JPH11172823A

JPH11172823A - Ａｌｃパネルの取付構造

Info

Publication number: JPH11172823A
Application number: JP36176997A
Authority: JP
Inventors: Osamu Wakao; 修若尾; Akitoshi Terada; 昭寿寺田
Original assignee: Onoda ALC Co Ltd
Current assignee: Clion Co Ltd
Priority date: 1997-12-09
Filing date: 1997-12-09
Publication date: 1999-06-29

Abstract

(57)【要約】【目的】乾式免震工法を用いてＡＬＣパネルを外壁ある
いは間仕切り壁としてコンクリートスラブに固定する場
合に、施工用部材を減少させるととともに溶接作業を不
要とするＡＬＣパネルの取付構造を提供する。【構成】垂直片と該垂直片の両側でかつ下端に形成され
た水平片とから成る逆Ｔ字型を成している取付金具は、
該取付金具の一方側の水平片が固定部材によってコンク
リートスラブ上面に直接固定されておるとともに、他方
側の水平片上にＡＬＣパネルの幅方向中央部の下部小口
面が載置されており、さらに垂直片にＡＬＣパネルの幅
方向中央部の下部が係止されている構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、外壁用または間仕
切り壁用としてＡＬＣパネル（以下、単にパネルとい
う。）をコンクリートスラブに、乾式免震工法を用いて
取付るＡＬＣパネルの取付構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】乾式免震工法を用いてパネル１を外壁と
してコンクリートスラブ２に取付る構造は、図４および
図６に示すような取付構造が従来より知られている。す
なわち、パネル１の下部の取付構造は、図５に示すよう
に、コンクリートスラブ２内に埋設されたアンカー１１
とそれに溶接固定されたアンカープレート１２上に、Ｌ
型定規アングル１４が溶接固定されて、さらに、そのＬ
型定規アングル１４上には基礎スペーサー１０がパネル
１の幅方向中央位置になるように溶接固定されており、
パネル１がその上に載置されている。そして、Ｌ型定規
アングル１４の起立板を挟持させて溶接固定された稲妻
プレート１３が、パネル１の幅方向中央の下方係止部１
６にボルト４を介して係止されている。

【０００３】図５に示すように、パネル１を外壁として
用いる従来の下部取付構造において、前記の基礎スペー
サー１０は、パネル下部隅角部１ａとコンクリートスラ
ブ２上面との間に隙間を設けさせることで、地震等の際
にパネル下部係止部１６を中心にしてパネル１が揺れて
も下部隅角部１ａがコンクリートスラブ２上面に当たる
ことをなくし、パネル１が欠けることがないようにす
る。

【０００４】また、パネル１を間仕切り壁としてコンク
リートスラブに取付る構造は、図７に示すように、固定
用金具１５をパネル１小口面に当接させてパネル１をコ
ンクリートスラブ２面上に取付る特開平８−１７０３８
９号公報記載のもの等が知られている。

【０００５】そして、外壁用または間仕切り用にパネル
１の上部を取付る構造については、図６に示すように、
コンクリートスラブ２内に埋設されたアンカー１１とそ
れに溶接固定されたアンカープレート１２上に、Ｌ型定
規アングル１４が溶接固定されており、そのＬ型定規ア
ングル１４の起立板を挟持させて溶接固定された稲妻プ
レート１３が、パネル１の幅方向中央の上方係止部１７
にボルト４を介して係止されている構造が知られてい
る。なお前記上下係止部１７、１６は、貫通ボルトとナ
ットとの組み合わせ（図示せず）、あるいはボルトとパ
ネル１に埋設されたアンカー金具との組み合わせによ
り、稲妻プレート１３をパネル１に係止させる。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】以上の従来の取付構造
においては、Ｌ字型定規アングル１４、稲妻プレート１
３および基礎スペーサー１０等を用いてパネル１を固定
するため、アンカー１１やアンカープレート１２をコン
クリートスラブ２内に埋設したり、それらを溶接固定し
たりする必要があり、施工のために多くの部材が必要で
あるとともに施工の手間もかかっていた。さらにＲＣ構
造の建物はＳ構造の建物に比べて、柱が鉄骨でできてい
ないため、各階のＬ字型定規アングル１４の間は電気的
に導通状態にない。従って、溶接作業の場合には、溶接
用の電気アースを各階のＬ字型定規アングル１４毎に付
け換える手間が発生する。これらの問題点は、図６に示
すように、外壁用あるいは間仕切り壁用のパネル１の上
部取付構造においても同様である。

