JP5812518B2 - 暖房便座装置 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、一般的に、暖房便座装置に関し、具体的には便器に付設される便座を
暖めることができる暖房便座装置に関する。
一般的に、便座の座面は、例えばPP(polypropylene:ポリプロピレン)等の樹脂で
製造されているため、使用者は、冬場などの気温の低いときに冷えた便座に座ると冷感を
感じる場合がある。そこで、便座を暖めることができる暖房便座装置がある。このような
暖房便座装置では、便座の昇温の迅速性や、省エネルギー化などを図るために種々の提案
がなされている。
例えば、誘導加熱の原理を利用して便座の着座面を迅速に昇温させ、待機電力を削減す
る暖房便座が提案されている。誘導加熱では、誘導加熱コイルに高周波電流を流すことに
より磁界が発生し、その磁界が導電体を通過することで生ずる渦電流により導電体が発熱
する。このような暖房便座として、交流電圧を出力する誘導加熱用電源と、誘導加熱用電
源からの電流により磁界を発生する加熱用励磁コイルと、加熱用励磁コイルから発生する
磁界により誘起される誘導電流により発熱する発熱体より成る暖房便座において、発熱体
を便座表面または表面付近に設けたことを特徴とする暖房便座がある(特許文献1)。
特許文献1に記載された暖房便座によれば、少ない熱量で、短時間に加熱することがで
きる。また、便座の使用時のみ加熱することが可能になり、着座した瞬間から快適でなお
かつ省電力な暖房便座の提供が可能である。
しかしながら、便座表面または表面付近に設けられた発熱体は、暖房便座の使用者が便
座へ着座するときに生ずる繰り返しの応力により破損するおそれがある。発熱体の一部に
でも破損が生ずると、渦電流の流れが阻害される。そうすると、誘導電流が破損した箇所
に集中し、着座面が局部的に過熱するおそれがある。これにより、使用者に対して局部的
な温感を感じさせてしまい、便座の座り心地が悪化するおそれがある。この点において、
特許文献1に記載された暖房便座には改善の余地がある。
使用者に対して局部的に温感を感じさせないための1つの手段として、着座面に発生す
る局部的な温感を検知することが挙げられる。具体的には、例えば、サーミスタなどの温
度センサを便座に配置することが考えられる。
しかし、局所的な加熱を検知するためは、便座の全面にわたって多数の温度センサを配
置する必要があり、現実的ではない。
特開平11−299704号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、便座の任意の箇所で発生
した加熱金属体の破損による加熱むらをより確実に、あるいはより素早く検知することが
できる暖房便座装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、便座と、前記便座に設けられ、供給された高周波電流により磁界を発生する誘導加熱コイルと、上方からみたときに前記便座の着座面の一定範囲に設けられ、前記誘導加熱コイルが発生した磁界により誘導加熱される加熱金属体と、前記上方からみたときに前記一定範囲を含む範囲に設けられ、温度が上昇するとインピーダンスが低下する感温体と、前記上方からみたときに前記一定範囲を含む範囲に設けられ、導電性を有する検知体と、前記加熱金属体と前記検知体とを介して前記感温体のインピーダンスを測定し、前記インピーダンスの低下に基づいて前記便座の局部過熱を検出する制御部と、を備えたことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、便座の任意の箇所で局部過熱が発生しても、感温体のインピーダンスが低下する。そのため、便座の任意の箇所で局部過熱が発生しても、加熱金属体の破損による加熱むらをより確実に、あるいはより素早く検知することができる。
また、第2の発明は、第1の発明において、前記検知体の誘導加熱による発熱量は、前
記加熱金属体の誘導加熱による発熱量よりも少ないことを特徴とする暖房便座装置である
この暖房便座装置によれば、検知体の誘導加熱による発熱量がより少なくなることで、
誘導加熱のために供給する電力は、加熱金属体の発熱量としてより効率的に利用される。
そのため、便座が一定温度まで加熱される時間をより短くすることができる。そのため、
使用者は、トイレ室やトイレブースに入ってからより短い時間で便座に着座しても、冷感
を感ずることなく快適に暖房便座装置を使用することができる。
また、第3の発明は、第2の発明において、前記検知体の比透磁率は、前記加熱金属体
の比透磁率よりも低いことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、検知体の比透磁率がより低いことで、誘導加熱による発熱
量をより少なくすることができる。そのため、便座が一定温度まで加熱される時間をより
短くすることができる。そのため、使用者は、トイレ室やトイレブースに入ってからより
短い時間で便座に着座しても、冷感を感ずることなく快適に暖房便座装置を使用すること
ができる。また、検知体の構造を加熱金属体の構造と略同一とすることができる。言い換
えれば、検知体の構造を特別な構造とする必要がない。そのため、便座を製造しやすい構
造とすることができる。
また、第4の発明は、第2の発明において、前記検知体を前記便座の着座面に投影した
ときの面積は、前記加熱金属体を前記便座の着座面に投影したときの面積よりも狭いこと
を特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、検知体に差交する磁束量を小さくすることができる。例え
ば検知体を細線の網状により形成すると、検知体に差交する磁束量を小さくすることがで
きる。そのため、便座が一定温度まで加熱される時間をより短くすることができる。その
ため、使用者は、トイレ室やトイレブースに入ってからより短い時間で便座に着座しても
、冷感を感ずることなく快適に暖房便座装置を使用することができる。
また、第5の発明は、第1〜第4のいずれか1つの発明において、前記感温体は、所定
