JP3710714B2 - 回転工具のビット取り付け装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えばスクリュードライバやインパクトドライバ等の回転工具にドライバビットやソケットタイプのビット(先端工具、以下単にビットという)を取り付けるための装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、この種の回転工具は、モータにより回転するスピンドルと、このスピンドルの先端に設けたビット取り付け装置を備えており、このビット取り付け装置を介してスピンドルの先端にビットを装着する構成となっている。このビット取り付け装置は、スピンドルの先端部に軸方向移動可能に支持した操作スリーブを備えており、この操作スリーブを軸方向に後退操作すると、スピンドルの先端面に設けた断面六角形のビット装着孔に例えばドライバビットを抜き差し可能な状態となり、操作スリーブの後退操作を止めると、この操作スリーブがばね付勢力により軸方向に前進し、これによりビット装着孔に挿入したドライバビットが抜け不能に取り付けられる。
【0003】
このようなビット取り付け装置において、ビット装着孔に対するドライバビットの軸回りのガタツキ(振れ)を防止するため、従来はビット装着孔の内周側にゴムリングを装着しておき、このゴムリングの内周側を押し広げつつドライバビットを挿入する構成とすることにより、ゴムリングの弾性力によりドライバビットの振れを抑制する構造(ビットの振れ止め構造)となっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の振れ止め構造では、ドライバビットの取り付け・取り外しを繰り返すうちにゴムリングが摩耗、変形等してしまい耐久性が低いという問題や、ゴムの抵抗力によって操作しづらいという問題があった。
本発明は、従来よりも耐久性の高いビットの振れ止め構造を有する取り付け装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明は前記各請求項に記載した構成のビット取り付け装置とした。
請求項1記載の取り付け装置によれば、操作スリーブをビットアンクランプ位置に位置させて、スピンドルの先端面に設けたビット装着孔にビットを挿入する。この際、ビットは2つの弾性保持片間を経てビット装着孔に挿入される。ビットはその対向する2側面を2つの弾性保持片に平行に沿わせた向きでこの2つの弾性保持片間に挿入することができる。
こうして、ビットをビット装着孔に挿入した後、操作スリーブをクランプ側に回転操作すると、操作スリーブと2つの弾性保持片が一体でビットの回りを回転する。2つの弾性保持片の間隔は、ビットの対向する2側面間の間隔よりも大きく、対向する2角部間の間隔よりも小さく設定されている。このため、2つの弾性保持片はビットの回りを回転して2側面に沿った位置から外れると、相互に押し広げられつつビットの2角部に弾性的に押圧される状態となる。すなわち、断面角形をなすビットの2側面間と2角部間の寸法差を利用して、2つの弾性保持片間にビットを挿入可能な状態と、この2つ弾性保持片によりビットが弾性的に狭持される状態とを実現している。2つの弾性保持片により弾性的に狭持されることによりビットの振れが規制される。
このように、従来のゴムリングではなく、金属を素材とする弾性保持片によりビットの振れ止めがなされるので、従来より耐久性を向上させることができる。しかも、従来のようにゴムリングを押し広げながらビットをビット挿入孔に挿入する構成ではなく、2つの弾性保持片間に何ら抵抗なく挿入することができるので、ビット挿入時の操作性を高めることができる。
【0006】
請求項2記載の取り付け装置によれば、弾性保持片をビット装着孔の奥部に配置した場合よりも、ビットのより中央に近い部位を弾性的に狭持することができるので、より効率よくビットの振れを規制することができる。
請求項3記載のビット取り付け装置によれば、操作スリーブのクランプ方向の回転に伴うビット保持孔の回転によりビットがガタツキなくスピンドルに装着される。ビット保持板のビット保持孔は心出し手段によりスピンドルのビット装着孔に対して心出しされるので、ビットがスピンドルに対して心出しされ、これによりビットの振れをより一層確実に防止することができる。
請求項4記載のビット取り付け装置によれば、簡単な構成でスピンドルに対するビットの心出しをすることができる。
【0007】
請求項5記載のビット取り付け装置によれば、ビットの角部に対してビット保持孔の端縁が押圧されないので、該角部がビット保持孔の端縁に食い込むことが防止され、これにより操作スリーブのアンクランプ側への回転操作をスムーズに行うことができるようになる。また、ビット保持突部がビットの側面に押圧されて該ビットがその軸回りに拘束される構成であるが、ビット保持突部は操作スリーブをアンクランプ側に回転操作すると、ビットの側面から遠ざかる方向に移動するので、該ビット保持突部がビットの側面に食い付くことがなく、この点でも操作スリーブのアンクランプ側への回転操作をスムーズに行うことができる。
