JP3702711B2 - 印刷装置および印刷方法 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、インク滴を吐出するノズルユニットを複数個組み合わせて集合ヘッドを構成し、該集合ヘッドを用いて画像を印刷する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
ヘッドに複数のノズルを設け、各ノズルからインク滴を吐出して印刷媒体上にインクドットを形成することによって画像を印刷する印刷装置が、各種画像機器の出力装置として広く使用されている。かかる印刷装置では、以下のように、ヘッドの主走査と副走査とを繰り返しながら画像を印刷している。すなわち、インクドットを形成しながらヘッドをノズル列と交差する方向に主走査させてインクドットの列(以下、ラスタ)を複数本形成し、次いで、ヘッドをラスタ方向と交差する方向に副走査させた後、再び主走査を行うことによって新たな位置にラスタを複数本形成する。こうしてヘッドの主走査と副走査とを繰り返し、印刷媒体上の全ての位置にラスタを形成し終わると、画像の印刷を終了する。
【0003】
かかる印刷装置において、印刷速度の向上を図るためには、ヘッドのノズル数を増やして、1回の主走査で形成されるラスタの本数を増加させることが有効である。特に、A3用紙ないしA0用紙等のいわゆる大判用紙に印刷する場合には、用紙が大判化する分だけ形成すべきラスタ数も増加するので、ヘッドを大型化してノズル数を増やすことによる効果が大きいものと考えられる。
【0004】
このようなヘッドの大型化を図る場合に、新たなヘッドを製造する代わりに、従来より使用されているヘッドを複数組み合わせて大型ヘッドを構成することにすれば便利であると考えられる。すなわちインク滴を吐出するという、ヘッドの機能上から最も重要な部品であるノズルユニットは、従来のヘッドに使用されているものを使用し、これを複数配列することでノズル数の多い大型ヘッドを構成するのである。かかる方法によれば、例えば、更に多ノズル数のヘッドが必要になったときにも、より多くのノズルユニットを組み合わせて所望のヘッドを構成することが可能である。また、ノズルユニット自体は、従来型のヘッドの製造技術で製造することができるので、大きなノズルユニットを製造する場合に比べて容易に製造することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、複数のノズルユニットを組み合わせて大型ヘッド構成し、この大型ヘッドを用いて画像を印刷する場合、各ノズルユニット毎に僅かとはいえインク吐出特性に違いがあり、ノズルユニット間の僅かな特性の違いが印刷画質の悪化を引き起こすおそれがある。また、ノズルユニットを組み付ける際に組付位置の誤差が生じると、そのユニットで形成される全ドットの位置が一律に一定量だけずれてしまうので、このようなユニット毎の組み付け誤差の違いにより、ノズルユニットの繋ぎ目に相当する部分で印刷画質の悪化を引き起こすおそれがある。
【0006】
この発明は、複数のノズルユニットを組み合わせて大型ヘッドを構成し、かかる大型ヘッドで画像を印刷する場合に、ノズルユニットの繋ぎ目に相当する部分で印刷画質が悪化することを回避する技術を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】
上述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の印刷装置は、次の構成を採用した。すなわち、
ノズルユニットに設けられたノズル列からインク滴を吐出し、印刷媒体上にインクドットを形成することによって画像を形成する印刷装置であって、
複数の前記ノズルユニットから構成され、各ノズルユニットの端部にある少なくとも1つのノズルと他のノズルユニットの端部のノズルとが前記ノズル列と交差する方向に重複するように、前記各ノズルユニットを配置した集合ヘッドと、
前記集合ヘッドを、ノズル列と交差する方向たる主走査方向に移動させる主走査手段と、
前記集合ヘッドを、前記主走査方向と交差する方向たる副走査方向に移動させる副走査手段と、
前記集合ヘッドの主走査中に各ノズルからインク滴を吐出してインクドットの列たるラスタを形成するとともに、ノズルが重複して配置された前記ノズルユニットの重複部分では、各ノズルユニットのインクドットを混在させて前記ラスタを形成するラスタ形成手段と
を備え、
前記副走査手段は、移動後の前記集合ヘッドによる印刷範囲の前記移動方向の一端と移動前の該集合ヘッドによる印刷範囲の該移動方向の他端とが、複数の前記ノズルユニット同士の重複幅と同じ幅だけ重複するように、該集合ヘッドを、前記印刷媒体に対して相対的に前記副走査方向に移動させる手段であり、
前記ラスタ形成手段は、
前記画像を構成する前記ラスタの各々に、該画像の形成開始側である画像の上端部からの位置を表すラスタ番号を付与するラスタ番号付与手段と、
前記付与されたラスタ番号に基づいて、前記ラスタが形成される主走査時期を、該各々のラスタについて決定する主走査時期決定手段と、
前記ラスタ番号と前記ラスタが形成される主走査時期とに基づいて、該ラスタを形成するノズルユニットを決定した後、該ノズルユニットの端部からの距離を表すユニットオフセットを、該ラスタの各々について決定するユニットオフセット決定手段と、
前記ユニットオフセットが所定値以下のラスタを、前記ノズルユニットの重複部分で形成されるラスタとして抽出する重複ラスタ抽出手段と
を備えることを要旨とする。
【0008】
また、上記の印刷装置に対応する本発明の印刷方法は、
ノズルユニットに設けられたノズル列からインク滴を吐出し、印刷媒体上にインクドットを形成することによって画像を形成する印刷方法であって、
