる導電体の幅は、中央部よりも前方部および後方部において狭いため、誘導加熱の負荷としての抵抗値は、中央部よりも前方部および後方部において大きい。
これにより、便座の前方部および後方部では、便座の中央部と比較して、発熱量が増加する。つまり、座面の幅がより狭い前方部および後方部における誘導加熱の出力は、便座の中央部における誘導加熱の出力よりも高くなる。そして、便座の前方部および後方部の温度は、例えば便座の中央部などの他の部分の温度よりも高くなる。そのため、誘導加熱により便座を暖めた場合には、使用者が接触しやすい中央部の温度は設定温度と略同一である一方で、前方部および後方部の温度が設定温度以上となる場合がある。つまり、便座において温度むらが生ずる場合がある。
これに対して、発熱体の発熱量を均等化し、発熱体が設けられる設備や機器の表面形状が平坦でなくても、表面温度を均一にすることができる暖房装置がある(特許文献1)。また、便座表面温度の均一化または調節を可能とする暖房便座装置がある(特許文献2)。しかしながら、特許文献1に記載された暖房装置および特許文献2に記載された暖房便座装置では、便座を複数の誘導コイルで加熱するため、それぞれの誘導コイルは、便座よりも小さくなる。その複数の誘導コイルが発生する磁界は、互いに干渉し合う。そのため、発熱体の位置での磁束密度が弱くなる部分と、発熱体の位置での磁束密度が強くなる部分と、が存在する。これにより、磁束密度が弱くなる部分と磁束密度が強くなる部分との間において、便座内に複数の小さな温度むらが生ずるという問題がある。
また、特許文献1に記載された暖房装置および特許文献2に記載された暖房便座装置は、便座を周回するように誘導加熱コイルを巻いた構造を有しない。そのため、高出力の駆動が困難である。そのため、待機状態で誘導加熱をオフにした場合には、短時間で便座の温度を急速に上昇させることは困難である。これにより、待機状態でも一定温度以上の便座温度を維持するように便座を暖めておく必要があり、省エネルギー化の観点において改善の余地がある。
特開2009−236410号公報 特開2009−291461号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、着座中の温度むらを抑え省エネルギー化を図ることができる暖房便座装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、楕円形状を有する便座と、前記便座の内部において前記便座の形状に沿って周回するように配置され、供給された高周波電流により磁界を発生する第1の誘導加熱コイルと、前記便座の内部に配置され、供給された高周波電流により磁界を発生する第2の誘導加熱コイルと、前記第1の誘導加熱コイルおよび前記第2の誘導加熱コイルからみて前記便座の着座面の側に配置され、導電性を有する材料により形成されて前記第1の誘導加熱コイルおよび前記第2の誘導加熱コイルの少なくともいずれかが発生した磁界により誘導加熱される発熱体と、前記便座を使用する使用者を検知する人体検知手段と、前記人体検知手段が前記使用者を検知すると、前記使用者が前記便座に着座するまでに、前記第1の誘導加熱コイルに通電し前記便座の中央部の温度が前記使用者が前記便座に着座したときに冷たいと感じない冷感限界温度以上となるまで前記便座を加熱する第1の制御と、前記第1の制御の後に、前記第1の誘導加熱コイルへの通電から前記第2の誘導加熱コイルへの通電へ切り替え、前記第1の制御における前記第1の誘導加熱コイルへの通電の出力よりも低い出力で前記第2の誘導加熱コイルに通電し前記便座を加熱する第2の制御と、を実行する制御部と、を備えたことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、制御部が第1の制御の実行を終了した直後に使用者が便座に着座した場合でも、使用者が冷感を感ずることを抑えることができる。また、便座の前方部および後方部は、あまり加熱されていないため、使用者が便座の前方部および後方部に触れた場合でも、更に加熱されて温度が上昇するということがなく、過度の温感を感ずることを抑えることができる。また、制御部は、第2の制御を実行する際には、第1の制御における出力よりも低い出力で便座を加熱する。そのため、便座における伝熱が便座の温度分布により大きく影響する。これにより、便座の全体の温度を略同一とすることができる。そして、使用者が便座に着座しているときには、温度むらを抑えた、あるいは温度むらのない快適な暖房便座装置を提供することができる。
また、第1の誘導加熱コイルは、便座の形状に沿って周回するように配置されている。そのため、便座の幅をより有効に利用して第1の誘導加熱コイルを配置することができる。そのため、より太い外形を有する線をより多くの巻き数で配置することができる。これにより、より高出力の誘導加熱を行うことができる。そのため、本発明の暖房便座装置は、より高い昇温性能を発揮することができ、便座の温度をより短時間で快適な温度にすることができる。また、使用者にとって、快適な暖房便座装置を提供することができるとともに、待機時の消費電力を抑え、省エネルギー化を図ることができる。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記第2の誘導加熱コイルは、通電されると前記便座の中央部のみを加熱するように配置されたことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、制御部が第2の制御を実行するときには、便座の前方部および後方部は、ほとんど加熱されない。