JP3909203B2 - カーテンウォールを利用した防振構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パネル方式のカーテンウォールの建物の防振性を向上させる技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
カーテンウォールとは、建物の外周を構成する非耐力壁で、建物躯体にファスナーを介して取り付けられる。そして、該カーテンウォールには、耐風圧・耐震・耐衝撃・断熱・遮音・水密・気密・耐久性等が求められている。この内の耐震性については、地震による建物大変形時において、該カーテンウォールを建物躯体に対してロッキングさせることにより、該カーテンウォールの落下及び破損に対する安全性が確保されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記カーテンウォールは、PCコンクリート等から構成されているため、カーテンウォール自体には十分な剛性がある。
【0004】
しかし、カーテンウォールは上記のロッキングを可能とするため、建物躯体である梁に設置したファスナーにとりつける、いわゆる吊り下げ構造等としている。このため、カーテンウォールに剛性があるにもかかわらず、該剛性は建物剛性の向上には活かされていないのである。以上のことから、外部からの微小振動の際の防振性は低く、外壁全体としては耐力壁と比較して防振性が劣っていたといえる。
【0005】
上述した外部からの微小振動には、一般道路、高速道路、及び新幹線の高架等から発生する交通振動が考えられる。これらの交通振動発生源の近くの建物においては、微小振動の影響を絶えず受けることになるため、微小振動時における建物剛性の向上が必要となる。とくに、住宅においては、早朝又は夜間においても微小振動を受けることにより、快適に睡眠をすることができない等、居住性を損ねる場合がある。また、人は早い揺れは感じにくく、ゆっくりとした揺れは感じやすいことから、建物剛性を高くすることにより、同一の振動に対しての建物の揺れの振動数を上げることによって、揺れの体感を少なくできるのである。
【0006】
以上の問題点に鑑み、発明者はカーテンウォール自体の剛性を微小振動に対する建物剛性の向上に作用させることを考え出したのである。即ち、本発明の課題とするところは、地震時には、建物大変形に追従させるロッキングの機能による安全性を保ちつつ、交通振動等の微小振動には、カーテンウォール自体の剛性を利用して建物剛性の向上を図ることである。尚、本発明が対象とするカーテンウォールは、構法をパネル方式とするものであり、PCカーテンウォール、発泡コンクリート、又はALC板等をいい、構法を方立式とするメタルカーテンウォール等は対象としないものとする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上のごとくであり、次に該課題を解決する為の手段を説明する。
【0008】
請求項1においては、カーテンウォール(1)で外壁を構成する建物の防振構造であって、隣接するカーテンウォール(1)を架橋する防振部材としての防振プレート(8)を、該カーテンウォール(1)と、カーテンウォール(1)の固定具(4)及びファスナー(3)との間に挟装したものである。
【0009】
請求項2においては、請求項1記載のカーテンウォールを利用した防振構造において、前記防振部材である防振プレート(8)は、固定具(4)によりカーテンォール(1)に取り付ける長孔(9)を有するプレートで構成したものである。
【0010】
請求項3においては、請求項1記載のカーテンウォールを利用した防振構造において、前記防振部材である防振プレートは、左右対称の一対の分割型防振プレート(10・10)部材で構成し、該分割型防振プレート(10・10)同士を、連結具としての連結ボルト(13)及び連結ナット(14)により一体化することで、隣接するカーテンウォール(1・1)を連結するものである。
【0011】
請求項4においては、カーテンウォールで外壁を構成する建物の防振構造であって、隣接するカーテンウォール(1)の内側壁面を、防振部材としてのビス止めプレート(25)により架橋固定し、該ビス止めプレート(25)は方形のプレートであって、中心点から放射線状に四本の長孔(26)を穿設し、該長孔(26)は、前記カーテンウォール(1)に取り付ける際に使用するビス(27)を挿通する為の長孔(26)であり、該長孔(26)を通してカーテンウォール(1)の内側壁面に、該ビス止めプレート(25)をビス止めするものである。
