JP2008142689A - 混合装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 撹拌具の揺動によって容器の外に被混合物が飛び出ることがなく、良好にしかも速く撹拌混合することができ、尚且つ、安価に提供できる混合装置を得る。
【解決手段】 本体上で駆動源により水平面内で回転される回転テーブルと、混合すべき材料を収容した容器の外底部を回転テーブル上に着脱可能に保持する保持手段と、駆動源により本体側で一定の角度範囲で揺動する揺動軸と、回転テーブル上に保持された容器内に一端部が位置するように他端部で揺動軸に着脱自在に取付けられた略逆U字の撹拌具とを備え、混合すべき材料を回転テーブルによる容器の回転と撹拌具の揺動との相対運動によって撹拌混合する混合装置において、回転テーブルの回転速度を変更するテーブル回転速度変更手段と、揺動軸の揺動速度を変更する揺動速度変更手段とを備える。
【選択図】 図1

Description

本発明は、内装工事、塗装工事等で下地調整を目的としたパテ施工のためのパテや、壁装材を貼着するためのでん澱系接着剤等を調整するための混合装置に関するものである。
壁装材を貼着するためのでん澱系接着剤や下地調整を目的としたパテ等を調整するために、シャフト部の一端部が電気ドリルのチャック部に締め込み装着され、他端部の攪拌羽根を回動させて壁紙糊用攪拌棒が既に提案されている(例えば、特許文献1)。このような電動ドリルの回転軸に撹拌羽根を挿着した撹拌機をパテに使用すると、高速に回転するため、パテに空気が抱き込まれ、時間を経る毎に泡が増大し、得られたパテの付着強度が弱くなる欠点があった。
また、本出願人は、例えば内装工事、塗装工場等で下地調整を目的としたパテ施工のためのパテを撹拌混合する混合装置を既に提案している(例えば、特許文献2参照)。この混合装置は、パテと水等の被混合物を内部に保持した混合容器を水平に回転させる回転テーブルと、撹拌羽根を一端部に保持した逆U字状の撹拌具の他端部を装着する枢支部とを備える。枢支部は一定角度範囲で揺動して撹拌羽根を容器内に配置した撹拌具に水平面内の揺動運動を与え、混合容器内の被混合物を回転テーブルによる容器回転と撹拌具揺動との相対運動によって容器内の被混合物を撹拌混合するものである。
また、この混合装置の改良技術として、少量の被混合物でも均一に且つ効率的に撹拌混合できる混合装置や、コンパクト化・軽量化を達成した混合装置(特許文献3参照)をも提案している。
特開2003−210964 実開平7−24433号公報 特開2000−126574
現在の下地調整用のパテの主流は石膏系粉末硬化型パテである。これは半水石膏を主成分とするものであり、水と混合することにより、一定の硬化時間になると主成分の半水石膏が二水石膏に変化して硬化する。このようなパテは、パテの粉と水とを混合撹拌して調整の後、調整されたパテを少量づつパテ盆に取り出し、パテ施工して下地調整とする。
ところが、混合撹拌して調整されたパテは、石膏の硬化、パテに含まれる無機充填材の凝集、接着剤成分の粒間凝集等により、徐々に粘度が上昇する。この粘度の上昇を「パテの締まり」と言うが、締まりつつあるパテによるパテ施工の作業は力で引き延ばせざるを得ず、そのため、多くの作業者は水を加水して粘性を下げ、パテ施工するが、加水した分、肉ヤセが発生するという問題が生じている。
また、前述の混合装置の被混合物は粉末状のパテだけでなく、ペースト状接着剤(以下、「ペースト状糊」と記す)を水で薄めて規定の濃度のでん澱系接着剤を調整する場合にも使用される。即ち、壁紙施工用接着剤であるペースト状糊は、水を加えて良く混合し、規定の濃度にして使用されるものである。例えば、ペースト状糊は濃度の濃いペースト状であり、業務上で使用するペースト状糊は18kgあり、希釈水が50〜60重量%であるため、総量が27〜29kgにもなるため、特許文献1のような電動ドリルの回転軸に撹拌羽根を挿着した撹拌機で均一に調整するには大変な労力が必要であった。また、電気ドリルを利用した攪拌機で混合した場合には、糊にダメージを与え、糊自体の初期接着力が低いとの利用者による指摘もあった。
しかしながら、従来の混合装置を用いて希釈混合する場合には、混合初期の段階では水と粉末状のパテや水とペースト状糊が互いに分離しているので、撹拌具の揺動運動によって内部の液体やペースト又は粉体の被混合物が容器の外に飛び出ることがあった。そのため、作業者においては、規定の希釈水を用意した上で撹拌初期にはその1/3程度の希釈水を容器に入れて混合装置を駆動し、ある程度混合された後に残りの希釈水を入れ、混合するという工夫を行う場合もあった。
本発明は、混合される材料や状況に応じて望ましい条件で撹拌することが可能な混合装置を得ることを目的とする。具体的には、「パテの締まり」が起こり難いパテとすることのできる混合装置を得ること、また、撹拌具の揺動によって容器の外に被混合物が飛び出ることがない混合装置を得ることを目的とする。
請求項1に記載された発明に係る混合装置は、1つ以上の駆動源を備えた本体と、該本体上で前記駆動源により水平面内で回転される回転テーブルと、混合すべき材料を収容した容器の外底部を回転テーブル上に着脱可能に保持する保持手段と、前記駆動源により本体側で一定の角度範囲で揺動する揺動軸と、前記回転テーブル上に保持された容器内に一端部が位置するように他端部で揺動軸に着脱自在に取付けられた略逆U字の撹拌具とを備え、前記混合すべき材料を回転テーブルによる容器の回転と撹拌具の揺動との相対運動によって撹拌混合する混合装置において、