そして、便座の中央部からの放熱または伝熱が生ずる。そのため、制御部が第1の誘導加熱コイルへの通電から第2の誘導加熱コイルへの通電へすぐに切り替えても、便座の前方部および後方部が過度に高温となることを抑えることができる。そのため、制御部は、第2の制御において、便座の中央部の温度を設定温度により近づける制御を実行することができ、更に、便座の前方部および後方部を便座の伝熱により設定温度に近い状態に維持できる。これにより、使用者が便座に着座しているときに、温度むらを抑えた、あるいは温度むらのない快適な暖房便座装置を提供することができる。
また、第3の発明は、第1の発明において、前記第2の誘導加熱コイルは、通電されると前記便座の前方部および後方部を加熱するように配置され、且つ前記前方部および前記後方部を加熱するときの出力よりも高い出力で前記便座の中央部を加熱するように配置されたことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、第2の誘導加熱コイルが便座の前方部、後方部、および中央部を加熱するように配置されているため、制御部が第2の制御を実行するときにも、便座の前方部、後方部、および中央部は、加熱される。そのため、使用者が便座に比較的長時間座っている場合でも、温度むらを抑えた、あるいは温度むらのない快適な暖房便座装置を提供することができる。
また、第4の発明は、第3の発明において、前記制御部は、前記切り替えの際に、前記第1の誘導加熱コイルへの通電および前記第2の誘導加熱コイルへの通電を停止する所定時間を設ける第3の制御をさらに実行することを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、制御部が第1の制御の実行を終了した後には、便座の中央部よりも高温となっている前方部、後方部の温度が下降する。このとき、一部の熱は、輻射によって放熱し、他の一部の熱は、より低温である中央部に移動する。よって、便座の前方部および後方部と、便座の中央部と、の温度差は、小さくなる。すなわち、制御部が第1の制御を実行した際に生じた温度むらは、便座の伝熱効果または放熱効果により緩和される。そのため、第2の制御において、温度むらをより素早く解消することができる。また、第2の制御において、便座の前方部、後方部、および中央部における誘導加熱の出力差を大きくとる必要はないため、第2の誘導加熱コイルの配置をより簡略化することができる。
また、第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記第1の誘導加熱コイルと、前記発熱体と、の距離は、前記第2の誘導加熱コイルと、前記発熱体と、の距離よりも短いことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、第1の誘導加熱コイルの出力と、第2の誘導加熱コイルの出力と、の差をより大きくすることができる。すなわち、第2の誘導加熱コイルの巻き方だけではなく、発熱体との距離によっても誘導加熱出力の調整を行うことができる。これにより、第1の誘導加熱コイルへ通電する高出力の制御と、第2の誘導加熱コイルへ通電する低出力の制御と、のそれぞれの制御間の出力差を回路的な動作条件の変更で担うことが不要となる。そのため、より簡略化された回路設計により、温度むらを抑えた、あるいは温度むらのない快適な暖房便座装置を提供することができる。
本発明の態様によれば、着座中の温度むらを抑え省エネルギー化を図ることができる暖房便座装置が提供される。
本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。 本実施形態の便座を表す模式図である。 本実施形態の便座を上方から眺めた平面模式図である。 本実施形態の比較例にかかる便座を上方から眺めた平面模式図である。 本実施形態の比較例にかかる便座を表す断面模式図である。 本実施形態の誘導加熱コイルへの通電の制御を説明するためのタイミングチャート図である。 本実施形態の第2の誘導加熱コイルの他の設置形態を説明するための平面模式図である。 本実施形態の誘導加熱コイルへの通電の他の制御を説明するためのタイミングチャート図である。 本実施形態にかかる暖房便座装置の回路の一例を例示する回路図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。
また、図2は、本実施形態の便座を表す模式図である。
なお、図2(a)は、本実施形態の便座を上方から眺めた平面模式図であり、図2(b)は、図2(a)に表した切断面A−Aにおける断面模式図である。
図1に表したトイレ装置は、洋式腰掛便器(以下、説明の便宜上、「便器」と称する)800と、その上に設けられた暖房便座装置100と、を備える。暖房便座装置100は、ケーシング400と、便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、ケーシング400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。便蓋300は、閉じた状態において便座200の上方を覆うことができる。