【0008】
ここで、ビット保持孔の角部に上記逃がし凹部を設けず、該角部の強度(切り欠き強度)を確保するために円弧形状部(R形状部)を形成する場合には、該R形状部はビット保持孔の角部から内周側へ盛り上がるように形成されるため、対向する2角部間(2R形状部間)の間隔が小さくなる。このため、ビットの寸法精度のバラツキ等によっては、操作スリーブをアンクランプ方向に回転操作すると、ビットの角部がR形状部に食い付いて、該操作スリーブをアンクランプ方向にスムーズに回転操作できない場合が発生する。この点、請求項5に記載したビット取り付け装置によれば、上記した理由から、ビットのビット保持孔に対する食い付きを防止でき、しかも六角孔の角部に相当する部位に逃がし凹部が形成されるので、当該ビット保持孔の強度をも確保することができる。
【0009】
請求項6記載のビット取り付け装置によれば、スピンドルのビット装着孔に対するビットの食い付きを防止することができるので、ビット取り外し時においてビットをビット装着孔から楽に抜き出すことができ、この点でさらに当該ビット取り付け装置の使い勝手をよくすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の第1実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。図1は、回転工具の一例としてのスクリュードライバ1の先端部を示している。この第1実施形態は、このスクリュードライバ1のスピンドル2の先端にビット3を取り付けるためのビット取り付け装置10の構成に特徴を有しており、スクリュードライバ1自体の構成は従来構成に比して特に変更を要しないので説明および図示を省略する。
スピンドル2の先端面には、ビット3の挿入側の基端部3b(図において左端部)を挿入するためのビット装着孔2aが形成されている。本実施形態においてビット3は六角柱体をなすもので、先端に十字ドライバ部3cを有している。また、基端部3bには、このビット3をスピンドル2に対して抜け止めするために鋼球4,4がはまり込む断面半円形の溝部3aが全周にわたって形成されている。以下の説明において、このビット3の六角形状の対向する2辺間の間隔は寸法Aとし、対向する2角部間の間隔は寸法B(=1.155A)とする。
スピンドル2のビット装着孔2aは、ビット3が六角柱体をなすことに対応して六角孔に形成されている。このビット装着孔2aはスピンドル2の中心に形成されている。
また、スピンドル2には、径方向に対向する2カ所に上記鋼球4,4が配置されている。この鋼球4,4は、それぞれスピンドル2の径方向に沿ってビット装着孔2aに貫通して形成したビット保持孔2b内に移動可能に収容されている。鋼球4,4は、それぞれビット装着孔2a内に一部はみ出す位置とはみ出さない位置との間で、スピンドル2の径方向に変位できるようにビット保持孔2b内に保持されている。但し、鋼球4,4がビット装着孔2a内に脱落しないように、ビット保持孔2bのビット装着孔2a側の径が僅かに小さくなっている。
【0011】
さて、第1実施形態のビット取り付け装置10は、スピンドル2の外周側に取り付けた操作スリーブ11を備えている。この操作スリーブ11は、スピンドル2に対して回転可能に取り付けられている。但し、この操作スリーブ11は、スピンドル2の外周側に装着した止め輪13および平ワッシャ14により軸方向へは移動しない。
この操作スリーブ11とスピンドル2との間には捩りばね12が介装されている。このため、操作スリーブ11は、クランプ方向(図2および図3において時計回り方向)に付勢されている。
操作スリーブ11の内周側であって周方向に対向する2カ所には、内方に突き出す突起部11a,11aが形成されている。
この操作スリーブ11が捩りばね12によりクランプ方向に回転してクランプ位置に至ると、図2に示すように両突起部11a,11aによって鋼球4,4がビット装着孔2a内にはみ出す方向に押され、かつはみ出した状態に保持される。両鋼球4,4がビット装着孔2a内にはみ出すと、このはみ出した部分が、ビット装着孔2a内に挿入したビット3の溝部3a内にはまり込み、これによりビット3がビット装着孔2aから抜け出し不能にクランプされる。
【0012】
一方、操作スリーブ11を捩りばね12に抗してアンクランプ方向(図2および図3において反時計回り方向)に回転させてアンクランプ位置に至ると、図4に示すように両突起部11a,11aが鋼球4,4から外れ、これにより両鋼球4,4がビット装着孔2a内にはみ出ない位置に変位可能な状態となって、ビット3をビット装着孔2a内から取出し可能、かつビット装着孔2a内に挿入可能な状態となる。
後述するように、操作スリーブ11は、クランプ位置から約30゜回転させるとアンクランプ位置に至り、この30゜の範囲で回転可能となっている。なお、この操作スリーブ11の回転範囲を約30゜に規制するためのストッパピンは図示省略されている。
【0013】
