JP2020157379A - 基軸ホルダ及び電動工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】基軸挿入孔に挿入された基軸を調心して回転治具の回転時における芯ブレ(ランアウト)の発生を防止できる軸ホルダ及び、基軸ホルダを備えた電動ドライバを提供することを目的とする。【解決手段】基軸ホルダ1に、回転治具5において六角形断面形状である基軸6が軸方向先端側Lfから挿入可能な六角形断面形状である基軸挿入孔11を有するホルダーボディ10と、基軸挿入孔11に挿入された基軸6の6箇所の角部6aに当接するアライメントボール51と、アライメントボール51を基軸6に向かって付勢するリテーナ52とを備えた。【選択図】図10

Description

この発明は、例えば、ドライバビットやドリルビット等の回転治具の基軸を挿入して保持する基軸ホルダ及び、基軸ホルダを備えた電動工具に関する。
従来より、電動ドライバ等の先端に配置する基軸ホルダとして、保持した回転治具の基軸が不用意に抜け出さない基軸ホルダが提案されている(特許文献1参照)。
この基軸ホルダは、回転治具の基軸を着脱自在に挿着可能な基軸挿入孔及び基軸の外表面に形成した係止溝に係止する鋼球を移動可能に配置する貫通孔を有するホルダ本体と、貫通孔に配置する鋼球と、ホルダ本体に対してスライド自在に被嵌した筒状の外嵌部材と、該外嵌部材をホルダ本体の基端側に向けて付勢するバネで構成されている。
この基軸ホルダの基軸挿入孔に基軸を挿入すると、外嵌部材は鋼球を基軸挿入孔の内周面から出没させて係止溝と係止して、前記基軸挿入孔に挿入された前記基軸の不用意な抜け出しを防止することができる。
しかしながら、このような基軸を挿入できる基軸挿入孔は、基軸よりわずかに大きく形成しているため、挿着状態や使用の際において、基軸の挿着位置や挿着方向が回転中心からわずかにズレると、いわゆるランアウト(Runout)と言われる芯ブレが生じることがあった。
特開2006−198754号公報
そこでこの発明は、基軸挿入孔に挿入された基軸を調心して前記回転治具の回転時における芯ブレ(ランアウト)の発生を防止できる基軸ホルダ及び、基軸ホルダを備えた電動ドライバを提供することを目的とする。
この発明は、回転治具において六角形断面形状である基軸が先端側から挿入可能な六角形断面形状である基軸挿入孔を有するホルダ本体と、前記基軸挿入孔に挿入された前記基軸における少なくとも三方向から当接する当接部と、該当接部を前記基軸に向かって付勢する付勢手段とが備えられた基軸ホルダであることを特徴とする。
上記回転治具とは、インパクトドライバなどの電動工具や手動工具に装着され、回転するドリルビットや、プラスやマイナスのドライバビットなどとすることができ、上記回転治具の基軸は工具シャンクともいう。なお、回転治具を装着する工具は回転数が高い電動工具である方が、本発明の効果が顕著に表れるため好ましい。
上述の前記基軸における少なくとも三方向から当接するは、六角形断面を構成する六角のうち周方向における等間隔な六方向や三方向の角を跨ぐ12箇所または6箇所に対して当接する態様、あるいは、六角形断面を構成する六面のうち周方向における等間隔な三面、六面あるいは四面に対して当接する態様であってもよい。
なお、前記基軸における少なくとも三方向から当接する当接箇所は、軸方向の位置がずれていてもよいし、一致していてもよい。
付勢手段は、当接部が基軸の中心に向かって付勢する態様、ふたつの当接部が引っ張り合うように付勢する態様、隣り合う当接部が近接するように押付けるように付勢する態様であってもよい。
なお、付勢手段と当接部とは別体で構成されてもよいし、一体で構成されてもよい。
この発明により、前記基軸挿入孔に挿入された前記基軸を調心して前記回転治具の回転時における芯ブレ(ランアウト)の発生を防止することができる。
詳述すると、ホルダ本体における六角形断面形状である基軸挿入孔に挿入された六角形断面形状である基軸が先端側に対して少なくとも三方向から当接する当接部を前記基軸に向かって付勢手段が付勢するため、前記基軸挿入孔に挿入された前記基軸を調心して前記回転治具の回転時における芯ブレ(ランアウト)の発生を防止することができる。
この発明の態様として、前記当接部は、球状体で構成され、前記付勢手段は、前記球状体を所定箇所に収容する収容部を有するとともに、少なくとも周方向に移動した前記球状体を元の位置に復元する弾性を有する弾性収容体で構成されてもよい。
上記球状体は、鋼球、あるいは強度のあるエンジニアプラスチック製の球体であってもよい。
この発明により、弾性収容体の収容部に収容した球状体を基軸に当接させて精度良く調心することができる。
詳述すると、基軸表面に対して摺動抵抗の低い球状体を弾性収容体の収容部に収容するため、基軸挿入孔に基軸を挿入する際に、球状体で構成された当接部に当接していてもスムーズに挿入することができる。
また、球状体で構成された当接部は弾性収容体の収容部に収容されているため、球状体自体を適切な位置に配置することができる。また、球状体を収容する収容部は弾性収容体に構成されているため、基軸挿入孔への基軸の挿入によって、球状体が移動すると、球状体を収容する収容部も、弾性収容体が変形して移動し、弾性収容体の変形に対する復元力によって球状体を基軸に対して付勢することができる。このように、球状体を収容する収容部を有する弾性収容体は、当接部である球状体の位置を規制する規制体として機能するとともに、球状体を基軸に対して付勢する付勢手段としても機能することができ、弾性収容体の収容部に収容した球状体を基軸に当接させて精度良く調心することができる。
またこの発明の態様として、前記ホルダ本体における前記基軸挿入孔の周囲に前記弾性収容体を配置する配置空間を形成するとともに、軸方向から視て円形の円筒形内面が設けられてもよい。
この発明により、前記基軸挿入孔に挿入された前記基軸をより精度良く調心することができる。
詳述すると、当接部を構成する球状体を収容部に収容した弾性収容体を配置空間に配置すると、球状体の径外側に円筒形内面が位置するため、基軸挿入孔への基軸の挿入によって、球状体及び球状体を収容する収容部は径外側の円筒形内面に沿って移動し、収容部の移動に伴う弾性収容体の変形も円筒形内面に沿う方向の変形となる。そのため、弾性収容体の変形に対する円筒形内面に沿う方向の復元力によって球状体を基軸に対して円筒形内面に沿う方向の付勢力で付勢して、前記基軸挿入孔に挿入された前記基軸をより精度良く調心することができる。
