JP2002187908A - 共役ジエン重合触媒及び共役ジエン系重合体の製造方法 - Google Patents

共役ジエン重合触媒及び共役ジエン系重合体の製造方法

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JP2002187908A
JP2002187908A JP2000384771A JP2000384771A JP2002187908A JP 2002187908 A JP2002187908 A JP 2002187908A JP 2000384771 A JP2000384771 A JP 2000384771A JP 2000384771 A JP2000384771 A JP 2000384771A JP 2002187908 A JP2002187908 A JP 2002187908A
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JP2000384771A
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Kazuya Ito
和哉 伊東
Tomohiro Shibuya
智啓 渋谷
Shojiro Aida
昭二郎 会田
Shiyoumin Kou
召民 侯
Yasuo Wakatsuki
康雄 若槻
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Zeon Corp
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高重合活性を有し、高いシス−1,4結合含
有量の、加工し易い適度な分子量を有する共役ジエン系
重合体の製造が可能な重合触媒および上記の特性を有す
る共役ジエン系重合体の製造方法を提供すること。 【解決手段】 (1)希土類金属化合物のメタロセン型
錯体(A)、例えば、ビスペンタメチルシクロペンタジ
エニルビステトラヒドロフランサマリウム等と、周期律
表第1〜3族元素および第11〜13族元素から選ばれ
る少なくとも1種の元素の有機金属化合物(B)、例え
ば、トリイソブチルアルミニウムとを混合し、(2)上
記混合物とアルミノキサン(C−1)および/または有
機アルミニウム化合物と水との反応生成物(C−2)と
を混合してなる共役ジエン重合触媒。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規な共役ジエン用
重合触媒およびそれを用いる共役ジエン系重合体の製造
方法に関する。
【0002】従来から1,3−ブタジエンを重合して高
シス−1,4−ポリブタジエンを得る重合触媒が種々提
案され、コバルトやニッケル系のチーグラー(Zieg
ler)型触媒を用いて高シス−1,4−ポリブタジエ
ンが製造されている。また、近年、分子量分布が広く、
かつ分布を広範囲に変えることができるプラセオジウム
やネオジウムなどの希土類金属化合物を触媒とする高シ
ス−1,4−ポリブタジエンも製造されている。
【0003】さらに、最近では、希土類金属化合物のメ
タロセン型錯体とアルミノキサンとからなる共役ジエン
重合触媒が提案されている。例えば、ペンタメチルシク
ロペンタジエニル配位子を有する二価サマリウム化合物
とモディファイドメチルアルミノキサンとからなる触媒
で1,3−ブタジエンを重合し、シス−1,4結合含有
量が98.8モル%、数平均分子量が約40万のポリブ
タジエンが得られている(日本化学会第76春季年会講
演予稿集、2H105、1999年、横浜)。
【0004】しかしながら、この重合触媒で得られる高
シス−1,4−ポリブタジエンは、従来の高シス−1,
4−ポリブタジエンに比して分子量が大きく、加工し難
いものであった。高いシス−1,4結合含有率を維持し
たまま、加工し易い分子量範囲のボリブタジエンを得る
ためには、使用する重合触媒の量を増やす必要があり、
重合触媒の増量により得られたポリブタジエン中には多
量の触媒残渣が残存するという問題があった。また、比
較的高価なアルミノキサンを多量に使用することから、
従来の重合触媒に比べて経済的に不利となる問題もあっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような事
