JP4367985B2 - 混合装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は例えば、内装工事、塗装工事等で下地調整を目的としたパテ施工に際して、パテを撹拌混合するための混合装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般的に、従来から壁紙貼り付け等の内装施工の際には、その下地調整として下地の不陸調整を目的としたパテ塗布作業が行われている。下地調整用パテには、主にペースト型と粉末型とがあるが、工期の短縮・ヤセ・持ち運びの簡便さから現在では粉末型パテの使用が多い。
【0003】
この粉末型パテは、粉末状パテ(パテ粉)と水とを撹拌混合して練り、適度の粘度に調整した後に使用するものである。撹拌混合には、バケツ等の金属製あるいはプラスチック製の容器にパテ粉と水とを入れ、電動ドリルの回動軸に撹拌羽根を取付け、作業者が電動ドリルを持って容器内に撹拌羽根を入れ、ドリルを駆動して回動軸を回転させることによって撹拌羽根でパテ粉と水を混合し、練り上げていた。また、直接パテベラやゴムベラ等の用具を用いて作業者自身が混合作業を行っていた。
【0004】
しかし、現在では、パテ調整作業の短縮化や作業者への負担軽減とともに、より均一なパテ混合を目的として、装置を用いて混合作業を機械化させている。従来の混合装置としては、バケツ等の容器を回転テーブル上に載置固定し、このテーブルを駆動機構によって水平方向へ回転させると共に、容器内に一端側の撹拌羽根を挿入した状態で他端側が本体に取付けられた撹拌具を揺動させることによって、容器の回転と撹拌羽根の揺動との相対運動で容器内のパテ粉と水を撹拌混合し、適度な粘度になるまで練り上げる構成のものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の混合装置では、回転テーブルを回転させ、撹拌具を一定の角度範囲で揺動させるための駆動機構は、駆動源であるモータと、モータの回転を回転テーブルの回転軸と撹拌具へそれぞれ所定回転速度に減速して伝達するギヤ系からなる伝達手段とで主に構成される。
【0006】
具体的には、厚板状のベース本体上に載置されたモータに、ベース本体裏面側に取付けたギアを連動させ、各回転軸および撹拌具にそれぞれのギヤ系を介して所定の周速に変更しつつモータの回転を伝達する構成となっている。
【0007】
しかしながら、混合装置は施工現場に搬送されて用いられるものでありながら、上記のごとく回転テーブルや複数のギヤ系伝達手段を本体ベース裏面側に有する混合装置の構成は、部品点数が多くて配置が煩雑であると共に、重量が重く、装置のコンパクト化及び軽量化が望まれている。
【0008】
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、従来より機械的強度を低下させることなく、全体のコンパクト化および軽量化が可能な混合装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明に係る混合装置は、駆動装置を内部に搭載した本体と、本体上で駆動装置により所定速度で水平面内で回転される回転テーブルと、回転テーブル上に保持されて混合すべき材料を収容した容器と、本体側で駆動装置により所定速度で揺動する撹拌具とを備え、撹拌具の揺動と回転テーブルによる容器の回転との相対運動によって容器内の材料を撹拌混合する混合装置において、
前記本体のハウジングは、下カバーと、下カバーの上開口を塞ぐように取付けられるベースフレームと、下カバーを覆う上カバーとで構成され、
下カバーは、内部を複数のキャビティに仕切るリブを有し、
前記駆動装置は、モータと、モータの回転を回転テーブルおよび撹拌具へそれぞれ所定速度となるように伝達する伝達手段とを備え、
前記伝達手段としては、前記回転テーブルの回転軸を回転するギアG1と、このギアG1を回転駆動すると共に前記撹拌具の揺動軸を一定の角度範囲で揺動させるクランクアームを駆動するギアG2と、このギアG2を前記モータからの回転駆動力によって回転させるギアヘッドとを備え、