またこの発明の態様として、前記弾性収容体を、リング状に構成するとともに、六角形断面形状である前記基軸挿入孔に対応する六角形断面状の挿通空間を有し、六角形断面形状である前記基軸挿入孔に対して、六角形断面状の前記挿通空間の向きが合うように前記弾性収容体の向きを規制する規制手段が備えられてもよい。
この発明により、弾性収容体に設けた、六角形断面状の挿通空間の向きと、六角形断面形状である前記基軸挿入孔とが、規制手段によって一致するため、前記基軸挿入孔と挿通空間の向きがずれて基軸挿入孔に基軸が挿入できないことを防止することができる。
またこの発明の態様として、前記当接部は、六角形断面形状における周方向に等間隔な三方向あるいはすべての角部を形成する外表面に対して、前記角部を挟んで当接するように配置されてもよい。
上述の六角形断面形状における周方向に等間隔な三方向あるいはすべての角部を形成する外表面に対して、前記角部を挟んで当接するとは、周方向に等間隔な三方向の角部の場合、角部の両側の外表面の角部近傍となる6箇所で当接することとなり、すべての角部の場合、角部の両側の外表面の角部近傍となる12箇所で当接することとなる。
この発明により、前記基軸挿入孔に挿入された前記基軸を高精度で調心することができる。
前記当接部が六角形断面形状における周方向に等間隔な三方向あるいはすべての角部を形成する外表面に対して、前記角部を挟んで当接するため、六角形断面形状における周方向に等間隔な三方向あるいはすべての角部における1つの角部に対して2つの当接部が挟み込むように当接するため、当接部を介して作用する付勢手段の付勢力は、前記基軸挿入孔に挿入された前記基軸の軸心方向に向かい、高精度で調心することができる。
なお、当接部を構成する球状体を収容部に収容した弾性収容体を配置空間に配置した場合、1つの角部の両側の2つの球状体及び球状体を収容する収容部は、基軸挿入孔への基軸の挿入によって、球状体の径外側の円筒形内面に沿って離間する方向に移動するため、2つの球状体が近接する方向の付勢力として、つまり2つの球状体で角部を挟み込む方向の付勢力として作用し、前記基軸挿入孔に挿入された前記基軸をより高精度で調心することができる。
またこの発明の態様として、複数の前記角部に対して両側に配置された前記当接部のうち軸方向から視て一方側の当接部と、他方側の当接部とが軸方向において位置が異なってもよい。
上述の複数の前記角部に対して両側に配置された前記当接部のうち軸方向から視て一方側の当接部と、他方側の当接部とは、軸方向から視て時計回り前方側を一方側とした場合、他方側は軸方向から視て時計回り後方側をいう。
この発明により、1つの角部の両側の2つの球状体及び球状体を収容する収容部が基軸挿入孔への基軸の挿入によって、離間する方向に移動する場合、一つの角部における軸方向視の一方側の当接部と、隣の角部における軸方向視の他方側の当接部とは近接することになるが、複数の前記角部に対して両側に配置された前記当接部のうち軸方向から視て一方側の当接部と、他方側の当接部とが軸方向において位置が異なることで、一つの角部における軸方向視の一方側の当接部と、隣の角部における軸方向視の他方側の当接部とが近接して干渉することなく、確実に付勢力を作用させて、前記基軸挿入孔に挿入された前記基軸を高精度で確実に調心することができる。
またこの発明は、駆動装置と、該駆動装置の回転力を軸心上に伝達する回転伝達手段とが備えられるとともに、上述の基軸ホルダが前記回転伝達手段によって回転可能に備えられた電動工具であることを特徴とする。
この発明により、基軸が調心され、回転治具を芯ブレなく回転させることができる。
なお、上記電動工具としては、ドライバビットやドリルビットなどの回転治具が装着できれば電動ドライバやインパクトドライバなど回転冶具を回転可能な電動工具であればよい。
またこの発明の態様として、前記ホルダ本体に対して外嵌するとともに、前記軸方向に移動可能な外嵌部材と、前記外嵌部材を前記軸方向の基端側に向かって付勢する外嵌部材付勢手段と、前記ホルダ本体に設けられた収容部において径方向に移動可能に収容されるとともに、前記基軸挿入孔に挿入された前記基軸の外周面に形成された周方向の係止溝に対して係止する係止手段とが備えられるとともに、前記外嵌部材に、該係止手段を径中心方向に向かって押圧する押圧手段が備えられてもよい。
この発明により、前記収容部において径方向に移動可能に収容された前記係止手段が前記基軸の外周面に形成された前記係止溝に対して係止することで、前記基軸挿入孔において正確な挿着位置及び挿着方向で保持された前記基軸が不用意に抜け出ることを防止することができる。
またこの発明の態様として、前記外嵌部材に、前記収容部において径外側の非係止位置にある前記係止手段を保持する非係止位置保持手段が備えてられもよい。
この発明により、係止溝に係止して基軸の抜け出しを防止する係止手段による係止を解除するとともに、係止溝に係止できない位置に係止手段を保持できるため、基軸を抜き出した後の基軸挿入孔への基軸の挿入において係止手段が支障することなく、スムーズに挿入することができる。
また、移動させた外嵌部材によって係止手段を非係止位置に保持する非係止位置保持手段を外嵌部材の一部で構成することで、係止手段を非係止位置に保持する状態で外嵌部材自体を保持することができる。
またこの発明の態様として、前記基軸の軸基端部が基端側の中心に向かって突出する先細り状の突出形状であり、前記基軸挿入孔の孔基端部に、少なくとも使用状態において、前記軸基端部の頂部を、前記軸方向を中心として支持する頂部調心支持手段が設けられてもよい。
上記頂部調心支持手段は、前記基軸挿入孔の孔基端部を構成する部分であってもよいし、前記基軸挿入孔の孔基端部に配置された別部品で構成されてもよい。
なお、上記頂部調心支持手段は、前記軸基端部の頂部あるいは近傍を調心支持することをいう。
この発明により、前記基軸挿入孔に挿入され、前記調心手段によって調心された前記基軸の軸基端部を前記基軸挿入孔の孔基端部で調心するため、前記回転治具の回転時における芯ブレの発生を防止することができる。
