JP4524890B2 - ラックピニオン式ステアリング装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハンドルの回転動作に連動してピニオンを回転させ、該ピニオンと噛合するラック歯を有したラックバーを往復移動させて操舵を行うようにした、自動車等の車両に用いられるラックピニオン式ステアリング装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】
この種のラックピニオン式ステアリング装置は、通常、ギヤケースと、このギヤケースにピニオン軸を介して回転自在に支持されたピニオンと、このピニオンに噛合うラック歯が形成されたラックバーと、ギヤケース内に配されて、ラックバーを摺動自在に支持するラックガイドと、このラックガイドをラックバーに向かって押圧するコイルばねとを具備している。
【0003】
斯かるラックピニオン式ステアリング装置においては、ラックバーのラック歯とピニオンとの噛合部でピニオン軸の回転に伴って互いに離反する向きの力が作用してラックバーに撓みが生じ、ラック歯の歯列方向へのガタつきが大きくなる結果、ラック歯とピニオンとの歯部間に打音が生じるために、ラックバーを間にしてピニオン軸と反対側にラックガイドを設け、このラックガイドをコイルばねの押圧力によりピニオン軸側に押圧し、ラックガイドをラックバーに摺接させてラックバーとの摺動抵抗を低減して、ラックバーの軸方向への移動を円滑に許容しつつ、ラック歯の歯列方向のガタつきを抑制し、ラック歯とピニオンとの噛合部での打音を低減させるようになっている。
【0004】
ラックガイドをラックバーに摺接させるタイプのラックピニオン式ステアリング装置では、通常、そのラックガイドは、鉄系焼結金属製又は合成樹脂製であるが、鉄系焼結金属製のラックガイドは、ラックバーからの衝撃荷重に対しては十分な機械的強度を有する反面、比較的大きな摺動摩擦抵抗のために操舵性を阻害する一方、合成樹脂製のラックガイドは、鉄系焼結金属製のそれとは反対に、摺動摩擦抵抗を小さくできて操舵性をそれほど阻害しないが、機械的強度に問題を有している上に、荷重が大きい場合には摺動摩擦抵抗が大きくなると言う問題をも有している。
【0005】
これに対して、ラックバーに摺接させるラックガイドに代えてラックバーに転がり接触させるタイプのラックピニオン式ステアリング装置では、ラックガイドとして金属製のローラが用いられるが、斯かる金属製のローラを用いる場合には、転がり時における金属同士の打音に加えて、ローラの両端面の滑り接触による金属同士の摩擦音及び摩擦抵抗を生じ、これら打音及び摩擦音により操舵者及び搭乗者に不快感を与える上に、摩擦抵抗の増大により操舵性を阻害する虞があると共に、通常、ローラを回転自在に支持する軸部材(ローラピン)を設けることになるために、この軸部材による部品点数の増加と軸部材の組み付け工数の増大とを招来して比較的高価なラックガイドとなる。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、転がり接触させるローラからなるラックガイドを用いた場合にも、打音及び摩擦音並びに摩擦抵抗を低減でき、而して、操舵者及び搭乗者に不快感を与えることがない上に、操舵性を阻害することがなく、しかも、軸部材を省き得て安価に製作できるラックピニオン式ステアリング装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第一の態様のラックピニオン式ステアリング装置は、ギヤケースと、このギヤケースに回転自在に支持されたピニオンと、このピニオンに噛合うラック歯を有したラックバーと、このラックバーを摺動自在に支持するラックガイド手段とを具備しており、ここで、ラックガイド手段は、ギヤケース内に装着されていると共に、凹所を有したラックガイド基体と、ラックバーを移動自在に支持すると共に、ラックガイド基体の凹所に回転自在に配されたローラ部材とを具備しており、ラックガイド基体は、凹所の底部を規定する円弧状の凹所底壁面を有した基体本体と、ラックバーの円弧状外周面においてローラ部材が当接する部位を間にして当該ラックバーの円弧状外周面の他の二部位に摺動自在に当接すると共に、ラックガイド基体の凹所の開口を規定するように基体本体に固着された固定部材とを具備しており、ローラ部材は、筒状の芯金と、この芯金の外周面に嵌装されていると共に円筒状の外周面でラックバーの円弧状外周面と基体本体の凹所底壁面とに当接した樹脂製の外側筒体とを有しており、この外側筒体は、芯金の両端面から軸方向に夫々突出した環状の突出端部を有しており、この突出端部の夫々の端面は、ラックガイド基体の凹所を規定する凹所側壁面に摺動自在に当接している。
【0008】
第一の態様のラックピニオン式ステアリング装置によれば、ローラ部材の芯金の外周面に樹脂製の外側筒体が嵌装されているために、ラックバーと芯金と及び芯金と基体本体との夫々の金属同士の打音又は摩擦音をなくし得、しかも、斯かる樹脂製の外側筒体が芯金の両端面から軸方向に夫々突出した環状の突出端部を有し、この突出端部の夫々の端面が凹所側壁面に摺動自在に当接しているために、ラックバーの移動によるローラ部材の回転においては、樹脂製の突出端部の夫々の端面と凹所側壁面との摺動当接となり、芯金と凹所側壁面との金属同士の直接の摺動当接を回避でき、而して、打音及び摩擦音並びに摩擦抵抗を低減でき、操舵者及び搭乗者に不快感を与えることのない上に、操舵性を阻害しないようにでき、しかも、ラックバーの円弧状外周面と当接する外側筒体の外周面が基体本体の円弧状の凹所底壁面に当接しているために、ローラ部材を回転自在に支持するための軸部材を省くことができて、部品点数の削減を図ることができる結果、安価に製作できる。
