JP3702002B2 - 混合装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、粉体液体混合装置、例えば内装工事や塗装工事現場等で下地調整を目的としたパテ施工におけるパテ混合装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば内装工事では、従来より、下地の不陸調整(平坦化)を目的としたパテ塗布作業が行われる。ここで用いられる下地調整用パテには、大別して、ペースト型パテと粉末型パテがある。現在、工期の短縮、ヤセの程度、持ち運びの容易さなどから、粉末型パテが頻繁に使用されている。
【0003】
粉末型パテは、パテ粉と水とを混合し、適度の粘度に調整した後、使用するものである。通常、パテ粉と水との混合は、バケツ等の金属製又はプラスチック製の容器内で、作業員の手作業によって行われていた。作業員は、例えば電動ドリル等の回転軸を有する撹拌機を手に持ち、この回転軸に取り付けられた撹拌羽根を容器内のパテ粉と水に挿入する。この状態で、撹拌機の回転軸を回転させれば、パテ粉と水とが混合される。
【0004】
また、作業員はパテベラやゴムベラ等の用具を使用し、容器内のパテ粉と水とを手作業で混合していた。更に、場合によっては、上記容器を用いずに、内装施工で不要となったビニルクロス等のシートを適度な大きさに裁断したのち床に敷き、その上で直接パテ粉と水とをパテベラ、ゴムベラなどで混合させることもあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように作業員がパテベラやゴムベラなどの用具で混合する場合、パテ混合作業に時間を要するだけでなく、この混合作業により作業員を不要に疲労させ、その上、充分に均一に混合されたパテを得ることが困難であるといった問題があった。
【0006】
また、作業員が電動ドリル等の電動機に撹拌羽根を取り付けた撹拌機を使用する場合、上述のパテベラなどの用具を使用する場合に比べて、パテ混合時間がある程度は短縮すると共に作業員の疲労が軽減するものの、依然として作業員の手作業であり、撹拌機を上下左右に動かす必要があることは変わらない。このように手作業であれば、撹拌羽根の届かない部分をなくすことは困難であり、その部分はダマ(掻き取り残し部分)となるため均一分散できず混合不良となってしまう。特に、容器の内壁周辺にパテ粉が残り易かった。
【0007】
ここで、容器の内壁周辺に残っているパテ粉をも混合しようとすれば、手作業のため、撹拌羽根が容器の内壁にぶつかることもあり、容器内壁あるいは撹拌羽根を傷つけることにもなりかねない。そのため、撹拌機の上下左右移動は手加減せざるを得なく、容器内のパテ粉と水とを充分に均一に混合することは依然としてできなかった。即ち、混合作業は相変わらず非効率的である上に、混合不良部分が残るといった問題は免れない。
【0008】
また、被混合物を入れる容器(バケツ等)はほぼ固定しており、その被混合物に挿入して撹拌する撹拌機に取り付けられた撹拌羽根の回転運動と、それを補助する作業員による撹拌機の移動のみで混合作業を行っていた。このため、ペーストの粘度によっては必要以上の負荷を撹拌機に課すこととなる。
【0009】
更に、撹拌羽根を混合物中で高速回転させて混合する撹拌機では、被混合物内に空気が多量に混入してしまい、被混合物がパテであればパテが強度の弱いものとなってしまうという問題も生じる。
【0010】
また、撹拌機の撹拌羽根は、通常複雑な構造をなすため、混合されたペースト状のパテが撹拌羽根に残りやすいだけでなく、混合後の撹拌羽根の洗浄が充分にできないという問題もある。特に、内装施工の現場では、上水設備が充分でない場合が多く、多量の水を使用することができない場合が多い。
【0011】
本発明の混合装置は、上述の種々の問題に鑑みなされたものであり、効率的に容易に撹拌を行い、均一で良質な被混合物を得ることができる混合装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本願請求項1に記載した発明に係る混合装置は、回転対称軸を有し、該回転対称軸のまわりに回転運動する容器と、
該容器の上方より底面まで延在する予め定められた形状を成し、前記容器内部に挿入されると共に、前記回転対称軸と略平行な前記容器外部の固定軸のまわりに予め定められた角度範囲内で揺動運動する攪拌羽根と、
前記回転運動と前記揺動運動とを駆動する駆動機構とを備え、
