JP5691976B2 - 暖房便座装置 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、便座を暖めることができる暖房便座装置に関する。
使用者が便座に座った際、冷たいという不快感を与えないように便座の着座面を適温に暖める暖房便座装置がある。暖房便座装置では、便座にヒータ等の発熱手段が内蔵されており、この発熱手段への通電量を制御部によって制御することにより、着座面を必要な温度に暖めている。最近では、消費電力を抑制するために、使用しないときには低温で待機しておき、使用時には短時間で着座面を暖める瞬間式の暖房便座装置も知られている。
ここで、消費電力の抑制という観点から、従来の暖房便座及び瞬間式の暖房便座では、使用者が便座から離れたとき(離座時)、一定時間、便座の温度を使用者の設定した温度に維持し、その後、便蓋を閉めて暖まった便座の熱を逃がさないようにするとともに、便座温度を待機状態に移行する制御を行っている。
このような制御では、暖めた便座の熱を逃がさないようにするという点で省電力の効果はあるものの、便座の使用を終了したにもかかわらず、一定時間通電状態が続くことから、必要のない電力を消費することになるという問題が生じる。
省電力の観点から、特許文献1には、使用者が離座した時に、発熱手段への通電を停止する技術が開示されている。この暖房便座装置では、使用者が離座すると通電を停止し、その後、一定時間経過後に、便蓋を閉じる制御を行っている。しかし、このような制御では、冬場などの外気温が低いときは便座の温度が急激に下がるため、せっかく電力を使って暖めた便座の熱を、便蓋が閉じる前に放出してしまうことになる。
特開2011−50586号公報
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、暖まった便座の熱の放出を抑制し、省エネルギー効果の高い暖房便座装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、便座と、前記便座を覆う便蓋と、前記便座を加熱する加熱部と、前記便座の温度を検知する温度検知部と、前記加熱部への通電量を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記便座の温度を設定温度から前記設定温度よりも低い待機温度へ移行させる際、前記温度検知部により、前記便座の温度が、前記設定温度と前記待機温度とのあいだの中間温度になったことを検知したとき、前記便蓋を閉じる制御を行うことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、便座の温度が中間温度になったときに便蓋を閉じる制御を行っているため、冬場などの外気温が低く、便座温度が下がりやすい状況であっても、すぐに便蓋が閉じて、暖めた便座の熱を無駄に放出することがなくなる。これにより、省エネルギー効果の高い暖房便座装置を提供することができるようになる。
また、離座によって便蓋を閉じる制御ではなく、便座の温度が中間温度になったときに便蓋を閉じる制御のため、便座の温度が中間温度に達するまでに使用者が再着座しようとした場合には、便蓋を開ける手間を省くことができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記便座に使用者が着座したことを検知する着座検知部をさらに備え、前記制御部は、前記着座検知部により使用者の着座を検知しなくなったときは、前記加熱部への通電を停止することを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、着座検知部により使用者の着座を検知しなくなったときに加熱部への通電を停止するため、便座を無駄に暖める電力の消費を減らすことができるとともに、暖めた便座の熱の放出を抑制することができ、省エネルギー効果の高い暖房便座装置を提供することができるようになる。
第3の発明は、第2の発明において、室温を測定する室温検知部をさらに備え、前記制御部は、前記室温検知部によって測定した室温に応じて前記中間温度を変更する制御を行うことを特徴とする暖房便座装置である。
この暖房便座装置によれば、外気温が低いときには高めの中間温度によって便蓋を閉じて、暖めた便座の熱の放出を抑制することができ、省エネルギー効果の高い暖房便座装置を提供することができるようになる。
本発明の態様によれば、暖まった便座の熱の放出を抑制し、省エネルギー効果の高い暖房便座装置が提供される。
実施形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。 実施形態にかかる暖房便座装置の制御構成を例示するブロック図である。 待機モードからの加熱制御の具体例を説明するグラフ図である。 保温モードからの降温制御についての参考例を説明するグラフ図である。 第1実施形態に係る降温制御の具体例を説明するグラフ図である。 第2実施形態に係る降温制御の具体例を説明するグラフ図である。
