JPH0723125Y2 - 工具チャック - Google Patents
工具チャックInfo
- Publication number
- JPH0723125Y2 JPH0723125Y2 JP593093U JP593093U JPH0723125Y2 JP H0723125 Y2 JPH0723125 Y2 JP H0723125Y2 JP 593093 U JP593093 U JP 593093U JP 593093 U JP593093 U JP 593093U JP H0723125 Y2 JPH0723125 Y2 JP H0723125Y2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- cylinder
- chuck
- tightening
- tool
- ring
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Lifetime
Links
Landscapes
- Gripping On Spindles (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、先細テーパ状外周にニ
ードルローラを介して外嵌した締付筒の締め付けによ
り、該チャック筒の工具保持孔に嵌挿した工具を緊締固
定するニードルロールロック方式の工具チャックに関す
る。
ードルローラを介して外嵌した締付筒の締め付けによ
り、該チャック筒の工具保持孔に嵌挿した工具を緊締固
定するニードルロールロック方式の工具チャックに関す
る。
【0002】
【従来の技術】この種の工具チャックでは、チャック本
体のチャック筒に切削工具のシャンク部を直接又はスト
レートコレットを介して嵌挿し、該チャック筒の緩い先
細テーパ状の外周にニードルローラを介して外嵌した締
付筒を締め付け操作することにより、上記ニードルロー
ラの螺旋状公転を伴ってチャック筒又はこれと上記コレ
ットとが縮径し、工具が緊締固定されるようになされて
いる。しかして、このような工具チャックによる切削加
工においては、細かい切り粉や切削油がチャック筒と締
付筒の間に侵入し易く、この侵入によってチャッキング
精度や把持力が低下し、加工精度が落ちると共にチャッ
クの寿命も短くなり、更には工具の抜け出しによる被加
工物の損傷や重大事故を招く恐れがある。
体のチャック筒に切削工具のシャンク部を直接又はスト
レートコレットを介して嵌挿し、該チャック筒の緩い先
細テーパ状の外周にニードルローラを介して外嵌した締
付筒を締め付け操作することにより、上記ニードルロー
ラの螺旋状公転を伴ってチャック筒又はこれと上記コレ
ットとが縮径し、工具が緊締固定されるようになされて
いる。しかして、このような工具チャックによる切削加
工においては、細かい切り粉や切削油がチャック筒と締
付筒の間に侵入し易く、この侵入によってチャッキング
精度や把持力が低下し、加工精度が落ちると共にチャッ
クの寿命も短くなり、更には工具の抜け出しによる被加
工物の損傷や重大事故を招く恐れがある。
【0003】そこで従来においては、図6に示すよう
に、チャック筒1の先端側の外周ならびに締付筒2の後
端側の内周に環状溝1a,2aを形成し、これら環状孔
1a,2a内にそれぞれ、ゴム等の弾性材料からなるシ
ールリング3a,3bとその外側に配置する開環状また
は閉環状の金属製係止リング(スナップリング)4a,
4bとを嵌装し、チャック筒1の工具保持孔1b内に嵌
装した切削工具5を締付筒2の締め付け操作により緊締
固定した際に、該チャック筒1と締付筒2との間のニー
ドルローラ6…を装填した環状空間7をシールリング3
a,3bにより前後両側で封止し、もって切削加工中の
切り粉や切削油の該環状空間7内への侵入を防止すると
共に、これらシールリング3a,3bにニードルローラ
6…の抜け止め機能を担わせるようにした構造が多用さ
れている。なお、6aはニードルローラ6…を保持させ
た筒形のリテーナー、8a,8bは各シールリング3
a,3bの形状保持のために両側に配置したワッシャで
ある。
