JP5812515B2 - 暖房便座装置 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、便座を暖めることができる暖房便座装置に関する。
従来、暖房便座における便座の温度制御では、快適な暖房便座装置を提供するため、特許文献1のように、トイレ室の室温サーミスタと便座サーミスタを用いて、制御する構成が知られている。しかしながら、便座サーミスタに故障が発生してしまうと、便座の温度を誤って検知してしまう。その結果、使用者の意図しない便座温度になってしまい快適な暖房便座を提供できなくなるといった問題がある。
それに対して、特許文献2のように、便座サーミスタの故障を検知するために、トイレ室の室温サーミスタと、便座サーミスタを用いて、便座加熱時の便座温度の温度勾配から、便座サーミスタの故障を検知する技術が知られている。
しかしながら、特許文献2に開示の検知技術は、便座温度の温度勾配を検知するのは、便座加熱時であり、この便座加熱時は便座に使用者が着座した状態であるため、使用者の体温によって、便座サーミスタの故障検知で、異常検知を行ってしまい、便座サーミスタの故障を正確に検知できないという問題があった。
特開2007−252942号 特開平07−102614号
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、暖房便座の便座温度を測定する便座検知センサの故障を正確に検知することができる暖房便座装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、加熱手段が設けられた便座と、前記便座の温度を測定する便座温度検知手段と、トイレ室の室温を測定する室温検知手段と、前記便座温度検知手段の検出値と、前記室温検知手段の検出値に基づいて、前記加熱手段への通電を制御する制御部と、前記トイレ室への使用者の入室有無を検知する入室検知手段と、を備え、前記入室検知手段が、使用者の前記トイレ室への入室を検知していない待機状態では、前記制御部は、前記便座の温度が一定温度になるように保温制御を行う暖房便座装置であって、前記待機状態で、前記便座温度検知手段の検出値と、前記室温検知手段の検出値と、前記制御部の加熱手段への一定時間での通電量とに基づいて、前記便座温度検知手段の故障検知を行うことを特徴とする暖房便座装置である。
便座温度検知手段が故障していない場合は、待機状態では、保温制御を行うため、室温検知手段の検出値と、便座温度検知手段の検出値に基づいた、ある一定の通電量となる。しかし、例えば、便座温度検知手段が故障しており、便座温度検知手段の検出値が実際の便座の温度より低い値を示し続けていた場合、制御部は、一定の通電量とは異なる通電量を出力することになる。そのため、この暖房便座装置によれば、この故障していない場合での通電量と、実際に故障検知した際の通電量を比較することにより、簡単に便座温度検知手段の故障を把握することができる。また、待機状態で、便座温度検知手段の故障検知を行っているので、使用者の体温といった外乱が無いので、正確に便座温度検知手段の故障検知をすることができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記便座を覆う便蓋を備え、前記故障検知は、前記便蓋の開閉状態にも基づいて、故障検知を行うことを特徴とする請求項1に記載の暖房便座装置。ある。
この暖房便座装置によれば、便蓋の開閉状態にも基づいて、故障検知を行うので、便座からの放熱を考慮した故障検知になる。そのため、便座温度検知手段の故障検知をより正確に行うことができる。
第3の発明は、加熱手段が設けられた便座と、前記便座の温度を測定する便座温度検知手段と、トイレ室の室温を測定する室温検知手段と、前記便座温度検知手段の検出値と、前記室温検知手段の検出値に基づいて、前記加熱手段の通電を制御する制御部と、前記トイレ室への使用者の入室有無を検知する入室検知手段と、を備えた暖房便座装置であって、前記入室検知手段が、使用者の前記トイレ室への入室を検知していない待機状態で、且つ前記制御部から前記加熱手段への通電がオフ状態の時に、前記便座温度検知手段の検出値と、前記室温検知手段の検出値とに基づいて、前記便座温度検知手段の故障検知を行うことを特徴とする暖房便座装置である。