【０００７】また、図７に示すような従来の間仕切り壁
のパネル下部取付構造においては、パネル小口面中央部
にスペーサーがなく、また固定用金具１５の露出してい
る部分が釘により固定されているため、パネル１は下方
小口面端部で固定されて地震等に対してパネル１がその
面内方向にロッキングできない。そのため、パネル１の
下部隅角部１ａが欠け易いという問題が発生していた。

【０００８】そこで、本発明はパネル１を外壁用あるい
は間仕切り壁用としてコンクリートスラブ２に固定する
場合、Ｌ型定規アングル１４、稲妻プレート１３、アン
カー１１、アンカープレート１２等の施工用部材が不要
になるととともに溶接作業をもなくし、さらに基礎スペ
ーサー１０をパネル１幅方向中央部に設定し、その溶接
固定の手間を省くことが可能になる、コンクリートスラ
ブ２へのパネル１の取付構造を提供することを目的とす
る。

【０００９】

【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題を解
決するために、パネルがコンクリートスラブに取付金具
を介して建て込まれているパネルの取付構造において、
前記取付金具は、垂直片と該垂直片の両側でかつ下端に
形成された水平片とから成る逆Ｔ字型を成しているとと
もに、該取付金具の一方側の水平片が固定部材によって
前記コンクリートスラブ上面に直接固定されており、前
記パネルは、その幅方向中央部の下部小口面が前記取付
金具の他方側の水平片上に載置されているとともに、該
パネルの幅方向中央部の下部が前記取付金具の垂直片に
係止されているパネルの取付構造とした。

【００１０】以下に本発明の作用を説明する。本発明に
おいて、取付金具はパネルをロッキング可能にしてコン
クリートスラブに固定させる働きをする。すなわち、パ
ネルの幅方向中央部の下部が取付金具の垂直片に係止さ
れた状態で、取付金具の一方側の水平片がコンクリート
スラブ面上に固定されているとともに、他方側の水平片
上にパネルの幅方向中央部の下方小口面が載置されてコ
ンクリートスラブ面とパネル小口面との間に小間隔が生
じ、パネルの面内方向のロッキングが可能となる。

【００１１】また、取付金具の垂直片は、従来のパネル
下部の取付構造におけるＬ字型定規アングルの役目、一
方側の水平片はパネルをコンクリートスラブに固定する
アンカーおよびアンカープレートの役目、他方側の水平
片はパネルのロッキング用の基礎スペーサーの役目を果
たすため、取付金具をコンクリートスラブ面上に固定部
材により直接固定するのみで、パネルをコンクリートス
ラブ面上に固定できる。１）２）３）パネルを係止す
る稲妻プレート、４）を果たすため、

【００１２】さらに、パネル上部の取付に用いる逆Ｌ字
型金具は、従来のパネル上部の取付構造におけるアンカ
ープレートと稲妻プレートを連結させるＬ字型定規アン
グル、パネルを係止する稲妻プレート、パネルをコンク
リートスラブに固定するアンカーおよびアンカープレー
トの役目を果たすため、コンクリートスラブ下面に固定
部材により直接逆Ｌ字型金具の水平板を固定するのみで
パネルをコンクリートスラブ上に固定できる。

【００１３】なお、これらすべての作用はパネルを外壁
用あるいは間仕切り用とした場合、両者ともに同様に機
能する。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、本発明の具体的な取付構造
を図１〜３に基づいて説明する。なお、その他符号で従
来例と同一のものは同一番号を付した。図１に示すよう
に、パネル１下部には、逆Ｔ字型の取付金具３がパネル
１下部の幅方向中央部に係止されているとともにその取
付金具３がコンクリートスラブ２上面に、直接固定され
ている。

【００１５】この取付金具３は、図２（イ）、（ロ）、
（ハ）に示すように、垂直片３ａと、この垂直片３ａの
下端に設けられたパネル載置用の水平片３ｃと、その金
具固定用の水平片３ｂとから成る逆Ｔ字型から形成され
ている。

