JP2000052543A - ドット記録方法および装置、並びに、そのためのプログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

ドット記録方法および装置、並びに、そのためのプログラムを記録した記録媒体

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JP2000052543A
JP2000052543A JP23656998A JP23656998A JP2000052543A JP 2000052543 A JP2000052543 A JP 2000052543A JP 23656998 A JP23656998 A JP 23656998A JP 23656998 A JP23656998 A JP 23656998A JP 2000052543 A JP2000052543 A JP 2000052543A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バンディングの発生を低減する。 【解決手段】 副走査としては、複数の異なる送り量を
組み合わせた変則副走査送りを実行する。ドットの記録
は往復で双方向に行われ、1回の主走査中に使用される
複数のドット形成要素のうちの一部の特定のドット形成
要素を用いて、他の主走査中に記録対象となる主走査ラ
イン上のドットを記録対象とする部分オーバーラップ記
録が実行される。また、使用されるノズルの個数は、特
定の式に従って決定される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、ドット記録ヘッ
ドを用いて印刷媒体の表面にドットの記録を行う技術に
関する。
【0002】
【従来の技術】主走査方向と副走査方向に走査しながら
ドット記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置として
は、シリアルスキャン型プリンタやドラムスキャン型プ
リンタ等のようなインクジェット記録装置がある。イン
クジェット記録装置は、印刷ヘッドの複数のノズルから
インクを吐出させることによって文字や画像を印刷媒体
上に形成する。すなわち、印刷ヘッドの各ノズルにはイ
ンクが充填された圧力室と電気機械変換素子とが配設さ
れており、この電気機械変換素子に電気信号を印加する
と圧力室内に圧力が発生して、ノズルからインク滴が吐
出される。
【0003】インクジェット記録装置における画質向上
のための技術の一つとして、米国特許第4,198,6
42号に開示されている「インターレース方式」と呼ば
れる技術がある。図17は、従来のインターレース記録
方式の説明図である。印刷ヘッド1は、番号#1〜#1
1で示される11個のノズルを有している。ノズルの副
走査方向のピッチkは6ドットである。ここで、[ドッ
ト]という単位は、印刷媒体上に記録されるドットの副
走査方向の最小ピッチP[インチ]を意味しており、k
ドットはk×Pインチに相当する。図17において、パ
ス1,パス2…と記載されている印刷ヘッド1の位置
は、主走査時における副走査方向の位置を示している。
ここで、「パス」とは1回の主走査を意味している。各
主走査後には、11ドットの一定の送り量Fで副走査送
りが実行される。
【0004】従来のインターレース記録方式では、主走
査ライン(以下、「ラスタ」とも呼ぶ)に抜けや重複が
無いように記録するために、以下の2つの条件が設定さ
れる。 [条件1]使用ノズル個数Nとノズルピッチkとは、互
いに素の関係にある整数である。(ここで、「互いに
素」とは、1以外の公約数が無いことを言う。) [条件2]副走査送り量Fは、使用ノズル個数Nに等し
い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】インクジェット記録装
置に対しては、印刷速度の向上と画質の向上との2つの
要求がある。印刷速度を向上するためには、印刷ヘッド
のノズル個数を増加させればよい。しかし、従来のイン
ターレース記録方式では、副走査送り量Fが使用ノズル
個数Nに等しく設定されるので、ノズル個数を増加する
と副走査送り量も増大する。
【0006】ところが、副走査送り量の増大にほぼ比例
して機械的な副走査送り精度が悪化するので、ノズル個
数を増加させると副走査送り精度が悪化する。特に、隣
接するラスタの記録の間に複数回の副走査送りが行われ
ると、複数回分の副走査送りの誤差が累積されて、隣接
するラスタ間のピッチが正しいピッチからかなりずれて
しまうことがある。例えば、図17の右下のラスタ番号
5のラスタの記録と、ラスタ番号6のラスタの記録との
間には、5回の副走査送りが行われる。従って、これら
の2本のラスタの間のピッチには、累積された副走査送
り誤差が含まれる。
【0007】図18は、図17において記録されるドッ
トをより詳細に示す説明図である。ラスタ番号5,6の
2本のラスタのピッチは、累積された副走査送り誤差に
よって拡大されており、この結果、目に付きやすい筋状
の画質劣化部分が生じている。このような筋状の画質劣
化部分は、「バンディング」と呼ばれている。バンディ
ングは、画質を劣化させるので、従来からバンディング
をなるべく低減したいという要望があった。
【0008】この発明は、従来技術における上述の課題
を解決するためになされたものであり、バンディングの
発生を低減することのできるドット記録技術を提供する
ことを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
述の課題の少なくとも一部を解決するため、本発明の装
置は、ドット記録ヘッドを用いて印刷媒体の表面にドッ
トの記録を行うドット記録装置において、前記ドット記
録ヘッドに設けられ、1回の主走査中に複数の主走査ラ
イン上で同一色のドットをそれぞれ記録し得るととも
に、副走査方向に沿ってほぼ一定のピッチで同一色の複
数個のドットを形成し得る複数のドット形成要素が配列
されたドット形成要素アレイと、前記ドット記録ヘッド
と前記印刷媒体の少なくとも一方を駆動して主走査を行
う主走査駆動部と、前記主走査の最中に前記複数のドッ
ト形成要素のうちの少なくとも一部を使用してドットの
形成を行わせるヘッド駆動部と、前記主走査が終わる度
に前記ドット記録ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一
方を駆動して副走査を行う副走査駆動部と、を備える。
前記副走査駆動部は、複数の異なる送り量を組み合わせ
た変則副走査送りを実行する。また、前記ヘッド駆動部
は、1回の主走査中に使用される複数のドット形成要素
のうちの一部の特定のドット形成要素を用いて、他の主
走査中に記録対象となる主走査ライン上のドットを記録
対象とする部分オーバーラップ記録を実行する。
【0010】部分オーバーラップ記録では、一色のドッ
トの記録に関して、1個のノズルで記録が完了する第1
タイプの主走査ラインと、2個のノズルで記録が完了す
る第2タイプの主走査ラインとが混在するような状態で
各主走査ラインが記録される。このうちの第2タイプの
主走査ラインは、2個の異なるノズルで記録されるの
で、バンディングの発生を低減することができる。但
し、第2タイプの主走査ラインは、第1タイプの主走査
ラインの2倍の走査時間を要するので、そのラインに関
しては記録速度が1/2となる。しかし、上記(1)〜
(3)を満足するようにすると、一部の主走査ラインが
第1タイプの主走査ラインとなるので、すべての主走査
ラインを第2タイプの主走査ラインにする場合に比べて
記録速度の低下を緩和することができる。また、このド
ット記録装置では、変則副走査送りを利用しているの
で、送り量の組み合わせを調整することによって、画質
をさらに向上させることができる。
【0011】上記のドット記録装置において、前記ヘッ
ド駆動部は、主走査が往復で双方向に行われる際に往路
と復路とでそれぞれドットの記録を実行するようにして
もよい。
【0012】双方向記録を行うと、往路で記録された主
走査ラインと復路で記録された主走査ラインとの色の差
異が目立つ場合がある。しかし、双方向記録の場合に、
上述のような部分オーバーラップ記録を実行すれば、2
個の異なるノズルで記録される第2タイプの主走査ライ
ンの近傍において往路と復路の差異が目立たなくなり、
画質が向上する。