便座温度検知手段が故障していない場合は、待機状態で、且つ加熱手段への通電がオフ状態では、便座の温度は、室温温度と同じになり、便座温度検知手段の検出値と、室温検知手段の検出値の値は、同じ値を示す。しかし、便座温度検知手段が故障している場合は、室温検知手段の検出値と、便座温度検知手段の検出値は異なる値を示す。そのため、この暖房便座装置によれば、室温検知手段の検出値と便座温度検知手段の検出値を比較するといった簡単な方法によって、便座温度検知手段の故障を検知することができる。また、待機状態で、故障検知を行っているので、使用者の体温といった外乱がないので、正確に、便座温度検知手段の故障検知をすることができる。
本発明の態様によれば、暖房便座の便座温度を測定する便座検知センサの故障を正確に検知することができる暖房便座装置を提供される。
実施形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。 実施形態にかかる暖房便座装置の制御構成を例示するブロック図である。 実施形態にかかる待機モードからの加熱制御を説明するグラフ図である。 実施形態にかかる保温モードからの降温制御を説明するグラフ図である。
以下、実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態にかかる暖房便座装置を備えたトイレ装置を例示する斜視模式図である。
また、図2は、実施形態にかかる暖房便座装置の制御構成を例示するブロック図である。
図1に表したトイレ装置は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)800と、その上に設けられた暖房便座装置100と、を備える。暖房便座装置100は、便座200と、暖房便座機能部400と、を有する。便座200には、必要に応じて便蓋300が設けられている。便座200と便蓋300とは、暖房便座機能部400に対して開閉自在にそれぞれ軸支されている。便座200及び便蓋300は、便座200からの放熱を防ぐために、断熱材を内蔵しておくのが好ましい。
図2に表したように、便座200は、加熱手段の例であるヒータ210と、便座温度検知手段の一例である温度検知センサ220と、を内蔵する。ヒータ210は、通電されて発熱することにより、便座200を暖める。ここで、ヒータ210には、抵抗加熱手段ほか、電磁誘導によって加熱を行う誘導加熱手段など、各種の加熱手段が含まれる。
温度検知センサ220は、便座200の例えば着座面(使用者のおしりが接する面)SLの温度を検知する。実施形態において便座200の温度とは着座面SLの温度のことをいうものとする。着座面SLの温度は、温度検知センサ220で検知された温度のほか、検知された温度から計算される着座面SLの温度であってもよい。
暖房便座機能部400は、制御部410、トイレ室への使用者の入室有無を検知する入室検知手段である入室検知センサ440、トイレ室の室温を測定する室温検出手段である室温検知センサ460を含む。
制御部410は、温度検知センサ220からの検知信号による検出値、室温検知センサ460の検知信号による検出値に基づいてヒータ210への通電量を制御する。また、暖房便座機能部400は、便座200の前方にいる使用者を検知する人体検知センサ430、便座200への使用者の着座を検知する着座検知センサ420を含んでもよい。
着座検知センサ420は、使用者が便座200に着座する直前において便座200の上方に存在する人体や、便座200に着座した使用者を検知することができる。着座検知センサ420は、便座200に着座した使用者だけではなく、便座200の上方に存在する使用者を検知してもよい。このような着座検知センサ420としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサを用いることができる。着座検知センサ420は、使用者が着座した際の荷重によってON/OFFが行われるスイッチであってもよい。
