JP3674548B2 - ヒンジ装置 - Google Patents

ヒンジ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3674548B2
JP3674548B2 JP2001201908A JP2001201908A JP3674548B2 JP 3674548 B2 JP3674548 B2 JP 3674548B2 JP 2001201908 A JP2001201908 A JP 2001201908A JP 2001201908 A JP2001201908 A JP 2001201908A JP 3674548 B2 JP3674548 B2 JP 3674548B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plate
fixed plate
shaft member
hinge device
friction plate
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001201908A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002250335A (ja
Inventor
勉 山下
Original Assignee
双葉金属工業株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 双葉金属工業株式会社 filed Critical 双葉金属工業株式会社
Priority to JP2001201908A priority Critical patent/JP3674548B2/ja
Publication of JP2002250335A publication Critical patent/JP2002250335A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3674548B2 publication Critical patent/JP3674548B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Pivots And Pivotal Connections (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイ等の表示手段を傾動可能に支持するのに好適なヒンジ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶ディスプレイ等の表示手段を傾動自在に支持するヒンジ装置として、特開平6−294414号公報には、ブラケット部材の枢支部を挿通する軸部材を設け、枢支部の両側において軸部材に略円板状の摩擦板を相対回転不能で且つ軸方向に移動自在に外装し、両摩擦板を枢支部に圧接させることで、液晶ディスプレイの傾動操作時に適度な制動力を付与し、傾動操作した位置に液晶ディスプレイが保持されるように構成したヒンジ装置が記載されている。
【0003】
また、実開平1−117797号公報には、軸部材に摩擦板と中間板とを複数組外装し、摩擦板を軸部材に対して軸方向に移動自在で且つ回転不能に設け、中間板を軸部材に対して軸方向に移動自在で且つブラケット部材に対して相対回転不能に係止し、軸部材に外装した圧縮コイルバネにより、摩擦板と中間板とを圧接させることにより、軸部材に対して制動力を付与するようになしたヒンジ装置が記載されている。尚、このヒンジ装置では、中間板の端部をブラケット部材の取付部に当接させて、中間板をブラケット部材に対して相対回転不能になしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のヒンジ装置は、前記公報に記載のヒンジ装置のように、摩擦板がブラケット部材の枢支部に直接的に圧接されるので、枢支部の摩耗等により制動力が低下しないように、ブラケット部材全体を耐摩耗性に優れた材料で構成することが好ましい。特に、近年における液晶ディスプレイの大型化に伴って、制動力を高く設定する必要があることから、ブラケット部材の耐摩耗性に対する要求が強くなっている。一方、ブラケット部材は、軸部材を支持するため十分な機械的強度が要求されるので、機械的強度を満足しつつ耐摩耗性を向上するため、ステンレス鋼板からなるブラケット部材も実用化されている。しかし、ステンレス鋼板は高価でしかも加工性があまり良くないので、ブラケット部材の製作コストが高くなり、ひいてはヒンジ装置の製作コストが高くなるという問題があった。
