JP3155888B2 - スパナ - Google Patents

スパナ

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JP3155888B2
JP3155888B2 JP15711194A JP15711194A JP3155888B2 JP 3155888 B2 JP3155888 B2 JP 3155888B2 JP 15711194 A JP15711194 A JP 15711194A JP 15711194 A JP15711194 A JP 15711194A JP 3155888 B2 JP3155888 B2 JP 3155888B2
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正行 松原
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Big Daishowa Seiki Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上利用分野】本発明は、ナットとボルトや工具ホ
ルダのナット等の回転式締結部材を締め付けるための工
具に係わり、特に締結部材への取り付けが容易なスパナ
に関する。
【0002】
【従来技術】従来から、ナットとボルト等のような締結
部材をその軸回りに回転することにより、その締結部材
を締め付けるものは多種知られている。これら締結部材
は、一般にその形状を六角柱等の角柱状にすることによ
り外周面にエッジを設け、その締結部材の形状に合わせ
た開口部を備えたスパナ等を締結部材に嵌装し、外周面
のエッジに係合する。そして、当該工具を回転すること
によって締結部材を締結させるのが通常である。
【0003】このことは、切削工具等のホルダ装置の締
め付けナットの場合でも同様であり、この締め付けナッ
トの外周には、ローレット加工が施され、かつスパナが
係合する凹部や係合溝が形成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、締め付
け用工具の開口部にナット等が係合するようにスパナを
ナットのエッジや係合溝に係合させもしくは嵌め込むに
は時間と手間を要するという問題があり、また締結部材
に凹凸を形成したり、これを角柱状に形成するための加
工工程が増加するという問題点がある。
【0005】さらに、ナットのエッジ等に係合させるこ
とのできるスパナの相対的な角度は限られているので、
ナットの周りに充分なスペースがない場合には、ナット
の角度位置によってはスパナを係合させることができな
いこともある。
【0006】そこで本発明は、かかる問題点を解決する
ために、締結部材への取り付けが容易で、締結部材の加
工を容易にすることができ、さらには締結部材の周りに
充分なスペースがない場合でも容易に締め付けができる
スパナを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
めに、本発明は締結部材をその軸回りに回転させること
により締結部材を他の部材に対して締め付けるためのス
パナであって、前記締結部材の外周に装着される内周面
を有し、この内周面にはスパナ本体の少なくとも一方向
への回転により締結部材の外周と前記内周面との間に喰
い込むくさび部材が配置されたことを特徴とする。
【0008】前記内周面にはくさび部材を保持する保持
手段が設けられ、この保持手段は、くさび部材を収容す
る遊び領域とくさび領域を形成し、くさび部材は、スパ
ナ本体の前記一方向への回転によりくさび領域に位置し
て締結部材の外周と該くさび領域の壁面との間に喰い込
むよう構成されていることが好ましく、くさび部材は、
スパナ本体が前記一方向と逆方向に回転することによ
り、遊び領域に移動するよう構成されていることが好ま
しい。
【0009】また、前記保持手段は、スパナ本体の内周
面に配置され、くさび部材を周方向に所定の間隔を移動
可能に保持するリテーナと、スパナ本体の内周面に形成
され、前記遊び領域と前記くさび領域の深さを決定する
溝と、を備えていることが好ましい。リテーナは、スパ