前記回転テーブルの回転速度を変更するテーブル回転速度変更手段と、前記揺動軸の揺動速度を変更する揺動速度変更手段とを備えたことを特徴とするものである。
請求項2に記載された発明に係る混合装置は、請求項1に記載のテーブル回転速度変更手段は、前記回転テーブルの回転速度を予め定められた時間に応じて駆動・停止を繰り返し制御する制御手段を含み、
前記揺動速度変更手段は、前記揺動軸の揺動速度を予め定められた時間に応じて駆動・停止を繰り返し制御する制御手段を含むものであることを特徴とするものである。
請求項3に記載された発明に係る混合装置は、請求項1に記載のテーブル回転速度変更手段は、前記回転テーブルの回転速度を上限回転速度を下回る速度に制御する制御手段を含み、
前記揺動速度変更手段は、前記揺動軸の揺動速度を上限揺動速度を下回る速度に制御する制御手段を含むものであることを特徴とするものである。
請求項4に記載された発明に係る混合装置は、請求項1〜3の何れか1項に記載の駆動源が前記本体に唯一備えられ、
前記テーブル回転速度変更手段及び前記揺動速度変更手段が前記1つの駆動源の回転速度を変更する駆動源回転速度変更手段であることを特徴とするものである。
請求項5に記載された発明に係る混合装置は、請求項4に記載の駆動源回転速度変更手段が、前記駆動源の回転速度を予め定められた時間に応じて駆動・停止を繰り返す間欠駆動制御手段を含むものであることを特徴とするものである。
請求項6に記載された発明に係る混合装置は、請求項5に記載の間欠駆動制御手段が、前記揺動軸の揺動運動に連動した前記回転テーブルを2°〜10°寸動させる寸動駆動を3〜10秒毎に行う制御を含むことを特徴とするものである。
請求項7に記載された発明に係る混合装置は、請求項5又は6に記載の間欠駆動制御手段が、前記揺動軸の揺動運動に連動した前記回転テーブルを上限回転速度を下回る速度で10から20回回転させる回転駆動を2〜8分毎に行う制御を含むことを特徴とするものである。
請求項8に記載された発明に係る混合装置は、請求項4に記載の駆動源回転速度変更手段が、駆動開始時から予め定められた時間までの駆動源の回転速度を上限回転速度の半分を下回る速度に制御する減速駆動制御手段を含むものであることを特徴とするものである。
請求項9に記載された発明に係る混合装置は、請求項1に記載の撹拌具として、前記混合すべき材料に応じて、パテ用撹拌具とでん澱系接着剤用撹拌具とが交換可能に配されることを特徴とするものである。
請求項10に記載された発明に係る混合装置は、請求項1又は9に記載の撹拌具の一端部に、揺動によって混合すべき材料に流れを発生させる羽根を備え、
この羽根は、揺動の中心から遠い先端底部が前記撹拌具の揺動によって前記回転テーブルの略中心を通過する軌跡上を動くものであることを特徴とするものである。
請求項11に記載された発明に係る混合装置は、請求項10に記載の羽根には、揺動の際に混合すべき材料を溢流する切欠が上縁の一部に形成されていることを特徴とするものである。
本発明は、混合される材料や状況に応じて望ましい条件で撹拌することが可能な混合装置を得ることができる。具体的には、「パテの締まり」が起こり難いパテとすることのできる混合装置を得ること、また、撹拌具の揺動によって容器の外に被混合物が飛び出ることがない混合装置を得ることができる。
本発明においては、1つ以上の駆動源を備えた本体と、該本体上で前記駆動源により水平面内で回転される回転テーブルと、混合すべき材料を収容した容器の外底部を回転テーブル上に着脱可能に保持する保持手段と、前記駆動源により本体側で一定の角度範囲で揺動する揺動軸と、前記回転テーブル上に保持された容器内に一端部が位置するように他端部で揺動軸に着脱自在に取付けられた略逆U字の撹拌具とを備え、前記混合すべき材料を回転テーブルによる容器の回転と撹拌具の揺動との相対運動によって撹拌混合する混合装置において、前記回転テーブルの回転速度を変更するテーブル回転速度変更手段と、前記揺動軸の揺動速度を変更する揺動速度変更手段とを備える。このため、テーブルの回転速度と揺動軸の揺動速度とを変更することができ、混合される材料や状況に応じて望ましい条件で撹拌することが可能となる。
本発明のテーブル回転速度変更手段は、回転テーブルの回転速度を変更するものであればよく、回転テーブルの回転速度を遅くしたり速めたり或いは停止して制御するものであればよく、駆動源からの駆動力のギア、クランク、ベルト等を組み合わせた増減速機によって回転テーブルに伝達される回転速度を段階的に又は無段階的に変更させるものを含むが、駆動源自体の回転速度を変更する方が機構を簡略化でき、より細かな変更を可能とすることができる。例えば、駆動源をDCブラシレスモーターとし、このモーターの回転速度を制御するマイクロプロセッサ等の制御手段を搭載することにより可能となる。
また、本発明の揺動速度変更手段は、揺動軸の揺動速度を変更するものであればよく、揺動軸の揺動速度を遅くしたり速めたり或いは停止して制御するものであればよく、駆動源からの駆動力のギア、クランク、ベルト等を組み合わせた増減速機によって揺動軸に伝達される揺動速度を段階的に又は無段階的に変更させるものを含むが、テーブル回転速度変更手段と同様に、駆動源自体の回転速度を変更する方が機構を簡略化でき、より細かな変更を可能とすることができる。例えば、駆動源をDCブラシレスモーターとし、このモーターの回転速度を制御するマイクロプロセッサ等の制御手段を搭載することにより可能となる。