情に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、高重
合活性を有し、高いシス−1,4結合含有量の、加工し
易い適度な分子量を有する共役ジエン系重合体の製造が
可能な希土類金属化合物のメタロセン型錯体とアルミノ
キサンを含む重合触媒を提供することにあり、他の目的
は上記の特性を有する共役ジエン系重合体の製造方法を
提供することにある。
【0006】本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意検
討した結果、上記重合触媒にさらに他の成分を加え、こ
れらの触媒成分を特定な順序で混合して調製した重合触
媒は、重合活性に優れ、少ない使用量で加工し易い分子
量を有する共役ジエン系重合体を生成することを見いだ
し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる本発明によれば、
(1)希土類金属化合物のメタロセン型錯体(A)と周
期律表第1〜3族元素および第11〜13族元素から選
ばれる少なくとも1種の元素の有機金属化合物(B)と
を混合し、(2)得られた混合物とアルミノキサン(C
−1)および/または有機アルミニウム化合物と水との
反応生成物(C−2)とを混合してなることを特徴とす
る共役ジエン重合触媒及びこの重合触媒を使用すること
を特徴とする共役ジエン系重合体の製造方法が提供され
る。
【0008】
【発明の実施の形態】次に発明の好ましい実施の形態を
挙げて本発明をさらに詳細に説明する。本発明の共役ジ
エン重合触媒は、希土類金属化合物のメタロセン型錯体
(A)、周期律表第1族(旧IA族)〜第3族(旧III
A族)元素および第11族(旧IB族)〜第13族(旧
III B族)元素から選ばれる少なくとも1種の元素の有
機金属化合物(B)、およびアルミノキサン(C−1)
および/または有機アルミニウム化合物と水との反応生
成物(C−2)とからなるが、触媒調製時の上記成分の
添加順序に特徴がある。先ず、本発明で使用する重合触
媒の各成分について説明する。
【0009】希土類金属化合物のメタロセン型錯体
(A)としては、例えば、下記の一般式(1)または
(2)で表される2価または3価の希土類金属化合物が
挙げられる。 Ra MXb ・Lc (1) Ra MXb QXb (2) 上記式中の、Mは希土類金属を、Rはシクロペンタジエ
ニル基、インデニル基、またはフルオレニル基、および
置換基を有するこれらの基を、Xは水素原子、ハロゲン
原子、アルコキシ基、チオアルコキシ基、アミノ基、ま
たは炭素数が1〜20の炭化水素基などを、Lはルイス
塩基性化合物を、Qは周期律表第3族(旧III A族)、
または第13族(旧III B族)の元素を、aは1〜3の
整数、bは0〜2の整数、cは0〜2の整数をそれぞれ
示し、aが2の場合、2個のRは同一でも異なってもよ
く、同様にbまたはcが2の場合、2個のXまたはLは
同一でも異なってもよい。
【0010】Mの希土類金属としては、周期律表中の原
子番号が57〜71の元素を用いることができる。具体
的には、例えば、ランタン、セリウム、プラセオジウ
ム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユウロピ
ウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホ
ルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ル
テチウムなどが挙げられる。
【0011】Rのシクロペンタジエニル基、インデニル
基、またはフルオレニル基が置換基を有する場合、置換
基の種類、個数および置換位置は特に限定されない。置
換基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル
基などの炭素数が1〜10程度のアルキル基、フェニル
基、ベンジル基、トリメチルシリル基などの炭化水素基
置換シリル基などが挙げられる。また、RはXの一部と
互いにジメチルシリレン基(−Si(CH32 −)、