温度以上の温度において溶融することを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、感温体が所定温度以上の温度において溶融すると、便座の
全体において短絡回路が形成される。そのため、制御部は、加熱金属体と感温体とに微少
な応力が発生した場合に、加熱むらを検出することができる。また、短絡回路が形成され
ると、より大きな電流が流れるため、制御部は、より検出精度を向上させた状態で加熱む
らを検出することができる。
また、第6の発明は、便座と、前記便座に設けられ、供給された高周波電流により磁界を発生する誘導加熱コイルと、環状を呈し、上方からみたときに前記便座の着座面の一定範囲に設けられ、前記誘導加熱コイルが発生した磁界により誘導加熱されるとともに導電性を有する検知体を兼ねた複数の加熱金属体と、前記複数の加熱金属体同士の間に挟設され、温度が上昇するとインピーダンスが低下する感温体と、前記加熱金属体を介して前記感温体のインピーダンスを測定し、前記インピーダンスの低下に基づいて前記便座の局部過熱を検出する制御部と、を備えたことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、便座は、環状を呈する複数の加熱金属体を有する。そのた
め、それぞれの加熱金属体の内部を流れる渦電流の量は、より小さい。そのため、加熱金
属体に破損が生じた場合でも、破損の端部の近傍に集中する渦電流の量をより小さく抑え
ることができる。これにより、加熱金属体に破損が生じたときの温度の上昇を抑えること
ができる。
また、加熱金属体が検知体を兼ねているため、加熱金属体とは別に検知体を設ける必要
はない。そのため、より簡単な構成で、快適な暖房便座装置を提供することができる。
感温体は、環状を呈する複数の加熱金属体同士の間に挟設されている。そのため、感温
体のインピーダンスを測定する際の加熱金属体と検知体との間の距離を、同一平面におい
て最短とすることができる。これにより、インピーダンスの変化の感度をより高くするこ
とができる。そして、より精度よく加熱むらを検出することができる。
また、第7の発明は、第1〜第6のいずれか1つの発明において、前記制御部は、前記
インピーダンスが所定値以下となると誘導加熱を停止する制御を実行することを特徴とす
る暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、局部加熱が発生した場合には、直ちに便座の加熱を停止す
ることができる。そのため、使用者が局部的な温感により不快感を感ずることを抑制する
ことができる。
本発明の態様によれば、便座の任意の箇所で発生した加熱金属体の破損による加熱むら
をより確実に、あるいはより素早く検知することができる暖房便座装置が提供される。
本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜 視模式図である。 図1に表した切断面A−Aにおける断面模式図である。 図2に表した範囲A1を拡大した拡大模式図である。 図1に表した切断面A−Aにおける断面模式図である。 図2に表した範囲A2を拡大して上方から眺めた拡大模式図である。 本実施形態の感温体の温度とインピーダンスとの関係の一例を例示するグラ フ図である。 加熱金属体の破損部の温度と感温体のインピーダンスとの関係の一例を例示 するグラフ図である。 正常状態における検知動作を説明するための模式図である。 局部過熱状態における検知動作を説明するための模式図である。 本実施形態の便座の変形例を例示する断面模式図である。 本実施形態の便座の他の変形例を例示する断面模式図である。 本実施形態の便座のさらに他の変形例を例示する平面模式図である。 図12に表した切断面B−Bにおける断面模式図である。 本実施形態の便座のさらに他の変形例を例示する断面模式図である。 図14に表した範囲A3を拡大した拡大模式図である。 本実施形態の便座のさらに他の変形例を例示する断面模式図である。 本実施形態の便座のさらに他の変形例を例示する断面模式図である。 本実施形態の便座のさらに他の変形例を例示する断面模式図である。 本実施形態の便座の導電体の形成パターン1を表す平面模式図である。 本実施形態の便座の導電体の形成パターン1の通常時の渦電流の流れを表す模式図である。 本実施形態の便座の導電体の形成パターン1に一部の損傷発生時の渦電流の流れを表す模式図である。 本実施形態の便座の導電体の形成パターン2を表す平面模式図である。 図22に表した切断面D−Dにおける断面模式図である。 本実施形態の便座の導電体の形成パターン2の通常時の渦電流の流れを表す模式図である。 本実施形態の便座の導電体の形成パターン2に一部の損傷発生時の渦電流の流れを表す模式図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様
の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、本発明の実施の形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視
模式図である。
図1に表したトイレ装置は、洋式腰掛便器800と、その上に設けられた暖房便座装置
100と、を備える。暖房便座装置100は、ケーシング400と、便座200と、便蓋
300と、を有する。便座200と便蓋300とは、ケーシング400に対して開閉自在
にそれぞれ軸支されている。便蓋300は、閉じた状態において便座200の上方を覆う
ことができる。
便座200または便蓋300の内部には、高周波電流が通電されることにより磁界を発
生する誘導加熱コイル260(図2および図3参照)が設けられている。また、便座20
0には、後に詳述するように、誘導加熱コイルから発生した磁界により誘導加熱される発
熱体(加熱金属体)が設けられている。より具体的には、加熱金属体は、誘導加熱コイル
から発生する磁界で誘起される渦電流によるジュール熱により発熱する。これらについて
は、後に詳述する。
これにより、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、誘導加熱の原理を利用し、便
座200の着座面を急速に加熱することができる。
