JP3700891B2 - 搬送装置,基板の処理システム及び基板処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,基板を搬送する搬送装置,基板の処理システム及び基板処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造におけるフォトレジスト処理工程においては,半導体ウェハ(以下,「ウェハ」と称する。)などの基板の表面にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成し,所定のパターンを露光した後,当該基板に現像液を塗布して現像処理している。このような一連の処理を行うにあたっては,従来から塗布現像処理装置が使用されている。
【0003】
この塗布現像処理装置は,塗布現像処理に必要な一連の処理,たとえばレジストの定着性を向上させるための疎水化処理(アドヒージョン処理),レジスト液の塗布を行う塗布処理,レジスト液塗布後の基板を加熱してレジスト膜を硬化させるための加熱処理,露光後の基板を所定の温度で加熱するための加熱処理,露光後の基板を現像する現像処理などの各処理を個別に行う処理ユニットを備えている。
【0004】
そして各処理ユニット間のウェハの搬送,並びに各処理ユニットに対するウェハの搬入出には,たとえばウェハを保持した状態で搬送可能に構成されている搬送装置が用いられている。
【0005】
ところで,最近では,設置スペースを節約するため,上記各処理ユニットを上下多段に積み重ねて集約化したタイプの塗布現像処理装置が提案されている。したがって,かかるタイプの塗布現像処理装置において使用される搬送装置も,上下方向に迅速に移動が可能で,かつ停止制御も容易であることが要求されている。また当然のことながら,発塵を最小限に抑え,発生したパーティクルもウェハに付着することのない配慮も必要となる。
【0006】
そのため,従来の搬送装置は,次のような構成を有している。すなわち,従動プーリと駆動プーリとを上下に配置し,これら従動プーリと駆動プーリとの間には,タイミングベルトを掛け渡し,当該タイミングベルトに適宜の取付部材を介してウェハを保持する保持部を取り付ける。そして,発塵の可能性が高いモータを下方に設置し,このモータの出力軸と,上記従動プーリと同軸に設けられる径の大きい減速用プーリとの間に減速用ベルトを掛け渡している。かかる構成により,モータの出力軸の正転,反転によりタイミングベルトが上下動して,保持部が上下動するようになっていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら,上記の減速用プーリは他のプーリよりもサイズが大きいために,減速用ベルトの方がタイミングベルトよりも移動速度が早い。したがって,タイミングベルトよりも減速用ベルトの方が劣化の進行が早く,その結果切れやすくなる。そして,従来の搬送装置においては,減速用ベルトが1本であるために,この減速用ベルトが切れると保持部が落下するおそれが生じる。また,かかる搬送装置内の限られた狭いスペース内で,太くて丈夫なタイミングベルトを減速プーリに掛け渡すことは困難である。
【0008】
本発明は,かかる点に鑑みてなされたものであり,1本の減速用ベルトが切れても保持部の落下を防止することが可能な新しい搬送装置,基板の処理システム及び基板処理方法を提供し,前記の問題点を解決することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため,本発明によれば,請求項1に記載の発明によれば,駆動プーリと従動プーリとの間に無端ベルトが掛け渡され,基板を保持する保持部が前記無端ベルトに取り付けられ,上記駆動プーリには減速用プーリが固定され,駆動源の回転出力軸と上記減速用プーリとの間に無端の減速用ベルトが掛け渡された基板を搬送する装置において,上記減速用ベルトの数を複数にし,さらにこれら各減速用ベルトの相互の接触を検出するセンサを備えたことを特徴とする搬送装置が提供される。
かかる搬送装置によれば,複数の減速用ベルトの内の1本が切断しても他の減速用ベルトがあるため,保持部の落下を防止することができる。
また減速用ベルトが劣化して伸長すると,時として近傍の他の減速用ベルトと接触することがある。本発明によれば,減速用ベルトの相互接触をセンサによって検出することができるから,減速用ベルトが伸長して相互接触した状態を検出することができ,相互接触した減速用ベルトが切断する前に当該減速用ベルトに対して迅速な処置を施すことができる。
また前記減速用ベルトの切断を検出するセンサまたは前記減速用ベルトの伸長を検出するセンサの少なくともいずれか1つを備えていてもよい。
