JPH0680509U - サイドロック式工具チャック - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サイドロック式工具チャックとして、工具の
把持強度及び把持安定性に優れ、エンドミル等の重切削
用工具による重切削加工ににおいても工具とチャック筒
との間で回転方向の位置ずれを生じず、高い加工鮮度が
得られ、加工後の工具の取外しが容易で、長寿命なもの
を提供する。 【構成】 チャック筒１の工具保持孔２に工具１０Ａの
シャンク部１１を挿嵌し、半径方向に螺入するロックね
じ４の圧接により固定するものにおいて、シャンク部１
１先端側に、径方向の貫通孔１２又は端面より凹入した
径方向に沿う係合溝が形成され、チャック筒１の径方向
に貫通する係止ピン６が、チャック筒１に挿嵌したシャ
ンク部１１の貫通孔１２又は係合溝に嵌入する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、チャック筒の工具保持孔に工具のシャンク部を挿嵌し、該チャック 筒の半径方向に螺入するロックねじの圧接により前記シャンク部を固定するサイ ドロック式工具チャックに関する。

【０００２】

【従来の技術】

サイドロック式工具チャックとしては、シャンク部周面に平面部を形成した工 具を用い、該シャンク部をチャック筒の工具保持孔に挿嵌して、その平面部に該 チャック筒の半径方向に螺入するロックねじの平坦状端面を圧接することにより 、当該工具を把持固定させるものが汎用されている。しかるに、このようなチャ ック構造では、チャック筒と工具とが端面接合しないため、軸心の直線性を厳密 に設定しにくく芯振れを生じ易い。

【０００３】 そこで、端面接合により軸心の直線性を厳密に設定するサイドロック式のチャ ックとして、工具のシャンク部の根元周囲にチャック筒端面と対向する環状段面 を設けると共に、該シャンク部の周面に円錐状凹部を形成し、ロックねじの先端 側を円錐状凸部として、この円錐状凸部と前記円錐状凹部の偏心嵌合による引き 付け作用でチャック筒端面と前記環状段面とを圧接させるロック方式（特開平４ −６３３１４号公報等）や、チャック筒の径方向両側に一対のロックねじを螺着 し、両ロックねじの一方の先端側が円錐状凸部をなすと共に、他方の先端に円錐 状凹部を有するものとし、工具のシャンク部に貫設された径方向のガイド孔内に 、一端に円錐状凹部を有して他端に円錐状凸部を有する摺動ピンを摺動自在に装 填し、該摺動ピンの両端部と両ロックねじの先端部との偏心凹凸嵌合による引き 付け作用でチャック筒端面と前記環状段面とを圧接させるロック方式（特開昭６ ０−２０７７３６号公報）等が提案されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】 しかしながら、上記従来のサイドロック式工具チャックでは、いずれもチャッ ク筒による工具の保持力がロックねじのみで担われているため、把持強度及び把 持安定性が不充分であり、特にエンドミル等の重切削用工具にて切削部位に大き な負荷がかかる切削加工を施す場合に、加工中の工具に強いこじり力が作用して 、そのシャンク部とチャック筒との間で回転方向の位置ずれを生じ、これに伴う 工具の回転軸心の傾斜や偏心によって加工精度が悪化すると共に、ロックねじの 食い込みや潰れによって加工後の工具の取外しが困難になる場合があり、また工 具チャックの寿命低下を招くという問題があった。

【０００５】 本考案は、上述の状況に鑑み、サイドロック式工具チャックとして、工具の把 持強度及び把持安定性に優れ、エンドミル等の重切削用工具による重切削加工に においても当該工具のシャンク部とチャック筒との間で回転方向の位置ずれを生 じることがなく、もって高い加工精度が得られると共に加工後の工具の取外しが 容易で長寿命なものを提供することを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案の請求項１は、チャック筒の工具保持孔に 工具のシャンク部を挿嵌し、該チャック筒の半径方向に螺入するロックねじの圧 接により前記シャンク部を固定するサイドロック式工具チャックにおいて、前記 工具のシャンク部先端側に、径方向の貫通孔１２又は端面より凹入した径方向に 沿う係合溝１３が形成されると共に、前記チャック筒には、径方向に貫通する着 脱自在な係止ピンを備え、該係止ピンがチャック筒に挿嵌した前記シャンク部の 貫通孔１２又は係合溝１３に嵌入する構成を採用したものである。