これらテーブル回転速度変更手段の駆動源及び/又は揺動速度変更手段の駆動源の回転速度の制御としては、回転テーブルの回転速度及び/又は揺動軸の揺動速度を予め定められた時間に応じて駆動・停止を繰り返し制御する間欠制御や、回転テーブルの回転速度及び/又は揺動軸の揺動速度を上限回転速度を下回る速度に制御する減速制御手段などが挙げられる。
好ましい態様としては、テーブル回転速度変更手段は回転テーブルの回転速度を予め定められた時間に応じて駆動・停止を繰り返し制御する制御手段を含み、揺動速度変更手段は揺動軸の揺動速度を予め定められた時間に応じて駆動・停止を繰り返し制御する制御手段を含むものであるものが挙げられる。これにより、例えば、石膏系粉末硬化型パテを混合した場合でも間欠的に回転テーブルと撹拌具との駆動・停止を繰り返し続けることにより、「パテの締まり」が起こり難いパテとすることができる。尚、駆動・停止を繰り返し続けられたパテは、強制的に硬化を遅らされているものであると考えられるため、パテ施工すると直ぐに硬化する特性を有することも確認されている。
また、この回転テーブルの回転速度及び揺動軸の揺動速度を予め定められた時間に応じて駆動・停止を繰り返し制御する場合には、撹拌混合されるパテやでん澱系接着剤等においては、確実に停止状態を維持することが好ましい。粘度の高いパテやでん澱系接着剤等ではその粘度のために、回転や揺動が完全に停止せず、先に進んだり、押し戻される状態がある。特に、押し戻される状態では停止から駆動を行う際に停止位置がずれているため、動き出し時にそのずれを相殺しようとして駆動源に大きな負荷がかかり駆動源の故障の原因となる虞があるためである。そのため、好ましくは回転テーブルの回転及び/又は揺動軸の揺動の停止時の戻りを規制する規制手段を備える。
更に、回転テーブルの回転と揺動軸の揺動とを比較すると、粘度の高いパテやでん澱系接着剤等の粘度のために押し戻される状態は揺動軸の揺動の方が大きく、より好ましくは回転テーブルの回転及び揺動軸の揺動の停止状態での戻りを各々規制する規制手段か、揺動軸の揺動の停止状態での戻りを規制する規制手段を備える。
例えば、これらの規制手段としては、回転テーブルや撹拌具の運動をパッド等で押さえて停止させるブレーキ手段を設けてもよいが、回転テーブルを駆動する駆動源の駆動軸やその駆動軸から回転テーブルの回転軸に至る駆動伝達手段に備えられた回転軸の何れかに、その回転方向を規制する回転方向規制手段を備えたり、揺動軸を駆動する駆動源の駆動軸やその駆動軸から揺動軸に至る駆動伝達手段に備えられた回転軸の何れかに、その回転方向を規制する回転方向規制手段を備える方がより確実で安価にできる。
これらの回転方向規制手段としては、電気的又は機械的に規制することができる。例えば、駆動源がDCブラシレスモーター等の回転制御手段を備えたモーターであれば、この回転制御手段に停止時の駆動軸の挙動変位を電気的に検出してその変位データに基づいて挙動規制する制御プログラムを組み入れることで電気的に回転方向を規制することができる。また、例えば、駆動源の駆動軸、回転テーブルの回転軸、揺動軸とクランクを介して連結されるクランクギアの回転軸等の回転軸の何れか1つ以上にワンウェイクラッチを装備することにより機械的に回転方向を規制することができる。
また、本発明の別の好ましい態様としては、テーブル回転速度変更手段は回転テーブルの回転速度を上限回転速度を下回る速度に制御する制御手段を含み、揺動速度変更手段は揺動軸の揺動速度を上限揺動速度を下回る速度に制御する減速駆動制御手段を含むものが挙げられる。これにより、混合初期に撹拌具の揺動によって容器の外に被混合物が飛び出ることがなく、良好にしかも速く撹拌混合することができる。
即ち、本発明の混合装置において混合されるパテやでん澱系接着剤は、混合初期では水と粉末状のパテや水とペースト状糊が分離しているので、撹拌具の揺動運動によって内部の液体やペースト・粉体等の被混合物が容器の外に飛び出ることがあった。そのために、テーブル回転速度変更手段及び揺動速度変更手段によって、混合初期段階の回転テーブルの回転速度と揺動軸の揺動速度とを抑制して混合初期の段階での各々の速度を遅くすることにより、被混合物が容器外へ飛び出ることを防止することができる。
本発明での各々の速度は、水と粉末状のパテやペースト状糊とが分離して容器内に存在している混合初期の段階で容器の外に被混合物が飛び出ることのないような速度に制御されればよい。従って、粉末状のパテやペースト状糊等の被混合物がある程度混合され、上限回転速度にしても飛び出ることがないような粘性を持つ間の駆動開始初期まで、駆動開始時から徐々に駆動速度を上げる制御手段や、前記駆動開始初期の間の回転速度を規制する制御手段等を備えればよい。
より好ましくは、テーブル回転速度変更手段は、駆動開始時から予め定められた時間までの回転テーブルの回転速度を上限回転速度の半分を下回る速度に制御する制御手段を含み、揺動速度変更手段は、駆動開始時から予め定められた時間までの揺動軸の揺動速度を上限揺動速度の半分を下回る速度に制御する制御手段を含む。
また、本発明の混合装置の駆動源としては、回転テーブルを駆動するもの及び揺動軸を駆動するものであればよく、両者の駆動は個別の駆動源を用意してもよいし、1つの駆動源を用いても良い。本発明の駆動源としては、回転テーブルと揺動軸とで個別の駆動源を備え、個々の駆動源を制御してもよいが、回転テーブルと揺動軸との速度を個別に制御するために、駆動源を各々備え、更にこれら駆動源の速度を制御する制御機構又は制御手段を各々備えると、得られた混合装置自体の大きさが大きく重くなり、製品としての価格も高騰する。
