JP3682856B2 - レーザによる部分発泡樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

レーザによる部分発泡樹脂成形品の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザ光の照射により必要な部位のみを部分的に発泡させて、発泡部と未発泡部とが一体に形成された部分発泡樹脂成形品を製造するレーザによる部分発泡樹脂成形品の製造方法に関する。本発明に係る部分発泡樹脂成形品は、例えば防振・防音性や断熱・保温性等が部分的に必要とされる部材に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】
発泡樹脂成形品の成形方法の一つとして、予め成形した表皮材及び基材を成形型の内部にセットした状態で、表皮材及び基材間に発泡原液を注入して発泡させる一体発泡成形法が知られている。
【0003】
具体的には、スラッシュ成形、真空成形等により塩化ビニル樹脂(PVC)等からなる表皮材を予め所定形状に成形し、これを発泡成形型の雌型キャビティ面に沿わせて配置する。一方、射出成形等によりポリプロピレン(PP)等からなる基材を予め所定形状に成形し、これを発泡成形型の雄型コア面に沿わせて配置する。そして、雌型キャビティ内にポリウレタン等の発泡原液を注入し、型閉め後、この発泡原液を表皮材及び基材間で発泡、固化させることにより、所定形状の発泡体を成形するとともに、この発泡体と表皮材及び基材とを溶着する。こうして得られた成形品は、型開き、脱型後、バリや余分な表皮材等が除かれて、発泡樹脂成形品として完成される。
【0004】
しかし、かかる一体発泡成形法では、成形型内における発泡原液の流動性が必要とされることから、流動性の低い樹脂を発泡体の材料として採用することができず、材料の選択自由度が低いという問題がある。
【0005】
そこで、特開2000−229328号公報には、予め成形した表皮材及び基材とともに、発泡剤及びマイクロ波吸収材料を混合した発泡原料を成形型の内部にセットした状態で、成形型にマイクロ波を照射して発泡させる方法が開示されている。
【0006】
具体的には、スラッシュ成形によりポリプロピレン等のオレフィン系の熱可塑性樹脂からなる表皮材を予め所定形状に成形し、これを発泡成形型の雌型キャビティ面に沿わせて配置する。また、この成形型にセットされた表皮材の上に、オレフィン系の熱可塑性樹脂の粉体状又は粒体状と、発泡剤と、マイクロ波吸収材料との混合物からなる発泡原料を配置する。一方、射出成形等によりポリプロピレン等のオレフィン系の熱可塑性樹脂からなる基材を予め所定形状に成形し、これを発泡成形型の雄型コア面に沿わせて配置する。なお、この発泡成形型は、マイクロ波を透過する非金属材料、例えばポリイミド等の耐熱性の高いスーパーエンジニアリングプラスチックからなる。そして、型閉め後、成形型をマイクロ波照射装置の内部に入れ、型締め方向に加圧しながらマイクロ波を成形型全体に照射する。成形型を透過したマイクロ波は発泡原料中のマイクロ波吸収材料に吸収され、その結果マイクロ波吸収材料が発熱する。この熱により、発泡原料中の熱可塑性樹脂が溶融するとともに、発泡剤が分解してガスを発生させ、このガスによって溶融した熱可塑性樹脂が発泡する。また、溶融した熱可塑性樹脂に接触した表皮材及び基材の表面が溶融し、発泡原料中の熱可塑性樹脂が冷却、固化して発泡体が成形される際に、該発泡体と表皮材及び基材とが一体的に溶着される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年、軽量化及び低コスト化等の観点より、自動車部品等、各種分野の部品を樹脂化して樹脂成形品とすることが頻繁に行われている。こうした樹脂成形品の中には、防振・防音性や断熱・保温性が、樹脂成形品全体としてではなく、部分的に必要とされる場合がある。かかる場合、樹脂成形品のうち必要な部位のみを部分的に発泡させる技術が必要とされる。