なお、少なくとも使用状態で調心支持するとは、回転する回転治具を作用させた使用状態のみならず、使用状態に加えて回転治具を回転させた状態においても調心支持することや、使用状態に加えて回転させない挿着状態(通常状態)においても調心支持することを含むものとする。
この発明によれば、基軸挿入孔に挿入された基軸を調心して前記回転治具の回転時における芯ブレ(ランアウト)の発生を防止できる基軸ホルダ及び、基軸ホルダを備えた電動ドライバを提供することができる。
基軸ホルダを備えた電動工具の正面図。 基軸ホルダの斜視図。 基軸ホルダの各構成要素の正面や背面、及び側面や断面を併記した分解説明図。 基軸ホルダの各構成要素の正面側からの分解斜視図。 基軸ホルダの各構成要素の背面側からの分解斜視図。 基軸ホルダの縦断面図。 基軸ホルダの断面図による説明図。 基軸ホルダの縦断面図による説明図。 基軸ホルダの縦断面図による説明図。 調心ベアリングによる調心についての説明図。 別の実施形態の調心ベアリングの説明図。
この発明の一実施の形態を以下図面に基づいて詳述する。
図1は基軸ホルダ1を備えた電動工具Kの正面図を示し、図2は基軸ホルダ1の斜視図を示している。なお、図1では基軸ホルダ1を概略形状で図示しており、図2では基軸挿入孔11に挿入する基軸6の軸方向基端側Lbの一部を図示している。
また、図3は基軸ホルダ1の各構成要素の正面や背面、及び側面や断面を併記した分解説明図を示している。
詳しくは、ホルダーボディ10、及び抜止めボール20は平面方向断面図と正面図とを示し、スリーブ30、コイルスプリング40及び調心ベアリング50を構成するリテーナ52は縦断面図と正面図とを示し、調心ベアリング50を構成するアライメントボール51は正面図と側面図とを示し、先端キャップ60は平面方向縦断面図及び背面図を示している。
図4は基軸ホルダ1の各構成要素の正面側からの分解斜視図を示し、図5は基軸ホルダ1の各構成要素の背面側からの分解斜視図を示している。なお、図4、5において抜止めボール20の図示を省略している。
図6は基軸ホルダ1の平面方向縦断面図を示し、図7は基軸ホルダ1の断面図による説明図を示している。詳しくは、図7(a)は図6におけるa−a矢視断面図を示し、図7(b)は図6におけるb−b矢視断面図を示している。
図8及び図9はホルダの平面方向縦断面図による説明図を示している。
詳述すると、図8(a)は基軸挿入孔11に基軸6を挿入する前の基軸ホルダ1の平面方向縦断面図を示し、図8(b)はさらなる基軸6の挿入によって、抜け止めホール17に収容された抜止めボール20に基端傾斜部8が当接した状態の基軸ホルダ1の平面方向縦断面図を示している。
また、図9(a)はスリーブ30の前方移動によって径外側の規制が解消された抜止めボール20が径外側に移動して、基軸6をさらに挿入した状態の基軸ホルダ1の平面方向縦断面図を示し、図9(b)は抜け止めホール17に収容された抜止めボール20が基軸6の係止溝7に係合した装着完了状態の基軸ホルダ1の平面方向縦断面図を示している。
図10は調心ベアリング50による調心についての説明図を示している。詳述すると、図10(a)は調心ベアリング50による調心を説明する基軸ホルダ1のa−a矢視断面図(図6)を示し、図10(b)は調心ベアリング50による調心を説明する基軸ホルダ1のb−b矢視断面図(図6)を示している。
本発明の基軸ホルダ1は、インパクトドライバなどの電動工具Kの先端に装備されるものである。例えば、この電動工具Kは、利用者が使用時に握るハンドル部2aを備えたハウジング2、及び該ハウジング2の内部に配置された正逆転回転可能なモータMと、図示省略する回転伝達機構を備えている。
そして、基軸ホルダ1はハウジング2の前方に配置され、回転治具5の基軸6を保持するものである。なお、ハンドル部2aに配置したトリガ2bを操作することで、ハウジング内部に設置された、正逆転回転可能なモータMの回転駆動力が回転伝達機構によって伝達され、基軸ホルダ1が回転する構成である。
基軸ホルダ1について説明する前に、基軸ホルダ1で保持する回転治具5について説明する。図2、図4、図5及び図10に示すように、ドライバビットやドリルビットなどの回転治具5の軸方向先端側Lfの基軸6は断面六角形状であり、縦断面において円弧状の溝である係止溝7が周方向に形成され、基軸6における軸方向基端側Lbの基端傾斜部8は後端側に向かって先細り状の略円錐状に突出されている。
なお、基軸6において六角形断面に形成する平面状の外表面を外平面6b,6cとし、外平面6b,6c同士の間を角部6aとしている。また、基端傾斜部8の軸方向基端側Lbを頂部8aとしている。また、係止溝7は、後述する抜止めボール20の径よりわずかに大きな径の断面円弧状で形成されている。
上述の電動工具Kに装備される基軸ホルダ1は、図3及び図4に示すように、主要部品であるホルダーボディ10、抜止めボール20、スリーブ30、コイルスプリング40、調心ベアリング50及び先端キャップ60を組み付けて構成している。
なお、図3において、これら基軸ホルダ1を構成する要素の中心を通る軸方向Lにおけるホルダーボディ10側を軸方向基端側Lbとし、調心ベアリング50を構成する先端キャップ60側を軸方向先端側Lfとしている。
ホルダーボディ10は、軸方向先端側Lfから軸方向基端側Lbに向かう軸方向Lの基軸挿入孔11が内部に形成された略円筒状であり、軸方向先端側Lfに配置された小径前胴部12と、小径前胴部12より軸方向基端側Lbに配置され、径外側に向かって二方向に延びるフランジ14を軸方向基端側Lbに設けた大径後胴部13とで構成されている。
ホルダーボディ10を軸方向先端側Lfから軸方向基端側Lbに向かう軸方向Lの基軸挿入孔11は、軸方向先端側Lfの調心ベアリング50を収容する略円筒状の調心空間111、調心空間111の後端から大径後胴部13の中間部分まで形成され、基軸6が収容される六角形断面の六角形空間112、六角形空間112の基端より軸方向基端側Lbに向かってテーパ状に縮径されるテーパ空間113がこの順で配置されている。六角形空間112は、六角形断面の基軸6よりわずかに広い六角形断面形状で形成している。
小径前胴部12の外周面には、後述する先端キャップ60を固定する周方向の固定溝15が形成されている。
また、調心空間111を構成するホルダーボディ10の内面を、調心内面111aとする。調心内面111aは、円筒状の調心空間111を構成する軸方向先端側Lfから見て円形の円筒形内面となる。