ナ本体の内周面に対して周方向に移動可能にしてもよ
い。
【0010】さらに、前記くさび領域は、遊び領域の周
方向両側に連続的に形成され、前記くさび部材はスパナ
本体の前記一方向またはその逆方向への回転により遊び
領域からいずれかの一方向のくさび領域に移動して締結
部材の外周面と該くさび領域の壁面との間に喰い込むよ
う構成されいても良く。またさらに、前記くさび部材を
遊び領域からくさび領域に向かって付勢する付勢手段を
備えていることが好ましい。
【0011】
【作用】本発明によれば、スパナ本体を少なくとも一方
向に回転することにより、くさび部材は締結部材の外周
面とスパナの内周面との間に喰い込み、これにより、ス
パナと締結部材は当該方向について一体化され、スパナ
を介して当該方向に締結部材を回転することができる。
従って、締結部材の外周面にスパナを嵌装するためのエ
ッジ等を設ける必要はなく、その形状を円筒状にするこ
とができる。このように締結部材の外周面にエッジ等を
設ける必要がなくなった結果、スパナを締結部材に嵌装
するのに時間を要したり困難を伴うことはなくなり、ま
た締結部材の加工を容易にすることができる。
【0012】
【実施例】次に本発明の実施例を、ドリル等の加工工具
を固定するためのホルダ装置すなわちチャックを例にと
り説明する。図1において、符号10はチャック本体を
示す。このチャック本体10は、主として、マシニング
センターやその他の主軸ヘッド(図示省略)に装着さ
れ、基端方向すなわち図1の左方向に向かって先細りと
なるテーパーシャンク部12と、このテーパーシャンク
部12に続いて形成されたチャック位置決め用フランジ
部14と、このフランジ部14からさらに一体的に先端
方向に突出するチャック筒16とを備えている。このチ
ャック筒16は、加工工具のストレートシャンク部また
はコレットを受ける内周面18と、先端方向に向かって
先細りとなるテーパ状に形成された外周面20と、を有
している。このチャック筒16の外周面20には締結部
材としての円筒形状の回転筒22が回転自在に遊嵌さ
れ、この回転筒22は、チャック筒16の外周面20と
対応して先端方向に向かって先細テーパ状に形成された
内周面24を有している。また、回転筒22の基端部に
は、半径方向外側に若干突出するストッパ25が周設さ
れている。
【0013】この回転筒22とチャック筒16との間に
は、複数のニードルローラ26が介装され、これらニー
ドルローラ26はリテーナ28によって回転自在に保持
されている。回転筒22を回転することによってニード
ルローラ26は自転しつつチャック筒16の外周面20
に対して螺旋状に公転し、これにより、チャック筒16
に工具把持力を与えるように構成されている。符号30
はシール材、32はストップリングを示し、これによっ
てニードルローラ26の脱落が防止されている。また、
回転筒22の外周面23はなめらかな周面を有し、この
外周面には、従来のチャックの回転筒と異なり、ローレ
ット加工が施されてなく、また、スパナと係合するため
の凹部も設けられていない。
【0014】図2は前記回転筒22を回転させてチャッ
ク筒と加工工具とを締結するためのスパナ34を示す。
このスパナ34は、回転筒22の外径よりも若干大きい
内径を有して回転筒22を挿入可能な断面円形状の開口
部40を備えた本体部39と、この本体部39に一体的
に一対設けられたハンドル36とによって構成されてい
る。そして開口部40の内周面38には、くさび機構が
設けられている。
【0015】このくさび機構は、図4に示すように、内
周面38の周方向に適宜間隔をおいて複数配置された円
筒状のくさび部材44と、この各くさび部材44を収容
する溝42と、この各くさび部材44を図4の反時計方
向に付勢するコイル状のばね46とを備えている。各溝
42は開口部40の内周面38から陥没するとともに円
筒状のくさび部材44を収容すべく軸方向(図4の紙面
に直角の方向)に所定の長さ延びている。また、溝42
は比較的深い溝である遊び領域41と、この遊び領域4
1よりも浅いくさび領域43が周方向に連続的に形成さ
れることにより構成されている。遊び領域41は、くさ