図2(a)に表したように、便座200を上方からみたときに、便座200は、略楕円形状を有する。便座200は、真円形状を有しているわけではない。図2(b)に表したように、便座200は、便座200の外形を形成する筐体210を有する。筐体210は、例えば樹脂などの絶縁性を有する材料により形成されている。なお、筐体210は、複数の部材により形成されていてもよいし、1つの部材により形成されていてもよい。
便座200の筐体210の内部には、高周波電流が通電されることにより磁界を発生する誘導加熱コイル222が設けられている。誘導加熱コイル222は、第1の誘導加熱コイル222aと、第2の誘導加熱コイル222bと、を有する。図2に表した便座200では、第1の誘導加熱コイル222aは、便座200の内部の上面(着座面に対向する内面)210aに付設されていている。第2の誘導加熱コイル222bは、便座200の内部の底面210bに付設されている。本実施形態では、第1の誘導加熱コイル222aと、導電体231と、の距離は、第2の誘導加熱コイル222bと、導電体231と、の距離よりも短い。但し、第1の誘導加熱コイル222aおよび第2の誘導加熱コイル222bの設置形態は、これだけに限定されるわけではない。
便座200には、第1の誘導加熱コイル222aおよび第2の誘導加熱コイル222bのいずれかから発生した磁界により誘導加熱される導電体(発熱体)231が設けられている。より具体的には、導電体231は、導電性材料により形成され、誘導加熱コイル222から発生する磁界で誘起される渦電流により発熱する。導電体231は、便座200の上面(着座面)に付設されている。あるいは、導電体231は、便座200の筐体210の内部に、例えばインサート成型等の手段により設けられていてもよい。あるいは、導電体231は、便座200の内部の上面210aに付設されていてもよい。つまり、導電体231は、誘導加熱コイル222からみて便座200の着座面の側に配置されている。
導電体231としては、例えば鉄やステンレスなどの強磁性体、アルミニウムなどの常磁性体、または銅などの反磁性体といった金属を用いることができる。便座200の外部に磁界を放出させにくくするためには、電気抵抗が大きい鉄やステンレスなどの強磁性体を導電体231に用いることがより好ましい。なお、導電体231が便座200の上面に設けられる場合には、人体と導電体231とが直接的に接触しないように、塗装やコーティングなどが導電体231の表面に施されることがより好ましい。
図2(a)に表したように、ケーシング400の内部には、制御部410と、人体検知手段420と、が設けられている。但し、制御部410および人体検知手段420の設置形態は、これだけに限定されるわけではない。例えば、制御部410は、便座200の内部に設けられていてもよい。あるいは、例えば、制御部410は、ケーシング400の内部に設けられた第1の制御部と、便座200の内部に設けられた第2の制御部と、を有していてもよい。
人体検知手段420は、トイレ室への使用者の入室を検知する入室検知センサ421と、便座200の前方にいる使用者を検知する人体検知センサ423と、便蓋300の開閉状態を検知する便蓋開閉検知センサ425と、を含む。つまり、本願明細書において「人体検知手段」とは、入室検知センサ421や、人体検知センサ423や、便蓋開閉検知センサ425などのように、暖房便座装置100を使用する使用者(人体)を検知することができる検知手段をいう。
入室検知センサ421は、トイレ室のドアを開けて入室した直後の使用者や、トイレ室に入室しようとしてドアの前に存在する使用者を検知することができる。つまり、入室検知センサ421は、トイレ室に入室した使用者だけではなく、トイレ室に入室する前の使用者、すなわちトイレ室の外側のドアの前に存在する使用者を検知することができる。このような入室検知センサ421としては、焦電センサや、ドップラーセンサなどのマイクロ波センサなどを用いることができる。マイクロ波のドップラー効果を利用したセンサや、マイクロ波を送信し反射したマイクロ波の振幅(強度)に基づいて被検知体を検出するセンサなどを用いた場合、トイレ室のドア越しに使用者の存在を検知することが可能となる。つまり、トイレ室に入室する前の使用者を検知することができる。
人体検知センサ423は、便器800の前方にいる使用者、すなわち便座200から前方へ離間した位置に存在する使用者を検知することができる。つまり、人体検知センサ423は、トイレ室に入室して便座200に近づいてきた使用者を検知することができる。このような人体検知センサ423としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサなどを用いることができる。
なお、人体検知センサ423は、使用者と便器800との距離によって、使用者が便器800に着座している否かを検出することも可能である。暖房便座装置は、使用者が非常に長い時間にわたって着座したままになっていることを検知し暖房を停止する安全機能を有する方が望ましい。そのような目的のための着座状態を検出するセンサと人体検知センサ423とを兼用してもよいし、別途、着座状態を検出するセンサを設けてもよい。
便蓋開閉検知センサ425としては、例えば、ホールICと磁石との組み合わせ、またはマイクロスイッチなどを用いることができる。閉じていた便蓋300が開くことで、使用者の存在を検出することができる。