また、調心空間111の基端側には、六角形空間112の先端と結ぶ、軸方向Lに対して軸方向基端側Lbに向かって徐々に径内側に傾斜するテーパ内壁面16が形成されている。
また、小径前胴部12の先端面には、軸方向先端側Lfから軸方向基端側Lbに向かって凹状となる方向規制凹部18が周方向に対向して二箇所設けている。
また、小径前胴部12における軸方向Lの中央付近には、ホルダーボディ10の外側と後述する基軸挿入孔11における六角形空間112とを径方向に連通し、後述する抜止めボール20が収容される抜け止めホール17を周方向に等間隔で二カ所設けている。なお、抜け止めホール17における軸方向基端側Lbは径外側に向かって軸方向基端側Lbに傾斜する傾斜側面171を設けている。
抜け止めホール17は、後述する抜止めボール20を径方向に移動可能に収容するとともに、ホルダーボディ10の径外側と基軸挿入孔11とを連通する径方向の貫通孔であり、周方向において対向する二カ所に設けられていたが、周方向に等間隔に例えば三カ所設けてもよい。
なお、抜け止めホール17は、収容される抜止めボール20よりわずかに大きな径で形成し、抜け止めホール17の径内側には、収容された抜止めボール20が基軸挿入孔11に落下しないようにストッパ(図示省略)を設けている。また、抜け止めホール17は、収容する抜止めボール20の直径より短い溝深さで形成されており、収容した抜止めボール20の径内側が基軸挿入孔11における六角形空間112に露出することとなる。
ホルダーボディ10の抜け止めホール17に収容される抜止めボール20は、基軸6に形成された係止溝7に係止する鋼球であり、抜け止めホール17の数に合わせて2個設けている。なお、上述したように、抜止めボール20は、係止溝7の円弧径に比べて小さな径で形成している。
スリーブ30は、軸方向先端側Lfからホルダーボディ10の小径前胴部12に外嵌する略円筒状であり、詳しくは、前胴部30aと、前胴部30aより小径な後胴部30bとが軸方向Lに沿って軸方向先端側Lfからこの順で配置され、一体化されている。そして、軸方向Lに貫通する貫通空間31を内部に形成している。
そして、貫通空間31において、前胴部30aに対応する箇所を先端側収容空間31aとし、後胴部30bに対応する箇所を後端側収容空間31bとしている。なお、前胴部30aは、小径前胴部12の外径よりひとまわり大きな内径を有している。
また、前胴部30aと後胴部30bとの間の内面には、縦断面において径方向内側かつ軸方向先端側Lfに突出する突出規制部32を設けている。
コイルスプリング40は、軸方向Lに付勢するいわゆるコイルバネであり、ホルダーボディ10の小径前胴部12に外嵌するとともに、装着状態において、スリーブ30の前胴部30aを構成する内面との間に配置される径で形成している。
調心ベアリング50は、複数のアライメントボール51(51a,51b)と、アライメントボール51(51a,51b)を収容して、周方向の位置を保持するリテーナ52とで構成している。
調心ベアリング50を構成するアライメントボール51は、基軸6の角部6aを跨ぐ両外平面6b,6cに当接する鋼球であり、基軸6が六角形断面で構成された本実施形態では、12個のアライメントボール51が設けられている。
各調心ベアリング50において、複数のアライメントボール51を収容して、それぞれの位置を保持するリテーナ52は、調心空間111に収容可能な略円筒状の筒状本体部で構成し、軸方向Lに貫通する軸方向貫通空間53を有している。
なお、略円筒状のリテーナ52の内側において、軸方向Lに貫通する軸方向貫通空間53は、六角形空間112と同形状である、正面視六角形状に形成しており、組み付け状態において基軸挿入孔11の一部を構成することとなる。そのため、軸方向貫通空間53は、六角形断面の基軸6よりわずかに広い六角形断面形状で形成している。
リテーナ52は、断面における軸方向Lの中央付近に、周方向に等間隔で配置した収容部54(54a,54b)を設けている。詳しくは、軸方向先端側Lfの6個の先端側収容部54aと、軸方向基端側Lbの6個の基端側収容部54bとを設けている。
収容部54は軸方向貫通空間53における角部近傍に設けられており、詳しくは、軸方向先端側Lfからみて、軸方向貫通空間53における角部の右側に先端側収容部54aが設けられ、軸方向貫通空間53における角部の左側に基端側収容部54bが設けられている。
収容部54(54a,54b)は、リテーナ52を径方向に貫通する円柱状の貫通孔であり、収容するアライメントボール51の径に応じた径で形成しており、径内側に収容するアライメントボール51の抜け落ちを防止するストッパ(図示省略)を設けている。
なお、先端側収容部54aに収容するアライメントボール51を先端側アライメントボール51aとし、基端側収容部54bに収容するアライメントボール51を基端側アライメントボール51bとしている。
さらに、リテーナ52の軸方向先端側Lfには、軸方向先端側Lfに突出する方向を調整する方向調整凸部55が周方向における対向する箇所に二箇所設けられ、リテーナ52の軸方向基端側Lbの径外側を軸方向Lに対して傾斜する傾斜面56を形成している。
なお、傾斜面56は、後述する組み付け状態においてテーパ内壁面16と対向し、テーパ内壁面16と対応する傾斜角度で形成されている。
このように構成したリテーナ52は、調心空間111に収容され、収容状態において外周面が調心内面111aと対向する略円筒状であり、弾性を有する弾性材で構成されている。本実施形態では所定の弾性力を有するゴムで構成しているが、適宜の素材で構成することができる。
また、六角形断面の基軸6よりわずかに広い六角形断面形状で形成した軸方向貫通空間53を有するリテーナ52の収容部54に収容されたアライメントボール51の径内側は、基軸6の六角形断面形状より小さな仮想の六角形断面形状に沿うように配置されることとなる。
先端キャップ60は、ホルダーボディ10の小径前胴部12の先端に装着され、軸方向Lに貫通する貫通孔61を設けている。貫通孔61は、六角形空間112や軸方向貫通空間53と同形状である、正面視六角形状に形成しており、基軸挿入孔11の軸方向先端側Lfに配置される。
先端キャップ60の軸方向基端側Lbには、貫通孔61の周囲に、軸方向基端側Lbに向かって突出し、組み付け状態においてホルダーボディ10の先端に設けられた方向規制凹部18に嵌合する方向規制凸部62を周方向に対向する二箇所に設けている。
