JP3686246B2 - 座金を含む締結装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、座金を含む締結装置に関し、特にスチールハウス工法における基礎とその上に構築される構造躯体の締結用に使用するのに適する座金を含む締結装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の座金01は、図9(A)に示すように正四角形の座金本体02の対角線X,Yの交点Pである中心にボルト挿通穴03が設けられている。そしてこの座金01にあっては、取り付け施工の必要上、同図(B)に示すように挿通穴03とボルト軸部05との間に所定のクリアランスが通常設けられる(例えばボルト軸部05の直径を12mmとすると、両側に1mmずつのクリアランスが形成される)が、このクリアランス面積は同図(C)に網線で示すようになっている。
【0003】
ところで、前記の座金01を基礎とその上に構築される構造躯体の締結用に使用するときに、アンカーボルトの埋設如何によっては座金をアンカーボルトに挿通できず、事実上その締結ができないという問題があった。すなわち、図10(A)に示すようにアンカーボルト08が基礎06に対して垂直でなく多少でも(例えば前記で合計クリアランスである2mmを超える3mm程度)柱010側に傾いて埋設されていると、アンカーボルト08の先端ねじ部08aの中心とL形金物011の縦片011aとの間の距離Lが座金01の縁部とその中心との距離L′よりも小さくなり、座金01をアンカーボルト08の先端ねじ部08aに入れられなくなってしまい、その後の締結作業ができなかった。また座金をアンカーボルトに挿通できても、別の不都合が生じるという問題もあった。すなわち、図10(B)に示すようにアンカーボルト08が基礎06に前記のような柱010側とは反対側に傾いて埋設されていると、L形金物011の横片011bを座金01を介してナット014で締結したときに座金01とL形金物011の縦片011aとの間に隙間が生じてしまい、経時によりL形金物011の縦片011aが鎖線に示すように柱010から浮き上がり、締結が緩んでしまうことがあった。07は土台である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこでこの発明は、前記のような従来の問題点を解決し、アンカーボルトが多少傾いて埋設されていても、座金をアンカーボルトの先端ねじ部に入れることができて確実な締結作業が行えるとともに、L形金具の縦片が柱から浮き上がるのを防止してその取付精度をだすことができる座金を含む締結装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、この発明は、基礎の上面に土台が基礎からのアンカーボルトの先端ねじ部を上方に突出させて設置されているとともに、アンカーボルトの先端ねじ部の近くに柱が設置され、この柱の土台と交わる下方角部に縦片と横片からなり、該横片にアンカーボルト挿通用の穴を設けたL形金物が、該穴をアンカーボルトの先端ねじ部に挿通させて取り付けられ、このL形金物を介して基礎の上に構築される柱と土台などの構造躯体が基礎に対して締結される装置において、座金本体にアンカーボルト用の挿入穴が偏心して設けられている座金と、略C型チャンネル状を呈し、その開口側が内向きとなって配置される縦枠と横枠から方形の枠体を形成し、この枠体の厚さ方向の一側面に面材を取り付けて構成され、前記縦枠をその開口部にアンカーボルトの先端ねじ部が位置するように柱に接するとともに、横枠を土台に接するように設置された壁パネルと、を具え、前記壁パネルの縦枠内の開口側と対向する内面にL形金物の縦片が接するとともに、横片が横枠内の開口側と対向する内面に接し、かつ該横片の上面に前記座金がその挿通穴を、横枠を貫通して上方に突出するアンカーボルトの先端ねじ部に挿通させたうえでナットにより締結され取り付けられていることを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】
この発明の一実施の形態を図面を参照して説明する。図1(A),(B)に示すように1は座金で、正四角形の座金本体2にアンカーボルト用の挿入穴3が偏心して設けられている。この実施形態では挿入穴3は鎖線で示す従来の挿入穴03に比べて座金本体2の対角線X,Yの交点Pを中心として対角線Xの一方向側に偏心して設けられている。勿論、この挿入穴3は従来の挿入穴03と同径である。
【0009】