かかる場合,切断した減速用ベルトをセンサにより検出できるため,この切断した減速用ベルトに対する迅速な処置を採ることができる。また減速用ベルトが伸長したことをセンサによって検出することができるから,減速用ベルトが切断する前の段階で,たとえば減速用ベルトの交換など,必要な処置を事前に採ることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば,請求項1または2に記載の搬送装置において,減速用ベルト相互間に接触防止用ガイドを設けたことを特徴としている。かかる構成によれば,複数の減速用ベルトの相互接触が防止できる。したがって,複数の減速用ベルトの相互接触によってパーティクルなどの発塵を防止できる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば,請求項1〜3の搬送装置において,少なくとも1つのセンサから所定の検出信号を確認した際には,所定の報知信号を出力するように構成されたことを特徴としている。かかる構成によれば,減速用ベルトの切断,伸長,相互接触などが発生すると,そのことを直ちに知ることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明によれば,請求項1〜4に記載の搬送装置において,少なくとも1つのセンサから所定の検出信号を確認した際には,駆動源の回転出力軸が停止するように構成されたことを特徴としている。かかる構成によれば,切断,伸長,相互接触などの減速用ベルトにおける異常があると駆動プーリを回転するための駆動源の回転出力軸が停止する。したがって,上記の異常を伴う減速用ベルトがそのまま稼働して他の部材に対して悪影響を与えることを防止できる。
【0015】
請求項6の発明は,少なくとも1つのセンサから所定の検出信号を確認した際には,保持部を所定位置にまで移動させた後に駆動源の回転出力軸が停止するように構成されたことを特徴としている。かかる構成によれば,たとえば切断,伸長,相互接触などの減速用ベルトにおける異常をセンサが検出した際には,保持部材を所定位置にまで移動させた後で駆動源の回転出力軸を停止することができる。したがって,たとえば加熱処理室において基板に加熱処理を施している最中に,減速用ベルトに上記の異常が発生した場合でも,保持部を当該加熱処理室から所定位置にまで移動させた後に駆動源の回転出力軸を停止させることが可能である。したがって,加熱処理室に基板を放置したままの状態を回避することができるので,過剰な処理を防止して基板の保護を図ることができる。
請求項7に記載の発明によれば,駆動プーリと従動プーリとの間に無端ベルトが掛け渡され,基板を保持する保持部が前記無端ベルトに取り付けられた,基板を搬送する搬送装置を備え,前記無端ベルトの数を複数にし,さらにこれら各無端ベルトの相互の接触を検出するセンサを備えたことを特徴とする,基板の処理システムが提供される。
かかる場合,さらに前記減速用ベルトの切断を検出するセンサまたは前記減速用ベルトの伸長を検出するセンサの少なくともいずれか1つを備えていてもよい。
また前記センサから所定の検出信号を確認し,その検出信号を確認した際に,保持部を所定位置まで移動させた後に駆動プーリの駆動源を停止させる制御部を備えていてもよい。
また請求項10によれば,基板を保持する保持部が取り付けられ,駆動プーリと従属プーリとの間に掛け渡された無端ベルトと,前記駆動プーリに固定された減速用プーリと,駆動源の回転出力軸と前記減速用プーリとの間に掛け渡された複数の減速用ベルトと,を備えた基板の搬送装置を用いた基板の処理方法であって,前記各減速用ベルトの相互間の接触の異常を検出する工程と,前記異常を検出した際に,前記保持部を所定位置まで移動させる工程と,その後,前記駆動源を停止させる工程と,を有することを特徴とする,基板処理方法が提供される。
前記異常を検出する工程においては,少なくとも前記各減速用ベルトの切断または伸長の異常も検出するようにしてもよい。
請求項12によれば,基板を保持する保持部が取り付けられ,駆動プーリと従属プーリとの間に掛け渡された複数の無端ベルトと,前記駆動プーリの駆動源と,を備えた基板の搬送装置を用いた基板の処理方法であって,前記各無端ベルトの相互間の接触等の異常を検出する工程と,前記異常を検出した際に,前記保持部を所定位置まで移動させる工程と,その後,前記駆動源を停止させる工程と,を有することを特徴とする,基板処理方法が提供される。
かかる場合,前記異常を検出する工程においては,少なくとも前記各無端ベルトの切断または伸長の異常も検出するようにしてもよい。
さらに前記異常を検出した際に所定の報知信号を出力する工程を有するようにしてもよい。
前記保持部を所定位置まで移動させる工程は,前記保持部によって,加熱処理室において加熱処理が施されている基板を当該加熱処理室から搬出した後に行われてもよい。
請求項16によれば,駆動プーリと従動プーリとの間に無端ベルトが掛け渡され,基板を保持する保持部が前記無端ベルトに取り付けられ,前記駆動プーリには,減速用プーリが固定され,駆動源の回転出力軸と前記減速用プーリとの間に無端の減速用ベルトが掛け渡された,基板を搬送する装置において,前記減速用ベルトの数を複数にし,さらにこれら各減速用ベルトの切断を検出するセンサを備え,加熱処理室において基板に加熱処理が施されている最中に前記センサから所定の検出信号を確認した際には,当該基板を当該加熱処理室から搬出し,その後保持部を所定位置にまで移動させた後に駆動源の回転出力軸が停止するように構成されたことを特徴とする,搬送装置が提供される。