【０００７】 また本考案の請求項２は、上記請求項１のサイドロック式工具チャックとして 、工具１０Ａ，１０Ｂのシャンク部１１周面に平面部１１ａが形成され、該平面 部１１ａにロックねじ４の平坦状端面が圧接する構成を採用したものである。

【０００８】 本考案の請求項３は、上記請求項１のサイドロック式工具チャックとして、工 具１０Ｃ，１０Ｄのシャンク部１５の根元周囲にチャック筒２０ａ端面と対向す る環状段面１４ｂを備えると共に、該シャンク部１５の周面に円錐状凹部１５ａ が形成され、ロックねじ２３の先端側が円錐状凸部２３ａをなし、この円錐状凸 部２３ａと前記円錐状凹部１５ａの偏心嵌合によりチャック筒２０ａ端面と前記 環状段面１４ｂとが圧接する構成を採用したものである。

【０００９】 本考案の請求項４は、上記請求項１のサイドロック式工具チャックとして、チ ャック筒３１ａの径方向両側に螺合する一対のロックねじ３４，３５を備え、両 ロックねじ３４，３５の一方の先端側が円錐状凸部３４ａをなすと共に他方の先 端に円錐状凹部３５ａを有し、工具１０Ｅのシャンク部１６ｂの根元周囲にチャ ック筒３１ａ端面と対向する環状段面１９を備え、且つ該シャンク部１６ｂにガ イド孔１７が径方向に貫設され、このガイド孔１７内には一端に円錐状凹部１８ ａを有して他端に円錐状凸部１８ｂを有する摺動ピン１８が摺動自在に装填され 、該摺動ピン１８の両端部と両ロックねじ３４，３５の先端部との偏心凹凸嵌合 によりチャック筒３１ａ端面と前記環状段面１９とが圧接する構成を採用したも のである。

【００１０】

【作用】

工具は、そのシャンク部をチャック筒の工具保持孔に挿嵌し、該チャック筒の 半径方向に螺入するロックねじを前記シャンク部に圧接することにより把持固定 されるが、そのシャンク部先端側の貫通孔１４又は係合溝１３に、チャック筒を 径方向に貫通する係止ピンが嵌入することから、チャック筒に対して相対回転不 能となる。従って、エンドミルの如き重切削用工具による切削部位に大きな負荷 がかかる重切削加工において、加工中の工具に強いこじり力が作用しても、その シャンク部とチャック筒との間で回転方向の位置ずれを生じることはなく、工具 装着時に設定した回転軸心の振れ精度が保持されることになり、加工精度の悪化 が防止されると共に、上記のこじり力がロックねじに直接作用しないため、該ロ ックねじの食い込みや潰れを生じず加工後の工具の取外しを容易に行える。

【００１１】 なお、サイドロック方式としては、工具１０Ａ，１０Ｂのシャンク部１１周面 に形成した平面部１１ａに、チャック筒１ａの半径方向に螺入するロックねじ４ の平坦状端面を圧接する従来汎用の方式、工具１０Ｃ，１０Ｄのシャンク部１５ の周面に形成した円錐状凹部１５ａに、ロックねじ２３先端側の円錐状凸部２３ ａを偏心嵌合し、そのテーパ誘導による引き付け作用でチャック筒２０ａ端面と シャンク部１１の根元周囲の環状段面１４ｂとを圧接させる方式、チャック筒３ １ａの径方向両側に、先端側を円錐状凸部３４ａとしたロックねじ３４と、同じ く円錐状凹部３５ａとしたロックねじ３５とを螺着し、工具１０Ｅのシャンク部 １６ｂに貫設された径方向のガイド孔１７内に、一端に円錐状凹部１８ａを有し て他端に円錐状凸部１８ｂを有する摺動ピン１８を装填し、該摺動ピン１８の両 端部と両ロックねじ３４，３５の先端部との偏心凹凸嵌合による引き付け作用で チャック筒３１ａ端面と工具１０Ｅ側の前記同様の環状段面１９とを圧接させる 方式等、種々のロック方式を採用できる。