次に、操作スリーブ11の先端側の外周面には、取り付け溝11bが形成されている。この取り付け溝11bには、振れ止め具15の円環部15aが嵌め込まれている。
この振れ止め具15は、図3に示すように1本の弾性を有する金属製の線材(例えばSUP材(JIS))をほぼ円環形状に成形してなるもので、その両端部は上記円環部15aからさらに内方へ向けて折り曲げられている。操作スリーブ11の先端上部には、軸線方向に沿って上記取り付け溝11bに至る切り込み溝11cが形成されている。取り付け溝11bに嵌め込んだ円環部15aの両端部はこの切り込み溝11cを経て、操作スリーブ11の内周側に入り込んでいる。
この内周側に入り込んだ2本の端部は、左右に開かれてそれぞれビット装着孔2aの口元に沿って六角形状に折り曲げられている。このビット装着孔2aの口元に沿って六角形状に折り曲げられた部分が、特許請求の範囲に記載した弾性保持片(以下、弾性保持片15b,15bという)に相当する。両弾性保持片15b,15bにより、ビット装着孔2aの口元に沿った六角形状のリングが形成されている。
操作スリーブ11を捩りばね12に抗してアンクランプ位置に回転させた状態では、図5に示すように上記両弾性保持片15b,15bにより形成される六角形状が、ビット装着孔2aの六角形状に整合した状態(両者の六角形状の辺と辺が一致し、角部と角部が一致する状態)となる。
一方、操作スリーブ11が捩りばね12によりクランプ位置に戻された状態では、図3に示すように両弾性保持片15b,15bにより形成される六角形状が、ビット装着孔2aの六角形状(ビット3の六角形状)に対して約30゜だけ回転方向にずれた状態となる。
【0014】
両弾性保持片15b,15bは、相互に接近する方向(閉じる方向)に弾性を有している。また、弾性保持片15b,15bの対向する2辺間の間隔は、ビット3の対向する2辺間の間隔Aよりも大きく、対向する2角部間の間隔Bよりも小さく設定されている。このため、操作スリーブ11をアンクランプ位置に回転して、2つの弾性保持片15b,15bにより形成される六角形状がビット装着孔2aの六角形状に整合した状態とすることにより、両弾性保持片15b,15b間を経てビット3を、弾性保持片15b,15bに干渉することなくスムーズにビット装着孔2a内に差し込むことができ、また逆にビット装着孔2aから抜き出すことができる。
【0015】
一方、操作スリーブ11を捩りばね12によりクランプ位置に戻すと、弾性保持片15b,15bの各辺にビット3の各角部が対向する状態となる。弾性保持片15b,15bの対向する2辺間の間隔は、ビット3の対向する2角部間の間隔Bよりも小さく設定されているので、ビット装着孔2a内にビット3を挿入した状態では、操作スリーブ11がクランプ方向に回転すると、両弾性保持片15b,15bも同方向に回転しつつ開き方向に弾性変形する。このため、ビット3の対向する2角部に、弾性保持片15b,15bの対向する2辺が弾性的に押圧され、これによりビット3が両弾性保持片15b,15bにより狭持される。
すなわち、本実施形態の振れ止め具15は、ビット3の対向する2辺間の間隔Aと対向する2角部間の間隔Bとの寸法差(B−A)を利用して、ビット3を狭持し、または干渉することなく挿通させる構成となっている。
また、操作スリーブ11が捩りばね12によりクランプ位置に戻されると、突起部11a,11aがビット装着孔2a内にはみ出した位置に固定され、これによりビット装着孔2a内に挿入したビット3が抜け出し不能にクランプされることは前記した通りである。
【0016】
以上のように構成した本実施形態のビット取り付け装置10によれば、ビット装着孔2a内にビット3を挿入した後、操作スリーブ11のアンロック方向への回転操作を止めると、操作スリーブ11は捩りばね12によりクランプ方向に回転する。操作スリーブ11がクランプ位置に戻されると、ビット3が鋼球4,4により抜け出し不能にクランプされるとともに、両弾性保持片15b,15bにより弾性的に狭持され、これによりビット3の振れが抑制される。
スピンドル2に対するビット3の振れ(径方向のガタツキ)がこの振れ止め具15により抑制されるので、ねじの締め込み当初におけるねじの振れを防止できるので指でねじを保持しておく必要がなく、これによりねじ締め作業を楽に行うことができる。
このように、本実施形態のビット取り付け装置10によれば、従来のようにゴム製のリングではなく、金属製の弾性保持片15b,15bによりビット3の振れ止めがなされる構成であるので、従来よりも振れ止め構造(振れ止め具)の耐久性を向上させることができる。
【0017】
また、ビット3をビット装着孔2aから抜き出すとき、あるいはビット3をビット装着孔2aに挿入するときには、操作スリーブ11はアンクランプ位置に位置しており、これにより振れ止め具15の両弾性保持片15b,15bがビット装着孔2aの六角形状に沿った状態となるので、この振れ止め具15がビット3のビット装着孔2aへの抜き差し操作の抵抗となることがない。