に、チャック筒1の先端側の外周ならびに締付筒2の後
端側の内周に環状溝1a,2aを形成し、これら環状孔
1a,2a内にそれぞれ、ゴム等の弾性材料からなるシ
ールリング3a,3bとその外側に配置する開環状また
は閉環状の金属製係止リング(スナップリング)4a,
4bとを嵌装し、チャック筒1の工具保持孔1b内に嵌
装した切削工具5を締付筒2の締め付け操作により緊締
固定した際に、該チャック筒1と締付筒2との間のニー
ドルローラ6…を装填した環状空間7をシールリング3
a,3bにより前後両側で封止し、もって切削加工中の
切り粉や切削油の該環状空間7内への侵入を防止すると
共に、これらシールリング3a,3bにニードルローラ
6…の抜け止め機能を担わせるようにした構造が多用さ
れている。なお、6aはニードルローラ6…を保持させ
た筒形のリテーナー、8a,8bは各シールリング3
a,3bの形状保持のために両側に配置したワッシャで
ある。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかるに、近年ではマ
シニングセンタ等の高速化が進み、切削加工時の主軸回
転数が10,000〜20,000rpmのものはもと
より、同回転数が40,000〜50,000rpmに
も及ぶ機械も登場している。しかして、このような高速
回転になると、前記従来のシールリング3a,3bを用
いた工具チャックでは、図7に示すように、チャック筒
1の先端側の係止リング4aが加工中に遠心力により拡
径して環状溝1aから外れ易く、同図仮想線のように外
へ飛び出し、工具の刃先に絡んで切削部位に噛み込み、
切削不良を生じたり切削不能に陥る恐れがあり、またシ
ールリング3aの嵌装状態も不安定になって本来のシー
ル効果を発揮できなくなるという問題があった。
シニングセンタ等の高速化が進み、切削加工時の主軸回
転数が10,000〜20,000rpmのものはもと
より、同回転数が40,000〜50,000rpmに
も及ぶ機械も登場している。しかして、このような高速
回転になると、前記従来のシールリング3a,3bを用
いた工具チャックでは、図7に示すように、チャック筒
1の先端側の係止リング4aが加工中に遠心力により拡
径して環状溝1aから外れ易く、同図仮想線のように外
へ飛び出し、工具の刃先に絡んで切削部位に噛み込み、
切削不良を生じたり切削不能に陥る恐れがあり、またシ
ールリング3aの嵌装状態も不安定になって本来のシー
ル効果を発揮できなくなるという問題があった。
【0005】本考案は、上述の状況に鑑み、チャック筒
1の先端側の外周に形成された環状溝1a内にシールリ
ング3aと係止リング4aとが嵌装されたニードルロー
ルロック方式の工具チャックとして、切削時の遠心力に
よる上記係止リング4aの抜け出しを防止でき、もって
近年の超高速回転による切削加工にも充分に対応できる
ものを提供することを目的としている。
1の先端側の外周に形成された環状溝1a内にシールリ
ング3aと係止リング4aとが嵌装されたニードルロー
ルロック方式の工具チャックとして、切削時の遠心力に
よる上記係止リング4aの抜け出しを防止でき、もって
近年の超高速回転による切削加工にも充分に対応できる
ものを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本考案の請求項1は、チャック筒1の先細テーパ状
外周にニードルローラ6…を介して外嵌した締付筒1の
締め付けにより、該チャック筒1の工具保持孔1bに嵌
挿した工具5を緊締固定する工具チャックにおいて、上
記チャック筒1の先端側の外周に形成された環状溝1a
内に、上記工具5の緊締固定時に該チャック筒1と上記
締付筒2との間を封止する弾性材料からなるシールリン
グ3aと、このシールリング3aよりもチャック筒1先
端寄りに配置する開環状の係止リング4aとが嵌装され
ると共に、上記締付筒2の先端側の内周に上記係止リン
グ4aの抜け止め用の突縁部11,12,12a,12
bが設けられてなることを特徴とする構成を採用したも
のである。
に、本考案の請求項1は、チャック筒1の先細テーパ状
外周にニードルローラ6…を介して外嵌した締付筒1の