請求項17によれば,駆動プーリと従動プーリとの間に無端ベルトが掛け渡され,基板を保持する保持部が前記無端ベルトに取り付けられ,前記駆動プーリには,減速用プーリ が固定され,駆動源の回転出力軸と前記減速用プーリとの間に無端の減速用ベルトが掛け渡された,基板を搬送する装置において,前記減速用ベルトの数を複数にし,さらにこれら各減速用ベルトの伸長を検出するセンサを備え,加熱処理室において基板に加熱処理が施されている最中に前記センサから所定の検出信号を確認した際には,当該基板を当該加熱処理室から搬出し,その後保持部を所定位置にまで移動させた後に駆動源の回転出力軸が停止するように構成されたことを特徴とする,搬送装置が提供される。
請求項18によれば,駆動プーリと従動プーリとの間に無端ベルトが掛け渡され,基板を保持する保持部が前記無端ベルトに取り付けられた,基板を搬送する搬送装置を備え,前記無端ベルトの数を複数にし,さらにこれら各無端ベルトの切断を検出するセンサ,前記無端ベルトの伸長を検出するセンサまたは前記無端ベルトの相互間の接触を検出するセンサの少なくともいずれか一つを備え,加熱処理室において基板に加熱処理が施されている最中に前記センサから所定の検出信号を確認した際には,当該基板を当該加熱処理室から搬出し,その後保持部を所定位置にまで移動させた後に駆動源の回転出力軸が停止するように構成されたことを特徴とする,基板の処理システムが提供される。
請求項19によれば,基板を保持する保持部が取り付けられ,駆動プーリと従属プーリとの間に掛け渡された無端ベルトと,前記駆動プーリに固定された減速用プーリと,駆動源の回転出力軸と前記減速用プーリとの間に掛け渡された複数の減速用ベルトと,を備えた基板の搬送装置を用いた基板の処理方法であって,前記各減速用ベルトの切断,伸長,相互間の接触等の異常を検出する工程と,前記異常を検出した際に,前記保持部を所定位置まで移動させる工程と,その後,前記駆動源を停止させる工程とを有し,前記保持部を所定位置まで移動させる工程は,加熱処理室において基板に加熱処理が施されている最中に前記異常を検出した際には,加熱処理室において加熱処理が施されている基板を前記保持部によって当該加熱処理室から搬出した後に行われることを特徴とする,基板処理方法が提供される。
請求項20によれば,基板を保持する保持部が取り付けられ,駆動プーリと従属プーリとの間に掛け渡された複数の無端ベルトと,前記駆動プーリの駆動源と,を備えた基板の搬送装置を用いた基板の処理方法であって,前記各無端ベルトの切断,伸長,相互間の接触等の異常を検出する工程と,前記異常を検出した際に,前記保持部を所定位置まで移動させる工程と,その後,前記駆動源を停止させる工程とを有し,前記保持部を所定位置まで移動させる工程は,加熱処理室において基板に加熱処理が施されている最中に前記異常を検出した際には,加熱処理室において加熱処理が施されている基板を前記保持部によって当該加熱処理室から搬出した後に行われることを特徴とする,基板処理方法が提供される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下,本発明の一実施形態を図に基づいて説明すると,図1〜図3は,各々実施の形態にかかる搬送装置を有する塗布現像処理システム1の外観を示し,図1は平面,図2は正面,図3は背面から見た様子をそれぞれ示している。
【0017】
この塗布現像処理システム1は,ウェハWをカセットC単位で複数枚,たとえば25枚単位で外部からシステムに搬入したり,あるいはシステムから搬出したり,カセットCに対してウェハWを搬出・搬入したりするためのカセットステーション10と,塗布現像処理工程の中で1枚ずつウェハWに所定の処理を施す枚葉式の各種処理装置を所定位置に多段配置してなる処理ステーション11と,この処理ステーション11に隣接して設けられる露光装置(図示せず)との間でウェハWを受け渡しするためのインターフェイス部12とを一体に接続した構成を有している。
【0018】
上記カセットステーション10では,図1に示すように,載置部となるカセット載置台20上の位置決め突起20aの位置に複数個,たとえば4個までのカセットCが,それぞれのウェハW出入口を処理ステーション11側に向けてX方向(図1中の上下方向)一列に載置される。そして,このカセットC配列方向(X方向)およびカセットC内に収容されたウェハWのウェハW配列方向(Z方向;垂直方向)に移動可能なウェハ搬送体21が,搬送路21aに沿って移動自在であり,各カセットCに選択的にアクセスできるようになっている。
【0019】
このウェハ搬送体21は,θ方向に回転自在に構成されており,後述するように処理ステーション11側の第3の処理装置群G3の多段ユニット部に属するアライメントユニット(ALIM)およびエクステンションユニット(EXT)にもアクセスできるようになっている。
【0020】
また,上記処理ステーション11では,図1に示すように,その中心部には実施の形態にかかる垂直搬送型の搬送装置22が設けられ,その周りにユニットとしての各種処理装置が1組または複数の組に亙って多段集積配置されて処理装置群を構成している。かかる塗布現像処理システム1においては,5つの処理装置群G1,G2,G3,G4,G5が配置可能な構成であり,第1および第2の処理装置群G1,G2はシステム正面側に配置され,第3の処理装置群G3はカセットステーション10に隣接して配置され,第4の処理装置群G4はインターフェイス部12に隣接して配置され,さらに破線で示した第5の処理装置群G5を背面側に配置することが可能となっている。