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。
また、図2は、実施形態にかかる暖房便座装置の制御構成を例示するブロック図である。
図1に表したトイレ装置は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)800と、その上に設けられた暖房便座装置100と、を備える。暖房便座装置100は、便座200と、暖房便座機能部400と、を有する。便座200には、便蓋300が設けられている。便座200と便蓋300とは、暖房便座機能部400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。便座200及び便蓋300は、便座200からの放熱を防ぐために、断熱材を内蔵しておくのが好ましい。
図2に表したように、便座200は、加熱部の例であるヒータ210と、温度検知部の一例である温度検知センサ220と、を内蔵する。ヒータ210は、通電されて発熱することにより、便座200を暖める。ここで、ヒータ210には、抵抗加熱手段ほか、電磁誘導によって加熱を行う誘導加熱手段など、各種の加熱手段が含まれる。
また、温度検知センサ220は、便座200の例えば着座面(使用者のおしりが接する面)SLの温度を検知する。実施形態において便座200の温度とは着座面SLの温度のことをいうものとする。着座面SLの温度は、温度検知センサ220で検知された温度のほか、検知された温度から計算される着座面SLの温度であってもよい。
暖房便座機能部400は、制御部410を含む。制御部410は、温度検知センサ220からの検知信号に基づいてヒータ210への通電量を制御する。また、暖房便座機能部400は、便座200への使用者の着座を検知する着座検知センサ420を含む。暖房便座機能部400には、便座200の前方にいる使用者を検知する人体検知センサ430、トイレ室への使用者の入室を検知する入室検知センサ440、トイレ室の室温を検知する室温検知センサ460が含まれていてもよい。
着座検知部の例である着座検知センサ420は、使用者が便座200に着座する直前において便座200の上方に存在する人体や、便座200に着座した使用者を検知することができる。着座検知センサ420は、便座200に着座した使用者だけではなく、便座200の上方に存在する使用者を検知してもよい。このような着座検知センサ420としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサを用いることができる。着座検知センサ420は、使用者が着座した際の荷重によってON/OFFが行われるスイッチであってもよい。
着座検知センサ420は、使用者の着座を検知した際には、制御部410に着座を検知した旨の信号SG3を出力する。
また、人体検知部の例である人体検知センサ430は、便器800の前方にいる使用者、すなわち便座200から前方へ離間した位置に存在する使用者を検知することができる。つまり、人体検知センサ430は、トイレ室に入室して便座200に近づいてきた使用者を検知することができる。このような人体検知センサ430としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサを用いることができる。
人体検知センサ430は、人体を検知した際には、制御部410に人体を検知した旨の信号SG1を出力する。
また、入室検知センサ440は、トイレ室のドアを開けて入室した直後の使用者や、トイレ室に入室しようとしてドアの前に存在する使用者を検知することができる。つまり、入室検知センサ440は、トイレ室に入室した使用者だけではなく、トイレ室に入室する前の使用者、すなわちトイレ室の外側のドアの前に存在する使用者を検知することができる。
このような入室検知センサ440としては、焦電センサや、ドップラーセンサなどのマイクロ波センサなどを用いることができる。マイクロ波のドップラー効果を利用したセンサや、マイクロ波を送信し反射したマイクロ波の振幅(強度)に基づいて被検知体を検知するセンサなどを用いた場合、トイレ室のドア越しに使用者の存在を検知することが可能となる。つまり、トイレ室に入室する前の使用者を検知することができる。
入室検知センサ440は、人体を検知した際には、制御部410に人体を検知した旨の信号SG2を出力する。人体検知センサ430または入室検知センサ440は、本出願の人体検知部の一例である。
室温検知部の例である室温検知センサ460は、トイレ室の室温を検知して、室温の情報を含む信号SG4を制御部410に出力する。