前記各ノズルユニットの端部にある少なくとも1つのノズルと他のノズルユニットの端部のノズルとが前記ノズル列と交差する方向に重複するように、複数の前記ノズルユニットが配置された集合ヘッドを駆動する第1の工程と、
前記集合ヘッドを、ノズル列と交差する方向たる主走査方向と、該主走査方向と交差する方向たる副走査方向とに移動させる第2の工程と、
前記集合ヘッドの主走査中に各ノズルからインク滴を吐出してインクドットの列たるラスタを形成するとともに、ノズルが重複して配置された前記ノズルユニットの重複部分では、各ノズルユニットのインクドットを混在させて前記ラスタを形成する第3の工程と
を備え、
前記第2の工程は、移動後の前記集合ヘッドによる印刷範囲の前記移動方向の一端と移動前の該集合ヘッドによる印刷範囲の該移動方向の他端とが、複数の前記ノズルユニット同士の重複幅と同じ幅だけ重複するように、該集合ヘッドを、前記印刷媒体に対して相対的に前記副走査方向に移動させる工程であり、
前記第3の工程は、更に、
前記画像を構成する前記ラスタの各々に、該画像の形成開始側である画像の上端部からの位置を表すラスタ番号を付与する工程と、
前記付与されたラスタ番号に基づいて、前記ラスタが形成される主走査時期を、該各々のラスタについて決定する工程と、
前記ラスタ番号と前記ラスタが形成される主走査時期とに基づいて、該ラスタを形成するノズルユニットを決定した後、該ノズルユニットの端部からの距離を表すユニットオフセットを、該ラスタの各々について決定する工程と、
前記ユニットオフセットが所定値以下のラスタを、前記ノズルユニットの重複部分で形成されるラスタとして抽出する工程と
を備えることを要旨とする。
【0009】
かかる印刷装置および印刷方法においてラスタを形成する際には、ノズルユニットが重複して配置された部分では、重複するノズルユニットのインクドットを混在させてラスタを形成する。従って、隣り合って組み付けられているノズルユニット間でインク吐出特性が僅かに違っていたり、ノズルユニット組み付けの際の誤差があっても、ノズルユニットの繋ぎ目部分が目立たなくなるので、印刷画質の悪化を回避することができる。尚、複数のノズルユニットをユニット間で位置ずれが生じないように精密に位置決めしながら組み付けた場合には、これらユニットを1つのノズルユニットと把握可能な場合があることは言うまでもない。
【0010】
かかる印刷装置においては、ノズルユニットが重複して配置されている部分では、インクドットを形成するノズルユニットを交互に選択してラスタを形成するようにしてもよい。
【0011】
ノズルユニットが重複している部分で、重複しているノズルユニットを交互に選択してラスタを形成すれば、この重複には各ノズルユニットの特性が同じ割合で現れる。そのため、このようにして印刷された重複部分は、どちらのノズルユニットで印刷された領域との境目も目立ちにくくなり、印刷画質の悪化を回避することができる。また、かかる方法によれば、ノズルユニットの重複部分で各ノズルユニットのドットを混在して形成するための処理を、簡便な方法で実現することができる。
【0012】
また、かかる印刷装置においては、ノズルユニットが重複している部分で次のようにしてドットを形成してもよい。すなわち、インクドットを形成しようとする画素位置からノズルユニットの端部までの距離を調べ、端部までの距離が大きいノズルユニットほど選択されやすくする。
【0013】
このようにして選択したノズルユニットでインクドットを形成すれば、ノズルユニットの繋ぎ目部分で、あるノズルユニットで形成されたドットから他のノズルユニットのドットへなめらかに移り変わり、繋ぎ目が目立たなくなる。すなわち、2つのノズルユニットA,Bの繋ぎ目部分のラスタを形成する場合、ノズルユニットA側のラスタはユニットAのドットで主に形成され、ノズルユニットB側のラスタはユニットBのドットで主に形成される。従って、このようにノズルユニットを選択してドットを形成すれば、ノズルユニットの繋ぎ目部分が目立たなくなり、印刷画質の悪化を回避することができる。
【0015】
かかる機能を実現するプログラムをコンピュータが読み込んで、集合ヘッドの主走査と副走査とを行いながらインクドットを形成する際に、ノズルユニットが重複した部分では、各ノズルユニットのドットが混在するように形成させることによって、ノズルユニットの繋ぎ目部分が目立って印刷画質が悪化することを回避することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
A.装置の構成
本発明の実施の形態を、実施例に基づいて説明する。図1は、本発明における実施例としての印刷装置の構成を示す説明図である。図示するように、この印刷装置は、コンピュータ80にカラープリンタ20が接続されており、コンピュータ80に所定のプログラムがロードされ実行されることによって、全体として印刷装置として機能する。印刷しようとするカラー原稿は、コンピュータ80に接続されたカラースキャナ21を用いて取り込まれたり、あるいはコンピュータ80上で各種のアプリケーションプログラム91により作成した画像等が使用される。これらの画像のデータORGは、コンピュータ80内のCPU81により、カラープリンタ20が印刷可能な画像データに変換され、画像データFNLとしてカラープリンタ20に出力される。カラープリンタ20は、この画像データFNLに従って、印刷媒体上に各色のインクドットを形成する結果、印刷用紙上にカラー原稿に対応するカラー画像が印刷されることになる。
【0017】