前記駆動機構は、歯車列と連接棒とを備え、
前記歯車列は、容器に接続された第一歯車と、第一歯車とは歯数比の異なる第二歯車と、連接棒が連設された第三歯車とを含み、
前記連接棒は、第三歯車と攪拌羽根を支持する支持部材とに連設され、
前記回転運動と前記揺動運動とを連動させ、回転運動の周期と前記揺動運動の周期とが異なるものである。
【0015】
請求項2に記載した発明に係る混合装置は、請求項1に記載の混合装置において、前記揺動運動は、該揺動運動の一方の動作端において、前記攪拌羽根の一方の側部と前記容器の内壁とが接するように前記角度範囲を定められ、前記攪拌羽根の一方の側部および底部は、前記容器の内壁に沿った形状を成すように構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項3に記載した発明に係る混合装置は、請求項1又は2に記載の混合装置において、前記攪拌羽根は、前記回転軸に直交する平面で切った断面形状が前記攪拌羽根の上部と下部とで異なると共に、前記動作端において前記攪拌羽根と前記容器とが予め定められた角度で接するよう構成されていることを特徴とする。
【0017】
【作用】
請求項1に記載した発明による混合装置では、被混合物を入れる容器は自身の回転対称軸のまわりに回転運動しており、容器内の被混合物内に挿入される撹拌羽根は容器外部の固定軸(回転対称軸と略平行な軸)のまわりに予め定められた角度範囲内で揺動運動している。そして、これら容器の回転運動と撹拌羽根の揺動運動とが駆動機構を介して駆動されている。
【0018】
即ち、本発明の混合装置では、被混合物の撹拌作業を、容器の回転運動と撹拌羽根の揺動運動とに分割し、各運動を同時に行わせることとした。このように、被混合物の撹拌作業を、人の手を借りることなく機械によって行うので、撹拌作業における労力が低減されるとともに、撹拌作業に要する時間が短縮し、その結果、撹拌作業が容易になる。
【0019】
また、被混合物の撹拌作業を容器の回転運動と撹拌羽根の揺動運動とに分割して行うので、装置への負荷が少なく、撹拌作業が容易になる。即ち、従来では、被混合物を入れる容器(バケツ等)はほぼ固定しており、その被混合物に挿入して撹拌する撹拌羽根のみが回転運動などをすることにより撹拌作業を行っており、被混合物の粘度によっては装置(電動機及び撹拌羽根など)への負荷が大きかったが、本発明の装置では、容器が回転している中で撹拌羽根が揺動するので、装置への負荷は非常に小さい。
【0020】
更に、回転運動をする容器の中で、撹拌羽根が揺動運動をすることにより、被混合物の撹拌作業が行われるので、容器内における被混合物の流れが、空気を抱き込みにくいものとなり、撹拌時の泡の混入を抑えることが可能となる。
【0021】
例えば、被混合物がパテなどの高粘度な液体であれば、回転運動をする容器の中で、撹拌羽根が揺動運動をするだけなので、空気の巻き込が全く生じない。このように泡の不混入により、強いパテを得ることができる。被混合物としては、流動性のあるものであれば何でもよく、パテに限定されるものではない。
【0022】
更にまた、撹拌羽根は、容器の上方より底面まで延在する予め定められた形状を成し、予め定められた角度範囲内で揺動運動するので、被混合物の撹拌残しがなくなり、被混合物を均一に撹拌可能となる。
【0023】
また、本発明による混合装置は、容器の回転運動の周期と、攪拌羽根の揺動運動の周期とが異なることを特徴とするものである。即ち、攪拌羽根は、ある周期で回転している容器内で、その周期とは異なる周期で揺動運動をしているため、攪拌羽根が容器内の被混合物を通過するところは経時的に変化していくこととなる。従って、被混合物は順に攪拌されていき、最終的には全体がまんべんなく攪拌される。即ち、攪拌羽根が届かず攪拌されないところがなく、被混合物は容易に均一に攪拌され、品質の良いものが得られる。
【0024】
ここで、撹拌羽根の揺動運動は、その動作速度と方向がサインカーブを描いて経時変化する運動であり、この撹拌羽根の運動が容器の回転運動と異なる周期で行われる。よって、撹拌羽根の揺動運動より得られる混合物の軌跡は、歯車等に多く用いられるインボリュート曲線(伸開線)となる。このため、容器内の混合物の流れに空気が抱き込まれにくくなり、混合時の泡の混入を抑えられる。
【0025】
例えば、パテ等の高粘度の液体を混合する場合には、回転運動をする容器の中で、撹拌羽根が容器の回転周期とは異なる周期で揺動運動をするので、高粘度液体中にインボリュート曲線を描くように撹拌羽根が通過することとなり、空気の巻き込が全く生じず撹拌される。