【0021】
第1の処理装置群G1では,図2に示すように,カップCP内でウェハWをスピンチャックに載せて所定の処理を行う2台のスピンナ型処理装置,たとえばレジスト液塗布装置(COT)および現像処理装置(DEV)が下から順に2段に重ねられている。そして第1の処理装置群G1と同様に,第2の処理装置群G2においても,2台のスピンナ型処理装置,たとえばレジスト液塗布装置(COT)および現像処理装置(DEV)が下から順に2段に重ねられている。
【0022】
なお同図に示すように,この塗布現像処理システム1の上部には,たとえばULPAフィルタなどの高性能フィルタ23が,前記3つのゾーン(カセットステーション10,処理ステーション11,インターフェイス部12)毎に設けられている。この高性能フィルタ23の上流側から供給された空気は,当該高性能フィルタ23を通過する際に,パーティクルや有機成分が捕集,除去される。したがって,この高性能フィルタ23を介して,上記のカセット載置台20,ウェハ搬送体21の搬送路21a,第1〜第2の処理装置群G1,G2,後述する第3〜第5の処理装置群G3,G4,G5およびインターフェイス部12には,上方からの清浄な空気のダウンフローが,同図の実線矢印または点線矢印の方向に供給されている。
【0023】
第3の処理装置群G3では,図3に示すように,ウェハWを載置台(図示せず)に載せて所定の処理を行うオーブン型の処理装置,たとえば冷却処理を行うクーリング装置(COL),レジストの定着性を高めるためのいわゆる疎水化処理を行うアドヒージョン装置(AD),位置合わせを行うアライメント装置(ALIM),エクステンション装置(EXT),露光処理前の加熱処理を行うプリベーキング装置(PREBAKE)およびポストベーキング装置(POBAKE)が下から順に,たとえば8段に重ねられている。
【0024】
そしてこのように,処理温度の低いクーリング装置(COL),エクステンション・クーリング装置(EXTCOL)を下段に配置し,処理温度の高いプリベーキング装置(PREBAKE),ポストベーキング装置(POBAKE)およびアドヒージョン装置(AD)を上段に配置することで,装置間の熱的な相互干渉を少なくすることができる。
【0025】
さらに,上記インターフェイス部12では,図1に示すように,奥行き方向(X方向)については,上記処理ステーション11と同じ寸法を有するが,幅方向についてはより小さなサイズに設定されている。そして,図1および図2に示すように,このインターフェイス部12の正面側には,可搬性のピックアップカセットCRと,定置型のバッファカセットBRが2段に配置され,他方背面部には周辺露光装置24が配設されている。そしてこのインターフェイス部12の中央部には,ウェハ搬送体25が設けられている。このウェハ搬送体25は,X方向,Z方向(垂直方向)に移動して両カセットCR,BRおよび周辺露光装置24にアクセスできるようになっている。上記ウェハ搬送体25は,θ方向にも回転自在となるように構成されており,処理ステーション11側の第4の処理装置群G4に属するエクステンション装置(EXT)や,さらには隣接する露光装置(図示せず)側のウェハ受け渡し台(図示せず)にもアクセスできるようになっている。
【0026】
以上説明した3つのゾーン(カセットステーション10,処理ステーション11,インターフェイス部12)によって塗布現像処理システム1は構成されている。そして,この塗布現像処理システム1において,処理ステーション11の略中央部には,前述の実施の形態にかかる搬送装置22が配置されている。
【0027】
この搬送装置22は,図4に示したように,上端および下端で相互に接続されて対向する一対の垂直壁部31,32からなる筒状支持体33の内側に,ウェハWを保持する保持部としての搬送アーム34を有する。この搬送アーム34は,後で詳細に説明するように,上下方向(Z方向)に昇降自在に移動することができる。そして,上記筒状支持体33は回転駆動モータ35の回転軸(図示せず)と接続しており,回転駆動モータ35の回転駆動力によって回転中心軸36を中心とした回転をする。したがって,筒状支持体33と共に搬送アーム34が回転するため,搬送アーム34は,θ方向に回転が自在となっている。
【0028】
搬送アーム34は,搬送基台40上を当該搬送基台40の前後方向に移動自在な複数本の保持部材,たとえば3本のピンセット42,43,44を備えている。これら各ピンセット42,43,44は,いずれも筒状支持体33の両垂直壁部31,32間の側面開口部37を通過自在な形態,大きさを有しており,搬送基台40に内蔵された駆動モータ(図示せず)およびベルト(図示せず)によって,前記した前後方向(図中の往復矢印の方向)で示した方向に移動自在である。また,ウェハWはピンセット42,43,44のいずれによっても保持可能であり,最上部のピンセット42は,通常,冷却工程からレジスト塗布工程を実施するときに使用され,そのような熱干渉による悪影響のおそれのないウェハWの搬送にあたっては,2段目のピンセット43または最下部のピンセット44が使用される。
【0029】
図5に示すように,搬送基台40は取付部材41を介して無端のタイミングベルト50に取り付けられる。このタイミングベルト50は,筒状支持体33内部の上方に備えられた従動プーリ51と下方に備えられた駆動プーリ52との間に掛け渡されている。
