JP3697086B2 - 香料における1−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパン、1−(2−メトキシプロピル)−4−メチルベンゼンおよび3−メトキシ−2,2,3−トリメチル−1−フェニルブタンの使用 - Google Patents
香料における1−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパン、1−(2−メトキシプロピル)−4−メチルベンゼンおよび3−メトキシ−2,2,3−トリメチル−1−フェニルブタンの使用 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は香料の分野に関する。本発明は特に芳香成分としての1−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパン、1−(2−メトキシプロピル)−4−メチルベンゼンまたは3−メトキシ−2,2,3−トリメチル−1−フェニルブタンの使用に関する。
【0002】
【従来の技術】
芳香成分として使用される数多くの類似の構造の化合物は従来技術から公知である。この文脈において、欧州特許出願公開第0049120号明細書に記載のフェニルエチルイソプロピルエーテルならびにフェニルエチルメチルエーテルが挙げられる。これらの2つの化合物は、その嗅覚的ノートにおいて非常に近く、これはフローラルコノテーションを有し、かつ強力で、ややマスティな(musty)、マッシュルーム−アーシィーな(mushroom-earthy)サイドノートを伴う強いグリーンであると記述できる。
【0003】
米国特許第5,248,434号明細書および欧州特許出願公開第0596493号明細書に記載のフェニルエチルイソアミルエーテルを挙げることもできる。該エーテルは上記の2つのエーテルに極めて類似した匂い性質、つまりグリーンノートを示すが、しかしより強力かつより攻撃的である。該エーテルはまた、ヒアシンスのグリーン−アーシィーな(green-earthy)ノートを思い起こさせるアーシィー−グリーンな(earthy-green)コノテーションを示す。
【0004】
さらに、これらの化合物は全て、塩素化媒体中で安定していることが判明した。そのような安定性はまれな性質であり、かつ香料にとって一般に攻撃的な媒体、例えば洗剤および塩素化媒体中で使用することを意図した芳香成分が大いに求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って前記の媒体中で安定している芳香成分を見いだすことが本発明の課題である。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題は本発明により、塩素化媒体中で良好な安定性を示し、かつ公知の化合物のものとは異なる匂いのノートを展開し、特によりフローラルなコノテーションおよびより別個のグリーン特性を有する新規のエーテルにより解決されることが判明した。
【0007】
本発明の有利な化合物は、l−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパンである。その匂いは、ローズリーフタイプの極めてナチュラルなバラのようなノートを有する。さらに、フルーティー−エキゾチックなタイプの、レイシの匂いを思い起こさせる極めて心地よいアンダーノート(undernote)が認識できる。このエーテルの匂いは、上記の化合物に見られ、しかも該化合物が意図される機能性香料適用のタイプにおけるアンダーノートとして好ましくない、モイスティ−アーシィーな(moisty−earthy)、マッシュルームタイプのノートを有していない。塩素漂白剤中で安定であることが公知の前記のエーテルと比較して、1−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパンは、はるかにフローラルで、はるかにバラのようであり、その匂いはシトロネロールおよびゲラニオールの匂いを思い出させるものである。同時に、そのフローラルノートは明らかによりソフトで、かつ前記の公知のフェニルエチルエーテルの一般的な特徴であり、酸化媒体中での使用のために適切なこのタイプの化合物の欠点とみなされている攻撃的なグリーンノートを有していない。最後に、この新規の化合物のフルーティー−エキゾチックなノートは、特に高いpH値を有する洗剤、例えば塩素漂白剤中での洗剤適用に、極めてオリジナルな効果をもたらす。