メチレン基、ジメチルメチレン基、メチルフェニルメチ
レン基、エチレン基、置換エチレン基などの架橋基で結
合されていてもよい。また、R同士が互いに上記の架橋
基で結合されていてもよい。
【0012】置換シクロペンタジエニル基の具体例とし
ては、例えば、メチルシクロペンタジエニル基、エチル
シクロペンタジエニル基、tert−ブチルシクロペンタジ
エニル基、フェニルシクロペンタジエニル基、ベンジル
シクロペンタジエニル基、ビニルシクロペンタジエニル
基、2−メトキシエチルシクロペンタジエニル基、トリ
メチルシリルシクロペンタジエニル基、1,2または
1,3−ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3−ジ
(tert−ブチル)シクロペンタジエニル基、1,2,3
−トリメチルシクロペンタジエニル基、1,2,3,4
−テトトラメチルシクロペンタジエニル基、ペンタメチ
ルシクロペンタジエニル基、1−エチル−2,3,4,
5−テトラメチルシクロペンタジエニル基、1−ベンジ
ル−2,3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニ
ル基、1−フェニル−2,3,4,5−テトラメチルシ
クロペンタジエニル基、1−トリメチルシリル−2,
3,4,5−テトラメチルシクロペンタジエニル基、1
−トリフルオロメチ−2,3,4,5−テトラメチルシ
クロペンタジエニル基などが挙げられる。置換インデニ
ル基としては、例えば、1,2,3−トリメチルインデ
ニル基、ヘプタメチルインデニル基、1,2,4,5,
6,7−ヘキサメチルインデニル基などが挙げられる。
Rとしてはペンタメチルシクロペンタジエニル基が好ま
しい。
【0013】Xのアルコキシ基およびチオアルコキシ基
としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキ
シ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、 sec−ブトキ
シ基、tert−ブトキシ基などの脂肪族アルコキシ基およ
びこれらの対応のチオアルコキシ基;フェノキシ基、
2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基、2,6−ジイ
ソプロピルフェノキシ基、2,4,6−トリイソプロピ
ルフェノキシ基、2,6−ジネオペンチルフェノキシ
基、2−tert−ブチル−6−イソプロピルフェノキシ
基、2−tert−ブチル−6−ネオペンチルフェノキシ
基、2−イソプロピル−6−ネオペンチルフェノキシ基
などの芳香族アルコキシ基及びこれらの対応の芳香族チ
オアルコキシ基などが挙げられる。特に好ましいのは
2,6−ジ−tert−ブチルフェノキシ基および2,4,
6−トリイソプロピルチオフェノキシ基である。
【0014】Xのアミノ基としては、例えば、アミノ
基;ジメチルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基などの
低級アルキル基置換アミノ基;フェニルアミノ基、2,
6−ジ−tert−ブチルフェニルアミノ基、2,6−ジイ
ソプロピルフェニルアミノ基、2,6−ジネオペンチル
フェニルアミノ基、2−tert−ブチル−6−イソプロピ
ルフェニルアミノ基、2−tert−ブチル−6−ネオペン
チルフェニルアミノ基、2−イソプロピル−6−ネオペ
ンチルフェニルアミノ基、2,4,6−tert−ブチルフ
ェニルアミノ基などのアリール基置換アミノ基などが挙
げられる。特に好ましいものは2,4,6−tert−ブチ
ルフェニルアミノ基である。
【0015】Xのハロゲン原子は、フッ素、塩素、臭素
または沃素であるが、塩素および沃素が好ましい。ま
た、Xの炭素数が1〜20の炭化水素基としては、直鎖
および分岐鎖を有するアルキル基;フェニル基、トリル
基、ナフチル基などの芳香族炭化水素基;ベンジル基な
どのアラルキル基;トリメチルシリル基などが挙げられ
る。Xとして好ましいものは水素原子、ハロゲン原子、
炭素数が1〜20の炭化水素基である。
【0016】Lのルイス塩基性化合物としては、対電子
を有し、金属に配位できるルイス塩基性の公知の無機お