【0013】なお、前記複数のドット形成要素の副走査
方向のピッチをk×P(kは3以上の整数、Pは前記印
刷媒体上におけるドットの副走査方向の最小ピッチ)と
したときに、1回の主走査中に使用されるドット形成要
素の個数N(Nは3以上の整数)とパラメータNa,N
b,m,Lとが、以下の(1)〜(3)式を満足するよ
うにしてもよい。 N=Na+Nb …(1) Na=m×k±1 …(2) Nb=Rd[L×Na÷k] …(3) ここで、mは1以上の整数、Lは1≦L<kを満たす整
数、Nbは前記特定のドット形成要素の個数、をそれぞ
れ示し、演算子Rd[]はかっこ内の値の小数部を丸め
る演算を示す。
【0014】こうすれば、2個の異なるノズルで記録さ
れる第2タイプの主走査ラインの本数が、記録速度低下
の抑制と、画質の向上と、の2つの観点から適度な値に
設定できる。
【0015】なお、各主走査ライン上において、Nb個
のドット形成要素によって記録されるドットと、Na個
のドット形成要素によって記録されるドットとが相補的
な位置関係になるように前記ドット記録ヘッドを駆動す
るようにしてもよい。
【0016】あるいは、各主走査ライン上において、N
b個のドット形成要素によって記録されるドットが、N
a個のドット形成要素によって記録されるドットと重な
るように前記ドット記録ヘッドを駆動するようにしても
よい。
【0017】本発明によるドット記録方法は、1回の主
走査中に複数の主走査ライン上で同一色のドットをそれ
ぞれ記録し得るとともに、副走査方向に沿ってほぼ一定
のピッチで同一色の複数のドットを形成し得る複数のド
ット形成要素が配列されたドット形成要素アレイを有す
るドット記録ヘッドを用い、前記副走査方向とほぼ垂直
な方向に沿って主走査を行いつつ印刷媒体の表面にドッ
トの記録を行う方法において、副走査送りとして、複数
の異なる送り量を組み合わせた変則副走査送りを実行
し、1回の主走査中に使用される複数のドット形成要素
のうちの一部の特定のドット形成要素を用いて、他の主
走査中に記録対象となる主走査ライン上のドットを記録
対象とする部分オーバーラップ記録を実行することを特
徴とする。
【0018】また、本発明による記録媒体は、1回の主
走査中に複数の主走査ライン上で同一色のドットをそれ
ぞれ記録し得るとともに、副走査方向に沿ってほぼ一定
のピッチで同一色の複数のドットを形成し得る複数のド
ット形成要素が配列されたドット形成要素アレイを有す
るドット記録ヘッドを備えた印刷装置に、前記副走査方
向とほぼ垂直な方向に沿って主走査を行いつつ印刷媒体
の表面にドットの記録を行わせるためのコンピュータプ
ログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒
体であって、複数の異なる送り量を組み合わせた変則副
走査送りを実行する機能と、1回の主走査中に使用され
る複数のドット形成要素のうちの一部の特定のドット形
成要素を用いて、他の主走査中に記録対象となる主走査
ライン上のドットを記録対象とする部分オーバーラップ
記録を実行する機能と、をコンピュータに実行させるた
めのコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読
み取り可能な記録媒体である。
【0019】このような方法や記録媒体によっても、上
記の装置と同様に、バンディングの発生を低減すること
ができる。
【0020】
【発明の他の態様】この発明は、以下のような他の態様
も含んでいる。第1の態様は、ドット記録ヘッドを用い
て印刷媒体の表面にドットの記録を行うドット記録装置
であって、前記ドット記録ヘッドに設けられ、1回の主
走査中に複数の主走査ライン上で同一色のドットをそれ
ぞれ記録し得るとともに、副走査方向に沿ってほぼ一定
のピッチで同一色の複数個のドットを形成し得る複数の
ドット形成要素が配列されたドット形成要素アレイと、
前記ドット記録ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方
を駆動して主走査を行う主走査駆動部と、前記主走査の
最中に前記複数のドット形成要素のうちの少なくとも一
部を使用してドットの形成を行わせるヘッド駆動部と、
前記主走査が終わる度に前記ドット記録ヘッドと前記印
刷媒体の少なくとも一方を駆動して副走査を行う副走査
駆動部と、ドットの記録動作を規定する記録速度がほぼ
等しい複数のドット記録モードを記憶する記録モード格
納部と、を備える。前記複数のドット記録モードは、複
数の異なる送り量を組み合わせた変則副走査送りを利用
した変則送りドット記録モードとして、1回の主走査中
に使用される複数のドット形成要素のうちの一部の特定
のドット形成要素を用いて他の主走査中に記録対象とな
る主走査ライン上のドットの一部を記録対象とする部分
オーバーラップタイプの変則送りドット記録モードを少
なくとも1つ含み、前記主走査駆動部と前記副走査駆動
部と前記ヘッド駆動部は、前記複数のドット記録モード
の中から選択されたドット記録モードに従ってそれぞれ
の駆動を実行することを特徴とする。
【0021】この第1の態様によれば、記録速度がほぼ
等しい複数のドット記録モードの中から、好ましいモー
ドを選択することができるので、ドット記録装置毎によ
り高画質の得られるモードを選択してドット記録を実行
することができる。
【0022】第2の態様は、1回の主走査中に複数の主
走査ライン上で同一色のドットをそれぞれ記録し得ると
ともに、副走査方向に沿ってほぼ一定のピッチで同一色
の複数のドットを形成し得る複数のドット形成要素が配
列されたドット形成要素アレイを有するドット記録ヘッ
ドを用い、前記副走査方向とほぼ垂直な方向に沿って主
走査を行いつつ印刷媒体の表面にドットの記録を行う方
法であって、ドットの記録動作を規定する記録速度がほ
ぼ等しい複数のドット記録モードの中から選択されたド
ット記録モードに従ってドットの記録を実行し、前記複
数のドット記録モードは、複数の異なる送り量を組み合
わせた変則副走査送りを利用した変則送りドット記録モ
ードとして、1回の主走査中に使用される複数のドット
形成要素のうちの一部の特定のドット形成要素を用いて
他の主走査中に記録対象となる主走査ライン上のドット
の一部を記録対象とする部分オーバーラップタイプの変
則送りドット記録モードを少なくとも1つ含むことを特
徴とする。
【0023】第3の態様は、1回の主走査中に複数の主
走査ライン上で同一色のドットをそれぞれ記録し得ると
ともに、副走査方向に沿ってほぼ一定のピッチで同一色
の複数のドットを形成し得る複数のドット形成要素が配
列されたドット形成要素アレイを有するドット記録ヘッ
ドを備えた印刷装置に、前記副走査方向とほぼ垂直な方
向に沿って主走査を行いつつ印刷媒体の表面にドットの
記録を行わせるためのコンピュータプログラムを記録し
たコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、ドッ
トの記録動作を規定する記録速度がほぼ等しい複数のド
ット記録モードの中から選択されたドット記録モードに
従ってドットの記録をコンピュータに実行させるための
コンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取
り可能な記録媒体であり、前記複数のドット記録モード
は、複数の異なる送り量を組み合わせた変則副走査送り
を利用した変則送りドット記録モードとして、1回の主
走査中に使用される複数のドット形成要素のうちの一部
の特定のドット形成要素を用いて他の主走査中に記録対
象となる主走査ライン上のドットの一部を記録対象とす
る部分オーバーラップタイプの変則送りドット記録モー
ドを少なくとも1つ含むことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】A.装置の構成:図1は、本発明
の実施例としてのカラー画像処理システムの構成を示す
ブロック図である。このカラー画像処理システムは、ス
キャナ30と、パーソナルコンピュータ90と、インク
ジェット記録装置22とを有している。パーソナルコン
ピュータ90は、カラーディスプレイ21を備えてい
る。スキャナ30は、カラー原稿からカラー画像データ
を読み取り、R,G,Bの3色の色成分からなる原カラ
ー画像データORGをコンピュータ90に供給する。
【0025】コンピュータ90の内部には、図示しない
CPU,RAM,ROM等が備えられており、所定のオ