【0008】
l−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパンは、従来技術から公知の化合物である。これはInd. J. Chem. 27B、314(1988)に記載されているが、しかし、前記の分子の合成は該刊行物に報告されていない。さらに、該引用文献は、芳香成分としての前記の分子の使用を言及または提案していない。
【0009】
本発明はまた、塩素漂白剤中での使用に適切な、別の2つの新規の化合物にも関する。該化合物の1つは、強力なフローラルアンダーノートを伴ったグリーンノートを有する1−(2−メトキシプロピル)−4−メチルベンゼンである。しかしフルーティーで、エキゾチックなノートは存在しないが、該化合物はアニスシードおよび桂皮酸エチルの匂いを有し、これらはまたこのタイプの適用でかなり好ましい新規のノートでもある。
【0010】
もう1つの化合物は、3−メトキシ−2,2,3−トリメチル−1−フェニルブタンであり、その匂いはフローラルおよびフルーティーと記述できる。そのフローラルノートはフローラル−アニマルタイプのものであり、インドールおよびフェノールの匂いのコノテーションを示し、他方そのフルーティーノートはシトラスタイプの、典型的なグレープフルーツおよびヌートカトンのもので、強く、かつ非常に好ましいものである。
【0011】
上記の化合物は、以下の例に記載するように、塩素漂白剤中で優れた安定性を示し、かつ塩素漂白剤の典型的な、攻撃的で、むせるような匂いを効果的にカバーする。
【0012】
前記の記載から明らかであるように、本発明の化合物は特に、塩素漂白剤中で、およびより一般的には攻撃的な媒体および/または高いpH値を有する媒体中で使用するために適切である。例えば、漂白剤および活性化剤、例えばテトラアセチルエチレンジアミン(TAED)、過酸化(peroxygenated)漂白剤、および塩素漂白剤の場合には次亜塩素酸塩を含有する洗剤あるいはまた、例えばパーマ用の製品の場合には還元剤を含有する媒体が挙げられる。これらはまた機能性香料のその他の適用でも有用であり、ひいてはテキスタイルの処理のための液体または固形洗剤、繊維柔軟剤あるいは洗剤組成物あるいは食器または種々の表面の洗浄のための全目的用家庭用クリーナーでの適用が挙げられる。
【0013】
もちろん本発明の化合物の使用は上記の製品に限定されることはなく、香料類における全てのその他の現在の使用、つまり石鹸およびシャワ−ジェル、衛生またはヘアケア製品、ならびにボディデオドラント、エアーフレッシュナーあるいはまた化粧品調製物、およびさらにファインパヒューマリー、つまり香水およびコロンの使用にとっても適切である。
【0014】
本願では、本発明の化合物を単独で、あるいは従来技術で使用されているその他の芳香成分、溶剤または補助剤との混合物で使用することができる。ここではこれらの共成分の性質および種類は、さらに詳細な記述は不要であり、さらにこれらは網羅的ではなく、かつ当業者はその一般的知識を通しておよび付香するべき製品の性質および所望の嗅覚効果の機能としてその種類を選択することができる。
【0015】
前記の芳香成分は、アルコール、アルデヒド、ケトン、エステル、エーテル、アセテート、ニトリル、テルペン、炭化水素、硫黄−および窒素−含有の複素環化合物の種々の化学クラスならびに天然または合成由来の精油に属している。前記の成分の多数は、さらに参考教科書、例えばS. Arctander, Perfume and Flavor Chemicals、1969、Montclair、ニュージャージー、USAまたはその最新版、あるいはその他の類似の文献に挙げられている。
【0016】
本発明による化合物を前記の種々の製品に均質混合できる比率は、広い範囲の値で変化する。前記の値は、付香しようとする物品または製品の性質および所望の匂い効果、ならびに従来使用されている付香用共成分、溶剤または補助剤と混合して本発明の化合物を使用する場合の所与の組成における共成分の性質に依存する。