よび有機の化合物がいずれも使用でき、特に限定されな
い。例えば、エーテル化合物、エステル化合物、ケトン
化合物、アミン化合物、ホスフィン化合物、シリルオキ
シ化合物などが挙げられる。Qの周期律表第3族および
第13族元素としては、ホウ素、アルミニウム、ガリウ
ムなどが挙げられるが、アルミニウムが好ましい。
【0017】上記の各成分から構成される一般式(1)
および(2)で示される希土類金属化合物のメタロセン
型錯体(A)の具体例を以下に示す。一般式(1)で示
されるものとしては、例えば、ビスペンタメチルシクロ
ペンタジエニルビステトラヒドロフランサマリウム、メ
チルビスペンタメチルシクロペンタジエニルテトラヒド
ロフランサマリウム、クロロ又はヨードビスペンタメチ
ルシクロペンタジエニルテトラヒドロフランサマリウム
などが挙げられる。一般式(2)で示されるものとして
は、例えば、ジメチルアルミニウム(μ−ジメチル)ビ
ス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)サマリウムな
どが挙げられる。このような希土類金属化合物のメタロ
セン型錯体は、公知の方法、例えば、ビスペンタメチル
シクロペンタジエニルビステトラヒドロフランサマリウ
ムは、J.Am.Chem.Soc.,107,941
〜946(1985)などに記載の方法により合成する
ことができる。
【0018】本発明の共役ジエン重合触媒の他の成分
は、周期律表第1〜3族および第11〜13族の元素か
ら選ばれる少なくとも1種の元素の有機金属化合物
(B)である。好ましいものとしては、例えば、有機ア
ルミニウム化合物、有機リチウム化合物、有機マグネシ
ウム化合物、有機亜鉛化合物または有機ホウ素化合物が
挙げられる。具体的には、例えば、メチルリチウム、ブ
チルリチウム、ネオペンチルリチウム、ベンジルリチウ
ム、トリメチルシリルメチルリチウム、ビストリメチル
シリルメチルリチウム、ジブチルマグネシウム、ジヘキ
シルマグネシウム、ジメチル亜鉛、ジエチル亜鉛、トリ
メチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイ
ソブチルアルミニウム、トリヘキシルアルミニウム、ト
リオクチルアルミニウム、トリデシルアルミニウムなど
のアルキル金属化合物;エチルマグネシウムクロライ
ド、ブチルマグネシウムクロライド、ジメチルアルミニ
ウムクロライド、ジエチルアルミニウムクロライド、セ
スキエチルアルミニウムクロライド、エチルアルミニウ
ムジクロライドなどの有機金属ハロゲン化合物;ジエチ
ルアルミニウムハイドライド、セスキエチルアルミニウ
ムハイドライドなどの水素化有機金属化合物などが挙げ
られる。これらは、単独でまたは2種以上を組合せて使
用することができる。特に好ましいのは有機アルミニウ
ム化合物である。
【0019】他の成分はアルミノキサン(C−1)又は
有機アルミニウム化合物と水との反応生成物(C−2)
である。アルミノキサン(C−1)は、有機アルミニウ
ム化合物と水などの縮合剤とを反応させて得られる下記
の一般式(3)又は(4)で表される鎖状または環状の
化合物である。 上記式中のR′は、メチル基、エチル基などの炭素数が
1〜10のアルキル基であり、ハロゲン原子および/ま
たはアルコキシ基で置換されたものでもよい。nは重合
度であり、nは2〜100程度であり、好ましくは5以
上、さらに好ましくは10以上である。R′としてはメ
チル基が好ましい。
【0020】アルミノキサンの原料である有機アルミニ
ウム化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウ
ム、トリエチルアルミニウム、トリイソブチルアルミニ
ウムなどの炭素数が1〜10程度のトリアルキルアルミ
ニウムなどが挙げられる。これらは1種又は2種以上を
混合して使用することができる。特に好ましいのはトリ
メチルアルミニウムまたはこれとトリブチルアルミニウ
ムとの混合物である。このようなアルミノキサンは、東
ソー・アクゾ社製品が「MMAO」として市販されてお
り、入手可能である。
【0021】有機アルミニウム化合物と水との反応生成
物(C−2)は、その構造は未だ特定されていないが、