挿入穴3を前記のように偏心して設けることにより、座金1の挿入穴3がこれも従来のボルト軸部05と同径のボルト軸部5に挿入されると図2(A)のような状態となり、挿入穴3をボルト軸部5に対して図2(B)に破線で示すように回転させることが可能となる。図2(C)の網線はそのときのクリアランス面積を示し、従来のそれよりも面積が大きいことがわかる。すなわち、従来例との比較で言うと、例えばボルト軸部5の直径を12mmとすると、両側に2mmずつの合計4mmのクリアランスを形成することができ、従来挿入できなかったアンカーボルトの多少の傾きに対しても充分に挿入が可能となることがわかる。
【0010】
前記座金の取り付け状態を図3に示す。これは基礎とその上に構築される構造躯体の締結装置を例として示したものであって、基礎6の上面に土台7が該基礎からのアンカーボルト8の先端ねじ部8aを上方に突出させて設置されている。またアンカーボルト8の先端ねじ部8aの近くに柱10が設置されている。柱10の土台7と交わる下方角部にはL形金物11が取り付けられている。L形金物11は図4に示すように縦片11aとこれより短い横片11bからなり、横片11bにはアンカーボルト挿通用の穴12が設けられている。この穴12は座金1の挿入穴3よりやや大きく形成されている。縦片11aには取付用のビス孔13が複数個穿設されている。しかして、L形金物11の取り付けに際しては穴12をアンカーボルト8の先端ねじ部8aに挿通した後、横片11bの上面に座金1を同じようにその挿通穴3をアンカーボルト8の先端ねじ部8に挿通して載せ、ナット14により締め付けることとなる。それと前後して縦片11aをビス孔13に図示しないビスにより柱10に取り付ける。
【0011】
前記の取り付けに際し、従来例の図10(A)で示したと同様にアンカーボルト8が基礎6に柱10側に多少傾いて埋設されていても、挿入穴3が偏心して設けられて大きなクリアランス面積を有する座金1を該挿入穴3側をL形金物11の縦片11aに向けることにより、座金1の挿入穴3を容易にアンカーボルト8の先端ねじ部8aに入れることが可能となり、その後におけるナット14による締結作業も円滑に行える。また、従来例の図10(B)に示したようにアンカーボルト8が基礎6に柱10側とは反対側に傾いて埋設されていても、座金1を該挿入穴3側をL形金物11の縦片11aと反対側に向けることにより、座金1とL形金物11の縦片11aをぴったりと密着させることができ、従来のような隙間を生じさせることがないので、該縦片の柱10からの浮き上がりを防止することが可能となる。
【0012】
図5,6は前記の締結装置をスチールハウス工法に適用した例を示す。この例でのスチールハウス工法は基礎6に設けた土台7の上面における柱10と柱10の間に複数個の壁パネルPを設置する。すなわち、この壁パネルPは全体構造は図示省略したが、略C型チャンネル状を呈し、その開口側が内向きとなって配置される縦枠15と横枠16から長方形の枠体を形成し、この枠体の厚さ方向の一側面に合板などの面材17を取り付けて構成されている。そして、この壁パネルPは、縦枠15をその開口部にアンカーボルト8の先端ねじ部8aが位置するように柱10に接するとともに、横枠16を土台7に接するように設置される。壁パネルPの縦枠15内の開口側と対向する内面にはL形金物11が縦片11aを接して取り付けられている。18は基礎6の上面に土台7と隣接して設けられた床根太であり、その上面には床面材19が設けられている。そのほかの構成は図3と同様であるので、詳細な説明は省略する。尚、図6は図5の一方側のみ拡大して示す平面図である。この例で示すような外側に面材17が取り付けられ、かつ略C型チャンネル状の縦枠15の開口側からというきわめて作業空間が狭いところであっても偏心した挿入穴3を有する座金1を使用すればさほど困難となることなく締結作業は円滑に行うことができる。
【0013】
図7,8は座金の別の実施形態を示す。図7の座金21は正六角形の座金本体22に前記座金1と同様な偏心した挿入穴23が設けられている。図8の座金31は円形の座金本体32に前記座金1と同様な偏心した挿入穴33が設けられている。これらの場合も座金21,31の挿入穴23,33がボルト軸部5に挿入されると図7(A),図8(A)のような状態となり、挿入穴23,33をボルト軸部5に対して図7(B),図8(B)に破線で示すように回転させることが可能となる。図7(C),図8(C)の網線はそのときのクリアランス面積を示し、従来のそれよりも面積が大きいことがわかる。これらの座金21,31を使用した場合にも座金1と同様な作用効果が期待できる。
【0014】