また、前記ヒンジ装置では、液晶ディスプレイの最大傾動角を機枠側において規制しているので、傾動角の変更時には機枠の構成を変更する必要があり、傾動角に対する設計変更に容易に対応できないという問題もあった。
【0005】
本発明の目的は、大型な液晶ディスプレイを傾動自在に支持するのに好適で、しかも製作コストを低減でき、傾動角の変更にも容易に対応可能なヒンジ装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段及びその作用】
本発明に係るヒンジ装置は、略平板状の枢支部を有するブラケット部材と、前記枢支部の少なくとも一方の側面に相対回転不能に設けた耐摩耗性に優れた材料からなる固定板と、前記枢支部及び固定板を回転自在に挿通する軸部材と、前記固定板を挟んで枢支部とは反対側に設けた摩擦板であって、軸部材に相対回転不能で且つ軸方向に移動自在に設けた摩擦板と、前記摩擦板を固定板に圧接させる付勢部材であって、軸部材に軸方向に移動自在に設けた付勢部材とを備え、前記軸部材の途中部に鍔部を形成し、軸部材の一方の端部に丸軸からなるかしめ部を形成し、かしめ部と鍔部間に少なくとも枢支部と固定板と摩擦板と付勢部材とを配置させて、かしめ部をかしめることにより、これらの部材を軸部材に一体化させたものである。
【0007】
このヒンジ装置においては、軸部材とともに回転する摩擦板をブラケット部材の枢支部に固定した固定板に付勢部材の付勢力により圧接させることにより、摩擦板と固定板間の摩擦抵抗により軸部材に対して制動力を付与して、回転操作した位置に軸部材を保持できるように構成することになる。このように、固定板をブラケット部材の枢支部に相対回転不能に固定し、これに摩擦板を圧接させて軸部材に対して制動力を付与するので、ブラケット部材として安価でしかも加工性に優れた鉄板等の金属板からなるものを採用して、ヒンジ装置の製作コストを低減しつつ、固定板として耐摩耗性に優れた材料からなるものを採用することで、摩擦板と固定板との摺動部分における耐久性を十分に確保できる。また、軸部材の途中部に鍔部を形成し、軸部材の一方の端部にかしめ部を形成し、かしめ部と鍔部間に少なくとも枢支部と固定板と摩擦板と付勢部材とを配置させて、かしめ部をかしめることにより、これらの部材を軸部材に一体化しているので、軸部材にナットを螺合させてこれらの部材を軸部材に対して一体化する場合と比較して、振動等によりナットに緩みが発生して制動力が変動し易くなったり、部品点数が増加して製作コストが高くなったりすることを防止できる。
【0008】
ここで、前記枢支部の両側面に固定板を相対回転不能に重ね合わせて設け、固定板を挟んで枢支部とは反対側に摩擦板をそれぞれ設けてもよい。このように構成すると、ヒンジ装置をほとんど大型に構成することなく、摩擦板と固定板との接触面積を増やして、制動力を高めることが可能となり、比較的大型な液晶ディスプレイ等を傾動可能に支持するヒンジ装置として本発明を適用することが可能となる。
【0009】
また、前記摩擦板と固定板とに枢支部に対する軸部材の回転角度を規制する角度規制部を形成することが好ましい。この場合には、摩擦板又は固定板の構成を変更することで、液晶ディスプレイ等の構成を変更することなく、その傾動角を容易に変更することが可能となる。
【0010】
枢支部と固定板との相対回転を規制する構造としては種々のものが考えられるが、前記枢支部に突起を形成し、固定板に突起に係合する係合孔を形成し、突起と係合孔との係合により枢支部に対する固定板の相対回転を規制することが好ましい。つまり、前述のようにブラケット部材は加工性に優れた材料で構成されているので、突起のような複雑な形状であってもプレス成形により精度良く成形でき、また固定板は加工性のあまり良くない材料で構成されることもあるが、貫通状の係合孔であればプレス成形等により容易に且つ精度良く形成できることから、枢支部に突起を形成し、固定板に係合孔を形成することが好ましい。
【0011】
また、前記枢支部に貫通孔又は切欠部からなる係合部を形成し、固定板の外周部に枢支部側へ突出して係合部に内嵌合する係止片を形成し、係合部と係止片との係合により枢支部と固定板との相対回転を規制してもよい。即ち、前述のように枢支部に対して突起をプレス成形等により形成する場合においては、突起のサイズが大きくなると、枢支部が波打ってその平面度が低下するので、サイズに関係無く精度良く成形可能な、貫通孔又は切欠部からなる係合部を枢支部に対して形成することが好ましい。また、固定板は加工性のあまり良くない材料で構成されることもあるので、外周部に係止片を突出状に形成してこれを折曲させたり、固定板の外周部を切り起こして係止片を形成したり、焼結により一体成形することで、固定板の成形精度を低下させることなく、固定板に対して係止片を形成することが可能となる。