【0026】
更に、本発明による混合装置は、駆動機構が歯車列と連接棒とを備え、容器の回転運動と攪拌羽根の揺動運動とを連動させたことを特徴としたものである。歯車列は、容器に接続された第一歯車と、第一歯車とは歯数比の異なる第二歯車と、連接棒が連設された第三歯車とを含んでいる。連接棒は、第三歯車と攪拌羽根を支持する支持部材とに連設されている。
【0027】
第一歯車は、容器の回転対称軸に自身の回転軸を一致させて容器に接続されているため、容器の回転運動と同じ周期で回転運動をしている。また、この第一歯車の回転運動は、隣接する第二歯車などを介して第三歯車に伝えられる。よって第三歯車も回転運動をするが、その周期は、第二歯車を介しているため、第一歯車とは異なることとなる。更に、第三歯車の回転運動は、連接棒および支持部材などを介して撹拌羽根に伝えられる。その結果、撹拌羽根は、第三歯車の周期により揺動運動することとなる。
【0028】
すなわち、このような駆動機構を介して、容器と撹拌羽根は連動され、それぞれの運動を異なる周期で行っている。よって、容器内での撹拌羽根の撹拌箇所が経時的に変化し、均一に容易に混合可能となる。また、撹拌中の泡の混合が抑えられるため、良質な被混合物が得られる。
【0029】
また、容器と撹拌羽根は駆動機構を介して連動されているので、容器の回転運動と撹拌羽根の揺動運動は、一つのモータ等の駆動装置で同時に駆動される。それでも、容器が回転している中で撹拌羽根が揺動するので、装置への負荷が少なく、撹拌作業が容易になる。
【0030】
ここで、第三歯車と、第二歯車とは、同じ歯車で構成しても構わない。このとき、駆動機構は、歯数比の異なる二つの組み合わせ歯車と連接棒とで構成され、構成が簡単となる。
【0031】
請求項2に記載した発明による混合装置は、請求項1に記載の混合装置において、攪拌羽根の揺動運動の角度範囲と、攪拌羽根の形状を定めたものである。攪拌羽根の揺動運動は、その動作速度と方向がサインカーブを描いて経時変化する運動であり、動作速度が略ゼロとなる状態(この状態を動作端と呼ぶ)が二つ存在し、これら動作端では、放物線上の上死点として静止状態を形成することとなる。
【0032】
これら二つの動作端のなす角を、撹拌羽根の揺動運動の角度範囲として、次のように定める。即ち、一方の動作端において、撹拌羽根の一方の側部と容器の内壁とが接するように定める。ここで、他方の動作端において、撹拌羽根の他方の側部は必ずしも容器の内壁と接する必要はない。また、撹拌羽根の形状については、撹拌羽根の一方の側部および底部が容器の内壁に沿った形状とした。
【0033】
つまり、撹拌羽根の揺動運動の一方の動作端のときには、容器内壁に沿った形状をなす撹拌羽根の一方の側部が容器の内壁と接している。このように撹拌羽根が静止状態で容器内壁に接している時にも、容器は変わらず一定周期で回転運動をしている。従って、容器内壁に付着した被混合物を、撹拌羽根によって効果的に掻き取ることが可能となる。
【0034】
また、撹拌羽根の底部も容器の内壁に沿った形状をしているので、揺動運動の最中には底部における被混合物を常に掻き取っている。よって、底部の混合残しはない。以上のことから、本発明の装置は、被混合物の掻き取り残しがなく、均一に混合可能なものである。
【0035】
ここで、撹拌羽根の一方の側部が容器の内壁に接する時、撹拌羽根と容器内壁のなす角度が掻き取りに適した角度となるように構成しておけば、更に容器内壁に付着した被混合物の掻き取りが効果的となる。
【0036】
更に、容器の回転周期と、撹拌羽根の揺動周期とが異なれば、容器内壁のほぼ全面に対して、撹拌羽根の動作端における容器内壁の掻き取りが行われることとなるため、掻き取り残しが無く、均一に混合できる。
【0037】
尚、撹拌羽根の一方の側部が容器の内壁に接している状態とは、前記側部と前記内壁との物理的な接触に限らない。つまり、容器内壁に付着した被混合物を掻き取る、即ち、容器内壁に付着した被混合物のダマを解消することができる程度の透き間を有していても構わない。
【0038】
請求項3に記載した発明による混合装置では、請求項1又は2に記載の混合装置において、攪拌羽根の容器内壁に対する角度と、攪拌羽根の形状を定めたものである。攪拌羽根の容器内壁に対する角度を、予め定められた角度に設定することによって、平面内(左右方向)での被混合物の流れを生じさせ、その流れによる自然の攪拌が可能となる。