【0030】
そして,上記駆動プーリ52の同軸上には,該駆動プーリ52よりも径の大きな減速用プーリ53が設けられている。この減速用プーリ53と,モータ54の回転出力軸55との間には,たとえば2本の減速用ベルト56,56が掛け渡されている。
【0031】
上記減速用ベルト56は,上記タイミングベルト50と略同質の材料から形成されている。そして,減速用ベルト56の切断を検出するために,本実施の形態にかかる搬送装置22には切断センサ57が備えられている。
【0032】
上記の切断センサ57は,図6に示すように,たとえば限界反射型のものを使用しており,1本の減速用ベルト56につき1個の切断センサ57が対応して備えられている。切断センサ57は,検出光を発光する発光部63と,この検出光が減速用ベルト56の表面に反射したときの反射光を受光する受光部64とを備えている。これら発光部63と受光部64とは予め所定の距離を隔てて配置されている。
【0033】
したがって,減速用ベルト56が切断した場合には,上記反射光が受光部64には検出されなくなり,そのことによって減速用ベルト56が切断したことを検出できる。切断センサ57が減速用ベルト56の切断を検出すると,その検出信号は,筒体支持部33外部の制御部58へと送られる。この制御部58は,かかる検出信号の入力があると報知部59に対して所定の報知信号を出力し,同時にモータ54に対しては停止信号を出力するようになっている。また本実施形態で使用した切断センサ57は,発光部63及び受光部64と,減速用ベルト56との間の距離が,検出できる所定の値に設定されている。すなわち当該値より長くても短くても,受光部64が反射光を受光できない構成となっている。したがって,例えば減速用ベルト56が伸長して緩んで前記距離が変化した場合には,もはや受光部64が反射光を受光できないから,結果的に減速用ベルト56の緩みやばたつきも検出できる機能を備えている。
【0034】
実施の形態にかかる搬送装置22は以上のように構成されている。次に,かかる搬送装置22の動作,作用について説明する。既述したように,減速用ベルト56は,タイミングベルト50よりも移動速度が速いので,タイミングベルト50よりも減速用ベルト56の方が早く劣化し,減速用ベルト56の切断する可能性が高くなる。
【0035】
減速用ベルト56が切断すると,モータ54の制動が該減速用ベルト56には働かないので,従来のように減速用ベルト56が1本しかないと,搬送アーム34は落下する。しかし,本実施の形態にかかる搬送装置22には,減速用ベルト56が2本備えられているため,この内の1本が切断しても搬送アーム34は落下しない。
【0036】
また,減速用ベルト56が切断すると,他の減速用ベルト56に巻き付いたり,切断した面などからは発塵するなどの悪影響が生じる。しかしながら,本実施の形態の搬送装置22においては,切断センサ57が設けられており,減速用ベルト56が切断すると,該切断センサ57によって切断が検出され,そのことを報知部59によって直ちに知ることができる。したがって,切断した減速用ベルト56に対して迅速な処置を施すことが可能である。また既述したように,本実施形態で使用した切断センサ57は,減速用ベルト56の緩みやばたつきも検出することができるから,切断に至る前段階の減速用ベルト56の劣化も結果的に知ることが可能である。
【0037】
さらに,制御部58はモータ54に対して,当該モータ54を停止させるための停止信号を送るので,それに伴ってモータ54は駆動を停止し,当該モータ54の駆動力によって回転する回転出力軸55も停止する。したがって,駆動プーリ52は回転を停止するから,切断した減速用ベルト56が,搬送装置22内の他の部材に巻き付くなどの悪影響を与えることを防止することが可能となる。そのため,結果的に歩留まりの向上が図れる。
【0038】
以上のように,上記実施の形態においては,減速用ベルト56の切断を検出する切断センサ57を用いたが,これに代えて減速用ベルト56の伸長を検出するテンションセンサ70を使用してもよい。なお,以下の搬送装置22の説明において,これまでの説明と略同一の機能および構成を有する構成要素については,同一符号を付することによって,重複説明を省略する。
【0039】
このテンションセンサ70は,上記の切断センサ57と同様に,各減速用ベルト56に対して夫々1個のテンションセンサ70が対応している。図7に示すように,このテンションセンサ70の一端には,減速用ベルト56に押圧されて回転する回転部71が設けられている。テンションセンサ70の回転部71は,減速用ベルト56に対して一定の力を押し当てながら,当該減速用ベルト56の移動方向に沿って回転するようになっており,このテンションセンサ70は,減速用ベルト56の張力を検出している。
【0040】
したがって,減速用ベルト56が伸長して減速用ベルト56の張力が弱くなると,そのことをテンションセンサ70が検出する。この張力の減少をテンションセンサ70が検出すると,そのことを検出信号として制御部58に送る。そして制御部58は,上記の実施の形態と同様に,報知部59に対して所定の報知信号を出力し,モータ54に対しては停止信号を出力する。したがって,減速用ベルト56が伸長したことを報知部59によって直ちに知ることができると共に,当該減速用ベルト56が他の減速用ベルト56に対して巻き付くなどの悪影響を防止することができる。