なお、便蓋開閉検知センサ425は、ケーシング400に内蔵されていることに限定されず、便蓋300のヒンジ部やケーシング400の外部に設けられていてもよい。つまり、便蓋開閉検知センサ425は、便蓋300の開閉状態を検知できればよい。これは、入室検知センサ421および人体検知センサ423についても同様であり、入室検知センサ421および人体検知センサ423は、ケーシング400に内蔵されていることに限定されない。つまり、入室検知センサ421は、トイレ室への使用者の入室を検知できればよい。人体検知センサ423は、便器800の前方にいる使用者を検知できればよい。例えば、入室検知センサ421を別体としてトイレ室の入り口に取り付け、トイレ室への使用者の入室を赤外線通信によってケーシング400内の制御部410に伝達する方法でもよい。
本実施形態によれば、暖房便座装置100は、誘導加熱の原理を利用し、便座200の着座面を急速に加熱することができ、より速く着座面を適温にすることができる。また、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、便座200の着座面を急速に加熱することができるため、使用者が便座200を使用していないときには便座200を保温しておく必要はない。そのため、待機時の消費電力を抑え、省エネルギー化を図ることができる。
図3は、本実施形態の便座を上方から眺めた平面模式図である。
また、図4は、本実施形態の比較例にかかる便座を上方から眺めた平面模式図である。 また、図5は、本実施形態の比較例にかかる便座を表す断面模式図である。
なお、図3(a)は、導電体231を省略して本実施形態の便座を上方から眺めた平面模式図である。図3(b)は、本実施形態の第1の誘導加熱コイル222aを表す平面模式図である。図3(c)は、本実施形態の第2の誘導加熱コイル222bを表す平面模式図である。
図4(a)は、本実施形態の比較例にかかる便座を上方から眺めた平面模式図である。図4(b)は、誘導加熱コイル222を省略して本比較例の便座を上方から眺めた平面模式図である。図4(c)は、本比較例の便座に配置された誘導加熱コイル222を表す平面模式図である。
図5(a)は、図4(a)に表した便座200aの前方部の切断面B−Bにおける断面模式図である。図5(b)は、図4(a)に表した便座200aの中央部の切断面C−Cおける断面模式図である。図5(c)は、図4(a)に表した便座200aの後方部の切断面D−Dにおける断面模式図である。
本願明細書において、便座200の「前方部」とは、図3(a)に表したように、使用者が便座200に着座したときに使用者の前方側の両膝の間の空間となり、使用者の身体が接触しにくい範囲205をいうものとする。また、本願明細書において、便座200の「後方部」とは、図3(a)に表したように、使用者が便座200に着座したときに使用者の後方側の空間となり、使用者の身体が接触しにくい範囲206をいうものとする。便座200の後方部においては、使用者の体型や座りかたによって臀部が触れる場合もあり、触れない場合もある。また、本願明細書において、便座200の「中央部」とは、図3(a)に表したように、使用者が便座200に着座したときに腿から臀部が便座200に乗って体重を支える範囲であって、使用者の身体が主に接触する範囲207をいうものとする。
まず、図4および図5を参照しつつ、本実施形態の比較例にかかる便座200aについて説明する。
本比較例の便座200aでは、誘導加熱コイル222は、便座200aの形状に沿って周回するように配置されている。また、本比較例の便座200aは、本実施形態の便座200と同様に、上方からみたときに略楕円形状を有する。
便座の形状については、例えば、座り心地や、耐荷重性や、排泄の際の防汚性や、トイレ室内の空間の確保などが考慮されている。そのため、図4(a)、図4(b)、および図5(a)〜図5(c)に表したように、便座200aの前方部および後方部の座面の幅は、便座200aの中央部の座面の幅よりも狭い。
一方、便座200aを周回するように誘導加熱コイル222を巻いた構造では、渦電流は、便座200aを周回するように流れる。そして、便座200aの中央部を流れる渦電流と同じ渦電流が、より狭い幅を有する便座200aの前方部および後方部にも流れる。つまり、渦電流が流れることができる導電体231の幅は、中央部よりも前方部および後方部において狭いため、誘導加熱の負荷としての抵抗値は、中央部よりも前方部および後方部において大きい。
これにより、便座200aの前方部および後方部では、便座200aの中央部と比較して、発熱量が増加する。つまり、便座200aの幅がより狭い前方部および後方部における誘導加熱の出力は、便座200aの中央部における誘導加熱の出力よりも高くなる。そして、便座200aの前方部および後方部の温度は、例えば便座200aの中央部などの他の部分の温度よりも高くなる。そのため、本比較例にかかる便座200aでは、使用者が接触しやすい中央部の温度は設定温度と略同一である一方で、前方部および後方部の温度が設定温度以上となる場合がある。つまり、便座200aにおいて、温度むらが生ずる場合がある。
これに対して、本実施形態にかかる暖房便座装置100では、図3(a)に表したように、第1の誘導加熱コイル222aと、第2の誘導加熱コイル222bと、が便座200の筐体210の内部に設けられている。
