JP2598465B2 - Alc縦壁パネルの取付工法 - Google Patents

Alc縦壁パネルの取付工法

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JP2598465B2 JP16098988A JP16098988A JP2598465B2 JP 2598465 B2 JP2598465 B2 JP 2598465B2 JP 16098988 A JP16098988 A JP 16098988A JP 16098988 A JP16098988 A JP 16098988A JP 2598465 B2 JP2598465 B2 JP 2598465B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、建築物の壁材として軽量気泡コンクリート
(ALC)ペネルを縦壁として使用するときの取付けが容
易であり、取付部の強度が強く、且つ耐震性にすぐれた
ALC縦壁パネルの取付工法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、ALCパネルを用いて建築物の縦壁を形成すると
きのパネルの取付工法としては、パネルの縦方向のジョ
イント部に設けられた溝部に鉄筋を配置し、こと溝部に
セメントモルタルを充填して相互に固定する工法が一般
的であった。その代表的なものは、例えば第7図に示す
ように、梁1の上フランジ2の上面に梁1の長手方向に
沿って上向き定規アングル3を、その外側の垂直面が梁
1の上フランジ2の端部から外方に若干突出するように
固定し、この定規アングル3からパネル4の縦方向ジョ
イント部に外方に水平方向に受金物5を固定し、パネル
4の幅方向の両端を受金物5上に載せ、パネル4の縦方
向の側面に設けられたジョイント溝6に目地筋7を配設
して目地筋7の下端を受金物5に溶接し、このジョイン
ト溝部6にセメントモルタルを充填してパネルの下部を
固定する。
又パネル4の上部の取付工法としては、耐震構造をも
たせるため、パネル4の縦方向のジョイント部に梁1の
上フランジ2の下面に下向きの定規アングル8を、その
垂直な外面が上向きの定規アングル3の外側垂直面と一
致するように固定し、ジョイント溝部6の上端近くに配
設された目地筋9の上端近くの側面に溶接された第8図
に示すような切欠きのある金物10及び目地筋9に面が平
行になるように固定された金物11よりなるスライド旗金
物12の切欠き13に、下向きの定規アングル8を遊嵌させ
ることによりパネル4の内面を所望の面に位置させて取
付ける。
又パネルの上部の他の取付工法として、個々のパネル
の幅方向の中央部を梁その他から突出させた金物等に座
金等を用いてボルト止めする工法が行われ、その具体例
を第9図に示す。すなわちパネル4の上側を前記と同様
の下向きの定規アングル8を設け、湾曲した帯板状のイ
ナヅマプレート14をパネル4にあけた孔を貫通するボル
ト15を用いて係止し、イナヅマプレート14とパネル4の
内面との間にできた間隙に下向きの定規アングル8の突
出部を遊嵌させる工法もある。
また近時、例えば実開昭61−95807号に示されるよう
に、パネルの縦方向のジョイント部を相互に固定しない
で耐震性を改良した工法が提案されており、この工法は
第10図、第11図に示すように断面L型の取付金物16の縦
フランジ17のパネル面と反対側に垂下片18が設けられ、
縦フランジ17と垂下片18の間隙19を定規アングル3の垂
直部20に嵌合して固定し、又縦フランジ17の有する下方
に開いた開口部21にはプレート22を挿入し、横フランジ
23上にALCパネル4の中央部を載せて、ALCパネルの縦方
向ジョイント部は定規アングル3に懸架したスペーサー
24により定規アングル3との間隙を保持し、且つパネル
上部及び下部はパネル面から突出させた取付ボルト25に
より取付金物16又はプレート22にナット止めするように
し、ALCパネルの縦方向ジョイント部はモルタル等で固
定せず、隣接パネル同志が縦方向に若干スライド可能に
した工法もある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、前記取付工法のうちジョイント溝6に
鉄筋を配置する工法では、この目地鉄筋7,9はパネル4
内に配置された補強用筋材とは全く絡み合わないので、
この目地鉄筋7,9によるパネルの取付強度は、ALCのみの
剪断耐力によるものであって、パネル4の外面方向に大