【0041】
また,切断センサ57,テンションセンサ70に代えて,減速用ベルト56の相互接触を検出する接触センサ80を使用してもよい。
【0042】
図8に示すように,この接触センサ80は発光部81と受光部82とを別々に有し,減速用ベルト56を挟んで発光部81と受光部82とが上下に対向して配置されている。発光部81は受光部82に向けて常時検出光を発しており,当該発光部81を出た検出光は,正常状態では2本の減速用ベルト56,56の間を通過して行き,受光部82で受光されるようになっている。
【0043】
したがって,減速用ベルト56が劣化して減速用ベルト56,56間で相互接触が起こると,当該相互接触した減速用ベルト56によって,上記受光部82に検出されるべき検出光が遮断される。そのことにより,接触センサ80は減速用ベルト56が相互接触したことを検出信号として制御部58に送る。
【0044】
そして上記の検出信号があると,既述の実施の形態と同様に,制御部58は所定の報知信号を報知部59に対して出力し,モータ54には停止信号を送る。したがって,減速用ベルト56が相互接触していることを報知部59によって直ちに確認することができる。さらに,モータ54は制御部58からの停止信号によって停止するため,回転出力軸55の回転が停止して減速用ベルト56の移動も停止する。その結果,相互接触した減速用ベルト56に対して迅速な処置を施すことができる。
【0045】
さらに,かかる減速用ベルト56の相互接触を防止するために,複数の減速用ベルト56の相互間に接触防止用のガイド90を設けてもよい。
【0046】
すなわち,図9に示すように,減速用プーリ53上および回転出力軸55上で2本の減速用ベルト56,56の間にガイド90,91を設けてもよく,また図10に示すように,減速用プーリ53と回転出力軸55との間であって2本の減速用ベルト56,56間の略中央にガイド92を設けてもよい。かかる構成によれば,減速用ベルト56,56の相互接触を防止でき,なおかつ当該減速用ベルト56,56の相互接触によって生じる,たとえばパーティクルなどの発塵を抑えることができる。
【0047】
また,他の実施の形態として,図11および図12に示すような搬送装置100を提案できる。なお,以下の搬送装置100の説明においても,これまでの説明と略同一の機能および構成を有する構成要素については,同一符号を付することによって,重複説明を省略する。
【0048】
この搬送装置100では,たとえば図11のように,ポストベーキング装置(POBAKE)中でウェハWの加熱処理を行っている最中に,2本あるうちの1本の減速用ベルト56が,たとえば切断した場合,以下に説明する動作を実施するように制御されている。
【0049】
すなわち,減速用ベルト56の切断を切断センサ57が検出した際には,切断センサ57から制御部58に対して所定の検出信号が送られる。制御部58は報知部59に対して所定の報知信号を出力すると共に,モータ54に対しては,たとえばピンセット42によって,ウェハWをポストベーキング装置(POBAKE)内から搬出させた後,切断していない残り1本の減速用ベルト56によって,搬送アーム34を所定位置にまで移動させ,その後モータ54を停止させる信号を送るようになっている。
【0050】
そのため,モータ54は制御部58からの信号に応じて,搬送装置100内の一連の回転系部材(従動プーリ51,駆動プーリ52,減速用プーリ53)と,切断していない残り1本の減速用ベルト56によって,タイミングベルト50を所定の距離だけ移動させることができる。したがって,搬送アーム34は,ポストベーキング装置(POBAKE)付近から,たとえば図12に示すようなエクステンション装置(EXT)付近の所定位置まで移動することができる。さらに,搬送アーム34が上記の所定位置まで移動した後で,モータ54を停止させることが可能である。
【0051】
このようにモータ54を停止させるまでの間に,搬送アーム34はタイミングベルト50を介して所定位置まで移動することができる。したがって,たとえばポストベーキング装置(POBAKE)内にウェハWを放置したままの状態を回避することができる。その結果,ウェハWを過剰に加熱処理することを防止できると共に,ウェハWの保護を図ることができる。
【0052】
なお前記実施形態では,減速用プーリ53とモータ54の回転出力軸55との間に掛け渡された減速用ベルト56を複数に設定して,かつ適宜切断センサ,テンションセンサ,接触センサを設けた構成であったが,本発明の前記した作用効果を鑑みれば,例えば従動プーリ51と駆動プーリ52との間に掛け渡されたタイミングベルト50についても,これと全く同様に複数に設定して,かつ切断センサ,テンションセンサ,接触センサ等を設ければ,タイミングベルト50自体が切断したり,劣化によって緩んだ場合に起因する不測の事態を未然に防止することが可能である。
【0053】
以上の実施の形態においては,基板にウェハWを用いた例について説明したが,本発明はかかる例には限定されず,LCD基板を使用する例についても適用が可能である。