【0012】
請求項5においては、建物外壁を構成するカーテンウォール(1)の隣接部の端面を挟装する構成であって、カーテンウォール(1)の端部に固定された固定楔と、隣接するカーテンウォール(1)の端部に固定され、前記固定楔に打ち込む挿入楔とから構成したものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を、図面に基づいて説明する。図1は第一実施例の防振プレートの平面図、図2は第一実施例の取り付け部の詳細を表す図、図3は第一実施例の防振プレートを取り付けた場合の微小振動に対するカーテンウォールの振動の状態を表す図、図4は同じく建物大変形によるカーテンウォールのロッキングの状態を表す図、図5はカーテンウォールの取り付け部の側面視における詳細図、図6は同じく前面視における詳細図、図7は建物変形のない状態でのカーテンウォールの状態を表す図、図8は建物大変形時におけるカーテンウォールのロッキングの状態を表す図、図9は第二実施例の詳細を表す平面図、図10は同じく前面図、図11は第二実施例の分割型防振プレートを取り付けたカーテンウォールの取り付け部を表す図、図12は第三実施例のビス止めプレートの平面図、図13は第三実施例のビス止めプレートを取り付けた状態を表す側面図、図14は第三実施例の建物微小振動時のビス止めプレートの状態を表す側面図、図15はカーテンウォールがロッキングした場合の第三実施例のビス止めプレートの状態を表す側面図、図16は第四実施例の縦楔の斜視図、図17は同じく縦楔を取り付けた状態を表す図、図18は第五実施例の横楔受け及び横楔の斜視図、図19は同じく第五実施例の横楔受け及び横楔を取り付けた状態を示す側面図、図20は第六実施例の斜視図、図21は第七実施例の斜視図、図22は第八実施例の斜視図である。
【0014】
まず、図5乃至図8を用いて、本発明を適用する一般的なカーテンウォールの概要について説明する。図5及び図6に示す如く、該カーテンウォール1・1・・・は、建物躯体の梁2に対し、ファスナー3・3・・・及び固定具4・4・・・を介して取り付けられる構成としている。そして、該固定具4・4・・・には、長孔5・5・・・が穿設されており、地震等によって建物躯体(梁2)に大変形を生じた場合に、カーテンウォール1・1・・・を固定する固定ボルト6・6・・・が、該長孔5・5・・・を自由に動くことにより、カーテンウォール1・1・・・をロッキングさせ、該カーテンウォール1・1・・・が落下又は破損しないように構成している。尚、前記固定ボルト6・6・・・の締結トルクは建築施工基準に基づいて締結されており、通常の状態からロッキングの状態へ変化する際に要する外力の大きさは、該締結トルクによって、決定されている。以上の構成から、建物変形時には、図7に示す通常の状態から、図8のロッキングの状態になることにより、カーテンウォール1・1・・・を建物躯体の変形に追従できるようにしている。
【0015】
次に、本発明の防振部材の第一実施例について説明する。第一実施例は、図1及び図2に示す如く、カーテンウォール1・1と、該カーテンウォール1・1の固定具4・4及びファスナー3・3の間に、一枚の防振部材としての防振プレート8を挟装し、隣接するカーテンウォール1・1を連結する構成である。 該防振プレート8には、固定具4・4の長孔5・5に合わさる位置に、長孔9・9を配している。尚、該長孔9・9は、「U」字形の切欠きでもよい。こうして、図3に示すごとく、隣接するカーテンウォール1・1が、固定具4・4及びファスナー3・3に押さえつけられた防振プレート8により、一体化されるのである。そして、該防振プレート8を、全てのカーテンウォール1・1・・・の隣接部に配することで、各カーテンウォール1・1・・・を結合し、微小振動時では、全体として一枚のカーテンウォール1Aを構成するのである。
【0016】
以上のごとく構成し、図3に示す如く、微小振動による建物の微小変形時には、防振プレート8・8・・・が各カーテンウォール1・1・・・を架橋することで、カーテンウォール1・1・・・が全体として一枚のカーテンウォール1Aとして機能するため、該カーテンウォール1A自体の剛性により、建物全体の剛性を高めることができるのである。即ち、微小振動に対する防振性を向上させることができるのである。