そのため、より好ましい態様としては、駆動源が糊付装置本体に唯一備えられ、テーブル回転速度変更手段及び前記揺動速度変更手段が1つの駆動源の回転速度を変更する駆動源回転速度変更手段であるものが挙げられる。これによりコンパクトで軽量化され、安価に製造することができる。
即ち、テーブル回転及び揺動速度を唯一の駆動源によって駆動するようにし、この駆動源の回転速度を段階的に又は無段階的に変更させることにより、テーブル回転及び揺動速度を段階的に又は無段階的に変更させることができる。この駆動源回転速度変更手段としては、速度制御回路を駆動源(モーター)に付随させて配置したり、速度制御回路を内蔵した駆動源(モーター)を用いることなどによって、容易に達成できる。前述したように、例えば、唯一の駆動源をDCブラシレスモーターとし、このモーターの回転速度を制御するマイクロプロセッサ等の制御手段を搭載することにより可能となる。
本発明の駆動源回転速度変更手段の好ましい態様としては、前述のテーブル回転速度変更手段及び前記揺動速度変更手段で個別に示したような駆動源の回転速度を予め定められた時間に応じて駆動・停止を繰り返す間欠駆動制御手段を含むものや、駆動開始時から予め定められた時間までの駆動源の回転速度を上限回転速度を下回る速度に制御する減速駆動制御手段を含むものが挙げられる。より好ましくは上限回転速度の半分を下回る速度に制御するものが挙げられる。
具体的な駆動源回転速度変更手段の間欠駆動制御としては、駆動源の回転速度を予め定められた時間に応じて駆動・停止を繰り返すものであればよい。より具体的には、石膏系粉末硬化型パテのように、混合した後に放置しておくとパテの無機充填材の凝集や、接着剤成分の凝集等により、徐々に粘度が上昇すること(パテの締まり)が予想される場合に、非常に微小な距離を動かすことと所定の時間停止することとの動作を繰り返すことにより、パテの締まりを防止することができる。
例えば、通常の駆動により、パテを調整した後、数秒間毎に数度回転テーブルをブレードと共に寸動させる間欠駆動を繰り返し行う。間欠駆動は、混合されたパテが完全硬化するまで運転させたり、途中で泡を噛み込まない速さで数秒から数十秒駆動させることにより、パテの粘度上昇が一旦断ち切られ、締まりの防止が可能となる。
具体的な間欠駆動制御手段としては、揺動軸の揺動運動に連動した回転テーブルを2°〜10°寸動させる寸動駆動を3〜10秒毎に行う制御を含む。2°未満の回転テーブルの間欠駆動では、パテの締まりを防止することが難しく、10°を越えた寸動駆動では、泡の噛み込みの問題が生じるためである。また、3秒を下回る時間毎の駆動ではパテの締まりを防止効果は達成できるが、駆動が頻繁になりすぎて省エネに問題があり、10秒を超えた時間毎の駆動では、パテの締まりを防止することが難しいためである。
また、別の間欠駆動制御手段としては、揺動軸の揺動運動に連動した回転テーブルを上限回転速度を下回る速度で10から20回回転させる回転駆動を2〜8分毎に行う制御を含む。これは締まりが著しいパテに適応するためである。上限回転速度を下回る速度としては、泡の噛み込みを生じない速度であればよく、上限回転速度の半分以下が好ましい。また、10回を下回る回転駆動では、間欠駆動によって撹拌されない部分が生じるためである。20回を上回る回転駆動では、泡の噛み込みの問題が生じるためである。また、2分を下回る時間毎の駆動ではパテの締まりを防止効果は達成できるが、駆動が頻繁になりすぎて省エネに問題があり、8分を超えた時間毎の駆動では、パテの締まりを防止することが難しいためである。
尚、この別の間欠駆動制御手段は、前述の間欠駆動制御手段と共に行うか、単独で行うことができるが、前述の間欠駆動制御手段を行いつつ、この別の間欠駆動制御手段を行う方がパテの締まりを防止することが確実になるだけでなく、作業者の安全性や装置の破損防止が確保される特徴も有する。
即ち、前述の寸動駆動では、3〜10秒ごとの駆動であるため、作業者は間欠駆動制御を行っていることは判るが、別の間欠駆動制御手段では数分ごとの駆動であるため、作業者は容器内のパテをパテ盆に小分けに取り出す場合に、間欠駆動制御を行っていることを気付かない場合が充分に想定される。そのため、前述の寸動駆動と一緒に行うことにより、小分けに取り出す際には間欠駆動制御の駆動を停止することにより、作業者の安全性が保たれ、小分け用のヘラ等が容器内へ放置されることが防止され装置の破損を防止することができる。
尚、別の間欠駆動制御手段を単独で行う場合には、小分け取り出しの際の作業者の安全性を高めるため、好ましくは、上限回転速度を下回る速度で回転駆動させる直前に警報ランプ、警報ブザー等を駆動するか、徐々に回転速度を上昇させる等の安全性を向上させる手段を1つ以上講じる。
また、具体的な駆動源回転速度変更手段の減速駆動制御としては、駆動開始時から予め定められた時間までの駆動源の回転速度を上限回転速度を下回る速度、より好ましくは上限速度の半分を下回る速度に制御するものであればよい。例えば、上限速度40〜50回転/minで混合を行う混合装置の場合では、混合開始時に20〜25回転/minを30〜80秒間保持した後に、上限速度40〜50回転/minまで回転速度を段階的又は無段階的に上昇させる制御手段を行う。