また、周方向に対向する二箇所に設けた方向規制凸部62と直交する方向には、組み付け状態においてリテーナ52に設けた方向調整凸部55が嵌合する、軸方向先端側Lfに向かって凹状となる方向調整凹部63を周方向に対向する二箇所に設けている。
また、図示省略するが、先端キャップ60の外周面における軸方向基端側Lbには、弦方向に貫通し、組み付け状態において、固定溝15に嵌まる固定ピン(図示省略)を挿通できる挿通孔を設けている。
このように各要素が構成された基軸ホルダ1では、まず、リテーナ52の収容部54(54a,54b)にアライメントボール51を収容して調心ベアリング50を構成する。
そして、組み付けられた調心ベアリング50をホルダーボディ10の小径前胴部12に形成された調心空間111に軸方向先端側Lfから収容する。このとき、調心ベアリング50を構成するリテーナ52の傾斜面56は調心空間111におけるテーパ内壁面16に対向することとなる。
また、抜け止めホール17に抜止めボール20を収容したホルダーボディ10の軸方向先端側Lfからスリーブ30を小径前胴部12に外嵌するように装着し、その軸方向先端側Lfからコイルスプリング40を装着する。このとき、コイルスプリング40は小径前胴部12を外嵌するとともに、スリーブ30の先端側収容空間31aに収容されることとなる。つまり、コイルスプリング40は、小径前胴部12の外周面とスリーブ30の内周面との間の空間に収容される。
このように、調心ベアリング50がホルダーボディ10の小径前胴部12に形成された調心空間111に収容され、スリーブ30及びコイルスプリング40が小径前胴部12を外嵌する状態で、小径前胴部12の先端に、軸方向先端側Lfから先端キャップ60を装着して、図示省略する固定ピンで先端キャップ60をホルダーボディ10の小径前胴部12に固定して基軸ホルダ1の組み付けは完了する。
詳述すると、調心空間111に収容された調心ベアリング50のリテーナ52に設けた方向調整凸部55を先端キャップ60の軸方向基端側Lbに設けた方向調整凹部63に嵌合する。これにより、リテーナ52の軸方向貫通空間53と、先端キャップ60の貫通孔61の向きが調整され、正面視六角形状の貫通孔を形成する。
さらに、先端キャップ60の軸方向基端側Lbに設けた方向規制凸部62が、ホルダーボディ10の先端に設けた方向規制凹部18に嵌合するようにホルダーボディ10の先端に先端キャップ60を配置して固定することで、ホルダーボディ10に対する先端キャップ60の向きが規制され、基軸挿入孔11を構成する六角形空間112の六角形と貫通孔61の六角形とが一致する。
そのため、先端キャップ60の貫通孔61、調心ベアリング50を構成するリテーナ52の軸方向貫通空間53、及び基軸挿入孔11を構成する六角形空間112はそれぞれ六角形形状での空間であるが、六角形の向きが一致し、連通する空間を構成することができる。
また、上述の調心空間111に収容した調心ベアリング50の傾斜面56は、調心空間111における軸方向基端側Lbのテーパ内壁面16と対向することとなる。さらに、調心空間111に収容した調心ベアリング50のリテーナ52の外面は調心空間111の調心内面111aと対向し、リテーナ52の収容部54に収容したアライメントボール51の径外側は調心内面111aによって径外側の移動が規制された状態となる。そのため、リテーナ52の収容部54(54a,54b)に挿入されたアライメントボール51a,51bは、収容部54から不用意に抜け出すことがない。
さらに、小径前胴部12の先端に軸方向先端側Lfから取付けた先端キャップ60によって、小径前胴部12とスリーブ30との間に収容されたコイルスプリング40の軸方向先端側Lfが規制されているため、コイルスプリング40は先端キャップ60を反力として、スリーブ30を軸方向基端側Lbに向かって付勢することができる。
そのため、スリーブ30は小径前胴部12に対して後方の位置に位置することとなる。そして、この後方の位置にあるスリーブ30の突出規制部32が、抜け止めホール17に径方向に移動可能に収容した抜止めボール20の径外側を規制することとなる。
続いて、基軸ホルダ1に対する回転治具5(基軸6)の脱着及び基軸6の調心及び基軸挿入孔11からの回転治具5(基軸6)の抜け出し防止について図8乃至図10とともに説明する。
図8(a)に示すように、基軸ホルダ1に対して軸方向先端側Lfから基軸6を挿入すると、基軸6の基端傾斜部8が調心ベアリング50の収容部54(54a,54b)に収容したアライメントボール51の径内側に当接する。
そして、図8(b)に示すように、基軸6をさらに挿入すると、基軸6の基端傾斜部8によってアライメントボール51には径外側に押し出される方向の力が作用する。このとき、アライメントボール51の径外側は調心空間111の調心内面111aによって規制されているため、図10に示すように、アライメントボール51は基軸6の角部6aから離れる方向に調心内面111aに沿って移動する。
詳述すると、円筒状の調心内面111aと基軸6との間隔は角部6aの部分が最も狭く、外平面6b,6cの中央まで角部6aから離れる方が広くなるため、径外側が調心空間111の調心内面111aによって規制されているアライメントボール51に径外側に押し出される方向の力が作用すると、調心内面111aとの間隔が広くなる外平面6b,6cの中央側に向かって調心内面111aに沿って移動する。
具体的には、図10(a)に図示するように、軸方向貫通空間53における角部の左側に設けられた基端側収容部54bに収容された基端側アライメントボール51bは破線で示す当初位置より調心内面111a及び外平面6bに沿ってさらに左側に移動し、図10(b)に図示するように、軸方向貫通空間53における角部の右側に設けられた先端側収容部54aに収容された先端側アライメントボール51aは、破線で示す当初位置より調心内面111a及び外平面6cに沿ってさらに右側に移動する。
このとき、収容部54にアライメントボール51を収容したリテーナ52も弾性変形するため、収容部54に収容され、外平面6b、6cに当接するアライメントボール51には元の位置に戻ろうとする復元力が作用する。