ペレーティングシステムの下で、アプリケーションプロ
グラム95が動作している。オペレーティングシステム
には、ビデオドライバ91やプリンタドライバ96が組
み込まれており、アプリケーションプログラム95から
はこれらのドライバを介して、最終カラー画像データで
ある印字データFNLが出力されることになる。画像の
レタッチなどを行なうアプリケーションプログラム95
は、スキャナから画像を読み込み、これに対して所定の
処理を行ないつつビデオドライバ91を介してCRTデ
ィスプレイ93に画像を表示している。このアプリケー
ションプログラム95が、印刷命令を発行すると、コン
ピュータ90のプリンタドライバ96が、画像情報をア
プリケーションプログラム95から受け取り、これをイ
ンクジェット記録装置22が印字可能な信号(ここでは
CMYKの各色についての2値化された信号)に変換し
ている。図1に示した例では、プリンタドライバ96の
内部には、アプリケーションプログラム95が扱ってい
るカラー画像データをドット単位の画像データに変換す
るラスタライザ97と、ドット単位の画像データに対し
てインクジェット記録装置22が使用するインク色CM
Yおよび発色の特性に応じた色補正を行なう色補正モジ
ュール98と、色補正モジュール98が参照する色補正
テーブルCTと、色補正された後の画像情報からドット
単位でのインクの有無によってある面積での濃度を表現
するいわゆるハーフトーンの画像情報を生成するハーフ
トーンモジュール99とが備えられている。
【0026】図2は、インクジェット記録装置22の構
成を示す概念図である。このインクジェット記録装置2
2は、印字ヘッド1と、キャリッジ軸2と、キャリッジ
ベルト3と、主走査モータ4と、主走査モータ4を駆動
するキャリッジ駆動回路5と、プラテンローラ6と、ギ
ヤ7と、副走査モータ8と、副走査モータ8を駆動して
印刷媒体PMを搬送する印刷媒体搬送制御回路9と、固
定台10,11と、印字データ制御回路13と、プログ
ラマブルROM(PROM)15と、を備えている。プ
ラテンローラ6と、ギヤ7と、副走査モータ8と、印刷
媒体搬送制御回路9とは、副走査駆動部を構成する。な
お、キャリッジ駆動回路5と印刷媒体搬送制御回路9と
印字データ制御回路13とは、1つの制御回路によって
実現されていてもよい。また、これらの回路5,9,1
3,15を統括して制御する制御回路が別個に設けられ
ていてもよい。
【0027】主走査は、キャリッジ駆動回路5が主走査
モータ4を駆動することによって実現される。すなわ
ち、主走査モータ4がキャリッジベルト3を移動させる
と、キャリッジベルト3に固定された印字ヘッド1が2
つの固定台10,11の間で往復動作を行う。印字ヘッ
ド1は、往路または復路の動作中に、印字データ制御回
路13から供給される印字データに応じてインク滴を印
刷媒体PM上に吐出する。このような1回の主走査が終
了すると、印刷媒体搬送制御回路9が副走査モータ8を
駆動し、印刷媒体PMを所定の量だけ移動させる。
【0028】PROM15には、複数のドット記録モー
ドのパラメータを含むドット記録モード情報が格納され
ている。ここで、「ドット記録モード」とは、各ノズル
アレイにおいて実際に使用するノズル個数Nや、副走査
送り量Fなどの複数のパラメータで規定されるドットの
記録方式を意味している。この明細書では、「記録方
式」と「記録モード」はほぼ同じ意味で用いられてい
る。具体的なドット記録モードの例や、それらのパラメ
ータについては後述する。PROM15には、さらに、
複数のドット記録モードの中から好ましいモードを指定
するためのモード指定情報も格納されている。例えば、
PROM15に16種類のドット記録モード情報を格納
可能な場合には、モード指定情報は4ビットのデータで
構成されている。
【0029】ドット記録モード情報は、コンピュータ9
0の起動時にプリンタドライバ96(図1)がインスト
ールされる際に、プリンタドライバ96によってPRO
M15から読み出される。すなわち、プリンタドライバ
96は、モード指定情報で指定された好ましいドット記
録モードに対するドット記録モード情報をPROM15
から読み込む。ラスタライザ97とハーフトーンモジュ
ール99における処理や、主走査および副走査の動作
は、このドット記録モード情報に応じて実行される。ま
た、印字データ制御回路13は、PROM15からドッ
ト記録モード情報を読み出し、その情報に従って印字ヘ
ッド1によるドットの記録(印字)を実行する。
【0030】なお、PROM15は、書き換え可能な不
揮発性メモリであればよく、EEPROMやフラッシュ
メモリなどの種々の不揮発性メモリを使用することがで
きる。また、モード指定情報は書き換え可能な不揮発性
メモリに格納することが好ましいが、ドット記録モード
情報は、書き換えができないROMに格納するようにし
てもよい。また、複数のドット記録モード情報は、PR
OM15ではなく、他の記憶手段に格納されていてもよ
く、また、プリンタドライバ96内に登録されていても
よい。
【0031】図3は、印字ヘッド1におけるインクジェ
ットノズルの配列を示す説明図である。印字ヘッド1に
は、6色のインクのための6つのノズルアレイ61〜6
6が設けられている。すなわち、6つのノズルアレイ6
1〜66は、ブラック(K)、濃シアン(C)、淡シア
ン(LC)、濃マゼンタ(M)、淡マゼンタ(LC)、
及びイエロー(Y)のインクをそれぞれ噴射する。な
お、各ノズルnには、インクを吐出するためのピエゾ素
子(図示せず)が設けられており、印字データ制御回路
13から供給される印字データに応じてピエゾ素子が駆
動されて、この結果、各ノズルnからインクが吐出され
る。
【0032】6組のノズルアレイ61〜66は、副走査
方向に沿って一定のノズルピッチkで千鳥状に配列され
た複数個(例えば32個や48個)のノズルnをそれぞ
れ備えている。なお、各ノズルアレイに含まれる複数個
のノズルnは、千鳥状に配列されている必要はなく、一
直線上に配置されていてもよい。但し、図3(A)に示
すように千鳥状に配列すれば、製造上、ノズルピッチk
を小さく設定し易いという利点がある。
【0033】図3(B)は、1つのノズルアレイによっ
て形成される複数のドットの配列を示している。この実
施例では、インクノズルの配列が千鳥状か直線状かに関
わらず、1つのノズルアレイによって形成される複数の
ドットは、副走査方向に沿ってほぼ一直線上に並ぶよう
に、各ノズルを駆動するためのピエゾ素子(図示せず)
に駆動信号が供給される。例えば、図3(A)のように
ノズルアレイが千鳥状に配列されている場合には、同一
のノズルアレイにおける2つのノズル列の間のピッチd
[インチ]を主走査駆動速度v[インチ/秒]で除した
時間d/v[秒]だけ2列の駆動信号のタイミングをず
らせる。こうすれば、1つのノズルアレイによって形成
される複数のドットを副走査方向に沿って一直線上に配
列させることができる。なお、後述するように、各ノズ
ルアレイ61〜66に設けられている複数個のノズル
は、常に全数が使用されるとは限らず、ドット記録方式
によっては、その一部のノズルのみが使用される場合も
ある。
【0034】なお、6つのノズルアレイ61〜66の複
数のノズルnは、1回の主走査時に、同一の複数の主走
査ライン上において6色のドットをそれぞれ形成できる
ように、副走査方向の互いに同じ位置に配置されてい
る。
【0035】B.副走査送りの基本的条件:本発明の実
施例における部分オーバーラップタイプのドット記録方
式を説明する前に、以下ではまず、非オーバーラップタ
イプのドット記録方式における副走査送りの基本的な条
件について説明する。なお、「オーバーラップ」という
語句は、ある1本のラスタ上の同一色のすべてのドット
が、複数回の主走査において異なるノズルを用いて記録
されることを意味している。「非オーバーラップタイプ
のドット記録方式」とは、各ラスタ上のすべてのドット
が1回の主走査時に1つのノズルで記録される方式を意
味する。また、「部分オーバーラップタイプのドット記
録方式」とは、一部のラスタがオーバーラップで記録さ
れ、他のラスタが非オーバーラップで記録される方式
(あるいは、使用される複数のノズルの中の一部のノズ
ルのみがオーバーラップに使用される方式)を意味す
る。また、「フルオーバーラップタイプのドット記録方
式」という用語が用いられることがあり、この用語は、