ケーシング400の内部には、衛生洗浄装置としての機能部が併設されていてもよい。
すなわち、ケーシング400には、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて
水を噴出する図示しない吐水ノズルを有する衛生洗浄機能部などが内蔵されていてもよい
。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も
含むものとする。
また、ケーシング400の内部には、便座200に座った使用者の「おしり」などに向
けて温風を吹き付けて乾燥させる「温風乾燥機能」や「脱臭ユニット」や「室内暖房ユニ
ット」などの各種の機構が適宜設けられていてもよい。ただし、本発明においては、衛生
洗浄機能部やその他の付加機能部は必ずしも設けなくてもよい。
図2は、図1に表した切断面A−Aにおける断面模式図である。
また、図3は、図2に表した範囲A1を拡大した拡大模式図である。
なお、図2は、電気系の構成要素を併せて表している。
図2および図3に表したように、便座200は、便座200の外形を形成する便座基材
210を有する。便座基材210は、便座底板211および便座上板213を有し、例え
ば樹脂などの絶縁性を有する材料により形成されている。便座200の便座基材210の
内面(例えば便座上板213の下面)には、供給された高周波電流により磁界を発生する
誘導加熱コイル260が設けられている。誘導加熱コイル260は、例えば個々に絶縁さ
れた複数の導体素線を撚り合わせた構造を有するリッツ線などにより図示しない高周波電
源回路と接続されている。
便座基材210の外側(上側あるいは着座面側)には、感温体220が設けられている
。感温体220のインピーダンス特性は、感温体220自身の温度変化に応じて変化する
。感温体220は、例えば高分子基材にイオン伝導性を発現させるキャリアイオンを含む
ポリマーである。感温体220が比較的低温状態の場合には、ポリマーがガラス状態にあ
る。そのため、キャリアイオンは移動しない。一方、感温体220の温度がガラス転位点
(Tg)の近傍からガラス転位点以上になると、キャリアイオンは、比較的自由にポリマ
ーマトリックス内を移動できる。そのため、イオン伝導により、感温体220の抵抗値が
低下し、感温体220の導電性が増加する。感温体220の厚さは、例えば約0.1ミリ
メートル(mm)程度である。感温体220の温度特性については、後に詳述する。
感温体220の外側には、加熱金属体230が設けられている。加熱金属体230は、
上方からみたときに便座200の着座面の一定範囲に設けられている。そして、感温体2
20は、上方からみたときに加熱金属体230が設けられた一定範囲を含む範囲に設けら
れている。加熱金属体230は、誘導加熱コイル260から発生した磁界により誘導加熱
される。加熱金属体230としては、例えば鉄やステンレスなどの強磁性体、アルミニウ
ムなどの常磁性体、または銅などの反磁性体といった金属を用いることができる。便座2
00の外部に磁界を放出させにくくするためには、電気抵抗が大きい鉄やステンレスなど
の強磁性体を加熱金属体230に用いることがより好ましい。加熱金属体230の厚さは
、例えば最大0.3mm程度である。
加熱金属体230の外側には、表面層240が設けられている。表面層240は、便座
200の意匠性を向上させることができる。また、表面層240は、加熱金属体230の
腐食を防護することができる。表面層240としては、例えばポリエチレンテレフタレー
ト(polyethylene terephthalate:PET)やポリプロピレン(polypropylene:PP)
などを用いることができる。表面層240の厚さは、例えば約0.1mm〜0.2mm程
度である。
便座基材210の内部には、検知体250が設けられている。検知体250は、上方か
らみたときに加熱金属体230が設けられた一定範囲を含む範囲に設けられている。検知
体250は、例えば銅などの導電性を有する材料により形成されている。検知体250の
誘導加熱による発熱量は、加熱金属体230の誘導加熱による発熱量よりも少ない。また
、検知体250の比透磁率は、加熱金属体230の比透磁率よりも低い。また、検知体2
50は、例えば銅線などにより形成されている。そのため、検知体250を着座面に投影
したときの面積は、加熱金属体230を着座面に投影したときの面積よりも狭い。
図2に表したように、加熱金属体230は、抵抗431を介してグランド(GND)と
接続されている。抵抗431の抵抗値は、例えば約1メガオーム(MΩ)程度である。ま
た、加熱金属体230は、制御部410と接続されている。検知体250は、直流電圧を
供給する電源装置420と接続されている。電源装置420が検知体250に供給する直
流電圧は、例えば約5ボルト(V)程度である。
次に、便座200の着座面を誘導加熱で加熱するメカニズムについて、図面を参照しつ
つ説明する。
図4は、図1に表した切断面A−Aにおける断面模式図である。
図4に表したように、高周波電流291は、誘導加熱コイル260に通電されると、便
座200の着座面で略同一密度となるように流れる。これにより、誘導加熱コイル260
の全体を囲むような磁界293が発生する。この磁界293により、高周波電流291の
流れとは反対の方向に流れる渦電流295が、着座面で略同一密度となるように加熱金属
体230に発生する。加熱金属体230は、加熱金属体230を流れる渦電流295のジ
ュール熱により略同一の温度上昇で発熱し、着座面を加熱する。このように、着座面の温
度は、略同一で快適温度となるように、制御部410の加熱開始信号により制御される。
図5は、図2に表した範囲A2を拡大して上方から眺めた拡大模式図である。
図2に表したように、範囲A2内には、加熱金属体230の破損が発生している。
本実施形態にかかる暖房便座装置100は、一般家庭のみならず、駅や商業地といった
トイレブースにも設置される。その結果、不特定多数の使用者が便座200に着座するこ
とで、大小様々な繰り返しの応力が便座200に加わる場合がある。そうすると、便座2
00に撓みが生ずる。
図2および図3に関して前述したように、加熱金属体230の厚さは、例えば最大0.