【0017】
一例として、前記化合物を均質混合する芳香成分の重量に対して、該化合物0.1〜10重量%の範囲の典型的な、または20重量%までもの濃度が挙げられる。該化合物を前記の種々の消費者製品の付香のために直接適用する場合は、前記の濃度よりも、はるかに低い濃度を使用することができる。
【0018】
本発明の化合物は、以下に記載の通りに合成することができる。
【0019】
1−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパン(下の図式の列(1)を参照のこと)を得るために、メチルシンナムアルデヒドから出発し、これを合成の第一段階で適切な触媒、例えばラネーニッケルで1−ヒドロキシ−2−メチル−3−フェニルプロパンに水素化する。次いで得られた生成物を、従来のエーテル化剤、例えばMH/CH3X系(Xはハロゲン原子およびMはアルカリ金属を表す)を使用してエーテル化し、所望の生成物を得る。
【0020】
1−(2−メトキシプロピル)−4−メチルベンゼン(以下の図式の列(2)を参照のこと)の製造のために使用される合成法は、3−ブロモトルエンを開始剤として使用し、これを相応するグリニャールタイプの化合物に変換したのちにプロピレンオキシドと反応させる。次いでこうして得られた1−(2−ヒドロキシプロピル)−4−メチルベンゼンを前記のとおり、エーテル化剤でエーテル化して最終生成物にする。
【0021】
最後に、3,3−ジメチル−4−フェニル−2−ブタノンとメチルマグネシウムハロゲン化物、例えば臭化物またはヨウ化物とを反応させて、2,3,3−トリメチル−4−フェニル−2−ブタノールを得ることにより、3−メトキシ−2,2,3−トリメチル−l−フェニルブタン(以下の図式の列(3)を参照のこと)を製造する。次いで、本発明のその他の化合物のための前記の合成で前記のアルコールをエーテル化して所望の生成物が得られる。
【0022】
【化1】
【0023】
【実施例】
本発明を以下の例で詳細に説明するが、その際、略号は従来技術において通常の意味を有する。NMR−値(化学シフトδ)は、内部の標準としてTMSに対してppmで与えられる。
【0024】
例1
1−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパンの合成
a)1−ヒドロキシ−2−メチル−3−フェニルプロパン
メチルシンナムアルデヒド19g(0.133モル)をメタノール200ml中に溶解し、かつ室温および大気圧でラネーニッケル3gの存在下に水素化した。4時間および水素約7l(0.28モル)の吸収後、反応は停止した。得られた溶液の濾過および濃縮後、150℃(1×102Pa)で粗生成物をバルブ−ツー−バルブ(bulb-to-bulb)装置で蒸留した。99%の収率に相応する無色の油状物19.3gが得られた。
【0025】
匂い:バルサムのような暖かいシナモン。
【0026】
1H−NMR:0.91(d、J=7.6Hz、3H);1.93(m、1H);2.4(m、1H);2.75(m、1H);3.48(m、2H);7.23(m、5H)
MS:150(23、M+)、132(27)、117(55)、91(100)、65(16)、39(20)
b)1−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパン
N2雰囲気下で、4.5lの反応器にKH(油中35%)220ml(1.9モル)を装入し、かつ油の全ての痕跡を除去するためにペンタンで4回洗浄した。無水テトラヒドロフラン1.5lを添加し、その後、1−ヒドロキシ−2−メチル−3−フェニルプロパン259g(1.73モル)および無水テトラヒドロフラン500mlの溶液を滴加した。反応混合物を室温で15時間撹拌した。次いでヨウ化メチル285g(2.01モル)を2時間にわたり滴加し、かつ室温でさらに2時間撹拌を継続した。KHの可能な過剰を、メタノール50mlの添加により加水分解し、次いで反応混合物を氷上に注いだ。生成物をエーテルに取り、これを飽和NH4Cl溶液で3回および次いで塩水で洗浄し、中和した。Na2SO4上で乾燥後、該溶液を濾過し、濃縮し、かつ次いでビグロータイプ(Vigreux-type)のカラムで蒸留した(沸点:5×102Paで100℃)。