図3(b)に表したように、第1の誘導加熱コイル222aは、便座200の形状に沿って周回するように配置されている。そのため、便座200の幅をより有効に利用して第1の誘導加熱コイル222aを配置することができる。そのため、第1の誘導加熱コイル222aについては、より太い外形を有する線をより多くの巻き数で配置することができる。ここでいう「線」とは、例えば個々に絶縁された複数の導体素線を撚り合わせた構造を有するリッツ線などである。これにより、より高出力の誘導加熱を行うことができる。そのため、第1の誘導加熱コイル222aは、例えば、使用者がトイレ室に入ってから便座200に着座するまでの短時間で便座200の温度を急速に上昇させる際の誘導加熱コイル(以下、「即暖用の誘導加熱コイル」と称する)として機能することができる。
これにより、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、より高い昇温性能を発揮することができ、便座200の温度をより短時間で快適な温度にすることができる。また、使用者にとって、快適な暖房便座装置100を提供することができるとともに、待機時の消費電力を抑え、省エネルギー化を図ることができる。
一方、図3(c)に表したように、第2の誘導加熱コイル222bは、便座200の中央部のみを加熱するように配置されている。具体的には、第2の誘導加熱コイル222bは、例えば馬蹄形などの形状を有し、便座200の左側部と右側部とに配置されている。これによれば、第2の誘導加熱コイル222bは、便座200の前方部および後方部において左側部のコイルの磁界と右側部のコイルの磁界とが互いに打ち消し合うため、この部分をほとんど加熱せず、便座200の中央部のみを加熱することができる。そのため、第2の誘導加熱コイル222bは、便座が適温に近い状態になった後、および使用者が便座に着座している際に加熱動作をする保温用の誘導加熱コイルとして機能することができる。
次に、第1の誘導加熱コイル222aおよび第2の誘導加熱コイル222bへの通電の制御について、図面を参照しつつ説明する。
図6は、本実施形態の誘導加熱コイルへの通電の制御を説明するためのタイミングチャート図である。
まず、人体検知手段420が使用者を検知すると、制御部410は、使用者が便座200に着座するまでに、第1の誘導加熱コイル222aへの通電を開始する(タイミングt1:第1の制御)。そして、制御部410は、使用者が便座200に着座するまでに、便座200の中央部の温度が、使用者が便座200に着座したときに冷たいと感じない冷感限界温度以上となるまで便座200を加熱する制御を実行する(タイミングt1〜t2:第1の制御)。つまり、制御部410は、第1の制御において、便座200の中央部の温度をより短時間で冷感限界温度以上とする制御(即暖制御)を実行する。
続いて、制御部410は、第1の誘導加熱コイル222aへの通電から第2の誘導加熱コイル222bへの通電へ切り替える(タイミングt2:第2の制御)。すなわち、制御部410は、第1の誘導加熱コイル222aへの通電を停止し、第2の誘導加熱コイル222bへの通電を開始する(タイミングt2)。そして、制御部410は、第1の制御における第1の誘導加熱コイル222aへの通電の出力よりも低い出力で第2の誘導加熱コイル222bへ通電し、便座200の中央部を加熱する制御を実行する(タイミングt2以降:第2の制御)。つまり、制御部410は、第2の制御において、便座200の温度を適温(設定温度)に近づける制御あるいは保持する制御(保温制御)を実行する。
これによれば、制御部410が第1の制御の実行を終了したタイミングt2直後に使用者が便座200に着座した場合でも、使用者が冷感を感ずることを抑えることができる。また、タイミングt2以降では、便座200の前方部および後方部は、あまり加熱されていないため、使用者が便座200の前方部および後方部に触れた場合でも、更に加熱されて温度が上昇するということがなく、過度の温感を感ずることを抑えることができる。また、制御部410は、第2の制御を実行する際には、第1の制御における出力よりも低い出力で便座200の中央部を加熱する。そのため、便座200における導電体231や筐体210による伝熱が便座200の温度分布により大きく影響する。すなわち、即暖制御の場合には、誘導加熱出力がより高出力のため、導電体231や筐体210の熱伝導によって温度むらを解消する能力よりも発熱の方が大きい。そのため、誘導加熱の発熱むらがそのまま温度むらとなって現れる傾向が強い。一方、保温制御の場合には、誘導加熱出力がより低出力のため、便座200における伝熱が誘導加熱の発熱むらを十分に緩和する。これにより、便座200の全体の温度を略同一とすることができる。そして、使用者が便座200に着座しているときには、温度むらを抑えた、あるいは温度むらのない快適な暖房便座装置を提供することができる。
なお、本願明細書において、「温度むらを抑えた」状態および「温度むらのない」状態とは、便座200の幅の中央線203(図2(a)参照)における温度差が±3℃以下である状態をいうものとする。