締め付けにより、該チャック筒1の工具保持孔1bに嵌
挿した工具5を緊締固定する工具チャックにおいて、上
記チャック筒1の先端側の外周に形成された環状溝1a
内に、上記工具5の緊締固定時に該チャック筒1と上記
締付筒2との間を封止する弾性材料からなるシールリン
グ3aと、このシールリング3aよりもチャック筒1先
端寄りに配置する開環状の係止リング4aとが嵌装され
ると共に、上記締付筒2の先端側の内周に上記係止リン
グ4aの抜け止め用の突縁部11,12,12a,12
bが設けられてなることを特徴とする構成を採用したも
のである。
【0007】また本考案の請求項2は、上記請求項1の
環状突縁部11,12,12a,12bとして、内周面
が締付筒2の締付状態においてチャック筒1側の係止リ
ング4aの外周面に対向し、この対向面相互の当接によ
って該係止リング4aの拡径による環状溝1aからの離
脱を阻止する構成を採用したものである。
環状突縁部11,12,12a,12bとして、内周面
が締付筒2の締付状態においてチャック筒1側の係止リ
ング4aの外周面に対向し、この対向面相互の当接によ
って該係止リング4aの拡径による環状溝1aからの離
脱を阻止する構成を採用したものである。
【0008】更に本考案の請求項3は上記請求項1又は
2の前記突縁部が締付筒2の内周に設けた環状溝2b内
に嵌装された開環状または閉環状リング11からなる構
成、請求項4は同じく前記突縁部が締付筒2の内周に一
体形成された突縁部12である構成、請求項5は同じく
前記突縁部が締付筒の先端内周面にねじ込まれた環状リ
ング12aからなる構成、あるいは請求項6は前記突縁
部が締付筒の先端部に径方向に圧入またはねじ込まれそ
の先端部が締付筒の先端内周面から突出した突起12b
からなる構成をそれぞれ採用したものである。
2の前記突縁部が締付筒2の内周に設けた環状溝2b内
に嵌装された開環状または閉環状リング11からなる構
成、請求項4は同じく前記突縁部が締付筒2の内周に一
体形成された突縁部12である構成、請求項5は同じく
前記突縁部が締付筒の先端内周面にねじ込まれた環状リ
ング12aからなる構成、あるいは請求項6は前記突縁
部が締付筒の先端部に径方向に圧入またはねじ込まれそ
の先端部が締付筒の先端内周面から突出した突起12b
からなる構成をそれぞれ採用したものである。
【0009】
【作用】締付筒2の先端側の内周に突縁部11,12,
12a,12bを有するため、切削加工時の工具チャッ
クの高速回転によりチャック筒1先端側の環状溝1a内
にシールリング3aと共に嵌装された係止リング4aが
切削加工時の工具チャックの高速回転による遠心力によ
って拡径しても、上記突縁部11,12,12a,12
bにより該係止リング4aの外への飛び出しが阻止され
る。
12a,12bを有するため、切削加工時の工具チャッ
クの高速回転によりチャック筒1先端側の環状溝1a内
にシールリング3aと共に嵌装された係止リング4aが
切削加工時の工具チャックの高速回転による遠心力によ
って拡径しても、上記突縁部11,12,12a,12
bにより該係止リング4aの外への飛び出しが阻止され
る。
【0010】しかして、上記突縁部11,12,12
a,12bは、締付筒の締付状態においてチャック筒1
先端側の環状溝3a内に嵌装された係止リング4aより
も外側に位置して該係止リング4aの外への飛び出しの
みを阻止するものであり、更には請求項2の如く、内周
面が同締付状態において係止リング4aの外周面に対向
し、この対向面相互の当接によって該係止リング4aの
拡径による環状溝1aからの離脱を阻止するように設定
してもよい。
a,12bは、締付筒の締付状態においてチャック筒1
先端側の環状溝3a内に嵌装された係止リング4aより
も外側に位置して該係止リング4aの外への飛び出しの
みを阻止するものであり、更には請求項2の如く、内周
面が同締付状態において係止リング4aの外周面に対向
し、この対向面相互の当接によって該係止リング4aの
拡径による環状溝1aからの離脱を阻止するように設定
してもよい。
【0011】なお、このような突縁部としては、請求項