【0039】
また、撹拌羽根の形状は、揺動運動の回転軸に直交する平面で切った断面形状が撹拌羽根の上部と下部とで異なるよう定めた。例えば、段差を持つ形状でもよいし、傾斜していてもよい。このようにすることによって、容器内の被混合物の上方および下方における各々の平面内での流れが異なることとなり、その結果、被混合物が上方から下方へ、逆に下方から上方への対流が誘起される。このように、左右だけでなく、上下にも、混合物の流れを生じさせることができ、更に均一に混合できる。
【0040】
【実施例】
以下に、実施例を通じ本発明を更に詳しく説明する。図1〜図3には、本発明に係る混合装置の一実施例、およびその動作を説明する図が示されている。図1は、本実施例の混合装置の斜視図であり、一部欠して示されている。図1において、被混合物(例えば、粉末パテと水)を入れる混合バケツ(容器)3はターンテーブル5上に載置され、混合バケツ3内に挿入された混合羽根(撹拌羽根)2は羽根アーム(支持部材)4によって支持されている。
【0041】
ターンテーブル5の軸部(不図示)と羽根アーム4は共に、後述する歯車列を含む駆動機構などを内包する箱体1の上面において、各々軸回転できる程度に緩やかに差し込まれている。駆動機構は、歯車(第一歯車)6と、歯車(第二および第三歯車)7と、クランクアーム(連接棒)8と、モータ10とで主に構成されている。
【0042】
箱体1の内部において、ターンテーブル5の軸部(不図示)は、歯車6の軸に接続されている。この歯車6の軸はモータ10により駆動されている。従って、混合バケツ3は、歯車6およびターンテーブル5などの軸を介してモータ10により駆動され、ある周期で回転運動する。
【0043】
一方、羽根アーム4は、箱体1に固設された軸受14を介して箱体1の内部に挿入されている。羽根アーム4の下端部には、羽根アーム4の中心軸に対して直交方向に伸びる板部材15が固設されている。この板部材15の先端部には、クランクアーム8の一端部がピン継手等により締結されており、この継手ピンを軸として互いに揺動することが可能となっている。更に、クランクアーム8の他端部には、歯車7がピン継手等により締結されており、この継手ピンを軸として互いに揺動することが可能となっている。
【0044】
歯車7は、前述の歯車6にかみ合わせられて設けられている。従って、モータ10により駆動された歯車6の回転運動は、歯車7に、その回転運動として伝えられる。ここで、二つの歯車6および歯車7は、互いに歯数比が異なる1組の組み合わせ歯車である。本混合装置では歯車7と歯車6との歯数比を1:1.25に設定している。よって、歯車7は、歯車6の回転周期とは異なる周期で回転運動することとなる。
【0045】
歯車7の回転運動は、クランクアーム8を介することにより運動の方向が変換されて、板部材15をクランク運動(揺動運動)させる。この揺動運動は、羽根アーム4の軸を支点として、板部材15の先端部の動作速度と方向がサインカーブを描いて経時変化する運動であり、歯車7の回転周期と同じ周期をもつ。従って、混合羽根2は、クランクアーム8、板部材15、羽根アーム4を介して、歯車7の回転周期と同じ周期、即ち混合バケツ3の回転周期(つまり、歯車6の回転周期)とは異なる周期で揺動運動することとなる。
【0046】
ここで、歯車6と歯車7の回転軸は互いに略平行になるよう構成されている。よって、板部材15の揺動運動は、前記回転軸に対して直交する平面内で行われる。その結果、混合羽根2は、前記回転軸、即ち混合バケツ3の回転対称軸と略平行な軸のまわりに揺動運動することとなる。
【0047】
図2は、本実施例の混合装置を上部より見たときの、混合バケツ3と、混合バケツ3内に挿入された混合羽根2の動作関係を示す説明図である。混合バケツ3は、自身の回転対称軸C1を支点として、逆時計まわりに回転運動13を行っている。混合羽根2は、羽根アーム4に支持され、羽根アーム4の軸C2を支点として、揺動運動12を行っている。ここで、回転対称軸C1および羽根アーム4の軸C2は共に、紙面を垂直方向に貫く軸である。
【0048】
混合羽根2の揺動運動12は、その動作速度と方向がサインカーブを描いて経時変化する運動であり、動作速度が略ゼロとなる状態(この状態を動作端と呼ぶ)が二つ存在し、これら動作端では、放物線上の上死点として静止状態を形成することとなる。本実施例では、一方の動作端において、混合羽根2の一方の側部2aと混合バケツ3の内壁とが図2に示すような角度で接するように、混合羽根2の形状、クランクアーム8などを構成した。ここで前記角度は、混合バケツ3の回転方向などを考慮して定められる。