び部材44を転動自在に収納するために充分な容積を有
するとともに、くさび部材44の一部が内周面38から
内側に若干突出するようにその深さがくさび部材44の
直径より小さく形成されている。くさび領域43の深さ
は、回転筒22の外周面23との間でくさび部材44が
くさび状に喰い込むように比較的浅くなっている。ま
た、ばね46は、ばね収納部47に収納され、くさび部
材44を反時計方向、すなわち遊び領域41からくさび
領域43に向かって付勢し、図5に示すように、回転筒
22に装着されていない通常の状態ではくさび部材44
はくさび領域43に位置している。なお、ばね収納部4
7とは反対側の溝端部には突起48が形成され、この突
起48とばね46の付勢によってくさび部材44が溝4
2から脱落するのを防止している。
【0016】次に本実施例の動作について説明する。ま
ず、図3に示すように、スパナ34の開口部40をチャ
ック本体10の回転筒22の外周に装着する。この際、
くさび部材44は回転筒22と接触し、回転筒22に押
圧されてくさび領域43から遊び領域41、すなわち図
5の状態から図6の状態に移動する。この遊び領域41
は、遊びを持ってくさび部材44を収納するため、回転
筒22との喰い込みはない。よって、開口部40を回転
筒22に装着する際、くさび部材44の外周面が回転筒
22の外周面23に接するもののその作業をさまたげる
ものではなく、スムーズにスパナ34の開口部40を回
転筒22に装着することができる。この際、回転筒22
は円柱状に形成されているため、回転筒22の形状など
に合わせてスパナ34を装着する必要はない。
【0017】次に、このスパナ34を図6の時計方向、
すなわち図3の矢印の方向に回転させると、くさび部材
44は、溝42の遊び領域41の内周面と回転筒22の
外周面23に接していることにより、およびばね46の
付勢力により、自転しつつ相対的に反時計方向に移動す
る。くさび部材44が相対的に反時計方向に移動する
と、くさび部材44はくさび領域43に位置し、くさび
部材44は、図7に示されるように、くさび領域43の
壁面と回転筒22の外周面23との間にくさび状に喰い
込み、スパナと回転筒は一体化される。このため、さら
に同方向にスパナを回転すると回転筒22は、くさび部
材44を介して時計方向に回転する。回転筒22は、こ
の回転によってチャック本体の基端方向に移動し、これ
によりチャック筒16の内周面18は収縮し、加工工
具、例えばドリル、エンドミル等を固定することができ
る。
【0018】次にスパナ34を回転筒22から取り外す
際は、スパナ34を反時計方向に回転させれば、くさび
部材44は相対的に時計方向に移動し、溝42の遊び領
域41に収容される。この遊び領域41は上述のように
深い溝であるため、くさび部材44の外周面は、くさび
領域43の壁面と回転筒22の外周面23に喰い込まな
いので、容易にスパナ34を回転筒22から取り出すこ
とができる。
【0019】また、本実施例においては、スパナ34を
時計方向に回転すれば、くさび部材44は溝42と回転
筒22との間に喰い込み、スパナ34を反時計方向に回
転すれば、くさび部材44は溝42と回転筒22とに喰
い込むことがなく、スパナは空転する。従って、比較的
小さな角度の正逆方向の回転操作を繰り返すことによっ
て回転筒22を締め付けることがでる。
【0020】次に、加工工具をチャック筒16から取り
外す場合は、図8に示すように、加工工具をチャック筒
16に固定する時とは反対向きにして、スパナ34を回
転筒22に装着し、スパナ34を反時計回り、すなわち
図8の矢印方向に回転する。これによって、上記と同
様、くさび部材44を介して回転筒22は反時計回りに
回転し、回転筒22は図1の左方向に移動する。これに
より、チャック筒16の内周面18は拡張し、加工工具
をチャック筒16から取り出すことができる。
【0021】以上のように本実施例よれば、スパナ34
を回転筒22に嵌装する際、回転筒の形状に合わせる必
要がないため、容易にその作業を行うことができる。ま
た、本実施例によれば、回転筒22の外周にローレット
加工を施したり、スパナを引っかけるための凹部を設け
