JP3680516B2 - 共役ジエン重合用触媒及び共役ジエン重合体の製造方法 - Google Patents

共役ジエン重合用触媒及び共役ジエン重合体の製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な共役ジエン重合用触媒及び新規な重合触媒を用いた共役ジエン類の重合体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ブタジエン、イソプレンなどの共役ジエンの重合触媒に関しては、従来より数多くの提案がなされており、種々のミクロ構造の重合体が可能となり、その幾つかは工業化されている。
【0003】
高シス-1,4構造のポリブタジエン等の共役ジオレフィン重合体を得る方法として、遷移金属化合物と有機金属を組み合わせた触媒が知られており、例えばチタン化合物と有機アルミニウムの組合せ、コバルト化合物と有機アルミニウムの組合せ、ニッケル化合物、3フッ化ホウ素及び有機アルミニウム化合物の組合せからなる触媒がよく用いられる。
【0004】
一方、周期律表第IIIB族の金属化合物を用いた重合触媒としては、特公昭47-14729号公報には、▲1▼セリウムオクタノエート等の周期律表第IIIB族の金属の化合物と▲2▼ジイソブチルアルミニウムハイドライド等のアルキルアルミニウムハイドライドやトリアルキルアルミニウムと▲3▼エチルアルミニウムジクロライド等のアルミニウムハライドからなる触媒系が示されており、特に触媒をブタジエンの存在下で熟成することにより触媒活性が増加することが示されている。
【0005】
特公昭62-1404 号公報、特公昭63-64444号公報、特公平1-16244 号公報には希土類元素の化合物の重合溶媒への溶解性を高めることにより、触媒活性を高める方法が提案されている。さらに特公平4-2601号公報には周期律表第IIIB族の金属の化合物、トリアルキルアルミニウムまたはアルミニウムハライドおよび有機ハロゲン誘導体からなる触媒系が1,3-ブタジエンの重合に、従来より高い活性を示すことが開示されている。
【0006】
また、特開平7-268013号公報には希土類金属化合物、周期律表第I 〜III 族の金属化合物と3価のホウ素の有機金属誘導体からなる触媒系が開示されている。
【0007】
しかしながら、これらの触媒系は重合活性が充分でない。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
新規な周期律表第IIIB族金属化合物の共役ジエン重合用触媒系、及び当該重合触媒を用いて、制御された共役ジエン重合体を高活性で製造する方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、(A)周期律表第IIIB族金属の化合物、
(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物、及び、
(C)周期律表第I 〜III 族元素の有機金属化合物からなる共役ジエン重合用触媒に関する。
【0010】
本発明は、該(A)周期律表第IIIB族金属の化合物を構成する金属がネオジウムであることが好ましい。
また、該(A)周期律表第 IIIB 族金属の化合物が、ネオジウムのカルボキシル基が3級炭素原子に結合しているカルボン酸塩であることが好ましい。
また、該(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物が、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートであることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、上記の触媒を用いて、共役ジエン化合物を重合させることを特徴とする共役ジエン重合体の製造方法に関する。また、得られたポリマーのミクロ構造のシス構造の含有量が50〜95重量%であり、トランス構造の含有量が1〜50重量%であり、ビニル構造の含有量が0.5〜3重量%であることを特徴とする上記の共役ジエン重合体の製造方法に関する。
【0012】
本発明の触媒系の(A)成分である周期律表第IIIB族金属の化合物を構成する金属は、周期律表第IIIB族に属する原子であり、ランタン系列元素、アクチニウム系列元素などが挙げれる。好ましくは、希土類元素が挙げられる。具体的には、ネオジウム、プラセオジウム、セリウム、ランタン、ガドリニウムまたはこれらの混合物である。特に、好ましくは、ネオジウムが挙げられる。
【0013】
本発明の触媒系の(A)成分である周期律表第IIIB族金属の化合物としては、周期律表第IIIB族金属のカルボン酸塩、アルコキサイド、β−ジケトン錯体、リン酸塩また亜リン酸塩などであり、中でもカルボン酸塩、リン酸塩が好ましく、特にカルボン酸塩が好ましい。
【0014】
本発明の触媒系の(A)成分である周期律表第IIIB族金属のカルボン酸塩は、一般式(RCO2 3 M (式中、Mは周期律表第IIIB族金属であり、Rは炭素数1〜20の炭化水素基である。)で表される化合物である。