3mm程度である。そのため、図5に表したように、便座200に撓みが生ずると、加熱
金属体230に破損231が生ずる場合がある。
本実施形態の便座基材210は、便座底板211と便座上板213とを接合させた構造
を有する。加熱金属体230の破損231は、使用者が便座200に着座することで加わ
る繰り返しの応力により便座底板211と便座上板213との接合部から生ずる。そして
、加熱金属体230の破損231は、便座底板211と便座上板213との接合部を端部
とし、便座200の中央部を結ぶ略線状に沿って徐々に進行する。
加熱金属体230に生じた破損231は、誘導加熱時に着座面で略同一密度となるよう
に発生した渦電流295の進行の妨げとなる。図5に表したように、進行を妨げられた渦
電流295は、破損231の端部233に沿うように進行方向を変え、破損231の端部
233の近傍に集中する。そして、加熱金属体230に破損231が生じていない場合と
比較して、渦電流295の密度が高くなった箇所235の温度が上昇する。これにより、
局部過熱が発生する。
このような局部過熱を検出する方法の1つの手段として、加熱金属体230の温度を検
出し便座200の加熱を停止する方法が挙げられる。
しかしながら、例えばサーミスタなどのような温度検知部は、一部分の箇所の温度しか
検知できない。そのため、加熱金属体230の任意の箇所において破損231が発生して
局部過熱が発生した場合には、局部過熱の熱が温度検知部に伝わるまでに時間がかかる。
あるいは、外界空気との熱平衡により、温度検知部が局部過熱の熱を検知できない場合が
ある。そのため、このような方法では、局部過熱を検出し、加熱金属体230の破損23
1による加熱むらをより確実に、あるいはより素早く検知することは困難である。
これに対して、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、感温体220を備える。図
2および図3に関して前述したように、感温体220のインピーダンス特性は、感温体2
20自身の温度変化に応じて変化する。また、加熱金属体230は、制御部410と接続
されている。検知体250は、直流電圧を供給する電源装置420と接続されている。
これによれば、制御部410は、加熱金属体230と検知体250とを介して感温体2
20のインピーダンスを測定する。そして、制御部410は、加熱金属体230と検知体
250との間のインピーダンスの変化に基づいて便座200の局部過熱を検知する。これ
により、本実施形態にかかる暖房便座装置100は、便座200の任意の箇所で局部過熱
が発生しても、加熱金属体230の破損231による加熱むらをより確実に、あるいはよ
り素早く検知することができる。
次に、便座200の局部過熱の検知について、図面を参照しつつさらに説明する。
図6は、本実施形態の感温体の温度とインピーダンスとの関係の一例を例示するグラフ
図である。
図6に表したグラフ図の横軸は、感温体220の温度(℃)である。図6に表したグラ
フ図の縦軸は、感温体220のインピーダンス(MΩ)である。
図6に表したように、感温体220のインピーダンスは、温度が上昇するにつれて低下
する。本実施形態の感温体220のインピーダンスは、温度が例えば約60℃程度以下の
ときには無限大となる。一方、温度が例えば約140℃程度以上のときには、本実施形態
の感温体220は、溶融する。
図7は、加熱金属体の破損部の温度と感温体のインピーダンスとの関係の一例を例示す
るグラフ図である。
図7に表したグラフ図の横軸は、誘導加熱後の経過時間(秒)である。図7に表したグ
ラフ図の右側の縦軸は、感温体220のインピーダンス(MΩ)である。図7に表したグ
ラフ図の左側の縦軸は、破損部の温度(℃)である。
図7に表したように、誘導加熱前(0秒以前)の加熱金属体230の温度は、室温と同
等の約30℃であり、比較的低い。このときには、図6に関して前述したように、感温体
220のインピーダンスは、無限大である。
続いて、誘導加熱が開始(0秒以降)されると、図7に表した破線のように、加熱金属
体230の破損部の温度が上昇する。これは、図5に関して前述した如くであり、破損部
のみの温度が上昇するため加熱むらが発生する。そうすると、図7に表した実線のように
、加熱金属体230の破損部の温度が上昇するにつれて、感温体220のインピーダンス
が低下する。これは、図6に関して前述した如くである。つまり、加熱金属体230に破
損が生じ、局部過熱が発生すると、感温体220のインピーダンスが低下する。
次に、正常状態および局部過熱状態における検知動作について、図面を参照しつつさら
に説明する。
図8は、正常状態における検知動作を説明するための模式図である。
また、図9は、局部過熱状態における検知動作を説明するための模式図である。
なお、図8(a)および図9(a)は、図1に表した切断面A−Aにおける断面模式図
である。図8(b)および図9(b)は、等価回路図を表す。図8(a)および図9(a
)は、電気系の構成要素を併せて表している。
図8(a)に表したように、加熱金属体230が正常のとき(加熱金属体230の破損
が無いとき)には、感温体220のインピーダンスは、無限大となる。そのため、図8(
b)に表した等価回路図において、感温体220による抵抗221の抵抗値は、無限大と
なる。そのため、電源装置420が検知体250に直流電圧を供給しても、制御部410
は、検出端子411の電圧が0Vであることを検出する。
一方、図9(a)に表したように、加熱金属体230に破損231が発生すると、加熱
金属体230の破損部の温度が上昇する。そして、感温体220のインピーダンスが低下
する。つまり、図9(b)に表した等価回路図において、感温体220による抵抗221
の抵抗値は、無限大よりも低下し例えば約数MΩ程度となる。そうすると、便座200の