図1に表したトイレ装置では、暖房便座機能部400の上面に凹設部441が形成され、この凹設部441に一部が埋め込まれるように入室検知センサ440及び室温検知センサ460が設けられている。
入室検知センサ440は、便蓋300が閉じた状態では、その基部付近に設けられた透過窓301を介して使用者の入室を検知する。また、着座検知センサ420及び人体検知センサ430は、暖房便座機能部400の前方の中央部に設けられている。ただし、着座検知センサ420、人体検知センサ430、及び入室検知センサ440の設置形態は、これらに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
また、室温検知センサ460は、暖房便座機能部400の内部に限定されず、例えば暖房便座機能部400とは別体として設けられたリモートコントローラなどの選択手段600の内部に設けられていてもよい。すなわち、室温検知センサ460は、トイレ室の室温を検知できればよい。
暖房便座機能部400は、便蓋300を開閉させる便蓋駆動装置450を含む。便蓋駆動装置450は、例えば、便蓋300が暖房便座機能部400に対して軸支された位置の近傍に設置され、制御部410からの信号SG5により便蓋300を開閉させる。
制御部410は、便蓋300を自動的に開閉する制御(自動開閉制御)を行ってもよい。自動開閉制御では、便蓋300が閉じている状態で、例えば人体検知センサ430によって人体を検知した旨の信号SG1が出力された場合、制御部410は、この信号SG1を受けて便蓋駆動装置450に便蓋300を開けるための信号SG5を送る。便蓋駆動装置450は、制御部410から送られた便蓋300を開けるための信号SG5を受けると、便蓋300を開けるための駆動を行う。
一方、便蓋300が開いている状態で、例えば人体検知センサ420によって人体を検知しなくなった旨の信号SG1が出力された場合、制御部410は、この信号SG1を受けて便蓋駆動装置450に便蓋300を閉じるための信号SG5を送る。便蓋駆動装置450は、制御部410から送られた便蓋300を閉じるための信号SG5を受けると、便蓋300を閉じるための駆動を行う。
なお、上記の例では、人体検知センサ430による人体の検知に基づき便蓋300の開閉を制御したが、入室検知センサ440による入室の検知に基づき便蓋300の開閉を制御するようにしてもよい。
また、使用者は、便蓋300の自動開閉制御を行うか否かの選択を行うことができる。使用者は、選択手段600を用いて自動開閉制御を行うか、自動開閉制御によらず手動で便蓋300を開閉するかの設定を行うことができる。
また、便蓋300の開閉動作は、自動開閉制御を行うか否かに関わらず、暖房便座機能部400とは別体として設けられた選択手段600により使用者の手動で操作できるようにしてもよい。この場合には、使用者が選択手段600を適宜操作すると、その操作内容の信号は、暖房便座機能部400に送信される。そうすると、制御部410は、選択手段600から送信された信号により便蓋駆動装置450に信号SG5を送り、便蓋300の開閉を制御する。
また、暖房便座機能部400は、衛生洗浄装置としての機能部を併設してもよい。すなわち、暖房便座機能部400は、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて水(お湯や冷水)を噴出する図示しない吐水ノズルを有する衛生洗浄機能部などを適宜備えてもよい。
さらに、暖房便座機能部400には、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる「温風乾燥機能」や「脱臭ユニット」や「室内暖房ユニット」などの各種の機構が適宜設けられていてもよい。この際、暖房便座機能部400の側面には、脱臭ユニットからの排気口443及び室内暖房ユニットからの排出口445が適宜設けられる。ただし、実施形態においては、衛生洗浄機能部やその他の付加機能部は必ずしも設けなくてもよい。
便器800や暖房便座装置100は、選択手段600で受け付けた使用者の指示によってコントロールされる。選択手段600には、便蓋300の開閉ボタン、便器800の洗浄水を流す洗浄ボタン、動作モードを設定、変更するためのボタン、暖房便座装置100の各種設定(設定温度、待機温度、水温、水勢、吐出位置など)や吐水開始、吐水停止、乾燥機能の開始、停止等を行うボタンBPが設けられている。また、選択手段600には、設定内容や動作状況を表示する表示部DPや、状態を報知するスピーカ等の出力部SPが設けられていてもよい。
次に、本実施形態に係る暖房便座装置100の制御部410による便座200の加熱制御について説明する。