Rは、飽和または不飽和のアルキル基であり、かつ直鎖状、分岐状または環状であり、カルボキシル基CO2 は 1級、 2級または 3級の炭素原子に結合している。具体的には、オクタン酸、2-エチル- ヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、安息香酸、ナフテン酸及びバーサチック酸(シェル化学の商品名であって、カルボキシル基が 3級炭素原子に結合しているカルボン酸である)などの塩が挙げられる。中でも、2-エチル- ヘキサン酸及びバーサチック酸が好ましい。
【0015】
周期律表第IIIB族金属のアルコキサイドは、一般式(RO)3 M (式中、MおよびRは前記と同じである。)で表される化合物である。ROで表されるアルコキシ基の例として、2-エチル- ヘキシルアルコキシ、オレイルアルコキシ、ステアリルアルコキシ、フェノキシ及びベンジルアルコキシ基が挙げられる。中でも、2-エチル- ヘキシルアルコキシ及びベンジルアルコキシ基が好ましい。
【0016】
周期律表第IIIB族金属のβ−ジケトン錯体としては、周期律表第IIIB族金属のアセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、プロピオニトリルアセトン、バレリルアセトン及びエチルアセチルアセトン錯体などが挙げられる。中でもアセチルアセトン及びエチルアセチルアセトン錯体が好ましい。
【0017】
周期律表第IIIB族金属のリン酸塩または亜リン酸塩としては、周期律表第IIIB族金属のリン酸ビス(2-エチルヘキシル)、リン酸ビス(1-メチルヘプチル)、リン酸ビス(p-ノニルフェニル)、リン酸ビス(ポリエチレングリコール-p- ノニルフェニル)、リン酸(1-メチルヘプチル)(2-エチルヘキシル)、リン酸(2-エチルヘキシル)(p-ノニルフェニル)、2-エチルヘキシルホスホン酸モノ-2- エチルヘキシル、2-エチルヘキシルホスホン酸モノ-2- ノニルフェニル、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(1-メチルヘプチル)ホスフィン酸、ビス(p-ノニルフェニル)ホスフィン酸、(1-メチルヘプチル)(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸、(2-エチルヘキシル)(p-ノニルフェニル)ホスフィン酸などの塩が挙げられる。中でも、リン酸ビス(2-エチルヘキシル)、リン酸ビス(1-メチルヘプチル)、2-エチルヘキシルホスホン酸モノ-2- エチルヘキシル、ビス(2-エチルヘキシル)ホスフィン酸などの塩が好ましい。
【0018】
以上の例示した中でも、特に好ましいのはネオジウムのリン酸塩またはネオジウムのカルボン酸塩であり、さらにネオジウムの2-エチル- ヘキサン塩及びネオジウムのバーサチック酸塩などのカルボン酸塩が最も好ましい。
【0019】
本発明の触媒系の(B)成分の、非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物を構成する非配位性アニオンとしては、例えば、テトラ(フェニル)ボレート、テトラ(フルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ジフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(トリフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、テトラキス(テトラフルオロメチルフェニル)ボレート、テトラ(トルイル)ボレート、テトラ(キシリル)ボレート、(トリフェニル,ペンタフルオロフェニル)ボレート、[トリス(ペンタフルオロフェニル),フェニル]ボレート、トリデカハイドライド-7,8- ジカルバウンデカボレートなどが挙げられる。
【0020】
一方、カチオンとしては、カルベニウムカチオン、オキソニウムカチオン、アンモニウムカチオン、ホスホニウムカチオン、シクロヘプチルトリエニルカチオン、遷移金属を有するフェロセニウムカチオンなどを挙げることができる。
【0021】
カルベニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルカルベニウムカチオン、トリ置換フェニルカルベニウムカチオンなどの三置換カルベニウムカチオンを挙げることができる。トリ置換フェニルカルベニウムカチオンの具体例としては、トリ(メチルフェニル)カルベニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)カルベニウムカチオンを挙げることができる。
【0022】
アンモニウムカチオンの具体例としては、トリメチルアンモニウムカチオン、トリエチルアンモニウムカチオン、トリプロピルアンモニウムカチオン、トリブチルアンモニウムカチオン、トリ(n- ブチル) アンモニウムカチオンなどのトリアルキルアンモニウムカチオン、N,N-ジエチルアニリニウムカチオン、N,N-2,4,6-ペンタメチルアニリニウムカチオンなどのN,N-ジアルキルアニリニウムカチオン、ジ(i- プロピル) アンモニウムカチオン、ジシクロヘキシルアンモニウムカチオンなどのジアルキルアンモニウムカチオンを挙げることができる。