る必要がなく、回転筒をなめらかな外周面を有する円筒
状に形成することができる。従って、締結部材である回
転筒22の加工が容易であり、回転の際の風切り音の発
生を防止することができるとともに、特に高速回転時の
バランスも保たれる。また、本実施例における回転筒2
2の外周面には、ストッパ25が周設されているので、
スパナ34を回転筒22に装着する際に、スパナ34が
ストッパ25に当接し、スパナ34が回転筒22を通り
抜けることがない。
【0022】なお、本実施例においてはスパナ34を回
転するためのハンドル36を本体部39に対称に一対設
けたが、必ずしもこのようにする必要はなく、回転筒2
2を回転することができれば一つまたは三つであっても
良い。また、本実施例においてはくさび部材44を円柱
状に形成したが、これに限定する必要はなく、転動する
ものであれば充分であり、例えば球状に形成しても良
い。さらに、本実施例においては、締結部材である回転
筒の形状を円形状に形成し、その外周面にはローレット
加工等を施さなかったが、これに限定する必要はなく、
必要に応じ多少の凹凸があっても良い。また、本実施例
においては、ばねとしてコイル状のばね46を使用した
が、これに限る必要はなく、例えば板ばねであっても良
い。
【0023】図9は、本発明の第2の実施例を示す。本
実施例が上記第1の実施例と相違する点は、スパナ34
の内周面38に、内環状のリテーナ58を固定し、この
リテーナ58に形成された複数の収容溝64にくさび部
材44を収容した点と、コイルばねの代わりに板ばね4
6´を使用した点である。
【0024】リテーナ58は、環状に形成されており、
外方に突出する突起59が前記スパナの内周面38の一
部に形成された凹部61に係合することにより、スパナ
の内周に固定されている。板ばね46´は中央部がくさ
び部材44に向かって突出する弓状に形成され、くさび
部材44をくさび領域に向かって付勢している。
【0025】以上のように、リテーナ58によってくさ
び部材を移動可能に保持し、スパナ内周面に形成された
比較的浅い溝42によって遊び領域41とくさび領域4
3を構成したので、スパナ内周面のみで両領域を形成
し、かつくさび部材を保持した第1実施例に比し、スパ
ナ内周面の加工が容易である。
【0026】図10ないし図12は、本発明の第3実施
例を示す。本実施例が上記第2実施例と相違する点は、
リテーナ58がスパナに固定されておらず、リテーナ5
8全体がスパナ34の周方向に回動することにより、く
さび部材を遊び領域からくさび領域に移動させる点と、
くさび部材毎に付勢手段を設けるのではなく、リテーナ
に付勢手段を設けることにより、各くさび部材を遊び領
域からくさび領域に付勢している点である。なお、本実
施例において第1実施例と同一なものについては、符号
を同じくし、その説明は省略する。
【0027】本実施例におけるスパナ34は、主として
スパナ本体35と、スパナ本体35の内周面38に設置
される円筒状のリテーナ58と、このリテーナ58を一
周方向に付勢するばね60と、このばね60を抑える蓋
体62と、を有する。
【0028】更に詳しくは、リテーナ58は、スパナ3
5の内周面38に周方向に回動可能に設置されており、
このリテーナ58には、前記くさび部材44を回転可能
かつ周方向に移動不能に収容する収容溝64が周方向に
適宜間隔で複数形成されている。このようにリテーナ5
8にくさび部材44が収容されるよう構成することによ
り、本実施例においては、複数のくさび部材44は、リ
テーナ58と一体となって周方向に移動する。なお、本
実施例においても、スパナの内周面38の溝42によっ
て、前記遊び領域41およびくさび領域43が構成され
る。本実施例における各々の溝42は、くさび領域43
が遊び領域41の周方向両側に連続的に形成されること
により構成されている。このように構成することによ
り、溝42を容易に形成することができる。また、符号
63は、くさび部材44が遊び領域41から時計方向側
のくさび領域43に移動するのを防止するストッパであ
り、これによりくさび部材44が、遊び領域41と反時
計方向側のくさび領域43との間のみを移動することを