3の如く締付筒2の内周に設けた環状溝2b内に嵌装さ
れた開環状または閉環状の係止リング11からなる構
成、請求項4の締付筒2の内周に一体形成された突縁部
12である構成、前記突縁部が締付筒の先端内周面にね
じ込まれた環状リング12aからなる請求項5の構成、
あるいは前記突縁部が締付筒の先端部に径方向に圧入ま
たはねじ込まれその先端部が締付筒の先端内周面から突
出した突起12bからなる請求項6の構成のいずれをも
採用できる。
3の如く締付筒2の内周に設けた環状溝2b内に嵌装さ
れた開環状または閉環状の係止リング11からなる構
成、請求項4の締付筒2の内周に一体形成された突縁部
12である構成、前記突縁部が締付筒の先端内周面にね
じ込まれた環状リング12aからなる請求項5の構成、
あるいは前記突縁部が締付筒の先端部に径方向に圧入ま
たはねじ込まれその先端部が締付筒の先端内周面から突
出した突起12bからなる請求項6の構成のいずれをも
採用できる。
【0012】
【実施例】図1〜図3は本考案の第一実施例に係るニー
ドルローラロック方式の工具チャックを示しており、図
1及び図2は工具緊締前の状態、図3は工具緊締後の状
態である。これら図において、10はチャック本体であ
り、前部側が外周を緩い先細テーパ面としたチャック筒
1を構成すると共に、後部側がマシニングセンタ等のス
ピンドルに対して着脱自在に取り付けられる先細テーパ
状のシャンク部9となり、中央部外周にマニュピュレー
ター把持用等のチャック位置決め用鍔部10aを備えて
いる。2は内周がチャック筒1の外周に対応するテーパ
面をなす締付筒であり、リテーナー6aに保持された多
数のニードルローラ6…を介してチャック筒1の外側に
嵌装されている。
ドルローラロック方式の工具チャックを示しており、図
1及び図2は工具緊締前の状態、図3は工具緊締後の状
態である。これら図において、10はチャック本体であ
り、前部側が外周を緩い先細テーパ面としたチャック筒
1を構成すると共に、後部側がマシニングセンタ等のス
ピンドルに対して着脱自在に取り付けられる先細テーパ
状のシャンク部9となり、中央部外周にマニュピュレー
ター把持用等のチャック位置決め用鍔部10aを備えて
いる。2は内周がチャック筒1の外周に対応するテーパ
面をなす締付筒であり、リテーナー6aに保持された多
数のニードルローラ6…を介してチャック筒1の外側に
嵌装されている。
【0013】ニードルローラ6…はチャック筒1のテー
パ面の母線に対してローラ軸心が締付筒2回転方向に若
干傾斜して配置しており、締付筒2の回転操作に伴って
チャック筒1上を螺旋状に公転し、もって締付筒2がチ
ャック筒1に対して軸方向移動する。しかして、切削工
具5は、そのシャンク部を工具保持孔1bに嵌挿し、締
付筒2を締付方向に回転操作することにより、チャック
筒1が縮径して軸方向移動および相対回転不能に把持さ
れる。
パ面の母線に対してローラ軸心が締付筒2回転方向に若
干傾斜して配置しており、締付筒2の回転操作に伴って
チャック筒1上を螺旋状に公転し、もって締付筒2がチ
ャック筒1に対して軸方向移動する。しかして、切削工
具5は、そのシャンク部を工具保持孔1bに嵌挿し、締
付筒2を締付方向に回転操作することにより、チャック
筒1が縮径して軸方向移動および相対回転不能に把持さ
れる。
【0014】チャック筒1の先端側の外周には環状溝1
aが形成され、該環状孔1a内には、ゴム等の弾性材料
からなるシールリング3aと、これを両側から挟む形状
保持用の金属製ワッシャ8a,8aと、その外側つまり
チャック筒1の先端寄りに配置する開環状の金属製係止
リング(スナップリング)4aとが嵌装されている。ま
た締付筒2の後端側の内周にも環状溝2aが形成され、
該環状溝2a内に同様にシールリング3b及びワッシャ
8b,8bと係止リング4bが嵌装されている。ここ
で、両シールリング3a,3bは、径方向幅が隣接する
ワッシャ8a,8aよりも大きく、且つチャック筒1の
工具保持孔1b内に嵌装した工具5を締付筒2の締め付
け操作により緊締固定した際に、前者3aは締付筒2の
内周に、後者3bはチャック筒1の外周にそれぞれ密着