着座検知センサ420は、使用者の着座を検知した際には、制御部410に着座を検知した旨の信号SG3を出力する。
また、人体検知センサ430は、便器800の前方にいる使用者、すなわち便座200から前方へ離間した位置に存在する使用者を検知することができる。つまり、人体検知センサ430は、トイレ室に入室して便座200に近づいてきた使用者を検知することができる。このような人体検知センサ430としては、例えば、赤外線投受光式の測距センサを用いることができる。
人体検知センサ430は、人体を検知した際には、制御部410に人体を検知した旨の信号SG1を出力する。
また、入室検知センサ440は、トイレ室のドアを開けて入室した直後の使用者や、トイレ室に入室しようとしてドアの前に存在する使用者を検知することができる。つまり、入室検知センサ440は、トイレ室に入室した使用者だけではなく、トイレ室に入室する前の使用者、すなわちトイレ室の外側のドアの前に存在する使用者を検知することができる。
このような入室検知センサ440としては、焦電センサや、ドップラーセンサなどのマイクロ波センサなどを用いることができる。マイクロ波のドップラー効果を利用したセンサや、マイクロ波を送信し反射したマイクロ波の振幅(強度)に基づいて被検知体を検知するセンサなどを用いた場合、トイレ室のドア越しに使用者の存在を検知することが可能となる。つまり、トイレ室に入室する前の使用者を検知することができる。
入室検知センサ440は、人体を検知した際には、制御部410に人体を検知した旨の信号SG2を出力する。
室温検知センサ460は、トイレ室の室温を測定して、室温の情報を含む信号SG4による検出値を制御部410に出力する。
図1に表したトイレ装置では、暖房便座機能部400の上面に凹設部441が形成され、この凹設部441に一部が埋め込まれるように入室検知センサ440及び室温検知センサ460が設けられている。
入室検知センサ440は、便蓋300が閉じた状態では、その基部付近に設けられた透過窓301を介して使用者の入室を検知する。また、着座検知センサ420及び人体検知センサ430は、暖房便座機能部400の前方の中央部に設けられている。ただし、着座検知センサ420、人体検知センサ430、及び入室検知センサ440の設置形態は、これらに限定されるわけではなく、適宜変更することができる。
また、室温検知センサ460は、暖房便座機能部400の内部に限定されず、例えば暖房便座機能部400とは別体として設けられたリモートコントローラなどの選択手段600の内部に設けられていてもよい。すなわち、室温検知センサ460は、トイレ室の室温を測定できればよい。
暖房便座機能部400は、便蓋300を開閉させる便蓋駆動装置450を含む。便蓋駆動装置450は、例えば、便蓋300が暖房便座機能部400に対して軸支された位置の近傍に設置され、制御部410からの信号により便蓋300を開閉させる。
この動作は、暖房便座機能部400とは別体として設けられた選択手段600により操作できるようにしてもよい。この場合には、使用者が選択手段600を適宜操作すると、その操作内容の信号は、暖房便座機能部400に送信される。そうすると、制御部410は、選択手段600から送信された信号により便蓋駆動装置450の駆動を制御し、便蓋300を開閉する。
また、暖房便座機能部400は、衛生洗浄装置としての機能部を併設してもよい。すなわち、暖房便座機能部400は、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて水(お湯や冷水)を噴出する図示しない吐水ノズルを有する衛生洗浄機能部などを適宜備えてもよい。
さらに、暖房便座機能部400には、便座200に座った使用者の「おしり」などに向けて温風を吹き付けて乾燥させる「温風乾燥機能」や「脱臭ユニット」や「室内暖房ユニット」などの各種の機構が適宜設けられていてもよい。この際、暖房便座機能部400の側面には、脱臭ユニットからの排気口443及び室内暖房ユニットからの排出口445が適宜設けられる。ただし、実施形態においては、衛生洗浄機能部やその他の付加機能部は必ずしも設けなくてもよい。