【0012】
前記固定板と摩擦板との対向面の少なくとも一方に潤滑油を保持するための微細な凹凸を形成してもよい。即ち、摩擦板と固定板間には一定の摩擦力が作用するように、潤滑油を介在させることが好ましいが、摩擦板及び固定板の表面が平坦な場合には、油切れが発生し易くなり、スムーズな動作が阻害されたり、摩耗が激しくなるなどの問題が発生する。このため、固定板と摩擦板との対向面の少なくとも一方に微細な凹凸を形成し、この微細な凹凸により潤滑油を保持させることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本実施例は、液晶ディスプレイを傾動自在に支持するためのディスプレイ支持台のヒンジ装置に本発明を適用した場合のものである。但し、液晶ディスプレイ以外の表示装置や掲示板等を傾動自在や旋回自在に支持するためのヒンジ装置に対しても本発明を同様に適用できる。
【0015】
図1に示すように、ディスプレイ支持台1の下部には略円盤状の支持脚2が設けられ、支持脚2の中央部には上方へ延びる支持柱3が立設固定され、支持柱3には上方へ延びる支持アーム4が左右1対のヒンジ装置10を介して傾動操作可能に支持され、液晶ディスプレイ(図示外)はこの支持アーム4の前側に固定されて、ヒンジ装置10を介して前方へ傾動角θF、後方へ傾動角θRの範囲内で傾動自在で且つ傾動操作した位置に保持されるように支持されている。但し、ディスプレイ支持台1としては、任意の構成のものを採用することが可能であり、図1に示す形態に限定されるものではない。
【0016】
両ヒンジ装置10は左右対称の構成のものなので、右側のヒンジ装置10について説明する。
図1〜図4に示すように、ヒンジ装置10は、支持アーム4の前面に固定したブラケット部材11と、ブラケット部材11の後方へ延びる枢支部12に回転自在に支持した軸部材13と、枢支部12の左側において枢支部12から順番に軸部材13に外嵌装着した第1固定板14及び第1摩擦板15と、枢支部12の右側において枢支部12から順番に軸部材13に外嵌装着した第2固定板16と第2摩擦板17と付勢部材18とスペーサ板19とかしめ座板20とを備えている。
【0017】
軸部材13の途中部には軸方向へ延びる平行な2つの係合面21を有する軸本体部22が形成され、軸部材13の左端部には軸本体部22よりも小径なかしめ部23が形成され、軸部材13の右端近傍部には鍔部24が形成され、軸部材13の右端部には軸本体部22よりも大径で且つ軸方向へ延びる平行な2つの係合面25を有する連結軸部26が形成され、軸部材13は連結軸部26を支持柱3の上端部に設けた図示外の固定金具に嵌合固定することで支持柱3に固定支持されている。尚、軸本体部22及び連結軸部26は、断面多角形状に形成してもよいし、D字状に形成してもよい。
【0018】
ブラケット部材11は、加工性に優れ且つ安価に入手可能な鉄板等の金属板をプレス成形して製作したもので、支持アーム4の前面に図示外のビスにより固定される固定部27と、固定部27の左側縁の下部から後方へ向けて延びる枢支部12とを有し、枢支部12には軸部材13の軸本体部22が相対回転自在に挿通する軸孔28が形成され、枢支部12の左右の側面には側方へ突出する4つの突起29が軸孔28を取り囲むように一定間隔おきにぞれぞれ形成されている。左右の側面に形成される突起29は、周方向に約45°オフセットさせた位置に形成され、突起29の形成位置に対応させて凸型を形成した金型を用いて、背面側からプレス成形を施すことで突起29を形成できるように構成されている。但し、枢支部12のうちの突起29とは反対側の面には凸型により凹部が形成されるが、この凹部の図示は省略した。
【0019】
固定板14,16は、中央部に軸部材13の軸本体部22が相対回転自在に挿通する軸孔30を形成した略円板状の部材で構成されている。固定板14,16の半径方向の途中部には係止孔31が突起29に対応させて円周方向に一定間隔おきに4つ形成され、固定板14,16は、突起29が係止孔31に挿入されるように枢支部12に重ね合わせることにより、枢支部12に対して相対回転不能に組み付けられている。尚、枢支部12に対して固定板14,16を相対回転部不能に組み付けるための構造は、基本的には前述のように突起29と係止孔31との凹凸嵌合により行うことになるが、突起29の形状や個数や形成位置は任意に設定可能であるし、係止孔31の形状や個数や形成位置も突起29の構成に応じて任意に設定可能である。また、係止孔31に代えて切欠部を形成し、これに枢支部12に形成した突起29や折曲片を係合させて、固定板14,16の相対回転を規制してもよい。更に、接着剤等を併用したり、ビスやリベット等の固定具を併用して、固定板14,16を枢支部12に相対回転不能に固定してもよい。