し、もって該チャック筒1と締付筒2との間のニードル
ローラ6…を装填した環状空間7を前後両側で封止し、
切削加工中の切り粉や切削油の該環状空間7内への侵入
を防止すると共に、ニードルローラ6…の抜け止め機能
を担う。
aが形成され、該環状孔1a内には、ゴム等の弾性材料
からなるシールリング3aと、これを両側から挟む形状
保持用の金属製ワッシャ8a,8aと、その外側つまり
チャック筒1の先端寄りに配置する開環状の金属製係止
リング(スナップリング)4aとが嵌装されている。ま
た締付筒2の後端側の内周にも環状溝2aが形成され、
該環状溝2a内に同様にシールリング3b及びワッシャ
8b,8bと係止リング4bが嵌装されている。ここ
で、両シールリング3a,3bは、径方向幅が隣接する
ワッシャ8a,8aよりも大きく、且つチャック筒1の
工具保持孔1b内に嵌装した工具5を締付筒2の締め付
け操作により緊締固定した際に、前者3aは締付筒2の
内周に、後者3bはチャック筒1の外周にそれぞれ密着
し、もって該チャック筒1と締付筒2との間のニードル
ローラ6…を装填した環状空間7を前後両側で封止し、
切削加工中の切り粉や切削油の該環状空間7内への侵入
を防止すると共に、ニードルローラ6…の抜け止め機能
を担う。
【0015】しかして、この第一実施例の工具チャック
では、締付筒2の先端側の内周に環状溝2aが形成さ
れ、この環状溝2a内に開環状の金属製係止リング(ス
ナップリング)11が嵌装されて環状突縁部を構成して
おり、工具5を締付筒2の締め付け操作により緊締固定
した際に、図3に示すように、該係止リング11の内周
面がチャック筒1側の係止リング4aの外周面に対向す
るように設定されている。従って、切削加工時に工具チ
ャックが高速回転したとき、その遠心力によってチャッ
ク筒1側の係止リング4aは拡径しようとするが、ある
程度まで拡径した段階で締付筒2側の係止リング11に
当接し、それ以上の拡径が阻止されるために環状溝1a
から離脱できない。もって例えば切削加工時の主軸回転
数が40,000〜50,000rpmといった高速切
削においても、シールリング3aのシール効果が充分に
果たされ、環状空間7内への切り粉や切削油の侵入が阻
止され、高精度の加工を行える。
では、締付筒2の先端側の内周に環状溝2aが形成さ
れ、この環状溝2a内に開環状の金属製係止リング(ス
ナップリング)11が嵌装されて環状突縁部を構成して
おり、工具5を締付筒2の締め付け操作により緊締固定
した際に、図3に示すように、該係止リング11の内周
面がチャック筒1側の係止リング4aの外周面に対向す
るように設定されている。従って、切削加工時に工具チ
ャックが高速回転したとき、その遠心力によってチャッ
ク筒1側の係止リング4aは拡径しようとするが、ある
程度まで拡径した段階で締付筒2側の係止リング11に
当接し、それ以上の拡径が阻止されるために環状溝1a
から離脱できない。もって例えば切削加工時の主軸回転
数が40,000〜50,000rpmといった高速切
削においても、シールリング3aのシール効果が充分に
果たされ、環状空間7内への切り粉や切削油の侵入が阻
止され、高精度の加工を行える。
【0016】図4及び図5は本考案の第二実施例に係る
ニードルローラロック方式の工具チャックを示してお
り、図4は工具緊締前の状態、図5は工具緊締後の状態
である。この第二実施例の工具チャックでは、前記第一
実施例における締付筒2の先端側の内周に設けた係止リ
ング11の代わりに、該締付筒2自体の先端側の内周に
環状突縁部12が一体形成されている。しかして、この
環状突縁部12も、工具5を締付筒2の締め付け操作に
より緊締固定した際に、図5に示すように、その内周面
がチャック筒1側の係止リング4aの外周面に対向する
ように設定されている。
ニードルローラロック方式の工具チャックを示してお
り、図4は工具緊締前の状態、図5は工具緊締後の状態
である。この第二実施例の工具チャックでは、前記第一
実施例における締付筒2の先端側の内周に設けた係止リ
ング11の代わりに、該締付筒2自体の先端側の内周に