コンピュータ80は、各種の演算処理を実行するCPU81や、データを一時的に記憶するRAM83、各種のプログラムを記憶しておくROM82,ハードディスク26等から構成されている。また、SIO88をモデム24を経由して公衆電話回線PNTに接続すれば、外部のネットワーク上にあるサーバSVから必要なデータやプログラムをハードディスク26にダウンロードすることが可能となる。
【0018】
カラープリンタ20は、カラー画像の印刷が可能なプリンタであり、本実施例では、印刷用紙上にシアン・マゼンタ・イエロ・ブラックの合計4色のドットを形成することによって、カラー画像を印刷するインクジェットプリンタを使用している。本実施例で使用したインクジェットプリンタのインク吐出方式は、後述するようにピエゾ素子PEを用いる方式を採用しているが、他の方式によりインクを吐出するノズルユニットを備えたプリンタを用いるものとしてもよい。例えば、インク通路に配置したヒータに通電し、インク通路内に発生する泡(バブル)によってインクを吐出する方式のプリンタに適用するものとしてもよい。
【0019】
図2は、本印刷装置のソフトウェアの構成を概念的に示すブロック図である。コンピュータ80においては、すべてのアプリケーションプログラム91はオペレーティングシステムの下で動作する。オペレーティングシステムには、ビデオドライバ90やプリンタドライバ92が組み込まれていて、各アプリケーションプログラム91から出力される画像データは、これらのドライバを介して、カラープリンタ20に出力される。
【0020】
アプリケーションプログラム91が印刷命令を発すると、コンピュータ80のプリンタドライバ92は、アプリケーションプログラム91から画像データを受け取って、所定の画像処理を行い、プリンタが印刷可能な画像データに変換する。図2に概念的に示すように、プリンタドライバ92が行う画像処理は、解像度変換モジュール93と、色変換モジュール94と、ハーフトーンモジュール95と,ラスタ変換モジュール96の大きく4つのモジュールから構成されている。各モジュールで行う画像処理の内容は後述するが、プリンタドライバ92が受け取った画像データは、これらモジュールで変換された後、最終的な画像データFNLとしてカラープリンタ20に出力される。尚、本実施例のカラープリンタ20は、画像データFNLに従って、ドットを形成する役割を果たすのみであり、画像処理は行っていないが、もちろん、カラープリンタ20で画像変換の一部を行うものであってもよい。
【0021】
図3に、本実施例のカラープリンタ20の概略構成を示す。このカラープリンタ20は、図示するように、キャリッジ40に搭載された各色毎のノズルユニット51ないし54を駆動してインクの吐出およびドット形成を行う機構と、このキャリッジ40をキャリッジモータ30によってプラテン36の軸方向に往復動させる機構と、紙送りモータ35によって印刷用紙Pを搬送する機構と、制御回路60とから構成されている。
【0022】
各色毎の集合ヘッド51ないし54は、複数のノズルユニットから構成されており、各ノズルユニットに設けられているノズルが集まって、1体の集合ヘッドを形成している。集合ヘッドの構成については後述する。
【0023】
キャリッジ40をプラテン36の軸方向に往復動させる機構は、プラテン36の軸と並行に架設されたキャリッジ40を摺動可能に保持する摺動軸33と、キャリッジモータ30との間に無端の駆動ベルト31を張設するプーリ32と、キャリッジ40の原点位置を検出する位置検出センサ34等から構成されている。
【0024】
印刷用紙Pを搬送する機構は、プラテン36と、プラテン36を回転させる紙送りモータ35と、図示しない給紙補助ローラと、紙送りモータ35の回転をプラテン36および給紙補助ローラに伝えるギヤトレイン(図示省略)とから構成されている。印刷用紙Pは、プラテン36と給紙補助ローラの間に挟み込まれるようにセットされ、プラテン36の回転角度に応じて所定量だけ送られる。
【0025】
制御回路60の内部には、コンピュータ80とのデータのやり取りを行うPCインターフェース64,紙送りモータ35やキャリッジモータ30等とのデータのやり取りを行う周辺機器入出力部(PIO)65,集合ヘッド51ないし54にドットのオン・オフ信号を供給する駆動バッファ67,これらを制御するCPU61やデータを一時的に記憶するRAM63等が設けられている。また、制御回路60内には、駆動波形を出力する発振器70,発振器70の出力を集合ヘッド51ないし54に所定のタイミングで分配する分配出力器69も設けられている。
【0026】
CPU61は、キャリッジモータ30に駆動信号を出力しながら、発振器70に対してトリガ信号を出力し、これに同期をとりながら、RAM63に蓄えられているドットのオン・オフ信号を読み出して駆動バッファ67に出力する。こうしてCPU61の制御の下、キャリッジ40の主走査を行いながら、ノズルユニットに設けられた各ノズルからインク滴を吐出する。また、CPU61はキャリッジの動きに同期して、紙送りモータ35の動きも制御している。こうして印刷用紙上の適切な位置にインクドットが形成される。
【0027】
キャリッジ40には黒(K)インクを収納するインクカートリッジ42と、シアン(C)・マゼンタ(M)・イエロ(Y)の合計3色のインクを収納するインクカートリッジ43とが装着されている。もちろん、Kインクと多色のインクとを同じインクカートリッジに収納等してもよい。また、多色のインクをそれぞれ別のカートリッジに収納しても構わない。複数のインクを1つのカートリッジに収納可能とすれば、インクカートリッジをコンパクトに構成することができる。キャリッジ40にインクカートリッジ42,43を装着すると、カートリッジ内の各インクは図示しない導入管を通じて、各色毎の集合ヘッド51ないし54に供給される。各集合ヘッドに供給されたインクは、以下に説明する方法によって吐出され、印刷用紙上にドットを形成する。