全体において短絡回路が形成される。そのため、検出端子411に電圧が発生する。言い
換えれば、制御部410は、検出端子411の電圧が0Vよりも大きいことを検出する。
これは、破損231が加熱金属体230のいずれの箇所において発生した場合でも同様で
ある。
このように、本実施形態では、制御部410は、加熱金属体230と検知体250とを
介して感温体220のインピーダンスを測定する。そして、制御部410は、加熱金属体
230と検知体250との間のインピーダンスの変化に基づいて便座200の局部過熱を
検知する。
これによれば、制御部410は、便座200の任意の箇所で局部過熱が発生しても、加
熱金属体230の破損231を検知することができる。そのため、制御部410は、便座
200の局部過熱の発生を検知し、加熱むらをより確実に、あるいはより素早く検知する
ことができる。
また、加熱金属体230と検知体250との間のインピーダンスが所定値以下となると
、制御部410は、誘導加熱を停止する制御を実行する。例えば、制御部410は、誘導
加熱コイル260への高周波電流の通電を停止する制御を実行する。これによれば、局部
加熱が発生した場合には、直ちに便座200の加熱を停止することができる。そのため、
使用者が局部的な温感により不快感を感ずることを抑制することができる。
また、図6に関して前述したように、感温体220は、所定温度以上の温度において溶
融する。そうすると、図9(b)に表した等価回路図と同様に、便座200の全体におい
て短絡回路が形成される。そのため、制御部410は、加熱金属体230と感温体220
とに微少な応力が発生した場合に、加熱むらを検出することができる。また、短絡回路が
形成されると、より大きな電流が流れるため、制御部410は、より検出精度を向上させ
た状態で加熱むらを検出することができる。
また、図2および図3に関して前述したように、検知体250の誘導加熱による発熱量
は、加熱金属体230の誘導加熱による発熱量よりも少ない。これによれば、検知体25
0の誘導加熱による発熱量がより少なくなることで、誘導加熱のために供給する電力は、
加熱金属体230の発熱量としてより効率的に利用される。そのため、便座200が一定
温度まで加熱される時間をより短くすることができる。そのため、使用者は、トイレ室や
トイレブースに入ってからより短い時間で便座200に着座しても、冷感を感ずることな
く快適に暖房便座装置100を使用することができる。
また、図2および図3に関して前述したように、検知体250の比透磁率は、加熱金属
体230の比透磁率よりも低い。これによれば、検知体250の比透磁率がより低いこと
で、誘導加熱による発熱量をより少なくすることができる。そのため、便座200が一定
温度まで加熱される時間をより短くすることができる。そのため、使用者は、トイレ室や
トイレブースに入ってからより短い時間で便座200に着座しても、冷感を感ずることな
く快適に暖房便座装置100を使用することができる。また、検知体250の構造を加熱
金属体230の構造と略同一とすることができる。言い換えれば、検知体250の構造を
特別な構造とする必要がない。そのため、便座200を製造しやすい構造とすることがで
きる。
さらに、検知体250を着座面に投影したときの面積は、加熱金属体230を着座面に
投影したときの面積よりも狭い。これによれば、検知体250に差交する磁束量を小さく
することができる。例えば検知体250を細線の網状により形成すると、検知体250に
差交する磁束量を小さくすることができる。そのため、便座200が一定温度まで加熱さ
れる時間をより短くすることができる。そのため、使用者は、トイレ室やトイレブースに
整理番号:11372101 特願2011-245858 (Proof) 提出日:平成23年11月 9日 9
入ってからより短い時間で便座200に着座しても、冷感を感ずることなく快適に暖房便
座装置100を使用することができる。
次に、本実施形態の便座200の変形例について、図面を参照しつつ説明する。
図10は、本実施形態の便座の変形例を例示する断面模式図である。
図10は、図1に表した切断面A−Aにおける断面模式図に相当する。
本変形例の便座200aでは、検知体250aは、細線の網状などではなく、膜状ある
いは板状に形成されている。検知体250aは、便座基材210と感温体220との間で
あって、上方からみたときに加熱金属体230が設けられた一定範囲を含む範囲に設けら
れている。その他の構造は、図2および図3に関して前述した便座200の構造と同様で
ある。本変形例によれば、検知体250aによる誘導加熱への影響を少なくすることがで
きる。
図11は、本実施形態の便座の他の変形例を例示する断面模式図である。
図11は、図1に表した切断面A−Aにおける断面模式図に相当する。
本変形例の便座200bでは、便座基材210の外側には加熱金属体230が設けられ
ている。また、加熱金属体230の外側には、感温体220が設けられている。つまり、
本変形例の便座200bは、図3に関して前述した便座200における感温体220と加
熱金属体230とが互いに入れ替わった配置関係を有する。また、本変形例の便座200
bでは、検知体250は、加熱金属体230と表面層240との間に設けられている。そ
の他の構造は、図2および図3に関して前述した便座200の構造と同様である。
本変形例のように、感温体220は、便座基材210と表面層240との間に設けられ
ていてもよい。また、検知体250は、加熱金属体230からみて外側に設けられていて
もよい。これによっても、図8および図9に関して前述した便座200の効果と同様の効
果が得られる。
図12は、本実施形態の便座のさらに他の変形例を例示する平面模式図である。
また、図13は、図12に表した切断面B−Bにおける断面模式図である。