環状突縁部12が一体形成されている。しかして、この
環状突縁部12も、工具5を締付筒2の締め付け操作に
より緊締固定した際に、図5に示すように、その内周面
がチャック筒1側の係止リング4aの外周面に対向する
ように設定されている。
【0017】従って、この第二実施例においても、切削
加工時に工具チャックが高速回転したとき、その遠心力
によってチャック筒1側の係止リング4aがある程度ま
で拡径した段階で締付筒2側の環状突縁部12に当接
し、それ以上の拡径が阻止されて環状溝1aから離脱で
きず、もって第一実施例と同様に、シールリング3aの
シール効果が充分に果たされ、環状空間7内への切り粉
や切削油の侵入が阻止され、高精度の加工を行える。
加工時に工具チャックが高速回転したとき、その遠心力
によってチャック筒1側の係止リング4aがある程度ま
で拡径した段階で締付筒2側の環状突縁部12に当接
し、それ以上の拡径が阻止されて環状溝1aから離脱で
きず、もって第一実施例と同様に、シールリング3aの
シール効果が充分に果たされ、環状空間7内への切り粉
や切削油の侵入が阻止され、高精度の加工を行える。
【0018】なお、上記実施例ではシールリング3aの
両側に形状保持用の金属製ワッシャ8a,8aを配置し
ているが、これらワッシャ8a,8aは該シールリング
3aの軸方向厚みが大きく充分な自己形状保持性を備え
る場合には不要である。また上記実施例では締付筒2の
後端側にも環状溝2aを設けてシールリング3b及びス
ナップリング4bを嵌装しているが、チャック筒1と締
付筒2との間の環状空間7を後部側で封止する手段とし
て、チャック筒1の基部にゴム等の弾性材料からなる厚
肉且つ径大のシールリングを嵌装したり、締付筒2の後
端面又はチャック本体10の鍔部10aの周側面にシー
ルリングを取り付けることにより、該締付筒2の締付状
態で当該締付筒2の後端面とチャック本体10の鍔部1
0aとの間を封止する構成も採用可能である。
両側に形状保持用の金属製ワッシャ8a,8aを配置し
ているが、これらワッシャ8a,8aは該シールリング
3aの軸方向厚みが大きく充分な自己形状保持性を備え
る場合には不要である。また上記実施例では締付筒2の
後端側にも環状溝2aを設けてシールリング3b及びス
ナップリング4bを嵌装しているが、チャック筒1と締
付筒2との間の環状空間7を後部側で封止する手段とし
て、チャック筒1の基部にゴム等の弾性材料からなる厚
肉且つ径大のシールリングを嵌装したり、締付筒2の後
端面又はチャック本体10の鍔部10aの周側面にシー
ルリングを取り付けることにより、該締付筒2の締付状
態で当該締付筒2の後端面とチャック本体10の鍔部1
0aとの間を封止する構成も採用可能である。
【0019】また図6に示すように、前記突縁部は、締
付筒2の先端部内周面に雌ねじ部を設け、これに対応す
る雄ねじ部を外周面に有するリング12aをねじ込んだ
ものでもよく、あるいは図7の(a)〜(c)に示すよ
うに、前記突縁部は、締付筒2の先端部に外周面側から
内周面側にかけて径方向に圧入またはねじ込むピンを図
7の(C)に示すように周方向適当間隔に設け、これら
のピンの先端部が締付筒2の内周面から突出する突起1
2bであってもよい。
付筒2の先端部内周面に雌ねじ部を設け、これに対応す
る雄ねじ部を外周面に有するリング12aをねじ込んだ
ものでもよく、あるいは図7の(a)〜(c)に示すよ
うに、前記突縁部は、締付筒2の先端部に外周面側から
内周面側にかけて径方向に圧入またはねじ込むピンを図
7の(C)に示すように周方向適当間隔に設け、これら
のピンの先端部が締付筒2の内周面から突出する突起1
2bであってもよい。
【0020】
【考案の効果】請求項1の考案によれば、チャック筒の
先端側の外周に形成された環状溝内にシールリングと係
止リングとが嵌装されたニードルロールロック方式の工
具チャックとして、切削加工時の主軸回転数が非常に高
速である場合でも、上記係止リングが外へ飛び出す恐れ
がなく、シールリングのシール効果が充分に果たされ、
チャック筒と締付筒との間のニードルローラを装填した
環状空間内への切り粉や切削油の侵入が阻止され、もっ