【0023】
ホスホニウムカチオンの具体例としては、トリフェニルホスホニウムカチオン、トリ(メチルフェニル)ホスホニウムカチオン、トリ(ジメチルフェニル)ホスホニウムカチオンなどのトリアリールホスホニウムカチオンを挙げることができる。
【0024】
該イオン性化合物は、上記で例示した非配位性アニオン及びカチオンの中から、それぞれ任意に選択して組み合わせたものを好ましく用いることができる
【0025】
中でもイオン性化合物としては、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N-ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、1,1'- ジメチルフェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートなどが好ましい。
イオン性化合物を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0026】
本発明の触媒系の(C)成分の周期律表第I 〜III 族元素としては、有機アルミニウム化合物、有機リチウム化合物、有機マグネシウム化合物、有機亜鉛化合物、有機ホウ素化合物などが挙げられる。
【0027】
具体的な化合物としては、メチルリチウム、ブチルリチウム、フェニルリチウム、ベンジルリチウム、ネオペンチルリチウム、トリメチルシリルメチルリチウム、ビストリメチルシリルメチルリチウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキシルマグネシウム、ジエチル亜鉛、ジメチル亜鉛、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、トリオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウム、トリフッ化ホウ素、トリフェニルホウ素などを挙げることができる。
【0028】
さらに、エチルマグネシウムクロライド、ブチルマグネシウムクロライド、ジメチルアルミニウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、セスキエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウムジクロライドなどのような有機金属ハロゲン化合物、ジエチルアルミニウムハイドライド、ジイソブチルアルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウムハイドライドのような水素化有機金属化合物も含まれる。また有機金属化合物は、二種類以上併用することができる。
【0029】
また、(C)成分として、アルモキサンを用いてもよい。アルモキサンとしては、有機アルミニウム化合物と縮合剤とを接触させることによって得られるものであって、一般式(−Al(R’)O− nで示される鎖状アルミノキサン、あるいは環状アルミノキサンが挙げられる。(R’は炭素数1〜10の炭化水素基であり、一部ハロゲン原子及び/ 又はアルコキシ基で置換されたものも含む。nは重合度であり、5以上、好ましくは10以上である)。R’として、メチル、エチル、プロピル、イソブチル基が挙げられるが、中でも、メチル基が好ましい。アルミノキサンの原料として用いられる有機アルミニウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウムなどのトリアルキルアルミニウム及びその混合物などが挙げられる。
トリメチルアルミニウムとトリブチルアルミニウムの混合物を原料として用いたアルモキサンを好適に用いることができる。
【0030】
また、縮合剤としては、典型的なものとして水が挙げられるが、この他に該トリアルキルアルミニウムが縮合反応する任意のもの、例えば無機物などの吸着水やジオールなどが挙げられる。
【0031】
各触媒成分の配合割合は、各種条件により異なるが、(A)成分と(B)成分とのモル比は、好ましくは 1:0.1 〜 1:10、より好ましくは 1:0.2 〜 1:5 である。
【0032】
(A)成分と(C)成分とのモル比は、好ましくは 1:0.1 〜 1:1000、より好ましくは 1:1 〜 1:500 である。
【0033】
本発明においては、各触媒成分を無機化合物、又は有機高分子化合物に担持して用いることができる。
【0034】
触媒成分の添加順序は、特に、制限はないが、例えば次の順序で行うことができる。
▲1▼重合すべきモノマーと(B)成分及び(C)成分を任意の順序で添加した接触混合物に(A)成分を添加する。
▲2▼重合すべきモノマーと(C)成分の接触混合物に(B)成分、次いで(A)成分を添加する。
▲3▼重合すべきモノマーと(C)成分の接触混合物に(A)成分、次いで(B)成分を添加する。
▲4▼重合すべきモノマーに、(A)成分と(B)成分と(C)成分を任意の順序で接触させた混合物を添加する。
【0035】
また、各成分をあらかじめ熟成して用いてもよい。中でも、(A)成分と(C)成分とを熟成することが好ましい。