【0008】
しかしながら、上記した従来のマイクロ波の照射により発泡させる方法では、成形型をマイクロ波照射装置の内部に入れ、発泡剤を含む発泡原料の全体にマイクロ波を照射しているため、必要な部位のみを部分的に発泡させることが不可能である。
【0009】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、必要な部位のみを部分的に発泡させることができる新規な発泡成形法を提供することを解決すべき技術課題とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、必要な部位のみを部分的に発泡させるという新たな技術的課題を解決すべくなされたものであり、かかる課題を解決する本発明のレーザによる部分発泡樹脂成形品の製造方法は、発泡部と未発泡部とが一体に形成された部分発泡樹脂成形品を製造する方法であって、少なくとも上記発泡部となる部分が成形時に発泡せず、かつ、レーザ光の照射により発泡可能な発泡樹脂原料からなり、かつ、該レーザ光に対して透過性を有する透過性樹脂よりなる気密性シールが該発泡部となる部分の外周面に一体的に形成された、所定形状の未発泡成形体を成形する成形工程と、上記未発泡成形体のうち上記発泡部となる部分のみに上記気密性シールを透過したレーザ光を照射して、該レーザ光が照射された部位のみを部分的に発泡させる発泡工程とを順に実施することを特徴とするものである。
【0011】
好適な態様において、前記発泡樹脂原料は、前記レーザ光の吸収により溶融可能なレーザ光吸収性樹脂と、該レーザ光吸収性樹脂が該レーザ光の吸収により加熱溶融したときにガスを発生させうる発泡剤とを含むことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のレーザによる部分発泡樹脂成形品の製造方法は、成形工程と、発泡工程とを順に実施して、必要な部位のみを部分的に発泡させることにより、発泡部と未発泡部とが一体に形成された部分発泡樹脂成形品を製造するものである。
【0013】
上記成形工程では、少なくとも上記発泡部となる部分が成形時に発泡せず、かつ、レーザ光の照射により発泡可能な発泡樹脂原料からなり、かつ、該レーザ光に対して透過性を有する透過性樹脂よりなる気密性シールが該発泡部となる部分の外周面に一体的に形成された、所定形状の未発泡成形体を成形する。
【0014】
未発泡成形体の成形方法は、特に限定されず、射出成形、押出成形や中空成形(ブロー成形等)等を利用することができる。この未発泡成形体は、少なくとも発泡部となる部分を上記発泡樹脂原料から成形すればよく、未発泡成形体の全体を該発泡樹脂原料から成形したり、あるいは発泡部となる部分のみを該発泡樹脂原料から成形するとともに未発泡部となる部分を後述する発泡剤を含まない樹脂原料から成形したりすることができる。なお、成形の容易性を考慮するなら、未発泡成形体の全体を該発泡樹脂原料から成形する方が好ましい。
【0015】
上記発泡樹脂原料としては、成形時に発泡せず、かつ、レーザ光の照射により発泡可能なものであれば特に限定されないが、好適には、レーザ光の吸収により溶融可能なレーザ光吸収性樹脂と、該レーザ光吸収性樹脂が該レーザ光の吸収により加熱溶融したときにガスを発生させうる発泡剤とを含むものを用いることができる。
【0016】
上記レーザ光吸収性樹脂としては、成形温度で溶融し、かつ、レーザ光の吸収により加熱溶融するとともにレーザ光の照射時に分解しない熱可塑性樹脂を採用することができる。すなわち、レーザ光吸収性樹脂におけるレーザ光の吸収性は、該レーザ光の吸収により加熱溶融しうる範囲に設定することができる。このレーザ光の吸収性は、カーボンブラック等の着色剤の添加により適宜調整可能である。なお、後述する発泡剤自身がレーザ光を吸収して発熱するとともにガスを発生し、この熱により熱可塑性樹脂が溶融可能であれば、着色剤の添加は不要となる。