て安全に高精度の加工を行え、例えば上記の回転数が4
0,000〜50,000rpmといった高速切削にも
充分に対応し得るものを提供できる。
先端側の外周に形成された環状溝内にシールリングと係
止リングとが嵌装されたニードルロールロック方式の工
具チャックとして、切削加工時の主軸回転数が非常に高
速である場合でも、上記係止リングが外へ飛び出す恐れ
がなく、シールリングのシール効果が充分に果たされ、
チャック筒と締付筒との間のニードルローラを装填した
環状空間内への切り粉や切削油の侵入が阻止され、もっ
て安全に高精度の加工を行え、例えば上記の回転数が4
0,000〜50,000rpmといった高速切削にも
充分に対応し得るものを提供できる。
【0021】請求項2の考案によれば、上記の工具チャ
ックとして、切削加工時の遠心力による上記係止リング
のある程度以上の拡径が阻止され、もって該係止リング
が環状溝からの離脱せず、より確実なシールリングのシ
ール効果に基づく更に高精度の加工を行えるものを提供
できる。
ックとして、切削加工時の遠心力による上記係止リング
のある程度以上の拡径が阻止され、もって該係止リング
が環状溝からの離脱せず、より確実なシールリングのシ
ール効果に基づく更に高精度の加工を行えるものを提供
できる。
【0022】請求項3〜請求項6の考案によれば、上記
の工具チャックとして構造的に極めて簡素で安価に製作
できるものを提供できると共に、既存のこの種工具チャ
ックでも僅かな改変のみで上記の如く高速切削に対応し
得るものに転換できるという利点がある。
の工具チャックとして構造的に極めて簡素で安価に製作
できるものを提供できると共に、既存のこの種工具チャ
ックでも僅かな改変のみで上記の如く高速切削に対応し
得るものに転換できるという利点がある。
【図1】 本考案の第一実施例の工具チャックの半断面
側面図。
側面図。
【図2】 同工具チャックの工具緊締前の状態を示す要
部の縦断図。
部の縦断図。
【図3】 同工具チャックの工具緊締後の状態を示す要
部の縦断図。
部の縦断図。
【図4】 本考案の第二実施例の工具チャックの工具緊
締前の状態を示す要部の縦断図。
締前の状態を示す要部の縦断図。
【図5】 同工具チャックの工具緊締後の状態を示す要
部の縦断面図。
部の縦断面図。
【図6】 同他の実施例を示す要部の縦断面図である。
【図7】 従来の工具チャックの工具緊締前の状態を示
す要部の縦断図。
す要部の縦断図。
【図8】 同従来の工具チャックの加工中の状態を示す
要部の縦断図。
要部の縦断図。
1 チャック筒 1a 環状溝 1b 工具保持孔 2 締付筒 2b 環状溝 3a シールリング 4a 係止リング 5 切削工具 6 ニードルローラ 10 チャック本体 11 係止リング(突縁部) 12 突縁部 12a 突縁部 12b 突縁部
Claims (6)
- 【請求項1】 チャック筒の先細テーパ状外周にニード
ルローラを介して外嵌した締付筒の締め付けにより、該
チャック筒の工具保持孔に嵌挿した工具を緊締固定する
工具チャックにおいて、上記チャック筒の先端側の外周
に形成された環状溝内に、上記工具の緊締固定時に該チ
ャック筒と上記締付筒との間を封止する弾性材料からな
るシールリングと、このシールリングよりもチャック筒
先端寄りに配置する係止リングとが嵌装されると共に、
上記締付筒の先端側の内周に上記係止リングの抜け止め
用の突縁部が設けられなることを特徴とする工具チャッ
ク。 - 【請求項2】 前記突縁部は、内周面が締付筒の締付状
態においてチャック筒側の係止リングの外周面に対向
し、この対向面相互の当接によって該係止リングの拡径
による環状溝からの離脱を阻止するものである請求項1
記載の工具チャック。 - 【請求項3】 前記突縁部が、締付筒の内周に設けた環
状溝内に嵌装された開環状または閉環状のリングからな
る請求項1又は2に記載の工具チャック。 - 【請求項4】 前記突縁部が、締付筒の内周に一体形成
されたものである請求項1又は2に記載の工具チャッ
ク。 - 【請求項5】 前記突縁部が、締付筒の先端内周面にね
じ込まれた環状リングからなる請求項1または2記載の