前記複数のキャビティとしては、前記ギアヘッドの周囲を囲む位置に設けられたリブ内にギアヘッドが収納されたキャビティと、前記回転テーブルの回転軸をベースフレーム及び上カバーを貫通する状態で垂直上方へ軸回転可能に突設させたキャビティと、前記撹拌具の揺動軸をベースフレーム及び上カバーを貫通する状態で垂直上方へ軸回転可能に突設させたキャビティとを備え、
前記ギアヘッドの上方の上カバー内には前記ベースフレームを貫通して下カバー内のギアヘッドに亘って前記モータが配置され、
ギアG1とギアG2とは、前記ベースフレームの上位の上カバー内に配されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明においては、装置本体が、駆動装置を内包する上下カバーからなるハウジングで構成されており、下カバーの内部をリブを設けて複数のキャビティに仕切り、これらキャビティ内に駆動装置の一部構成部品を収納することによって、空洞状態で軽量化を図った本体の効率的な空間利用と共に機械的強度の向上を可能とした。
【0012】
本発明における駆動装置がモータと回転テーブルおよび撹拌具への回転伝達手段で主に構成される場合、この伝達手段の一部をキャビティ内に収納することができる。例えば、回転伝達手段として、減速ギア系が用いられる場合、モータ等を上カバー内に配置し、ギアヘッドを所定位置のキャビティ内に収納できる。逆に言えば、下カバー内に配置される装置部品の位置を考慮してこれらをそれぞれ囲む位置に適宜リブを設ける設計を行えばよい。
【0013】
このような本発明の構成によれば、従来のように板状ベース本体の裏面側にギアを取付けてモータに連動させる場合に比べて、工程数や部品数が少なくなり、装置のコンパクト化、軽量化を実現しながらも装置組立が容易となり、結果的にコストダウンも図れる。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態として、ABS(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン)樹脂製の下カバーおよび上カバーからなる本体を備えた混合装置を図1、図2に示す。図1は装置全体の概略構成を示す側面透視図であり、図2は、下カバーの平面図である。
【0015】
本実施形態による混合装置は、本体1のハウジングは、主に、下カバー2と、下カバー2の上開口を塞ぐように取付けられるベースフレーム4と、下カバー2を覆う上カバー3とから構成される。
【0016】
下カバー2は、内部の所定位置に複数のキャビティを形成するように空間を仕切るリブRが一体成形されている。各リブRの高さは、下カバー2の上端位置に揃えられている。この下カバー2とこれを覆う上カバー3とで形成される本体内部空間に、後述のごとくモータMをはじめとする駆動系の装置が収納配置される。
【0017】
一方、本体1上には、本体1内に搭載されたモータMを駆動源として回転テーブル5が水平面内で回転可能に固定設置されている。この回転テーブル5にはその周上に、容器を保持するための枠部材20が一体的に備え付けられている。従って、回転テーブル5の回転に伴って枠部材20も一体的に回転し、枠部材20に設置保持された容器も水平面内方向に回転する。
【0018】
また、本体1上の回転テーブル5から所定距離離れた位置に、モータMによって一定の角度範囲で揺動する揺動軸7が垂直上方に突設されている。この揺動軸7には、例えば図3に示したような一端側に容器内で揺動して中の材料を撹拌混合するための撹拌羽根31を備えた撹拌具30が他端側で係合し枢止される。よって、揺動軸7の揺動がこの撹拌具30に伝達され、一端側の容器内にある撹拌羽根31を水平面内で揺動運動させる。
【0019】
本実施形態においては、同一の駆動源としてモータMを用いて回転テーブル5の回転と、揺動軸7を介した撹拌羽根の揺動とを連動させる構成とした。まず、回転テーブル5は、その軸6が本体1内下方に設けられたギアG1と同軸であり、モータMの回転駆動力がギアヘッド10を介してギアG2に伝達され、このギアG2に噛合するギアG1が回転されることによって、軸6を介して回転テーブル5が水平方向に所定速度で回転される。
【0020】