【0028】
図4(a)は集合ヘッドを構成するノズルユニットの内部構造を示した説明図である。各色の集合ヘッド51ないし54を構成する各ノズルユニットには320個のノズルNzが設けられていて、各ノズルには、インク通路50とその通路上にピエゾ素子PEが設けられている。ピエゾ素子PEは、周知のように、電圧の印加により結晶構造が歪み、極めて高速に電気−機械エネルギの変換を行う素子である。本実施例では、ピエゾ素子PEの両端に設けられた電極間に所定時間幅の電圧を印可することにより、図4(b)に示すように、ピエゾ素子PEが電圧の印加時間だけ伸張し、インク通路50の一側壁を変形させる。この結果、インク通路50の体積はピエゾ素子PEの伸張に応じて伸縮し、この収縮分に相当するインクが、粒子IpとなってノズルNzから高速で吐出される。このインクIpがプラテン36に装着された印刷用紙Pに染み込むことにより、印刷用紙Pの上にドットが形成される。尚、ピエゾ素子PEに印可する電圧波形を制御することによって、吐出するインク滴の大きさを制御することも可能である。吐出するインク滴の大きさを制御すれば、印刷用紙に形成されるインクドットの大きさを制御することが可能である。
【0029】
図5は、複数のノズルユニットで各色の集合ヘッドを構成している様子を示す説明図である。図示するように、各色の集合ヘッドは4つのノズルユニットから構成されていて、各ノズルユニットは端部にある所定数のノズルが、他のノズルユニットの端部のノズルと主走査方向に重複するように配列されている。各ノズルユニットには、320個のノズルが160個ずつ2列に千鳥状に設けられていてる。このように構成された各色集合ヘッドは、あたかも全体が1つの大きなヘッドのように機能して、印刷媒体上にインクドットを形成する。尚、それぞれのノズルは必ずしも千鳥状に配列する必要はないが、千鳥状に配列すれば、ノズルピッチkの値を小さくすることができる利点がある。
【0030】
図5に示すように、各色の集合ヘッド51ないし54はキャリッジ40の搬送方向に位置がずれている。また、各色集合ヘッド毎のノズルについても、千鳥状に配置しているのでキャリッジ40の搬送方向に位置がずれている。カラープリンタ20の制御回路60は、キャリッジ40を搬送しながら、これらノズル位置の違いを考慮し適切なタイミングでそれぞれのPE素子を駆動してインク滴を吐出している。
【0031】
以上のようなハードウェア構成を有するカラープリンタ20は、キャリッジモータ30を駆動することによって、各色の集合ヘッド51ないし54を印刷用紙Pに対して主走査方向に移動させ、また紙送りモータ35を駆動することによって、印刷用紙Pを副走査方向に移動させる。制御回路60の制御の下、キャリッジ40の主走査および副走査を繰り返しながら、適切なタイミングでノズルを駆動してインク滴を吐出することによって、カラープリンタ20は印刷用紙上にカラー画像を印刷している。
【0032】
B.画像処理の概要
上述のように、カラープリンタ20は、画像データFNLの供給を受けてカラー画像を印刷する機能を有するが、カラープリンタ20に供給する画像データFNLはコンピュータ80がカラー画像に所定の画像処理を行って生成する。図6は、コンピュータ80がカラープリンタ20に画像データFNLを出力して、画像を印刷する処理の概要を示したフローチャートである。かかる処理は、コンピュータ80のプリンタドライバ92内で、CPU81の各機能を用いて実現される。以下、同図に従って、画像処理の概要を説明する。
【0033】
図6に示すように、画像処理が開始されると、CPU81は初めに画像データを入力する(ステップS100)。この画像データは図2で説明したようにアプリケーションプログラム91から供給されるデータであり、画像を構成する各画素毎にR・G・Bそれぞれの色について、0〜255の値の256階調を有するデータである。
【0034】
CPU81は、画像データを受け取ると、解像度変換、色変換、多値化処理等の所定の画像処理を行って、カラープリンタ20が印刷可能な画像データFNLに変換する(ステップS102)。すなわち、入力画像の解像度をカラープリンタ20の印刷解像度に変換し(解像度変換)、R・G・Bを用いた加法混色による表現をC・M・Y・Kを用いた減法混色による表現に変換し(色変換)、256階調を有する画像データをドットの有無による表現形式に変換する(多値化処理)。
【0035】
こうして画像処理を終了すると、CPU81は最後にラスタ分類処理を開始する(ステップS104)。画像処理後の画像データはドットの有無による表現に変換されていて、各ドットは集合ヘッドを主走査させながらラスタ単位で形成される。ラスタ分類処理は、画像データを構成するラスタのそれぞれについて、何回目の主走査中にどのノズルユニットで形成するかを、ラスタ単位で分類していく処理である。本実施例のカラープリンタ20では、ラスタ分類処理によってノズルユニットの重複部分で形成するラスタを選別し、選別されたラスタは重複するノズルユニットのドットが混在するようにドットの形成を制御している。このため、たとえ、隣り合うノズルユニットのインク吐出特性が異なっていたとしても、画像を印刷したときにノズルユニットの繋ぎ目部分が目立つことなく、印刷画質の悪化を防ぐことができる。ノズルユニットの繋ぎ目部分におけるドット形成については、後ほど詳述する。
【0036】
こうして、ラスタ分類処理が終了すると、画像データはプリンタが印刷可能な画像データFNLとして、カラープリンタ20のそれぞれのヘッドに出力される(ステップS106)。この画像データFNLに従って、カラープリンタ20がドットを形成することで印刷用紙上に画像が印刷される。