【００１２】

【実施例】

図１は本考案の第一実施例に係るサイドロック式工具チャックＡを示す。この 工具チャックＡでは、チャック本体１は、前部側が前端面に開口した工具保持孔 ２を備えるチャック筒１ａ、後部側がマシニングセンタ等のスピンドルに対して 着脱自在に取り付けられる先細テーパ状のシャンク部１ｂとなり、中央部外周に マニュピュレーター把持用等のチャック位置決め用鍔部１ｃを備え、独立した工 具ホルダーを構成している。しかして、チャック筒１ａには内外面に透通する一 対のねじ孔３，３にロックねじ４，４が螺着されると共に、鍔部１ｃの径方向両 側のキー溝５，５間に、一端側が大径のねじ孔６ａを構成する径方向の貫通孔６ が穿設されており、この貫通孔６に係止ピン７を嵌挿して、そのフランジ状頭部 ７ａを底部に係嵌したねじ孔６ａに抜け止め用のセットねじ８を螺着するように してある。

【００１３】 このような工具チャックＡを適用する切削工具としては、丸軸状のシャンク部 １１の周面に一対の平面部１１ａ，１１ａを有し、且つ図２に示すように該シャ ンク部１１の先端部に径方向に沿う貫通孔１２を備えた工具１０Ａ、もしくは図 ３に示すように該シャンク部１１に先端面より凹入した径方向に沿う係合溝１３ を備えた工具１０Ｂが使用される。しかして、工具１０Ａを装着する場合は、工 具チャックＡの係止ピン７を抜出した状態でシャンク部１１を工具保持孔２に挿 嵌し、該係止ピン７を貫通孔６に当該工具１０Ａの貫通孔１２を連通するように 挿嵌した上で、各平面部１１ａにロックねじ４を締め付けて圧接すると共に、ね じ孔６ａに抜け止め用のセットねじ８を螺着すればよい（図１参照）。また工具 １０Ｂを装着する場合は、工具チャックＡの係止ピン７を取り付けた状態におい て、該係止ピン７が係合溝１３に嵌入するようにシャンク部１１を工具保持孔２ に挿嵌し、各平面部１１ａにロックねじ４を締め付けて圧接すればよい。

【００１４】 かくして装着した工具１０Ａ，１０Ｂは、ロックねじ４，４の締め付けによる 通常のロック作用に加えて、係止ピン７と貫通孔１２又は係合溝１３との嵌合に より当該工具チャックＡに相対回転不能に把持固定される。従って、切削部に大 きな負荷がかかる重切削加工を行っても、シャンク部１１とチャック筒１ａとの 間で回転方向の位置ずれを生じる恐れがなく、加工精度の悪化が防止されると共 に、加工中に工具１０Ａ，１０Ｂに加わるこじり力がロックねじ４，４に直接作 用しないため、該ロックねじ４がシャンク部１１の平坦面１１ａから外れた周面 位置に食い込んだり、該ロックねじ４が潰れることがなく、もって加工後の工具 １０Ａ，１０Ｂの取外しを容易に行える。なお、工具１０Ａでは万一ロックねじ ４，４に緩みを生じてもチャック筒１ａからの抜落を完全に防止できるという利 点があり、また工具１０Ｂでは係止ピン７を取り付けたまま着脱操作できるので 非常に操作性がよいという利点がある。

【００１５】 図４〜図６は本考案の第二実施例に係るサイドロック式工具チャックＢを示す 。この工具チャックＢでは、チャック本体２０の前部側が前端面に開口した工具 保持孔２１を備えるチャック筒２０ａを構成しており、該チャック筒２０ａの内 外面に透通するねじ孔２２に、先端部を円錐状凸部２３ａとしたロックねじ２３ が螺着されると共に、該ねじ孔２２よりも後部側に一端側を大径のねじ孔２４ａ とした径方向の貫通孔２４が穿設されており、この貫通孔２４に係止ピン２５を 嵌挿して、そのフランジ状頭部２５ａを底部に係嵌したねじ孔２４ａに抜け止め 用のセットねじ２６を螺着するようにしてある。