【0017】
上記熱可塑性樹脂として、具体的には、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)やアクリロニトリル・ブタジエン・スチレンポリマー(ABS)等が例示列挙される。なお、必要に応じて、ガラス繊維、カーボン繊維等の補強繊維を添加したものを用いてもよい。
【0018】
一方、上記発泡剤としては、成形時にガスを発生させず、レーザ光の照射時にガスを発生させうるものであれば特に限定されないが、好適には、成形時に分解せず、かつ、上記レーザ光吸収性樹脂がレーザ光の吸収により加熱溶融したときに分解してガスを発生させる熱分解型の発泡剤(成形温度よりも高く、かつ、上記発泡樹脂原料に含まれる熱可塑性樹脂の分解温度よりも低い分解温度をもつもの)を採用することができる。なお、成形時にガスを発生させず、レーザ光と直接反応してガスを発生させる発泡剤が存在すれば、そのような発泡剤を採用することも可能である。また、適当な発泡助剤を添加することも勿論可能である。
【0019】
上記発泡剤としては、p−トルエンスルホニルセミカルバジド(TSC、分解温度:235℃)、トリヒドラジノトリアジン(分解温度:235℃)やバリウムアゾジカルボキシレート(分解温度:240〜250℃)等が例示列挙される。
【0020】
上記発泡工程では、上記未発泡成形体のうち上記発泡部となる部分のみに上記気密性シールを透過したレーザ光を照射して、該レーザ光が照射された部位のみを部分的に発泡させる。例えば、上記未発泡樹脂原料が上記レーザ光吸収性樹脂と上記熱分解型の発泡剤とを含む場合、レーザ光が照射された部位において、該レーザ光吸収性樹脂に含まれる熱可塑性樹脂が該レーザ光の吸収により加熱溶融するとともに、この熱により該発泡剤が分解してガスを発生し、溶融した熱可塑性樹脂がガスによって発泡して膨張する。これにより、レーザ光が照射された部位に形成された発泡部と、レーザ光が照射されていない部位に残存する元の形状のままの未発泡部とが一体に形成された部分発泡樹脂成形品を製造することができる。
【0021】
こうして本発明のレーザによる部分発泡樹脂成形品の製造方法によれば、必要な部位のみを部分的に発泡させることができるので、防振・防音性、断熱・保温性や軽量化等の機能を備えた発泡部を部分的にもつ樹脂成形品、すなわち該発泡部と強度や気密性等の機能を備えた未発泡部とが一体に形成された樹脂成形品を提供することが可能となる。
【0022】
ここに、本発明では、上記発泡部においても気密性等を確保すべく、この発泡部の表面に非発泡部としての気密性シールを一体的に形成して多層構造としている
【0023】
この非発泡部としての気密性シールの材質や特性等は要求される機能に応じて種々選定、設定可能であり、レーザ光に対して透過性を有する透過性樹脂よりなるものであって、発泡部を構成する樹脂と同種又は異種の樹脂材料を採用することも可能である。ただし、接着剤を用いて発泡部と接着する場合を除いて、発泡部と互いに相溶性があり溶着可能な樹脂により非発泡部を構成する必要がある
【0024】
また、上記非発泡部としての気密性シールの形成の仕方も特に限定はされない。例えば、上記成形工程において上記未発泡成形体を成形する際に一体成形したり、又は上記未発泡成形体を成形した後に別途形成しておいた非発泡部としての気密性シールを接着剤等により接着したりすることができる。なお、後述するように成形型を用いる場合は、該成形型の型面に別途形成しておいた非発泡部としての気密性シールを配置した状態で、上記発泡工程を行うことにより、上記発泡部と上記非発泡部としての気密性シールとをレーザ溶着により一体的に接合することも可能である。
【0025】
具体的には、上記発泡部において気密性を確保したい面に気密性フィルム等からなる非発泡部としての気密性シールを形成することができる。気密性フィルムの材質としては、特に限定はされないが、ポリエチレンテレフタレート(PET)、PE、PPやPS等を採用することができる