さらに、本実施形態では振れ止め具15を操作スリーブ11の先端側に取り付けて、両弾性保持片15b,15bをビット装着孔2aの口元に配置する構成としたので、ビット3の振れを効率よく抑制することができる。但し、スピンドル2の例えば後端部に両弾性保持片15b,15bを挿通するための貫通溝をビット装着孔2aに貫通して設ければ、振れ止め具を操作スリーブ11の後端部に取り付けることもでき、この場合でも従来に比して耐久性の向上を図ることができる。
【0018】
以上説明した実施形態には、種々変更を加えて実施することができる。例えば、2つの弾性保持片15b,15bを操作スリーブ11に取り付けるために、円環部15aを操作スリーブ11の外周側に巻き付ける構成を例示したが、2つの弾性保持片を所定の位置に取り付ける手段としては、例えばビス止め、溶着等その他の手段を用いることができる。
また、六角柱形状を有するビット3を例示したが、四角柱形状、八角柱体形状等の角柱体形状(円柱体以外の形状)を有するビットの振れ止めを行う場合にも同様に適用することができる。この場合、2つの弾性保持片により形成される多角形状を、必ずしもビットの角柱体形状に合わせる必要はない。要は、ビットの対向する2辺間の間隔Aと対向する2角部間の間隔Bとの寸法差を利用して、操作スリーブ11を回転操作したときに、2つの弾性保持片がビットの2辺に沿った状態と、2角部に弾性的に押圧される状態とに切り換わる構成とすればよい。なお、対向する2辺、対向する2角部とは、数学的に精確に対向している必要はない。従って、三角柱形状、五角柱形状あるいは断面星形を有するビットについても、同様に適用することができる。
【0019】
さらに、2つの弾性保持片により閉じた多角形が形成される必要もない。例えば、図6および図7に示すように弾性保持片を構成することもできる。前記例示したように2つの弾性保持片15b,15bにより六角形状を形成する構成では、ビットの3組の対向する2角部にこの弾性保持片15b,15bが押圧されるが、図6および図7に示すように2つの弾性保持片16,16を二股形状(U字形状)に配置した場合には、ビット3の1組の対向する2角部が押圧される。この構成の場合でも、ビット3の一定方向の振れ止め効果を十分に得ることができ、また従来よりもその耐久性を高めることができる。なお、図6および図7において変更を要しない部材および部位については同位の符号を付した。
また、図8および図9に示すように2つの弾性保持片17,18を左右非対称に配置してもよい。この弾性保持片17,18によってもビット3の一定方向の振れを効果的に抑制することができる。
【0020】
さらに、図10に示すように、操作スリーブ21の先端内周側に取り付け溝21aを形成し、この取り付け溝21aに、図示するような振れ止め具20を嵌め付ける構成としてもよい。この振れ止め具20は、六角形状をなす弾性保持片20aを有している。弾性保持片20aの各角部からは支持アーム20b〜20bが放射状に設けられており、各支持アーム20bの先端には上記取り付け溝21aに沿って嵌め込まれる脚部20cが設けられている。この振れ止め具20も、弾性を有する金属製の線材を折り曲げ、あるいは溶着して製作されている。
このように構成した振れ止め具20によっても、ビット3の対向する2辺間の間隔Aと対向する2角部間の間隔Bの寸法差(B−A)を利用して、ビット3の振れ止めを実現することができ、また従来のゴム製リングに比して耐久性を高めることができる。この構成の場合、弾性保持片20aの各辺がそれぞれ弾性変形することによりビット3が弾性的に狭持される。
また、例示した種々形態のビット取り付け装置は、ねじ締め用のドライバビット3の他、六角ナット締め付け用のソケットを備えたソケットビットを装着することもできる。
【0021】
次に、以上説明した第1実施形態には、ビットの振れ止め機能に加えて心出し機能を付加することができる。図11〜図17には、この心出し機能付きのビット取り付け装置30が示されている。前記例示した第1実施形態のビット取り付け装置10と同様の構成については説明を省略し、同位の符号を用いる。また、前記した第1実施形態に係るビット取り付け装置10が請求項1,2に記載した発明の実施形態に該当し、以下説明する第2実施形態に係るビット取り付け装置30が請求項3,4に記載した発明の実施形態に該当する。
この第2実施形態のビット取り付け装置30は、スピンドル2の外周側に回転可能に取り付けた操作スリーブ31を備えている。この操作スリーブ31は、スピンドル2に径方向に突き出して設けたストッパピン33が、該操作スリーブ31の後端部に形成した凹部31d内に挿入されていることによりその軸回りに約30゜の範囲で回転可能となっており、回転方向一方がクランプ位置であり、他方がアンクランプ位置に設定されている。
【0022】