【0020】
固定板14,16は、耐摩耗性に優れた、ポリアミド系樹脂やポリアセタール系樹脂などの合成樹脂材料や、ステンレス鋼などの鉄系金属或いは鉄系や銅系の焼結金属で構成されている。合成樹脂材料で構成する場合には、滑り性を高めるために、これら樹脂組成物に固体潤滑剤を混練分散させてもよいし、機械的強度を高めるために、これら樹脂組成物にガラス繊維や炭素繊維などの繊維状補強材を混入させた強化樹脂を用いてもよい。また、焼結金属で構成する場合には、滑り性を高めるため潤滑油を含浸させたものを採用することが好ましい。
【0021】
摩擦板15,17は、耐摩耗性に優れた例えばステンレス鋼などの金属材料で構成され、その中央部には軸部材13の軸本体部22が相対回転不能に挿通する略小判型の軸孔32が形成され、摩擦板15,17は軸部材13と一体的に回転するように構成されている。摩擦板15,17の半径方向の途中部には油孔33が軸孔32を取り囲むように円周一定間隔おきに4つ形成され、油孔33内にグリース等の潤滑油を充填することで、長期にわたって潤滑性が維持されるように構成されている。
【0022】
但し、油孔33の個数やサイズや形成位置は任意に設定することが可能である。また、前述のように、固定板14,16として、固定潤滑剤を混練分散した合成樹脂材料や、潤滑油を含浸させた焼結金属を採用する場合には油孔33を省略してもよい。更に、固定板14と摩擦板15との対向面の一方と、固定板16と摩擦板17との対向面の一方に、潤滑油を保持するための微細な凹凸をそれぞれ形成して、両者間における潤滑性を高めて、摩擦力の変動を少なくしてもよい。このような凹凸は、プレス加工やショットブラストやショットピーニングなどの機械処理或いはエッチングなどの化学的処理により容易に形成できる。また、このような凹凸を形成すると、固定板14と摩擦板15間の潤滑性を十分に確保できるので、固定板14,16の素材として、必ずしも固定潤滑剤を混練分散した合成樹脂材料や、潤滑油を含浸させた焼結金属を採用する必要はないし、油孔33も省略可能である。
【0023】
図1に示すように、液晶ディスプレイを鉛直姿勢から傾動角θF、θRの範囲内において前後に傾動可能に構成するため、図2〜図5に示すように、固定板14,16の外周部には周方向に延びる切欠部35が形成され、摩擦板15,17の外周部には固定板16,14の切欠部35内へ延びる係止片36が形成され、係止片36が切欠部35内において傾動角θF、θRの範囲内において移動可能に構成される。そして、軸部材13が摩擦板15,17とともに固定板14,16及びブラケット部材11に対して傾動角θF、θRの範囲内において相対回転することで、液晶ディスプレイを鉛直姿勢から傾動角θF、θRの範囲内において前後に傾動するように構成されている。但し、係止片36及び切欠部35を省略し、支持柱3と支持アーム4間において液晶ディスプレイの傾動角を設定するようにしてもよい。尚、切欠部35及び係止片36が角度規制部に相当する。
【0024】
付勢部材18は、中央部に軸部材13の軸本体部22が相対回転自在に挿通する軸孔37を形成した略円板状に構成され、軸方向に弾性変形して摩擦板15,17と固定板14,16間に適度な摩擦抵抗を作用させることが可能なものであれば、任意の構成のものを採用することが可能で、図2に示すように、ウェーブワッシャを用いてもよいし、皿バネやコイルスプリングを用いることも可能である。また、合成樹脂材料や合成ゴムなどの弾性部材からなるものを採用してもよい。尚、付勢部材18により第2摩擦板17が変形しないように、付勢部材18と第2摩擦板17間において軸部材13に安価に製作可能な鉄板等の金属板からなるワッシャを設け、このワッシャを軸部材13に相対回転自在或いは相対回転不能に支持させてもよい。
【0025】
スペーサ板19は、中央部に軸部材13の軸本体部22が相対回転自在に挿通する軸孔38を形成した略円板状に構成されている。
かしめ座板20は、中央部に軸部材13のかしめ部23が相対回転自在に挿通する軸孔39を形成した略円板状に構成されている。かしめ座板20の厚さは、適正量だけかしめた後のかしめ部23の軸部分の長さよりも短くなるように設定され、図4に示すように、かしめた状態でかしめ部23と軸本体部22との段部40がスペーサ板19の厚さ方向の途中部に位置するように構成され、スペーサ板19と鍔部24間に、付勢部材18と第2摩擦板17と第2固定板16と枢支部12と第1固定板14と第1摩擦板15とが適正な力で確実に挟持されるように構成されている。