【0026】
加えて、上記発泡部において、発泡に伴う膨張(非拘束状態での膨張)が意匠上又は機能上の観点より問題となる場合は、膨らみを抑えたい面を成形型で拘束して、発泡に伴う膨張を規制しつつ上記発泡工程を行うことが好ましい。なお、上記発泡部における膨らみを抑えたい面のみに成形型を予め当接した状態で上記発泡工程を行うことにより、成形型が当接されていない反対側のみに膨張させたり、あるいは膨らみを抑えたい部位において、レーザ光の照射前は成形型と上記未発泡成形体との間に所定のすき間を設けておき、発泡による膨張を該すき間分だけ許容しつつその後の膨張を規制したりすることができる。
【0027】
このとき用いる成形型としては、レーザ光が照射される面に該成形型を配置する場合は、該成形型を該レーザ光に対して透過性のある材料(例えばガラスや該レーザ光に対して透過性のある透過性樹脂材料)により構成する必要がある。なお、成形型の材質は、基本的には上記発泡部を構成する熱可塑性樹脂と溶着しないものとする必要がある。ただし、前記非発泡部が形成される面と、発泡に伴う膨張を抑えたい面とが一致する場合は、該非発泡部を成形型として併用することも可能であり、この場合は該非発泡部と該発泡部とが溶着可能な材料構成とすることができる。
【0028】
なお、上記発泡工程で用いるレーザ光の種類としては、レーザ光を吸収するレーザ光吸収性樹脂の吸収スペクトルや板厚等との関係で、該レーザ光吸収性樹脂を該レーザ光の吸収により加熱溶融させうる波長を有するものが適宜選定される。例えば、YAG:Nd3+レーザ(レーザ光の波長:1060nm)や半導体レーザ(レーザ光の波長:500〜1000nm)を用いることができる。また、レーザの出力、照射密度や加工速度(移動速度)等の照射条件は、樹脂の種類等に応じて適宜設定可能である。
【0029】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。
【0030】
(実施例1)
図1、図2に示す本実施例は、本発明に係る部分発泡樹脂成形品をパイプ状の合成樹脂製品に適用したものである。
【0031】
この合成樹脂製品1は、図2に示すように、膨出部2と、パイプ部3と、接続部4とが一体に形成されている。そして、膨出部2の外周面には、気密性シール5が溶着されている。なお、この合成樹脂製品1は、上下に2分割されており、別々に成形された上側分割体と下側分割体とを一体的に接合した中空体である。
【0032】
上記膨出部2、パイプ部3及び接続部4を構成する樹脂は、着色剤としてのカーボンブラックが所定量添加されて、加熱源として用いるレーザ光に対して吸収性のあるレーザ光吸収性樹脂とされたポリエチレン(PE)である。
【0033】
また、上記気密性シール5は、加熱源としてのレーザ光に対して透過性を有する透過性樹脂よりなるPEフィルムからなり、非発泡部を構成する。
【0034】
そして、合成樹脂製品1のうち膨出部2のみが部分的に発泡した発泡部からなり、膨出部2の両側に設けられたパイプ部3及び接続部4は未発泡のまま残存する未発泡部からなる。すなわち、この合成樹脂製品1は、発泡部としての膨出部2と、未発泡部としてのパイプ部3及び接続部4とが一体に形成された部分発泡樹脂成形品である。
【0035】
以下、この合成樹脂製品1の製造方法について説明する。
【0036】
(成形工程)
まず、着色剤としてのカーボンブラックが適量添加されたレーザ光吸収性樹脂としてのPE(融点:130℃、成形温度:200℃)と、発泡剤としてのバリウムアゾジカルボキシレート(分解温度:240〜250℃)とからなる発泡樹脂原料を準備した。そして、射出成形により所定形状の上側分割体と下側分割体とを成形した後、振動溶着により両者を一体的に接合して、図1に示す未発泡成形体6を成形した。
【0037】