また、この操作スリーブ31は、スピンドル2との間に介装した捩りばね32によりクランプ方向に付勢されている。この操作スリーブ31がクランプ位置に保持されると、図11に示すように鋼球4,4がビット装着孔2a内に突き出されて該ビット装着孔2aに挿入したビット3(図1参照)が抜け不能にクランプされる。図13は、操作スリーブ31がクランプ位置に位置する状態を示している。一方、操作スリーブ31を捩りばね32に抗して約30゜回転させてアンクランプ位置に位置させると、図14に示すように鋼球4,4がビット装着孔2a内から退出可能となって、ビット3をビット装着孔2a内から抜き出し可能になり、またビット装着孔2aにビット3を挿入可能となる。図16は、操作スリーブ31がアンクランプ位置に位置する状態を示している。
この操作スリーブ31は、スピンドル2の先端に取り付けた止め輪34および上記ストッパピン33により軸方向へは移動しないよう取り付けられており、またスピンドル2からの脱落が防止されている。
【0023】
次に、操作スリーブ31の前端にはビット保持板41が取り付けられている。このビット保持板41の詳細が図17に示されている。このビット保持板41は、内周側に六角形のビット保持孔42aを有する円板部42と、該円板部42の図示上下両端部から側方へ延びるアーム部43,44と、両アーム部43,44の先端に設けた係合部43a,44aを有している。上記ビット保持孔42aの対向する2辺の間隔は、装着するビット3の対向する2側面間の距離よりも大きく、対向する2角部間の距離よりも小さく設定されている。また、ビット保持孔42aは円板部42の中心に形成されている。
このビット保持板41は、両係合部43a,44aを操作スリーブ31の前端部に形成した係合凹部31a,31bに嵌め込んで、円板部42のビット保持孔42aをスピンドル2のビット装着孔2aの前方に位置させる状態に取り付けられている。両係合凹部31a,31bは、それぞれ係合部43a,43bを周方向にガタツキなく嵌め込み可能な形状に形成されている。両係合部43a,43bの側面には、操作スリーブ31の先端外周に形成した溝部31cに合わせて溝部43b,44bが形成されている。当該ビット保持板41を操作スリーブ31の前端に取り付けた状態において、溝部31cおよび溝部43b,44bに跨って止め輪45を取り付けることにより、該ビット保持板41が操作スリーブ31に離脱不能に取り付けられている。
【0024】
操作スリーブ31を捩りばね32に抗してアンクランプ位置に回転させると、ビット保持孔42aの六角形状が、スピンドル2のビット装着孔2aの六角形状に整合するように当該ビット保持板41が操作スリーブ31に取り付けられている。操作スリーブ31は、前記操作スリーブ11と同様スピンドル2の軸回りに約30゜回転する。従って、操作スリーブ31は上記アンクランプ位置から捩りばね32により約30゜回転すると、クランプ位置に至る。操作スリーブ31がクランプ位置に位置する状態では、ビット保持孔42aの六角形状がスピンドル2のビット装着孔2aの六角形状に対して約30゜だけずれ、これによりビット3の対向する2角部がビット保持孔42aの対向する2辺に押圧されて、該ビット3がその軸回りに拘束され、ひいてはビット3の振れが防止される。
【0025】
次に、スピンドル2の前端面であって、ビット装着孔2aの両側部には円弧形状のガイド壁部46,47が形成されている。両ガイド壁部46,47は、ビット装着孔2aの中心(スピンドル2の軸心)を中心とする同じ円周に沿って周方向一定の範囲に形成されている。この両ガイド壁部46,47により形成される円形凹部に上記ビット保持板41の円板部42が径方向にガタツキなく回転可能な状態に嵌め込まれており、これにより円板部42のビット保持孔42aがスピンドル2のビット装着孔2aに対して同心に心出しされている。両ガイド壁部46,47により形成される円形凹部内に円板部42がガタツキなく嵌め込まれた構成が、特許請求の範囲に記載した心出し手段に相当する。
【0026】
以上のように構成した第2実施形態の心出し機能付きビット取り付け装置30によれば、操作スリーブ31を捩りばね32に抗してアンクランプ位置に回転させると、鋼球4,4がビット装着孔2aから退出可能な状態となり、またビット保持孔42aの六角形状がビット装着孔2aの六角形状に整合するので、ビット3をビット装着孔2a内に挿入可能、またビット装着孔2aから取り出し可能となる。
ビット3をビット保持板41のビット保持孔42aを経てビット装着孔2a内に挿入した後、操作スリーブ31を捩りばね32によりクランプ方向に戻すと、ビット3が鋼球4,4により抜け出し不能にクランプされるとともに、ビット保持孔42aの六角形状がビット装着孔2aの六角形状に対して約30゜ずれて、ビット保持孔42aの対向する2辺がビット3の対向する2角部に押し付けられるため該ビット3がその軸回りに拘束され、これにより該ビット3の振れが規制される。
しかも、ビット保持板41の円板部42は、スピンドル2側の両ガイド壁部46,47により案内され、これにより円板部42がスピンドル2に対して同心に心出しされ、ひいてはビット保持孔42aがビット装着孔2aに同心に心出しされている。
このように、第2実施形態のビット取り付け装置30によれば、操作スリーブ31と一体で回転するビット保持孔42aが、スピンドル2のビット装着孔2aに対して心出しされているので、装着したビット3はスピンドル2に対して同軸に装着され、これによりビット3の振れを一層確実に防止することができる。