すべてのラスタがオーバーラップで記録される方式(あ
るいは、使用されるすべてのノズルがオーバーラップに
使用される方式)を意味する。後述するように、本願発
明は、部分オーバーラップタイプのドット記録方式に関
するものである。なお、部分オーバーラップタイプのド
ット記録方式における副走査送り条件は、以下に説明す
る非オーバーラップタイプのドット記録方式における副
走査送り条件から導くことができる。
【0036】図4は、非オーバーラップタイプのドット
記録方式における副走査送りの基本的条件を示すための
説明図である。図4(A)は、4個のノズルを用いた場
合の副走査送りの一例を示しており、図4(B)はその
ドット記録方式のパラメータを示している。図4(A)
において、数字を含む実線の丸は、各副走査送り後の4
個のノズルの副走査方向の位置を示している。丸の中の
数字1〜4は、ノズル番号を意味している。4個のノズ
ルの位置は、1回の主走査が終了する度に副走査方向に
送られる。但し、実際には、副走査方向の送りは副走査
モータ8(図2)によって用紙を移動させることによっ
て実現されている。
【0037】図4(A)の左端に示すように、この例で
は副走査送り量Fは4ドットの一定値である。従って、
副走査送りが行われる度に、4個のノズルの位置が4ド
ットずつ副走査方向にずれてゆくことになる。図4
(A)の右端には、各ラスタ上のドットを記録するノズ
ルの番号が示されている。
【0038】図4(B)には、このドット記録方式に関
する種々のパラメータが示されている。ドット記録方式
のパラメータには、ノズルピッチk[ドット]と、使用
ノズル個数N[個]と、副走査送り量F[ドット]とが
含まれている。この例では、ノズルピッチkは3ドット
であり、使用ノズル個数Nは4個である。なお、使用ノ
ズル個数Nは、実装されている複数個のノズルの中で実
際に使用されるノズルの個数である。
【0039】図4(B)のテーブルには、各副走査送り
毎に、副走査送り量Fと、その累計値ΣFと、各副走査
送り後のノズルのオフセットOFとが示されている。こ
こで、オフセットOFとは、副走査送りが行われていな
い最初のノズルの周期的な位置(図4では4ドットおき
の位置)をオフセット0の基準位置と仮定した時に、副
走査送り後のノズルの位置が基準位置から副走査方向に
何ドット離れているかを示す値である。例えば、図4
(A)に示すように、1回目の副走査送りによって、ノ
ズルの位置は副走査送り量F(4ドット)だけ副走査方
向に移動する。一方、ノズルピッチkは3ドットであ
る。従って、1回目の副走査送り後のノズルのオフセッ
トOFは1である(図4(A)参照)。同様にして、2
回目の副走査送り後のノズルの位置は、初期位置からΣ
F=8ドット移動しており、そのオフセットOFは2で
ある。3回目の副走査送り後のノズルの位置は、初期位
置からΣF=12ドット移動しており、そのオフセット
OFは0である。3回の副走査送りによってノズルのオ
フセットOFは0に戻るので、3回の副走査を1サイク
ルとして、このサイクルを繰り返すことによって、印刷
可能領域内のラスタ上のすべてのドットを記録すること
ができる。ここで、「印刷可能領域」とは、ラスタの抜
けがない状態でドットの記録を行える領域を意味する。
【0040】上記の例からも解るように、ノズルの位置
が初期位置からノズルピッチkの整数倍だけ離れた位置
にある時には、オフセットOFはゼロである。また、オ
フセットOFは、副走査送り量Fの累計値ΣFをノズル
ピッチkで割った余り(ΣF)%kで与えられる。ここ
で、「%」は、除算の余りをとることを示す演算子であ
る。なお、ノズルの初期位置を周期的な位置と考えれ
ば、オフセットOFは、ノズルの初期位置からの位相の
ずれ量を示しているものと考えることもできる。
【0041】以下に説明するように、下記の条件C1〜
C3を満足すれば、副走査送り量Fが一定か否かに係わ
らず、印刷可能領域においてラスタの抜けや重複が無い
ようにドットの記録を行うことが可能である。
【0042】条件C1:1サイクルの副走査送り回数
は、ノズルピッチkに等しい。
【0043】条件C2:1サイクル中の各回の副走査送
り後のノズルのオフセットOFは、0〜(k−1)の範
囲のそれぞれ異なる値となる。
【0044】条件C3:副走査の平均送り量(ΣF/
k)は、使用ノズル個数Nに等しい。換言すれば、1サ
イクル当たりの副走査送り量Fの累計値ΣFは、使用ノ
ズル個数Nとノズルピッチkとを乗算した値(N×k)
に等しい。
【0045】上記の各条件は、次のように考えることに
よって理解できる。隣接するノズルの間には(k−1)
本のラスタが存在するので、1サイクルでこれら(k−
1)本のラスタ上で記録を行ってノズルの基準位置(オ
フセットOFがゼロの位置)に戻るためには、1サイク
ルの副走査送りの回数はk回となる。1サイクルの副走
査送りがk回未満であれば、記録されるラスタに抜けが
生じ、一方、1サイクルの副走査送りがk回より多けれ
ば、記録されるラスタに重複が生じる。従って、上記の
第1の条件C1が成立する。
【0046】1サイクルの副走査送りがk回の時には、
各回の副走査送りの後のオフセットOFの値が0〜(k
−1)の範囲の互いに異なる値の時にのみ、記録される
ラスタに抜けや重複が無くなる。従って、上記の第2の
条件C2が成立する。
【0047】上記の第1と第2の条件を満足すれば、1
サイクルの間に、N個の各ノズルがそれぞれk本のラス
タの記録を行うことになる。従って、1サイクルではN
×k本のラスタの記録が行われる。一方、上記の第3の
条件C3を満足すれば、図4(A)に示すように、1サ
イクル後(k回の副走査送り後)のノズルの位置が、初
期のノズル位置からN×kラスタ離れた位置に来る。従
って、上記第1ないし第3の条件C1〜C3を満足する
ことによって、これらのN×k本のラスタの範囲におい
て、記録されるラスタに抜けや重複を無くすることがで
きる。
【0048】なお、上記の条件C1〜C3は、副走査送
り量Fが常に一定である記録方式(「定則送り」と呼
ぶ)に限らず、副走査送り量Fとして複数の異なる値の
組み合わせを繰り返し使用する記録方式(「変則送り」
と呼ぶ)にも適用可能である。
【0049】C.ドット記録方式の比較例:図5は、第
1比較例のドット記録方式を示す説明図である。このド
ット記録方式は、以下の(1)〜(4)式を満足してい
る。
【0050】 N=Na+Nb …(1) Na=m×k±1 …(2) Nb=Rd[L×Na÷k] …(3) F=Na …(4) ここで、Nは使用ノズル個数、kはノズルピッチ[ドッ
ト]、mは1以上の整数、Lは1≦L<kを満たす整
数、をそれぞれ示し、演算子Rd[]はかっこ内の値の
小数部を丸める演算を示す。また、演算子±は、加算と
減算のいずれでも良いことを示す。
【0051】第1比較例の副走査送りは、副走査送り量
Fが9ドット一定である定則送りであり、上記(4)式
に規定されているように、送り量FとパラメータNaと
は互いに等しい。一方、後述する本願発明の実施例は、
上記(1)〜(3)式を満足しているが、その副走査送
りは複数の異なる副走査送り量の組み合わせを繰り返し
使用する変則送りであり、上記(4)式は成立していな
い。第1比較例はこの点において後述する実施例と異な
っている。
【0052】図5のドット記録方式における各パラメー
タの値は、N=14,Na=9,Nb=5,k=4,F
=9,m=2,L=2である。ここでは、(2)式の右
辺の±の演算としては減算が使用され、丸め演算R
d[]としては切り上げが使用されている。なお、副走
査方向のドットピッチ(印刷ピッチ)Pは、例えば72
0DPIの印刷解像度に相当する値(すなわち1/72
0インチ)である。
【0053】上記(1)式に示されているように、使用
ノズル個数Nは、2つの整数Na,Nbの和で与えられ
る。第1の整数Naは副走査送り量Fの値に等しいの
で、この第1の整数Naは図17に示した従来の記録方
式におけるノズル個数に相当する。そこで、以下ではこ
の第1の整数Naを「基本ノズル個数」と呼び、基本ノ
ズル個数Naに含まれるノズルを「基本ノズル」と呼
ぶ。また、第2の整数Nbを「付加ノズル個数」と呼
び、付加ノズル個数Nbに含まれるノズルを「付加ノズ
ル」と呼ぶ。図5の例では、ノズル#1〜#9が基本ノ
ズルであり、ノズル#10〜#14が付加ノズルであ
る。基本ノズル個数Naと付加ノズル個数Nbの意義に