一方、ギアG2には、クランクアームCの一端部がピン継手により回動可能に締結されており、このクランクアームCの他端部は、揺動軸7の本体1内下方に固定されている揺動軸中心に対して直交方向に伸びる長尺部材8の先端にピン継手により互いに回動可能に締結されている。従って、モータMによってギアヘッド10を介して回転駆動されたギアG2の回転運動は、クランクアームCによって長尺部材8に伝達され、長尺部材8を揺動運動させ、揺動軸7を一定の角度範囲で揺動させる。
【0021】
以上のように、モータMと、モータMの回転駆動力を回転テーブル軸6および揺動軸7へそれぞれ所定の回転、揺動速度となるように減速調節しながら伝達するギア系とからなる駆動装置は、すべて本体1内空間に収納されるが、下方に位置する各構成部材は、下カバー2に形成された複数のキャビティのうちの所定のキャビティ内にそれぞれ設置されている。
【0022】
例えば、回転テーブル軸6はキャビティ12内に、また揺動軸7はキャビティ13内に、それぞれベースフレーム4および上カバー3を貫通する状態で垂直上方へ軸回転可能に突設されている。また、ギア系の一構成部であるギアヘッド10がキャビティ11内に設置されている。
【0023】
以上のように、本実施形態による混合装置では、下カバー2内にリブRが形成されているため、本体1の内部がほぼ空洞状態であっても、充分な機械的強度を有している。また、本体1内にほぼすべての駆動装置が収納されるため、従来のように駆動装置を構成する各部材をそれぞれ板状本体に取付けるための取り付け部品が必要なくなり、設計が簡略化して装置全体のコンパクト化・軽量化が実現できた。
【0024】
【発明の効果】
本発明は以上説明したとおり、本体の機械的強度を低減させることなく、装置全体のコンパクト化および軽量化を実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態としての混合装置の全体構成を示す概略側面透視図である。
【図2】図1に示した混合装置の下カバーの平面図である。
【図3】図1の混合装置に用いる撹拌具の一例を示す概略構成図であり、(a)は平面図、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1:本体
2:下カバー
3:上カバー
4:ベースフレーム
M:モータ
5:回転テーブル
6:軸
G1,G2:ギア
C:クランクアーム
7:揺動軸
8:長尺部材
9:撹拌具
10:ギアヘッド
R:リブ
11,12,13:キャビティ
20:枠部材
30:撹拌具
31:撹拌羽根

Claims (1)

  1. 駆動装置を内部に搭載した本体と、本体上で駆動装置により所定速度で水平面内で回転される回転テーブルと、回転テーブル上に保持されて混合すべき材料を収容した容器と、本体側で駆動装置により所定速度で揺動する撹拌具とを備え、撹拌具の揺動と回転テーブルによる容器の回転との相対運動によって容器内の材料を撹拌混合する混合装置において、
    前記本体のハウジングは、下カバーと、下カバーの上開口を塞ぐように取付けられるベースフレームと、下カバーを覆う上カバーとで構成され、
    下カバーは、内部を複数のキャビティに仕切るリブを有し、
    前記駆動装置は、モータと、モータの回転を回転テーブルおよび撹拌具へそれぞれ所定速度となるように伝達する伝達手段とを備え、
    前記伝達手段としては、前記回転テーブルの回転軸を回転するギアG1と、このギアG1を回転駆動すると共に前記撹拌具の揺動軸を一定の角度範囲で揺動させるクランクアームを駆動するギアG2と、このギアG2を前記モータからの回転駆動力によって回転させるギアヘッドとを備え、
    前記複数のキャビティとしては、前記ギアヘッドの周囲を囲む位置に設けられたリブ内にギアヘッドが収納されたキャビティと、前記回転テーブルの回転軸をベースフレーム及び上カバーを貫通する状態で垂直上方へ軸回転可能に突設させたキャビティと、前記撹拌具の揺動軸をベースフレーム及び上カバーを貫通する状態で垂直上方へ軸回転可能に突設させたキャビティとを備え、
    前記ギアヘッドの上方の上カバー内には前記ベースフレームを貫通して下カバー内のギアヘッドに亘って前記モータが配置され、
    ギアG1とギアG2とは、前記ベースフレームの上位の上カバー内に配されていることを特徴とする混合装置。
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