前記説明から明らかのように偏心した挿入穴を有する座金の座金本体の平面形状は種々の形状のものでもよく、正四角形、多角形、円形のいずれかでよい。また、座金本体に対する挿入穴の形成位置も実施形態のものに限らず任意である。さらに、座金が使用される締結装置の適用範囲も一般的な工法からスチールハウス工法に至るまで任意のものに及ぶものである。
【0015】
【発明の効果】
この発明は前記のような構成からなるので、座金の挿入穴の大きさを変えることなく、アンカーボルトとのクリアランスを従来のものより大きくとることができる。したがって、アンカーボルトが柱側に多少傾いて埋設されていても、座金の挿入穴をアンカーボルトの先端ねじ部に入れることができ、アンカーボルトと座金の締結部での施工誤差を吸収することができるし、アンカーボルトが柱と反対側に多少傾いて埋設されていても、座金とL形金物の縦片をぴったりと密着させることができ、該縦片の柱からの浮き上がりを防止してその取付精度をだすことができる。また、座金を用いてきわめて容易に締結装置を組立てることができ、確実な締結作業が行えて締結部の施工性の向上を図ることができるという優れた効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施の形態の座金を示し、(A)はその平面図、(B)は(A)のB−B線に沿う断面図である。
【図2】 (A)は同上の座金挿入穴のボルト軸部への挿入状態を示す平面図、(B)は同挿入穴のボルト軸部に対する回転可能な範囲を示す図面、(C)はそのときのクリアランス面積を示す図面である。
【図3】同上の座金の取り付け状態を基礎とその上に構築される構造躯体の締結装置を例として示した側面図である。
【図4】同上に用いられるL形金物と座金の拡大斜視図である。
【図5】同上の締結装置をスチールハウス工法に適用した例を示す斜視図である。
【図6】同上の一方側の平面図である。
【図7】別の実施形態の座金を示し、(A)は同上の座金挿入穴のボルト軸部への挿入状態を示す平面図、(B)は同挿入穴のボルト軸部に対する回転可能な範囲を示す図面、(C)はそのときのクリアランス面積を示す図面である。
【図8】さらに別の実施形態の座金を示し、(A)は同上の座金挿入穴のボルト軸部への挿入状態を示す平面図、(B)は同挿入穴のボルト軸部に対する回転可能な範囲を示す図面、(C)はそのときのクリアランス面積を示す図面である。
【図9】従来の座金を示し、(A)は同上の座金挿入穴のボルト軸部への挿入状態を示す平面図、(B)は同挿入穴のボルト軸部に対する回転可能な範囲を示す図面、(C)はそのときのクリアランス面積を示す図面である。
【図10】 (A),(B)とも従来の問題点を説明するための前記図3と対応する側面図である。
【符号の説明】
1,21,31 座金
2,22,32 座金本体
3,23,33 挿入穴
5 ボルト軸部
6 基礎
7 土台
8 アンカーボルト
8a 先端ねじ部
10 柱
11 L形金物
11a 縦片
11b 横片
12 穴
13 ビス孔
14 ナット
P 壁パネル
15 縦枠
16 横枠
17 面材(合板)
18 床根太
19 床面材

Claims (1)

  1. 基礎の上面に土台が基礎からのアンカーボルトの先端ねじ部を上方に突出させて設置されているとともに、アンカーボルトの先端ねじ部の近くに柱が設置され、この柱の土台と交わる下方角部に縦片と横片からなり、該横片にアンカーボルト挿通用の穴を設けたL形金物が、該穴をアンカーボルトの先端ねじ部に挿通させて取り付けられ、このL形金物を介して基礎の上に構築される柱と土台などの構造躯体が基礎に対して締結される装置において、
    座金本体にアンカーボルト用の挿入穴が偏心して設けられている座金と、
    略C型チャンネル状を呈し、その開口側が内向きとなって配置される縦枠と横枠から方形の枠体を形成し、この枠体の厚さ方向の一側面に面材を取り付けて構成され、前記縦枠をその開口部にアンカーボルトの先端ねじ部が位置するように柱に接するとともに、横枠を土台に接するように設置された壁パネルと、
    を具え、前記壁パネルの縦枠内の開口側と対向する内面にL形金物の縦片が接するとともに、横片が横枠内の開口側と対向する内面に接し、かつ該横片の上面に前記座金がその挿通穴を、横枠を貫通して上方に突出するアンカーボルトの先端ねじ部に挿通させたうえでナットにより締結され取り付けられていることを特徴とする座金を含む締結装置。
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