便器800や暖房便座装置100は、選択手段600で受け付けた使用者の指示によってコントロールされる。選択手段600には、便蓋300の開閉ボタン、便器800の洗浄水を流す洗浄ボタン、動作モードを設定、変更するためのボタン、暖房便座装置100の各種設定(設定温度、待機温度、水温、水勢、吐出位置など)や吐水開始、吐水停止、乾燥機能の開始、停止等を行うボタンBPが設けられている。また、選択手段600には、設定内容や動作状況を表示する表示部DPや、状態を報知するスピーカ等の出力部SPが設けられていてもよい。
次に、温度検知センサ220が故障してない時である通常時の本実施形態に係る暖房便座装置100の制御部410による便座200の加熱制御について説明する。
制御部410は、非使用時にはヒータ210への通電を停止または通電量を小さくして便座200の着座面SLを低めの温度に設定し、使用時にはヒータ210への通電量を大きくして便座200の着座面SLを急速加熱することにより、着座面SLを適温に昇温させる即暖運転モードを実行することができる。
制御部410は、着座面SLの温度を制御するための目標温度として、待機温度HT0、着座可能温度HT1及び設定温度HT2を用いる。
これらの温度のうち、設定温度HT2が最も高く、待機温度HT0が最も低い。着座可能温度HT1は、設定温度HT2と待機温度HT0との間の温度である。
設定温度HT2は、使用者が着座しているときの目標温度である。
待機温度HT0は、便座200が使用されていないときの目標温度である。
着座可能温度HT1は、使用者が便座200に着座したときに冷たさを感じない温度である。例えば、着座可能温度HT1は29°程度であり、26°以上、30°以下が好適である。実施形態では、着座可能温度HT1の範囲のうち、29°を一例として説明する。着座面SLの温度としての29°は、冷感限界温度の一例である。
図3は、待機状態である待機モードからの加熱制御を説明するグラフ図である。
図3において、横軸は時間、縦軸は着座面SLの温度である。なお、時間に対する温度の遷移に伴いヒータ210への電力供給量(通電量)についても例示している。
図3では、待機モードM0において着座面SLの温度が待機温度HT0に維持されている状態からの温度遷移を例示している。
先ず、制御部410は、待機モードM0を実行する。待機モードM0では、制御部410は、温度検知センサ220からの検知信号による検出値、室温検知センサ460の検知信号による検出値に基づいてヒータ210への通電量を制御し、着座面SLの温度を待機温度HT0に維持する保温制御を行う。本実施形態の待機モードM0は、ヒータ210への電力供給量Po0が非常に少ない状態であるが、待機モードM0では、ヒータ210への通電を停止した状態にしてもよい。
ヒータ210への通電がオフ状態である通電を停止した状態は、使用者自ら、リモートコントローラなどの選択手段600の内部に設けられた停止ボタンにより、待機モード待機モードM0で通電を停止した状態である。通電を停止する時間は、使用者が停止を解除するまで、行っていてもよく、使用者が停止ボタンを操作した後、一定時間だけ、停止するようにしてもよい。また、通電を停止する時間は、待機モードM0だけとしてもよく、使用者が停止を解除するまで、又は一定時間中であれば、即暖運転モードも通電を停止するようにしてもよい。
また、通電を停止した状態にするには、使用者自らの操作に基づく方法に限らず、制御部410が、着座検知センサ420、人体検知センサ430、入室検知センサ440の検知情報に基づいて、時間毎、曜日毎での暖房便座装置100の使用有無、使用頻度などを学習して、使用が無い時間帯、曜日や、使用頻度の少ない時間帯、曜日に、通電を停止した状態にするようにしてもよい。なお、この制御部自ら通電を停止する方法では、通電を停止している待機モードM0から、即暖モードに移る際は、通電を停止する制御は解除される。
制御部410は、待機モードM0の実行中に、人体を検知したか否かを判断する。
人体の検知は、人体検知センサ430及び入室検知センサ440の少なくともいずれかによって行われる。実施形態では、人体検知センサ430によって人体の検知を行う場合を例とする。
