JPH06146464A - 建物の天井懸垂構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 野縁を天井高さにおいて簡単に組み付けられ
るようにして、建物天井部の施工の容易化を図る。 【構成】 断面側部に係合溝10を有する長尺の野縁受材
9 を互いに平行でかつ所定間隔おきに配設する。この野
縁受材9 間に、天井板7 の下地骨となる野縁8 を、その
両端部を係合溝10に嵌合させるようにして野縁受材9 に
対して直交状に架設する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、建物の天井懸垂構造に
関する。

【０００２】

【従来の技術】図４は、上記天井懸垂構造の従来例を示
している。同図に示すように、従来では、天井板23の下
地骨となる木製の野縁24を予め床上で格子状の天井架構
体A に枠組みし、この天井架構体A を、その格子点に固
定した吊木25を介して大根太26等の支持部材に対して懸
垂状に支持するようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の技
術では、床上で組まれた天井架構体A をトンボ等の支え
棒で天井高さまで持ち上げる必要があると共に、吊木25
を取り付けるまでの間その天井架構体A を所定高さに支
持しておく必要があるため、その取付作業に多大な工数
と熟練を要していた。

【０００４】本発明は、かかる実情に鑑み、野縁を天井
高さにおいて簡単に組み付けられるようにして、建物天
井部の施工の容易化を図ることを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明は次の技術的手段を講じた。即ち、請求項１記載
の発明は、断面側部に係合溝を有する長尺の野縁受材が
互いに平行でかつ所定間隔おきに配設され、この野縁受
材間に、天井板の下地骨となる野縁が、その両端部を前
記係合溝に嵌合させるようにして前記野縁受材に対して
直交状に架設されていることを特徴とする。

【０００６】また、請求項２記載の発明は、野縁受材と
該野縁受材に上から面接する支持部材との接触面間に第
一防振材が介装され、かつ、前記野縁受材を前記支持部
材に固定するための固定具とその支持部材との間に第二
防振材が介装されていることを特徴とする。

【０００７】

【作用】請求項１記載の発明では、野縁の両端部を野縁
受材の係合溝に嵌合させて野縁を野縁受材間に架設する
ようにしているので、先に天井高さに配設した野縁受材
に対しても野縁を簡単に取り付けることができる。請求
項２記載の発明では、第一防振材と第二防振材とが、支
持部材の振動が野縁受材に伝わるのを防止する。

【０００８】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の一実施例を詳
述する。図１乃至図３において、コンクリート等よりな
る側壁1 間には、Ｈ型鋼で例示する支持部材2 が互いに
平行でかつ所定間隔おきに配設されていて、この支持部
材2 は、より上階の床部3 とその階の天井部4 との双方
を支持している。即ち、支持部材2 の上方に構成される
床部3 は、床板5 とその下面を下方から支持する根太6
とを備え、この根太6 は支持部材2 上に直交状に上載さ
れている。

【０００９】一方、支持部材2 の下方に構成される天井
部4 は、天井板7 と、この天井板7の下地骨となる木製
の野縁8 と、この野縁8 を両端支持する野縁受材9 とを
備えている。このうち、野縁受材9 は断面側部に係合溝
10を有する鋼製の長尺物で、図２及び図３に示すよう
に、支持部材2 の下面に固定される第一受材9aと、側壁
1 の内面に固定される第二受材9bとの二種類がある。な
お、野縁受材9 の係合溝10は、野縁8 の断面高さとほぼ
同一の幅を有している。

【００１０】第一受材9aは、外側方に開口する係合溝10
を両側部に有する断面Ｉ型を呈し、支持部材2 の長手方
向に沿って同支持部材2 の下フランジ部11下面に面接し
て配置されていて、この下フランジ部11と第一受材9aの
上板部12間をボルト13とナット14を介して締め付けるこ
とにより、支持部材2 下方の同一高さ位置において互い
に平行でかつ所定間隔おきに配設されている。

