JP2002194882A - 床敷設構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 床板の強度が確保され、施工性にも優れた床
敷設構造を提供することを課題とする。 【解決手段】 床スラブに立設される床支持脚１と、こ
の床支持脚１に載置固定される根太２と、これら根太２
と直交しかつ隣り同士所定の間隙をおいて敷設され、長
尺側の両側部に溝部３が形成された床板４と、左右の側
板部１２，１２の上端部から、それぞれ内向きに係止縁
部１３，１３が屈曲形成され、これら間に開口部１４が
設けられた吊根太７と、上記吊根太７の係止縁部１３，
１３に係止される下部係止片８、及びこの下部係止片８
と連結し上記床板４の溝部３に挿入係止される上部係止
片１５からなり、吊根太７を床板４の裏面部９に当接さ
せて支持する連結係止具５と、を有する構造とした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、屋外等に設けられ
る床敷設構造に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、図６に示す木製デッキフロアが知
られている。この床敷設構造は、屋外等におけるコンク
リートの床スラブ１０に床支持脚１を立設し、これら床
支持脚１間に根太２を架け渡して床下地が形成される。
上記床支持脚１は、床スラブ１０に立設固定される支持
ボルト２１の上部に、円板状の受け部２２が設けられて
いる。上記根太２は、ビスを用いて左右のフランジ部が
上記受け部２２に固定される。

【０００３】この根太２の上部に硬質木製の床板４を直
角方向に配置し、固定金具３１を用いてその翼片３２を
床板４の側面に設けられた溝部３に係止し、併せて固定
金具３１を根太２に固定する。同様にして、床板４間に
所定の間隙Ｄを設けて順次床板４を敷設する。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】さて、上記床板４の敷
設構造は、隣合う床板４間は雨水の排水のために床板４
同士を接合させないで、所定の間隙Ｄを設けた構造であ
る。通常の床敷設では、根太２の上部に捨て板を配置
し、さらにこの上に床板を敷設する構造であるから、床
面に局所的に荷重が加わった場合であっても、捨て板を
介して荷重が分散して支えられ強度が維持される。一
方、上記床敷設構造では、排水の都合上、捨て板を使用
することはできない。

【０００５】上記床敷設構造は、一枚の床板４について
みれば根太２でしか支持されておらず、このため根太２
間において特定の床板４に局所荷重が加わった場合に
は、その床板４が大きく撓み、場合によっては破損する
こともあり得るという問題があった。

【０００６】本発明は、上記問題点に鑑みてなされたも
のであり、床板の強度が確保され、施工性にも優れた床
敷設構造を提供することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】以上の技術的課題を解決
するため、本発明に係る床敷設構造は、図１及び図２に
示すように、床スラブに立設される床支持脚１と、この
床支持脚１に載置固定される根太２と、これら根太２と
直交しかつ隣り同士所定の間隙をおいて敷設され、長尺
側の両側部に溝部３が形成された床板４と、左右の側板
部１２，１２の上端部から、それぞれ内向きに係止縁部
１３，１３が屈曲形成され、これら間に開口部１４が設
けられた吊根太７と、上記吊根太７の係止縁部１３，１
３に係止される下部係止片８、及びこの下部係止片８と
連結し上記床板４の溝部３に挿入係止される上部係止片
１５からなり、吊根太７を床板４の裏面部９に当接させ
て支持する連結係止具５と、を有する構成である。

【０００８】

【発明の実施の形態】以下、本発明に係る床敷設構造の
実施の形態を図面に基づいて説明する。この実施の形態
は、屋外又は屋内に敷設される木製デッキフロアに上記
床敷設構造を適用したものである。この床敷設構造は、
図１及び図２に示すように、コンクリートの床スラブ１
０に立設された床支持脚１間に根太２を架け渡し、これ
ら根太２と直交する方向に床板４を設置すると共に、上
記根太２間の略中央部において、床板４の裏面部に連結
係止具５を用いて吊根太７を係着したものである。各床
板４間には、雨水或いは清掃時等における排水のため
に、所定の間隙Ｄが設けられている。