【0027】
96%の収率に相応する無色の油状物265.4gが得られた。
【0028】
IR:2930、1600、1495、1460、1390、1190、1110、970cm-1
1H−NMR:0.88(d、J=7.6Hz、3H);2.02(m、1H);2.39(dd、J=8および16Hz、1H);2.76(dd、J=8および16Hz、1H);3.02(m、2H);3.33(s、3H);7.21(m、5H)
13C−NMR:140.7(s);129.2(d);128.2(d);125.8(d);77.5(t);58.7(q);39.9(t);35.4(d);16.8(q)
MS:164(4、M+)、132(64)、117(100)、91(89)、65(18)、45(37)
例2
1−(2−メトキシプロピル)−4−メチルベンゼンの合成
a)1−(2−ヒドロキシプロピル)−4−メチルベンゼン
エーテル中のトルイルマグネシウム臭化物溶液を、2.5lの反応器中でブロモトルエン400gおよびマグネシウム63gから製造した。こうして製造した化合物に、20分間にわたり室温でプロピレンオキシド150gを添加した。反応混合物を1時間撹拌し、かつ次いで4MのHCl水溶液1リットルで加水分解した。該生成物をエーテルで抽出し、有機相を水で数回洗浄して中和し、かつ次いでMgSO4上で乾燥した。エーテルを除去し、かつ粗生成物をカラムで蒸留して、所望のアルコール(91%)320gが得られた。
【0029】
1H−NMR:1.23(d、J=6Hz、3H);1.61(s、0H);2.32(s、3H);2.64(dd、J=13および8Hz、1H);2.74(dd、J=13および5Hz);3.97(m、1H);7.10(m、4H)
13C−NMR:21.01(q);22.73(q);45.36(t);68.89(d);129.24(2d);129.29(2d);135.42(s);135.96(s)
MS:150(9、M+)、135(4)、117(4)、115(5)、106(100)、91(74)、79(8)、77(12)、45(7)
b)1−(2−メトキシプロピル)−4−メチルベンゼン
1−(2−ヒドロキシプロピル)−4−メチルベンゼン190gを、2.5lのフラスコ中で、THF400ml中の水素化ナトリウム51g(鉱油中60%)の懸濁液に滴加した。氷浴で温度を約0℃に保持した。1時間後、THF200ml中のヨウ化メチル270gの溶液を添加し、かつ添加終了後に該溶液を室温でさらに1時間撹拌した。該混合物を、4MのHCl水溶液で加水分解した。次いで生成物をエーテルで抽出し、かつ有機相を水で洗浄し、中和した。乾燥後にエーテルを除去し、かつ粗生成物を真空下(14×102Paで約90℃)で蒸留し、純粋な生成物173g(83%)が得られた。
【0030】
1H−NMR:1.10(d、J=5、3H);2.30(s、3H);2.56(dd、J=14および7Hz、1H);2.88(dd、J=14および6Hz、1H);3.32(s、3H);3.50(m);7.08(s、4H)
13C−NMR:18.87(q);21.00(q);42.28(t);56.22(q);78.17(d);128.94(d);129.29(d);135.49(s);135.90(s)
MS:164(12、M+)、149(2)、133(2)、117(5)、115(6)、106(21)、105(28)、91(10)、77(12)、59(100)
例3
3−メトキシ−2,2,3−トリメチル−1−フェニルブタンの合成
a)2,3,3−トリメチル−4−フェニル−2−ブタノール
メチルマグネシウムヨウ化物の溶液を、ヨウ化メチル21.7g、マグネシウム3.4gおよびジエチルエーテル80mlから、還流冷却器、温度計および滴下漏斗を有する500mlの3口フラスコ中、および窒素雰囲気下で製造した。
【0031】
ジエチルエーテル70ml中の3,3−ジメチル−4−フェニル−2−ブタノン(ドイツ国特許出願公開第3210725号明細書に記載の通りに製造)の溶液を還流下に滴加した。生じた反応混合物を室温で1夜撹拌し、次いで氷上へ注ぎ、エーテルに取り、NH4Cl水溶液で洗浄して中和し、かつNa2SO4上で乾燥した。次いでエーテルを真空下で除去し、かつ粗生成物を41〜55℃/1.2×101Paでビグロータイプのカラムで蒸留して所望の生成物17.0g(62%)が得られた。