具体的には、図10(a)のa部拡大図において矢印で図示するように、軸方向貫通空間53における角部の左側に設けられた基端側収容部54bに収容され、外平面6bに当接する基端側アライメントボール51bには右側に向かう復元力が作用し、図10(b)のb部拡大図において矢印で図示するように、軸方向貫通空間53における角部の右側に設けられた先端側収容部54aに収容され、外平面6cに当接する先端側アライメントボール51aには左側に向かう復元力が作用することとなる。
そのため、基軸6の角部6aの両側の外平面6b,6cに対してアライメントボール51によって両側から挟み込む方向にリテーナ52の復元力が作用する。このような、アライメントボール51による角部6aを挟み込む方向の復元力は、6箇所すべての角部6aに均等に作用するため、基軸6を精度良く調心することができる。
上述のように、調心ベアリング50によって調心された基軸6をさらに挿入すると、抜け止めホール17に収容され、基軸挿入孔11の六角形空間112に露出する抜止めボール20に基端傾斜部8が当接する。しかしながら、基端傾斜部8が当接した抜止めボール20の径外側は突出規制部32によって、径外側の移動が規制されている。
そこで、図9(a)に示すように、コイルスプリング40による軸方向基端側Lbに向かう付勢力に抗してスリーブ30を軸方向先端側Lfに移動する。このスリーブ30の前方移動に伴って突出規制部32も前方移動するため、突出規制部32による抜止めボール20の径外側の規制が解消される。そのため、スリーブ30の前方移動によって径外側の規制が解消された抜止めボール20が径外側に移動して、基軸6をさらに挿入することができる。
そして、図9(b)に示すように、係止溝7が抜け止めホール17に対応する位置まで基軸6を挿入すると、抜止めボール20は係止溝7に係合するように径中心側に移動し、基軸挿入孔11からの基軸6の不用意な抜け出しを防止することができる。このとき、基軸6における基端傾斜部8の頂部8aは、基軸挿入孔11のテーパ空間113に収容され、テーパ空間113によって、基軸6の基端部である基端傾斜部8を調心することができる。
ここで、スリーブ30の前方移動を解消すると、スリーブ30はコイルスプリング40の軸方向基端側Lbに向かう付勢力によって後方移動し、係止溝7に係合した抜止めボール20の径外側を突出規制部32で規制し、抜止めボール20の係止溝7からの不用意な抜け出しを防止することができる。
このような基軸挿入孔11への基軸6の挿着では、基軸6は調心ベアリング50で調心されるとともに、基軸6の基端部である基端傾斜部8がテーパ空間113によって調心されているため、基軸6を全体で高精度に調心することができる。また、係止溝7に係合する抜止めボール20によって基軸挿入孔11からの基軸6の不用意な抜け出しを防止することができる。
調心され、抜止めボール20によって基軸挿入孔11からの不用意な抜け出しが規制された基軸6を取り外すには、スリーブ30を前方移動することで、係止溝7に係合する抜止めボール20の径外側を規制する突出規制部32を前方移動させて抜止めボール20の径外側へ移動規制を解消した状態で、基軸6を軸方向先端側Lfに移動させて取り外す。このとき、外平面6b,6cによって、抜止めボール20は抜け止めホール17において径外側の非係止位置に位置することとなる。
この状態で、スリーブ30の前方移動を解消すると、コイルスプリング40の付勢力によってスリーブ30は後方移動する。
このスリーブ30の後方移動によって、抜け止めホール17において径外側の非係止位置にある抜止めボール20は、突出規制部32によって後方移動し、径外側に向かって軸方向基端側Lbに傾斜する傾斜側面171に押付けられる。
そのため、抜止めボール20は、径外側に向かって軸方向基端側Lbに傾斜する傾斜側面171と突出規制部32とで軸方向Lの両側から挟み込まれ、抜止めボール20を径外側の非係止位置で保持することができる。したがって、次に基軸挿入孔11に対して基軸6を挿入する際に、上述したように、スリーブ30を一旦前方移動させるという手間を省くことができる。
なお、上述の基軸6の装着状態において、電動工具Kを稼働させ、基軸ホルダ1を回転させる際において、基軸6に負荷が作用すると、回転する基軸ホルダ1と負荷が作用した基軸6との間にわずかな差動回転が生じる。
このとき、アライメントボール51は、調心内面111aと外平面6b,6cとに挟まれるように当接しており、上述のような差動回転における回転方向後側のアライメントボール51は調心内面111aと外平面6b,6cの間隔が狭くなる角部6aに向かって移動し、くさび効果によって基軸6の調心状態をより高精度化することができる。
このように基軸ホルダ1は、回転治具5において六角形断面形状である基軸6が軸方向先端側Lfから挿入可能な六角形断面形状である基軸挿入孔11を有するホルダーボディ10と、基軸挿入孔11に挿入された基軸6の6箇所の角部6aに当接するアライメントボール51と、アライメントボール51を基軸6に向かって付勢するリテーナ52とが備えられているため、基軸挿入孔11に挿入された基軸6を調心して回転治具5の回転時における芯ブレ(ランアウト)の発生を防止することができる。
詳述すると、ホルダーボディ10における六角形断面形状である基軸挿入孔11に挿入された六角形断面形状である基軸6の6箇所の角部6aに当接するアライメントボール51を基軸6に向かってリテーナ52が付勢するため、基軸挿入孔11に挿入された基軸6を調心して回転治具5の回転時における芯ブレ(ランアウト)の発生を防止することができる。
また、リテーナ52は、鋼球で構成されたアライメントボール51を収容する収容部54を有するとともに、周方向に移動したアライメントボール51を元の位置に復元する弾性を有するため、リテーナ52の収容部54に収容したアライメントボール51を基軸6に当接させて精度良く調心することができる。
詳述すると、基軸6表面に対して摺動抵抗の低い鋼球で構成されたアライメントボール51をリテーナ52の収容部54に収容するため、基軸挿入孔11に基軸6を挿入する際に、鋼球で構成されたアライメントボール51に当接していてもスムーズに挿入することができる。