【0017】
そして、図4に示す如く、大変形時においては、防振プレート8・8・・・による面圧ではカーテンウォール1・1・・・の震動を抑えられなくなる。そして、隣接するカーテンウォール1・1・・・間の架橋が解かれることで、上述した固定具4・4・・・の長孔5・5・・・及び防振プレート8・8・・・の長孔9・9・・・の中を、各カーテンウォール1・1・・・の固定ボルト6・6・・・が移動すること(ズレルこと)が可能となり、該防振プレート8・8・・・が存在しない状態と同様に、ロッキング状態となることができるのである。
【0018】
次に、本発明の防振部材の第二実施例について説明する。図9及び図10に示す如く、防振部材としての分割型防振プレート10は、平面視略「L」字形のプレートであって、前記固定具4・4・・・及びファスナー3・3とカーテンウォール1・1・・・の間に挟んで固定するものである。そして、挟まれる側の面には長孔11を配し、もう一面には連結孔12を配している。そして、図11に示す如く、以上のように構成した一対の分割型防振プレート(10・10)を用意し、各カーテンウォール1・1の固定具4・4の取り付け位置において、固定ボルト6・6により固定するのである。そして、隣接する分割型防振プレート10・10を、連結具としての連結ボルト13及び連結ナット14により一体化することで、隣接するカーテンウォール1・1を連結することにより、前記防振プレート8と同様の効果を奏するのである。
【0019】
なお、上記の如く分割型にすることにより、施工における作業性を向上することができる。これは、前述した防振プレート8(一体型)を施工する場合は、防振プレート8が隣接する二枚のカーテンウォール1・1にまたがる為、一方のカーテンウォール1を固定する際には、必ず、他方のカーテンウォール1を支えておく必要があるのである。すなわち、隣接するカーテンウォール1を支えておく人手(作業)を要するのである。しかし、分割型であれば、それぞれのカーテンウォール1・1・・・に分割型防振プレート10・10・・・を固定具4・4・・・により固定した後で、隣接する分割型防振プレート10・10・・・を連結することが可能となる。このため、上述したような隣接するカーテンウォール1を支えておく人手(作業)が必要ないのである。
【0020】
次に、本発明の防振部材の第三実施例について説明する。図12に示す如く、防振部材としてのビス止めプレート25は方形のプレートであって、中心点から放射線状に四本の長孔26・26・・・を配している。該長孔26・26・・・は、前記カーテンウォール1・1・・・に取り付ける際に使用するビス27・27・・・(図示しない)を挿通するためのものである。そして、図13に示す如く、隣接するカーテンウォール1・1・・・の間にビス27・27・・・(図示しない)によって、固設するのである。本実施例では、各カーテンウォール1・1・・・の上下方向において、中心となる位置に一つずつ取り付けた。しかし、該実施例に限ることなく、上下方向二箇所に均等に配してもよいし、より数多く取り付けてもよい。
【0021】
こうして、微小振動に対しては、図14に示す如く、ビス27・27・・・で止めつけられたビス止めプレート25の摩擦力により、カーテンウォール1・1・・・は振動しない。そして、地震時等の建物の変形が大きい際には、図15に示すごとく、ビス27・27・・・が長孔26・26・・・を移動し、各カーテンウォール1・1・・・がロッキング状態となるのである。以上のようにして、上述の第一乃至第三実施例と同じく、隣接するカーテンウォール1・1・・・同士を連結(固設)することにより、微小振動による防振性を向上させ、かつ大変形時のロッキング状態を可能にするのである。
【0022】
尚、以上の第一乃至第三実施例で述べた防振部材は、鋼材、ステンレス等の金属又は硬質樹脂等からなる成型品であって、建物微小振動に対して、弾性変形の範囲で耐えられる機械的強度を有することが必要である。
【0023】
次に、本発明の防振部材の第四実施例について説明する。図16に示す如く、縦楔30は、その表面31の上半分に勾配を配し、一方、その裏面32は平坦な面で構成した楔形状をなしている。さらに、表面31の勾配の部分には、複数(二列)のガイド溝33・33を配しており、その下部にはビス孔34が表面31から裏面32にかけて貫通している。尚、該ビス孔34の表面31側にはビス頭溝35(図17に示す)が施され、ビス36(図17に示す)で縦楔30をカーテンウォール1の端面に取り付けた際に、ビス36の頭が表面31から突出しないように構成している。