なお、図12は、便座を上方から眺めたときの平面模式図である。
図12に表したように、本変形例の便座200cでは、加熱金属体230は、便座20
0の開口部201の形状に沿うような環状を有する。図13に表したように、感温体22
0の外側において、複数の加熱金属体230が設けられている。そして、隣り合う加熱金
属体230同士の間には、絶縁体270が設けられている。その他の構造は、図2および
図3に関して前述した便座200の構造と同様である。
本変形例によれば、便座200cは、環状を呈する複数の加熱金属体230を有するた
め、それぞれの加熱金属体230の内部を流れる渦電流295の量は、より小さい。その
ため、加熱金属体230に破損231が生じた場合でも、破損231の端部233の近傍
に集中する渦電流295の量をより小さく抑えることができる。これにより、加熱金属体
230に破損231が生じたときの温度の上昇を抑えることができる。また、図8および
図9に関して前述した便座200の効果と同様の効果が得られる。
図14は、本実施形態の便座のさらに他の変形例を例示する断面模式図である。
図15は、図14に表した範囲A3を拡大した拡大模式図である。
なお、図14は、電気系の構成要素を併せて表している。
図12および図13に関して前述した便座200cと同様に、本変形例の便座200d
は、環状を呈する複数の加熱金属体230を有する。本具体例の加熱金属体230は、検
知体を兼ねている。言い換えれば、本具体例の加熱金属体230は、検知体の機能を有す
る。したがって、図14に表したように、加熱金属体230は、直流電圧を供給する電源
装置420と接続されている。また、電源装置420に接続された加熱金属体230と隣
り合う加熱金属体230が制御部410と接続されている。
また、隣り合う加熱金属体230同士の間には、感温体220が設けられている。つま
り、電源装置420に接続された加熱金属体230と、制御部410に接続された加熱金
属体230と、の間には、感温体220が挟設されている。その他の構造は、図2および
図3に関して前述した便座200の構造と同様である。
本変形例によれば、便座200dが環状を呈する複数の加熱金属体230を有するため
、加熱金属体230に破損231が生じたときの温度の上昇を抑えることができる。また
、加熱金属体230が検知体を兼ねているため、加熱金属体230とは別に検知体を設け
る必要はない。そのため、より簡単な構成で、快適な暖房便座装置100を提供すること
ができる。
また、本変形例の感温体220は、環状を呈する複数の加熱金属体230同士の間に挟
設されている。そのため、感温体220のインピーダンスを測定する際の加熱金属体23
0と検知体250との間の距離を、同一平面において最短とすることができる。これによ
り、インピーダンスの変化の感度をより高くすることができる。そして、より精度よく加
熱むらを検出することができる。また、図8および図9に関して前述した便座200の効
果と同様の効果が得られる。
図16および図17は、本実施形態の便座のさらに他の変形例を例示する断面模式図で
ある。
なお、図16および図17は、図14に表した範囲A3を拡大した拡大模式図に相当す
る。
図16に表した便座200eでは、便座基材210の外側に第1の感温体220が設け
られている。また、第1の感温体220aの外側には、環状を呈する複数の加熱金属体2
30が設けられている。そして、隣り合う加熱金属体230同士の間には、第2の感温体
220bが設けられている。また、加熱金属体230および第2の感温体220bの外側
には第3の感温体220cが設けられている。そして、本具体例の加熱金属体230は、
検知体を兼ねている。その他の構造は、図2および図3に関して前述した便座200の構
造と同様である。
図17に表した便座200fは、図16に関して前述した便座200eの第2の感温体
220bが絶縁体270に置き換えられた構造を有する。また、加熱金属体230および
絶縁体270の外側には第2の感温体220bが設けられている。そして、本具体例の加
熱金属体230は、検知体を兼ねている。その他の構造は、図2および図3に関して前述
した便座200の構造と同様である。
図16に表した便座200eによれば、第1の感温体220a〜第3の感温体220c
が加熱金属体230の周囲に存在している。また、図17に表した便座200fによれば
、加熱金属体230は、上方および下方に設けられた感温体220同士の間に挟設されて
いる。これらの場合でも、加熱金属体230が検知体を兼ねているため、加熱金属体23
0とは別に検知体を設ける必要はない。そのため、より簡単な構成で、快適な暖房便座装
置100を提供することができる。また、図8および図9に関して前述した便座200の
効果と同様の効果が得られる。
図18は、本実施形態の便座のさらに他の変形例を例示する断面模式図である。
なお、図18は、図14に表した範囲A3を拡大した拡大模式図に相当する。
本変形例の便座200gは、図16に表した便座200eの表面層240が省略された
構造を有する。つまり、第3の感温体220cが表面層を兼ねている。この場合でも、便
座200gの意匠性の維持を図ることができる。そして、生産性の向上を図ることができ
る。また、図8および図9に関して前述した便座200の効果と同様の効果が得られる。
図19は、本実施形態の便座の加熱金属体の形成パターン1を表す平面模式図である。加熱金属体は、図12に示す便座の開口部の形状に沿うようなパターンであるが、模式化した真円で説明する。
また、図19に表した切断面C−Cにおける断面模式図は、図13と同様である。
なお、図19は、便座を上方から眺めたときの平面模式図である。