これにより、混合初期時から30〜80秒間までは、回転テーブルの回転速度及び揺動軸の揺動速度が上限速度の半分を下回る速度となるため、その間に被混合物である粉末パテ、ペースト状糊が水に混合・溶解されて粘度が増すため、その後に上限速度まで達しても容器の外に被混合物が飛び出ることがない。また、上限速度の半分を下回る時間が、混合初期時から、わずか30〜80秒間のため、混合時間についても大幅に長くなるものではないという利点もある。
即ち、駆動源の電源が入った場合には全て混合初期時から予め定められた時間(30〜80秒間)までは、上限速度の半分を下回る速度となり、それ以降は上限速度に達するように制御するようにしてもよい。
尚、間欠駆動制御手段及び減速駆動制御手段の制御は駆動源の速度制御回路を作業者が設定するように設定手段を付随して設置してもよいが、制御回路に書換できない状態で設置してもよい。例えば、モーターの回転速度を制御するマイクロプロセッサ等の制御手段に他の制御プログラムと一緒に各々制御プログラムを制御回路のROM等の記録手段に記録しておき、操作者が、手動設定駆動モード、減速駆動モード(初期駆動モード)、間欠駆動モードと切換可能にしてもよい。これにより、駆動源の制御系が簡略化され、より安価に製造することができる利点がある。
本発明の別の好ましい態様としては、撹拌具として、混合すべき材料に応じてパテ用撹拌具とでん澱系接着剤用撹拌具とが交換可能に配されるものである。即ち、混合すべき材料に応じて撹拌具を交換して使用する。パテにはパテ用の撹拌具を用い、糊用接着剤には糊用接着剤用の撹拌具を用いることにより、泡の混入がない混合物を調整することが可能となる。
具体的な撹拌具としては、撹拌効率を向上させるために、撹拌具の一端部に揺動によって混合すべき材料に流れを発生させる羽根を備えたものが挙げられる。本発明においては、好ましくは、この撹拌具の羽根は、揺動の中心から遠い先端底部が撹拌具の揺動によって回転テーブルの略中心を通過する軌跡上を動くものとしたものである。これにより、羽根が揺動する領域が狭くなるため、泡を抱き込み難くなる。尚、回転テーブルも回転しているため、回転テーブルの単位時間あたりの回転数と揺動軸の単位時間あたりの揺動回数とが同一にならないようにすることによって、容器内で撹拌羽根が通過しない領域がないようになり、均一な混合物が得られる。
回転テーブルと撹拌羽根との相対速度は被混合物に泡を抱き込まない速度であればよいが、糊用接着剤を調整する際には、可能であれば低速での撹拌の方が、粘着力の低下が少なく好ましい。これは、糊成分のでん澱粒子が剪断によって破壊され難いため、接着性能の低下を招かないためである。
本発明の別の好ましい態様としては、羽根には、揺動の際に混合すべき材料を溢流する切欠が上縁の一部に形成されている。即ち、溢流することによって、揺動により容器側壁に被混合物が角に押潰され、性能劣化することがない。また、揺動により溢流された上部の被混合物が、下部に流動し、効率的に循環混合することができる。
1.構成
図1は本発明の混合装置の一実施例の平面からの構成を示す説明図である。図2は図1の正面からの構成を示す説明図である。図3は図1の駆動系の構成を示す説明図である。図4は図1の混合装置に装着するパテ用撹拌具の構成を示す説明図である。
図に示す通り、本実施例の混合装置10は、駆動源としてのモーター11を内部に備えた本体12と、この本体12上で混合すべき材料を収容する容器40と、この容器40を着脱自在に保持する保持具を備えた回転テーブル13と、保持された容器40内に一端部が位置するように取付けられた略逆U字の撹拌具41とから構成される。
容器40は、回転テーブル13の上面には外周に沿って形成された立ち上がり枠14と、容器40の底部外周壁を固着する係着具17とによって回転テーブル13の上面に保持される。撹拌具41は保持具18によって揺動軸15に着脱自在に取付けられる。尚、揺動軸15には上中下3段のボールベアリング19を介して支持されている。
モーター11は駆動軸16を下方に向けて配置され、その駆動軸16の先端には図示していないピニオンが取付けられており、このピニオンは、モーター11の駆動軸回りに配されたギアヘッド27を介してクランクギア25の回転軸26にその駆動を伝える。クランクギア25は回転テーブル13の回転軸20に設けられた回転テーブルギア24に噛合し、回転テーブル13を回転駆動する。尚、回転軸20には上下2段のボールベアリング29を介して支持されている。
回転テーブル13の下面には、回転軸20と同心円状のガイドレール21が形成されている。ガイドレール21の下方の本混合装置10の本体12には、多数の従動子23が同心円状に配され、このガイドレール21を介して回転テーブル13を支えている。個々の従動子23はガイドレール21が嵌る溝が形成された車輪であり、本体12とはベアリング軸受28を介して取付けられている。
これら同心円状に配した従動子23により、回転テーブル13上に過大な重量を保持させても小さい駆動力でスムーズに回転することができる。また、回転テーブルの荷重は実質的に従動子23が支えるため、長期間にわたって回転軸20の同軸度がずれ難く、長期にわたって使用することができる。
クランクギア25の回転軸26に対して偏心した位置に連結棒30の一端が連結されている。尚、連結棒30は板状であり、駆動に伴って変動する際に隣接するモーター11に衝突しないように湾曲した平面形状をしている。連結棒30の他端部は揺動軸15に対して固定されると共に揺動軸15に対して偏心した位置でレバー部材31に連結されている。