制御部410は、非使用時にはヒータ210への通電を停止または通電量を小さくして便座200の着座面SLを低めの温度に設定し、使用時にはヒータ210への通電量を大きくして便座200の着座面SLを急速加熱することにより、着座面SLを適温に昇温させる即暖運転モードを実行することができる。
制御部410は、着座面SLの温度を制御するための目標温度として、待機温度HT0、着座可能温度HT1、設定温度HT2及び中間温度HTmを用いる。
これらの温度のうち、設定温度HT2が最も高く、待機温度HT0が最も低い。着座可能温度HT1及び中間温度HTmは、設定温度HT2と待機温度HT0との間の温度である。
設定温度HT2は、使用者が着座しているときの目標温度である。
待機温度HT0は、便座200が使用されていないときの目標温度である。
着座可能温度HT1は、使用者が便座200に着座したときに冷たさを感じない温度である。例えば、着座可能温度HT1は29°程度であり、26°以上、30°以下が好適である。実施形態では、着座可能温度HT1の範囲のうち、29°を一例として説明する。着座面SLの温度としての29°は、冷感限界温度の一例である。
中間温度HTmは、便蓋300を閉じる閾値となる温度である。
図3は、待機モードからの加熱制御の具体例を説明するグラフ図である。
図3において、横軸は時間、縦軸は着座面SLの温度である。なお、時間に対する温度の遷移に伴いヒータ210への電力供給量についても例示している。
図3では、待機モードM0において着座面SLの温度が待機温度HT0に維持されている状態からの温度遷移を例示している。
先ず、制御部410は、待機モードM0を実行する。待機モードM0では、制御部410は、着座面SLの温度を待機温度HT0に維持する制御を行う。待機モードM0は、ヒータ210への電力供給量Po0が非常に少ない状態、またはヒータ210への通電を停止した状態である。
制御部410は、待機モードM0の実行中に、人体を検知したか否かを判断する。
人体の検知は、人体検知センサ430及び入室検知センサ440の少なくともいずれかによって行われる。実施形態では、人体検知センサ430によって人体の検知を行う場合を例とする。
人体検知センサ430は、人体を検知した場合、その旨を示す信号SG1を出力する。一方、人体検知センサ430は、人体を検知していない場合、信号SG1を出力しないか、人体を検知していない旨を示す信号SG1を出力する。
制御部410は、人体検知センサ430で人体を検知していない場合には待機モードM0を続行する。一方、制御部410は、人体検知センサ430で人体を検知した旨の信号SG1を受信した場合、急速加熱モードM1での加熱制御を実行する。
制御部410は、人体検知センサ430によって人体を検知したタイミングF1で信号SG1を受信して、急速加熱モードM1による加熱制御へ移行すると、タイミングF1から、予め決められた時間(第1時間t1)のカウントを開始する。
第1時間t1は、制御部410の図示しない記憶手段に予め設定された時間である。記憶手段に設定された第1時間t1は、例えば固定値である。第1時間t1は、例えば、人体検知センサ430によって人体を検知してから使用者が便座200に着座するまでの時間よりも短い時間である。例えば、人体検知センサ430によって人体を検知してから使用者が便座200に着座するまでの時間を統計によって求めておき、この時間よりも短い時間を第1時間t1として設定しておく。
したがって、急速加熱モードM1の途中で使用者が便座200に着座する可能性は低く、使用者は、急速昇温を体感せずにすむ。
急速加熱モードM1では、第1時間t1が経過するまでヒータ210への電力供給量がPo1になる。電力供給量Po1は、人体を検知する前、すなわち待機モードM0での電力供給量Po0よりも多い電力供給量である。これにより、着座面SLの温度を着座可能温度HT1に到達させる。
第1時間t1の経過後、制御部410は、加熱モードM2による加熱制御へ移行する。加熱モードM2では、急速加熱モードM1での昇温速度よりも低い昇温速度となるように、ヒータ210への電力供給量Po2が設定されている。電力供給量Po2は、急速加熱モードM1が終了した時の着座面SLの温度によって演算される。例えば、制御部410は、急速加熱モードM1が終了した時の着座面SLの温度に対応した計算式やテーブルデータから電力供給量Po2を求めてもよい。
制御部410は、着座面SLの温度が設定温度HT2に到達した後、保温モードM3へ移行する。保温モードM3は、着座面SLの温度を設定温度HT2に保つ電力供給量Po3をヒータ210に与えるよう制御して、着座面SLの温度を設定温度HT2に保持するモードである。これにより、着座面SLの温度が設定温度HT2に保持される。
着座面SLの設定温度HT2は、使用者が便座200に着座したときに快適な温もりを感じる着座可能温度以上の温度であり、予め設定された温度である。なお、設定温度HT2は、使用者の好みによって変更できるようになっていてもよい。