【0024】
そして、以上の縦楔30を二つ用いて、一対で使用するのである。図17に示す如く、固定楔としての縦楔30Aをカーテンウォール1の端面に、ビス36で取り付ける。その上から、挿入楔としての縦楔30Bを、該縦楔30Bと前記縦楔30Aのガイド溝33・33を嵌合させるようにして、縦楔30Aに打ち込むのである。本実施例では、該縦楔30A・30Bは、各カーテンウォール1・1・・・の隣接部の隙間に、上下方向に二箇所ずつに配置している。
【0025】
こうして、各カーテンウォール1・1・・・が、縦楔30A・Bを介してお互いが当接した状態となる。言い換えれば、各カーテンウォール1・1・・・を突っ張らせるので、各カーテンウォール1・1・・・が微小振動に対しては、振動することがなくなることから、カーテンウォール1・1・・・自体の剛性により、建物全体の剛性を高めることができるのである。即ち、微小振動に対する防振性を向上させることができるのである。
【0026】
そして、建物大変形時においては、カーテンウォール1・1・・・から受ける応力により、ビス止めされていない縦楔30Bが、ビス止めされた縦楔30Aから嵌合を解かれることにより、各カーテンウォール1・1・・・がロッキング状態となるのである。以上の構成により、建物大変形時のロッキング状態への対応を可能としたまま、微小振動に対する建物全体の剛性を向上させることができるのである。
【0027】
次に、本発明の防振部材の第五実施例について説明する。図18に示す如く、固定楔としての横楔受け40は、挿入楔としての横楔41を受けるものであって、二箇所に勾配の異なる段付部43A・43Bを構成している。そして、中央には、前記縦楔30と同様にビス孔34、及びビス頭溝35が施されている。そして、図19に示す如く、横楔受け40をカーテンウォール1の端面に、ビス36で取り付ける。そして、勾配の異なる段付部43A・43Bのうちから、横楔41がカーテンウォール1・1・・・の間の隙間に嵌合されるように、適当な方を選択して、横楔41を段付部43A・43Bのいずれかに打ち込むのである。
【0028】
このように、勾配の異なる段付部43A・43Bを構成したのは、各カーテンウォール1・1・・・の隙間の幅に施工誤差が生じるからである。そこで、本実施例では、勾配(深さ)の違う段付部43A・43Bの構成することにより、さまざまなカーテンウォール1・1・・・の幅に対応するようにしているのである。また、該横楔受け40は、前記縦楔30A・30Bと同様に、各カーテンウォール1・1・・・の隣接部の隙間に、上下方向に二箇所ずつに配置している。
【0029】
こうして、各カーテンウォール1・1・・・は、横楔受け40と横楔41を介して、お互いが当接した状態となる。言い換えれば、各カーテンウォール1・1・・・を突っ張らせるので、各カーテンウォール1・1・・・が微小振動に対しては、振動することがなくなることから、カーテンウォール1・1・・・自体の剛性により、建物全体の剛性を高めることができるのである。即ち、微小振動に対する防振性を向上させることができるのである。
【0030】
そして、建物大変形時においては、カーテンウォール1・1・・・から受ける応力により、横楔受け40と横楔41との嵌合が解かれることにより、各カーテンウォール1・1・・・がロッキング状態となるのである。以上の構成により、建物大変形時のロッキング状態への対応を可能としたまま、微小振動に対する建物全体の剛性を向上させることができるのである。
【0031】
また、第六実施例として、図20に示す如く、上記横楔受け40の段付部43A・43Bにガイド凸部45A・45Bを設け、横楔41においてはガイド溝46を構成することにより、横楔41を打ち込む際のズレがなくなり作業性を向上している。
【0032】
さらに、第七実施例として、図21に示す如く、上記横楔受け40のビス孔34については、横楔受け40の上下二箇所に構成してもよい。また、第八実施例として、図22においては、ガイド凸部45A・45Bを構成した実施例を示している。
【0033】
尚、以上の第四乃至第八実施例で述べた固定楔及び挿入楔は、制作が容易であること、また滑り荷重が調整できるということから、硬質樹脂等からなる成型品とすることが望ましい。
【0034】
【発明の効果】
本発明は以上のごとく構成したので、次のような効果を奏するのである。すなわち、請求項1のごとく、カーテンウォール1・1・・・で外壁を構成する建物の防振構造であって、隣接するカーテンウォール1・1・・・同士を架橋する防振部材(防振プレート8・8・・・)を、カーテンウォール1・1・・・と該カーテンウォール1・1・・・の固定具4・4・・・及びファスナー3・3・・・との間に挟装したので、図3に示す如く、微小振動による建物の微小変形時には、防振部材としての防振プレート8・8・・・が各カーテンウォール1・1・・・を架橋することで、カーテンウォール1・1・・・が全体として一枚のカーテンウォール1Aとして機能するため、該カーテンウォール1A自体の剛性により、微小変形(振動)時における建物全体の剛性を高めることができるのである。即ち、微小振動に対する防振性を向上させることができるのである。
【0035】
また、請求項2に記載のごとく、前記防振部材は、固定具4・4・・・に取り付ける長孔9・9・・・を有するプレートで構成するので、図3に示す如く、微小振動による建物の微小変形時には、防振部材としての防振プレート8・8・・・が各カーテンウォール1・1・・・を架橋することで、カーテンウォール1・1・・・が全体として一枚のカーテンウォール1Aとして機能するため、該カーテンウォール1A自体の剛性により、微小変形時の建物全体の剛性を高めることができるのである。即ち、微小振動に対する防振性を向上させることができるのである。また、従来のカーテンウォール1・1・・・の固定具に取り付け可能であるため、設計変更をする必要がない。さらには、一枚のプレートで構成しているため、製作コストが安く済み、さらに、施工現場での加工作業が必要ないので、施工コストも従来のまま維持することができるのである。
【0036】
また、請求項3に記載のごとく、前記防振部材は、左右対称の一対の部材で構成し、該部材同士を連結具で連結するので、微小振動による建物の微小変形時には、防振部材としての分割型防振プレート10・10が各カーテンウォール1・1・・・を架橋することで、図3で示した第一実施例の防振プレート8の場合と同様に、カーテンウォール1・1・・・が全体として一枚のカーテンウォール1Aとして機能するため、該カーテンウォール1A自体の剛性により、微小変形時の建物全体の剛性を高めることができるのである。即ち、微小振動に対する防振性を向上させることができるのである。また、従来のカーテンウォール1・1・・・の固定具に取り付け可能であるため、設計変更をする必要がない。さらに、それぞれのカーテンウォール1・1・・・に分割型防振プレート10・10・・・を固定具4・4・・・により固定した後で、隣接する分割型防振プレート10・10・・・を連結することが可能となり、施工における作業性を向上させることができるのである。
【0037】
また、請求項4に記載のごとく、カーテンウォール1・1・・・で外壁を構成する建物の防振構造であって、隣接するカーテンウォール1・1・・・の内側壁面を防振部材により架橋するので、図3で示した第一実施例の防振プレート8の場合と同様に、カーテンウォール1・1・・・が全体として一枚のカーテンウォール1Aとして機能するため、該カーテンウォール1A自体の剛性により、建物全体の剛性を高めることができるのである。即ち、微小振動に対する防振性を向上させることができるのである。また、前記防振部材は、複数の長孔を有したプレートで構成し、該長孔を通してカーテンウォール1・1・・・の内側壁面にビス止めするので、防振部材としてのビス止めプレート25が、図3で示した第一実施例の防振プレート8の場合と同様に、カーテンウォール1・1・・・が全体として一枚のカーテンウォール1Aとして機能するため、該カーテンウォール1A自体の剛性により、微小変形時の建物全体の剛性を高めることができるのである。即ち、微小振動に対する防振性を向上させることができるのである。
【0038】
また、請求項5に記載のごとく、建物外壁を構成するカーテンウォール1・1・・・の隣接部の端面に挟装する構成であって、カーテンウォール1・1・・・の端部に固定された固定楔と、該固定楔に打ち込む挿入楔とから構成したので、該固定楔及び挿入楔が各カーテンウォール1・1・・・を突っ張らせるので、各カーテンウォール1・1・・・が微小振動に対しては、振動することがなくなることから、カーテンウォール1・1・・・自体の剛性により、微小変形時の建物全体の剛性を高めることができるのである。即ち、微小振動に対する防振性を向上させることができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第一実施例の防振プレートの側面図である。
【図2】 第一実施例の取り付け部の詳細を表す図である。
【図3】 第一実施例の防振プレートを取り付けた場合の微小振動に対するカーテンウォールの振動の状態を表す図である。
【図4】 同じく建物大変形によるカーテンウォールのロッキングの状態を表す図である。
【図5】 カーテンウォールの取り付け部の側面視における詳細図である。
【図6】 同じく前面視における詳細図である。
【図7】 建物変形のない状態でのカーテンウォールの状態を表す図である。
【図8】 建物大変形時におけるカーテンウォールのロッキングの状態を表す図である
【図9】 第二実施例の詳細を表す平面図である。
【図10】 同じく前面図である。
【図11】 第二実施例の分割型防振プレートを取り付けたカーテンウォールの取り付け部を表す図である。
【図12】 第三実施例のビス止めプレートの平面図である。
【図13】 第三実施例のビス止めプレートを取り付けた状態を表す側面図である。
【図14】 第三実施例の建物微小振動時のビス止めプレートの状態を表す側面図である。
【図15】 カーテンウォールがロッキングした場合の第三実施例のビス止めプレートの状態を表す側面図である。
【図16】 第四実施例の縦楔の斜視図である。
【図17】 同じく縦楔を取り付けた状態を表す図である。
【図18】 第五実施例の横楔受け及び横楔の斜視図である。
【図19】 同じく第五実施例の横楔受け及び横楔を取り付けた状態を示す側面図である。
【図20】 第六実施例の斜視図である。
【図21】 第七実施例の斜視図である。
【図22】 第八実施例の斜視図である。
【符号の説明】
1 カーテンウォール
1A カーテンウォール
2 梁
3 ファスナー
4 固定具
5 長孔
6 固定ボルト
8 防振プレート
9 長孔
30 縦楔
33 ガイド溝
34 ビス孔
36 ビス
40 横楔受け
41 横楔
43A 段付部
43B 段付部
Claims (5)
- カーテンウォール(1)で外壁を構成する建物の防振構造であって、隣接するカーテンウォール(1)を架橋する防振部材としての防振プレート(8)を、該カーテンウォール(1)と、カーテンウォール(1)の固定具(4)及びファスナー(3)との間に挟装したことを特徴とするカーテンウォールを利用した防振構造。
- 請求項1記載のカーテンウォールを利用した防振構造において、前記防振部材である防振プレート(8)は、固定具(4)によりカーテンォール(1)に取り付ける長孔(9)を有するプレートで構成したことを特徴とするカーテンウォールを利用した防振構造。
- 請求項1記載のカーテンウォールを利用した防振構造において、前記防振部材である防振プレートは、左右対称の一対の分割型防振プレート(10・10)部材で構成し、該分割型防振プレート(10・10)同士を、連結具としての連結ボルト(13)及び連結ナット(14)により一体化することで、隣接するカーテンウォール(1・1)を連結することを特徴とするカーテンウォールを利用した防振構造。
- カーテンウォールで外壁を構成する建物の防振構造であって、隣接するカーテンウォール(1)の内側壁面を、防振部材としてのビス止めプレート(25)により架橋固定し、該ビス止めプレート(25)は方形のプレートであって、中心点から放射線状に四本の長孔(26)を穿設し、該長孔(26)は、前記カーテンウォール(1)に取り付ける際に使用するビス(27)を挿通する為の長孔(26)であり、該長孔(26)を通してカーテンウォール(1)の内側壁面に、該ビス止めプレート(25)をビス止めすることを特徴とするカーテンウォールを利用した防振構造。
- 建物外壁を構成するカーテンウォール(1)の隣接部の端面を挟装する構成であって、カーテンウォール(1)の端部に固定された固定楔と、隣接するカーテンウォール(1)の端部に固定され、前記固定楔に打ち込む挿入楔とから構成したことを特徴とするカーテンウォールを利用した防振構造。
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