有機アルミニウム化合物の可溶性溶剤中で、有機アルミ
ニウム化合物1モル当たり水を0.01〜2モル程度、
好ましくは0.2〜0.7モル反応させることによって
得られるものである。有機アルミニウム化合物として
は、前述と同様のものが挙げられる。
【0022】次に、以上説明した重合触媒を構成する各
成分を用いた本発明の共役ジエン重合触媒の調製方法に
ついて説明する。高シス−1,4結合含有量を維持し、
かつ分子量が加工が容易な範囲に制御された共役ジエン
系重合体が得られるためには、重合触媒を調製する際の
成分の添加順序が重要である。先ず、(1)希土類金属
化合物のメタロセン型錯体(A)と周期律表第1〜3族
元素および第11〜13族元素から選ばれる少なくとも
1種の元素の有機金属化合物(B)とを不活性溶剤中で
混合し、次いで、(2)得られた混合物とアルミノキサ
ン化合物(C−1)および/または有機アルミニウム化
合物と水との反応生成物(C−2)とを混合することが
必要である。
【0023】このような順序で各成分を混合して調製さ
れた本発明の重合触媒は、高重合活性を有し、少ない使
用量で済むことから、凝固、乾燥工程を経て製造された
共役ジエン系重合体中の触媒残渣量を低減することがで
きる。尚、上記の成分(C−2)は、予め上記成分を反
応させて形成した反応生成物を用いても、また段階
(1)で得られた混合物中で両成分を反応させて反応生
成物を形成させてもよい。上記の段階(1)及び(2)
における混合は、例えば、0〜80℃の温度で行われ、
各段階での混合後、例えば、上記温度で0.1〜24時
間程度熟成させる。この混合温度、熟成温度や時間は目
安であって、上記に限定されるものではない。
【0024】本発明の重合触媒における、各成分(A)
〜(C−2)の使用割合は、重合する共役ジエンの種
類、目的とする分子量などによって適宜選択することが
できるが、好ましい使用割合は以下のとおりである。成
分(A)対成分(B)の使用割合は、各成分の金属のモ
ル比〔成分(B)の金属/希土類金属〕が1〜50の範
囲が好ましく、さらに好ましくは10〜30の範囲であ
る。また、成分(A)と(C−1)および/または成分
(C−2)の使用割合は、各成分の金属のモル比[成分
(C−1)および/または(C−2)の金属/〔成分
(A)の金属〕]が10〜1000の範囲が好ましく、
さらに好ましくは40〜200の範囲である。
【0025】本発明の重合触媒で重合可能な共役ジエン
としては、例えば、1,3−ブタジエン、1,3−ペン
タジエン、2,3−ジメチルブタジエン、イソプレンな
どが挙げられる。これらは単独または2種以上を組み合
わせて使用することができる。特に好ましいのは1,3
−ブタジエンである。
【0026】共役ジエンの重合は、溶剤の不存在下に行
うこともできるが、溶剤中で行うのが一般的である。溶
剤としては、触媒の重合活性に影響を与えず、共役ジエ
ン、触媒および生成重合体を溶解する溶剤が好ましい
が、特に限定されない。溶剤としては、例えば、ブタ
ン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの飽和脂肪族炭
化水素;シクロペンタン、シクロヘキサンなどの飽和脂
環式炭化水素;1−ブテン、2−ブテンなどの不飽和モ
ノオレフィン類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化
水素などが挙げられる。これらの溶剤は単独または2種
以上を組み合わせて使用することができる。
【0027】共役ジエンの重合方法は、チーグラー(Z
iegler)型触媒を用いた従来の共役ジエンの重合
方法と同様であり、回分式や連続式重合により共役ジエ
ン系重合体を得ることができる。重合温度は、使用する
溶剤によって異なるが、通常−30〜60℃の範囲であ
る。触媒量は共役ジエン系重合体の分子量が所定の分子
量となるように決定される。重合終了後、重合系に水や
アルコールなどの重合触媒を失活させる物質(重合停止
剤)を添加して重合反応を停止させ、重合体溶液を、例
えば、水蒸気などと接触させて重合体をクラムとして凝
固させ、クラムを水やアルコールなどで洗浄して触媒残
渣を除去し、次いで、クラムは押出乾燥機や熱風乾燥機
などの従来から実施されている乾燥方法によって乾燥さ