便座200を使用しているあいだ、便座200の温度は設定温度HT2に維持される。これにより、使用者は快適に便座200を利用することができる。
次に、保温モードM3から便座200の温度を下げる降温制御について説明する。
(参考例)
先ず、参考例に係る降温制御について説明する。
図4は、保温モードからの降温制御についての参考例を説明するグラフ図である。
図4において、横軸は時間、縦軸は着座面SLの温度である。なお、時間に対する温度の遷移に伴いヒータ210への電力量についても例示している。
制御部410は、保温モードM3の実行中、着座検知センサ420により着座を検知しなくなり(タイミングF2)、さらに人体検知センサ430により人体を検知しなくなると(タイミングF3)、予め設定された一定時間t2のカウントを開始する。
そして、一定時間t2が経過したタイミングF4で、制御部410は、待機状態移行モードM4による制御を開始する。待機状態移行モードM4では、ヒータ210を電力供給量Po4で制御する。電力供給量Po4は、例えばヒータ210への電力供給を停止した状態(電力供給量ゼロ)である。これにより、着座面SLの温度は、設定温度HT2から下がる。待機状態移行モードM4は、着座面SLの温度が待機温度HT0に達するまで実行される。
制御部410は、着座面SLの温度が待機温度HT0に達すると、待機モードM0による制御へ移行する。待機モードM0では、ヒータ210への電力供給量Po0が非常に少ない状態、またはヒータ210への通電を停止した状態である。これにより、着座面SLの温度が待機温度HT0に維持される。
図4に例示した参考例による降温制御では、着座検知センサ420により着座を検知しなくなったタイミングF2から待機状態移行モードM4を開始するタイミングF4までのあいだ保温モードM3を継続している。タイミングF2以降では使用者は離座しているにもかかわらず、電力供給量Po3によるヒータ210への通電が行われる。
(第1実施形態)
次に、第1実施形態に係る降温制御について説明する。
図5は、第1実施形態に係る降温制御の具体例を説明するグラフ図である。
図5において、横軸は時間、縦軸は着座面SLの温度である。なお、時間に対する温度の遷移に伴いヒータ210への電力供給量についても例示している。
図5では、保温モードM3によって着座面SLの温度が設定温度HT2に維持されている状態からの温度遷移を例示している。
第1実施形態に係る降温制御では、着座可能温度HT1を中間温度HTmとして設定している。
制御部410は、保温モードM3の実行中、着座検知センサ420により着座を検知しなくなると(タイミングF11)、待機状態移行モードM11による制御へ移行する。待機状態移行モードM11では、ヒータ210への電力供給量をPo11に制御する。電力供給量Po11は、電力供給が非常に少ない状態、またはヒータ210への通電を停止した状態である。
待機状態移行モードM11への移行により、着座面SLの温度は徐々に下降していく。ここで、待機状態移行モードM11においてヒータ210への通電を停止することにより、便座200を無駄に暖める電力の消費を減らすことができる。これにより、暖めた便座200の熱の放出を抑制することができ、省エネルギー効果の高い暖房便座装置100を提供することができるようになる。
待機状態移行モードM11によって着座面SLの温度が下降して中間温度HTm(着座可能温度HT1)まで到達したタイミングF12で、制御部410は、便蓋駆動装置450に便蓋300を閉じるための信号SG5を送る。この信号SG5によって便蓋駆動装置450は便蓋300を閉じる駆動を行う。便蓋300が閉じることで、便蓋300の保温力によって着座面SLの降温速度が遅くなる。
図5に示す実線A1は、第1実施形態において待機状態移行モードM11で便蓋300を閉じた後(タイミングF12後)の着座面SLの温度変化を例示している。また、図5に示す破線Bは、待機状態移行モードM11において便蓋300を閉じなかった場合の着座面SLの温度変化を例示している。
実線A1に示す温度変化での降温速度は、破線Bに示す温度変化での降温速度よりも遅い。したがって、タイミングF12における中間温度HTm(着座可能温度HT1)から待機温度HT0に下がるまで、両者にはΔt1の時間差が生じる。つまり、実線A1のほうが、破線Bよりも待機温度HT0に達するまでの時間がΔt1だけ遅くなる。
着座面SLの温度が待機温度HT0に到達した段階で、制御部410は、待機モードM0による制御へ移行する。これにより、着座面SLの温度が待機温度HT0に維持される。