また、図3に関して前述したように、第1の誘導加熱コイル222aは、便座200の形状に沿って周回するように配置されている。そのため、第1の誘導加熱コイル222aは、より高出力の誘導加熱を行うことができる。これにより、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、より高い昇温性能を発揮することができ、便座200の温度をより短時間で快適な温度にすることができる。また、使用者にとって、快適な暖房便座装置100を提供することができるとともに、待機時の消費電力を抑え、省エネルギー化を図ることができる。
さらに、制御部410が第2の制御を実行するときには、便座200の前方部および後方部は、ほとんど加熱されない。そして、便座200の中央部からの放熱または伝熱が生ずる。そのため、制御部410が第1の誘導加熱コイル222aへの通電から第2の誘導加熱コイル222bへの通電へすぐに切り替えても、便座200の前方部および後方部が過度に高温となることを抑えることができる。そのため、制御部410は、第2の制御において、便座200の中央部の温度を設定温度により近づける制御を実行することができ、更に、便座200の前方部および後方部を便座200の伝熱により設定温度に近い状態に維持できる。これにより、使用者が便座200に着座しているときに、温度むらを抑えた、あるいは温度むらのない快適な暖房便座装置を提供することができる。
次に、本実施形態の第2の誘導加熱コイル222bの他の設置形態について、図面を参照しつつ説明する。
図7は、本実施形態の第2の誘導加熱コイルの他の設置形態を説明するための平面模式図である。
なお、図7(a)は、導電体231を省略して本実施形態の便座を上方から眺めた平面模式図である。図7(b)は、本実施形態の第1の誘導加熱コイル222aを表す平面模式図である。図7(c)は、本実施形態の第2の誘導加熱コイル222bを表す平面模式図である。
図7に表した便座200では、第2の誘導加熱コイル222bは、便座200の前方部、後方部、および中央部を加熱するように配置されている。また、第2の誘導加熱コイル222bは、便座200の中央部が便座200の前方部および後方部よりも高い出力で加熱されるように配置されている。具体的には、図7(c)に表したように、第2の誘導加熱コイル222bは、第1の誘導加熱コイル222aよりも小さい径を有するように巻かれている。そして、図7(a)に表したように、複数の第2の誘導加熱コイル222bは、便座200の前方部、後方部、および中央部に配置されている。
例えば、便座200の中央部に配置された第2の誘導加熱コイル222bの巻き数は、便座200の前方部および後方部に配置された第2の誘導加熱コイル222bの巻き数よりも多い。あるいは、例えば、便座200の中央部に配置された複数の第2の誘導加熱コイル222bが隣り合う間隔は、便座200の前方部および後方部に配置された複数の第2の誘導加熱コイル222bが隣り合う間隔よりも狭い。そのため、便座200の中央部は、便座200の前方部および後方部が加熱されるときの出力よりも高い出力で加熱される。
なお、第1の誘導加熱コイル222aは、図3に関して前述した如くである。
次に、図7に表した第2の誘導加熱コイル222bの設置形態における第1の誘導加熱コイル222aおよび第2の誘導加熱コイル222bへの通電の制御について、図面を参照しつつ説明する。
図8は、本実施形態の誘導加熱コイルへの通電の他の制御を説明するためのタイミングチャート図である。
まず、タイミングt11〜t12における制御(第1の制御)は、図6に関して前述したタイミングt1〜t2における制御と同様である。つまり、制御部410は、第1の制御において、即暖制御を実行する。
続いて、制御部410は、第1の誘導加熱コイル222aへの通電を停止した後に、第1の誘導加熱コイル222aおよび第2の誘導加熱コイル222bへの通電を停止した所定時間を設ける制御を実行する(タイミングt12〜t13:第3の制御)。続いて、所定時間が経過すると、制御部410は、第2の誘導加熱コイル222bへの通電を開始する(タイミングt13:第2の制御)。そして、制御部410は、第1の制御における第1の誘導加熱コイル222aへの通電の出力よりも低い出力で第2の誘導加熱コイル222bへ通電し、便座200を加熱する制御を実行する(タイミングt13以降:第2の制御)。つまり、制御部410は、第2の制御において、保温制御を実行する。
これによれば、第2の誘導加熱コイル222bが便座200の前方部、後方部、および中央部を加熱するように配置されているため、制御部410が第2の制御を実行するときにも、便座200の前方部、後方部、および中央部は、加熱される。そのため、使用者が便座200に比較的長時間座っている場合でも、温度むらを抑えた、あるいは温度むらのない快適な暖房便座装置を提供することができる。
また、制御部410は、タイミングt12〜t13において、第1の誘導加熱コイル222aおよび第2の誘導加熱コイル222bへの通電を停止した所定時間を設ける制御(第3の制御)を実行する。そのため、図8に表したように、制御部410が第1の誘導加熱コイル222aへの通電を停止した後には、タイミングt12の時点では便座200の中央部よりも高温となっている前方部および後方部の温度が下降する。このとき、一部の熱は輻射によって放熱し、一部の熱は、より低温である中央部に移動する。よって、便座200の前方部および後方部と、便座200の中央部と、の温度差は、タイミングt12〜t13の間に小さくなる。すなわち、制御部410が第1の制御を実行した際に生じた温度むらは、便座200の伝熱効果または放熱効果により緩和される。そのため、第2の制御において、温度むらをより素早く解消することができる。また、第2の制御において、便座200の前方部、後方部、および中央部における誘導加熱の出力差を大きくとる必要はないため、第2の制御の場合には誘導加熱出力が低出力であるために便座200の伝熱が温度むらを解消するように効果的に働く。これに合わせ、第2の誘導加熱コイル222bの発熱分布を厳密に設定する必要がなく、その配置をより簡略化することができる。