ついては後述する。
【0054】図5の右端には、印刷媒体上のドット位置
が示されている。白丸は基本ノズル#1〜#9で記録さ
れるドット位置を示し、黒丸は付加ノズル#10〜#1
4で記録されるドット位置を示している。白丸と黒丸と
が描かれているラスタから下に存在するラスタの範囲
が、実際の記録の対象となる範囲(記録可能領域)であ
る。なお、図5では、各ドットが往路と復路のいずれで
記録されるかは区別されていない。
【0055】図5の記録ドットのパターンを見れば解る
ように、付加ノズル#10〜#14による記録の対象と
なるラスタは、基本ノズルによる記録の対象ともなって
いる。この明細書では、基本ノズルと付加ノズルの両方
によって記録されるラスタを「オーバーラップラスタ」
と呼び、基本ノズルのみで記録されるラスタを「非オー
バーラップラスタ」と呼ぶ。
【0056】オーバーラップラスタ上の画素は、1回の
主走査時において1個の付加ノズルによって間欠的に記
録されるとともに、他の主走査時において1個の基本ノ
ズルによってこれを補完するように記録され、これによ
って、そのオーバーラップラスタ上の全画素の記録が完
了する。換言すれば、オーバーラップラスタは、1個の
付加ノズルと、1個の基本ノズルとによって相補的に記
録される。ここで、「相補的」とは、付加ノズルと基本
ノズルによって、1本のラスタ上の全画素が、抜けや重
複が無く記録されることを意味する。
【0057】印刷媒体搬送制御回路9(図2)は、1回
の主走査が終了するたびにFドット(すなわちP×Fイ
ンチ)だけ印刷媒体PMを副走査方向に搬送し、この結
果、印字ヘッド1が、例えば図5のパス1からパス2の
位置に移動する。パス5では、3つの基本ノズル#3〜
#5が、既に付加ノズル#12〜#14によって記録さ
れているラスタ上に位置決めされる。パス1では、付加
ノズル#12〜#14は、オーバーラップラスタ上の偶
数番目の画素を記録する。また、パス5では、基本ノズ
ル#3〜#5が、これらのオーバーラップラスタ上の奇
数番目の画素を記録する。この結果、3本のオーバーラ
ップラスタに関する補完的な記録が完了する。以上の動
作を繰り返すことにより、文字や画像が印刷媒体PM上
に形成される。
【0058】図6は、第1比較例に従って形成された記
録ドットを示す説明図である。図6において、白丸は基
本ノズルによって記録されるドットを示し、黒丸は付加
ノズルによって記録されるドットを示す。この例では、
付加ノズルで記録されたドットの位置は、同じラスタ上
において基本ノズルで記録されたドットの位置から副走
査方向(図6の上下方向)に多少ずれている。
【0059】従来技術において説明したように、隣接す
るラスタの記録の間に複数回の副走査送りが行われる
と、複数回分の副走査送りの誤差が累積されて、隣接す
るラスタ間のピッチが正しいピッチからかなりずれてし
まい、この結果としてバンディングが発生する。しか
し、第1比較例では、隣接する2本のラスタが記録され
る間に副走査送り誤差(搬送誤差)が累積されている場
合でも、その一方のラスタ上の一部のドットが付加ノズ
ルで記録されるので、バンディングとして認識しずらく
なる。この理由は、図6に示されているように、付加ノ
ズルで記録されたドットの位置が、同じラスタ上におい
て基本ノズルで記録されたドットの位置から副走査方向
に多少ずれるからである。
【0060】ところで、上述した(1)〜(4)式中の
各パラメータの意義は、以下のように考えることができ
る。上述した(2)式と(4)式とから解るように、副
走査送り量Fは、(m×k±1)ドットの一定値に設定
されている。すなわち、副走査送り量Fは、ノズルピッ
チkの整数倍の値m×kに、1を加算または減算した値
に設定される。仮に、副走査送り量Fがノズルピッチk
の整数倍m×kに設定されているとすると、副走査送り
後の各ノズルの位置は、副走査送り前のノズルの周期的
な位置(すなわちkドットおきの位置)に再び配置され
る。従って、副走査送り量Fが(m×k±1)ドットで
ある場合には、副走査送り後の各ノズルの位置は、副走
査送り前のノズルの周期的な位置から+1ドットまたは
−1ドットだけ副走査方向にずれた位置に配置されるこ
とになる。例えば、図5では、副走査送り量Fの値が
(2×4+1)=9ドットなので、副走査送り後のノズ
ルは、副走査送り前のノズルの周期的な位置から+1ド
ットだけ副走査方向にすれた位置に配置されている。
【0061】上記(3)式の丸め演算子Rdを無視し、
また、(4)式を用いると、(3)式は次の(3a)式
に書き換えることができる。 L=(Nb×k)/Na =(Nb×k)/F …(3a)
【0062】(3a)式の右辺の分子(Nb×k)は、
付加ノズル個数Nbにノズルピッチkを乗じたものであ
り、ノズルアレイ内における付加ノズルの範囲を示して
いる。付加ノズルの範囲は、図5の例ではノズル#10
のラスタ位置からノズル#143ドット下のラスタ位置
までの範囲である。パラメータLは、(Nb×k)を副
走査送り量Fで除した値にほぼ等しいので、このパラメ
ータLは、あるノズル(例えば最上端の付加ノズル#1
0)が付加ノズルの範囲を何回の副走査送りで通過する
か、を示す値であると考えることができる。ところで、
上述したように、1回の副走査送りによって、各ノズル
はその直前のノズルの周期的な位置から1ドットだけず
れた位置に配置される。従って、或るパスの後のL回の
副走査送りを考えると、最上端の付加ノズル#10は、
L回の副走査の間はそのバスにおける付加ノズルの範囲
内に留まっており、かつ、1回の副走査送り毎にその前
のノズルの周期的な位置から1ドットずつずれてゆく。
例えば、図5において、パス1の後の2回の副走査送り
では、最上端の付加ノズル#10は、パス3までの2回
の副走査の間はパス1における付加ノズルの範囲内に留
まっており、また、1回の副走査送り毎にその直前のノ
ズルの周期的な位置から1ドットずつずれてゆく。すな
わち、パス2では、最上端の付加ノズル#10は、パス
1における付加ノズルの範囲内において、その直前のパ
ス1におけるノズル#12の1ドット後に位置決めされ
る。また、パス3では、最上端の付加ノズル#10は、
パス1における付加ノズルの範囲内において、その直前
のパス2におけるノズル#12の1ドット後に位置決め
される。
【0063】このようなノズル位置の移動を考えると、
パラメータLは、「オーバーラップラスタ(基本ノズル
と付加ノズルとによって記録されるラスタ)が何本連続
して配列されているか」、を示す値であると考えること
ができる。例えば、図5に示す第1比較例では、L=2
なので、オーバーラップラスタが2本連続している。
(なお、図5には、オーバーラップラスタが3本連続し
ている部分があるが、この理由については後述する。)
また、付加ノズルは、ノズルアレイ内においてノズルピ
ッチkで配列されているので、k本の連続したラスタの
中で、はじめのL本がオーバーラップラスタとなり、残
りの(k−L)本が非オーバーラップラスタとなる。従
って、ラスタの配列としては、L本のオーバーラップラ
スタと(k−L)本の非オーバーラップラスタとで構成
されるk本のラスタ群が、繰り返し配列されたものとな
る。
【0064】ところで、Na本の基本ノズルによる1回
の主走査で記録されるNa本のラスタの中で、Nb本の
付加ノズルによっても記録されるNb本のラスタがオー
バーラップラスタであり、残りの(Na−Nb)本のラ
スタは非オーバーラップラスタである。すなわち、Na
本のラスタの範囲内には、L本のオーバーラップラスタ
と(k−L)本の非オーバーラップラスタとで構成され
るk本のラスタ群が繰り返し配列され、この結果とし
て、Na本中のNb本がオーバーラップラスタとなり、
残りの(Nb−Na)本が非オーバーラップラスタとな
る。例えば、図5に示す第1比較例では、k=4,Na
=9,Nb=5なので、9本のラスタの範囲内で、2本
のオーバーラップラスタと2本の非オーバーラップラス
タとで構成されるラスタ群が繰り返し配列され、この結
果、9本中の5本がオーバーラップラスタとなり、残り
の4本が非オーバーラップラスタとなっている。
【0065】図5の右端の図には、Na本毎のラスタの
区分が示されている。この例では、Na本の1組のラス
タの中の最後のラスタはオーバーラップラスタであり、
また、次の1組の最初のL(=2)本のラスタもオーバ
ーラップラスタである。従って、Na本毎のラスタの境