このような降温制御では、便座200の温度が中間温度HTm(着座可能温度HT1)になったときに便蓋300を閉じる制御を行っているため、冬場などの外気温が低く、便座温度が下がりやすい状況であっても、すぐに便蓋300が閉じて、暖めた便座200の熱を無駄に放出することがなくなる。これにより、省エネルギー効果の高い暖房便座装置100を提供することができるようになる。
また、使用者の離座によって便蓋300を閉じる制御ではなく、便座200の温度が中間温度HTm(着座可能温度HT1)になったときに便蓋300を閉じる制御のため、便座200の温度が中間温度HTm(着座可能温度HT1)に達するまでに使用者が再着座しようとした場合には、便蓋300を開ける手間を省くことができる。
なお、使用者が便蓋300の自動開閉制御を行う設定をせず、手動による開閉を行う設定をしている場合でも、上記実施形態における降温制御では、便座200の温度が中間温度HTmに達した際には自動的に便蓋300を閉じるよう制御してもよい。
また、第1実施形態に係る降温制御において、タイミングF12で便蓋300を閉じる際、便蓋300が閉じていることを報知するようにしてもよい。例えば、便蓋300が閉じ始めてから閉じ終わるまで、選択手段600に設けられたスピーカ等の出力手段SPからアラームや音声を流すようにする。これにより、使用者がトイレ室内にいるあいだに便蓋300が閉じても、その動作を音で使用者に知らせることができ、安心して使用してもらうことができる。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係る降温制御について説明する。
図6(a)〜(b)は、第2実施形態に係る降温制御の具体例を説明するグラフ図である。
図6(a)〜(b)において、横軸は時間、縦軸は着座面SLの温度である。なお、時間に対する温度の遷移に伴いヒータ210への電力供給量についても例示している。
図6(a)〜(b)では、保温モードM3によって着座面SLの温度が設定温度HT2に維持されている状態からの温度遷移を例示している。
第2実施形態に係る降温制御では、室温検知センサ460によってトイレの室温を検知し、この検知した室温に応じて中間温度HTmを変更する制御を行う。
図6(a)に表した降温制御では、中間温度HTmとして着座可能温度HT1よりも高い温度(中間温度HTm(a))に設定している。
制御部410は、室温検知センサ460による検知した室温が室温R1であった場合、中間温度HTm(a)を設定する。
このような中間温度HTm(a)を設定した状態で、制御部410は降温制御を行う。制御部410は、保温モードM3の実行中、着座検知センサ420により着座を検知しなくなると(タイミングF11)、待機状態移行モードM11による制御へ移行する。待機状態移行モードM11では、ヒータ210への電力供給量をPo11(例えば電力供給量ゼロ)、に制御する。これにより、着座面SLの温度は下降していく。
待機状態移行モードM11によって着座面SLの温度が下降して中間温度HTm(a)まで到達したタイミングF12(a)で、制御部410は、便蓋駆動装置450に便蓋300を閉じるための信号SG5を送る。この信号SG5によって便蓋駆動装置450は便蓋300を閉じる駆動を行う。便蓋300が閉じることで、便蓋300の保温力によって着座面SLの降温速度が遅くなる。
図6(a)に示す破線A1は、第1実施形態において中間温度HTmが着座可能温度HT1と同じであった場合の着座面SLの温度変化を例示している。また、図6(a)に示す実線A2は、第2実施形態において着座可能温度HT1よりも高い中間温度HTm(a)に設定した場合の着座面SLの温度変化を例示している。
破線A1及び実線A2では、降温速度に大きな差は生じない。しかし、実線A2のほうが、着座可能温度HT1よりも高い中間温度HTm(a)で便蓋300が閉じるため、破線A1よりも待機温度HT0に達するまでの時間がΔt2だけ遅くなる。
着座面SLの温度が待機温度HT0に到達した段階で、制御部410は、待機モードM0による制御へ移行する。これにより、着座面SLの温度が待機温度HT0に維持される。
図6(b)に表した降温制御では、中間温度HTmとして、図6(a)に表した中間温度HTm(a)よりも高い温度(中間温度HTm(b))に設定している。
制御部410は、室温検知センサ460による検知した室温が室温R1よりも低い室温R2であった場合、室温R1に基づく中間温度HTm(a)よりも高い中間温度HTm(b)を設定する。
このような中間温度HTm(b)を設定した状態で、制御部410は降温制御を行う。制御部410は、保温モードM3の実行中、着座検知センサ420により着座を検知しなくなると(タイミングF11)、待機状態移行モードM11による制御へ移行する。待機状態移行モードM11では、ヒータ210への電力供給量をPo11(例えば電力供給量ゼロ)、に制御する。これにより、着座面SLの温度は下降していく。