【００１６】 この工具チャックＢに適用する工具１０Ｃ（図４参照），１０Ｄ（図５参照） は共に、前端周縁部の一か所より突出する刃体１４ａを備えた丸軸状の本体部１ ４と、その後端より同軸状に突出した小外径で円筒状のシャンク部１５とからな り、該シャンク部１５の根元と本体部１４との境界部が軸線に対して直交する面 内の環状段面１４ｂを構成し、且つシャンク部１５の周面に半径方向に内外を透 通する孔とした円錐状凹部１５ａを備えており、シャンク部１５を工具保持孔２ １に挿嵌してロックねじ２３の締め付けた際、該ロックネジ２３の円錐状凸部２ ３ａが円錐状凹部１５ａに偏心嵌合し、そのテーパ接合による誘導作用によりシ ャンク部１５が工具保持孔２１の内奥側へ引き付けられ、環状段面１４ｂがチャ ック筒２０ａの端面に圧接するように設定されている。

【００１７】 ここで工具１０Ｃは、図７でも示すようにシャンク部１５の先端部に径方向に 沿う貫通孔１２を備えており、予め工具チャックＢの係止ピン２５を抜出した状 態でシャンク部１５を工具保持孔２１に挿嵌固定したのち、該係止ピン２５を貫 通孔２４及び貫通孔１２に連通挿嵌してセットねじ２６にて抜け止めするように なっている。一方、工具１０Ｄは、図８でも示すようにシャンク部１５に先端面 より凹入した径方向に沿う係合溝１３を備えており、工具チャックＢの係止ピン ２５を取り付けた状態において、シャンク部１５を工具保持孔２１に挿嵌するこ とにより、係合溝１３に係止ピン２５が嵌合するようになっている。

【００１８】 かくして工具チャックＢに装着された工具１０Ｃ，１０Ｄは、ロックねじ２３ の締め付けによる通常のロック作用に加えて、係止ピン２５と貫通孔１２又は係 合溝１３との嵌合により当該工具チャックＢに相対回転不能に把持固定されるか ら、切削部に大きな負荷がかかる重切削加工を行っても、シャンク部１５とチャ ック筒２０ａとの間で回転方向の位置ずれを生じることがなく、装着時の端面接 合による回転軸心の直線性が良好に維持され、加工精度の悪化が防止されると共 に、加工中に工具１０Ｃ，１０Ｄに加わるこじり力がロックねじ２３に直接作用 しないため、該ロックねじ２３がシャンク部１１の円錐状凹部１５ａの周側面に 食い込んだり、該ロックねじ２３の潰れや折れを生じる恐れもなく、もって加工 後の工具１０Ｃ，１０Ｄの取外しを容易に行え、且つ工具チャックＢ全体として 長寿命となる。なお、工具１０Ｃでは前記実施例１の工具１０Ａと同様の抜落防 止の利点、また工具１０Ｄでは同実施例１の工具１０Ｂと同様の着脱操作の容易 性の利点がある。

【００１９】 図９及び図１０は本考案の第三実施例に係るサイドロック式工具チャックＣを 示す。この工具チャックＣは、主軸台３０に保持されたスピンドル３１の前端部 に工具保持孔３２を有するチャック筒３１ａが構成され、該チャック筒３１ａが 径方向両側に透通するねじ孔３３ａ，３３ｂを備え、ねじ孔３３ａには先端側を 円錐状凸部３４ａとしたロックねじ３４が、ねじ孔３３ｂには先端に円錐状凹部 ３５ａを有するロックねじ３５がそれぞれ螺着され、また両ねじ孔３３ａ，３３ ｂよりも後部に一端側を大径のねじ孔３６ａとした径方向の貫通孔３６が穿設さ れており、この貫通孔３６に係止ピン３７を嵌挿して、そのフランジ状頭部３７ ａを底部に係嵌したねじ孔３６ａに抜け止め用のセットねじ３８を螺着するよう にしてある。

【００２０】 工具１０Ｅは、共に丸軸状である本体部１６ａとシャンク部１６ｂとの間にフ ランジ部１６ｃが形成され、且つ軸線に沿うオイルホール３９を有しており、フ ランジ部１６ｃには冷媒供給リング４０が外嵌されている。しかして、シャンク 部１６ｂには、中間に位置するガイド孔１７と、それよりも先端よりに位置した 貫通孔１２とが共に径方向に貫設されており、ガイド孔１７内に摺動ピン１８が 摺動自在に装填されている。この摺動ピン１８は、一端に円錐状凹部１８ａを有 して他端が円錐状凸部１８ｂとなり、中間部にガイド孔１７を挟む両側のオイル ホール３９を連通させるための環状溝１８ｃが形成されている。