【0032】
IR:3464、2973、1496、1375、1128、1099cm-1
1H−NMR:0.84(s、6H)、1.29(s、6H)、2.68(s、2H)、7.11−7.30(m、5H)
13C−NMR:139.6(s)、131.1(2d)、127.6(d)、125.8(d)、76.7(s)、42.3(t)、41.2(s)、25.53(q)、25.48(q)、21.4(2q)
MS:192(0、M+)、134(26)、91(52)、59(100)、43(18)
b)3−メトキシ−2,2,3−トリメチル−1−フェニルブタン
前記化合物を、1b)に記載した方法と類似の方法で上記で得られたアルコール(12g、0.048モル)、油中KH(0.06モル)の20%懸濁液10.4mlおよびヨウ化メチル8.74g(0.062モル)および合計で70mlのTHFから製造した。56℃/1.2×101Paの沸点を有する生成物10.1gが得られた。純粋な生成物(純度99%)を得るために、蒸留工程から得られた生成物を、溶離剤としてシクロヘキサン/ジエチルエーテルの混合物を使用してSiO2カラムを介してクロマトグラフィーにかけた。
【0033】
IR:2973、2824、1472、1364、1153、1075cm-1
1H−NMR:0.79(s、6H)、1.18(s、6H)、2.68(s、2H)、3.23(s、3H)、(7.11−7.30(m、5H)
13C−NMR:140.2(s)、131.3(2d)、127.4(2d)、79(s)、49.4(q)、42(t)、41.7(s)、21.5(2q)、19.3(2q)
MS:206(0、M+)、91(20)、73(100)、43(12)
例4
塩素漂白剤中での1−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパンおよび1−(2−メトキシプロピル)−4−メチルベンゼンの安定性テスト
上記の化合物を、香料を添加していない塩素漂白剤中で0.2%に希釈し、かつ3℃、22℃および40℃で30日間にわたって貯蔵した。
【0034】
次いで該生成物を嗅覚的な特質に関して専門家のパヒューマーのパネルにより評価した。生じた嗅覚的な特質の値は以下の表において以下の意味を有するA〜Eの文字により示されている。:
A=匂いに変化なし
B=匂いがわずかに変性された
C=匂いが明らかに変化した
D=匂いが強く変化し、不快になる
E=匂いが完全に変性され、認識不可能
匂いの強度を1(最低)〜10(最高)の尺度で示す。
【0035】
【表1】
【0036】
結果は、本発明の2つの化合物が漂白剤中で優れた安定性を有することを示す。さらに、該化合物の嗅覚的なノートの特質および強度が、塩素漂白剤のいやな匂いをカバーするのに優れていることが判明した。
【0037】
例5
洗剤中での使用のためのイランタイプの付香用組成物
成分 重量部
リナリルアセテート 20
ベルジルアセテート(Verdyl acetate) 80
安息香酸メチル 20
10%Cetalox(R)1)* 10
シトロネロール 120
ジヒドロミルセノール 170
オイゲノール 20
ゲラニオール 200
Habanolide(R)2) 200
10%インドール* 20
Iralia(R)3) 100
フェノキシエチルイソブチレート 20
Lorysia(R)4) 200
Mayol(R)5) 30
メチル−パラ−クレゾール 10
フェニルヘキサノール 230
4−t−ブチル−1−シクロヘキサノール 50
合計 1500
* ジプロピレングリコール中
1) 8,12−エポキシ−13,14,15,16−テトラノルラブダン;Firmenich社(スイス、ジュネーブ)
2) 1−オキサ−12−シクロヘキサデセン−2−オンおよびl−オキサ−13−シクロヘキサデセン−2−オンの混合物;Firmenich社(スイス、ジュネーブ)
3) メチルイオノンの異性体混合物;Firmenich社(スイス、ジュネーブ)