なお、上側分割体及び下側分割体を射出成形する際、未発泡成形体6のうち発泡部となる部分6aの外面に、2色成形により、非発泡部としての気密性シール5を形成、溶着した。
【0038】
(発泡工程)
そして、図1に示すようにレーザトーチ7を用い、未発泡成形体6のうち発泡部となる部分6aのみにレーザ光を照射した。なお、照射に使用したレーザ光はYAG:Nd3+レーザ(波長:1060nm)である。また、図1の矢印で示すように、レーザの照射は、未発泡成形体6を軸心周りに回転させながら、発泡部となる部分6aの範囲でレーザトーチ7を軸方向に往復移動させることを繰り返すことにより行った。
【0039】
これにより、透過性樹脂よりなる気密性シール5を透過したレーザ光が発泡部となる部分6aのレーザ光吸収性樹脂に吸収され、該レーザ光吸収性樹脂に含まれる熱可塑性樹脂としてのPEが加熱溶融するとともに、この熱により発泡剤が分解してガスを発生し、溶融した熱可塑性樹脂がガスによって発泡して膨張した。
【0040】
こうして、レーザ光が照射された部位のみを部分的に発泡させることにより、発泡部としての膨出部2と、未発泡部として残存するパイプ部3及び接続部4とを一体に形成して、本実施例の合成樹脂製品1を完成した。
【0041】
なお、上記発泡工程において、発泡部となる部分6aの外面に形成されていた気密性シール5は、該部分6aの発泡による膨張に伴って、弾性変形により伸びた状態とされる。
【0042】
このように本実施例によれば、必要な部位のみを部分的に発泡させることができるので、防振・防音性等の機能を備えた発泡部としての膨出部2と、強度や気密性等の機能を備えた未発泡部としてのパイプ部3及び接続部4とが一体に形成された樹脂成形品を提供することが可能となる。
【0043】
また、本実施例では、発泡部としての膨出部2の外面に非発泡部としての気密性シール5が一体的に形成されているので、膨出部2は、発泡部としての機能を発揮しつつ、気密性をも確保することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明のレーザによる部分発泡樹脂成形品の製造方法によれば、必要な部位のみを部分的に発泡させることができるので、防振・防音性、断熱・保温性や軽量化等の機能を備えた発泡部と、強度や気密性等の機能を備えた未発泡部とが一体に形成された樹脂成形品を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係り、未発泡成形体のうち必要な部位のみにレーザ光を照射する様子を説明する断面図である。
【図2】本発明の実施例に係る部分発泡樹脂成形品の断面図である。
【符号の説明】
2…膨出部(発泡部)
3…パイプ部(未発泡部)
4…接続部(未発泡部)
5…気密性シール(非発泡部)

Claims (2)

  1. 発泡部と未発泡部とが一体に形成された部分発泡樹脂成形品を製造する方法であって、
    少なくとも上記発泡部となる部分が成形時に発泡せず、かつ、レーザ光の照射により発泡可能な発泡樹脂原料からなり、かつ、該レーザ光に対して透過性を有する透過性樹脂よりなる気密性シールが該発泡部となる部分の外周面に一体的に形成された、所定形状の未発泡成形体を成形する成形工程と、
    上記未発泡成形体のうち上記発泡部となる部分のみに上記気密性シールを透過したレーザ光を照射して、該レーザ光が照射された部位のみを部分的に発泡させる発泡工程とを順に実施することを特徴とするレーザによる部分発泡樹脂成形品の製造方法。
  2. 前記発泡樹脂原料は、前記レーザ光の吸収により溶融可能なレーザ光吸収性樹脂と、該レーザ光吸収性樹脂が該レーザ光の吸収により加熱溶融したときにガスを発生させうる発泡剤とを含むことを特徴とする請求項1記載のレーザによる部分発泡樹脂成形品の製造方法。
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