【0026】
尚、スペーサ板19及びかしめ座板20の素材は任意に設定可能であるが、安価に入手可能な鉄板等の金属板で構成すること好ましい。また、付勢部材18とスペーサ板19とかしめ座板20とは、軸部材13に相対回転自在に外装したが、軸部材13と一体的に回転するように構成してもよい。更に、スペーサ板19は、かしめ座板20と段部40間に付勢部材18の内周部が挟持されるという、付勢部材18の組付不良を防止するためのものであるが、省略することも可能である。
【0027】
次に、ヒンジ装置10の組立方法について簡単に説明する。
先ず、第1摩擦板15と第1固定板14とを軸本体部22に順番に装填してから、軸本体部22を枢支部12の軸孔28に挿通させ、第1固定板14の係止孔31に枢支部12の突起29が嵌合するように、第1固定板14を枢支部12に重ねあわせるとともに、第1固定板14の切欠部35に第1摩擦板15の係止片36が挿入されるように、第1固定板14に第1摩擦板15を重ね合わせる。
【0028】
次に、第2固定板16と第2摩擦板17と付勢部材18とスペーサ板19を順番に軸本体部22に装填し、第2固定板16の係止孔31に枢支部12の突起29が嵌合するように、第2固定板16を枢支部12に重ねあわせるとともに、第2固定板16の切欠部35に第2摩擦板17の係止片36が挿入されるように、第2固定板16に第2摩擦板17を重ね合わせる。
次に、かしめ座板20をかしめ部23に装填してから、かしめ部23をかしめ、軸部材13を介して、第1摩擦板15、第1固定板14、第2固定板16、第2摩擦板17、付勢部材18、スペーサ板19、かしめ座板20をブラケット部材11に一体的に組み付けて、ヒンジ装置10を組み立てることになる。
【0029】
このように構成したヒンジ装置10においては、摩擦板15,17が付勢部材18の付勢力により固定板14,16にそれぞれ圧接され、第1固定板14と第1摩擦板15及び第2固定板16と第2摩擦板17間の摩擦抵抗により、軸部材13に対して適度な回転操作抵抗が付与される。尚、この回転操作抵抗は、液晶ディスプレイの重量等に応じて、液晶ディスプレイを比較的容易に傾動操作できるように設定しつつ、傾動操作した位置に液晶ディスプレイが保持されるような値に設定することになる。
【0030】
また、液晶ディスプレイの傾動範囲は、固定板14,16の切欠部35と摩擦板15,17の係止片36により設定されることになるので、傾動範囲の設定を変更する場合には、固定板14,16又は摩擦板15,17を異なるものに変更することで、支持柱3や支持アーム4の構成を変更することなく容易に変更できる。尚、本実施例では、液晶ディスプレイの傾動角度を規制するために、固定板14,16に切欠部35を形成し、摩擦板15,17に係止片36を形成したが、回転角度を規制しない液晶ディスプレイやその他の機器に対して適用する場合には、切欠部35及び係止片36を省略することになる。
【0031】
次に、前記ヒンジ装置10の構成を部分的に変更した他の実施例について説明する。尚、前記実施例と同一部材には同一符号を付してその詳細な説明を省略する。
このヒンジ装置10Aは、図6に示すように、突起29に代えて貫通孔からなる4つの係合部29Aを形成した枢支部12Aを設け、係止孔31に代えて1対の係合片31Aを外周部にそれぞれ形成した固定部材14A,16Aを設け、係止片31Aを係合部29Aに係合させて固定板14A,16Aを枢支部12Aに相対回転不能に係合させたものである。但し、係合部29A及び係止片31Aの個数はそれぞれ任意に設定可能である。また、係合部29Aは、枢支部12Aの外縁から中心側へ延びる切欠部で構成してもよい。
【0032】
このヒンジ装置10Aでは、係合部29Aを貫通孔や切欠部で構成しているので、前述のように突起29を形成する場合よりも、枢支部12Aに対して係合部29Aを精度良く成形することが可能となり、枢支部12Aの平面度を向上できる。また、係止片31Aに関しても、固定部材14A,16Aの外周部に突出片を形成してこれを折曲させたり、焼結により一体成形できるので、固定部材14A,16Aの平面度も十分に確保できる。このため、固定板14A,16Aを枢支部12Aに略隙間無く密着させることが可能となるので、枢支部12Aと固定板間14A,16Aの隙間が製品間において変動することを抑制して、隙間の変動による付勢手段18の付勢力の変動を抑制し、軸部材13の回動操作力に対するヒンジ装置10Aの製品バラツキを少なくできる。また、薄肉に構成することにより固定板14A,16Aが枢支部12Aの表面に沿って変形するような場合でも、枢支部12Aの表面の平面度を向上できるので、固定板14A,16Aや摩擦板15,17が偏摩耗することを防止できるとともに、付勢手段18としてウェブワッシャのように周方向の部位によって付勢力が異なる付勢手段を使用した場合でも、操作角度によって操作抵抗が変化するという不具合を防止できる。