【００１１】他方、第二受け材9bは、外側方に開口する
係合溝10を一側部に有する断面コ字状を呈し、第一受材
9aと平行でかつ同一高さとなるよう、止めネジ15を介し
て側壁1 の内面に固定されている。また、本実施例で
は、野縁受材9 の上板部12と支持部材2 の下フランジ部
11間に、ゴムシート製の第一防振材16が介装されている
と共に、支持部材2 の下フランジ部11とこの下フランジ
部11に上から挿通されるボルト13の頭部との間に、ゴム
リング製の第二防振材17が介装されていて、これによ
り、床部3 から支持部材2 に伝わる振動が野縁受材9 に
伝わるのを防止している。

【００１２】上記のように配設された野縁受材9 間に
は、複数本の野縁8 が互いに平行でかつ所定間隔おきに
架設されている。即ち、各野縁8 は、その両端部を先に
支持部材2 に固定しておいた野縁受材9 の係合溝10に嵌
合させるようにして、野縁受材9 に対して直交状に架設
されており、その両端部を野縁受材9 の下板部19に止め
ネジ18で固定することにより、野縁受材9 と野縁8 とか
らなる天井架構体A が構成されている。

【００１３】なお、天井板7 は架設後の野縁8 に対して
図外の釘等で固定される。また、野縁8 の両端部下面に
は、野縁受材9 の下板部19の厚さ分だけ切欠き形成した
溝部20が設けられ、野縁8 の両端部を野縁受材9 に嵌合
させると下板部19の下面と野縁8 の下面とが面一となる
ようになっており、これにより、野縁8 に対する天井板
7 の固定を容易化している。

【００１４】以上、本発明の一実施例を説明したが、本
発明は上記実施例に限定されるものではなく、例えば、
支持部材2 についてはＣ型鋼その他の鋼材の他、角材を
採用することもできる。また、この支持部材2 の材質と
の関係で、野縁受材9 の固定具についてはボルト13ナッ
ト14以外のクランプ等を採用できる。更に、野縁8 は鋼
材やアルミ合金材等で構成することもできる。ただし、
上記実施例のように野縁8 を木材、野縁受材9 を鋼材と
して両者の共振振動数を異なるようにした方が、天井板
7 の振動を小さく押さえられる利点がある。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、請求項１記載の発
明によれば、先に天井高さに配設した野縁受材に対して
も野縁を簡単に取り付けられるので、従来のように天井
架構体を所定高さに持ち上げたり位置決めする必要がな
く、天井部の施工手間を大幅に容易化することができ
る。

【００１６】また、請求項２記載の発明によれば、第一
防振材と第二防振材が支持部材の振動が野縁受材に伝わ
るのを防止するので、天井部の遮音性能を向上すること
ができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す天井懸垂構造の分解斜
視図である。

【図２】同縦断面図である。

【図３】同背面図である。

【図４】従来の天井懸垂構造の斜視図である。

【符号の説明】

2 支持部材 7 天井板 8 野縁 9 野縁受材 10 係合溝 13 固定具（ボルト） 16 第一防振材 17 第二防振材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 断面側部に係合溝(10)を有する長尺の野
   縁受材(9) が互いに平行でかつ所定間隔おきに配設さ
   れ、この野縁受材(9) 間に、天井板(7) の下地骨となる
   野縁(8) が、その両端部を前記係合溝(10)に嵌合させる
   ようにして前記野縁受材(9) に対して直交状に架設され
   ていることを特徴とする建物の天井懸垂構造。
2. 【請求項２】 野縁受材(9) と該野縁受材(9) に上から
   面接する支持部材(2) との接触面間に第一防振材(16)が
   介装され、かつ、前記野縁受材(9) を前記支持部材(2)
   に固定するための固定具(13)とその支持部材(2) との間
   に第二防振材(17)が介装されていることを特徴とする請
   求項１記載の建物の天井懸垂構造。