【００２１】 このような工具１０Ｅを工具チャックＣに装着するには、当該工具チャックＣ の係止ピン３７を抜出した状態で、まずシャンク部１６ｂを、摺動ピン１８の両 端が両ロックねじ３４，３５と凹−凸の関係で対向する向きに設定して、工具保 持孔３２に挿嵌し、両ロックねじ３４，３５の一方を締め付ける。これにより、 図９に示すように、摺動ピン１８の一端側の円錐状凹部１８ａがロックねじ３４ の円錐状凸部３４ａに、他端側の円錐状凸部１８ｂがロックネジ３５の円錐状凹 部３５ａにそれぞれ偏心嵌合し、そのテーパ接合による誘導作用によりシャンク 部１６ｂが工具保持孔３２の内奥側へ引き付けられ、フランジ部１６ｃの側端面 で構成される環状段面１９がチャック筒３１ａの端面に圧接し、該工具１０Ｅは チャック筒３１ａに把持固定される。しかるのち、係止ピン３７を貫通孔３６及 び貫通孔１２に連通挿嵌してセットねじ３８にて抜け止めする。

【００２２】 かくして工具チャックＣに装着された工具１０Ｅは、ロックねじ３４，３５と 摺動ピン１８との凹凸嵌合による通常のロック作用に加えて、係止ピン３７と貫 通孔１２との嵌合により当該工具チャックＣに相対回転不能に把持固定されるか ら、切削部に大きな負荷がかかる重切削加工を行っても、シャンク部１６ｂとチ ャック筒３１ａとの間で回転方向の位置ずれを生じることがなく、装着時の端面 接合による回転軸心の直線性が良好に維持され、加工精度の悪化が防止されると 共に、加工中に工具１０Ｅに加わるこじり力がロックねじ３４，３５に直接作用 しないため、該ロックねじ３４，３５と摺動ピン１８との嵌合部で食い込みを生 じたり、ロックねじ３４，３５の潰れや折れを生じる恐れもなく、もって加工後 工具１０Ｅの取外しを容易に行え、且つ工具チャックＣが全体として長寿命とな る。なお本実施例では、ロックねじ３４，３５と摺動ピン１８との偏心嵌合によ り径方向両側で引き付け力が作用するため、工具チャックＣと工具１０Ｅとの端 面接合の面圧が均等化し、前記第二実施例の工具チャックＢよりも更に回転軸心 の直線性を精密に設定できる。

【００２３】 この第三実施例の工具チャックＣでは、シャンク部１６ｂに貫通孔１２を設け た工具１０Ｅの装着例を示したが、前記第一及び第二実施例と同様に、貫通孔１ ２に代えて係合溝１３（図３，５，８参照）を設けた工具も装着可能であり、ま た工具保持孔３２の入口部３２ａと内奥部３２ｂが同一母線のテーパ孔状に形成 されているため、テーパシャンク部を有する工具も装着できる。

【００２４】 本考案は、例示した以外のサイドロック式工具チャックにも適用できる。また 第一実施例のようなロック方式のチャック筒を工作機械のスピンドル自体に設け もよいし、第二及び第三実施例のようなロック方式のチャック筒を独立した工具 ホルダーに設けてもよい。また工具保持孔に対してシャンク径の小さい工具をス トレートコレットを介して嵌挿することも可能である。

【００２５】

【考案の効果】

請求項１の考案によれば、チャック筒の工具保持孔に工具のシャンク部を挿嵌 し、該チャック筒の半径方向に螺入するロックねじの圧接により前記シャンク部 を固定するサイドロック式工具チャックとして、工具の把持強度及び把持安定性 に優れ、エンドミル等の重切削用工具による重切削加工ににおいても当該工具の シャンク部とチャック筒との間で回転方向の位置ずれを生じることがなく、もっ て高い加工鮮度が得られると共に、加工後の工具の取外しが容易で長寿命なもの が提供される。

【００２６】 請求項２の考案によれば、上記のサイドロック式工具チャックとして、特に構 造的に簡素なものが提供される。

【００２７】 請求項３の考案によれば、上記のサイドロック式工具チャックとして、特にチ ャック筒と工具との端面接合により、回転軸心の直線性を高精度に設定し得るも のが提供される。