人体検知センサ430は、人体を検知した場合、その旨を示す信号SG1を出力する。一方、人体検知センサ430は、人体を検知していない場合、信号SG1を出力しないか、人体を検知していない旨を示す信号SG1を出力する。
制御部410は、人体検知センサ430で人体を検知していない場合には待機モードM0を続行する。一方、制御部410は、人体検知センサ430で人体を検知した旨の信号SG1を受信した場合、温度検知センサ220からの検知信号による検出値、室温検知センサ460の検知信号による検出値に基づいてヒータ210への通電量を制御し、急速加熱モードM1での加熱制御を実行する。
制御部410は、人体検知センサ430によって人体を検知したタイミングF1で信号SG1を受信して、急速加熱モードM1による加熱制御へ移行すると、タイミングF1から、予め決められた時間(第1時間t1)のカウントを開始する。
第1時間t1は、制御部410の図示しない記憶手段に予め設定された時間である。記憶手段に設定された第1時間t1は、例えば固定値である。第1時間t1は、例えば、人体検知センサ430によって人体を検知してから使用者が便座200に着座するまでの時間よりも短い時間である。例えば、人体検知センサ430によって人体を検知してから使用者が便座200に着座するまでの時間を統計によって求めておき、この時間よりも短い時間を第1時間t1として設定しておく。
したがって、急速加熱モードM1の途中で使用者が便座200に着座する可能性は低く、使用者は、急速昇温を体感せずにすむ。
急速加熱モードM1では、第1時間t1が経過するまでヒータ210への電力供給量がPo1になる。電力供給量Po1は、人体を検知する前、すなわち待機モードM0での電力供給量Po0よりも多い電力供給量である。これにより、着座面SLの温度を着座可能温度HT1に到達させる。なお、電力供給量Po1は、急速加熱モードM1開始時の着座面SLの温度、トイレ室の室温に基づいて演算される。例えば、制御部410は、急速加熱モードM1開始時の着座面SLの温度、トイレ室の室温に対応した計算式やテーブルデータから電力供給量Po1を求める。
第1時間t1の経過後、制御部410は、加熱モードM2による加熱制御へ移行する。この加熱モードM2でも、加熱モードM1と同様に、温度検知センサ220からの検知信号による検出値、室温検知センサ460の検知信号による検出値に基づいてヒータ210への通電量を制御する。加熱モードM2では、急速加熱モードM1での昇温速度よりも低い昇温速度となるように、ヒータ210への電力供給量Po2が設定されている。電力供給量Po2は、急速加熱モードM1が終了した時の着座面SLの温度、トイレ室の室温によって演算される。例えば、制御部410は、急速加熱モードM1が終了した時の着座面SLの温度、トイレ室の室温に対応した計算式やテーブルデータから電力供給量Po2を求める。
制御部410は、着座面SLの温度が設定温度HT2に到達した後、保温モードM3へ移行する。保温モードM3は、温度検知センサ220からの検知信号による検出値、室温検知センサ460の検知信号による検出値に基づいて、着座面SLの温度を設定温度HT2に保つ電力供給量Po3をヒータ210に与えるよう制御して、着座面SLの温度を設定温度HT2に保持するモードである。これにより、着座面SLの温度が設定温度HT2に保持される。
着座面SLの設定温度HT2は、使用者が便座200に着座したときに快適な温もりを感じる着座可能温度以上の温度であり、予め設定された温度である。なお、設定温度HT2は、使用者の好みによって変更できるようになっていてもよい。
便座200を使用しているあいだ、便座200の温度は設定温度HT2に維持される。これにより、使用者は快適に便座200を利用することができる。
次に、保温モードM3から便座200の温度を下げる降温制御について説明する。
図4は、保温モードからの降温制御を説明するグラフ図である。
図4において、横軸は時間、縦軸は着座面SLの温度である。なお、時間に対する温度の遷移に伴いヒータ210への電力量(通電量)についても例示している。