確保することができる。よって、このスパナも、一方向
に回転したときのみ回転部材22とロックされるという
機能を呈するものである。
【0029】ばね60は、図13に示すようにほぼ円環
状に形成したものであり、その両端部には小突起66、
68がそれぞれ形成されている。一方の小突起66は、
リテーナ58の上面に形成された嵌合溝(図示省略)に
嵌合され、他方の小突起68は、前記蓋体62に形成さ
れた嵌合溝(図示省略)に嵌合される。このように構成
することにより、リテーナ58は常時、くさび部材44
が遊び領域41からくさび領域43の方に移動する方向
に付勢されている。
【0030】以上のように、第3実施例によれば、一つ
のばねによってくさび部材44を遊び領域41からくさ
び領域43に付勢することができ、部品点数の減少及び
組立の簡素化を図ることができる。
【0031】図14は、本発明の第4の実施例を示す。
本実施例においては、上記第1の実施例と異なり、図1
6に示すように、くさび領域43が遊び領域41の周方
向両側に連続的に形成されている。この遊び領域41の
壁面には、その壁面から陥没する陥没溝68が形成さ
れ、この陥没溝68に沿って、円柱66が出没可能に備
えられている。この円柱66は、対になって備えられて
いる板ばね46´によって常に本体部39の中心方向に
付勢されており、スパナ34を回転筒22に装着する前
の通常の状態では、陥没溝68から溝42内に突出して
いる。このため、図16の実線で示すように、スパナを
回転筒に装着する前のくさび部材44は、円柱66に押
圧されて左右いずれかのくさび領域43に位置してい
る。なお、くさび部材44の両端部にはボス部62が備
えられており、このボス部62を溝42の両側面、すな
わち図15の左右側面に設けられた嵌装溝64に嵌装す
ることにより、くさび部材44が溝42から脱落するの
を防止している。
【0032】次に本実施例の動作について説明する。ま
ず、スパナ34の開口部40を回転筒22に装着する
と、くさび部材44は回転筒22と接触し、図16の2
点鎖線で示すように、回転筒22に押圧されてくさび領
域43から遊び領域41に逃げ、円柱66をばね46´
の付勢力に抗して後退させる。よって、スムーズにスパ
ナ34の開口部40を回転筒22に装着することがで
き、また回転筒22の形状などに合わせてスパナ34を
装着する必要はない。
【0033】次にスパナ34を時計方向に回転すると、
図16に実線で示すように、くさび部材44は反時計方
向側のくさび領域43に向かって転動するとともに円柱
66の突出力により、そのくさび領域に押し込まれ、く
さび領域43の壁面と回転筒22の外周面23との間に
くさび状に喰い込み、スパナと回転筒は一体化される。
このため、さらに同方向にスパナを回転すると回転筒2
2は、くさび部材44を介して時計方向に回転し、ドリ
ル等の加工工具を固定することができる。
【0034】次にスパナ34を回転筒22から取り出す
際は、スパナ34を反時計方向に若干回転させれば、く
さび部材44は、相対的に時計方向に移動して溝42の
遊び領域41に収納される。これにより、上記実施例と
同様、スパナ34を回転筒22から容易に取り出すこと
ができる。
【0035】次に加工工具をチャック筒16から取り出
す場合は、上記第1の実施例と異なり、加工工具をチャ
ック筒16に固定する時の回転筒22に装着する向きと
は無関係に、スパナ34を回転筒22に装着しても良
い。その装着後、スパナ34を反時計方向に回転する
と、くさび部材44は相対的に時計方向側のくさび領域
43に移動し、同様にしてくさび領域43の壁面と回転
筒22の外周面23との間にくさび状に喰い込み、スパ
ナと回転筒は一体化される。このため、スパナ34をさ
らに反時計方向に回転することにより、回転筒22はス
パナ34を介して反時計方向に回転し、ドリル等の加工
工具をチャックから取り出すことができる。すなわち本
実施例によれば、加工工具を取り付ける場合と取り外す
場合とでスパナ34の回転筒22に装着する向きを換え
る必要はない。
【0036】以上の実施例では、締結部材としてチャッ
クの締め付けナットを例にとったが、これに限定する必