【0027】
以上説明した第2実施形態にも種々変更を加えることができる。例えば、心出し手段として、スピンドル2の先端面にガイド壁部46,47を設け、該両ガイド壁部46,47により形成される円形凹部内に、ビット保持板41の円板部42を収納してビット装着孔2aに対するビット保持孔42aの心出しをする構成を例示したが、逆に円板部42側の円弧形状または円形のガイド溝を設け、これをスピンドル2の前端面に形成した円形のガイド溝内に移動可能に挿入して、ビット装着孔2aに対するビット保持孔42aの心出しをする構成としてもよい。
また、六角形状のビット保持孔42aを例示したが、相互に平行な二面幅部を有する円形孔であってもよい。
【0028】
次に、以上説明した第1、第2実施形態に係るビット取り付け装置10,30では、操作スリーブ11,31を捩りばね12,32によりクランプ側に回転させると、何れもビット3の角部に弾性保持片15b,15b、あるいはビット保持孔42aの端縁を押圧することにより該ビット3をその軸回りに拘束して振れ止めする構成となっている。これに対して以下説明する第3実施形態に係るビット取り付け装置50では、ビット3の角部ではなく、側面にビット保持孔の端縁を押圧することで該ビット3の振れ止めを行う構成となっている。
図18には第3実施形態のビット取り付け装置50が示されている。前記第1、第2実施形態と同様の部材、構成については同位の符号を用いる。このビット取り付け装置50は、スピンドル2の先端外周に操作スリーブ51が回転可能に支持されている。この操作スリーブ51は、スピンドル2に設けた規制ピン52,52が該操作スリーブ51に形成した周方向に長いガイド孔51a内で移動可能な範囲(例えば30゜程度)でスピンドル2の軸回りに回転させることができる。この操作スリーブ51とスピンドル2との間には捩りばね53が介装されている。このため、操作スリーブ51は、図18中矢印(19)方向(正面)から見て時計回り方向(クランプ側)に付勢されている。
【0029】
操作スリーブ51の先端側にはビットホルダ部54が内周側へ張り出すように設けられている。第3実施形態ではこのビットホルダ部54は操作スリーブ51に一体に形成されている。このビットホルダ部54の中心にビット3(図18では省略されている)を保持するためのビット保持孔55が形成されている。第3実施形態はこのビット保持孔55に特徴を有している。これについては後述する。
前記第1、第2実施形態と同様、スピンドル2の先端には、ビット3を挿入可能な断面六角形のビット装着孔2aが所定の深さで形成されている。このビット装着孔2aには、2個の鋼球4,4が該ビット装着孔2aに対して進退可能に保持されている。この両鋼球4,4は、操作スリーブ51を捩りばね53の付勢力によりクランプ側に回転させると、ビット装着孔2a内にはみ出した位置にロックされ、これにより該ビット装着孔2aに挿入したビットを抜け出し不能に装着することができる。逆に、操作スリーブ51を捩りばね53に抗してアンクランプ側に回転させると、両鋼球4,4はビット装着孔2aから退出可能となり、従ってビット3をビット装着孔2aに対して抜き差しすることができる。
【0030】
次に、上記したビット保持孔55について説明する。第2実施形態におけるビット保持孔42aは単に六角形状を有するものであったが、第3実施形態のビット保持孔55は六角形状の角部に相当する部位に逃がし凹部が形成されたことに特徴を有している。このビット保持孔55の詳細が図19に示されている。
図19において、2点鎖線で示した六角形はビット3を挿通可能な大きさの六角形を示している。この2点鎖線で示した六角形(以下、基本六角形56という)が第2実施形態のビット保持孔42aに相当する。この基本六角形56の対向する2辺間の間隔は、ビット3の対向する2辺間の間隔よりも大きく、対向する2角部間の間隔よりも小さく設定されている。
第3実施形態のビット保持孔55は、この基本六角形56(第2実施形態のビット保持孔42a)の各角部に相当する部位に逃がし凹部55aを形成した構成となっている。従って、第3実施形態では、この逃がし凹部55a〜55aがビット保持孔55の周方向六等分位置の合計6箇所に形成されている。また、各逃がし凹部55aは、該ビット保持孔42aの軸線回りに一定角度θの範囲に形成されている。角度θは、操作スリーブ51の回転角度よりも若干大きめに設定されている。
各逃がし凹部55aの底部は、ビット3を挿通可能な円形孔の円周に沿った円弧形状を有している。また、各逃がし凹部55aは、基本六角形56の外周側に切り込む方向に形成されている。
隣接する2個の逃がし凹部55a,55a間には、ビット保持突部55bが形成されている。各ビット保持突部55bの先端縁55cは、上記基本六角形56の各辺に一致している。
【0031】