制御部410は、保温モードM3の実行中、着座検知センサ420により着座を検知しなくなり(タイミングF2)、さらに人体検知センサ430により人体を検知しなくなると(タイミングF3)、予め設定された一定時間t2のカウントを開始する。
そして、一定時間t2が経過したタイミングF4で、制御部410は、待機状態の一つである待機状態移行モードM4による制御を開始する。待機状態移行モードM4では、ヒータ210を電力供給量Po4で制御する。本実施形態では、電力供給量Po4は、ヒータ210への電力供給を停止した状態(通電がオフ状態)である。これにより、着座面SLの温度は、設定温度HT2から下がる。待機状態移行モードM4は、着座面SLの温度が待機温度HT0に達するまで実行される。なお、夏場などで、トイレ室の室温が、設定された待機温度HT0より高い時は、待機モードM0では、ヒータ210への通電を停止した状態にし、待機温度HT0をトイレ室の室温としてもよい。
制御部410は、着座面SLの温度が待機温度HT0に達すると、待機モードM0による制御へ移行する。待機モードM0では、ヒータ210への電力供給量Po0が非常に少ない状態であるが、待機モードM0では、ヒータ210への通電を停止した状態にしてもよい。これにより、着座面SLの温度が待機温度HT0に維持される。
図4に例示した降温制御では、着座検知センサ420により着座を検知しなくなったタイミングF2から待機状態移行モードM4を開始するタイミングF4までのあいだ保温モードM3を継続している。タイミングF2以降では使用者は離座しているにもかかわらず、電力供給量Po3によるヒータ210への通電が行われる。この制御は、使用者が一度離座した後に、再度、使用者が便座200に着座したときに冷たさを感じさせないためである。
次に、温度検知センサの故障検知の第一実施形態について説明する。
図3、図4に基づいて、温度検知センサが故障していない通常状態の加熱制御を説明したように、通常状態では、待機モードM0では、待機温度HT0に維持するために、温度検知センサの検出値、室温検知センサの検出に基づいて、ヒータ210へ、ある一定の電力供給量(通電量)Po0が供給される。この電力供給量Po0の算出は、予め、制御部410に格納された、温度検知センサの検出値、室温検知センサの検出値に対応したテーブルデータから、行われる。
この電力供給量の単位時間当たりの供給量は、待機モードM0開始時は、着座面SLの温度、トイレ室の室温が安定していない可能性がある。そのため、温度検知センサの故障検知は、電力供給量の単位時間当たりの供給量が安定した一定の条件下で行う。具体的には、AC駆動部品(熱交換器などの衛生洗浄機能部、温風乾燥機能、脱臭ユニット、室内暖房ユニット)がOFF状態になり一定時間(1時間)経過して、かつ着座面SLの温度が設定温度の±3℃以内の時に、制御部410が故障検知を開始する。なお本実施形態では、制御部410が温度検知センサの故障検知を行っているが、制御部410とは別に温度検知センサの故障検知を行う制御部を備えていても良い。
故障検知を開始した後は、一定時間における制御部の電力供給量を測定する。具体的には、10分間の電力供給量を測定する。10分間の電力供給量を測定したら、予め、制御部410に格納されたテーブルデータから、故障検知開始時の温度検知センサの検出値、室温検知センサの検出値に対応した10分間の電力供給量を示すデータを算出し、実際に測定した電力供給量と比較を行い、デーブルデータの電力供給量と実際に測定した電力供給量が一定以上離れている時に、温度検知センサを故障と判断する。
具体的には、故障検知を開始時の温度検知センサの検出値より、プラス18℃相当の電力供給量以上を測定した場合に、温度検知センサを故障と判断する。このプラス18℃相当の電力供給量は、故障検知を開始時の室温検知センサの検出値によって変動するものである。仮に、故障検知を開始時の温度検知センサの検出値が、同じ値であった場合では、室温検知センサの検出値が低い時が、便座からのトイレ室内への放熱が多くなるので、故障と判断する電力供給量は、大きな値になる。