駆動源としてのモーター11は、速度制御回路を内蔵したモーターであり、予め速度制御回路のROMに、手動設定駆動モードと、初期駆動モード(ペースト糊用)と、初期駆動モード(パテ用)と、間欠駆動モード1と、間欠駆動モード2との5つのプログラムが記録されており、図示していない入力装置のメニュー画面から何れかのモードに切換える。
初期駆動モード(ペースト糊用)は、モーター11の回転速度を20回転/minを80秒行い、30回転/minを40秒行い、35回転/minを40秒行い、40回転/minを上限として連続運転するようにプログラムされている。初期駆動モード(パテ用)は、モーター11の回転速度を20回転/minを30秒行い、30回転/minを30秒行い、40回転/minを上限として連続運転するようにプログラムされている。
更に、間欠駆動モード1は、初期駆動モード(パテ用)が終了した場合に選択可能であり、初期駆動モード(パテ用)でパテを調整した後、3°程度回転テーブル及びブレードを寸動させ、約5秒間停止する間欠駆動を繰り返すようにプログラムされている。間欠駆動モード2も、初期駆動モード(パテ用)が終了した場合に選択可能であり、初期駆動モード(パテ用)でパテを調整した後、3°程度回転テーブル及びブレードを寸動させ、約5秒間停止する間欠駆動を繰り返す5分おきに24回転/minを30秒間行うようにプログラムされている。間欠駆動モード1の選択により、パテが寸動して動かされるため、パテの締まり防止が可能となる。更に、間欠駆動モード1でもパテの締まりが生じる場合には、間欠駆動モード2によって一定の時間毎にパテ全体を撹拌することにより、パテの締まりを更に防止することができる。
クランクギア25の回転軸26と、モーター11の駆動軸16とにはワンウェイクラッチが装着されている。これは、粘度の高いパテやでん澱系接着剤等ではその粘度のために、間欠駆動時に回転や揺動が完全に停止せず、先に進んだり、押し戻される状態があるためであり、ワンウェイクラッチを装着することにより、間欠駆動時であっても確実に停止し押し戻されることがない。尚、間欠駆動時に確実に停止させるには、速度制御回路に停止時の駆動軸の挙動変位を電気的に検出しその変位データに基づいて挙動規制する制御プログラムを組み入れることで電気的に回転方向を規制することもでき、その場合には回転軸26と駆動軸16とのワンウェイクラッチの装着を排除することも可能である。
図4に示す通り、撹拌具41はパテ用の撹拌具である。b図に示す通り、撹拌具41は正面から見るとクエスチョンマークのように曲折したパイプ材46の一端部には略L字状の撹拌ブレード42を備え、他端部は図示していない保持具によって混合装置10の揺動軸15に着脱自在に取付けられている。a図に示す通り、撹拌ブレード42は一枚板状でパイプ材46の曲折部を保持する面に対して傾いて取付けられている。これは容器40が回転する方向に対して撹拌ブレードが傾いて配され、然も、撹拌ブレード42が容器40の周縁部で揺動するために、被混合物は容器40と共に回転される間に流れが変更させることにより混合される際に、空気が巻き込まれ難い効果を奏するものである。
また、一枚板状の撹拌ブレード42は、L字状の内角部分に高さ位置を低めた切欠47が形成されている。この切欠47によって、被混合物が溢流して穏やかに混合される効果を奏するものである。
でん澱系接着剤の混合の際にはでん澱系接着剤用の撹拌具を用いることにより、仕上がりが向上する。図5は図1の混合装置に装着するでん澱系接着剤用撹拌具の構成を示す説明図である。
図5のb図に示す通り、糊用接着剤用撹拌具51は正面から見るとクエスチョンマークのように曲折したパイプ材56を備える。a図に示す通り、パイプ材56の一端部に備わる撹拌ブレード52は垂直な立て板部53と、水平面に対して傾斜した傾斜板部54とを備え、これら立て板部53と傾斜板部54とが、折曲面55で連続して形成された外観を備える。この傾斜板部54により、揺動運動によって底部から水面へ掻き回される流れが生じ、効率よくでん澱系接着剤を混合することができる効果を奏するものである。
また、撹拌ブレード52の立て板部53の上縁部には高さ位置を低めた切欠57が形成されている。この切欠57によって、被混合物が溢流して穏やかに混合される効果を奏するものである。
2.本混合装置の性能(間欠駆動モード1:パテの締まり防止)
本混合装置を用いて、パテを混練後、間欠駆動モード1として経時的にパテをサンプリングしその物性を測定した。用いたパテは、商品名:レベロン120(ヤヨイ化学工業社製)であり、混水量は、粉:水=3.7kg:2.3kgとした。比較としては、同じパテを用いて、従来の混合装置での混合方法の通り、5分間撹拌した後そのまま放置したものをサンプリングした。電動ドリルに撹拌羽根を装着したもの(撹拌羽根として「商品名:パテミック(ヤヨイ化学工業社製)」)で5分間撹拌した後そのまま放置したものをサンプリングした。
また、測定項目としては直後の粘度、サンプリングして30秒後の粘度、パテの締まりの確認、泡の混入の確認とした。パテの締まりの確認はパテベラの抵杭で5段階評価(0:シマリ無し、1:少量、2:少〜中量、3:中量、4:中〜多量、5:多量)で行い、泡の発生の確認は肉眼で5段階評価(0:泡発生無し、1:少量、2:少〜中量、3:中量、4:中〜多量、5:多量)で行った。結果を次の表1に示す。