待機状態移行モードM11によって着座面SLの温度が下降して中間温度HTm(b)まで到達したタイミングF12(b)で、制御部410は、便蓋駆動装置450に便蓋300を閉じるための信号SG5を送る。この信号SG5によって便蓋駆動装置450は便蓋300を閉じる駆動を行う。便蓋300が閉じることで、便蓋300の保温力によって着座面SLの降温速度が遅くなる。
図6(b)に示す破線A1は、第1実施形態において中間温度HTmが着座可能温度HT1と同じであった場合の着座面SLの温度変化を例示している。また、図6(b)に示す実線A3は、第2実施形態において中間温度HTmとして中間温度HTm(b)に設定した場合の着座面SLの温度変化を例示している。
破線A1及び実線A3では、降温速度に大きな差は生じない。しかし、実線A3のほうが、着座可能温度HT1よりも高い中間温度HTm(b)で便蓋300が閉じるため、破線A1よりも待機温度HT0に達するまでの時間がΔt3だけ遅くなる。
また、この時間Δt3は、図6(a)に表した時間Δt2よりも長い。図6(b)に表した実線A3では、図6(a)に表した中間温度HTm(a)よりも高い中間温度HTm(b)に達した段階で便蓋300が閉じるため、実線A2よりも待機温度HT0に達するまでの時間が長くなる。
着座面SLの温度が待機温度HT0に到達した段階で、制御部410は、待機モードM0による制御へ移行する。これにより、着座面SLの温度が待機温度HT0に維持される。
図6(a)〜(b)に表したように、制御部410は、室温検知センサ460で検知した室温が低いほど、中間温度HTmを高く設定する。例えば、制御部410は、室温と中間温度HTmとの関係を表す関数やテーブルデータを参照して、室温検知センサ460で検知した室温から設定すべき中間温度HTmを決定する。
このような降温制御では、室温が低いほど高めの中間温度HTmが設定され、便座200が温かいうちに便蓋300を閉じて、暖めた便座200の熱の放出を抑制することができる。これにより、省エネルギー効果の高い暖房便座装置100を提供することができるようになる。
なお、第2実施形態における降温制御でも、第1実施形態と同様に、使用者が便蓋300の自動開閉制御を行う設定をせず、手動による開閉を行う設定をしている場合、便座200の温度が中間温度HTmに達した際には自動的に便蓋300を閉じるよう制御してもよい。
また、第2実施形態における降温制御でも、第1実施形態と同様に便蓋300を閉じる際に報知を行うようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態によれば、暖まった便座200の熱の放出を抑制し、省エネルギー効果の高い暖房便座装置100を提供することができるようになる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
100…暖房便座装置、200…便座、210…ヒータ、220…温度検知センサ、300…便蓋、400…暖房便座機能部、410…制御部、420…着座検知センサ、430…人体検知センサ、440…入室検知センサ、600…選択手段、800…便器、BP…ボタン、DP…表示部、HT0…待機温度、HT1…着座可能温度、HT2…設定温度、HTm…中間温度、M0…待機モード、M1…急速加熱モード、M2…加熱モード、M3…保温モード、M11…待機状態移行モード、M12…着座可能温度維持モード

Claims (3)

  1. 便座と、
    前記便座を覆う便蓋と、
    前記便座を加熱する加熱部と、
    前記便座の温度を検知する温度検知部と、
    前記加熱部への通電量を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記便座の温度を設定温度から前記設定温度よりも低い待機温度へ移行させる際、前記温度検知部により、前記便座の温度が、前記設定温度と前記待機温度とのあいだの中間温度になったことを検知したとき、前記便蓋を閉じる制御を行うことを特徴とする暖房便座装置。
  2. 前記便座に使用者が着座したことを検知する着座検知部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記着座検知部により使用者の着座を検知しなくなったときは、前記加熱部への通電を停止することを特徴とする請求項1記載の暖房便座装置。
  3. 室温を検知する室温検知部をさらに備え、
    前記制御部は、
    前記室温検知部によって検知した室温に応じて前記中間温度を変更する制御を行うことを特徴とする請求項2記載の暖房便座装置。
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