【００１６】この逆Ｔ字型の取付金具３（以下、逆Ｔ字
型金具３という。）は、一枚の矩形鋼板を用いて、図２
（イ）に示すように、矩形鋼板の下部中央部にその下端
と垂直に設けられた切れ目によって分けられるそれぞれ
の片が、垂直片３ａに対し９０度を成して反対方向にな
るように折り曲げて、パネル載置用の水平片３ｃと金具
固定用の水平片３ｂとすると、容易に製作できて経済的
であり好ましい。

【００１７】また、図２（ロ）に示すように、一枚の矩
形鋼板を用いて、その面の上部を垂直片３ａとし、矩形
鋼板の下部にその下端と垂直に設けられた２本の切れ目
で挟まれた部分を折り曲げた片をパネル載置用の水平片
３ｃとし、またその切れ目の外側部分をパネル載置用の
水平片３ｃと反対側に折り曲げた片を金具固定用の水平
片３ｂとすると、製作も容易であるとともに安定してコ
ンクリートスラブ２面上に固定されて好ましい。

【００１８】さらに、パネル１の固定後にコンクリート
スラブ２面上の不陸が原因で金具固定用の水平片３ｂの
折曲部３ｅに曲げ応力が発生しても、図２（ハ）に示す
ように、金具固定用の水平片３ｂをその折曲辺が対辺に
比べて長い台形にすることにより、耐力を高めることが
できて、より好ましい。

【００１９】また、図１に示すように、その逆Ｔ字型金
具３の水平片３ｃ上にはパネル１の幅方向中央部の下部
小口面が載置されているとともに、垂直片３ａは孔３ｄ
が設けられていて、パネル１の幅方向中央下部の埋設金
具（図示せず）にボルト４により螺合固定されている。
そして、その逆Ｔ字型金具３の金具固定用の水平片３ｂ
は固定部材５によってコンクリートスラブ２上面に直接
固定されている。

【００２０】さらに、図３に示すように、パネル１上部
は、垂下板６ａと水平板６ｂとから形成された逆Ｌ字型
金具６が用いられ、その垂下板６ａがパネルの上部幅方
向中央部に係止されているとともに、水平板６ｂが固定
部材によって天井側のコンクリートスラブ２下面に直接
固定されている。このような取付構造とすることによ
り、下部の取付構造と相俟って、地震あるいは建物の振
動が発生してもパネル１のロッキングが容易となり、パ
ネル１が破損しにくくなるため、より好ましい。

【００２１】なお、ここでパネル１の上下部を固定する
固定部材としてホールインアンカーあるいはコンクリー
トピン５があるが、コンクリートピン５は、施工の容易
性および経済性の点でより好ましい。また、逆Ｔ字型金
具３および逆Ｌ字型金具６を形成させる短冊鋼板は、厚
み２ｍｍ〜１２ｍｍ、高さ１００ｍｍ〜２００ｍｍ、幅
５０ｍｍ〜２００ｍｍが適用可能であるが、厚み４〜９
ｍｍものが、強度上および取り扱い上好ましく、さらに
垂直片３ａあるいは垂下板６ａの縦方向にリブを設ける
ことによりパネル１の支持強度が向上して、より好まし
くなる。

【００２２】パネル１の上下部の幅方向中央部は、貫通
ボルトとナットとの組み合わせ、またはパネル１内部に
埋設されたアンカー金具（図示せず）とボルトによって
係止する方法があるが、埋設されたアンカー金具を利用
する方が施工性が良く、より好ましい。また、逆Ｔ字型
金具３と逆Ｌ字型金具６の孔３ｄ、６ｃを縦長の長孔と
することにより、パネル１の上下部でのボルト４の螺合
がし易くなり、好ましい。

【００２３】次に、本発明における取付構造の具体的な
施工方法を手順に沿って説明する。パネル上下部の幅
方向中央部内にアンカー金具が埋設されているパネルを
用い、そのパネル下部には、逆Ｔ字型金具３をボルト４
によって前記アンカー金具に螺合して固定する。また逆
Ｌ字型金具６をパネル１上部に同様にして固定する。
コンクリートスラブ２面上にパネル１の建て込み位置を
墨出しする。パネル１を墨出し位置に合わせた状態
で、逆Ｔ字型金具３および逆Ｌ字型金具６をコンクリー
トピン５によりコンクリートスラブ２に固定する。な
お、パネル１を墨出し位置に直接合わせる代わりに、墨
出し線に合わせた定規用板をコンクリートピン等により
コンクリートスラブ２面上に仮止めした後、その定規用
板に沿ってパネル１を当接させて固定しても良い。