【0054】
【発明の効果】
本発明によれば,駆動源の回転出力軸と減速用プーリとの間に複数の減速用ベルトが掛け渡されているので,たとえ1本の減速用ベルトが切断しても,保持部が直ちに落下することがない。また減速用ベルトの切断の前兆現象として発現する減速用ベルトの相互接触をセンサによって検出できる。したがって,この相互接触した減速用ベルトが切断する前に,適切な処置を施せる。
さらに減速用ベルトの切断の前兆現象として発現する当該減速用ベルトの伸長をセンサによって検出することができる。したがって,この伸長した減速用ベルトが切断する前に,的確な処置を施せる。また減速用ベルト相互間に接触防止用ガイドを設けたため,減速用ベルトが互いに接触することを防止できると共に,当該減速用ベルトの接触箇所からの発塵を防止できる。
減速用ベルトに切断,伸長,相互接触などの異常があった場合には,そのことを直ちに知ることができ,また駆動源の回転出力軸を停止することができる。したがって,上記の異常を伴う減速用ベルトに対して的確な対応処置を事前に施すことができる。
またたとえば切断,伸長,相互接触などの減速用ベルトにおける異常をセンサが検出した際には,この異常をセンサからの検出信号としてセンサが発信し,保持部材を所定位置にまで移動させた後で駆動源の回転出力軸を停止することができる。したがって,たとえば保持部材が処理室内にあるときに減速用ベルトの異常が発生した場合でも,当該処理にかかる基板の過剰処理を防止し,基板を保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施の形態にかかる搬送装置を有する塗布現像処理システムの平面から見た説明図である。
【図2】図1の塗布現像処理システムを正面から見た説明図である。
【図3】図1の塗布現像処理システムを背面から見た説明図である。
【図4】図1の塗布現像処理システムにおける搬送装置の概観を示す斜視図である。
【図5】実施の形態にかかる搬送装置の説明図である。
【図6】図5の搬送装置における切断センサの説明図である。
【図7】図5の搬送装置に用いることができるテンションセンサの説明図である。
【図8】図5の搬送装置に用いることができる接触センサの説明図である。
【図9】図5の搬送装置における接触防止用ガイドを減速用プーリ上と回転出力軸上とに設けた説明図である。
【図10】図9の接触防止用ガイドを減速用プーリと回転出力軸との間に設けた説明図である。
【図11】他の実施形態にかかる搬送装置の第1の動作説明図である。
【図12】図11の搬送装置における第2の動作説明図である。
【符号の説明】
1 塗布現像処理システム
11 処理ステーション
22 搬送装置
34 搬送アーム
40 搬送基台
50 タイミングベルト
51 従動プーリ
52 駆動プーリ
53 減速用プーリ
54 モータ
56 減速用ベルト
57 切断センサ
70 テンションセンサ
80 接触センサ
90 ガイド
W ウェハ
Claims (20)
- 駆動プーリと従動プーリとの間に無端ベルトが掛け渡され,基板を保持する保持部が前記無端ベルトに取り付けられ,前記駆動プーリには,減速用プーリが固定され,駆動源の回転出力軸と前記減速用プーリとの間に無端の減速用ベルトが掛け渡された,基板を搬送する装置において,
前記減速用ベルトの数を複数にし,さらにこれら各減速用ベルトの相互の接触を検出するセンサを備えたことを特徴とする,搬送装置。 - さらに前記減速用ベルトの切断を検出するセンサまたは前記減速用ベルトの伸長を検出するセンサの少なくともいずれか1つを備えたことを特徴とする,請求項1に記載の搬送装置。
- 減速用ベルト相互間に,接触防止用ガイドを設けたことを特徴とする,請求項1または2に記載の搬送装置。
- 少なくとも1つのセンサから所定の検出信号を確認した際には,所定の報知信号を出力するように構成されたことを特徴とする,請求項1,2または3に記載の搬送装置。
- 少なくとも1つのセンサから所定の検出信号を確認した際には,駆動源の回転出力軸が停止するように構成されたことを特徴とする,請求項1〜4のいずれかに記載の搬送装置。
- 少なくとも1つのセンサから所定の検出信号を確認した際には,保持部を所定位置にまで移動させた後に駆動源の回転出力軸が停止するように構成されたことを特徴とする,請求項1〜5のいずれかに記載の搬送装置。
- 駆動プーリと従動プーリとの間に無端ベルトが掛け渡され,基板を保持する保持部が前記無端ベルトに取り付けられた,基板を搬送する搬送装置を備え,
前記無端ベルトの数を複数にし,さらにこれら各無端ベルトの相互の接触を検出するセンサを備えたことを特徴とする,基板の処理システム。 - さらに前記減速用ベルトの切断を検出するセンサまたは前記減速用ベルトの伸長を検出するセンサの少なくともいずれか1つを備えたことを特徴とする,請求項7に記載の基板の処理システム。
- 前記センサから所定の検出信号を確認し,その検出信号を確認した際に,保持部を所定位置まで移動させた後に駆動プーリの駆動源を停止させる制御部を備えたことを特徴とする,請求項7または8に記載の基板の処理システム。
- 基板を保持する保持部が取り付けられ,駆動プーリと従属プーリとの間に掛け渡された無端ベルトと,
前記駆動プーリに固定された減速用プーリと,