さらに、図1および図2に関して前述したように、第2の誘導加熱コイル222bよりも高出力の第1の誘導加熱コイル222aと、導電体231と、の距離は、第1の誘導加熱コイル222aよりも低出力の第2の誘導加熱コイル222bと、導電体231と、の距離よりも短い。そのため、第1の誘導加熱コイル222aの出力と、第2の誘導加熱コイル222bの出力と、の差をより大きくすることができる。すなわち、誘導加熱コイル222bの巻き方だけではなく、導電体231との距離によっても誘導加熱出力の調整を行うことができる。これにより、第1の誘導加熱コイル222aへ通電する高出力の第1の制御と、第2の誘導加熱コイル222bへ通電する低出力の第2の制御と、のそれぞれの制御間の出力差を回路的な動作条件の変更で担うことが不要となる。これにより、より簡略化された回路設計により、温度むらを抑えた、あるいは温度むらのない快適な暖房便座装置を提供することができる。これは、図3および図4に関して前述した第2の誘導加熱コイル222bの設置形態、および図6に関して前述した誘導加熱コイルへの通電の制御においても同様である。
図9は、本実施形態にかかる暖房便座装置の回路の一例を例示する回路図である。
例えば、ケーシング400内には、制御部410と、人体検知手段420と、が設けられている。制御部410は、後述する便座200内の高周波電源回路500を制御する発振制御部257に制御信号を送る。
図1および図2に関して前述したように、人体検知手段420は、例えば、入室検知センサ421と、人体検知センサ423と、便蓋開閉検知センサ425と、を含む。
便座200内には、高周波電流を生成し第1の誘導加熱コイル222aおよび第2の誘導加熱コイル222bにその高周波電流を供給する高周波電源回路500が設けられている。高周波電源回路500は、整流部510と、平滑部530と、第1の共振回路540aと、第2の共振回路540bと、第1のインバータ550aと、第2のインバータ550bと、を有する。
整流部510は、商用電源10から供給される電流を整流する。平滑部530は、平滑コイル531と、平滑コンデンサ533と、を有する。平滑コンデンサ533は、第1のインバータ550aおよび第2のインバータ550bに流れる高周波大電流を平滑し商用電源側へノイズが伝達するのを防止する。
第1の共振回路540aは、第1の誘導加熱コイル222aと、第1の共振コンデンサ541aと、を有する。第2の共振回路540bは、第2の誘導加熱コイル222bと、第2の共振コンデンサ541bと、を有する。
第1のインバータ550aは、第1のスイッチング素子551aを有し、第1の共振回路540aに供給する電力を制御する。第2のインバータ550bは、第2のスイッチング素子551bを有し、第2の共振回路540bに供給する電力を制御する。第1のスイッチング素子551aおよび第2のスイッチング素子551bには、例えば絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(Insulated Gate Bipolar Transistor:IGBT)が用いられる。
また、便座200内には、発振制御部257が設けられている。発振制御部257は、制御部410から送信された制御信号に基づいて第1のスイッチング素子551aおよび第2のスイッチング素子551bのオン/オフを制御する。言い換えれば、制御部410は、発振制御部257を介して第1のスイッチング素子551aおよび第2のスイッチング素子551bのオン/オフを制御する。制御部410は、誘導加熱の動作指示を行うだけであり、第1のスイッチング素子551aおよび第2のスイッチング素子551bの直接のオン/オフ制御を行うのは、発振制御部257である。発振制御部257の動作は、次のようになる。
なお、第1のスイッチング素子551aのオン/オフ制御に関する発振制御部257の動作は、第2のスイッチング素子551bのオン/オフ制御に関する発振制御部257の動作と同様である。そのため、以下では、第1のスイッチング素子551aのオン/オフ制御に関する発振制御部257の動作を例に挙げて説明する。
まず、制御部410が誘導加熱コイル通電スイッチ431をオンし、発振制御部257によって第1のスイッチング素子551aをオン状態に制御すると、商用電源10から供給された電流は、整流部510により整流され、平滑部530により平滑化され、第1の誘導加熱コイル222aに流れる。電流が第1の誘導加熱コイル222aに流れると、第1の誘導加熱コイル222aに磁気エネルギーが溜まる。続いて、発振制御部257が第1のスイッチング素子551aをオフ状態に制御すると、商用電源10からは電流が供給されない一方で、第1の誘導加熱コイル222aに溜められた磁気エネルギーが第1の共振コンデンサ541aへ静電エネルギーとして移動する。その後、再び第1の共振コンデンサ541aから第1の誘導加熱コイル222aへエネルギーが戻り、共振する。この共振動作の途中で、発振制御部257によって第1のスイッチング素子551aが再びオン状態に制御されると、第1の誘導加熱コイル222aに磁気エネルギーが補充され、前述の動作を繰り返して共振が継続する。