より具体的には、故障検知を開始時の温度検知センサの検出値が、22℃で、室温検知センサの検出値が、15℃の時、通常状態の電力供給量(テーブルデータ)は、0.7Whになる。その電力供給量に対して、実際に測定した温度検知センサの検出値が40℃相当を示す電力供給量(2.6Wh)以上であった場合に、温度検知センサを故障と判断する。また、温度検知センサの検出値が、29℃で、室温検知センサの検出値が、5℃の時、通常状態の電力供給量(テーブルデータ)は、2.8Whになる。その電力供給量に対して、実際に測定した温度検知センサの検出値が47℃相当を示す電力供給量(4.6Wh)以上であった場合に、温度検知センサを故障と判断する。
また、温度検知センサの故障検知は、便蓋の開閉状態も条件として加えてもよい。便蓋の開閉状態にもよるサンプルデータを、予め制御部410に格納しておき、開閉状態に基づいたサンプルデータの電力供給量と、測定電力供給量とで比較を行い、デーブルデータの電力供給量と実際に測定した電力供給量が一定以上離れている時に、温度検知センサを故障と判断する。
前述の故障検知と同様に、故障検知を開始時の温度検知センサの検出値より、プラス18℃相当の電力供給量以上を測定した場合に、温度検知センサを故障と判断するが、このプラス18℃相当の電力供給量は、故障検知を開始時の便蓋の開閉状態によって変動するものである。仮に、故障検知を開始時の温度検知センサの検出値が、同じ値であった場合では、故障検知を開始時の便蓋が閉状態であった時が、便座から放熱が便蓋により抑制されるので、故障と判断する電力供給量は、小さな値になる。
具体的には、故障検知を開始時の温度検知センサの検出値が、22℃で、室温検知センサの検出値が、15℃で、便蓋が開状態の通常状態(テーブルデータ)での電力供給量は、1.3Whになる。その電力供給量に対して、実際に測定した温度検知センサの検出値が40℃相当を示す電力供給量(5.4Wh)以上であった場合に、温度検知センサを故障と判断する。また、便蓋が閉状態の通常状態(テーブルデータ)での電力供給量は、0.7Whになる。その電力供給量に対して、実際に測定した温度検知センサの検出値が40℃相当を示す電力供給量(2.6Wh)以上であった場合に、温度検知センサを故障と判断する。
故障検知により、温度検知センサを故障と判断した場合は、制御部410は、ヒータ210への通電を停止し、使用者に温度検知センサが故障状態であることを報知する。報知手段としては、使用者に故障を認識されることができればよく、光による報知、音による報知などがある。
温度検知センサの故障検知は、待機モードM0において、前述した条件を満たし際に、常に行うようにすることで、温度検知センサの故障を早期に検知することができるが、前述した条件を満たした回数をカウントして、一定カウントが達した際に、故障検知を行ううようにしてもよい。また、日時を把握するタイマー機能などを有し、一定時間、一定日数経過後に、故障検知を行うようにしてもよい。
このような故障検知により、簡単に温度検知センサの故障を把握することができる。また、故障検知は、待機状態M0で行っているので、使用者の体温といった外乱が無いので、正確に温度検知センサの故障検知を行うことができる。
次に、温度検知センサの故障検知の第二実施形態について説明する。
図3、図4に基づいて、温度検知センサが故障していない通常状態の加熱制御を説明したように、待機モードM0、待機状態移行モードM4の待機状態において、ヒータ210への通電をオフ状態にした際は、通常状態では、温度検知センサの検出値、室温検知センサの検出値が同じ値を示す。そのため、第二実施形態の温度検知センサの故障検知センサは、待機状態でヒータ210への通電をオフ状態にしている際の、温度検知センサの検出値と室温検知センサの検出値とに基づいて行われる。
待機モードM0開始時、待機状態移行モードM4開始時では、着座面SLの温度は、モード移行前のモードの加熱制御での熱の影響を受けているため、温度検知センサの検出値、室温検知センサの検出値は異なる値を示すことがある。そのため、待機モードM0開始又は待機状態移行モードM4開始から、一定時間経過後に制御部410が温度検知センサの故障検知を開始する。なお本実施形態においても、制御部410が温度検知センサの故障検知を行っているが、制御部410とは別に温度検知センサの故障検知を行う制御部を備えていても良い。