れる。
【0028】本発明の重合触媒を用いて得られる共役ジ
エン系重合体は、シス−1,4結合含有量が90モル%
以上、好ましくは95モル%以上、特に好ましくは98
モル%以上の重合体であり、触媒組成の調節によって数
平均分子量(Mn)(GPCで測定。標準ポリスチレン
換算。)が5万〜30万、分子量分布(Mw/Mn)
(MwはGPCで測定した重量平均分子量である。)が
1.8〜3のものが容易に得られる。特に、高シス−
1,4−結合含有量で、数平均分子量が27万未満のも
のは、加工し易く、ゴム架橋物の機械的強度及び低発熱
性などの点で優れている。本発明の重合触媒を用いて得
られる共役ジエン系重合体は、、タイヤ、防振ゴム、ホ
ースなどのゴム製品の原料ゴムや耐衝撃性ポリスチレン
用の耐衝撃性改良剤などとして種々の用途で使用でき
る。
【0029】
【実施例】以下に実施例および比較例を挙げて本発明を
具体的に説明する。尚、分子量はGPCで測定し、標準
ポリスチレンの分子量に換算した数平均分子量(Mn)
である。シス−1,4結合量は1H−NMRおよび13
−NMRで測定した。
【0030】実施例1 乾燥、脱気した耐圧ガラスアンプルにビスペンタメチル
シクロペンタジエニルビステトラヒドロフランサマリウ
ム〔(PMCp)2Sm(THF)2〕(ここでPMCp
はペンタメチルシクロペンタジエニル配位子を、THF
はテトラヒドロフラン配位子を示す。)0.0167m
molを仕込み、脱水処理したトルエン5mlに溶解さ
せた。次いで、トリイソブチルアルミニウム(Tiba
l)の1.0mol/lのトルエン溶液0.167ml
を仕込み、25℃で5分間熟成させ、さらにMMAO−
S(東ソー・アクゾー社製:アルミニウム金属含有量
5.6重量%)ヘキサン溶液を、アルミニウム金属モル
量で3.34mmolに相当する量を仕込み、25℃で
5分間熟成させて重合触媒溶液を調製した。
【0031】別の乾燥、脱気した耐圧ガラスアンプル
に、脱水乾燥したトルエン52.3mlと1,3−ブタ
ジエン5.0gを仕込み、さらに上記の重合触媒溶液を
仕込んだ後、30℃で1時間重合させ、これに、2,6
−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノールの2重量%
メタノール溶液0.5mlを添加して重合反応を停止さ
せた。得られた重合体溶液を、2,6−ジ−tert−ブチ
ル−4−メチルフェノールの2重量%メタノール溶液5
00mlに注いで重合体を沈殿させた。分離した重合体
をメタノールで充分に洗浄した後、40℃で4時間真空
乾燥した。触媒組成、重合体収率、数平均分子量、分子
量分布(Mw/Mn)およびシス1,4−結合量(モル
%)を表1に示す。
【0032】実施例2 サマリウム金属(Sm)に対するMMAO−S中のアル
ミニウム金属の比率を表1に示すモル比に変更した以外
は、実施例1と同様にして重合を行った。結果を表1に
示す。
【0033】実施例3 1,3−ブタジエンと共に仕込む脱水乾燥したトルエン
の量を52.3mlから22.9mlに代えた以外は実
施例2と同様にして重合を行った。結果を表1に示す。
【0034】実施例4〜6 (PMCp)2Sm(THF)2と混合熟成させるTib
alの量を表1に示すモル比に代える以外は実施例3と
同様にして重合を実施した。結果を表1に示す。
【0035】比較例1 乾燥、脱気した耐圧ガラスアンプルに(PMCp)2
m(THF)20.0167mmolを仕込み、脱水処
理したトルエン5mlに溶解させた。次いで、MMAO
−S(東ソー・アクゾー社製:アルミニウム金属含有量
5.6重量%)ヘキサン溶液を、アルミニウム金属モル
量で3.34mmolとなる量仕込み、25℃で5分間
熟成させて重合触媒溶液を調製した。この重合触媒溶液
を使用する以外は、実施例1と同様にして重合を行っ
た。結果を表1に示す。
【0036】比較例2、3 サマリウム金属に対するMMAO−S中のアルミニウム
金属のモル比を表1に示すように変更し、これ以外は比
較例1と同様にして重合を実施した。結果を表1に示
す。
【0037】比較例4 乾燥、脱気した耐圧ガラスアンプルに(PMCp)2
m(THF)2を0.025mmol仕込み、脱水処理