要はなく、例えば図17の第5実施例に示すように、本
発明はナット54とボルト56を締め付ける場合にも適
用できる。この実施例におけるナット54およびボルト
56の頭部形状は、なめらかな円周を有する形状をして
おり、スパナ等を引っかけるためのエッジ等を備えてい
ない。スパナ34の構造は上記第1実施例と同じであ
り、その説明は省略する。このように本発明の第5実施
例によっても、ナット等の外周面にスパナを引っかける
ためのエッジ等を設けていないため、ナット等の加工が
容易であり、またナットにスパナを挿入する際ナットの
形状に合わせる必要はなく、容易にナット等にスパナを
装着することができる。さらに、本実施例におけるナッ
ト等はエッジを有しないため、ナットがつぶれることに
よってナットの使用が不可能になるということはない。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、締結部材
への取り付けが容易で、締結部材の加工を容易にするこ
とができ、さらには締結部材の周りに障害物がある場合
でも容易に締め付け作業ができるスパナを提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の締め付けの対象となるチャックの切
り欠き断面図を示す。
【図2】本実施例に係わるスパナの平面図である。
【図3】チャックを締め付ける際のチャックとスパナの
一部切り欠き側面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿った断面図である。
【図5】スパナを回転筒に装着する前のくさび機構の拡
大図である。
【図6】スパナを回転筒に装着している際のくさび機構
の拡大図である。
【図7】くさび部材がくさび領域の壁面と回転筒の外周
面との間に喰い込んだ状態を示す拡大図である。
【図8】チャックを緩める際のチャックとスパナの側面
図である。
【図9】本発明の第2実施例を示す要部断面図である。
【図10】本発明の第3実施例を示す一部切り欠き平面
図である。
【図11】図10のXI−XI線に沿った断面図であ
る。
【図12】第3実施例の図9と同位置の断面図である。
【図13】第3実施例に使用されるばねの斜視図であ
る。
【図14】本発明の第4実施例を示す断面図である。
【図15】図14におけるXV−XV線に沿った断面図
である。
【図16】図15におけるXVI−XVI線に沿った断
面図である。
【図17】本発明の第5実施例に係わるスパナとナット
ボルトの側面図である。
【符号の説明】
22 回転筒 34 スパナ 38 内周面 44 くさび部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25B 13/46 B25B 13/28

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 締結部材をその軸周りに回転させること
    により、締結部材を他の部材に対して締め付けるための
    スパナであって、 前記締結部材の外周に装着される内周面を備えたスパナ
    本体を有し、 当該スパナ本体の内周面には、くさび部材と、当該くさ
    び部材を保持すると共に、前記くさび部材を収容する遊
    び領域とくさび領域を形成する保持手段が設けられ、 当該保持手段は、前記スパナの周方向に回動すると共
    に、当該回動によって、前記くさび部材を周方向に一定
    の範囲で移動可能に保持するリテーナと、当該リテーナ
    を前記くさび部材が前記遊び領域からくさび領域の方に
    移動する方向に付勢するばねと、スパナ本体の内周面に
    形成され、前記遊び領域と前記くさび領域の深さを決定
    する溝と、を備え、 前記くさび部材は、スパナ本体の少なくとも一方向への
    回転によりくさび領域に位置して、前記締結部材の外周
    と該くさび領域の壁面との間に食い込むよう構成され、
    かつ前記スパナ本体が前記一方向と逆方向に回転するこ
    とにより、遊び領域に移動するスパナ。
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