具体的には、待機モードM0開始又は待機状態移行モードM4開始から1時間経過しており、且つヒータ210への通電をオフ状態にして1時間経過している段階での、温度検知センサの検出値と、室温検知センサの検出値とを比較して、温度検知センサの検出値が、室温検知センサの検出値に対して、20℃以上、離れている場合に、制御部410は、温度検知センサの故障と判断する。
温度検知センサの故障検知は、前述した条件を満たし際に、常に行うようにすることで、温度検知センサの故障を早期に検知することができるが、前述した条件を満たした回数をカウントして、一定カウントが達した際に、故障検知を行ううようにしてもよい。また、日時を把握するタイマー機能などを有し、一定時間、一定日数経過後に、故障検知を行うようにしてもよい。
また、第二実施形態の故障検知では、ヒータ210への通電がオフ状態であることが条件であるので、暖房便座装置に使用状態によっては、長期間、ヒータ210への通電がオフ状態にならない場合がある。そのた、第二実施形態の故障検知においては、温度検知センサの故障検知を行うために、制御部で、強制的にヒータ210への通電をオフ状態として、温度検知センサの故障検知を行うようにしてもよい。
室温検知手段の検出値と便座温度検知手段の検出値を比較するといった簡単な方法によって、温度検知センサの故障を検知することができる。また、待機状態で、故障検知を行っているので、使用者の体温といった外乱がないので、正確に、温度検知センサの故障検知をすることができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
100…暖房便座装置、200…便座、210…ヒータ、220…温度検知センサ、300…便蓋、400…暖房便座機能部、410…制御部、420…着座検知センサ、430…人体検知センサ、440…入室検知センサ、600…選択手段、800…便器、BP…ボタン、DP…表示部、SP…出力手段、HT0…待機温度、HT1…着座可能温度、HT2…設定温度、M0…待機モード、M1…急速加熱モード、M2…加熱モード、M3…保温モード

Claims (3)

  1. 加熱手段が設けられた便座と、
    前記便座の温度を測定する便座温度検知手段と、
    トイレ室の室温を測定する室温検知手段と、
    前記便座温度検知手段の検出値と、前記室温検知手段の検出値に基づいて、前記加熱手段への通電を制御する制御部と、
    前記トイレ室への使用者の入室有無を検知する入室検知手段と、
    を備え、
    前記入室検知手段が、使用者の前記トイレ室への入室を検知していない待機状態では、前記制御部は、前記便座の温度が一定温度になるように保温制御を行う暖房便座装置であって、
    前記待機状態で、前記便座温度検知手段の検出値と、前記室温検知手段の検出値と、前記制御部の加熱手段への一定時間での通電量とに基づいて、前記便座温度検知手段の故障検知を行うことを特徴とする暖房便座装置。
  2. 前記便座を覆う便蓋を備え、
    前記故障検知は、前記便蓋の開閉状態にも基づいて、故障検知を行うことを特徴とする請求項1に記載の暖房便座装置。
  3. 加熱手段が設けられた便座と、
    前記便座の温度を測定する便座温度検知手段と、
    トイレ室の室温を測定する室温検知手段と、
    前記便座温度検知手段の検出値と、前記室温検知手段の検出値に基づいて、前記加熱手段の通電を制御する制御部と、
    前記トイレ室への使用者の入室有無を検知する入室検知手段と、
    を備えた暖房便座装置であって、
    前記入室検知手段が、使用者の前記トイレ室への入室を検知していない待機状態で、且つ前記制御部から前記加熱手段への通電がオフ状態の時に、前記便座温度検知手段の検出値と、前記室温検知手段の検出値とに基づいて、前記便座温度検知手段の故障検知を行うことを特徴とする暖房便座装置。
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