【0049】
混合羽根2の形状を規定する部分の内、一方の側部2aおよび底部2cは、図1に示されるように、混合バケツ3の内壁に沿った形状とした。従って、混合羽根2の一方の側部2aは、一方の動作端において、混合バケツ3の内壁にぴったりと接して略静止状態にある。このときにも、混合バケツ3は変わらず一定周期で回転運動13をしている。従って、混合バケツ3の内壁に付着した被混合物(ダマ)は、混合羽根2の一方の側部2aによって効果的に掻き取られる。
【0050】
前述したように、混合バケツ3の回転運動13の周期と、混合羽根2の揺動運動12の周期は異なるので、混合羽根2の一方の側部2aが混合バケツ3の内壁に接する位置は周期ごとに変化していく。従って、何周にもわたって本実施例の装置を動作させ続けることによって、混合バケツ3の内壁のほぼ全面に対して、混合羽根2の一方の側部2aによる掻き取りが行われることとなるため、掻き取り残しが無く、均一に混合できる。
【0051】
図3には、パテ粉と水とを混合させる様子を本装置の上部より見た状態が示されている。混合バケツ3が回転方向13の方向に回転すると同時に、混合羽根2が揺動運動12の動作を行う。斜線部20が混合状態を表している。矢印16は、混合羽根2が揺動運動12によって混合バケツ3の中心より内壁面側に移動した時の軌跡を表す。矢印17は、混合中のパテ粉と水の流れを表す。この流れ17は、混合バケツ3の回転、および混合羽根2と混合バケツ3の成す角度などによって生じるものである。
【0052】
本実施例の装置では、パテ混合動作時、空気を抱き込んで起こる泡の混入を極力なくすため、混合バケツ3の回転速度と、混合中のパテの流れに合った角度と速さを混合羽根2に設定し、混合羽根2の軌跡は、矢印16のように、混合中のパテの流れに対し、歯車によく見られるインボリュート曲線を描くように設定することで達成し、また、矢印18のように混合バケツ3の内壁全体を確実に掻き取る(周期のずれによる)ことを利用して、混合羽根2の形状にダマをすりつぶす効果が得られる形状をなすことで、粉体パテの混合に高い品質の混合状態を達成している。
【0053】
また、混合羽根2が混合バケツ3の内壁に接触している時、前述した混合バケツ3の内壁掻き取り動作18を発生させている。混合バケツ3と混合羽根2の動作周期がずれているから、混合羽根2が混合バケツ3の内壁に接触する部分は順にずれていくので、混合バケツ3の内壁全体を確実に掻き取ることができる。
【0054】
また、混合羽根2の底部2c(図1)も混合バケツ3の内壁に沿った形状をしているので、揺動運動12の最中には底部における被混合物を常に掻き取っている。よって、底部の混合残しはない。以上のことから、本発明の装置は、被混合物の掻き取り残しがなく、均一に混合可能なものである。
【0055】
ところで、本実施例の装置に設けられた混合羽根2の他方の側部2bは、図1に示すように、揺動運動12の回転軸に直交する平面で切った断面形状が混合羽根2の上部と下部とで異なるよう、段差を持つ構成とした。このようにすることによって、混合バケツ3内の被混合物の流れ(図3の矢印17)の様子が上方と下方とで異なることとなる。
【0056】
その結果、被混合物には、上方から下方へ、逆に下方から上方へと、対流が誘起される。ここで、混合羽根2の上部と下部とでの形状の違いは、流れ(図3の矢印17)の違いを誘起するものであれば何でもよく、他方の側部2bを傾斜させる構成としても構わない。このように、左右(平面内)だけでなく、上下にも、混合物の流れを生じさせることができ、更に均一に混合できる。
【0057】
このように、本実施例の混合装置では、パテ粉と水とを混合する作業を、混合バケツ3の回転運動13と混合羽根2の揺動運動12とに分割し、各運動を一つのモータ10で同時に行わせることとした。よって、モータ10や混合羽根2などの機械への負荷が少なく、混合作業が容易になる。
【0058】
また、混合作業を、人の手を借りることなく機械によって行うので、混合作業における作業員の労力が低減されるとともに、混合作業に要する時間が短縮し、その結果、混合作業が容易になる。
【0059】
更に、この混合バケツ3の回転速度、混合羽根2の角度及び形状、歯車6と7の歯数比のなどの設計により、均一に混合することが容易になった。更に、混合バケツ3内のパテ粉や水の流れが、混合中に空気を抱き込みにくいものとなるため、強いパテを得ることができる。