【００２４】

【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を奏す
る。１．パネルは逆Ｔ字型金具によって、ロッキング可能な
状態でコンクリートスラブ上面に直接固定（建込み）可
能となるため、Ｌ型定規アングル、稲妻プレート、基礎
プレート、アンカーおよびアンカープレート等のパネル
取付に多数必要だった部材が不要になるとともに、それ
ら部材の取り扱い作業も不要となる。

【００２５】２．逆Ｔ字型金具が、コンクリートスラブ
上面にコンクリートピン等により直接固定されている構
造のため、溶接作業が全く不要となり、さらにアンカー
を予めコンクリートスラブに埋設する必要もなくなるた
め、施工性が大幅に向上する。また、パネル上部取付に
逆Ｌ字型金具を用いた場合においても、同様の効果を発
揮する。

【００２６】３．間仕切り壁用パネルにおいても面内方
向のロッキングが可能となり、地震等による建物の揺れ
にもパネルの下部隅角部が欠けない。４．本発明に係わ
る逆Ｔ字型金具は、パネルの埋設金具に係止させるのみ
でパネル下方小口面の中央部に設置されるため、予めの
墨出し作業を必要としない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のパネル下部の取付構造の一実施例を示
す斜視図。

【図２】（イ）本発明に係る取付金具の一実施例を示す
斜視図。（ロ）本発明に係る取付金具の別の実施例を示す斜視
図。（ハ）本発明に係る取付金具のその他の実施例を示す斜
視図。

【図３】パネル上部の取付構造の一実施例を示す斜視
図。

【図４】従来例における外壁用のパネル下部の取付構造
を示す斜視図。

【図５】従来例におけるパネルが地震などによってロッ
キングした時の説明図。

【図６】従来例における外壁あるいは間仕切り用のパネ
ル上部の取付構造を示す斜視図。

【図７】従来例における間仕切り用パネル下部の取付構
造を示す斜視図。

【符号の説明】

１パネル（ＡＬＣパネル）１ａ下部隅角部２コンクリートスラブ３逆Ｔ字型金具（取付金具）３ａ垂直片３ｂ金具固定用の水平片（一方側の水平片）３ｃパネル載置用の水平片（他方側の水平片）３ｄ孔３ｅ折曲部４ボルト５コンクリートピン（固定部材）６逆Ｌ字型金具６ａ垂下板６ｂ水平板６ｃ孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁶ 識別記号ＦＩＥ０４Ｂ 2/56 ６３３Ｅ０４Ｂ 2/56 ６３３Ｔ 1/60 ５１１Ａ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】ＡＬＣパネルがコンクリートスラブに取付
金具を介して建て込まれているＡＬＣパネルの取付構造
において、前記取付金具は、垂直片と該垂直片の両側でかつ下端に
形成された水平片とから成る逆Ｔ字型を成しているとと
もに、該取付金具の一方側の水平片が固定部材によって
前記コンクリートスラブ上面に直接固定されており、前記ＡＬＣパネルは、その幅方向中央部の下部小口面が
前記取付金具の他方側の水平片上に載置されているとと
もに、該ＡＬＣパネルの幅方向中央部の下部が前記取付
金具の垂直片に係止されていることを特徴とするＡＬＣ
パネルの取付構造。
【請求項２】前記取付金具の一方側の水平片は、矩形鋼
板の下端から上方に設けられた２本の切れ目で挟まれた
部分が折り曲げられて形成されており、他方側の水平片
は前記切れ目の外側部分が前記一方側の水平片と反対側
に折り曲げられて形成されている請求項１記載のＡＬＣ
パネルの取付構造。
【請求項３】前記ＡＬＣパネルの上部幅方向中央部は、
水平板と垂下板とから成る逆Ｌ字型金具の該垂下板に係
止されているとともに、該水平板が固定部材によってコ
ンクリートスラブ下面に直接固定されている請求項１ま
たは２記載のＡＬＣパネルの取付構造。
【請求項４】前記固定部材は、コンクリートピンである
請求項１、２または３記載のＡＬＣパネルの取付構造。
【請求項５】前記ＡＬＣパネル上下部の幅方向の中央部
は、その内部に埋設されたアンカー金具によって係止さ
れている請求項１、２、３または４記載のＡＬＣパネル
の取付構造。