工具チャック。 - 【請求項6】 前記突縁部が、締付筒の先端部に径方向
に圧入またはねじ込まれその先端部が締付筒の先端内周
面から突出した突起からなる請求項1または2記載の工
具チャック。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP593093U JPH0723125Y2 (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | 工具チャック |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP593093U JPH0723125Y2 (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | 工具チャック |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0663209U JPH0663209U (ja) | 1994-09-06 |
JPH0723125Y2 true JPH0723125Y2 (ja) | 1995-05-31 |
Family
ID=11624620
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP593093U Expired - Lifetime JPH0723125Y2 (ja) | 1993-02-22 | 1993-02-22 | 工具チャック |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0723125Y2 (ja) |
-
1993
- 1993-02-22 JP JP593093U patent/JPH0723125Y2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH0663209U (ja) | 1994-09-06 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3604691B2 (ja) | シャフト又はチューブに使用するロック装置 | |
KR100418639B1 (ko) | 척 | |
JPH0723125Y2 (ja) | 工具チャック | |
JP2771439B2 (ja) | スピンドル装置 | |
US7017919B2 (en) | Chuck | |
JP3155888B2 (ja) | スパナ | |
JPH07299614A (ja) | 工 具 | |
JP3692161B2 (ja) | チャック | |
KR20040007204A (ko) | 고정용 너트 및 이것을 구비한 공구홀더, 그리고 스패너 | |
JPH0633211Y2 (ja) | ロックナット | |
JPH023366Y2 (ja) | ||
JPS61103708A (ja) | 保持具 | |
JP2006205282A (ja) | 筒状金具の外周面の旋削方法 | |
JP3040905U (ja) | チャック | |
JPH0819909A (ja) | 内径コレットチャック | |
JPH065812U (ja) | コレットチャック | |
JPH0727045Y2 (ja) | 工具チャック | |
JPS624403Y2 (ja) | ||
CA1232478A (en) | Collet chuck | |
JPH10263908A (ja) | チャック | |
JPH0680509U (ja) | サイドロック式工具チャック | |
JPH0635652Y2 (ja) | 切削屑を分断させるステータ半製品のコア押え板 | |
JPH0750120Y2 (ja) | 主軸キー | |
JPH05301105A (ja) | 薄肉円筒品の加工装置 | |
JPH01127205A (ja) | 工作機械の主軸・工具組立体 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19951205 |