また、鋼球で構成されたアライメントボール51はリテーナ52の収容部54に収容されているため、アライメントボール51自体を適切な位置に配置することができる。また、アライメントボール51を収容する収容部54はリテーナ52に構成されているため、基軸挿入孔11への基軸6の挿入によって、アライメントボール51が移動すると、アライメントボール51を収容する収容部54も、リテーナ52が変形して移動し、リテーナ52の変形に対する復元力によってアライメントボール51を基軸6に対して付勢することができる。
このように、アライメントボール51を収容する収容部54を有するリテーナ52は、アライメントボール51の位置を規制する規制体として機能するとともに、アライメントボール51を基軸6に対して付勢する付勢手段としても機能することができ、リテーナ52の収容部54に収容したアライメントボール51を基軸6に当接させて精度良く調心することができる。
また、ホルダーボディ10における基軸挿入孔11の周囲にリテーナ52を配置する調心空間111を形成するとともに、軸方向Lから視て円形の調心内面111aが設けられているため、基軸挿入孔11に挿入された基軸6をより精度良く調心することができる。
詳述すると、鋼球で構成されたアライメントボール51を収容部54に収容したリテーナ52を調心空間111に配置すると、アライメントボール51の径外側に調心内面111aが位置するため、基軸挿入孔11への基軸6の挿入によって、アライメントボール51を収容する収容部54は径外側の調心内面111aに沿って移動し、収容部54の移動に伴うリテーナ52の変形も調心内面111aに沿う方向の変形となる。
そのため、リテーナ52の変形に対する調心内面111aに沿う方向の復元力によってアライメントボール51を基軸6に対して調心内面111aに沿う方向の付勢力で付勢して、基軸挿入孔11に挿入された基軸6をより精度良く調心することができる。
また、リテーナ52を、リング状に構成するとともに、六角形断面形状である基軸挿入孔11に対応する六角形断面状の軸方向貫通空間53を有し、六角形断面形状である基軸挿入孔11に対して、六角形断面状の軸方向貫通空間53の向きが合うようにリテーナ52の向きを規制する方向調整凸部55が備えられているため、リテーナ52に設けた六角形断面状の軸方向貫通空間53の向きと、六角形断面形状である基軸挿入孔11の六角形空間112とを一致させることができるため、基軸挿入孔11と軸方向貫通空間53の向きがずれて基軸挿入孔11に基軸6が挿入できないことを防止することができる。
また、アライメントボール51は、六角形断面形状における周方向に等間隔なすべての角部6aを形成する外平面6b,6cに対して、角部6aを挟んで当接するように配置されているため、基軸挿入孔11に挿入された基軸6を高精度で調心することができる。
アライメントボール51が六角形断面形状における周方向に等間隔なすべての角部6aを形成する外平面6b,6cに対して、角部6aを挟んで当接するため、六角形断面形状における周方向に等間隔なすべての角部6aにおける1つの角部6aに対して2つのアライメントボール51が挟み込むように当接し、アライメントボール51を介して作用するリテーナ52の付勢力は、基軸挿入孔11に挿入された基軸6の軸心方向に向かい、高精度で調心することができる。
なお、鋼球で構成されたアライメントボール51を収容部54に収容したリテーナ52を調心空間111に配置した場合、1つの角部6aの両側の2つのアライメントボール51を収容する収容部54は、基軸挿入孔11への基軸6の挿入によって、アライメントボール51の径外側の調心内面111aに沿って離間する方向に移動するため、2つのアライメントボール51が近接する方向の付勢力として、つまり2つのアライメントボール51で角部6aを挟み込む方向の付勢力として作用し、基軸挿入孔11に挿入された基軸6をより高精度で調心することができる。
また、複数の角部6aに対して両側に配置されたアライメントボール51のうち先端側アライメントボール51aと、基端側アライメントボール51bとが軸方向Lにおいて位置が異なっているため、1つの角部6aの両側の2つのアライメントボール51を収容する収容部54が基軸挿入孔11への基軸6の挿入によって、離間する方向に移動し、一つの角部6aにおける軸方向L視の先端側アライメントボール51aと、隣の角部6aにおける軸方向L視の基端側アライメントボール51bとは近接することになるが、複数の角部6aに対して両側に配置された先端側アライメントボール51aと、基端側アライメントボール51bとが軸方向Lにおいて位置が異なることで、先端側アライメントボール51aと、隣の角部6aにおける基端側アライメントボール51bとが干渉することなく、確実に付勢力を作用させて、基軸挿入孔11に挿入された基軸6を高精度で確実に調心することができる。
また、モータMと、モータMの回転力を軸心上に伝達する回転伝達手段とが備えられるとともに、上述の基軸ホルダ1が回転伝達手段によって回転可能に備えられた電動工具Kは基軸6が調心され、回転治具5を芯ブレなく回転させることができる。
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、この発明の回転治具は回転治具5に対応し、
以下同様に、
基軸は基軸6に対応し、
先端側は軸方向先端側Lfに対応し、
基軸挿入孔は基軸挿入孔11に対応し、
ホルダ本体はホルダーボディ10に対応し、
当接部及び球状体はアライメントボール51に対応し、
付勢手段はリテーナ52に対応し、
基軸ホルダは基軸ホルダ1に対応し、
収容部は収容部54に対応し、
弾性収容体はリテーナ52に対応し、
配置空間は調心空間111に対応し、
円筒形内面は調心内面111aに対応し、
挿通空間は軸方向貫通空間53に対応し、
規制手段は方向調整凸部55に対応し、
角部は角部6aに対応し、
外表面は外平面6b,6cに対応し、
一方側の当接部は先端側アライメントボール51aに対応し、
他方側の当接部は基端側アライメントボール51bに対応し、
軸方向は軸方向Lに対応し、
駆動装置はモータMに対応し、
回転伝達手段は回転伝達機構に対応し、
電動工具は電動工具Kに対応するも、この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
例えば、上述の基軸ホルダ1は、電動工具Kのみならず、振動ドリルや電動ドライバ等の回転電動工具に装着してもよいし、電動のみならず、手動や内燃機などを駆動源とする工具に装着してもよい。