【００２８】 請求項４の考案によれば、上記のサイドロック式工具チャックとして、チャッ ク筒と工具とが均等な面圧で端面接合し、回転軸心の直線性をより高精度に設定 し得るものが提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の第一実施例に係るサイドロック式工
具チャックＡの半断面側面図。

【図２】 同工具チャックＡに装着する工具の一例を示
す要部の側面図。

【図３】 同工具チャックＡに装着する工具の他の例を
示す要部の側面図。

【図４】 同第二実施例に係るサイドロック式工具チャ
ックＢの縦断側面図。

【図５】 同工具チャックＢによる異なる工具の装着状
態を示す縦断側面図。

【図６】 図４及び図５のＶＩ−ＶＩ線の断面矢視図。

【図７】 同工具チャックＢに装着する工具の一例を示
す要部の側面図 。

【図８】 同工具チャックＢに装着する工具の他の例を
示す要部の側面図。

【図９】 同第三実施例に係るサイドロック式工具チャ
ックＣの縦断側面図。

【図１０】 図９のＸ−Ｘ線の断面矢視図。

【符号の説明】

１ チャック本体 １ａ チャック筒 ２ 工具保持孔 ３ ネジ孔 ４ ロックねじ ７ 係止ピン １０Ａ 切削工具 １０Ｂ 切削工具 １０Ｃ 切削工具 １１ シャンク部 １１ａ 平坦面 １２ 貫通孔 １３ 係合溝 １０ チャック本体 １１ チャック筒 １２ 工具保持孔 １３ 締付筒 １４ｂ 環状段面 １５ シャンク部 １６ｂ シャンク部 １７ ガイド孔 １８ 摺動ピン １８ａ 円錐状凹部 １８ｂ 円錐状凸部 １９ 環状段面 ２０ チャック本体 ２０ａ シャンク部 ２１ 工具保持孔 ２２ ねじ孔 ２３ ロックねじ ２３ａ 円錐状凸部 ２５ 係止ピン ３１ａ チャック筒 ３２ 工具保持孔 ３３ａ ねじ孔 ３３ｂ ねじ孔 ３４ ロックねじ ３４ａ 円錐状凸部 ３５ ロックねじ ３５ａ 円錐状凸部 ３７ 係止ピン Ａ サイドロック式工具チャック Ｂ サイドロック式工具チャック Ｃ サイドロック式工具チャック

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 チャック筒の工具保持孔に工具のシャン
   ク部を挿嵌し、該チャック筒の半径方向に螺入するロッ
   クねじの圧接により前記シャンク部を固定するサイドロ
   ック式工具チャックにおいて、前記工具のシャンク部先
   端側に、径方向の貫通孔又は端面より凹入した径方向に
   沿う係合溝が形成されると共に、前記チャック筒には、
   径方向に貫通する着脱自在な係止ピンを備え、該係止ピ
   ンがチャック筒に挿嵌した前記シャンク部の貫通孔又は
   係合溝に嵌入するように構成されてなるサイドロック式
   工具チャック。
2. 【請求項２】 工具のシャンク部周面に平面部が形成さ
   れ、該平面部にロックねじの平坦状端面が圧接するよう
   に構成されてなる請求項１記載のサイドロック式工具チ
   ャック。
3. 【請求項３】 工具のシャンク部の根元周囲にチャック
   筒端面と対向する環状段面を備えると共に、該シャンク
   部の周面に円錐状凹部が形成され、ロックねじの先端側
   が円錐状凸部をなし、この円錐状凸部と前記円錐状凹部
   の偏心嵌合によりチャック筒端面と前記環状段面とが圧
   接するように構成されてなる請求項１記載のサイドロッ
   ク式工具チャック。
4. 【請求項４】 チャック筒の径方向両側に螺合する一対
   のロックねじを備え、両ロックねじの一方の先端側が円
   錐状凸部をなすと共に他方の先端に円錐状凹部を有し、
   工具のシャンク部の根元周囲にチャック筒端面と対向す
   る環状段面を備え、且つ該シャンク部にガイド孔が径方
   向に貫設され、このガイド孔内には一端に円錐状凹部を
   有して他端に円錐状凸部を有する摺動ピンが摺動自在に
   装填され、該摺動ピンの両端部と両ロックねじの先端部
   との偏心凹凸嵌合によりチャック筒端面と前記環状段面
   とが圧接するように構成されてなる請求項１記載のサイ
   ドロック式工具チャック。