したトルエン5mlに溶解させた。次いで、MMAO−
S(東ソー・アクゾー社製:アルミニウム金属含有量
5.6重量%)ヘキサン溶液を、アルミニウム金属モル
量で5.0mmolに相当する量仕込み、25℃で5分
間熟成させて重合触媒溶液を調製した。この重合触媒溶
液を使用する以外は、比較例1と同様にして重合を行っ
た。結果を表1に示す。
【0038】
【0039】表1から以下のことがわかる。比較例1に
対して、Sm金属に対するMMAO−SのAlのモル比
を増加させたり、重合触媒に対する仕込み1,3−ブタ
ジエンの比率を減少させると、シス1,4−結合量を低
下させずに、ある程度数平均分子量を低下させることが
できる。しかしながら、得られる重合体に対して、使用
するMMAO−Sの量が増加する不具合が生じる。
【0040】一方、実施例1では、予め、Sm金属化合
物とTibalとを混合して熟成させることでシス−
1,4−結合量を低下させずに数平均分子量を低下させ
ることことができる。また、実施例2では、使用してい
るMMAO−Sの量を減らしたにも関わらず、シス1,
4−結合量が低下することなく、数平均分子量が低下し
た重合体が良好な収率で得られている。また、実施例3
〜6では、Sm金属と予め混合するTibalの量を変
量することで得られる重合体の数平均分子量を調整する
ことができる。
【0041】
【発明の効果】以上の本発明によれば、高重合活性を有
し、高シス1,4−結合含有量を維持したまま、共役ジ
エン系重合体の分子量を適度に調整することができる共
役ジエン用重合触媒が提供される。
フロントページの続き (72)発明者 渋谷 智啓 神奈川県川崎市川崎区夜光1−2−1 日 本ゼオン株式会社総合開発センター内 (72)発明者 会田 昭二郎 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 (72)発明者 侯 召民 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 (72)発明者 若槻 康雄 埼玉県和光市広沢2番1号 理化学研究所 内 Fターム(参考) 4J015 DA02 DA03 DA04 DA05 DA37 4J028 AA01A AB00A AC49A BA01A BA01B BB00A BB01A BB01B BC01A BC05A BC06A BC09A BC15A BC15B BC16A BC17A BC19A BC25B BC27A EB12 EB13 EB14 FA02 GA01 GA06 GA11 GB01 4J128 AA01 AB00 AC49 BA01A BA01B BB00A BB01A BB01B BC01A BC05A BC06A BC09A BC15A BC15B BC16A BC17A BC19A BC25B BC27A EB12 EB13 EB14 FA02 GA01 GA06 GA11 GB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)希土類金属化合物のメタロセン型
    錯体(A)と周期律表第1〜3族元素および第11〜1
    3族元素から選ばれる少なくとも1種の元素の有機金属
    化合物(B)とを混合し、(2)得られた混合物とアル
    ミノキサン(C−1)および/または有機アルミニウム
    化合物と水との反応生成物(C−2)とを混合してなる
    ことを特徴とする共役ジエン重合触媒。
  2. 【請求項2】 (1)希土類金属化合物のメタロセン型
    錯体(A)と周期律表第1〜3族元素および第11〜1
    3族元素から選ばれる少なくとも1種の元素の有機金属
    化合物(B)とを混合し、(2)得られた混合物とアル
    ミノキサン(C−1)および/または有機アルミニウム
    化合物と水との反応生成物(C−2)とを混合すること
    を特徴とする共役ジエン重合触媒の調製方法。
  3. 【請求項3】 共役ジエンを重合するに際し、請求項1
    に記載の重合触媒を使用することを特徴とする共役ジエ
    ン系重合体の重合方法。
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