きな荷重がかかるとパネル4内面のジョイント部分にク
ラックが入るようになる欠点がある。
又個々のパネル4をボルト止めする工法では、パネル
4外面にボルト15端面が見えないように補修材を使って
表面を平らに仕上げるものであるが、補修跡が外面に見
え、又この部分にクラックを生じ易く、雨水等の侵入の
おそれもあるといった問題がある。
又前記実開昭61−95807号公報の取付工法では、取付
金物16を定規アングル3に固定するとき、溶接長さが不
十分になりやすく、且つ溶接が立上り溶接となるので作
業に熟練を要すること、使用する部分数が多くなりコス
ト高になる。パネルの上部及び下部の埋込金物の位置精
度が正確であることが必要となるなどの欠点があった。
本発明は、このような欠点を解消し、施工も極めて簡
単で耐震性にも優れ、費用も安価なパネルの取付工法を
提供することを目的とするものである。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは、前記の諸問題を解消し前記目的を達成
するために研究を進めた結果、本発明に到達したもので
ある。
すなわち本発明の工法は、下壁パネルの幅方向中央部
の上縁に縦断面T型の取付金物を、そのT型の垂直部が
外面側へ向くようにボルト止めして、これを定規アング
ルに溶接することにより上壁パネルの受金物とし、上壁
パネルの下部はイナヅマ型金物を用いて、定規アングル
と前記取付金物の上方に突出した部分とを挟み込むよう
にボルト止めし、パネルの縦方向ジョイント部は定規ア
ングルに取付けた受プレートによりパネルと定規アング
ルとを等間隔に保つように構成したものである。
〔実施例〕
以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。
第1図は本発明工法に従ってパネルを取付けた一実施
例を示す部分正面図、第2図は第1図のA−A断面図、
第3図は同じくB−B断面図、第4図aは取付金物の一
例の斜視図、第5図はイナヅマ型金物の斜視図、第6図
は受プレートの斜視図である。
1は梁で通常H型鋼が用いられ、3は定規アングルで
ある。26は縦断面T型の取付金物、27は上壁パネル、28
は下壁パネルであって、取付金物26は第4図aに示すよ
うな縦断面T型で、パネル内面に接する垂直部29aには
縦長の孔30があり、取付ボルト31でパネル28上部中央に
埋設されたネジ孔付埋込金物32に螺合されている。取付
金物26のT型の垂直部の上面33は上壁パネル27の受金物
となり、下壁パネル28の上面とは少し隙間をあけて定規
アングル3に溶接固定されている。
34はイナヅマ型金物で上部に縦長の孔35があり、折り
曲げられた段差はT型の取付金物の厚さと定規アングル
のフランジ厚さの合計と略同じになっていて、取付ボル
ト36でパネル27下部中央に埋設されたネジ孔付埋込金物
32に螺合されている。定規アングル3のパネル縦方向ジ
ョイント部には、第3図に示すように受プレート37が取
付けられている。この受プレート37は、例えば第6図a
に示されるように鉄板を断面U字型に折り曲げて定規ア
ングル3に引っ掛けて固定できるようになっており、裾
長部38の厚さはT型の取付金物26と同じ厚さになってい
て、上壁パネル27の下部内面と定規アングル3の外面と
の間隔を、下壁パネル28の上部内面と定規アングル3の
外面との間隔と等しくするようになっているが、裾長部
38の長さを下壁パネル28の上端よりも下へ延長してある
と、パネルの縦方向ジョイント部及び横方向ジョイント
部の四つの隅が受プレートに当接するので都合がよい。
この受プレート37は、第6図bに示すように薄い鉄板に
ひだをつけて、所望の目的を達成することもできる。
第4図b〜eに示すものは取付金物26の他の例であっ
て、ここに示すものは、いずれも1枚の鉄板に切れ目を
入れて、その一部を直角に折り曲げて構成されている。
従ってその縦断面はT型を形成しており、T字型の垂直
部の取付け位置等にそれぞれ相違はあるものの、取付金
物26の孔30によりボルトを用いて下壁パネル28の中央上
縁に取付けた状態で、T字型の垂直部取付位置より上方
へ延びた部分29bが存在し、且つ水平な部分33が孔30の
位置に対してアンバランスになっていなければよい。
取付金物は第4図a〜eのように折り曲げたものでな
く、T字型に溶接したものでもよい。
使用するALCパネルの縦方向の側面は、セメントモル
タル等を用いて固定することなく、所謂乾式工法であ