【0037】
C.ノズルユニットの繋ぎ目部分におけるドット形成
図7(a)は集合ヘッドを模式的に表した説明図である。図5でも触れたが、集合ヘッドは4つのノズルユニットAないしDから構成されていて、各ノズルユニットには320個のノズルが設けられている。隣り合うノズルユニットは、端部にある10ノズル分が互いに主走査方向に重複して配列されている。このような集合ヘッドを主走査させながらインク滴を吐出すると、ノズルユニットAの320個のノズルのうちで重複しているノズルは10ノズルだけなので、ノズルユニットA単独部分では310本分のラスタを形成し、ノズルユニットAとBとの重複部分で10本分のラスタを形成する。ノズルユニットBについては、両端でユニットAとCとに重複しているから、ノズルユニットB単独部分では300本分のラスタを形成する。同様に、ノズルユニットC単独部分では300本分のラスタを、ノズルユニットD単独部分では310本分のラスタを形成し、それぞれの重複部分では10本分のラスタを形成する。図7(a)には、集合ヘッドを主走査したときに、4つのノズルユニットAないしDで形成されるラスタの本数と互いの位置関係を模式的に示している。図中の数字は、対応する部分で形成されるラスタの本数を示したものである。各々320個のノズルを有する4つのノズルユニットを上述のように配列して形成しているので、集合ヘッドは1250個のノズルを備えた大型ヘッドとして機能する。
【0038】
図7(b)は、集合ヘッドを副走査させながら次々とラスタを形成していく様子を概念的に表した説明図である。図7(b)の左側には副走査を行う前と後での集合ヘッドの位置を示し、それぞれの集合ヘッドの右側には、主走査時に形成されるラスタ群を斜線のハッチングを施して模式的に表示している。
【0039】
集合ヘッドを主走査する度に、ノズルユニットAないしDがそれぞれ単独でラスタを形成する領域と、それら領域の間に2つのノズルユニットが重複してラスタを形成する領域とが現れる。図中で「A1」と表示した領域は1回目の主走査でノズルユニットAによりラスタが形成される領域であり、「B1」と表示した領域は1回目の主走査でノズルユニットBによりラスタが形成される領域である。また、「AB1」と表示した領域は1回目の主走査で2つのノズルユニットAとBとを用いてラスタが形成される領域であることを示している。
【0040】
また、1回目の主走査時にノズルユニットDで形成された領域と、2回目の主走査時にノズルユニットAで形成される領域との繋ぎ目部分が目立ち、印刷画質を悪化させることのないよう、この部分でもノズルユニットDとノズルユニットAとを用いてラスタを形成する。つまり、図7(a)で示したように、集合ヘッドは1250個のノズルを備えた大型ヘッドとして機能するが、1回目の主走査時のラスタと2回目の主走査時のラスタとがラスタ10本分だけ重複するように、1回あたりの副走査量をラスタ1240本分としている。図中で「DA2」と表示している領域は、2回目の主走査時のノズルユニットAと1回目の主走査時のノズルユニットDの2つのノズルユニットを用いてラスタが形成される領域であることを示している。
【0041】
本実施例のカラープリンタ20は、集合ヘッドを、このようにしてラスタ1240本分ずつ副走査させながら、次々にラスタを形成していく。その結果、図7(b)に示すようにノズルユニットA,B,C,Dがそれぞれ単独でラスタを形成する領域と、それら領域の間で2つのノズルユニットを用いてラスタを形成する領域とが、ちょうどラスタ1240本分を周期として繰り返して形成されることになる。従って画像を印刷するためには、図6の画像処理(ステップS102)でドットの有無による表現に変換された画像データを、集合ヘッドの主走査に合わせながら、適切なタイミングで各々のノズルユニットに供給しなければならない。そこで、図6のラスタ分類処理(ステップS104)では、画像処理後の画像データを構成するラスタの1つ1つについて、どのノズルユニットに何回目の主走査のタイミングで供給すればよいかを次のようにして判断している。
【0042】
(1)ラスタ分類処理:
図8は、本実施例のカラープリンタ20で行われるラスタ分類処理の流れを示すフローチャートである。また、図9には集合ヘッドを主走査しながら印刷用紙上に画像を形成していく様子を概念的に表している。図9の破線で囲った領域が集合ヘッドによってラスタが形成されていく領域である。前述したように集合ヘッドは4つのノズルユニットから構成されていて、1回主走査をする毎に1240本のラスタを形成していく。以下、本実施例のカラープリンタ20で行うラスタ分類処理について、図8および図9を参照しながら説明する。
【0043】
ラスタ分類処理を開始すると、初めに判断の対象とするラスタ(着目ラスタ)のラスタ番号LNを取得する(ステップS200)。ラスタ番号LNとは、印刷範囲の中でのラスタの位置を示す番号であり、図9に示すように印刷領域の上端からそのラスタが何番目にあるかを示す値である。
【0044】
次いで、着目ラスタを何回目の主走査で形成するか、すなわち着目ラスタの主走査時期MNを算出する(ステップS202)。図9に示すように、集合ヘッドは1回の主走査毎に1240本のラスタを形成するから、着目ラスタの主走査時期MNは次式によって求めることができる。
MN=int(LN/1240)+1 ・・・(1)
ここで、int(A)とはAの整数部分を出力する演算子である。例えば、着目ラスタのラスタ番号LN=310とすると、(1)式は、
MN=int(310/1240)+1=0+1=1
となるから、ラスタ番号310のラスタは1回目の主走査で形成されるラスタであることが分かる。