界において、オーバーラップラスタが3本隣接してい
る。しかし、基本的には、図5のラスタの配列は、L本
のオーバーラップラスタと(k−L)本の非オーバーラ
ップラスタとで構成されるk本のラスタ群が繰り返し配
列されていることが理解できる。
【0066】このように、第1比較例では、オーバーラ
ップラスタと非オーバーラップラスタとがパラメータ
k,L,Na,Nbに応じてほぼ規則正しく配列されて
いる。すなわち、ほぼL本ずつ連続するオーバーラップ
ラスタが、ほぼ(k−L)本の非オーバーラップラスタ
を挟んでほぼ規則的に配列されている。図6において説
明したように、オーバーラップラスタの近傍ではバンデ
ィングが目立ちにくくなるので、画質が向上するという
利点がある。
【0067】主走査を双方向に行う双方向印刷の場合に
は、上述したような規則的なオーバーラップラスタの配
列が以下のような効果も発揮する。すなわち、図3に示
したように、6色のインクのノズルアレイが同じラスタ
を記録するように配置されている場合に、往路では各ラ
スタ上にK,C,LC(淡シアン),M,LM(淡マゼ
ンタ),Yの順に各色のドットが形成される。一方、復
路ではこの反対に、各ラスタ上にY,LM,M,LC,
C,Kの順に各色のドットが形成される。従って、往路
で記録されたラスタと、復路で記録されたラスタとで
は、多少色が違って見える可能性がある。このとき、オ
ーバーラップラスタを形成せずに、完全なノンオーバー
ラップ方式でドットを記録すると、往路で記録されたラ
スタと復路で記録されたラスタとの色の違いが目立って
しまい、画質劣化として認識される。一方、オーバーラ
ップラスタは往路と復路とで記録されるので、往路で記
録されるラスタと復路で記録されるラスタとの色の違い
がオーバーラップラスタの近傍では緩和される。すなわ
ち、オーバーラップラスタを形成すれば、往路と復路で
のラスタの色の違いが目立たなくなるという利点があ
る。
【0068】バンディングを目立たなくさせるという意
味からは、すべてのラスタをオーバーラップラスタにす
ることも考えられる。しかし、すべてのラスタをオーバ
ーラップラスタにすると、すべてが非オーバーラップラ
スタである場合に比べて約2倍の主走査時間を必要とす
るので、記録速度が約1/2になる。これに対して、部
分オーバーラップでは、オーバーラップラスタと非オー
バーラップラスタとが混在しているので、すべてをオー
バーラップラスタにする場合に比べて、記録速度の低下
を緩和することができるという利点がある。
【0069】図7および図8は、第2比較例のドット記
録方式を示す説明図である。第2比較例のドット記録方
式における各パラメータの値は、N=13,Na=1
1,Nb=2,k=6,F=11,m=2,L=1であ
る。これらの各パラメータは、上述した(1)〜(4)
式を満たしている。なお、ラスタ上のドット位置は、白
丸(往動時に基本ノズルで記録される位置)と、黒丸
(往動時に付加ノズルで記録される位置)と、白四角
(復動時に基本ノズルで記録される位置)と、黒四角
(復動時に付加ノズルで記録される位置)の4つに分類
されている。
【0070】図8には、図5と同様に、パラメータN
a,L,kの意義が示されている。すなわち、第2比較
例も、「ほぼL本ずつ連続するオーバーラップラスタ
が、ほぼ(k−L)本の非オーバーラップラスタを挟ん
でほぼ規則的に配列されている」という特徴を有してい
る。
【0071】D.ドット記録方式の実施例:図9および
図10は、第1実施例のドット記録方式を示す説明図で
ある。第1実施例のドット記録方式における各パラメー
タの値は、N=13,Na=11,Nb=2,k=6,
m=2,L=1である。また、副走査送りは、(8,
9,10,16,15,8)ドットの送り量Fで1サイ
クルを構成する変則送りであり、この1サイクルの送り
量が繰り返し適用される。これらの各パラメータは、以
下に再掲する(1)〜(3)式を満たしている。
【0072】 N=Na+Nb …(1) Na=m×k±1 …(2) Nb=Rd[L×Na÷k] …(3)
【0073】また、第1実施例は、上述した条件C1〜
C3と類似した下記の条件C1’〜C3’も満足してい
る。
【0074】条件C1’:1サイクルの副走査送り回数
は、ノズルピッチkに等しい。
【0075】条件C2’:1サイクル中の各回の副走査
送り後のノズルのオフセットOFは、0〜(k−1)の
範囲のそれぞれ異なる値となる。
【0076】条件C3’:副走査の平均送り量(ΣF/
k)は、基本ノズル個数Naに等しい。換言すれば、1
サイクル当たりの副走査送り量Fの累計値ΣFは、基本
ノズル個数Naとノズルピッチkとを乗算した値(Na
×k)に等しい。
【0077】上記条件C1’,C2’は、条件C1,C
2と同じである。条件C3’は、条件C3における「使
用ノズル個数N」を「基本ノズル個数Na」に書き換え
たものである。なお、第1実施例は、第2比較例を変則
送りに変更したものであり、その他のパラメータは第2
比較例と同じである。
【0078】図11は、第1実施例における記録ドット
位置の説明図である。図11には、(Nb×k)ラスタ
分の付加ノズルの範囲が、送り量Fずつ順次ずれている
様子が示されている。ある1回の主走査のみを考えれ
ば、(Nb×k)ラスタ分の付加ノズルの範囲内では、
付加ノズル(黒丸または黒四角で示す)はkドットおき
に規則的に配置されている。上述した第2比較例のよう
に、副走査送り量Fが一定の場合には、この付加ノズル
の範囲が一定量ずつずれてゆくので、オーバーラップラ
スタがほぼ規則的に配置される。これに対して、第1実
施例では、副走査送り量Fが一定ではなく、異なる複数
の送り量が組み合わされて使用されているので、オーバ
ーラップラスタの配置には、第1比較例や第2比較例の
ような規則性は無い。しかし、第1実施例では、オーバ
ーラップラスタが適度に分散して配置されているので、
比較例と同様に、バンディングが目立ちにくくなり、画
質が向上するという効果がある。第1実施例では、オー
バーラップラスタが規則的に配置されておらず、かなり
ランダムに分散しているので、第2比較例よりも高画質
が得られる可能性がある。
【0079】ところで、部分オーバーラップタイプのド
ット記録方式の記録速度は、基本ノズル個数Naの値に
ほぼ比例する。すなわち、1回の主走査時に記録される
ラスタの正味の本数は基本ノズル個数Naに等しく、付
加ノズル個数Nbに依存しない。第2比較例と第1実施
例とでは、基本ノズル個数Naが同一なので、同じ記録
速度を有している。また、第2比較例も第1実施例も、
バンディングが目立ちにくく、画質が向上するという効
果を有している。第1実施例では、オーバーラップラス
タが規則的に配置されておらず、かなりランダムに分散
しているので、第2比較例よりも高画質が得られる可能
性があるが、実際に第2比較例と第1実施例のどちらが
高画質を達成できるかは、印字ヘッド1におけるノズル
間のピッチkの製造誤差に依存する。そこで、副走査送
りとして、第2比較例のような定則送りに限定せず、第
1実施例のような変則送りを行うことを許容すれば、ほ
ぼ同じ記録速度の複数のドット記録方式の中から、画質
の点で好ましいものを選択して使用することができると
いう利点がある。
【0080】図12および図13は、第2実施例のドッ
ト記録方式を示す説明図である。第2実施例のドット記
録方式における各パラメータの値は、N=15,Na=
11,Nb=4,k=6,m=2,L=2である。ま
た、副走査送りは、第1実施例と同じ変則送りである。
これらの各パラメータは、上述の(1)〜(3)式およ
び条件C1’〜C3’を満たしている。第2実施例は、
第1実施例と付加ノズル個数Nbが異なるが、基本ノズ
ル個数Naは同一なので、第1実施例と同じ記録速度を
有している。
【0081】図14は、第2実施例における記録ドット
位置の説明図である。第2実施例においても、オーバー
ラップラスタが適度に分散して配置されていることがわ
かる。従って、第1実施例と同様に、バンディングが目
立ちにくくなり、画質が向上するという効果がある。
【0082】なお、上記第1、第2実施例の他に、上述
した(1)〜(3)式を満足するような種々のドット記
録方式を採用することが可能である。図15は、k=6
でL=1〜3の場合における可能な記録方式のパラメー
タの組合せを例を示す説明図である。図15(A)のk