尚、粘度測定条件は、BH型粘度計でローターNO.7を4rpmとした。直後粘度はローター1回転目で測定、30秒後粘度は、ローター30秒回転後測定した。表中( )にTI値(Tl値=2rpm粘度/20rpm粘度)を記入した。
Figure 2008142689
次に、別のパテを用いて同様の比較試験を行った。用いたパテは、商品名:ワイド120(ヤヨイ化学工業社製)であり、混水量は、粉:水=3.5kg:2kgとした。比較としては、同じパテを用いて、従来の混合装置での混合方法の通り、5分間撹拌した後そのまま放置したものをサンプリングした。電動ドリルに撹拌羽根を装着したもの(撹拌羽根として「商品名:パテミック(ヤヨイ化学工業社製)」)で5分間撹拌した後そのまま放置したものをサンプリングした。
また、測定項目としては、前述の試験と同様に、直後の粘度、サンプリングして30秒後の粘度、パテの締まりの確認、泡の混入の確認とした。パテの締まりの確認はパテベラの抵杭で5段階評価(0:シマリ無し、1:少量、2:少〜中量、3:中量、4:中〜多量、5:多量)で行い、泡の発生の確認は肉眼で5段階評価(0:泡発生無し、1:少量、2:少〜中量、3:中量、4:中〜多量、5:多量)で行った。結果を次の表2に示す。
尚、粘度測定条件は、BH型粘度計でローターNO.7を4rpmとした。直後粘度はローター1回転目で測定、30秒後粘度は、ローター30秒回転後測定.表中( )にTI値(Tl値=2rpm粘度/20rpm粘度)を記入した。
表1、表2に示す通り、本混合装置では、混合されたパテの粘度上昇が抑えられ、締まりが防止されているため、練りたての作業性の軽さが持続し、パテの可使時間が長くなっていることが判る。また、電気ドリル撹拌で調整した被混合物に比べて、泡の抱きこみがないことが判る。締まりが防止されるため、加水を行う必要がなく、従って、本パテで調整された下地はヤセが少なく、強度の高い下地が得られることが判る。
Figure 2008142689
3.糊用接着剤の特性(初期駆動モード;でん澱系接着剤の希釈性能)
本混合装置を用いて、初期駆動モードで、でん澱系接着剤の希釈液を調整した後、得られたでん澱系接着剤の希釈性能を検証した。用いたでん澱系接着剤は、商品名;ルーアマイルド(ヤヨイ化学工業社製)であり、初期駆動モード(20回転/minを80秒行い、30回転/minを40秒行い、35回転/minを40秒行い、40回転/minを上限として残りの時間を駆動)で合計5分間撹拌混合を行った。でん澱系接着剤の希釈率は、5.5割希釈、6割希釈、7.5割希釈、10割希釈とした。
比較として、『樹脂製 丸ギザ型撹拌羽根(商品名;マイトミル)(ヤヨイ化学工業社製)』を装着した電気ドリルでも同様のでん澱系接着剤を用いて同様の希釈率のでん澱系接着剤の希釈液を調整した。結果を次の表3に示す。
尚、比較試験項目は、(1) 粘度測定、(2) 接着力測定、(3) 目透き量測定である。粘度測定は、BH型粘度計にて、ぞれぞれの温度別粘度を測定した。また、低温放置(5℃)、サイクル放置(40℃→5℃)した場合の粘度も測定した。接着力測定は、シナベニヤに調整したでん澱系接着剤を塗布し、綿布を貼り付けた後、常態接着力、耐湿接着力を測定した(接着剤塗布量:135g/m )。目透き量測定は、石膏ボードを準備し、調整したでん澱系接着剤にて塩化ビニル壁紙(サンゲツ:SP9915)、ケナフ壁紙(東リ;WEN3355)を貼り付け、それぞれの壁紙目透き量を測定した。
表3に示す通り、本発明の混合装置は、優れた希釈性能を発揮する事が判明した。これは、低速で穏やかに撹拌する事から、膨潤したでん粉粒子の損傷が少なく、分子量が均一に保持できるため、でん粉の水和結合力が低下しないものと思われた。一方、電気ドリルを用いた撹拌では、高速な剪断により、でん粉粒子の損傷が多く発生することにより、でん粉の分子量が低下し、水和結合力が小さくなるものと推定された。この水和結合力低下により、希釈粘度の低下、接着性能の低下、保存安定性の低下が発生するものと思われた。
Figure 2008142689
4.糊用接着剤の特性(でん澱系接着剤の経時変化)
本混合装置を用いて、3.と同様に、初期駆動モードで、でん澱系接着剤の希釈液を調整した後、得られたでん澱系接着剤の拭き取り性能を検証した。用いたでん澱系接着剤は、3.と同様に、商品名;ルーアマイルド(ヤヨイ化学工業社製)であり、初期駆動モード(20回転/minを80秒行い、30回転/minを40秒行い、35回転/minを40秒行い、40回転/minを上限として残りの時間を駆動)で合計5分間撹拌混合を行った。でん澱系接着剤の希釈率は、5.5割希釈とした。
比較として、3.と同様に、『樹脂製 丸ギザ型撹拌羽根(商品名;マイトミル)(ヤヨイ化学工業社製)』を装着した電気ドリルでも同様のでん澱系接着剤を用いて同様の希釈率のでん澱系接着剤の希釈液を調整した。
Figure 2008142689
具体的には容器にでん澱系接着剤を4kg取り出し、5.5割希釈の水(2.2L)を更に投入し、本発明の混合装置の初期駆動モードで合計5分間混合した。また、電気ドリルに樹脂製丸ギザ型撹拌羽根を装着した撹拌機械にて5分間溶解し、粘度を測定しTI値を更に求めた。結果を表4に示す。
表4に示す通り、溶解直後は、電気ドリルの高速せん断による粘度低下が認められた。しかしながら、経時により再び凝集して粘度は上昇した。結果的に溶解3日後には本発明の混合装置で調整された糊液と変わらなかった。
5.糊用接着剤の特性(でん澱系接着剤の拭き取り性能試験)