このように、発振制御部257が第1のスイッチング素子551aのオン状態とオフ状態とを切り替え制御することにより、第1の誘導加熱コイル222aおよび第1の共振コンデンサ541aにおいて共振が発生し、高周波電流が生成される。高周波電流は、第1の誘導加熱コイル222aへ供給される。第1の誘導加熱コイル222aは、供給された高周波電流によって高周波磁界を発生する。この高周波磁界によって導電体231に渦電流が発生し、導電体231が発熱する。
以上の動作により、例えば、入室検知センサ421が使用者の入室を検知すると、制御部410は、第1の誘導加熱コイル222aへの通電を制御し、より高出力の誘導加熱を行うことで便座200を急速に加熱することができる。そして、制御部410は、使用者が便座200に着座するまでに、便座200の中央部の温度が冷感限界温度以上となるまで便座200を加熱する制御(第1の制御)を実行する。
また、制御部410は、第1の制御の後に、第1の誘導加熱コイル222aへの通電から第2の誘導加熱コイル222bへの通電へ切り替え、第1の制御における出力よりも低い出力の誘導加熱を行うことで便座200の中央部を加熱する制御(第2の制御)を実行する。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便座200などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや第1の誘導加熱コイル222a、第2誘導加熱コイル222b、および制御部410の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10 商用電源、 100 暖房便座装置、 200、200a 便座、 203 中央線、 205、206、207 範囲、 210 筐体、 210a 上面、 210b 底面、 222 誘導加熱コイル、 222a 第1の誘導加熱コイル、 222b 第2の誘導加熱コイル、 231 導電体、 257 発振制御部、 300 便蓋、 400 ケーシング、 410 制御部、 420 人体検知手段、 421 入室検知センサ、 423 人体検知センサ、 425 便蓋開閉検知センサ、 500 高周波電源回路、 510 整流部、 530 平滑部、 531 平滑コイル、 533 平滑コンデンサ、 540a 第1の共振回路、 540b 第2の共振回路、 541a 第1の共振コンデンサ、 541b 第2の共振コンデンサ、 550a 第1のインバータ、 550b 第2のインバータ、 551a 第1のスイッチング素子、 551b 第2のスイッチング素子、 800 洋式腰掛便器

Claims (5)

  1. 楕円形状を有する便座と、
    前記便座の内部において前記便座の形状に沿って周回するように配置され、供給された高周波電流により磁界を発生する第1の誘導加熱コイルと、
    前記便座の内部に配置され、供給された高周波電流により磁界を発生する第2の誘導加熱コイルと、
    前記第1の誘導加熱コイルおよび前記第2の誘導加熱コイルからみて前記便座の着座面の側に配置され、導電性を有する材料により形成されて前記第1の誘導加熱コイルおよび前記第2の誘導加熱コイルの少なくともいずれかが発生した磁界により誘導加熱される発熱体と、
    前記便座を使用する使用者を検知する人体検知手段と、
    前記人体検知手段が前記使用者を検知すると、前記使用者が前記便座に着座するまでに、前記第1の誘導加熱コイルに通電し前記便座の中央部の温度が前記使用者が前記便座に着座したときに冷たいと感じない冷感限界温度以上となるまで前記便座を加熱する第1の制御と、
    前記第1の制御の後に、前記第1の誘導加熱コイルへの通電から前記第2の誘導加熱コイルへの通電へ切り替え、前記第1の制御における前記第1の誘導加熱コイルへの通電の出力よりも低い出力で前記第2の誘導加熱コイルに通電し前記便座を加熱する第2の制御と、
    を実行する制御部と、
    を備えたことを特徴とする暖房便座装置。
  2. 前記第2の誘導加熱コイルは、通電されると前記便座の中央部のみを加熱するように配置されたことを特徴とする請求項1記載の暖房便座装置。
  3. 前記第2の誘導加熱コイルは、通電されると前記便座の前方部および後方部を加熱するように配置され、且つ前記前方部および前記後方部を加熱するときの出力よりも高い出力で前記便座の中央部を加熱するように配置されたことを特徴とする請求項1記載の暖房便座装置。
  4. 前記制御部は、前記切り替えの際に、前記第1の誘導加熱コイルへの通電および前記第2の誘導加熱コイルへの通電を停止する所定時間を設ける第3の制御をさらに実行することを特徴とする請求項3記載の暖房便座装置。
  5. 前記第1の誘導加熱コイルと、前記発熱体と、の距離は、前記第2の誘導加熱コイルと、前記発熱体と、の距離よりも短いことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の暖房便座装置。
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