以上のように構成した第3実施形態のビット取り付け装置50によれば、操作スリーブ51を捩りばね53に抗してアンクランプ方向に回転させた状態で、ビットホルダ部54のビット保持孔55を経て、ビット装着孔2aにビット3を挿入し、然る後操作スリーブ51を捩りばね53によりクランプ方向に戻すと、これと一体でビット保持孔55がクランプ方向に回転する。ビット保持孔55がクランプ方向に回転した状態が図19に示されている。このクランプ状態では、各ビット保持突部55b〜55bがビット3の側面に、間接的に作用する捩りばね53の付勢力により押圧されており、これによりビット3がその軸回りに拘束されて振れ止めがなされている。このことから、第3実施形態に係るビット取り付け装置50によっても、前記第1および第2実施形態に係るビット取り付け装置10,30と同様の作用効果を得ることができる。
【0032】
また、ビット3の各角部は、それぞれ逃がし凹部55a内に位置しており、該逃がし凹部55aの底部に接触しない状態となっている。このため、ビット保持孔55に対する各角部の食い付き現象は発生しない。また、ビット保持孔55のビット保持突部55b,55bの一方の角部がビット3の側面に押圧されているが、ビット3を取り外すために操作スリーブ51をアンクランプ方向に回転操作すると、ビット保持突部55bおよびその角部は、ビット3の側面から遠ざかる方向に移動するため、該操作スリーブ51をスムーズにアンクランプ方向に回転操作することができ、従って該ビット保持突部55bのビット3に対する食い付き現象は発生しない。
このように、第3実施形態のビット取り付け装置50によれば、取り付けたビット3の角部が逃がし凹部55a内に位置してビット保持孔55の端縁に接触せず、このためビット保持突部55bの角部がビット3の側面に弾性的に押圧されて該ビット3がその軸回りに拘束されて振れ止めがなされる構成であるので、ビット保持孔55のビット3に対する食い付きがなく、従って操作スリーブ51を楽にアンクランプ方向に回転操作することができ、これにより当該ビット取り付け装置50の使い勝手を向上させることができる。
【0033】
これに対して、図20に示すようにビット保持孔60を上記逃がし凹部55aを有しない基本六角形56であって、該基本六角形56の各角部をその強度(切り欠き強度)を高めるために円弧形状(R形状部60a)に形成した場合には、このR形状部60aが基本六角形56の内周側に張り出すように形成される。このため、ビット保持孔60の対向する2角部間の間隔(2R形状部60a,60a間の間隔)は基本六角形56よりも小さくなる。このことから、ビット3の寸法精度のバラツキ等によっては、該ビット3を一旦装着した後、操作スリーブをアンクランプ方向へ回転操作する段階で、ビット3の角部が上記R形状部に食い付いてしまい、その結果操作スリーブをスムーズにアンクランプ方向に回転操作できない場合が生ずる。例示した第3実施形態に係るビット取り付け装置50によれば、ビット保持孔55の基本六角形56の角部に相当する部位に逃がし凹部55a〜55aが形成されているので、上記した理由により食い付きの問題は発生せず、従って操作スリーブ51をスムーズにアンクランプ方向に回転操作することができる。
【0034】
以上説明した第3実施形態のビット取り付け装置50にはさらに変更を加えることができる。図示は省略したが、例えばスピンドル2のビット装着孔の各角部に上記と同様の逃がし凹部を形成して、隣接する2つの逃がし凹部間に形成されるビット保持突部をビットの側面に押圧する構成とすることにより、該ビット装着孔に対するビットの食い付きをも防止することができ、これにより当該ビット取り付け装置の使い勝手を一層よくすることができる。この構成が請求項6に記載した発明の実施形態に相当する。この構成は、前記第1実施形態のビット取り付け装置10または第2実施形態のビット取り付け装置30にも適用することができる。
また、第3実施形態では、操作スリーブ51に一体に設けたビット保持部54を例示したが、第2実施形態のように別部品として製作したものを組み付ける構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す図であり、スクリュードライバのビット取り付け装置の縦断面図である。
【図2】図1の(2)−(2)線断面図であって、鋼球4と突起部11aとの位置関係を示す図である。本図は、操作スリーブがクランプ位置に位置する状態を示している。このため、鋼球4に対して突起部11aが周方向同じ位置に位置している。
【図3】図1の(3)−(3)線断面図であって、ビットに対する弾性保持片の位置関係を示す図である。本図は、操作スリーブがクランプ位置に位置する結果、ビットが弾性保持片により狭持された状態(振れ止め状態)を示している。
【図4】鋼球4と突起部11aの位置関係を示す取り付け装置の縦断面図である。本図は、操作スリーブがアンクランプ位置に位置する状態を示している。このため、鋼球4に対して突起部11aが周方向に外れている。
【図5】ビットに対する弾性保持片の位置関係を示す図である。本図は、操作スリーブがアンクランプ位置に位置する結果、ビットが弾性保持片に対して挿通可能な状態を示している。
【図6】弾性保持片の別形態を示す図である。本図は、操作スリーブをクランプ位置に位置させた状態を示している。