4.で調整した糊液を量産塩化ビニル壁紙裏面へ、135g/m 塗布して15分、30分.60分を放置した後、塩ビ板上へ貼リ付け、転写量を測定した。その後、固く絞った布ふきんを準備し、5kg分銅に巻き付けた。塩ビ板上へ、ふきん付き5kg分銅を、一定速度でずらした後、重量を測定し、拭き取り量を測定した。結果を次の表5、表6に示す。
Figure 2008142689
Figure 2008142689
表5及び表6に示す通り、電気ドリルで調整された糊液より本発明の混合装置で調整された糊液は転写量も少なく、拭き取りも良い結果が得られた。これは、電気ドリル出の調整は高速せん断するため、でん粉粒の損傷が大きく、保水性能が損なわれるため、再凝集しやすくなるものと思われた。
本発明の混合装置の一実施例の平面からの構成を示す説明図である。 図1の正面からの構成を示す説明図である。 図1の駆動系の構成を示す説明図である。 図1の混合装置に装着するパテ用撹拌具の構成を示す説明図であり、a図は平面図、b図は正面図である。 図1の混合装置に装着するでん澱系接着剤用撹拌具の構成を示す説明図であり、a図は平面図、b図は正面図である。
符号の説明
10…混合装置、
11…モーター、
12…本体、
13…回転テーブル、
14…立ち上がり枠、
15…揺動軸、
16…駆動軸、
17…係着具、
18…保持具、
19…ボールベアリング、
20…回転軸、
21…ガイドレール、
23…従動子、
24…回転テーブルギア、
25…クランクギア、
26…回転軸、
27…ギアヘッド、
28…ベアリング軸受、
29…ボールベアリング、
30…連結棒、
31…レバー部材、
40…容器、
41…撹拌具、
42…撹拌ブレード、
46…パイプ材、
47…切欠、
50…容器、
51…撹拌具、
52…撹拌ブレード、
53…立て板部、
54…傾斜板部、
55…折曲面、
56…パイプ材、
57…切欠、

Claims (11)

  1. 1つ以上の駆動源を備えた本体と、該本体上で前記駆動源により水平面内で回転される回転テーブルと、混合すべき材料を収容した容器の外底部を回転テーブル上に着脱可能に保持する保持手段と、前記駆動源により本体側で一定の角度範囲で揺動する揺動軸と、前記回転テーブル上に保持された容器内に一端部が位置するように他端部で揺動軸に着脱自在に取付けられた略逆U字の撹拌具とを備え、前記混合すべき材料を回転テーブルによる容器の回転と撹拌具の揺動との相対運動によって撹拌混合する混合装置において、
    前記回転テーブルの回転速度を変更するテーブル回転速度変更手段と、前記揺動軸の揺動速度を変更する揺動速度変更手段とを備えたことを特徴とする混合装置。
  2. 前記テーブル回転速度変更手段は、前記回転テーブルの回転速度を予め定められた時間に応じて駆動・停止を繰り返し制御する制御手段を含み、
    前記揺動速度変更手段は、前記揺動軸の揺動速度を予め定められた時間に応じて駆動・停止を繰り返し制御する制御手段を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の混合装置。
  3. 前記テーブル回転速度変更手段は、前記回転テーブルの回転速度を上限回転速度を下回る速度に制御する制御手段を含み、
    前記揺動速度変更手段は、前記揺動軸の揺動速度を上限揺動速度を下回る速度に制御する制御手段を含むものであることを特徴とする請求項1に記載の混合装置。
  4. 前記駆動源が前記本体に唯一備えられ、
    前記テーブル回転速度変更手段及び前記揺動速度変更手段が前記1つの駆動源の回転速度を変更する駆動源回転速度変更手段であることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の混合装置。
  5. 前記駆動源回転速度変更手段は、前記駆動源の回転速度を予め定められた時間に応じて駆動・停止を繰り返す間欠駆動制御手段を含むものであることを特徴とする請求項4に記載の混合装置。
  6. 前記間欠駆動制御手段が、前記揺動軸の揺動運動に連動した前記回転テーブルを2°〜10°寸動させる寸動駆動を3〜10秒毎に行う制御を含むことを特徴とする請求項5に記載の混合装置。
  7. 前記間欠駆動制御手段が、前記揺動軸の揺動運動に連動した前記回転テーブルを上限回転速度を下回る速度で10から20回回転させる回転駆動を2〜8分毎に行う制御を含むことを特徴とする請求項5又は6に記載の混合装置。
  8. 前記駆動源回転速度変更手段は、駆動開始時から予め定められた時間までの駆動源の回転速度を上限回転速度を下回る速度に制御する減速駆動制御手段を含むものであることを特徴とする請求項4に記載の混合装置。
  9. 前記撹拌具として、前記混合すべき材料に応じて、パテ用撹拌具とでん澱系接着剤用撹拌具とが交換可能に配されることを特徴とする請求項1に記載の混合装置。
  10. 前記撹拌具の一端部に、揺動によって混合すべき材料に流れを発生させる羽根を備え、
    この羽根は、揺動の中心から遠い先端底部が前記撹拌具の揺動によって前記回転テーブルの略中心を通過する軌跡上を動くものであることを特徴とする請求項1又は9に記載の混合装置。
  11. 前記羽根には、揺動の際に混合すべき材料を溢流する切欠が上縁の一部に形成されていることを特徴とする請求項10に記載の混合装置。
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