加熱金属体の形成パターン1は、図19に表したように、環状の加熱金属体230a、230b、230cを有し、環状の加熱金属体230aと環状の加熱金属体230bが接続導電体500aで接続、環状の加熱金属体230bと環状の加熱金属体230cが接続導電体500bで接続、といったように、互いに隣接する環状の加熱金属体230同士が1箇所の接続導電体500に接続され、全体の一つの導電体として扱うことができるパターンである。
図13に表したように、感温体220の外側において、複数の加熱金属体230が設けられている。そして、隣り合う加熱金属体230同士の間には、絶縁体270が設けられている。
その他の構造は、図2および図3に関して前述した便座200の構造と同様である。
図20は、本実施形態の便座の加熱金属体の形成パターン1の通常時の渦電流の流れを表す模式図である。環状の加熱金属体230a、230b、230cには、誘導加熱コイルから発生した磁界により誘起される渦電流295a、295b、295cが、環状の加熱金属体230a、230b、230cを周回するよう、それぞれ流れる。これは、渦電流295a、295b、295cが流れるためには、任意に設定した渦電流の発生起点から、その発生起点に帰還する経路となる、環状の加熱金属体230a、230b、230cが必要ことを表す。この環状の加熱金属体230a、230b、230cを流れる渦電流295a、295b、295cのジュール熱により、環状の加熱金属体230a、230b、230cは発熱する。
一方、接続導電体500a、500bはほとんど発熱しないことを出願人の検証により確認している。ほとんど発熱しない要因として、環状の加熱金属体230a上に発生する渦電流295aは、発生起点から発生起点へ帰還する際に、接続導電体500aが、帰還する経路に当らない、つまり渦電流295aが流れないためである。同様に、環状の加熱金属体230bに発生する渦電流295bも、環状の加熱金属体230cに発生する渦電流295cも、接続導電体500a、500bを流れることがない。したがって、接続導電体500a、500bは、物理的には環状の加熱金属体230a、230b、230cを一体としているが、渦電流が流れず、発熱という機能を果たさないこととなる。
図21は、本実施形態の便座の加熱金属体の形成パターン1に一部の損傷発生時の渦電流の流れを表す模式図である。前述したように、渦電流295a、295b、295cは、隣接する他の加熱金属体への流れ込みがないため、渦電流量を図5に示す比較例よりも小さくすることができる。そのため、例えば、亀裂などの損傷600が環状の加熱金属体230aの一部に生じても、損傷600の端部に集中する渦電流295aの量を図5に示す比較例の損傷部の端部に集中する渦電流の量よりも小さく抑えることができる。
また、図8および図9に関して前述した便座200の効果と同様の効果が得られる。
したがって、損傷600の端部における加熱金属体230aが局部的に過熱することを抑制することができる。これにより、便座200の着座面が局部的に過熱したり、着座面において温度むらが生じたりすることを抑制し、便座の座り心地を維持することができる。
次に、本実施形態に関わる加熱金属体の形成パターン2について、説明する。
図22は、本実施形態の便座の加熱金属体の形成パターン2を表す平面模式図である。加熱金属体は、図12に示す便座の開口部の形状に沿うようなパターンであるが、模式化した真円で説明する。
また、図23は、図22に表した切断面D−Dにおける断面模式図である。
なお、図22は、便座を上方から眺めたときの平面模式図である。
加熱金属体の形成パターン2は、図23に表したように、環状の加熱金属体230a、230b、230cを有し、環状の加熱金属体230aと環状の加熱金属体230bに生じる渦電流との向きと逆方向の向きを有する接続導体500aで接続、環状の加熱金属体230bと環状の加熱金属体230cに生じる渦電流との向きと逆方向の向きを有する接続導体500bで接続、といったように、隣接する環状の加熱金属体230同士が接続導電体500に接続され一体となったパターンである。
図23に表したように、感温体220の外側において、複数の加熱金属体230が設けられている。そして、隣り合う加熱金属体230と接続導電体の間には、絶縁体270が設けられている。
その他の構造は、図2および図3に関して前述した便座200の構造と同様である。
図24は、本実施形態の便座の加熱金属体の形成パターン2の通常時の渦電流の流れを表す模式図である。環状の加熱金属体230a、230b、230cには、誘導加熱コイルから発生した磁界により誘起される渦電流295a、295b、295cが、環状の加熱金属体230a、230b、230cを周回するよう、それぞれ流れる。これは、渦電流295a、295b、295cが流れるためには、任意に設定した渦電流の発生起点から、その発生起点に帰還する経路となる、環状の導電体230a、230b、230cが必要なことを表す。この環状の加熱金属体230a、230b、230cを流れる渦電流295a、295b、295cのジュール熱により、環状の導電体230a、230b、230cは発熱する。
一方、接続導電体500a、500bはほとんど発熱しないことを出願人の検証により確認している。ほとんど発熱しない要因として、接続導電体500aには、接続導電体500aに発生する渦電流295dと、環状の加熱金属体230aに発生した渦電流295aのうち接続部から分岐し、接続導電体500aに発生する渦電流295dと逆向きとなる渦電流295e、の2つが発生することとなる。接続導電体500aには、前述の渦電流295dと渦電流295eの2つが発生するが、逆方向であるので相殺され、結果、渦電流が流れないことが要因である。同様に、接続導電体500bにも渦電流が流れない、こととなる。したがって、接続導電体500a、500bは、物理的には環状の加熱金属体230a、230b、230cを一体としているが、渦電流が流れず発熱という機能を果たさないこととなる。