【０００９】上記床支持脚１は、床スラブ１０に立設さ
れる支持ボルト２１、及び根太２を載置固定する受け部
２２を有し、受け部２２は、支持ボルト２１に螺着され
たナット２４により高さが調整される。根太２はステン
レス鋼製或いは鋼製からなり、断面ハット形状の長尺材
である。上記床板４はジャラ等の硬質木製の長尺板材か
らなり、長尺側の両側部には溝部３が長手方向に形成さ
れている。

【００１０】床板４の取付けに際しては、固定金具３１
を用いる。この固定金具３１は、基板部３３から立ち上
がる立上部３４の上端部に水平左右に翼片３２，３２が
形成されている。固定金具３１の翼片３２は床板４の溝
部３に係止され、その基板部３３はビス３５を用いて根
太２に固定される。床板４は、根太２と直交する向きに
配置され、隣り合う床板４同士は、上記固定金具３１の
立上部３４の板厚に相当する幅の間隙Ｄをおいて敷設さ
れる。

【００１１】上記吊根太７は図２に示すように、鋼製或
いはステンレス鋼製からなる長尺状の溝形材であり、底
板部１１、この底板部１１の両端部からそれぞれ上方に
屈曲形成される側板部１２，１２、及びこれら左右の側
板部１２，１２の上端部から、それぞれ内向きに屈曲形
成される係止縁部１３，１３を有し、これら係止縁部１
３，１３間には開口部１４が形成されている。

【００１２】また図３に示すように、上記連結係止具５
は、矩形板状の下部係止片８と、この下部係止片８の中
央部から上方に延設される連結板６と、この連結板６の
上端部に水平に固定される矩形板状の上部係止片１５と
からなる。この上部係止片１５は、下部係止片８を中心
とした左右の部位に、それぞれ床板４の溝部３に嵌合係
止する翼片１７，１７を有している。下部係止片８の横
幅は、吊根太７の側板部１２，１２に内接する程度の大
きさである。下部係止片８の連結板６を除く上面部１
８，１８は水平に形成され、また連結板６の横幅は上記
開口部１４の開口幅より少し狭く形成されている。連結
板６の板厚幅は、上記固定金具３１の立上部３４の板厚
幅と同様であり、これらの板厚幅が床板４同士間の間隙
Ｄの幅に相当する。

【００１３】連結係止具５は図２に示すように、吊根太
７の開口部１４からその下部係止片８を突入させ、さら
に連結係止具５を回転し、その連結板６、下部係止片８
を吊根太７の長手方向と直交する方向に向け、下部係止
片８の上面部１８，１８をそれぞれ係止縁部１３，１３
の下面部に当接させる。そして、係止縁部１３，１３の
上部を床板４の裏面部９に当てがい、上部係止片１５の
翼片１７を床板４の溝部３に挿入して係止し、吊根太７
を吊着する。このとき、吊根太７の係止縁部１３，１３
の上面部は、床板４の裏面部９に当接した状態となる。

【００１４】上記床敷設構造の施工に際しては、図４に
示すように、床スラブ１０に床支持脚１を所定間隔をお
いて配置立設し、これら床支持脚１の受け部２２に根太
２を所定間隔を隔てて互いに平行に支承する。このと
き、受け部２２の上部に軋み防止のためのゴム板２７を
配置し、このゴム板２７を介在させて受け部２２に根太
２を載置する。これら根太２は、ビス２６を用いて根太
２の下部の左右に形成されるフランジ部を受け部２２に
締結する。

【００１５】根太２の設置の後、床板４を根太２と直交
する方向に配置し、これら床板４は上記固定金具３１を
用いて取付ける。施工の手順としては、根太２の端に
は、翼片が一方のみに形成された端部用の固定金具３６
をビス３５を用いて固定する。そして、この端部固定金
具３６の翼片に床板４の一端側の溝部３を係止する一
方、固定金具３１を用い、床板４の他方側の溝部３にこ
の固定金具３１の一の翼片３２を係止させるとともに、
この固定金具３１の基部をビス３５を用いて根太２に固
定する。

【００１６】一方、隣合う根太２間の略中央部に、根太
２と平行する方向に吊根太７をその開口部１４を上部に
して配置する。そして、上述したように吊根太７の開口
部１４に上記連結係止具５の下部係止片８を突入回転さ
せ、また上部係止片１５の翼片１７を床板４の一端側の
溝部３に挿入して係止する。この床板４の他端側の溝部
３についても、連結係止具５を用い、同様の手順により
床板４に吊根太７を連結係止する。次に、この床板４の
隣りに別の床板４を配置し、同様に、固定金具３１の他
の翼片３２に係止させ、併せて連結係止具５の他の翼片
１７をこの床板４に連結係止させる。