【0045】
こうして主走査時期MNを算出すると、次は着目ラスタを形成するノズルユニットを判断する。そのための準備としてヘッドオフセットHOFを算出する(ステップS204)。ヘッドオフセットHOFは次式を用いて算出する。
HOF=LN−1240×(MN−1) ・・・(2)
ヘッドオフセットHOFとは、上式から分かるように、着目ラスタを集合ヘッドの最上部から何番目のラスタとして形成するかを示す値である。図9に示す例では、着目ラスタは4回目の主走査で形成されているから、(2)式から、(LN−1240×3)番目のラスタとして形成されることになる。
【0046】
ヘッドオフセットHOFが求まると、これを基に着目ラスタを形成するノズルユニット番号NZUを算出する(ステップS206)。図9に示すように、集合ヘッドを構成する4つのノズルユニットには、順番に1ないし4の番号がつけられており、この番号がノズルユニット番号である。ノズルユニット番号NZUは、次式を用いて算出する。
NZU=int(HOF/310)+1 ・・・(3)
つまり集合ヘッドはノズルユニット番号1ないし4の4つのノズルユニットで構成されているから、集合ヘッドが1回の主走査で形成する1240本分のラスタを4等分して、各領域の310本分のラスタをそれぞれのノズルユニットが形成すると考えることができる。もちろん、ノズルユニットの重複部分では2つのノズルユニットを用いてラスタを形成しているので、ヘッドオフセットHOFのみからノズルユニットを選択することはできないが、これについては後から修正すればよい。
【0047】
以上の処理を行うことによって、着目ラスタについての主走査時期MNとノズルユニット番号NZUが決定されたら、それを着目ラスタの主走査時期MNおよびノズルユニット番号NZUとして一旦記憶し(ステップS208)、ノズルユニットの重複部に対応するラスタについては、次のようにして修正する。
【0048】
重複部の修正を行う準備として、先ず、着目ラスタについてのユニットオフセットUOFを算出する(ステップS210)。ユニットオフセットUOFとは次のような値である。前述したように、1回の主走査で形成される1240本のラスタは310本ずつ、4つのノズルユニットで形成されると考えることができるが、図9に示すように各ノズルユニットの上部から10ラスタは他のノズルユニットと混在して形成されている。そこで、着目ラスタが各ノズルユニットの上部から何番目に相当するかを知る必要がある。各ノズルユニットの上部から何番目に相当するかを示す値を、ユニットオフセットUOFと呼ぶ。UOFは次式によって求めることができる。
UOF=HOF−int(HOF/310)×310 ・・・(4)
【0049】
(4)式によりユニットオフセットUOFを求めたら、この値が10以下か否かを判断する(ステップS212)。つまり、UOFの値が10以上となるラスタは単独のノズルユニットでラスタを形成しているので、選択したノズルユニットを修正する必要はない。しかし、UOFが10以下のラスタは複数のノズルユニットを用いてラスタを形成しているので、先に選択したノズルユニットを再度修正する必要がある。そこで、ステップS212では、UOFの値が10以下か否かを判断している。
【0050】
ユニットオフセットUOFの値が10以下と判断された場合は、選択したノズルユニットの修正を行うが、その前に、ノズルユニット番号NZUが1番であるか否かを判断しておく(ステップS214)。これは次の理由による。図9に示すように、NZUが1番のノズルユニットは前回の主走査のNZU4番のノズルユニットと混在してラスタを形成している。従ってNZUが1番の場合は、選択したノズルユニットだけでなく主走査時期も修正しなければならないので、初めにNZUが1番であるか否かを判断しておくのである。また、ステップS212において、ユニットオフセットUOFの値が10より大きいと判断された場合は、ステップS208で求められた主走査時期MNおよびノズルユニット番号NZUを採用する。
【0051】
選択したノズルユニットの修正は、着目ラスタを構成する偶数番目のドットのみ修正する。こうすることで、奇数番目のドットは先に選択していたノズルユニットで形成され、偶数番目のドットは修正したノズルユニットで形成されることになり、2つのノズルユニットで交互にドットが形成される。
【0052】
ステップS214でノズル番号NZUが1番と判断されていた場合、着目ラスタを構成する全ドットについて、偶数番目のドットか否かを判断し(ステップS216)、偶数番目のドットについては主走査時期を1つ前の主走査時期に、ノズルユニット番号は1番から4番に修正する(ステップS218)。奇数番目のドットについては修正せず、ステップS208で記憶した値を採用する。
【0053】
ステップS214でノズル番号NZUが1番ではない場合についてもほぼ同様に、着目ラスタを構成する全ドットについて、偶数番目のドットか否かを判断し(ステップS220)、偶数番目のドットについてはノズルユニット番号NZUを1つ前の番号に修正する(ステップS222)。奇数番目のドットについては修正せず、ステップS208で記憶した値を採用する。
【0054】
以上のようにして、ノズルユニット重複部での修正も終了すると、全てのラスタについて処理を終了したかどうかを判断し(ステップS226)、未処理のラスタが残っている場合は、ステップS200に戻って続く一連の処理を行う。こうして全てのラスタについて、主走査時期とノズルユニットを決定したら、ラスタ分類処理を終了して、図6の印刷処理ルーチンに戻り、ラスタ分類処理で決定したタイミングで各ノズルユニットに画像データを出力する。
【0055】