駆動源の回転出力軸と前記減速用プーリとの間に掛け渡された複数の減速用ベルトと,を備えた基板の搬送装置を用いた基板の処理方法であって,
前記各減速用ベルトの相互間の接触の異常を検出する工程と,
前記異常を検出した際に,前記保持部を所定位置まで移動させる工程と,
その後,前記駆動源を停止させる工程と,を有することを特徴とする,基板処理方法。 - 前記異常を検出する工程においては,少なくとも前記各減速用ベルトの切断または伸長の異常も検出することを特徴とする,請求項10に記載の基板処理方法。
- 基板を保持する保持部が取り付けられ,駆動プーリと従属プーリとの間に掛け渡された複数の無端ベルトと,
前記駆動プーリの駆動源と,を備えた基板の搬送装置を用いた基板の処理方法であって,
前記各無端ベルトの相互間の接触等の異常を検出する工程と,
前記異常を検出した際に,前記保持部を所定位置まで移動させる工程と,
その後,前記駆動源を停止させる工程と,を有することを特徴とする,基板処理方法。 - 前記異常を検出する工程においては,少なくとも前記各無端ベルトの切断または伸長の異常も検出することを特徴とする,請求項12に記載の基板処理方法。
- 前記異常を検出した際に所定の報知信号を出力する工程を有することを特徴とする,請求項10〜13のいずれかに記載の基板処理方法。
- 前記保持部を所定位置まで移動させる工程は,前記保持部によって,加熱処理室において加熱処理が施されている基板を当該加熱処理室から搬出した後に行われることを特徴とする,請求項10〜14のいずれかに記載の基板処理方法。
- 駆動プーリと従動プーリとの間に無端ベルトが掛け渡され,基板を保持する保持部が前記無端ベルトに取り付けられ,前記駆動プーリには,減速用プーリが固定され,駆動源の回転出力軸と前記減速用プーリとの間に無端の減速用ベルトが掛け渡された,基板を搬送する装置において,
前記減速用ベルトの数を複数にし,さらにこれら各減速用ベルトの切断を検出するセンサを備え,
加熱処理室において基板に加熱処理が施されている最中に前記センサから所定の検出信号を確認した際には,当該基板を当該加熱処理室から搬出し,その後保持部を所定位置にまで移動させた後に駆動源の回転出力軸が停止するように構成されたことを特徴とする,搬送装置。 - 駆動プーリと従動プーリとの間に無端ベルトが掛け渡され,基板を保持する保持部が前記無端ベルトに取り付けられ,前記駆動プーリには,減速用プーリが固定され,駆動源の回転出力軸と前記減速用プーリとの間に無端の減速用ベルトが掛け渡された,基板を搬送する装置において,
前記減速用ベルトの数を複数にし,さらにこれら各減速用ベルトの伸長を検出するセンサを備え,
加熱処理室において基板に加熱処理が施されている最中に前記センサから所定の検出信号を確認した際には,当該基板を当該加熱処理室から搬出し,その後保持部を所定位置にまで移動させた後に駆動源の回転出力軸が停止するように構成されたことを特徴とする,搬送装置。 - 駆動プーリと従動プーリとの間に無端ベルトが掛け渡され,基板を保持する保持部が前記無端ベルトに取り付けられた,基板を搬送する搬送装置を備え,
前記無端ベルトの数を複数にし,さらにこれら各無端ベルトの切断を検出するセンサ,前記無端ベルトの伸長を検出するセンサまたは前記無端ベルトの相互間の接触を検出するセンサの少なくともいずれか一つを備え,
加熱処理室において基板に加熱処理が施されている最中に前記センサから所定の検出信号を確認した際には,当該基板を当該加熱処理室から搬出し,その後保持部を所定位置にまで移動させた後に駆動源の回転出力軸が停止するように構成されたことを特徴とする,基板の処理システム。 - 基板を保持する保持部が取り付けられ,駆動プーリと従属プーリとの間に掛け渡された無端ベルトと,
前記駆動プーリに固定された減速用プーリと,
駆動源の回転出力軸と前記減速用プーリとの間に掛け渡された複数の減速用ベルトと,を備えた基板の搬送装置を用いた基板の処理方法であって,
前記各減速用ベルトの切断,伸長,相互間の接触等の異常を検出する工程と,
前記異常を検出した際に,前記保持部を所定位置まで移動させる工程と,
その後,前記駆動源を停止させる工程とを有し,
前記保持部を所定位置まで移動させる工程は,加熱処理室において基板に加熱処理が施されている最中に前記異常を検出した際には,加熱処理室において加熱処理が施されている基板を前記保持部によって当該加熱処理室から搬出した後に行われることを特徴とする,基板処理方法。 - 基板を保持する保持部が取り付けられ,駆動プーリと従属プーリとの間に掛け渡された複数の無端ベルトと,
前記駆動プーリの駆動源と,を備えた基板の搬送装置を用いた基板の処理方法であって,
前記各無端ベルトの切断,伸長,相互間の接触等の異常を検出する工程と,
前記異常を検出した際に,前記保持部を所定位置まで移動させる工程と,
その後,前記駆動源を停止させる工程とを有し,
前記保持部を所定位置まで移動させる工程は,加熱処理室において基板に加熱処理が施されている最中に前記異常を検出した際には,加熱処理室において加熱処理が施されている基板を前記保持部によって当該加熱処理室から搬出した後に行われることを特徴とする,基板処理方法。
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