【0033】
また、本実施例では、14〜20インチの比較的大型な液晶ディスプレイを支持するために、2つのヒンジ装置10にそれぞれ2枚の摩擦板15,17と2枚の固定板14,16を設けたが、比較的小型軽量な液晶ディスプレイ等を傾動自在に支持する場合には、各ヒンジ装置に対して摩擦板と固定板とをそれぞれ1枚ずつ設けるように構成してもよい。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係るヒンジ装置によれば、固定板をブラケット部材の枢支部に相対回転不能に固定し、これに摩擦板を圧接させて軸部材に対して制動力を付与するので、ブラケット部材として安価でしかも加工性に優れた鉄板等の金属板からなるものを採用して、ヒンジ装置の製作コストを低減しつつ、固定板として耐摩耗性に優れた材料からなるものを採用することで、摩擦板と固定板との摺動部分における耐久性を十分に確保できる。また、軸部材の途中部に鍔部を形成し、軸部材の一方の端部にかしめ部を形成し、かしめ部と鍔部間に少なくとも枢支部と固定板と摩擦板と付勢部材とを配置させて、かしめ部をかしめることにより、これらの部材を軸部材に一体化しているので、部品点数を増やすことなく耐久性に優れたヒンジ装置を実現できる。
【0035】
ここで、枢支部の両側面に固定板を相対回転不能に重ね合わせて設け、固定板を挟んで枢支部とは反対側に摩擦板をそれぞれ設けると、摩擦板と固定板との接触面積を増やして、制動力を高めることが可能となり、比較的大型な液晶ディスプレイ等を傾動可能に支持するヒンジ装置として本発明を適用することが可能となる。
【0036】
摩擦板と固定板とに枢支部に対する軸部材の回転角度を規制する角度規制部を形成すると、摩擦板又は固定板の構成を変更することで、液晶ディスプレイ等の構成を変更することなく、その傾動角を容易に変更することが可能となる。
【0037】
枢支部に突起を形成し、固定板に突起に係合する係合孔を形成し、突起と係合孔との係合により枢支部に対する固定板の相対回転を規制すると、枢支部及び固定板の加工が容易になる。
【0038】
また、枢支部に貫通孔又は切欠部からなる係合部を形成し、固定板の外周部に枢支部側へ突出して係合部に内嵌合する係止片を形成し、係合部と係止片との係合により枢支部と固定板との相対回転を規制すると、枢支部及び固定板の加工性を十分に確保しつつ、両者の平面度を高めて固定板を枢支部に略隙間無く密着させることが可能となる。このため、枢支部と固定板間の隙間が製品間において変動することによる、ヒンジ装置の操作抵抗の製品バラツキを少なくできる。また、固定板が比較的薄肉な場合でも、固定板や摩擦板が偏摩耗することを防止できるとともに、付勢手段としてウェブワッシャのように周方向の部位によって付勢力が異なる付勢手段を使用した場合でも、操作角度によって操作抵抗が変化するという不具合を防止できる。
【0039】
固定板と摩擦板との対向面の少なくとも一方に潤滑油を保持するための微細な凹凸を形成すると、摩擦板と固定板間における潤滑油の油切れを長期にわたって防止して、両者間の摩擦抵抗を一定に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ディスプレイ支持台の側面図
【図2】 ヒンジ装置の分解斜視図
【図3】 ヒンジ装置の背面図
【図4】 図3のIV-IV線断面図
【図5】 ヒンジ装置の作動説明図
【図6】 他の実施例の図2相当図
【符号の説明】
1 ディスプレイ支持台 2 支持脚
3 支持柱 4 支持アーム
10 ヒンジ装置 11 ブラケット部材
12 枢支部 13 軸部材
14 第1固定板 15 第1摩擦板
16 第2固定板 17 第2摩擦板
18 付勢部材 19 スペーサ板
20 かしめ座板 21 係合面
22 軸本体部 23 かしめ部
24 鍔部 25 係合面
26 連結軸部 27 固定部
28 軸孔 29 突起
30 軸孔 31 係止孔
32 軸孔 33 油孔
35 切欠部 36 係止片
37 軸孔 38 軸孔
39 軸孔 40 段部
29A 係合部 31A 係止片