【図7】弾性保持片の別形態を示す図である。本図は、操作スリーブをアンクランプ位置に位置させた状態を示している。
【図8】弾性保持片の更に別形態を示す図である。本図は、操作スリーブをクランプ位置に位置させた状態を示している。
【図9】弾性保持片の別形態を示す図である。本図は、操作スリーブをアンクランプ位置に位置させた状態を示している。
【図10】弾性保持片の別形態を示す分解斜視図である。
【図11】第2実施形態のビット取り付け装置の縦断面図である。本図は、操作スリーブをクランプ位置に位置させた状態を示している。
【図12】図11の(12)矢視図であって、ビット保持板を取り付けた操作スリーブの正面図である。本図は、操作スリーブをクランプ位置に位置させた状態を示している。
【図13】操作スリーブの平面図である。本図は、操作スリーブをクランプ位置に位置させた状態を示している。
【図14】第2実施形態のビット取り付け装置の縦断面図である。本図は、操作スリーブをアンクランプ位置に位置させた状態を示している。
【図15】図14の(15)矢視図であって、ビット保持板を取り付けた操作スリーブの正面図である。本図は、操作スリーブをアンクランプ位置に位置させた状態を示している。
【図16】操作スリーブの平面図である。本図は、操作スリーブをアンクランプ位置に位置させた状態を示している。
【図17】第2実施形態のビット取り付け装置の分解斜視図である。
【図18】第3実施形態のビット取り付け装置の縦断面図である。
【図19】図18の(19)矢視図であって、ビット保持部の正面図である。
【図20】ビット保持部の正面図であって、逃がし凹部を設けないビット保持孔に対するビットの食い付き現象を示す図である。
【符号の説明】
1…スクリュードライバ(回転工具)
2…スピンドル
2a…ビット装着孔、2b…ビット保持孔
3…ビット
4…鋼球
10…ビット取り付け装置(第1実施形態)
11…操作スリーブ、11a…突起部
12…捩りばね
15…振れ止め具、15b…弾性保持片
A…ビットの対向する2辺間の間隔
B…ビットの対向する2角部間の間隔
30…ビット取り付け装置(第2実施形態)
41…ビット保持板
42…円板部、42a…ビット保持孔
46,47…ガイド壁部
50…ビット取り付け装置(第3実施形態)
55…ビット保持孔、55a…逃がし凹部、55b…ビット保持突部
60a…R形状部

Claims (6)

  1. 回転工具のスピンドルに、断面角形を有するビットを取り付けるための装置であって、前記スピンドルに回転可能に支持した操作スリーブの内周側に、金属を素材として相互に接近する方向に弾性を有する2つの弾性保持片を設け、該2本の弾性保持片の間隔を、前記ビットの対向する2側面間の間隔よりも大きく、対向する2角部間の間隔よりも小さく設定して、該弾性保持片に前記2側面を平行に沿わせて前記ビットを該弾性保持片間に挿入可能、前記操作スリーブをクランプ側に回転操作すると前記弾性保持片が前記ビットの角部に弾性的に押圧されて該ビットが該弾性保持片により弾性的に挟み込まれる構成としたビット取り付け装置。
  2. 請求項1記載のビット取り付け装置であって、2つの弾性保持片をビット装着孔の口元前方に配置したビット取り付け装置。
  3. 回転工具のスピンドルに、断面角形を有するビットを取り付けるための装置であって、前記スピンドルに回転可能に支持した操作スリーブの内周側に、前記ビットの対向する2側面の間隔よりも大きく、対向する2角部間の間隔よりも小さい間隔の2辺を有するビット保持孔を備え、前記操作スリーブと一体で回転するビット保持板を設け、該ビット保持板と前記スピンドルとの間に、前記ビット保持孔を前記ビット装着孔に対して心出しするための心出し手段を設けたビット取り付け装置。
  4. 請求項3記載のビット取り付け装置であって、ビット保持板に円板部を設け、該円板部をスピンドルの先端面に設けた円形凹部に回転可能に挿入して、該ビット保持板を前記スピンドルに対して心出ししたビット取り付け装置。
  5. 回転工具のスピンドルに、断面角形を有するビットを取り付けるための装置であって、前記スピンドルに回転可能に支持した操作スリーブの内周側に、前記ビットを挿通可能な角形のビット保持孔を設け、該ビット保持孔には、前記ビットの角部を逃がすための逃がし凹部を設けて、前記操作スリーブをクランプ側に回転操作すると、前記ビットの側面に、前記隣接する逃がし凹部間に形成されるビット保持突部が押圧されて該ビットがその軸回りに拘束される構成としたビット取り付け装置。
  6. 請求項1〜5の何れか一つに記載したビット取り付け装置であって、スピンドルのビット装着孔に、ビットの角部を逃がすための逃がし凹部を設け、操作スリーブをクランプ側に回転操作すると、前記ビットの側面に、前記隣接する逃がし凹部間に形成されるビット保持突部が押圧されて、該ビットがその軸回りに拘束される構成としたビット取り付け装置。
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