り、側面の形状は突付け、本ざね加工、雇いざね加工等
を用いて、少なくとも面内方向には相互に固定していな
いで、地震の際各パネルがロッキング可能の状態になっ
ていることが必要である。
ALCパネル内のネジ孔付埋込金物32は、例えば出願人
が提案した実開昭60−152715号に記載した形式でパネル
短辺小口から電動チェーンソー等によってアンカー部材
用孔を掘り込み、且つパネル表面からこれに直交するよ
うに取付ボルト用盲孔を穿孔し、ネジ孔付埋込金物32を
埋設固定することができる。
次にパネルの取付方法について説明する。
一層下のパネルを建込むときには、パネル上部中央に
埋設されたネジ孔付埋込金物32に、取付金物26のT型の
垂直部がパネル上縁にかぶさるように、ボルト31により
取付けて一層下の取付金物26上に建込まれる。また定規
アングル3のパネル縦方向ジョイント部には受プレート
37を順次差し込む。
次いで取付金物26のT型の垂直部の上面33は上壁パネ
ルの底面の位置に一致させた後、溶接により定規アング
ルに固定する。上壁パネルの建込みは固定されたT型取
付金物のT型の垂直部の上面33にパネル中央部を載せ、
イナヅマ型金物34の長手方向を略垂直にして、取付金物
26の上方への突出部29bと、定規アングル3の垂直部と
を上壁パネルの下端で挟み込むように、ボルト36を上壁
パネル中央下部に埋設したネジ孔付埋込金物32に螺合さ
せて固定する。イナヅマ型金物は建込み前にボルトでパ
ネルに仮止めしておいてもよい。
受プレートは上壁パネルを取付けてから後で取付けて
もよい。
〔効果〕
本発明の取付工法によれば、セメントモルタル等を使
用しない所謂乾式工法であるため取付工事が容易であ
り、施工速度が早く、使用する部品の構造も簡単で個数
も少なく、上壁パネル、下壁パネルの固定も、たとえば
パネル内のネジ孔付埋込金物の位置の精度が不正確であ
ったとしても、T型の取付金物が長孔を有するため融通
性が大きく、また耐震性に関してはパネル中央部に支持
点があり、パネル下部のイナヅマ型金物は定規アングル
に対してスライド可能であり、パネル上部も取付ボルト
を中心として回転可能であるため、地震時において鉄骨
躯体の層間変形を受けても、パネルはロッキング変形を
して追従することができ、その有効性は大なるものがあ
る。
また取付金物がT字型に形成されているので、上壁パ
ネルを建込むときパネル幅方向両端は受プレートで定規
アングルとの間隙が規制され、さらに中心部も定規アン
グルとの遊びがなく、強固に取付けることができるので
都合がよい。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明工法の一実施例を示す部分正面図、第2
図は第1図のA−A断面図、第3図は同じくB−B断面
図、第4図a〜eは取付金物の斜視図、第5図はイナヅ
マ型金物の斜視図、第6図は受プレートの斜視図、第7
〜9図は従来の工法を示す説明図、第10、11図は従来の
他の工法を示す説明図である。 1……梁、3……定規アングル、7,9……目地筋、16…
…取付金物、17……縦フランジ、18……垂下片、21……
開口部、23……横フランジ、24,37……受プレート、26
……取付金物、27……上壁パネル、28……下壁パネル、
31,36……取付ボルト、32……ネジ孔付埋込金物、34…
…イナヅマ型金物

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】梁の上面からその縁にやや突出して上向き
    定規アングルを固定し、下壁パネルは該パネルの上部内
    面中央部に、縦断面T型の取付金物をそのT型の垂直部
    が外面側へ向くように、該パネル上部中央に埋設された
    ネジ孔付埋込金物にボルト止めして建込み、該取付金物
    はそのT型の垂直部の上面を上壁パネル底面の位置に一
    致させた後定規アングルに固定し、定規アングルのパネ
    ル縦方向ジョイント部にはパネルと定規アングルとを等
    間隔に保持する受プレートを取付け、次いで上壁パネル
    は該取付金物上に建込み、イナヅマ型金物をその一面を
    上壁パネル内面に接し、他の一面を定規アングル鉛直部
    内面に接するように位置させて、上壁パネル下部中央に
    埋設されたネジ孔付埋込金物にボルト止めすることを特
    徴とするALC縦壁パネルの取付工法。
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