Claims (6)

  1. 略平板状の枢支部を有するブラケット部材と、
    前記枢支部の少なくとも一方の側面に相対回転不能に設けた耐摩耗性に優れた材料からなる固定板と、
    前記枢支部及び固定板を回転自在に挿通する軸部材と、
    前記固定板を挟んで枢支部とは反対側に設けた摩擦板であって、軸部材に相対回転不能で且つ軸方向に移動自在に設けた摩擦板と、
    前記摩擦板を固定板に圧接させる付勢部材であって、軸部材に軸方向に移動自在に設けた付勢部材とを備え
    前記軸部材の途中部に鍔部を形成し、軸部材の一方の端部に丸軸からなるかしめ部を形成し、かしめ部と鍔部間に少なくとも枢支部と固定板と摩擦板と付勢部材とを配置させて、かしめ部をかしめることにより、これらの部材を軸部材に一体化させた、
    ことを特徴とするヒンジ装置。
  2. 前記枢支部の両側面に固定板を相対回転不能に重ね合わせて設け、固定板を挟んで枢支部とは反対側に摩擦板をそれぞれ設けた請求項1記載のヒンジ装置。
  3. 前記摩擦板と固定板とに枢支部に対する軸部材の回転角度を規制する角度規制部を形成した請求項1又は2記載のヒンジ装置。
  4. 前記枢支部に突起を形成し、固定板に突起に係合する係合孔を形成し、突起と係合孔との係合により枢支部に対する固定板の相対回転を規制した請求項1〜3のいずれか1項記載のヒンジ装置。
  5. 前記枢支部に貫通孔又は切欠部からなる係合部を形成し、固定板の外周部に枢支部側へ突出して係合部に内嵌合する係止片を形成し、係合部と係止片との係合により枢支部と固定板との相対回転を規制した請求項1〜3のいずれか1項記載のヒンジ装置。
  6. 前記固定板と摩擦板との対向面の少なくとも一方に潤滑油を保持するための微細な凹凸を形成した請求項1〜5のいずれか1項記載のヒンジ装置。
JP2001201908A 2000-12-18 2001-07-03 ヒンジ装置 Expired - Fee Related JP3674548B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001201908A JP3674548B2 (ja) 2000-12-18 2001-07-03 ヒンジ装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-384152 2000-12-18
JP2000384152 2000-12-18
JP2001201908A JP3674548B2 (ja) 2000-12-18 2001-07-03 ヒンジ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002250335A JP2002250335A (ja) 2002-09-06
JP3674548B2 true JP3674548B2 (ja) 2005-07-20