熟成条件としては、不活性溶媒中、共役ジエンの存在下、(A)成分と(B)成分を混合する。熟成温度は 0〜100 ℃、好ましくは10〜60℃であり、熟成時間は特に制限はないが、通常は 0.5分以上であれば充分であり、数日間は安定である。
【0036】
本発明における触媒を用いて重合できるモノマーとしては、共役ジエン化合物モノマーである。
【0037】
共役ジエン化合物モノマーとしては、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2-エチル-1,3- ブタジエン、2,3-ジメチルブタジエン、2-メチルペンタジエン、4-メチルペンタジエン、2,4-ヘキサジエンなどが挙げられる。
これらのモノマー成分は、一種用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。
中でも、1,3-ブタジエンを主成分とする共役ジエン化合物モノマーが好ましい。
【0038】
ここで重合すべき共役ジエン化合物モノマーとは、モノマーの全量であっても一部であってもよい。モノマーの一部の場合は、上記の接触混合物を残部のモノマーあるいは残部のモノマー溶液と混合することができる。共役ジエンの他に、エチレン、プロピレン、ブテン-1、ブテン-2、イソブテン、ペンテン-1、4-メチルペンテン-1、ヘキセン-1、オクテン-1等の非環状モノオレフィン、シクロペンテン、シクロヘキセン、ノルボルネン等の環状モノオレフィン、及び/又はスチレンやα−メチルスチレン等の芳香族ビニル化合物、ジシクロペンタジエン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、1,5-ヘキサジエン等の非共役ジオレフィン等を少量含んでいてもよい。
【0039】
重合方法は、特に制限はなく、1,3-ブタジエンそのものを重合溶媒とする塊状重合(バルク重合)、または溶液重合などを適用できる。溶液重合での溶媒としては、トルエン、ベンゼン、キシレン等の芳香族系炭化水素、n-ヘキサン、ブタン、ヘプタン、ペンタン等の脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、1-ブテン、シス-2- ブテン、トランス-2- ブテン等のオレフィン系炭化水素、ミネラルスピリット、ソルベントナフサ、ケロシン等の炭化水素系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン化炭化水素系溶媒等が挙げられる。
【0040】
中でも、トルエン、シクロヘキサン、あるいは、シス-2- ブテンとトランス-2- ブテンとの混合物などが好適に用いられる。
【0041】
重合温度は-100〜 100℃の範囲が好ましく、 -50〜60℃の範囲が特に好ましい。重合時間は10分〜12時間の範囲が好ましく、30分〜 6時間が特に好ましい。
【0042】
所定時間重合を行った後、重合槽内部を必要に応じて放圧し、洗浄、乾燥工程等の後処理を行う。
【0043】
本発明の触媒を用いて共役ジエンを重合した場合には、得られたポリマーのミクロ構造は触媒や重合条件によって異なるが、特に(C)成分の種類や量を変えることによりシス構造の含有量が40〜98重量% 、好ましくは50〜95重量% であり、トランス構造の含有量が 1〜60重量% 、好ましくは 1〜50重量% であり、ビニル構造の含有量が 0.5〜 3重量% である共役ジエン重合体が得られる。
【0044】
【実施例】
実施例において「触媒活性」とは、重合反応に使用したネオジウム化合物のネオジウム金属 1mmol当たり、重合時間1 時間当たりの重合体収量(g) である。
分子量分布は、ポリスチレンを標準物質として用いたGPC から求めた重量平均分子量Mw及び数平均分子量Mnの比Mw/Mn によって評価した。
ミクロ構造は赤外吸収スペクトル分析によって行った。シス 740cm -1 、トランス 967cm -1 、1,2- 910cm -1 の吸収強度比からミクロ構造を算出した。
【0045】
(実施例1)
ブタジエン 2.85mol(155g)を含む脱水シクロヘキサン溶液 750mLに、(C)成分としてトリエチルアルミニウム(TEA ) 1.25mmol 、(A)成分としてネオジウムバーサテート(NdV3)0.025mmol 、及び(B)成分としてトリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3CB(C6F5)4) 0.05mmol をそれぞれトルエン溶液として添加して、重合温度50℃で 1時間重合を行った。重合後、老化防止剤を添加して未反応の1,3-ブタジエンの一部をオートクレーブから放出した。重合液をエタノールに投入し、ポリマーを沈澱、洗浄、ロ過、乾燥した。表1及び表2に、重合条件及び重合結果を示した。
【0046】
(実施例2〜3)
表1に示した条件で行った以外は、実施例1と同様に行った。
表2に重合結果を示した。
【0047】
(実施例4〜5)
トリエチルアルミニウムを表3に示した有機アルミニウムに替えた以外は、実施例1と同様に行った。表3及び表4に、重合条件及び重合結果を示した。
【0048】
(実施例6)