径中心方向に移動して基軸6の外平面6b,6cに当接して調心するアライメントボール51の代わりに、複数の部品を組み付けて構成してもよい。さらには、径中心方向に延びるなどの変形によって基軸6の外平面6b,6cに当接する手段としてもよい。
また、鋼球で構成したアライメントボール51を、強度を有するエンジニアプラスチック製の球体で構成してもよい。さらには、アライメントボール51をリテーナ52と一体成形してもよいし、アライメントボール51の代わりに、リテーナ52の一部を径内側に突出させて当接部を構成してもよい。
また、弾性を有するリテーナ52の変形に伴う復元力でアライメントボール51を基軸6の外平面6b,6cに対して付勢して基軸6を調心したが、アライメントボール51を基軸6の外平面6b,6cに対して付勢するバネやゴム、あるいは角部6aを跨いで隣り合うアライメントボール51同士を引き合うように付勢するバネやゴムを用いて基軸6を調心してもよい。
基端傾斜部8の頂部8aを調心する頂部調心支持手段として、基軸挿入孔11の孔基端部を構成するテーパ空間113を備えたが、基軸挿入孔11の孔基端部に配置された別部品で構成されてもよく、基端傾斜部8の頂部8aあるいは頂部8aの近傍を調心支持するように構成してもよい。さらには、基端傾斜部8の頂部8aを調心支持しなくてもよい。
また、上述の説明では、六角形断面の基軸6のすべての角部6aに対してアライメントボール51を挟み込むように配置して調心したが、周方向に等間隔な3箇所の角部6aに対してアライメントボール51を挟み込むように配置して調心してもよい。また、六角形断面を構成する六面の外表面のうち周方向における等間隔な三面や六面に対してアライメントボール51を当接させて調心してもよいし、あるいは、周方向に等間隔に配置した4つのアライメントボール51を四面の外表面に当接させて調心してもよい。
さらには、基軸6の断面形状に対して鋼球で構成するアライメントボール51の径が小さく、基軸6の挿入によって移動した際に、隣のアライメントボール51と干渉するおそれがなければ、12個のアライメントボール51を軸方向Lにおいてずらすことなく配置してもよい。この場合、12個のアライメントボール51を軸方向Lに複数列配置してもよい。
また、上述の説明では、リテーナ52に、軸方向先端側Lfの6個の先端側収容部54aと、軸方向基端側Lbの6個の基端側収容部54bとを設け、六角形断面の基軸6のすべての角部6aに対してアライメントボール51を挟み込むように構成したが、例えば、リテーナ52aの背面側からの分解斜視図である図11(a)に示すように、軸方向先端側Lfの6個の先端側収容部54aより軸方向先端側Lfに、基端側収容部54bと同じ配置で、アライメントボール51cを収容する収容部54cを備えてもよい。
これにより、軸方向先端側Lfからみて、基軸6の角部6aの右側の外平面6cに当接する先端側アライメントボール51aと、角部6aの左側の外平面6bに対して当接するふたつの基端側アライメントボール51b,51cとで角部6aを跨ぎ、挟み込む態様で調心することができる。
なお、調心ベアリング50aの平面図である基軸挿入孔11(b)に示すように、基軸6の外平面6bに当接するふたつの基端側アライメントボール51b,51cとの軸方向Lにおける間で、角部6aを跨ぎ、ひとつの先端側アライメントボール51aが外平面6cに当接して挟み込むため、基軸6に対して、平面視方向に対する回転方向の力が作用せず、安定して調心ベアリング50aで基軸6を調心することができる。
1…基軸ホルダ
6…基軸
6a…角部
6b,6c…外平面
10…ホルダーボディ
11…基軸挿入孔
51…アライメントボール
51a…先端側アライメントボール
51b…基端側アライメントボール
51c…アライメントボール
52,52a…リテーナ
53…軸方向貫通空間
54…収容部
55…方向調整凸部
111…調心空間
111a…調心内面
L…軸方向
Lf…軸方向先端側
M…モータ
K…電動工具

Claims (7)

  1. 回転治具において六角形断面形状である基軸が先端側から挿入可能な六角形断面形状である基軸挿入孔を有するホルダ本体と、
    前記基軸挿入孔に挿入された前記基軸における少なくとも三方向から当接する当接部と、
    該当接部を前記基軸に向かって付勢する付勢手段とが備えられた
    基軸ホルダ。
  2. 前記当接部は、球状体で構成され、
    前記付勢手段は、前記球状体を所定箇所に収容する収容部を有するとともに、少なくとも周方向に移動した前記球状体を元の位置に復元する弾性を有する弾性収容体で構成された
    請求項1に記載の基軸ホルダ。
  3. 前記ホルダ本体における前記基軸挿入孔の周囲に前記弾性収容体を配置する配置空間を形成するとともに、軸方向から視て円形の円筒形内面が設けられた
    請求項2に記載の基軸ホルダ。
  4. 前記弾性収容体を、リング状に構成するとともに、六角形断面形状である前記基軸挿入孔に対応する六角形断面状の挿通空間を有し、
    六角形断面形状である前記基軸挿入孔に対して、六角形断面状の前記挿通空間の向きが合うように前記弾性収容体の向きを規制する規制手段が備えられた
    請求項2または3に記載の基軸ホルダ。
  5. 前記当接部は、
    六角形断面形状における周方向に等間隔な三方向あるいはすべての角部を形成する外表面に対して、前記角部を挟んで当接するように配置された
    請求項1乃至4のうちいずれかに記載の基軸ホルダ。
  6. 複数の前記角部に対して両側に配置された前記当接部のうち軸方向から視て一方側の当接部と、他方側の当接部とが軸方向において位置が異なる
    請求項5に記載の基軸ホルダ。
  7. 駆動装置と、該駆動装置の回転力を軸心上に伝達する回転伝達手段とが備えられるとともに、
    請求項1乃至6のうちいずれかひとつに記載の基軸ホルダが前記回転伝達手段によって回転可能に備えられた
    電動工具。
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WO2022064612A1 (ja) * 2020-09-24 2022-03-31 株式会社 ムラテクノロジー 基軸ホルダ及び電動工具

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