Family

ID=26606033

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001201908A Expired - Fee Related JP3674548B2 (ja) 2000-12-18 2001-07-03 ヒンジ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3674548B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4502695B2 (ja) * 2004-04-20 2010-07-14 富士通株式会社 電子機器の支持装置
US7082643B2 (en) * 2004-06-22 2006-08-01 Shin Zu Shing Co., Ltd. Hinge
JP4148972B2 (ja) 2006-07-10 2008-09-10 三菱電機株式会社 回転台及び表示装置
JP5398227B2 (ja) * 2008-10-29 2014-01-29 加藤電機株式会社 回動支持装置並びに情報端末
CN102472312B (zh) * 2009-08-28 2014-05-14 三菱电机株式会社 铰链机构
JP2011080509A (ja) * 2009-10-05 2011-04-21 Nhk Spring Co Ltd ヒンジ装置
CN103047268B (zh) * 2011-10-17 2015-08-26 环旭电子股份有限公司 枢转机构
JP2016033393A (ja) * 2014-07-31 2016-03-10 カシオ計算機株式会社 円筒状部材、及びヒンジ装置
CN105179893B (zh) * 2015-10-20 2017-05-10 福建新大陆支付技术有限公司 旋转阻尼器及使用该阻尼器的平板夹持结构和使用方法
US11163340B2 (en) 2019-07-09 2021-11-02 Apple Inc. Electronic devices with fiber composite friction hinges
CN111795061B (zh) * 2020-07-22 2023-10-13 大桥精密电子(上海)有限公司 一种铰链及其与箱体的配合结构

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS522449U (ja) * 1975-06-24 1977-01-08
JPS5214265U (ja) * 1975-07-18 1977-02-01
JPH066735U (ja) * 1992-07-03 1994-01-28 株式会社松下製作所 開閉装置のヒンジ構造
JPH0645110U (ja) * 1992-11-30 1994-06-14 ミツミ電機株式会社 ヒンジ機構
JPH0645111U (ja) * 1992-11-30 1994-06-14 ミツミ電機株式会社 ヒンジ機構
JPH06294414A (ja) * 1993-04-02 1994-10-21 Nhk Spring Co Ltd 軸ロック装置
JP3792786B2 (ja) * 1996-06-07 2006-07-05 日本発条株式会社 軸ロック装置
JP3220412B2 (ja) * 1997-05-12 2001-10-22 株式会社ニフコ ヒンジ機構及びヒンジユニット
JP4040720B2 (ja) * 1997-06-19 2008-01-30 日本発条株式会社 軸ロック装置およびこの軸ロック装置を用いたローテーション機構
JP3785563B2 (ja) * 1999-06-15 2006-06-14 日本発条株式会社 軸ロック装置及び軸ロック装置用ばね
JP3856601B2 (ja) * 1999-07-22 2006-12-13 加藤電機株式会社 チルトヒンジ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2002250335A (ja) 2002-09-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3674548B2 (ja) ヒンジ装置
JP5782956B2 (ja) 車両のステアリング装置
JP3785563B2 (ja) 軸ロック装置及び軸ロック装置用ばね
US6579203B2 (en) Clearance take-up joint for an adjustable mechanism
US11333295B2 (en) Tilt stand
JP3674615B2 (ja) ヒンジ装置
US20030060317A1 (en) Clearance take-up joint for an adjustable mechanism
KR102005270B1 (ko) 차량용 사이드 미러의 전동식 폴딩 장치
JPH11159585A (ja) オートテンショナ
KR100825931B1 (ko) 힌지유닛이 독립 구비된 tv 모니터 스탠드장치
JP2006227390A (ja) モニタースタンド用回転ユニット
JP3541106B2 (ja) オートテンショナ
JP2010226268A (ja) 表示部手動回動装置
JPH066735U (ja) 開閉装置のヒンジ構造
JP4593840B2 (ja) 浮動型キャリパブレーキ装置
KR100390412B1 (ko) 힌지어셈블리
JP3402317B2 (ja) ヒンジ装置
JP4118257B2 (ja) スタビライザバーの弾性支持装置
JPH10267044A (ja) トルクリミッタ
JP4832638B2 (ja) アクセルペダル装置
KR200184244Y1 (ko) 디스크 타입의 마찰힌지장치
JP3092844U (ja) 液晶表示器やプラズマ表示器などに利用される回転軸構造
JP4524890B2 (ja) ラックピニオン式ステアリング装置
CN110383203B (zh) 旋转结构及旋钮装置
KR200432111Y1 (ko) 평판형 tv 모니터용 스탠드장치

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040803

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040929

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050405

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050418

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090513

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100513

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100513

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110513

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120513

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120513

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130513

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130513

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140513

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees