JP3683120B2 - クロック再生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力信号からデジタルデータを再生するためのクロック信号を再生するクロック再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
入力信号からデジタルデータを再生する信号再生装置では、再生されたデジタルデータに同期したクロック信号を再生するためのクロック再生装置が用いられる。信号再生装置は、再生されたクロック信号のタイミングに従って入力信号の標本化などの処理を行う。以下、デジタルデータを再生するために適したクロック信号、すなわち、クロック再生装置が再生すべき理想的なクロック信号をデータクロックと呼ぶ。これに対し、クロック再生装置により実際に再生されるクロック信号を再生クロック信号と呼ぶ。
【0003】
ハードディスク装置や磁気テープ装置などの信号再生装置においては、記録媒体から再生された再生信号が入力信号として供給される。これらの装置では、デジタルデータを記録再生する方式としてPRML(Partial Response Maximum Likelihood )方式が用いられる。PRML方式を用いた信号再生装置では、再生信号がパーシャルレスポンス等化され、その後ビタビ復号器などにより最尤復号されることにより、記録媒体に記録されたデジタルデータが再生される。以下、PRML方式を用いた信号再生装置の再生信号処理部の従来技術について、図面を参照して説明する。なお、図19および図20において、矢印付きの細い信号線はアナログ信号または1ビットのデジタル信号を、矢印付きの太い信号線は2ビット以上のデジタル信号をそれぞれ表すものとする。
【0004】
図19は、第1の従来技術によるクロック再生装置を用いた信号再生装置の再生信号処理部の構成を示すブロック図である。この再生信号処理部の構成例は、例えば、Patrick K.D.Pai 他著、"A 160-MHz analog front-end IC for EPR-VI PRML magnetic storage read channels"、IEEE Journal of solid-state circuits、Vol.31、No.11 (1996年11月)に記載されている。図19に示す再生信号処理部において、クロック再生装置は符号101を付した部分である。再生信号10は、磁気ディスクあるいは磁気テープなどの記録媒体から再生された信号である。再生信号10には、データクロックに同期してデジタルデータが記録されているものとする。再生信号10は再生アンプ2において増幅され、増幅された再生信号はイコライザ3においてパーシャルレスポンス等化される。イコライザ3の出力信号は、AD変換器4おいて再生クロック信号11のタイミングで標本化および量子化され、復号器入力信号12に変換される。復号器入力信号12は、ビタビ復号器5においてビタビアルゴリズムにより最尤復号され、その復号結果が再生データ13として出力される。再生データ13がこの信号再生装置により再生されたデータとなる。
【0005】
一方、復号器入力信号12は位相誤差検出回路6に入力される。位相誤差検出回路6は、復号器入力信号12を入力として、データクロックと再生クロック信号11の位相誤差信号14を検出する。位相誤差信号14は、DA変換器7においてアナログ信号に変換され、ループフィルタ8を経て、発振制御信号15となる。発振制御信号15は、電圧制御発振器VCO(Voltage Controlled Oscillator )9に入力される。電圧制御発振器9は、発振制御信号15により制御される周波数で発振し、再生クロック信号11を生成する。再生クロック信号11はAD変換器4における標本化クロックとして使用される。第1の従来技術によるクロック再生装置101では、AD変換器4、位相誤差検出回路6、DA変換器7、ループフィルタ8、および電圧制御発振器9からなる帰還路により構成されるPLL(Phase Locked Loop )回路により、データクロックに同期した再生クロック信号11が生成される。
【0006】
第1の従来技術によるクロック再生装置101では、再生信号に対してパーシャルレスポンス等化を行うイコライザ3は、アナログ回路により構成されている。しかしながら、等化処理を高精度に無調整で行うため、あるいは等化処理をLSI内部に集積するためには、イコライザをデジタル回路で構成することが望まれる。図20は、第2の従来技術によるクロック再生装置を用いた信号再生装置の再生信号処理部の構成を示すブロック図である。図20に示す再生信号処理部において、クロック再生装置は符号102を付した部分である。第1の従来技術によるクロック再生装置101では、AD変換の前にアナログ回路で構成されたイコライザ3によりパーシャルレスポンス等化が行われるのに対し、第2の従来技術によるクロック再生装置102では、AD変換の後にデジタル回路で構成されたイコライザ16によりパーシャルレスポンス等化が行なわれる。第2の従来技術によるクロック再生装置102では、AD変換器4、イコライザ16、位相誤差検出回路6、DA変換器7、ループフィルタ8、および電圧制御発振器9からなる帰還路により構成されるPLL回路により、データクロックに同期した再生クロック信号11が生成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
以上のようなクロック再生装置におけるPLL回路では、データクロックと再生クロック信号11の同期がはずれた状態から、両クロック信号の同期がとれた状態になるために、両クロック信号の周波数の差について許容される誤差の範囲(以下、プルインレンジという)が広いことが望まれる。ところが、信号再生装置の再生信号処理部の構成として望ましい構成である第2の従来技術によるクロック再生装置102においては、プルインレンジが第1の従来技術によるクロック再生装置に比べて著しく狭くなるという問題がある。この理由は、イコライザ16がデジタル回路で構成されるため、イコライザ16内部において再生クロック信号11の周期を単位とした遅延が発生することにより、PLL回路の帰還ループ内の遅延量が増大し、このためデータクロックと再生クロック信号11の位相の差(以下、位相誤差という)を再生クロック信号11の制御に反映するのが遅れるためである。この問題は、再生信号の周波数変動が大きい磁気テープ装置において、特に顕著な問題となって現れる。このため、特に磁気テープ装置では図20に示す第2の構成を採用できないため、等化処理の高精度化や無調整化、あるいはLSIへの集積化が行えないという問題があった。
【0008】
本発明は、以上の課題を解決するためになされたものであって、PLL回路の帰還ループ内の遅延量が大きい場合であっても、広いプルインレンジを持ったクロック再生装置を提供することを目的とする。また、本発明は、広いプルインレンジを持つため、パーシャルレスポンス等化をデジタル処理で行え、等化処理の高精度化や無調整化、あるいはLSIへの高集積化が可能なクロック再生装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明のクロック再生装置は、入力信号からデジタルデータを再生するためのクロック信号を再生するクロック再生装置であって、
制御信号の供給を受け、前記制御信号に応じた周波数のクロック信号を発振クロック信号として生成する発振手段と、
前記発振クロック信号により前記入力信号を標本化し、前記入力信号の標本値を出力する標本化手段と、
前記標本値に基づき、前記デジタルデータの再生に使用すべきクロック信号に対する前記発振クロック信号の位相誤差を検出する位相誤差検出手段と、
前記標本値と前記標本値に対応する前記デジタルデータの推定値である仮判別結果とから、標本化された前記入力信号の品質の良否を判別する品質判別手段と、
前記位相誤差と前記品質判別手段による判別結果とに基づく位相周波数誤差信号を出力する位相周波数誤差検出手段と、
前記位相周波数誤差信号を平滑化して前記制御信号として前記発振手段に供給するフィルタ手段と、
を備え、
前記位相周波数誤差検出手段は、前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良であるときには前記位相誤差を出力し、前記品質が良から否へと変化した時点から少なくとも限定された所定期間は前記品質が良から否に変化した時点の前記位相誤差の符号に応じた誤差値を出力し、
前記発振クロック信号を、前記デジタルデータを再生するための前記クロック信号として出力することを特徴とする。
このような第1の発明によれば、位相誤差検出手段による位相誤差と品質判別手段による判別結果から得られた位相周波数誤差に基づいて発振クロック信号の周波数が制御されるので、データクロックと再生クロック信号の周波数が異なる状態からでも、両クロック信号の周波数と位相がともに一致した状態に復帰する、広いプルインレンジを持ったクロック再生装置を提供することができる。また、デジタル回路で実現されたイコライザをPLL回路の帰還ループ内に設けることができるため、等化処理の高精度化や無調整化、あるいはLSIへの高集積化の点で望ましいクロック再生装置を提供することができる。
【0011】
の発明のクロック再生装置は、入力信号からデジタルデータを再生するためのクロック信号を再生するクロック再生装置であって、
制御信号の供給を受け、前記制御信号に応じた周波数のクロック信号を発振クロック信号として生成する発振手段と、
前記発振クロック信号により前記入力信号を標本化し、前記入力信号の標本値を出力する標本化手段と、
前記標本値に基づき、前記デジタルデータの再生に使用すべきクロック信号に対する前記発振クロック信号の位相誤差を検出する位相誤差検出手段と、
前記標本値と前記標本値に対応する前記デジタルデータの推定値である仮判別結果とから、標本化された前記入力信号の品質の良否を判別する品質判別手段と、
前記発振クロック信号の周波数と所定の基準周波数との差を周波数誤差として検出する周波数誤差検出手段と、
前記位相誤差と前記品質判別手段による判別結果と前記周波数誤差とに基づく位相周波数誤差信号を出力する位相周波数誤差検出手段と、
前記位相周波数誤差信号を平滑化して前記制御信号として前記発振手段に供給するフィルタ手段と、
を備え、
前記位相周波数誤差検出手段は、前記周波数誤差の絶対値が閾値より小さいとき、前記品質が良である期間で前記位相誤差を出力し、前記品質が良から否へと変化した時点から少なくとも限定された所定期間は前記品質が良から否に変化した時点の前記位相誤差の符号に応じた誤差値を出力し、
前記発振クロック信号を、前記デジタルデータを再生するための前記クロック信号として出力することを特徴とする。
このような第の発明によれば、位相誤差検出手段による位相誤差、品質判別手段による判別結果、および周波数誤差検出手段による周波数誤差から求めた位相周波数誤差に基づいて発振クロック信号の周波数が制御されるので、第1の発明と比較してより広いプルインレンジを持ち、かつ周波数誤差検出手段が容易に実現できるクロック再生装置を提供することができる。
また、このような第2の発明によれば、位相誤差検出手段による位相誤差と周波数誤差検出手段による周波数誤差から得られた位相周波数誤差に基づいて発振クロック信号の周波数が制御されるので、第1の発明と比較してより広いプルインレンジを持ったクロック再生装置を提供することができ、第1の発明による効果はより顕著なものとなる。
【0013】
の発明のクロック再生装置は、入力信号からデジタルデータを再生するためのクロック信号を再生するクロック再生装置であって、
制御信号の供給を受け、前記制御信号に応じた周波数のクロック信号を発振クロック信号として生成する発振手段と、
前記発振クロック信号により前記入力信号を標本化し、前記入力信号の標本値を出力する標本化手段と、
前記標本値に基づき、前記デジタルデータの再生に使用すべきクロック信号に対する前記発振クロック信号の位相誤差を検出する位相誤差検出手段と、
前記標本値と前記標本値に対応する前記デジタルデータの推定値である仮判別結果とから、標本化された前記入力信号の品質の良否を判別する品質判別手段と、
前記位相誤差と前記品質判別手段による判別結果とに基づく位相周波数誤差信号を出力する位相周波数誤差検出手段と、
前記発振クロック信号の周波数と所定の基準周波数との差を周波数誤差として検出する周波数誤差検出手段と、
前記周波数誤差の絶対値が所定の閾値よりも小さいときには前記位相周波数誤差信号を選択し前記周波数誤差の絶対値が前記閾値よりも大きいときには前記周波数誤差を選択する選択手段と、
前記選択手段の出力を積分する積分手段と、
前記位相誤差検出手段の出力と前記積分手段の出力とを混合して前記制御信号として前記発振手段に供給する混合手段と、
を備え、
前記位相周波数誤差検出手段は、前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良であるときには前記位相誤差を出力し、前記品質が良から否へと変化した時点から少なくとも限定された所定期間は前記品質が良から否に変化した時点の前記位相誤差の符号に応じた誤差値を出力し、
前記発振クロック信号を、前記デジタルデータを再生するための前記クロック信号として出力することを特徴とする。
このような第の発明によれば、周波数誤差検出手段による周波数誤差の絶対値が所定の閾値より大きいときには、位相誤差検出手段による位相誤差と品質判別手段による判別結果から得られた位相周波数誤差に代えて、周波数誤差の積分結果と位相誤差検出手段の出力信号が混合された信号に基づき発振クロック信号の周波数が制御されるので、第1の発明と比較してより広いプルインレンジを持ち、データクロックと再生クロック信号の周波数と位相が一致するまでの時間が短く、かつ周波数誤差検出手段が容易に実現できるクロック再生装置を提供することができる。
また、このような第3の発明によれば、周波数誤差検出手段による周波数誤差の絶対値が所定の閾値より大きいときには、位相誤差検出手段による位相誤差に代えて、周波数誤差の積分結果と位相誤差検出手段の出力信号が混合された信号に基づき発振クロック信号の周波数が制御されるので、第1の発明と比較してより広いプルインレンジを持ち、かつデータクロックと再生クロック信号の周波数と位相が一致するまでの時間が短いクロック再生装置を提供することができる。
更にまた、このような第3の発明によれば、周波数誤差の絶対値が所定の閾値より大きいときには周波数誤差と同じ符号を持った所定の誤差値により発振クロック信号の周波数が制御されるので、データクロックと再生クロック信号の周波数と位相がともに確実に一致するクロック再生装置を提供することができる。
【0014】
の発明のクロック再生装置は、第1ないし3のいずれかの発明において、
前記品質判別手段は、
前記標本値に基づき前記デジタルデータを推定して前記仮判別結果として出力する仮判別手段と、
前記仮判別結果に基づき基準値を発生させる基準値発生手段と、
前記標本値と前記基準値との差分を求める演算手段と、
を含み、
前記差分に基づき前記品質の良否を判別することを特徴とする。
【0015】
の発明のクロック再生装置は、第の発明において、
前記基準値発生手段は、標本化された前記入力信号の振幅変化に追随した基準値を発生させることを特徴とする。
このような第の発明によれば、入力信号の振幅変化に追随して品質判別手段における基準値が変化するので、入力信号の振幅が時間の経過に伴い大きく変化する場合であっても、データクロックと再生クロック信号の周波数と位相がともに一致するクロック再生装置を提供することができる。
【0016】
の発明のクロック再生装置は、第の発明において、
前記品質判別手段は、前記差分の絶対値に基づく値を所定の閾値と比較し、前記比較の結果に基づき前記品質の良否を判別することを特徴とする。
【0017】
の発明のクロック再生装置は、第の発明において、
前記品質判別手段は、前記差分の自乗値に基づく値を所定の閾値と比較し、前記比較の結果に基づき前記品質の良否を判別することを特徴とする。
【0018】
の発明のクロック再生装置は、第の発明において、
前記品質判別手段は、ローパスフィルタを含み、前記ローパスフィルタ通過後の前記差分を所定の閾値と比較し、前記比較の結果に基づき前記品質の良否を判別することを特徴とする。
このような第の発明によれば、ローパスフィルタ通過後の差分に基づいて入力信号の品質が判別されるので、入力信号に含まれる雑音の影響を受けずに、データクロックと再生クロック信号の周波数と位相がともに確実に一致するクロック再生装置を提供することができる。
【0019】
の発明のクロック再生装置は、第1またはのいずれかの発明において、
前記位相周波数誤差検出手段は、前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良から否へと変化する毎に前記位相誤差の符号を取り込んで保持し、前記品質が良であるときには前記位相誤差を出力し、前記品質が否であるときには前記保持された符号に応じた所定の誤差値を出力することを特徴とする。
このような第の発明によれば、品質が否に変化したときに保持された符号により定まる所定の値を誤差値とするので、データクロックと再生クロック信号の周波数と位相がともに確実に一致するクロック再生装置を提供することができる。
【0020】
第1の発明のクロック再生装置は、第1またはのいずれかの発明において、
前記位相周波数誤差検出手段は、
前記位相誤差を平滑化する位相誤差フィルタ手段を含み、
前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良から否へと変化する毎に前記位相誤差フィルタ手段の出力信号の符号を取り込んで保持し、前記品質が良であるときには前記位相誤差を出力し、前記品質が否であるときには前記保持された符号に応じた所定の誤差値を出力することを特徴とする。
このような第1の発明によれば、位相誤差フィルタ手段通過後の位相誤差により入力信号の品質が判別されるので、入力信号に含まれる雑音の影響を受けずに、データクロックと再生クロック信号の周波数と位相がともに確実に一致するクロック再生装置を提供することができる。
【0021】
第1の発明のクロック再生装置は、第1またはのいずれかの発明において、
前記位相周波数誤差検出手段は、
前記位相誤差を平滑化する位相誤差フィルタ手段を含み、
前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良から否へと変化する毎に前記位相誤差フィルタ手段の出力信号の符号を取り込んで保持し、前記品質が良であるときには前記位相誤差を出力し、前記品質が否であるときには前記品質が否であると判別された時点から所定の時間内に限り前記保持された符号に応じた所定の誤差値を出力することを特徴とする。
このような第1の発明によれば、位相誤差フィルタ手段通過後の位相誤差により入力信号の品質が判別されるので、入力信号に含まれる雑音の影響を受けずに、データクロック再生クロック信号の周波数と位相がともに確実に一致し、かつ品質が否である期間が所定の時間内に制限されているので、再生クロック信号の周波数がデータクロックの周波数から誤って大きくずれることがないクロック再生装置を提供することができる。
【0023】
第1の発明のクロック再生装置は、第の発明において、
前記位相周波数誤差検出手段は、前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良から否へと変化する毎に前記位相誤差の符号を取り込んで保持し、前記周波数誤差の絶対値が所定の閾値より大きいときには、前記周波数誤差と同じ符号を持った所定の第1誤差値を出力し、前記周波数誤差の絶対値が前記閾値より小さいときには、前記品質が良である期間で前記位相誤差を出力し前記品質が否である期間で前記保持された符号に応じた所定の第2誤差値を出力することを特徴とする。
このような第1の発明によれば、周波数誤差の絶対値が所定の閾値より大きいときには第の発明と同様に動作し、その後周波数誤差の絶対値が所定の閾値より小さくなったときには、第の発明と同様に動作するので、データクロックと再生クロック信号の周波数と位相がともに確実に一致するクロック再生装置を提供することができる。
【0024】
第1の発明のクロック再生装置は、第の発明において、
前記位相周波数誤差検出手段は、
前記位相誤差を平滑化する位相誤差フィルタ手段を含み、
前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良から否へと変化する毎に前記位相誤差フィルタ手段の出力信号の符号を取り込んで保持し、前記周波数誤差の絶対値が所定の閾値より大きいときには、前記周波数誤差と同じ符号を持った所定の第1誤差値を出力し、前記周波数誤差の絶対値が前記閾値より小さいときには、前記品質が良である期間で前記位相誤差を出力し前記品質が否である期間で前記保持された符号に応じた所定の第2誤差値を出力することを特徴とする。
このような第1の発明によれば、周波数誤差の絶対値が所定の閾値より大きいときには第の発明と同様に動作し、その後周波数誤差の絶対値が所定の閾値より小さくなったときには、第1の発明と同様に動作するので、入力信号に含まれる雑音の影響を受けずに、データクロックと再生クロック信号の周波数と位相がともに確実に一致するクロック再生装置を提供することができる。
【0025】
第1の発明のクロック再生装置は、第の発明において、
前記位相周波数誤差検出手段は、
前記位相誤差を平滑化する位相誤差フィルタ手段を含み、
前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良から否へと変化する毎に前記位相誤差フィルタ手段の出力信号の符号を取り込んで保持し、前記周波数誤差の絶対値が所定の閾値より大きいときには、前記周波数誤差と同じ符号を持った所定の第1誤差値を出力し、前記周波数誤差の絶対値が前記閾値より小さいときには、前記品質が良である期間で前記位相誤差を出力し前記品質が否である期間では前記品質が否であると判別された時点から所定の時間内に限り前記保持された符号に応じた所定の第2誤差値を出力することを特徴とする。
このような第1の発明によれば、周波数誤差の絶対値が所定の閾値より大きいときには第の発明と同様に動作し、その後周波数誤差の絶対値が所定の閾値より小さくなったときには、第1の発明と同様に動作するので、入力信号に含まれる雑音の影響をうけずに、再生クロック信号の周波数がデータクロックの周波数から誤って大きくずれることがない、データクロックと再生クロック信号の周波数と位相がともに確実に一致するクロック再生装置を提供することができる。
【0027】
第1の発明のクロック再生装置は、第1または2のいずれかの発明において、
前記フィルタ手段は、前記位相周波数誤差検出手段の出力を積分する積分手段を含むことを特徴とする。
このような第1の発明によれば、検出された位相周波数誤差の変化に対して発振手段が生成する再生クロック信号の周波数がなめらかに変化するクロック再生装置を提供することができる。
【0028】
16の発明のクロック再生装置は、第1ないしのいずれかの発明において、
前記標本化手段は、前記発振クロック信号により標本化された前記入力信号を等化して前記標本値として出力する等化手段を含むことを特徴とする。
このような第16の発明によれば、PRML方式を採用した信号再生装置の再生信号処理部に用いられるクロック再生装置を提供することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、図1から図18において、同じ機能のブロックには同じ符号を付している。また、回路の構成を示すブロック図においては、矢印付きの細い信号線はアナログ信号または1ビットのデジタル信号を、矢印付きの太い信号線は2ビット以上のデジタル信号をそれぞれ表すものとする。
【0030】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施形態であるクロック再生装置を用いた信号再生装置の再生信号処理部の構成を示すブロック図である。図1に示す再生信号処理部において、本発明の第1の実施形態であるクロック再生装置は符号111を付した部分である。記録媒体から再生された再生信号10は、再生アンプ2において増幅され、AD変換器4において再生クロック信号11のタイミングで標本化および量子化され、デジタル再生信号17に変換される。デジタル再生信号17は、イコライザ16においてデジタル処理によりパーシャルレスポンス等化され、復号器入力信号12となる。ここで、イコライザ16は、データ記録系からデータ再生系までの系のインパルス応答が(1、0、−1)であるパーシャルレスポンス・クラス4による等化処理を行う。復号器入力信号12はビタビ復号器5においてビタビアルゴリズムにより最尤復号され、記録媒体に記録されていたデジタルデータが再生データ13として出力される。
【0031】
一方、復号器入力信号12は、ビタビ復号器5とともに、位相誤差検出回路6および信号品質判別回路21に入力される。位相誤差検出回路6は、復号器入力信号12を入力として、後述する手段によりデータクロックと再生クロック信号11の位相誤差を検出し、その結果を位相誤差信号25として出力する。信号品質判別回路21は、復号器入力信号12を入力として、後述する手段により復号器入力信号12に係る信号品質を判別して、その結果を品質判別信号26として出力する。位相誤差信号25および品質判別信号26は位相周波数誤差検出回路22に入力される。位相周波数誤差検出回路22は、後述する手段により位相誤差信号25および品質判別信号26から位相周波数誤差信号27を求める。位相周波数誤差信号27はループフィルタ23に入力される。ループフィルタ23は、主として位相誤差に対する応答特性を決める係数回路20、主として周波数誤差に対する応答特性を決める係数回路19、加算回路30、遅延回路28、および加算回路29から構成される。ここで、加算回路30と遅延回路28は、係数回路19の出力信号である位相周波数誤差乗算結果91をクロックごとに積分する積分回路を構成する。ループフィルタ23の出力信号であるフィルタ出力信号18は、DA変換器24においてアナログ信号に変換され発振制御信号15となる。発振制御信号15は電圧制御発振器9に入力される。電圧制御発振器9は発振制御信号15に応じた周波数で発振し、再生クロック信号11を生成する。電圧制御発振器9は、発振制御信号15の値が大きいほど高い周波数で発振するものとする。再生クロック信号11はAD変換器4の標本化クロックとして使用される。
【0032】
クロック再生装置111において、AD変換器4、イコライザ16、位相誤差検出回路6、信号品質判別回路21、位相周波数誤差検出回路22、ループフィルタ23、DA変換器24、および電圧制御発振器9からからなる帰還ループはPLL回路を構成する。このPLL回路を構成する機能ブロックのうち、本実施形態を特徴づける要素である位相誤差検出回路6、信号品質判別回路21、および位相周波数誤差検出回路22の構成と動作について説明する。
【0033】
図2は、位相誤差検出回路6の構成を示すブロック図である。図2に示す位相誤差検出回路は、復号器入力信号12を1クロック期間だけ遅延させる遅延回路36、復号器入力信号12を所定の閾値と比較して、1、0、あるいは−1の3値のうちいずれかの値を出力する3値判別回路31、3値判別回路31の出力を1クロック期間だけ遅延させる遅延回路32、復号器入力信号12と遅延回路32の出力を乗算する乗算回路33、遅延回路36の出力と3値判別回路31の出力を乗算する乗算回路34、および、乗算回路34の出力と乗算回路33の出力の差分を求める減算回路35から構成される。この構成により、位相誤差検出回路6は、復号器入力信号12を入力として、データクロックと再生クロック信号11の位相誤差を再生クロック信号11の1クロックごとに検出し、その結果を位相誤差信号25として出力する。位相誤差検出回路6の動作の詳細については、例えば、Roy D. Cideciyan他著、"A PRML system for digital magnetic recording"、IEEE Journal on selected areas in communications、Vol.10、No.1(1992年1月)に記載されている。データクロックと再生クロック信号11の位相誤差を横軸に、位相誤差信号25の値を縦軸にそれぞれとったグラフにより位相誤差検出回路6の特性を表すと、その位相比較特性は図3に示すようになる。
【0034】
図4は、信号品質判別回路21の構成を示すブロック図である。図4に示す信号品質判別回路において、復号器入力信号12は3値判別回路37および減算回路39に入力される。復号器入力信号12はパーシャルレスポンス・クラス4等化された信号であるため、雑音や位相誤差が無いときは「A」、「0」あるいは「−A」(ただし、Aは所定の振幅を表す定数)のいずれかの値をとる。しかし実際には、雑音や位相誤差の発生により、復号器入力信号12の値は上記の3つの値を含んだある範囲に分布する。そこで、3値判別回路37は、復号器入力信号12が「A/2」より大きいときは値「1」を、復号器入力信号12が「−A/2」以上かつ「A/2」以下のときは値「0」を、「−A/2」より小さいときは値「−1」をそれぞれ選択して仮判別信号43として出力する。選択回路38は、仮判別信号43が「1」、「0」あるいは「−1」である場合に、それぞれ値「A」、値「0」あるいは値「−A」を選択して、基準値信号44として出力する。3値判別回路37において正しく仮判別が行われた場合には、基準値信号44は復号器入力信号12から雑音やデータクロックと再生クロック信号11の位相誤差を除いた値となる。減算回路39は、復号器入力信号12と基準値信号44との差分45を求める。差分45は絶対値回路40において絶対値に変換され、ローパスフィルタ(Low Pass Filter :LPF)41において平滑化されて、誤差信号46となる。誤差信号46は、復号器入力信号12についての理想値と実際値との差の平均的な大きさを表す。比較回路42は誤差信号46を所定の閾値と比較し、復号器入力信号12に係る信号品質を以下のように判別する。すなわち、比較回路42は、誤差信号46が所定の閾値以下である場合は信号品質「良」を表す値Lレベル(ローレベル)を、誤差信号46が所定の閾値より大きい場合は信号品質「否」を表す値をHレベル(ハイレベル)をそれぞれ品質判別信号26として出力する。なお、図4に示す信号品質判別回路では、差分45に対して絶対値回路40においてその絶対値を取る構成としたが、これに代えて、差分45に対して自乗値を取る構成としても良い。
【0035】
図5は、位相周波数誤差検出回路22の構成を示すブロック図である。図5に示す位相周波数誤差検出回路おいて、位相誤差信号25は符号保持回路48および選択回路49に入力される。品質判別信号26は立ち上がり検出回路47および選択回路49に入力される。立ち上がり検出回路47は、品質判別信号26の立ち上がりを検出した時は値「1」を、品質判別信号26の立ち上がりを検出しない時は値「0」をそれぞれ品質変化信号50として出力する。品質変化信号50は符号保持回路48に入力される。符号保持回路48は、品質変化信号50が「1」である時に位相誤差信号25の符号を取り込んで保持し、その値を保持符号信号51として出力する。保持符号信号51は選択回路49に入力される。選択回路49には、品質判別信号26、保持符号信号51、位相誤差信号25、および所定の値「B」と「−B」が入力される。選択回路49は、品質判別信号26がLレベルの場合は位相誤差信号25を、品質判別信号26がHレベルでかつ保持符号信号51が正の場合は値「B」を、品質判別信号26がHレベルでかつ保持符号信号51が負の場合は値「−B」を、それぞれ選択して出力する。
【0036】
次に、データクロックと再生クロック信号11の周波数が異なった状態から、両クロック信号の周波数が一致し、位相同期がとれた状態に至るまでの本実施形態のクロック再生装置111の動作について説明する。
【0037】
図6は、データクロックの周波数が再生クロック信号11の周波数よりも高い値に変化した場合について、本実施形態のクロック再生装置111の動作を説明するための信号波形図である。図6(a)は、データクロックと再生クロック信号11との位相差の変化を−πからπの範囲で示した図である。図6(b)、図6(c)および図6(d)は、それぞれ位相誤差信号25、品質判別信号26および位相周波数誤差信号27の変化を示す図である。図6(e)は、データクロックおよび再生クロック信号11の周波数の変化を示す図である。図6(e)において、破線および実線はそれぞれデータクロックおよび再生クロック信号11の周波数の変化を表す。
【0038】
(期間1) 時刻t1以前
PLL回路は同期がとれた状態にあり、データクロックと再生クロック信号11の周波数と位相はともに一致した状態であるとする。
【0039】
(期間2) 時刻t1から時刻t2まで
時刻t1に、データクロックの周波数がf1からより高い周波数であるf2に変化し、その結果PLL回路の同期がはずれた状態になったとする。時刻t1以降、データクロックの周波数に対して再生クロック信号11の周波数は相対的に低くなり、再生クロック信号11の周期はデータクロックの周期より相対的に長くなる。このため、再生クロック信号11のタイミングで標本化された復号器入力信号12の位相は1クロックごとに進む。この結果、図6(a)に示す位相差は0から正の方向にずれ、これに対応して位相誤差信号25は図6(b)に示すように変化する。時刻t2までは位相差が小さいため、図6(c)に示す品質判別信号26はLレベルであり、位相周波数誤差検出回路22は位相周波数誤差信号27として位相誤差信号25を選択する。このため、位相周波数誤差信号27は図6(d)に示すように変化する。したがって、図6(e)において実線で示すように、位相周波数誤差信号27の変化に対応して再生クロック信号11の周波数はわずかに上昇する。
【0040】
(期間3) 時刻t2から時刻t3まで
位相差が大きくなるに従い位相誤差信号25も大きくなり、時刻t2において品質判別信号26がHレベルに変化する。位相周波数誤差検出回路22は、時刻t2における位相誤差信号25の符号である値「正」を符号保持回路48に取り込む。このため、時刻t2以降、位相周波数誤差信号27として値「B」が選択される。その後、位相差が再び小さくなり、時刻t3において品質判別信号26がLレベルに変化するまで、位相周波数誤差信号27が値「B」である状態が維持される。この結果、フィルタ出力信号18は、加算回路30と遅延回路28により構成される積分回路により積分されて上昇し、再生クロック信号11の周波数は上昇する。
【0041】
(期間4) 時刻t3から時刻t4まで
位相差が再び小さくなり、時刻t3から時刻t4までは品質判別信号26がLレベルとなる。この期間、位相周波数誤差検出回路22は位相周波数誤差信号27として位相誤差信号25を選択する。この期間について位相周波数誤差信号27を積分するとほぼ零になるため、フィルタ出力信号18の直流成分はほとんど変化しない。したがって、再生クロック信号11の周波数はほとんど変化しない。
【0042】
(期間5) 時刻t4から時刻t5まで
位相差が再び大きくなり、時刻t4から時刻t5までは品質判別信号26がHレベルとなる。この期間における回路の動作は時刻t2から時刻t3までの期間における動作と同様であるため、再生クロック信号11の周波数はさらに上昇し、データクロックの周波数であるf2に近づく。ただし、再生クロック信号11の周波数がf2に近づくため、位相差の変化はゆるやかになる。
【0043】
(期間6) 時刻t5から時刻t6まで
回路は時刻t3から時刻t4までの期間と同様の動作を行う。このため、再生クロック信号11の周波数はほとんど変化しない。
【0044】
(期間7) 時刻t6から時刻t7まで
回路は時刻t2から時刻t3までの期間と同様の動作を行う。このため、再生クロック信号11の周波数はさらに上昇し、ついにはf2をやや上回る状態になる。
【0045】
(期間8) 時刻t7から時刻t8まで
位相差が再び小さくなり、時刻t7において品質判別信号26がLレベルに変化し、かつ、時刻t7における再生クロック信号11の周波数はf2に十分近くなる。時刻t7以降、PLL回路の通常の引き込み動作により、再生クロック信号11の周波数と位相はデータクロックの周波数と位相にそれぞれ近づく。この結果、時刻t8においてデータクロックと再生クロック信号11の周波数と位相がともに一致した状態となる。
【0046】
(期間9) 時刻t8以降
PLL回路は同期がとれた状態に戻り、データクロックと再生クロック信号11の周波数と位相がともに一致した状態となる。
【0047】
図7は、データクロックの周波数が再生クロック信号11の周波数よりも低い値に変化した場合について、本実施形態のクロック再生装置111の動作を説明するための信号波形図である。図7に示す信号の種類は図6に示す信号の種類と同じである。
【0048】
(期間1) 時刻t1以前
PLL回路は同期がとれた状態にあり、データクロックと再生クロック信号11の周波数と位相がともに一致した状態であるとする。
【0049】
(期間2) 時刻t1から時刻t2まで
時刻t1に、データクロックの周波数がf2からより低い周波数であるf1に変化し、その結果PLL回路の同期がはずれた状態になったとする。時刻t1以降、データクロックの周波数に対して再生クロック信号11の周波数は相対的に高くなり、再生クロック信号11の周期はデータクロックの周期より相対的に短くなる。このため、再生クロック信号11のタイミングで標本化された復号器入力信号12の位相は1クロックごとに遅れる。この結果、図7(a)に示す位相差は0から負の方向にずれ、これに対応して位相誤差信号25は図7(b)に示すように変化する。時刻t2までは位相差が小さく、図7(c)に示す品質判別信号26はLレベルであり、位相周波数誤差検出回路22は位相周波数誤差信号27として位相誤差信号25を選択する。このため、位相周波数誤差信号27は図7(d)に示すように変化する。したがって、図7(e)において実線で示すように、位相周波数誤差信号の変化に対応して再生クロック信号11の周波数はわずかに下降する。
【0050】
(期間3) 時刻t2から時刻t3まで
位相差が大きくなるに従い、位相誤差信号25は小さくなり、時刻t2において品質判別信号26がHレベルに変化する。位相周波数誤差検出回路22は、時刻t2における位相誤差信号25の符号である値「負」を符号保持回路48に取り込む。このため、時刻t2以降、位相周波数誤差信号27として値「−B」が選択される。その後、位相差が再び小さくなり、時刻t3において品質判別信号26がLレベルに変化するまで、位相周波数誤差信号27が値「−B」である状態が維持される。この結果、フィルタ出力信号18は、加算回路30と遅延回路28により構成される積分回路により積分されて下降し、再生クロック信号11の周波数は下降する。
【0051】
(期間4) 時刻t3から時刻t4まで
位相差が再び小さくなり、時刻t3から時刻t4までは品質判別信号26がLレベルとなる。この期間、位相周波数誤差検出回路22は位相周波数誤差信号27として位相誤差信号25を選択する。この期間について位相周波数誤差信号27を積分するとほぼ零になるため、フィルタ出力信号18の直流成分はほとんど変化しない。したがって、再生クロック信号11の周波数はほとんど変化しない。
【0052】
(期間5) 時刻t4から時刻t5まで
位相差が再び大きくなり、時刻t4から時刻t5までは品質判別信号26がHレベルとなる。この期間における回路の動作は時刻t2から時刻t3までの期間における動作と同様であり、再生クロック信号11の周波数はさらに下降し、データクロックの周波数であるf1に近づく。ただし、再生クロック信号11の周波数がf1に近づくため、位相差の変化はゆるやかになる。
【0053】
(期間6) 時刻t5から時刻t6まで
回路は時刻t3から時刻t4までの期間と同様の動作を行う。このため、再生クロック信号11の周波数はほとんど変化しない。
【0054】
(期間7) 時刻t6から時刻t7まで
回路は時刻t2から時刻t3までの期間と同様の動作を行う。このため、再生クロック信号11の周波数はさらに下降し、ついにはf1をやや下回る状態になる。
【0055】
(期間8) 時刻t7から時刻t8まで
位相差が再び小さくなり、時刻t7において品質判別信号26がLレベルに変化し、かつ、時刻t7における再生クロック信号11の周波数はf1に近くなる。時刻t7以降、PLL回路の通常の引き込み動作により、再生クロック信号11の周波数と位相はデータクロックの周波数と位相にそれぞれ近づく。この結果、時刻t8においてデータクロックと再生クロック信号11の周波数と位相がともに一致した状態となる。
【0056】
(期間9) 時刻t8以降
PLL回路は同期がとれた状態に戻り、データクロックと再生クロック信号11の周波数と位相はともに一致した状態となる。
【0057】
以上に説明したように、本実施形態によれば、位相周波数誤差検出回路22において、品質判別信号26がLレベルからHレベルに変化した際の位相誤差信号25の符号が保持符号信号51として保持されるともに、品質判別信号26がLレベルの場合は位相誤差信号25が、品質判別信号26がHレベルでかつ保持符号信号51が正の場合は値「B」が、品質判別信号26がHレベルでかつ保持符号信号51が負の場合は値「−B」が、それぞれ選択されて位相周波数誤差信号27として出力され、さらに位相周波数誤差信号27に基づく信号である発振制御信号15により、電圧制御発振器9が生成する再生クロック信号11の発振周波数が制御される。このような構成によれば、データクロックの周波数と再生クロック信号11の周波数が異なる状態からでも、両クロック信号の周波数と位相がともに一致した状態に復帰する、広いプルインレンジを持ったクロック再生装置を提供できる。また、PLL回路の帰還ループ内の遅延量が大きい回路構成が可能となるため、イコライザをデジタル回路により構成した回路構成が可能となる。このため、等化処理の高精度化や無調整化、あるいはLSIへの集積化が可能となる。さらに、プルインレンジが広いため、再生データの周波数変動が大きい磁気テープ装置などに対しても、安定した再生クロック信号を供給するクロック再生装置を提供できる。
【0058】
<第1の実施形態の変形例>
第1の実施形態では信号品質判別回路21を図4に示す構成としたが、これに代えて、図8に示す構成としてもよい。図8に示す信号品質判別回路は、復号器入力信号12から基準値発生回路64により基準値信号44を発生させる点において、復号器入力信号12から選択回路38により基準値信号44を発生させる図4に示す信号品質判別回路と異なる。
【0059】
図8に示す信号品質判別回路において、復号器入力信号12は減算回路39、3値判別回路37、および基準値発生回路64に入力される。3値判別回路37は、図4における3値判別回路と同様に、復号器入力信号12に従って値「1」、値「0」あるいは値「−1」のいずれかを仮判別信号43として出力する。基準値発生回路64は、復号器入力信号12および仮判別信号43を入力として、以下の動作により基準値信号44を求める。まず、絶対値回路52は復号器入力信号12の絶対値を求め、その結果を絶対値信号53として出力する。遅延回路56は、再生クロック信号11の1サイクル分だけ選択回路54の出力信号である選択出力信号55を遅延させ、遅延選択出力信号58を出力する。選択回路54は、仮判別信号43が「1」または「−1」のときは絶対値信号53を、仮判別信号43が「0」のときは遅延選択出力信号58を選択して出力する。選択出力信号55はローパスフィルタ59において平滑化され、基準値正信号60となる。基準値正信号60は、復号器入力信号12が値「1」あるいは値「−1」と判別された場合の信号振幅の絶対値を平滑化した値に相当する。選択回路63には、基準値正信号60、値「0」、および符号反転回路61において基準値正信号60の符号を反転した結果である基準値負信号62が入力される。選択回路63は、仮判別信号43が「1」、「0」あるいは「−1」であるときに、基準値正信号60、値「0」あるいは基準値負信号62をそれぞれ選択して基準値信号44として出力する。
【0060】
図8に示す信号品質判別回路によれば、以下の効果がある。VTRなどの磁気テープ装置において、サーチ再生、スチル再生などのように再生ヘッドが記録トラックを横切りながらデータを再生する場合、復号器入力信号12の振幅は時間の経過に伴い大きく変化する。しかし、図8に示す信号品質判別回路では、復号器入力信号12の振幅の変化に追随した基準値正信号60を求め、基準値正信号60に基づいて基準値信号44を生成するため、復号器入力信号12の振幅が時間の経過に伴い大きく変化する場合であっても、その変化に追随して的確に信号品質を判別することができる。
【0061】
次に、第1の実施形態では、位相周波数誤差検出回路22を図5に示す構成としたが、これに代えて、図9に示す構成としてもよい。図9に示す位相周波数誤差検出回路は、位相誤差信号25がローパスフィルタ65を介して符号保持回路48に入力される点において、位相誤差信号25が符号保持回路48へ直接入力される図5に示す位相周波数誤差検出回路と異なる。
【0062】
図5に示す位相周波数誤差検出回路では、符号保持回路48は、品質変化信号50が値「1」である時に位相誤差信号25の符号を取り込み、その符号を保持符号信号51として出力する。しかし、位相誤差信号25が雑音などの影響を受けた場合、符号保持回路48において正しい符号が保持されず、このためPLL回路の引き込み動作に時間を要することがある。図9に示す位相周波数誤差検出回路によれば、位相誤差信号25がローパスフィルタ65を介して符号保持回路48に入力されるため、位相誤差信号25に含まれる雑音などの影響を受けにくく、周波数の引き込み動作が短時間でより確実に行なわれる。
【0063】
また、位相周波数誤差検出回路22は図10に示す構成としてもよい。図10に示す位相周波数誤差検出回路は、期間限定回路66を備え、かつ期間限定回路66の出力信号である期間限定信号67により選択回路49が制御される点において、品質判別信号26により選択回路49が制御される図9に示す位相周波数誤差検出回路と異なる。期間限定回路66は、図11の信号波形図に示すように、品質判別信号26がHレベルの期間が所定の時間T以上続くとき、その長さを時間Tに限定した期間限定信号67を出力する。
【0064】
図10に示す位相周波数誤差検出回路によれば、以下の効果がある。信号品質判別回路21において信号品質が「否」と判別され、信号品質判別信号26がHレベルとなるのは、データクロックと再生クロック信号11の位相誤差が大きい場合に加えて、トラッキングの一時的な乱れにより信号の雑音が大きくなる場合などがある。トラッキングの乱れにより信号の雑音が大きくなった場合、トラッキングが正規の状態に戻るまで、品質判別信号26がHレベルである状態が長く続く。この時、図9に示す位相周波数誤差検出回路では、選択回路49において値「+B」または値「−B」が長い時間連続して選択される。このため、再生クロック信号11の周波数がデータクロックの周波数から誤って大きくずれる場合がある。これに対して、図10に示す位相周波数誤差検出回路では、このような場合でも、期間限定信号67が連続してHレベルとなる期間が時間Tに限定されているため、再生クロック信号11の周波数がデータクロックの周波数から誤って大きくずれることがない。
【0065】
また、トラッキングの乱れがない状態で再生クロック信号11の周波数がデータクロックの周波数と異なる場合には、図6および図7の信号波形図において示すように、品質判別信号26が連続してHレベルとなる期間は比較的短い。この期間が時間Tよりも短くなるように時間Tを設定すれば、期間限定信号67は品質判別信号26と同じタイミングで変化する信号となる。したがって、期間限定回路66はPLL回路の引き込み動作に影響を与えないため、図10に示す位相周波数誤差検出回路を用いた本実施形態のクロック再生装置は、データクロックに一致した再生クロック信号11を再生する。
【0066】
<第2の実施形態>
図12は、本発明の第2の実施形態であるクロック再生装置を用いた信号再生装置の再生信号処理部の構成を示すブロック図である。図12に示す再生信号処理部において、本発明の第2の実施形態であるクロック再生装置は符号112を付した部分である。図12に示すクロック再生装置112は、周波数誤差信号76を検出する周波数誤差検出回路68を備え、異なる内部構成を持った位相周波数誤差検出回路79により位相周波数誤差信号27が生成されるとした点において、図1に示すクロック再生装置111と異なる。そこで、この相違点と本実施形態の効果について説明する。
【0067】
図12に示すクロック再生装置112において、周波数誤差検出回路68はゲート発生回路70、カウンタ72、および減算回路75から構成される。ゲート発生回路70には、周波数が既知である基準クロック信号69が入力される。ゲート発生回路70は、基準クロック信号69に基づいて所定の時間幅を持ったゲート信号71を生成する。カウンタ72にはゲート信号71および再生クロック信号11が入力される。カウンタ72は、ゲート信号71の時間内に発生した再生クロック信号11のクロックパルスの個数をカウントし、その値をカウント値73として出力する。ゲート信号71の時間幅が一定であるため、カウント値73は再生クロック信号11の周波数に比例する。減算回路75は基準カウント値74からカウント値73を減算し、その結果を周波数誤差信号76として出力する。なお、基準カウント値74はデータクロックの周波数とゲート信号71の時間幅からあらかじめ求めたカウント値73の期待値である。周波数誤差信号76はデータクロックと再生クロック信号11の周波数の差に比例した値となる。周波数誤差信号76は位相周波数誤差検出回路79に入力される。
【0068】
図13は、位相周波数誤差検出回路79の構成を示すブロック図である。符号判別回路80は、位相周波数誤差検出回路79に入力された周波数誤差信号76の符号を周波数誤差符号信号98として出力する。絶対値回路81は、周波数誤差信号76の絶対値を絶対値信号82として出力する。比較回路83は、絶対値信号82と所定の閾値Δfを比較し、絶対値信号82が閾値Δf以下の場合は値「0」を、絶対値信号82が閾値Δfより大きい場合は値「1」をそれぞれ周波数誤差判別信号99として出力する。周波数誤差符号信号98および周波数誤差判別信号99は、位相誤差信号25とともに選択回路84に入力される。選択回路84は、周波数誤差符号信号98および周波数誤差判別信号99に従って、以下のように位相誤差信号25、所定の値「+C」、あるいは所定の値「−C」のいずれかを選択して位相周波数誤差信号27として出力する。すなわち、選択回路84は、周波数誤差判別信号99が「0」の場合は位相誤差信号25を、周波数誤差判別信号99が値「1」でかつ周波数誤差符号信号98が正の場合は値「+C」を、周波数誤差判別信号99が値「1」でかつ周波数誤差符号信号98が負の場合は値「−C」を、それぞれ位相周波数誤差信号27として選択して出力する。
【0069】
以上のような回路構成による本実施形態においては、データクロックと再生クロック信号11の周波数の差がΔfより大きいときは、周波数誤差の符号に応じた所定の値「C」または「−C」が位相周波数誤差信号27としてループフィルタ23に入力される。このため、ループフィルタの出力信号であるフィルタ出力信号18は、ループフィルタ23内の積分回路の機能により単調に増加又は減少し、発振制御信号15はこれに伴い単調に増加または減少する。このような発振制御信号15により電圧制御発振器9が制御されるため、再生クロック信号11の周波数は単調に増加または減少し、やがてデータクロックと再生クロック信号11の周波数の差がΔf以下になる。両クロック信号の周波数の差がΔf以下になると、位相周波数誤差検出回路79は、値「C」または「−C」に代わって位相誤差信号25を選択して位相周波数誤差信号27として出力する。Δfをあらかじめ適切な値に設定しておけば、PLL回路はその後通常の引き込み動作を行うため、データクロックと再生クロック信号11が周波数、位相ともに一致した状態となる。
【0070】
以上に説明したように、本実施形態によれば、位相周波数誤差検出回路79において、周波数誤差判別信号99が「0」であるときは位相誤差信号25が、周波数誤差判別信号99が「1」であるときは周波数誤差符号信号98に対応した所定の値がそれぞれ位相周波数誤差信号27として選択され、選択された位相周波数誤差信号27に基づく信号である発振制御信号15により、電圧制御発振器9が生成する再生クロック信号11の発振周波数が制御される。このような構成によれば、データクロックと再生クロック信号11の周波数が大きく異なる状態からでも、両クロック信号の周波数と位相がともに一致した状態に復帰する、広いプルインレンジを持ったクロック再生装置を提供できる。第1の実施形態では、データクロックと再生クロック信号11との周波数の差が極端に大きい場合には、PLL回路の引き込み動作が正しく行われない場合がある。これに対し、本実施形態では、基準クロック信号69を用いて周波数誤差が検出されるため、データクロックと再生クロック信号11との周波数の差が極端に大きい場合でも、PLL回路の引き込み動作が確実に行われる。したがって、第1の実施形態と比較してさらに広いプルインレンジを持ったクロック再生装置が提供できる。第1の実施形態についてすでに説明したように、広いプルインレンジを持ったクロック再生装置には、等化処理の高精度化、無調整化、およびLSIへの集積化ができる効果、さらに再生データの周波数変動が大きい磁気テープなどの装置にも適用できる効果などがある。本実施形態によれば、これらの効果はさらに顕著なものとなる。
【0071】
<第3の実施形態>
図14は、本発明の第3の実施形態であるクロック再生装置を用いた信号再生装置の再生信号処理部の構成を示すブロック図である。図14に示す再生信号処理部において、本発明の第3の実施形態であるクロック再生装置は符号113を付した部分である。図14に示すクロック再生装置113は、図1に示す第1の実施形態であるクロック再生装置111、および図12に示す第2の実施形態であるクロック再生装置112の両者の特徴を備えている。第1の実施形態では、位相周波数誤差検出回路22が位相誤差信号25および品質判別信号26を用いて位相周波数誤差信号27を生成するのに対し、本実施形態では、位相周波数誤差検出回路85が位相誤差信号25および品質判別信号26に加えて、周波数誤差信号76を用いて位相周波数誤差信号27を生成する。そこで、この相違点と本実施形態の効果について説明する。
【0072】
図14に示すクロック再生装置113において、AD変換器4、イコライザ16、位相誤差検出回路6、信号品質判別回路21、ループフィルタ23、DA変換器24、および電圧制御発振器9は第1の実施形態と同様に動作し、周波数誤差検出回路68は第2の実施形態と同様に動作する。図15は、本実施形態を特徴づける位相周波数誤差検出回路85の構成を示すブロック図である。図15に示す位相周波数誤差検出回路は、第1のブロック86および第2のブロック87から構成される。第1のブロック86は、図10に示す第1の実施形態における位相周波数誤差検出回路22と同様の構成により同様の動作を行う。第2のブロック87は、図13に示す第2の実施形態における位相周波数誤差検出回路79と同様の構成により同様の動作を行う。
【0073】
以上のような回路構成による本実施形態においては、データクロックと再生クロック信号11の周波数の差がΔfより大きいときは、図12に示す第2の実施形態のクロック再生装置112と同じ動作が行われ、周波数の差がΔfより小さいときは、図1に示す第1の実施形態のクロック再生装置111と同じ動作が行われる。このため、データクロックと再生クロック信号11との周波数の差がΔfより大きい場合、まず第2の実施形態のクロック再生装置112と同じ動作が行われることにより、両クロック信号の周波数の差がΔf以下になり、その後第1の実施形態のクロック再生装置111と同じ動作が行われることにより、データクロックと再生クロック信号11が周波数、位相がともに一致した状態となる。
【0074】
本実施形態の効果は以下のとおりである。第1の実施形態では、データクロックと再生クロック信号11の周波数の差が極端に大きい場合には、PLL回路の引き込み動作が正しく行われない場合がある。これに対し、本実施形態では、第2の実施形態と同様に基準クロック信号69に基づき周波数誤差が検出されるため、データクロックと再生クロック信号11の周波数の差が極端に大きい場合でも、PLL回路の引き込み動作が確実に行なわれる。また、第2の実施形態では、データクロックと再生クロック信号11の周波数の差がΔf以下になった後は、PLL回路の通常の引き込み動作が行われる。このため、PLL回路の通常の引き込み動作が正しく行われる程度にΔfを十分小さな値に設定するとともに、基準クロック信号69の周波数や基準カウント値74の精度を十分高くする必要がある。これに対し、本実施形態によれば、データクロックと再生クロック信号11の周波数の差がΔf以下になった後は第1の実施形態と同様の動作が行われるため、Δfとして比較的大きな値でも許容できる。したがって、基準クロック信号69の周波数や基準カウント値74の精度を高くする必要がなく、回路の実現が容易であるという効果がある。
【0075】
なお、以上の説明において、図15に示す第1のブロック86は、図10に示す位相周波数誤差検出回路と同様であるとしたが、これに代えて、図5あるいは図9に示す位相周波数誤差検出回路と同様であるとしてもよい。
【0076】
<第4の実施形態>
図16は、本発明の第4の実施形態であるクロック再生装置を用いた信号再生装置の再生信号処理部の構成を示すブロック図である。図16に示す再生信号処理部において、本発明の第4の実施形態であるクロック再生装置は符号114を付した部分である。本実施形態を図12に示す第2の実施形態と比較すると、本実施形態は位相周波数誤差検出回路79を備えていない点、絶対値回路81と比較回路83により生成される周波数誤差判別信号99および位相誤差信号25がループフィルタ89に入力される点、並びに、ループフィルタ89が選択回路93を含んでいる点において第2の実施形態と異なる。そこで、この相違点および本実施形態の効果について説明する。
【0077】
図16に示すクロック再生装置114において、AD変換器4、イコライザ16、位相誤差検出回路6、DA変換器24、電圧制御発振器9、および周波数誤差検出回路68は第2の実施形態と同様に動作する。係数回路90は周波数誤差信号76に対して所定の係数を乗算し、その結果を周波数誤差乗算結果92として出力する。絶対値回路81は、周波数誤差信号76の絶対値を絶対値信号82として出力する。比較回路83は、絶対値信号82と所定の閾値Δfを比較し、絶対値信号82が閾値Δf以下のときは値「0」を、絶対値信号82が閾値Δfより大きいときは値「1」をそれぞれ周波数誤差判別信号99として出力する。周波数誤差乗算結果92と周波数誤差判別信号99はループフィルタ89に入力される。
【0078】
ループフィルタ89は、主として位相誤差に対する応答特性を決める係数回路20、主として周波数誤差に対する応答特性を決める係数回路19、選択回路93、加算回路30、遅延回路28、および加算回路29から構成される。ここで、加算回路30と遅延回路28は選択回路93の出力信号である選択出力信号94をクロックごとに積分する積分回路を構成する。選択回路93には、係数回路19において位相誤差信号25に所定の係数を乗算した結果である位相周波数誤差乗算結果91、および周波数誤差乗算結果92が入力される。選択回路93は、周波数誤差判別信号99が「0」であるときは位相周波数誤差乗算結果91を、周波数誤差判別信号99が「1」であるときは周波数誤差乗算結果92をそれぞれ選択して選択出力信号94として出力する。選択出力信号94は、加算回路30および遅延回路28からなる積分回路により積分される。加算回路30の出力である積分結果信号95は、係数回路20において位相誤差信号25に所定の係数を乗算した結果と、加算回路29において加算される。加算回路29の出力がフィルタ出力信号18として出力される。
【0079】
以上のような回路構成による本実施形態においては、データクロックと再生クロック信号11の周波数の差がΔfより大きいときは、選択回路93は周波数誤差信号76に比例した周波数誤差乗算結果92を選択して選択出力信号94として出力し、その選択出力信号94が加算回路30と遅延回路28により構成される積分回路に入力されるため、データクロックと再生クロック信号11の周波数の差は小さくなる。両クロック信号の周波数の差がΔf以下になると、選択回路93は、周波数誤差乗算結果92に代わって位相周波数誤差乗算結果91を選択して出力する。Δfをあらかじめ適切な値に設定しておけば、PLL回路はその後通常の引き込み動作を行うため、データクロックと再生クロック信号11が周波数、位相ともに一致した状態となる。
【0080】
本実施形態の効果は以下のとおりである。第2の実施形態では、データクロックと再生クロック信号11の周波数の差がΔfより大きい場合、周波数の差によらずに一定の値「+C」ないし「−C」が、ループフィルタ23に入力される。これに対して、本実施形態では、周波数の差に比例した値がループフィルタ89の積分回路に入力される。このため、第2の実施形態と同様に広いプルインレンジが実現できる効果に加えて、第2の実施形態に比べて短い時間でデータクロックと再生クロック信号11の周波数の差がΔf以下になり、両クロックの周波数と位相が一致した状態になるまでの時間が短縮されるという効果がある。
【0081】
<第5の実施形態>
図17は、本発明の第5の実施形態であるクロック再生装置を用いた信号再生装置の再生信号処理部の構成を示すブロック図である。図17に示す再生信号処理部において、本発明の第5の実施形態であるクロック再生装置は符号115を付した部分である。図17に示すクロック再生装置115は、図1に示す第1の実施形態であるクロック再生装置111、および図16に示す第4の実施形態であるクロック再生装置114の両者の特徴を備えている。本実施形態は、信号品質判別回路21および位相周波数誤差検出回路22を備える点、および位相周波数誤差信号27がループフィルタ89に入力される点において、位相誤差信号25がループフィルタ89に入力される図16に示す第4の実施形態と異なる。そこで、この相違点と本実施形態の効果について説明する。
【0082】
図17に示すクロック再生装置115において、AD変換器4、イコライザ16、位相誤差検出回路6、信号品質判別回路21、位相周波数誤差検出回路22、DA変換器24、および電圧制御発振器9は第1の実施形態と同様に動作し、周波数誤差検出回路68、絶対値回路81、比較回路83、係数回路90およびループフィルタ89は第4の実施形態と同様に動作する。
【0083】
以上のような回路構成による本実施形態においては、データクロックと再生クロック信号11の周波数の差がΔfより大きいときは、図16に示す第4の実施形態のクロック再生装置114と同じ動作が行われ、周波数の差がΔf以下のときは、図1に示す第1の実施形態のクロック再生装置111と同じ動作が行われる。このため、データクロックと再生クロック信号11の周波数の差がΔfより大きい場合、まず第4の実施形態のクロック再生装置114と同じ動作が行われることにより、両クロック信号の周波数の差がΔf以下になり、その後第1の実施形態のクロック再生装置111と同じ動作が行われることにより、データクロックと再生クロック信号11が周波数、位相ともに一致した状態となる。
【0084】
本実施形態の効果は以下のとおりである。第1の実施形態では、データクロックと再生クロック信号11の周波数の差が極端に大きい場合には、PLL回路の引き込み動作が正しく行われない場合がある。これに対し、本実施形態では、第4の実施形態と同様に基準クロック信号69に基づき周波数誤差が検出されるため、データクロックと再生クロック信号11の周波数の差が極端に大きい場合でも、PLL回路の引き込み動作が確実に短い時間で行われる。また、第4の実施形態では、データクロックと再生クロック信号11の周波数の差がΔf以下になった後は、PLL回路の通常の引き込み動作が行われる。このため、PLL回路の通常の引き込み動作が正しく行われる程度にΔfを十分小さな値に設定するとともに、基準クロック信号69の周波数や基準カウント値74の精度を十分高くする必要がある。これに対し、本実施形態においては、データクロックと再生クロック信号11の周波数の差がΔf以下になった後は第1の実施形態と同様の動作が行われるため、Δfとして比較的大きな値でも許容できる。したがって、基準クロック信号69の周波数や基準カウント値74の精度を高くする必要がなく、回路の実現が容易であるという効果がある。
【0085】
<第6の実施形態>
本発明の第1ないし5の実施形態によるクロック再生装置では、図20に示す第2の従来技術のように、イコライザをデジタル回路により構成し、PLL回路の帰還ループ内に設ける構成としている。これに代えて、図19に示す第1の従来技術のように、イコライザをアナログ回路により構成し、PLL回路の帰還ループの外に設ける構成とすることができる。
【0086】
図18は、本発明の第6の実施形態であるクロック再生装置を用いた信号処理装置の再生信号処理部の構成を示すブロック図である。図18において、本発明の第6の実施形態であるクロック再生装置は符号116を付した部分である。図18に示すクロック再生装置116は、図1に示す第1の実施形態のクロック再生装置111について、イコライザをアナログ回路により構成した場合のものである。本実施形態によれば、第1の実施形態と同様の効果があるとともに、広く用いられている第1の従来技術を用いた信号処理装置の再生信号処理部に外部回路を追加するだけでよいため、実現が容易であるという効果がある。
【0087】
なお、図18では、第1の実施形態のクロック再生装置111についての変形例を示したが、第2から第5までの実施形態のクロック再生装置についても、同様の変形例を構成することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態であるクロック再生装置を用いた信号再生装置の再生信号処理部の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の第1の実施形態であるクロック再生装置における位相誤差検出回路の構成を示すブロック図。
【図3】本発明の第1の実施形態であるクロック再生装置における位相誤差検出回路についての位相比較特性を示す図。
【図4】本発明の第1の実施形態であるクロック再生装置における信号品質判別回路の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第1の実施形態であるクロック再生装置における位相周波数誤差検出回路の構成を示すブロック図。
【図6】本発明の第1の実施形態であるクロック再生装置の動作を説明するための信号波形図。
【図7】本発明の第1の実施形態であるクロック再生装置の動作を説明するための信号波形図。
【図8】本発明の第1の実施形態であるクロック再生装置における第2の信号品質判別回路の構成を示すブロック図。
【図9】本発明の第1の実施形態であるクロック再生装置における第2の位相周波数誤差検出回路の構成を示すブロック図。
【図10】本発明の第1の実施形態であるクロック再生装置における第3の位相周波数誤差検出回路の構成を示すブロック図。
【図11】本発明の第1の実施形態であるクロック再生装置における第3の位相周波数誤差検出回路の動作を説明するための信号波形図。
【図12】本発明の第2の実施形態であるクロック再生装置を用いた信号再生装置の再生信号処理部の構成を示すブロック図。
【図13】本発明の第2の実施形態であるクロック再生装置における位相周波数誤差検出回路の構成を示すブロック図。
【図14】本発明の第3の実施形態であるクロック再生装置を用いた信号再生装置の再生信号処理部の構成を示すブロック図。
【図15】本発明の第3の実施形態であるクロック再生装置における位相周波数誤差検出回路の構成を示すブロック図。
【図16】本発明の第4の実施形態であるクロック再生装置を用いた信号再生装置の再生信号処理部の構成を示すブロック図。
【図17】本発明の第5の実施形態であるクロック再生装置を用いた信号再生装置の再生信号処理部の構成を示すブロック図。
【図18】本発明の第6の実施形態であるクロック再生装置を用いた信号再生装置の再生信号処理部の構成を示すブロック図。
【図19】第1の従来技術によるクロック再生装置を用いた信号再生装置の再生信号処理部についての第1の構成を示すブロック図。
【図20】第2の従来技術によるクロック再生装置を用いた信号再生装置の再生信号処理部についての第2の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
2…再生アンプ
3、16…イコライザ
4…AD変換器
5…ビタビ復号器
6…位相誤差検出回路
7、24…DA変換器
8、23、89…ループフィルタ
9…電圧制御発振器
10…再生信号
11…再生クロック信号
12…復号器入力信号
13…再生データ
14、25…位相誤差信号
15…発振制御信号
17…デジタル再生信号
18…フィルタ出力信号
21…信号品質判別回路
22、79、85…位相周波数誤差検出回路
26…品質判別信号
27…位相周波数誤差信号
31、37…3値判別回路
38、49、54、63、84、93…選択回路
40、52、81…絶対値回路
41、59、65…ローパスフィルタ
42、83…比較回路
43…仮判別信号
44…基準値信号
47…立ち上がり検出回路
48…符号保持回路
50…品質変化信号
51…保持符号信号
61…符号反転回路
64…基準値発生回路
66…期間限定回路
67…期間限定信号
68…周波数誤差検出回路
69…基準クロック信号
70…ゲート発生回路
72…カウンタ
74…基準カウント値
76…周波数誤差信号
80…符号判別回路
86…第1のブロック
87…第2のブロック
98…周波数誤差符号信号
99…周波数誤差判別信号
101、102…クロック再生装置
111、112、113、114、115、116…クロック再生装置

Claims (16)

  1. 入力信号からデジタルデータを再生するためのクロック信号を再生するクロック再生装置であって、
    制御信号の供給を受け、前記制御信号に応じた周波数のクロック信号を発振クロック信号として生成する発振手段と、
    前記発振クロック信号により前記入力信号を標本化し、前記入力信号の標本値を出力する標本化手段と、
    前記標本値に基づき、前記デジタルデータの再生に使用すべきクロック信号に対する前記発振クロック信号の位相誤差を検出する位相誤差検出手段と、
    前記標本値と前記標本値に対応する前記デジタルデータの推定値である仮判別結果とから、標本化された前記入力信号の品質の良否を判別する品質判別手段と、
    前記位相誤差と前記品質判別手段による判別結果とに基づく位相周波数誤差信号を出力する位相周波数誤差検出手段と、
    前記位相周波数誤差信号を平滑化して前記制御信号として前記発振手段に供給するフィルタ手段と、
    を備え、
    前記位相周波数誤差検出手段は、前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良であるときには前記位相誤差を出力し、前記品質が良から否へと変化した時点から少なくとも限定された所定期間は前記品質が良から否に変化した時点の前記位相誤差の符号に応じた誤差値を出力し、
    前記発振クロック信号を、前記デジタルデータを再生するための前記クロック信号として出力することを特徴とするクロック再生装置。
  2. 入力信号からデジタルデータを再生するためのクロック信号を再生するクロック再生装置であって、
    制御信号の供給を受け、前記制御信号に応じた周波数のクロック信号を発振クロック信号として生成する発振手段と、
    前記発振クロック信号により前記入力信号を標本化し、前記入力信号の標本値を出力する標本化手段と、
    前記標本値に基づき、前記デジタルデータの再生に使用すべきクロック信号に対する前記発振クロック信号の位相誤差を検出する位相誤差検出手段と、
    前記標本値と前記標本値に対応する前記デジタルデータの推定値である仮判別結果とから、標本化された前記入力信号の品質の良否を判別する品質判別手段と、
    前記発振クロック信号の周波数と所定の基準周波数との差を周波数誤差として検出する周波数誤差検出手段と、
    前記位相誤差と前記品質判別手段による判別結果と前記周波数誤差とに基づく位相周波数誤差信号を出力する位相周波数誤差検出手段と、
    前記位相周波数誤差信号を平滑化して前記制御信号として前記発振手段に供給するフィルタ手段と、
    を備え、
    前記位相周波数誤差検出手段は、前記周波数誤差の絶対値が閾値より小さいとき、前記品質が良である期間で前記位相誤差を出力し、前記品質が良から否へと変化した時点から少なくとも限定された所定期間は前記品質が良から否に変化した時点の前記位相誤差の符号に応じた誤差値を出力し、
    前記発振クロック信号を、前記デジタルデータを再生するための前記クロック信号として出力することを特徴とするクロック再生装置。
  3. 入力信号からデジタルデータを再生するためのクロック信号を再生するクロック再生装置であって、
    制御信号の供給を受け、前記制御信号に応じた周波数のクロック信号を発振クロック信号として生成する発振手段と、
    前記発振クロック信号により前記入力信号を標本化し、前記入力信号の標本値を出力する標本化手段と、
    前記標本値に基づき、前記デジタルデータの再生に使用すべきクロック信号に対する前記発振クロック信号の位相誤差を検出する位相誤差検出手段と、
    前記標本値と前記標本値に対応する前記デジタルデータの推定値である仮判別結果とから、標本化された前記入力信号の品質の良否を判別する品質判別手段と、
    前記位相誤差と前記品質判別手段による判別結果とに基づく位相周波数誤差信号を出力する位相周波数誤差検出手段と、
    前記発振クロック信号の周波数と所定の基準周波数との差を周波数誤差として検出する周波数誤差検出手段と、
    前記周波数誤差の絶対値が所定の閾値よりも小さいときには前記位相周波数誤差信号を選択し前記周波数誤差の絶対値が前記閾値よりも大きいときには前記周波数誤差を選択する選択手段と、
    前記選択手段の出力を積分する積分手段と、
    前記位相誤差検出手段の出力と前記積分手段の出力とを混合して前記制御信号として前記発振手段に供給する混合手段と、
    を備え、
    前記位相周波数誤差検出手段は、前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良であるときには前記位相誤差を出力し、前記品質が良から否へと変化した時点から少なくとも限定された所定期間は前記品質が良から否に変化した時点の前記位相誤差の符号に応じた誤差値を出力し、
    前記発振クロック信号を、前記デジタルデータを再生するための前記クロック信号として出力することを特徴とするクロック再生装置。
  4. 前記品質判別手段は、
    前記標本値に基づき前記デジタルデータを推定して前記仮判別結果として出力する仮判別手段と、
    前記仮判別結果に基づき基準値を発生させる基準値発生手段と、
    前記標本値と前記基準値との差分を求める演算手段と、
    を含み、
    前記差分に基づき前記品質の良否を判別することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載のクロック再生装置。
  5. 前記基準値発生手段は、標本化された前記入力信号の振幅変化に追随した基準値を発生させることを特徴とする、請求項に記載のクロック再生装置。
  6. 前記品質判別手段は、前記差分の絶対値に基づく値を所定の閾値と比較し、前記比較の結果に基づき前記品質の良否を判別することを特徴とする、請求項に記載のクロック再生装置。
  7. 前記品質判別手段は、前記差分の自乗値に基づく値を所定の閾値と比較し、前記比較の結果に基づき前記品質の良否を判別することを特徴とする、請求項に記載のクロック再生装置。
  8. 前記品質判別手段は、ローパスフィルタを含み、前記ローパスフィルタ通過後の前記差分を所定の閾値と比較し、前記比較の結果に基づき前記品質の良否を判別することを特徴とする、請求項に記載のクロック再生装置。
  9. 前記位相周波数誤差検出手段は、前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良から否へと変化する毎に前記位相誤差の符号を取り込んで保持し、前記品質が良であるときには前記位相誤差を出力し、前記品質が否であるときには前記保持された符号に応じた所定の誤差値を出力することを特徴とする、請求項1またはのいずれかに記載のクロック再生装置。
  10. 前記位相周波数誤差検出手段は、
    前記位相誤差を平滑化する位相誤差フィルタ手段を含み、
    前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良から否へと変化する毎に前記位相誤差フィルタ手段の出力信号の符号を取り込んで保持し、前記品質が良であるときには前記位相誤差を出力し、前記品質が否であるときには前記保持された符号に応じた所定の誤差値を出力することを特徴とする、請求項1またはのいずれかに記載のクロック再生装置。
  11. 前記位相周波数誤差検出手段は、
    前記位相誤差を平滑化する位相誤差フィルタ手段を含み、
    前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良から否へと変化する毎に前記位相誤差フィルタ手段の出力信号の符号を取り込んで保持し、前記品質が良であるときには前記位相誤差を出力し、前記品質が否であるときには前記品質が否であると判別された時点から所定の時間内に限り前記保持された符号に応じた所定の誤差値を出力することを特徴とする、請求項1またはのいずれかに記載のクロック再生装置。
  12. 前記位相周波数誤差検出手段は、前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良から否へと変化する毎に前記位相誤差の符号を取り込んで保持し、前記周波数誤差の絶対値が所定の閾値より大きいときには、前記周波数誤差と同じ符号を持った所定の第1誤差値を出力し、前記周波数誤差の絶対値が前記閾値より小さいときには、前記品質が良である期間で前記位相誤差を出力し前記品質が否である期間で前記保持された符号に応じた所定の第2誤差値を出力することを特徴とする、請求項に記載のクロック再生装置。
  13. 前記位相周波数誤差検出手段は、
    前記位相誤差を平滑化する位相誤差フィルタ手段を含み、
    前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良から否へと変化する毎に前記位相誤差フィルタ手段の出力信号の符号を取り込んで保持し、前記周波数誤差の絶対値が所定の閾値より大きいときには、前記周波数誤差と同じ符号を持った所定の第1誤差値を出力し、前記周波数誤差の絶対値が前記閾値より小さいときには、前記品質が良である期間で前記位相誤差を出力し前記品質が否である期間で前記保持された符号に応じた所定の第2誤差値を出力することを特徴とする、請求項に記載のクロック再生装置。
  14. 前記位相周波数誤差検出手段は、
    前記位相誤差を平滑化する位相誤差フィルタ手段を含み、
    前記品質判別手段による判別結果に基づき、前記品質が良から否へと変化する毎に前記位相誤差フィルタ手段の出力信号の符号を取り込んで保持し、前記周波数誤差の絶対値が所定の閾値より大きいときには、前記周波数誤差と同じ符号を持った所定の第1誤差値を出力し、前記周波数誤差の絶対値が前記閾値より小さいときには、前記品質が良である期間で前記位相誤差を出力し前記品質が否である期間では前記品質が否であると判別された時点から所定の時間内に限り前記保持された符号に応じた所定の第2誤差値を出力することを特徴とする、請求項に記載のクロック再生装置。
  15. 前記フィルタ手段は、前記位相周波数誤差検出手段の出力を積分する積分手段を含むことを特徴とする、請求項1または2のいずれかに記載のクロック再生装置。
  16. 前記標本化手段は、前記発振クロック信号により標本化された前記入力信号を等化して前記標本値として出力する等化手段を含むことを特徴とする、請求項1ないしのいずれかに記載のクロック再生装置。
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