図25は、本実施形態の便座の加熱金属体の形成パターン2に一部の損傷発生時の渦電流の流れを表す模式図である。前述したように、渦電流295a、295b、295cは、隣接する他の加熱金属体への流れ込みがないため、図5に示す比較例よりも小さくすることができる。そのため、例えば、亀裂などの損傷601が環状の加熱金属体230aの一部に生じても、損傷601の端部に集中する渦電流295aの量を図5表す比較例の損傷部の端部に集中する渦電流の量よりも小さく抑えることができる。
また、図8および図9に関して前述した便座200の効果と同様の効果が得られる。
したがって、損傷601の端部における加熱金属体230aが局部的に過熱することを抑制することができる。これにより、便座200の着座面が局部的に過熱したり、着座面において温度むらが生じたりすることを抑制し、便座の座り心地を維持することができる。
なお、図22から図25では、接続導電体500は、環状の加熱金属体230と2か所の接続点で接続されているが、1カ所の接続点で可能である。1カ所の接続点の場合、導電体の成形パターン1の説明で表したように、電流の帰還する経路の有無によって、便座200全体の温度の低下を最小限に抑えることができる。
また、出願人の検証により、図12から図25で表した環状の加熱金属体230の幅を小さくすることで、図21または図25で表した、環状の加熱金属体230の一部の破傷発生時おける、損傷の端部における加熱金属体が局部的に過熱する加熱量を低下させることを確認している。加えて、多くの使用者に対して、局部的に過熱した状態による嫌悪感を与えないためには、環状の加熱金属体230の幅を2mm以下にすることが、好適であることも確認している。さらに、環状の導電体かつ、または接続導電体の材質を銅、厚さを35μmから70μmとすることにより、誘導加熱による昇温量と外界への漏れ磁束の両立を図る上で、最適な仕様であることも確認している。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便座200などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置などや感温体220、加熱金属体230、および検知体250の設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
100 暖房便座装置、 200、200a、200b、200c、200d、200e、
200f、200g 200h、200i 便座、 201 開口部、 210 便座基材、
211 便座底板、 213 便座上板、 220 感温体、 220a 第1の感温体、
220b 第2の感温体、 220c 第3の感温体、 221 抵抗、 230 230a、
230b、230c 加熱金属体、 231破損、 233 端部、 235 箇所、 240 表面層、
250、250a 検知体、 260 誘導加熱コイル、 270 絶縁体、 291 高周波電流、 293 磁界、 295 295a、295b、295c 渦電流、 300 便蓋、 400 ケーシング、 410 制御部、 411 検出端子、 420 電源装置、 431 抵抗、500a、500b 接続導電体、600、601 破損、 800 洋式腰掛便器

Claims (7)

  1. 便座と、
    前記便座に設けられ、供給された高周波電流により磁界を発生する誘導加熱コイルと、
    上方からみたときに前記便座の着座面の一定範囲に設けられ、前記誘導加熱コイルが発生した磁界により誘導加熱される加熱金属体と、
    前記上方からみたときに前記一定範囲を含む範囲に設けられ、温度が上昇するとインピーダンスが低下する感温体と、
    前記上方からみたときに前記一定範囲を含む範囲に設けられ、導電性を有する検知体と、
    前記加熱金属体と前記検知体とを介して前記感温体のインピーダンスを測定し、前記インピーダンスの低下に基づいて前記便座の局部過熱を検出する制御部と、
    を備えたことを特徴とする暖房便座装置。
  2. 前記検知体の誘導加熱による発熱量は、前記加熱金属体の誘導加熱による発熱量よりも
    少ないことを特徴とする請求項1記載の暖房便座装置。
  3. 前記検知体の比透磁率は、前記加熱金属体の比透磁率よりも低いことを特徴とする請求
    項2記載の暖房便座装置。
  4. 前記検知体を前記便座の着座面に投影したときの面積は、前記加熱金属体を前記便座の
    着座面に投影したときの面積よりも狭いことを特徴とする請求項2記載の暖房便座装置。
  5. 前記感温体は、所定温度以上の温度において溶融することを特徴とする請求項1〜4の
    いずれか1つに記載の暖房便座装置。
  6. 便座と、
    前記便座に設けられ、供給された高周波電流により磁界を発生する誘導加熱コイルと、
    環状を呈し、上方からみたときに前記便座の着座面の一定範囲に設けられ、前記誘導加熱コイルが発生した磁界により誘導加熱されるとともに導電性を有する検知体を兼ねた複数の加熱金属体と、
    前記複数の加熱金属体同士の間に挟設され、温度が上昇するとインピーダンスが低下する感温体と、
    前記加熱金属体を介して前記感温体のインピーダンスを測定し、前記インピーダンスの低下に基づいて前記便座の局部過熱を検出する制御部と、
    を備えたことを特徴とする暖房便座装置。
  7. 前記制御部は、前記インピーダンスが所定値以下となると誘導加熱を停止する制御を実
    行することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の暖房便座装置。
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