図9のフローチャートを用いて説明したように、ノズルユニットの重複部で2つのノズルユニットのドットを混在させてラスタを形成して印刷された画像の一例を図10(a)に示す。尚、本実施例のカラープリンタ20では、集合ヘッドは4つのノズルユニットで構成され、各ノズルユニットには320個のノズルが設けられているが、紙面に表現する都合から図10では、集合ヘッドは2つのノズルユニットで構成されているものとし、ノズルユニットあたりのノズル数やノズルユニットの重複部分の長さも実際より短いものとして表現している。
【0056】
図10(a)に示したのと同じノズルユニットを使用し、2つのノズルユニットが互いに重複しないように配列して集合ヘッドを構成した場合に、得られる印刷画像を図10(b)に示す。図10(b)では、ノズルユニットの繋ぎ目部分を明確に認識することができる。このように、複数のノズルユニットを配列して集合ヘッドを構成する場合、インク吐出特性がノズルユニット間で若干異なっていると繋ぎ目部分で画質が悪化することがある。これに対して、図10(a)ではノズルユニットの繋ぎ目部分が目立ちにくくなっている。従って、隣接するノズルユニットのインク吐出特性が若干異なっていても、ノズルユニットの繋ぎ目部分が目立つことがないので、画質の悪化を回避することができる。
【0057】
図10(a)に示す例では、ノズルユニットの重複部分で、同じノズルユニットで形成されるドットが縦に並んでいるため、この部分に画像の濃淡などの特徴的な周期が認識されて、画質が悪化してしまう場合が起こる可能性がないではない。そのような場合は、図11(a)に示すように、ノズルユニットの重複部分で、2つのノズルユニットのドットを市松模様状に形成しても構わない。2つのドットを市松状に形成する場合、ラスタ分散処理の概要は次のようなものになる。すなわち、図8に示したフローチャートでは、着目ラスタを構成している偶数番目のドットを修正しているが、着目ラスタのユニットオフセットUOFが奇数の場合は偶数番目のドットを修正し、UOFが偶数の場合は奇数番目のドットを修正すれば、ほぼ図8と同様の処理を行うことによって実現することができる。
【0058】
また、図11(a)に示した例では、縦に同じノズルユニットのドットが並ぶことはないが、2種類のドットが一定のパターンで形成されている。このことにより画質が悪化してしまう可能性を避けるためには、ノズルユニットの重複部分のドットを修正する処理において、乱数を発生させ、乱数の値が所定の閾値より大きくなるか否か等によって、修正するドットをランダムに選択するようにすることも可能である。こうしてランダムにドットを修正した例を図11(b)に示す。図示されるように、このようにすればドットが一定のパターンで形成されることがなく、従って、ドットの形成パターンが一定なために生じ得る画質の悪化を避けることができる。
【0059】
また、図12に示すようにすれば、ノズルユニットの繋ぎ目部分を更に目立たなくすることができる。すなわち、ノズルユニットの重複部分で、2つのノズルユニットのドットを均一に発生させるのではなく、形成割合を滑らかに変化させるのである。図12に示した例では、ノズルユニットAとノズルユニットBとが重複している部分はラスタ4本分であるから、全ドットがノズルユニットAで形成されている領域から全ドットがノズルユニットBで形成されている領域に、4段階の中間状態を経て移り変わるようにする。つまり、2つのノズルユニットが重複している部分のラスタ中で、ノズルユニットBの端部にあるラスタについては、20%のドットをノズルユニットBのドットで置き換える。ノズルユニットBの端部から2番目のラスタについては、40%のドットをノズルユニットBのドットで置き換える。端部から3番目のラスタについては60%のドットを、更に端部から4番目のラスタについては80%のドットを、ノズルユニットBのドットで置き換えていく。こうして端部から5番目のラスタでちょうど全てのドットがノズルユニットBで形成されるように、重複部分のドットの形成割合をなめらかに変化させていくのである。このように、ノズルユニットの重複部分において、端部までの距離が大きくなるほど、そのノズルユニットのドットの形成割合を大きくしていけば、重複部分でのノズルユニットの繋ぎ目を、更に目立たなくすることができる。図8に示すフローチャートでは着目ラスタの偶数番目のドットを修正しているが、ユニットオフセットUOFの値に応じて、修正するドットを徐々に増加させるようにすれば良い。
【0060】
以上、各種の実施例について説明してきたが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することができる。例えば、上述の機能を実現するソフトウェアプログラム(アプリケーションプログラム)を、通信回線を介してコンピュータシステムのメインメモリまたは外部記憶装置に供給し実行するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の印刷装置の概略構成図である。
【図2】ソフトウェアの構成を示す説明図である。
【図3】本実施例のプリンタの概略構成図である。
【図4】本実施例のプリンタにおけるドット形成原理を示す説明図である。
【図5】本実施例のプリンタで用いられる集合ヘッドが複数のノズルユニットを配列して構成されている様子を示す説明図である。
【図6】本実施例における印刷処理ルーチンの流れを示すフローチャートである。
【図7】本実施例のカラープリンタで使用される集合ヘッドとラスタとの関係を示す説明図である。
【図8】本実施例のカラープリンタで行われるラスタ分類処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】本実施例のカラープリンタで行われるラスタ分類処理の考え方を示す説明図である。