=6,L=1,m=2,Na=11,Nb=2,N=1
3の場合は、図9〜図11に示した第1実施例に相当す
る。また、図15(B)のk=6,L=2,m=2,N
a=11,Nb=4,N=15の場合は、図12〜図1
4に示した第2実施例に相当する。図16は、k=4で
L=1〜3の場合における可能な記録方式のパラメータ
の組合せの例を示す説明図である。これらの例では、上
記(3)式の丸め演算Rd[]として切り上げが使用さ
れているが、切り捨てを使用することも可能である。
【0083】図15および図16から解るように、ノズ
ルピッチkの値が与えられたときに、パラメータm,L
の値を適切に設定することによって、好ましい基本ノズ
ル個数Naと付加ノズル個数Nbとを決定することがで
き、これらの和から使用ノズル個数Nが決定される。逆
に、使用したいノズル個数Nが決まっている場合には、
図15や図16を用いて、使用ノズル個数Nから好まし
い基本ノズル個数Naと付加ノズルNbとを決定するこ
とも可能である。
【0084】図2に示すPROM15には、ほぼ同じ記
録速度を有する複数のドット記録モードのパラメータを
それぞれ含む複数組のドット記録モード情報が格納され
ており、また、複数のドット記録方式の中から好ましい
モードを指定するためのモード指定情報も格納されてい
る。ここで、「ほぼ同じ記録速度を有する記録モード」
とは、基本ノズル個数Naの差が約10%以内であるよ
うな記録モードを意味する。例えば、PROM15に
は、第1実施例と第2実施例の2つの記録モードのパラ
メータをそれぞれ含む2組のドット記録モード情報が格
納される。2つのドット記録モードの中のいずれが画質
の点で好ましいかは、印字ヘッド1の製造誤差に依存す
る。そこで、2つの記録モードの中のいずれが好ましい
かが個々のインクジェット記録装置毎に決定され、好ま
しいモードを指定するモード指定情報がPROM15に
格納される。こうすれば、同一の記録速度を有する2つ
のドット記録モードの中から、画質の点で好ましいモー
ドを選択することが可能である。なお、選択可能な記録
モードとしては、3つ以上の多数の記録モードを格納し
ておいてもよい。また、選択可能な記録モードは、第2
比較例のような定則送りを利用するモードを含むように
してもよい。
【0085】上記実施例によれば、部分オーバーラップ
を使用し、また、副走査送りとして変則送りを使用した
ので、オーバーラップラスタを適度に分散して配置する
ことができる。この結果、バンディングを目立ちにくく
なり、高画質を達成することが可能である。特に、双方
向記録を行う場合には、オーバーラップラスタが分散し
て配置されていることにより、往路と復路でのラスタの
色の違いが目立たなくなるという利点がある。また、ほ
ぼ記録速度が等しい複数のドット記録モードの中から、
画質の点で好ましいドット記録モードを選択して使用す
るようにすれば、個々の記録装置毎に、より高い画質を
達成できるという利点がある。
【0086】なお、この発明は上記の実施例や実施形態
に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲に
おいて種々の態様において実施することが可能であり、
例えば次のような変形も可能である。
【0087】本発明は、双方向印刷に限らず、決まった
主走査方向のみ(たとえば往路のみ)でドットの記録を
行う単方向印刷にも適用可能である。
【0088】上記実施例では基本ノズルと付加ノズルと
が、同一ラスタ上の画素を相補的に記録を行っていた
が、基本ノズルと付加ノズルとが同一ラスタ上の画素位
置でドットを重複して記録するようにしてもよい。ま
た、これ以外の記録方式を採用することも可能である。
例えば、基本ノズルと付加ノズルとで相補的に記録を行
い、かつ、付加ノズルにより記録されるドット径の大き
さを基本ノズルにより記録されるドット径よりも大きく
してもよい。
【0089】この発明はカラー印刷だけでなくモノクロ
印刷にも適用できる。また、1画素を複数のドットで表
現することにより多階調を表現する印刷にも適用でき
る。また、ドラムスキャンプリンタにも適用できる。
尚、ドラムスキャンプリンタでは、ドラム回転方向が主
走査方向、キャリッジ走行方向が副走査方向となる。ま
た、この発明は、インクジェット記録装置のみでなく、
一般に、複数のドット形成要素アレイを有する記録ヘッ
ドを用いて印刷媒体の表面に記録を行うドット記録装置
に適用することができる。ここで、「ドット形成要素」
とは、インクジェットプリンタにおけるインクノズルの
ように、ドットを形成するための構成要素を意味する。
【0090】上記実施例において、ハードウェアによっ
て実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換え
るようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現
されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるよう
にしてもよい。例えば、図2に示した印字データ制御回
路13や、キャリッジ駆動回路5、印刷媒体搬送制御回
路9の制御機能を、コンピュータ90が実行するように
することもできる。この場合には、プリンタドライバ9
6等のコンピュータプログラムが、これらの回路と同じ
制御機能を実現する。
【0091】このような機能を実現するコンピュータプ
ログラムは、フロッピディスクやCD−ROM等の、コ
ンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で
提供される。コンピュータシステム90は、その記録媒
体からコンピュータプログラムを読み取って内部記憶装
置または外部記憶装置に転送する。あるいは、通信経路
を介してプログラム供給装置からコンピュータシステム
90にコンピュータプログラムを供給するようにしても
よい。コンピュータプログラムの機能を実現する時に
は、内部記憶装置に格納されたコンピュータプログラム
がコンピュータシステム90のマイクロプロセッサによ
って実行される。また、記録媒体に記録されたコンピュ
ータプログラムをコンピュータシステム90が直接実行
するようにしてもよい。
【0092】この明細書において、コンピュータシステ
ムとは、ハードウェア装置とオペレーションシステムと
を含む概念であり、オペレーションシステムの制御の下
で動作するハードウェア装置を意味している。コンピュ
ータプログラムは、このようなコンピュータシステム
に、上述の各回路の機能を実現させる。なお、上述の機
能の一部は、アプリケーションプログラムでなく、オペ
レーションシステムによって実現されていても良い。
【0093】なお、この発明において、「コンピュータ
読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク
やCD−ROMのような携帯型の記録媒体に限らず、各
種のRAMやROM等のコンピュータ内の内部記憶装置
や、ハードディスク等のコンピュータに固定されている
外部記憶装置も含んでいる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の画像処理システムの概略構成を示すブ
ロック図。
【図2】本発明によるインクジェット記録装置の一実施
例を示す概念図。
【図3】印字ヘッド1におけるインクジェットノズルの
配列を示す説明図。
【図4】非オーバーラップタイプのドット記録方式にお
ける副走査送りの基本的条件を示す説明図。
【図5】第1比較例のドット記録方式を示す説明図。
【図6】オーバーラップラスタによるバンディングの防
止効果を示す説明図。
【図7】第2比較例のドット記録方式を示す説明図。
【図8】第2比較例のドット記録方式を示す説明図。
【図9】第1実施例のドット記録方式を示す説明図。
【図10】第1実施例のドット記録方式を示す説明図。
【図11】第1実施例における記録ドット位置の説明
図。
【図12】第2実施例のドット記録方式を示す説明図。
【図13】第2実施例のドット記録方式を示す説明図。
【図14】第2実施例における記録ドット位置の説明
図。
【図15】k=6でL=1〜3の場合における可能な記
録方式のパラメータの組合せの例を示す説明図。
【図16】k=4でL=1,2の場合における可能な記
録方式のパラメータの組合せを例を示す説明図。
【図17】従来の記録方式を示す説明図。