4) シス−4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセテート+トランス−4−(1,1−ジメチルエチル)−1−シクロヘキシルアセテートの混合物;Firmenich社(スイス、ジュネーブ)
5) シス−7−p−メンタノール;Firmenich社(スイス、ジュネーブ)
前記のフローラルタイプのベース組成物に1−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパン50部を添加すると、該組成物にはよりソフトでより洗練されたノートが付与される。さらにメチル−パラ−クレゾールにより付与される薬用の側面が心地よいバラのようなフルーティーで、わずかにグリーンでかなり認識可能な嗅覚的タッチによりカバーされることが観察された。
【0038】
例6
漂白剤中での使用のための付香用組成物
成分 重量部
樟脳 150
ドデカニトリル 80
ジヒドロテルピネオール 70
ジフェニルオキシド 600
オイカリプトール 450
3,7−ジメチル−3−オクタノール2) 750
合計 2100
1)ドデカンニトリル;International Flavours & Fragrances(USA)
2)Firmenich社(スイス、ジュネーブ)
漂白剤製品にとって典型的な前記のベース組成物に、1−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパン16重量%を添加すると、その匂いが、極めて自然で素晴らしいフローラルの、ローズタイプの特性を獲得することが判明した。ユーカリにより付与される薬用効果およびジフェニルオキシドの金属的なノートが和らぎ、該組成物の匂いがよりソフトになり、本発明の化合物が該組成物に快適でフルーティーなコノテーションを付与することもわかる。
Claims (10)
- 付香用組成物または付香製品の匂いを改善、強化または変性するための方法において、前記の組成物または製品に有効量の1−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパン、1−(2−メトキシプロピル)−4−メチルベンゼンまたは3−メトキシ−2,2,3−トリメチル−1−フェニルブタンを添加することからなる、付香用組成物または付香製品の匂いを改善、強化または変性するための方法。
- 芳香成分として、1−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパン、1−(2−メトキシプロピル)−4−メチルベンゼンおよび3−メトキシ−2,2,3−トリメチル−1−フェニルブタンの群から選択された化合物1種以上を含有する付香用組成物。
- 芳香成分として、1−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパン、1−(2−メトキシプロピル)−4−メチルベンゼンおよび3−メトキシ−2,2,3−トリメチル−1−フェニルブタンの群から選択された化合物1種以上を含有する付香製品。
- 香水またはコロン、セッケン、バスジェルまたはシャワージェル、シャンプーまたはその他のヘアケア製品、化粧品調製物、ボディーデオドラントまたはエアーフレッシュナー、洗剤または繊維柔軟剤、またはオールパーパスクリーナーの形の、請求項3記載の付香製品。
- 芳香成分として、1−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパン、1−(2−メトキシプロピル)−4−メチルベンゼンおよび3−メトキシ−2,2,3−トリメチル−1−フェニルブタンの群から選択された化合物1種以上を含有する洗剤。
- 芳香成分として1−メトキシ−2−メチル−3−フェニルプロパン、1−(2−メトキシプロピル)−4−メチルベンゼンおよび3−メトキシ−2,2,3−トリメチル−1−フェニルブタンの群から選択された化合物1種以上を含有する塩素化製品。
- 香料攻撃物質を含有するか、または高いpH値を有する洗剤の形の請求項4記載の付香製品。
- 塩素漂白剤の形の請求項7記載の製品。
- 1−(2−メトキシプロピル)−4−メチルベンゼン。
- 3−メトキシ−2,2,3−トリメチル−1−フェニルブタン。
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