内容量50mLのフラスコの内部を窒素置換し、トリイソブチルアルミニウム(TIBA)のトルエン溶液(1.0mol/L)5mL を仕込み、スターラーで攪拌した。次いでブタジエンのシクロヘキサン溶液(1.0mol/L)0.5mL 、ネオジウムバーサテイト(NdV3)のシクロヘキサン溶液(0.05mol/L )1mL を添加し、室温で30分間熟成し、熟成液を調製した。
内容量 1.5L のオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン 500mL及びブタジエン 155g を仕込み、 700rpm で攪拌した。次いで上記熟成液([Nd]=7.69mmol/L)3.25mLを添加し、溶液の温度を50℃とした後、トリフェニルカルベニウムテトラ(ペンタフルオロフェニル)ボレート(Ph3CB(C6F5)4)のトルエン溶液(0.005mol/L)10mLを添加して重合を開始した。60分後、老化防止剤を含むエタノール/ヘプタン(1/1 )溶液 5mLを添加し、重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液をエタノールに投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで回収したポリブタジエンを50℃で 6時間真空乾燥した。重合条件及び重合結果を表3及び表4に示した。
【0049】
(比較例1)
内容量 1.5L のオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン 500mL及びブタジエン 155g を仕込み、700rpmで攪拌した。次いで、ジイソブチルアルミニウムハイドライド(DIBALH)のシクロヘキサン溶液(1.0mol/L)2.5mL 、NdV3のシクロヘキサン溶液(0.05mol/L )0.75mLを添加し、溶液の温度を50℃とした後、ジエチルアルミニウムクロライド(DEAC)のトルエン溶液(1.0mol/L)0.75mLを添加して重合を開始した。60分後、老化防止剤を含むエタノール/ヘプタン(1/1 )溶液 5mLを添加し、重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液をエタノールに投入し、ポリブタジエンを回収した。次いで回収したポリブタジエンを50℃で 6時間真空乾燥した。重合結果を表5に示した。
【0050】
(比較例2)
内容量 1.5L のオートクレーブの内部を窒素置換し、シクロヘキサン 500mL及びブタジエン 155g を仕込み、700rpmで攪拌した。次いで、TIBAのトルエン溶液(1.0mol/L)2.5mL 、NdV3のシクロヘキサン溶液(0.05mol/L )1.5mL を添加し、溶液の温度を50℃とした後、トリス(ペンタフルオロフェニル)ボラン(B(C6F5)3)のトルエン溶液(0.0423mol/L )3.55mLを添加して重合を開始した。60分後、老化防止剤を含むエタノール/ヘプタン(1/1 )溶液 5mLを添加し、重合を停止した。オートクレーブの内部を放圧した後、重合液を回収した。重合液をエバポレーターで濃縮した後、50℃で 6時間真空乾燥した。重合結果を表5に示した。
【0051】
【表1】
Figure 0003680516
【0052】
【表2】
Figure 0003680516
【0053】
【表3】
Figure 0003680516
【0054】
【表4】
Figure 0003680516
【0055】
【表5】
Figure 0003680516
【0056】
【発明の効果】
新規な周期律表第IIIB族金属化合物の触媒系、及び当該重合触媒を用いて、制御された共役ジエン重合体を高活性で製造する方法が提供できる。

Claims (6)

  1. (A)周期律表第IIIB族金属の化合物、(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物、及び、(C)周期律表第I 〜III 族元素の有機金属化合物からなる共役ジエン重合用触媒。
  2. 該(A)周期律表第IIIB族金属の化合物を構成する金属がネオジウムであることを特徴とする請求項に記載の共役ジエン重合用触媒。
  3. 該(A)周期律表第IIIB族金属の化合物が、ネオジウムのカルボキシル基が 3級炭素原子に結合しているカルボン酸塩あることを特徴とする請求項1〜2に記載の共役ジエン重合用触媒。
  4. 該(B)非配位性アニオンとカチオンとのイオン性化合物が、トリフェニルカルベニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートであることを特徴とする請求項1〜3に記載の共役ジエン重合用触媒。
  5. 請求項1〜に記載の触媒を用いて、共役ジエン化合物を重合させることを特徴とする共役ジエン重合体の製造方法。
  6. 得られたポリマーのミクロ構造のシス構造の含有量が50〜95重量%であり、トランス構造の含有量が1〜50重量%であり、ビニル構造の含有量が0.5〜3重量%であることを特徴とする請求項に記載の共役ジエン重合体の製造方法。
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