【図18】バンディングの一例を示す説明図。
【符号の説明】
1…印字ヘッド 2…キャリッジ軸 3…キャリッジベルト 4…モータ 5…キャリッジ駆動回路 6…プラテンローラ 7…ギヤ 8…モータ 9…印刷媒体搬送制御回路 10…固定台 11…固定台 13…印字データ制御回路 20…画像出力装置 21…カラーディスプレイ 22…インクジェット記録装置 30…スキャナ 90…コンピュータ 91…ビデオドライバ 93…CRTディスプレイ 95…アプリケーションプログラム 96…プリンタドライバ 97…ラスタライザ 98…色補正モジュール 99…ハーフトーンモジュール

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ドット記録ヘッドを用いて印刷媒体の表
    面にドットの記録を行うドット記録装置において、 前記ドット記録ヘッドに設けられ、1回の主走査中に複
    数の主走査ライン上で同一色のドットをそれぞれ記録し
    得るとともに、副走査方向に沿ってほぼ一定のピッチで
    同一色の複数個のドットを形成し得る複数のドット形成
    要素が配列されたドット形成要素アレイと、 前記ドット記録ヘッドと前記印刷媒体の少なくとも一方
    を駆動して主走査を行う主走査駆動部と、 前記主走査の最中に前記複数のドット形成要素のうちの
    少なくとも一部を使用してドットの形成を行わせるヘッ
    ド駆動部と、 前記主走査が終わる度に前記ドット記録ヘッドと前記印
    刷媒体の少なくとも一方を駆動して副走査を行う副走査
    駆動部と、を備え、 前記副走査駆動部は、複数の異なる送り量を組み合わせ
    た変則副走査送りを実行し、 前記ヘッド駆動部は、1回の主走査中に使用される複数
    のドット形成要素のうちの一部の特定のドット形成要素
    を用いて、他の主走査中に記録対象となる主走査ライン
    上のドットを記録対象とする部分オーバーラップ記録を
    実行することを特徴とするドット記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のドット記録装置であっ
    て、 前記ヘッド駆動部は、主走査が往復で双方向に行われる
    際に往路と復路とでそれぞれドットの記録を実行する、
    ドット記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載のドット記録装置
    であって、 前記複数のドット形成要素の副走査方向のピッチをk×
    P(kは3以上の整数、Pは前記印刷媒体上におけるド
    ットの副走査方向の最小ピッチ)としたときに、1回の
    主走査中に使用されるドット形成要素の個数N(Nは3
    以上の整数)とパラメータNa,Nb,m,Lとが、以
    下の(1)〜(3)式を満足する、ドット記録装置。 N=Na+Nb …(1) Na=m×k±1 …(2) Nb=Rd[L×Na÷k] …(3) ここで、mは1以上の整数、Lは1≦L<kを満たす整
    数、Nbは前記特定のドット形成要素の個数、をそれぞ
    れ示し、演算子Rd[]はかっこ内の値の小数部を丸め
    る演算を示す。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のドット記録装置であっ
    て、 前記ヘッド駆動部は、各主走査ライン上において、Nb
    個のドット形成要素によって記録されるドットと、Na
    個のドット形成要素によって記録されるドットとが相補
    的な位置関係になるように前記ドット記録ヘッドを駆動
    する、ドット記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のドット記録装置であっ
    て、 前記ヘッド駆動部は、各主走査ライン上において、Nb
    個のドット形成要素によって記録されるドットが、Na
    個のドット形成要素によって記録されるドットと重なる
    ように前記ドット記録ヘッドを駆動する、ドット記録装
    置。
  6. 【請求項6】 1回の主走査中に複数の主走査ライン上
    で同一色のドットをそれぞれ記録し得るとともに、副走
    査方向に沿ってほぼ一定のピッチで同一色の複数のドッ
    トを形成し得る複数のドット形成要素が配列されたドッ
    ト形成要素アレイを有するドット記録ヘッドを用い、前
    記副走査方向とほぼ垂直な方向に沿って主走査を行いつ
    つ印刷媒体の表面にドットの記録を行う方法において、 副走査送りとして、複数の異なる送り量を組み合わせた
    変則副走査送りを実行し、 1回の主走査中に使用される複数のドット形成要素のう
    ちの一部の特定のドット形成要素を用いて、他の主走査
    中に記録対象となる主走査ライン上のドットを記録対象
    とする部分オーバーラップ記録を実行することを特徴と
    するドット記録方法。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のドット記録方法であっ
    て、 主走査が往復で双方向に行われる際に往路と復路とでそ
    れぞれドットの記録が実行される、ドット記録方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載のドット記録方法
    であって、 前記複数のドット形成要素の副走査方向のピッチをk×
    P(kは3以上の整数、Pは前記印刷媒体上におけるド
    ットの副走査方向の最小ピッチ)としたときに、1回の
    主走査中に使用されるドット形成要素の個数N(Nは3
    以上の整数)とパラメータNa,Nb,m,Lとが、以
    下の(1)〜(3)式を満足する、ドット記録方法。 N=Na+Nb …(1) Na=m×k±1 …(2) Nb=Rd[L×Na÷k] …(3) ここで、mは1以上の整数、Lは1≦L<kを満たす整
    数、Nbは前記特定のドット形成要素の個数、をそれぞ
    れ示し、演算子Rd[]はかっこ内の値の小数部を丸め
    る演算を示す。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のドット記録方法であっ
    て、 各主走査ライン上において、Nb個のドット形成要素に
    よって記録されるドットと、Na個のドット形成要素に
    よって記録されるドットとが相補的な位置関係になるよ
    うに前記ドット記録ヘッドが駆動される、ドット記録方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のドット記録方法であっ
    て、 各主走査ライン上において、Nb個のドット形成要素に
    よって記録されるドットが、Na個のドット形成要素に
    よって記録されるドットと重なるように前記ドット記録
    ヘッドが駆動される、ドット記録方法。
  11. 【請求項11】 1回の主走査中に複数の主走査ライン
    上で同一色のドットをそれぞれ記録し得るとともに、副
    走査方向に沿ってほぼ一定のピッチで同一色の複数のド
    ットを形成し得る複数のドット形成要素が配列されたド
    ット形成要素アレイを有するドット記録ヘッドを備えた
    印刷装置に、前記副走査方向とほぼ垂直な方向に沿って
    主走査を行いつつ印刷媒体の表面にドットの記録を行わ
    せるためのコンピュータプログラムを記録したコンピュ
    ータ読み取り可能な記録媒体であって、 複数の異なる送り量を組み合わせた変則副走査送りを実
    行する機能と、 1回の主走査中に使用される複数のドット形成要素のう
    ちの一部の特定のドット形成要素を用いて、他の主走査
    中に記録対象となる主走査ライン上のドットを記録対象
    とする部分オーバーラップ記録を実行する機能と、をコ
    ンピュータに実行させるためのコンピュータプログラム
    を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011051356A (ja) * 2010-12-13 2011-03-17 Canon Inc インクジェット記録装置及びその方法
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