【００１７】さらに固定金具３１を用いて、床板４の他
端側の溝部３を固定し、併せて連結係止具５を用いて床
板４と吊根太７を連結係止し、以下同様の作業を繰り返
して床板４を取付ける。このようにして、床板４につい
ては、隣りの床板４との間は間隙Ｄの隙間を形成して敷
設され、吊根太７は、その係止縁部１３，１３の上面部
が床板４の裏面部９に当接した状態で装着される。

【００１８】上記床敷設構造の施工後は、図５に示すよ
うに、各床板４は、吊根太７を連結係止するとともに、
各床板４の裏面部９は、他の床板４によって連結係止さ
れた吊根太７により支持される。この形態により、特定
の床板４に荷重Ｆが加わった場合であっても、この床板
４は吊根太７により支持されており、併せて床板４は左
右に隣接する床板４により連結係止具５の翼片１７によ
り連結支持されるので、上記荷重Ｆは他の床板４に分散
される。このため、上記特定の床板４には、荷重Ｆが集
中しないので、その床板４のみが撓み破損するようなこ
とはない。

【００１９】したがって、上記実施の形態に係る床敷設
構造によれば、床板４を連結係止具５と吊根太７によっ
て相互に連結したので、床板４間に間隙Ｄを有する床構
造特有の局所荷重の弱点が補強され、これにより特定の
床板４に局所的に加わった荷重は、他の床板４に分散さ
れ複数の床板４で支える形態となり、耐荷重性は数倍に
改善される。また、吊根太７は連結係止具５を用いて簡
単に装着できるので、施工性にも優れる。

【００２０】さらに、通常根太２間の間隔が例えば６０
０ｍｍ程度必要な床構造については、これを１．５倍の
９００ｍｍ程度に拡げて、その間に吊根太７を配置する
ことで、必要な床強度を維持することが可能である。こ
のように、根太２間の間隔を拡げることにより根太２及
び床支持脚１の本数を削減することができ、全体的には
コストダウンが図れ、また施工時問が短縮される。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る床敷
設構造のよれば、床支持脚に載置固定される根太、これ
と直交する向きに配置され、隣り同士所定の間隙をおい
て敷設される床板、係止縁部が形成された吊根太、及び
吊根太を支持する連結係止具を有する構成を採用したか
ら、床板に局所的に加わった荷重は、他の床板に分散さ
れるので耐荷重性が改善されるとともに、吊根太は連結
係止具を用いて簡単に装着できるので施工性にも優れ、
併せて経済性にも優れるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の形態に係る床敷設構造の側面を
示す図である。

【図２】実施の形態に係る吊根太を連結係止具で連結し
た状態を示す図である。

【図３】実施の形態に係る連結係止具を示す図である。

【図４】実施の形態に係る床敷設構造の施工状態を示す
図である。

【図５】実施の形態に係る床敷設構造の連結状態を示す
図である。

【図６】従来例に係る床敷設構造を示す図である。

【符号の説明】 １ 床支持脚 ２ 根太 ３ 溝部 ４ 床板 ５ 連結係止具 ７ 吊根太 ８ 下部係止片 １２ 側板部 １３ 係止縁部 １４ 開口部 １５ 上部係止片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 床スラブに立設される床支持脚（１）
   と、 この床支持脚（１）に載置固定される根太（２）と、 これら根太（２）と直交しかつ隣り同士所定の間隙をお
   いて敷設され、長尺側の両側部に溝部（３）が形成され
   た床板（４）と、 左右の側板部（１２，１２）の上端部から、それぞれ内
   向きに係止縁部（１３，１３）が屈曲形成され、これら
   間に開口部（１４）が設けられた吊根太（７）と、 上記吊根太（７）の係止縁部（１３，１３）に係止され
   る下部係止片（８）、及びこの下部係止片（８）と連結
   し上記床板（４）の溝部（３）に挿入係止される上部係
   止片（１５）からなり、吊根太（７）を床板（４）の裏
   面部（９）に当接させて支持する連結係止具（５）と、
   を有することを特徴とする床敷設構造。