【図10】本実施例のカラープリンタが集合ヘッドを用いて印刷する画像の一例を示す概念図である。
【図11】本実施例のカラープリンタが集合ヘッドを用いて画像を印刷する他の態様を示す概念図である。
【図12】本実施例のカラープリンタが集合ヘッドを用いて画像を印刷する他の一例を示す概念図である。
【符号の説明】
20…カラープリンタ
21…カラースキャナ
24…モデム
26…ハードディスク
30…キャリッジモータ
31…駆動ベルト
32…プーリ
33…摺動軸
34…位置検出センサ
35…紙送りモータ
36…プラテン
40…キャリッジ
42,43…インクカートリッジ
50…インク通路
51〜54…集合ヘッド
60…制御回路
61…CPU
63…RAM
64…PCインターフェース
67…駆動バッファ
69…分配出力器
70…発振器
80…コンピュータ
81…CPU
82…ROM
83…RAM
88…SIO
90…ビデオドライバ
91…アプリケーションプログラム
92…プリンタドライバ
93…解像度変換モジュール
94…色変換モジュール
95…ハーフトーンモジュール
96…ラスタ変換モジュール

Claims (3)

  1. ノズルユニットに設けられたノズル列からインク滴を吐出し、印刷媒体上にインクドットを形成することによって画像を形成する印刷装置であって、
    複数の前記ノズルユニットから構成され、各ノズルユニットの端部にある少なくとも1つのノズルと他のノズルユニットの端部のノズルとが前記ノズル列と交差する方向に重複するように、前記各ノズルユニットを配置した集合ヘッドと、
    前記集合ヘッドを、ノズル列と交差する方向たる主走査方向に移動させる主走査手段と、
    前記集合ヘッドを、前記主走査方向と交差する方向たる副走査方向に移動させる副走査手段と、
    前記集合ヘッドの主走査中に各ノズルからインク滴を吐出してインクドットの列たるラスタを形成するとともに、ノズルが重複して配置された前記ノズルユニットの重複部分では、各ノズルユニットのインクドットを混在させて前記ラスタを形成するラスタ形成手段と
    を備え、
    前記副走査手段は、移動後の前記集合ヘッドによる印刷範囲の前記移動方向の一端と移動前の該集合ヘッドによる印刷範囲の該移動方向の他端とが、複数の前記ノズルユニット同士の重複幅と同じ幅だけ重複するように、該集合ヘッドを、前記印刷媒体に対して相対的に前記副走査方向に移動させる手段であり、
    前記ラスタ形成手段は、
    前記画像を構成する前記ラスタの各々に、該画像の形成開始側である画像の上端部からの位置を表すラスタ番号を付与するラスタ番号付与手段と、
    前記付与されたラスタ番号に基づいて、前記ラスタが形成される主走査時期を、該各々のラスタについて決定する主走査時期決定手段と、
    前記ラスタ番号と前記ラスタが形成される主走査時期とに基づいて、該ラスタを形成するノズルユニットを決定した後、該ノズルユニットの端部からの距離を表すユニットオフセットを、該ラスタの各々について決定するユニットオフセット決定手段と、
    前記ユニットオフセットが所定値以下のラスタを、前記ノズルユニットの重複部分で形成されるラスタとして抽出する重複ラスタ抽出手段と
    を備える印刷装置。
  2. 請求項1記載の印刷装置であって、
    前記ユニットオフセット決定手段は、前記各々のラスタについて、前記集合ヘッドの端部からの距離を表すヘッドオフセットを決定した後、該ヘッドオフセットに基づいて、前記ノズルユニットおよび前記ユニットオフセットを決定する手段である印刷装置。
  3. ノズルユニットに設けられたノズル列からインク滴を吐出し、印刷媒体上にインクドットを形成することによって画像を形成する印刷方法であって、
    前記各ノズルユニットの端部にある少なくとも1つのノズルと他のノズルユニットの端部のノズルとが前記ノズル列と交差する方向に重複するように、複数の前記ノズルユニットが配置された集合ヘッドを駆動する第1の工程と、
    前記集合ヘッドを、ノズル列と交差する方向たる主走査方向と、該主走査方向と交差する方向たる副走査方向とに移動させる第2の工程と、
    前記集合ヘッドの主走査中に各ノズルからインク滴を吐出してインクドットの列たるラスタを形成するとともに、ノズルが重複して配置された前記ノズルユニットの重複部分では、各ノズルユニットのインクドットを混在させて前記ラスタを形成する第3の工程と
    を備え、
    前記第2の工程は、移動後の前記集合ヘッドによる印刷範囲の前記移動方向の一端と移動前の該集合ヘッドによる印刷範囲の該移動方向の他端とが、複数の前記ノズルユニット同士の重複幅と同じ幅だけ重複するように、該集合ヘッドを、前記印刷媒体に対して相対的に前記副走査方向に移動させる工程であり、
    前記第3の工程は、更に、
    前記画像を構成する前記ラスタの各々に、該画像の形成開始側である画像の上端部からの位置を表すラスタ番号を付与する工程と、
    前記付与されたラスタ番号に基づいて、前記ラスタが形成される主走査時期を、該各々のラスタについて決定する工程と、
    前記ラスタ番号と前記ラスタが形成される主走査時期とに基づいて、該ラスタを形成するノズルユニットを決定した後、該ノズルユニットの端部からの距離を表すユニットオフセットを、該ラスタの各々について決定する工程と、
    前記ユニットオフセットが所定値以下のラスタを、前記ノズルユニットの重複部分で形成されるラスタとして抽出する工程と
    を備える印刷方法。
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