【0060】
混合羽根2は、例えば図1に示すような非常に簡易な形状を成すが、更に、容易に取り外し可能に羽根アーム4に設けられていれば、混合作業後の洗浄が容易となる。
【0061】
上記本実施例では、混合バケツ3の回転周期と混合羽根2の揺動周期を異なるものとするため、歯数比の異なる二つの歯車6および歯車7を用いたが、このための機構としては歯車列に限られるものではない。例えば、プーリ(滑車)とベルトを使用した組み合わせのベルト機構でも同様の効果が得られる。このとき、二つの歯車6および7の歯数比と同等の直径比を持つプーリ(滑車)を用いればよい。また、片方の歯車の軸にカムローラとクランクアームで形成されたクランク機構でも同様の効果が得られる。
【0062】
本実施例の混合装置によれば、混合バケツ3に適量のパテ粉と水とを入れ、本装置を稼働させるだけで、数分後には、良質のパテが容易にできる。また、少量の水で固練り状態のパテを連続混合することにより、手混合や電動ドリルによる混合と比較して、パテを適度な粘度に落とすことができるので、ヤセの少ない良質なパテの混合が可能である。
【0063】
従って、内装施工作業におけるパテ塗作業では、作業の効率化はもちろんのこと、品質の面でも現在の手混合や電動ドリルによる混合よりも格段の成果がある。
【0064】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の混合装置によれば、撹拌作業における労力が低減されると共に、撹拌作業に要する時間が短縮し、その結果、撹拌作業が容易になる。
【0065】
また、被混合物の粘度によらず、装置への負荷が少なく、効率的に容易に撹拌を行える。その結果、均一で良質な被混合物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る混合装置における一実施例の斜視図である。
【図2】図1の装置を上部から見た場合、混合バケツと混合羽根の動作関係を示す説明図である。
【図3】図1の装置を上部から見た場合、パテ粉と水とを混合する様子を示す説明図である。
【符号の説明】
2:混合羽根
3:混合バケツ
4:羽根アーム
5:ターンテーブル
6、7:歯車
8:クランクアーム
10:モータ
12:混合羽根の揺動運動
13:混合バケツ回転運動
16:混合羽根の揺動運動による軌跡
17:混合中の混合物の流れ
20:被混合物の混合状態
Claims (3)
- 回転対称軸を有し、該回転対称軸のまわりに回転運動する容器と、
該容器の上方より底面まで延在する予め定められた形状を成し、前記容器内部に挿入されると共に、前記回転対称軸と略平行な前記容器外部の固定軸のまわりに予め定められた角度範囲内で揺動運動する攪拌羽根と、
前記回転運動と前記揺動運動とを駆動する駆動機構とを備え、
前記駆動機構は、歯車列と連接棒とを備え、
前記歯車列は、容器に接続された第一歯車と、第一歯車とは歯数比の異なる第二歯車と、連接棒が連設された第三歯車とを含み、
前記連接棒は、第三歯車と攪拌羽根を支持する支持部材とに連設され、
前記回転運動と前記揺動運動とを連動させ、回転運動の周期と前記揺動運動の周期とが異なることを特徴とする混合装置。 - 前記揺動運動は、該揺動運動の一方の動作端において、前記攪拌羽根の一方の側部と前記容器の内壁とが接するように前記角度範囲を定められ、
前記攪拌羽根の一方の側部および底部は、前記容器の内壁に沿った形状を成すように構成されていることを特徴とする請求項1に記載の混合装置。 - 前記攪拌羽根は、前記回転軸に直交する平面で切った断面形状が前記攪拌羽根の上部と下部とで異なると共に、前記動作端において前記攪拌羽根と前記容器とが予め定められた角度で接するよう構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の混合装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP08860095A JP3702002B2 (ja) | 1995-03-23 | 1995-03-23 | 混合装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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