【0009】
外側筒体の外周面が当接する円弧状の凹所底壁面は、平坦面でもよいのであるが、好ましくは、本発明の第二の態様のラックピニオン式ステアリング装置のように、外側筒体の外周面の曲率半径よりも大きい曲率半径を有している。
【0010】
凹所底壁面が斯かる曲率半径を有していると、ラックバーの移動に基づくローラ部材の回転においてローラ部材のラックバーへの押圧を促進できる結果、ピニオンとラック歯とをより隙間なしに噛合わせることができる。
【0011】
なお、凹所底壁面を低摩擦の被覆材で被覆すると、凹所でのローラ部材の回転を滑らかに行わせることができて、ローラ部材のラックバーへの過度な押圧を好ましく避けることができる。
【0012】
外側筒体及び固定部材のうちの少なくとも一方は、好ましくは、本発明の第三の態様のラックピニオン式ステアリング装置のように、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂又はポリエステル樹脂からなるが、斯かる樹脂に代えて低摩擦係数を有し機械的強度の大きいその他の樹脂からなっていてもよい。
【0013】
本発明の第四の態様のラックピニオン式ステアリング装置では、第一又は第二の態様のその装置において、ラックバーの円弧状外周面は、当該円弧状外周面の曲率中心と、当該円弧状外周面にローラ部材が当接する部位の中央部とを結ぶ直線に対して角度30°から50°の範囲内のいずれかの部位で固定部材に摺動自在に当接している。
【0014】
第四の態様の装置においては、角度30°から50°の全範囲でラックバーの円弧状外周面が固定部材に摺動自在に当接していてもよいが、角度30°から50°の一部の範囲で当接していてもよい。
【0015】
本発明の第五の態様のラックピニオン式ステアリング装置では、第一から第四のいずれかの態様のその装置において、固定部材は、互いに対面する一対の側壁部と、この一対の側壁部を連結すると共に、一対の側壁部と協働してローラ部材の一部を通過させる凹所の開口を形成する一対の連結部と、ラックバーの円弧状外周面の他の二部位に夫々摺動自在に当接する一対の傾斜部とを一体的に有している。
【0016】
第五の態様における固定部材の傾斜部は、ラックバーの円弧状外周面に当接するその外面が凸面、平面及び凹面のいずれかになるように、好ましくは、平面又はラックバーの円弧状外周面の曲率半径よりも大きな曲率半径をもった円弧凹面となるように、形成されている。
【0017】
本発明では、ラックバーの円弧状外周面の芯金外周面の樹脂製外側筒体への当接と、ラックバーの円弧状外周面の固定部材の傾斜部への当接とを常に同様に行わせる必要がなく、ラックバーの円弧状外周面の固定部材の傾斜部への当接を、常時はラックバーの位置を保持する程度であるが、ラックバーに大きな荷重が付加された場合には、斯かる荷重によるラックバーの大きな変位を阻止するように、ラックバーの円弧状外周面の芯金外周面の樹脂製外側筒体への当接に比較して緩く行わせるようにしてもよい。
【0018】
固定部材は、基体本体に接着剤等を用いて固着してもよいが、好ましくは、本発明の第六の態様のラックピニオン式ステアリング装置のように、一対の連結部の夫々に一体的に形成された突起部を具備した固定部材を用い、突起部を基体本体の孔に嵌着して、固定部材を基体本体に固着する。
【0019】
斯かる突起部により基体本体に固着された固定部材では、ラックバーの移動によるラックバーとの摺動においても基体本体に対して滑って脱落することがなく、ラックバーを長期に亘って所望に案内することができる。
【0020】
本発明の第七の態様のラックピニオン式ステアリング装置では、第一から第六のいずれかの態様のその装置において、ラックガイド基体をラックバーに向かって弾性的に付勢する弾性手段を具備しており、ラックガイド基体は、ラックバーに対して進退自在になるようにギヤケースに摺動自在に接触してギヤケース内に装着されている。
【0021】
弾性手段としては、コイルばね、皿ばね、板ばね、ゴム等のいずれを用いてもよいが、好ましくは、コイルばね又は皿ばねを用いる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に本発明及びその実施の形態の例を、図を参照して更に詳細に説明する。なお、本発明はこれら例に何等限定されないのである。
【0023】
図1から図4において、本例のラックピニオン式ステアリング装置1は、中空部2を有した金属製のギヤケース3と、ギヤケース3にころがり軸受4及び5を介して回転自在に支持されたステアリング軸6と、中空部2に配されて、ステアリング軸6の軸端部(ピニオン軸)に一体的に設けられたピニオン7と、ピニオン7に噛合うラック歯8が形成された金属製のラックバー9と、ギヤケース3の中空部2に配されて、ラックバー9を摺動自在に支持するラックガイド手段10と、ラックガイド手段10のラックガイド基体11をラックバー9に向かって弾性的に付勢する弾性手段としての皿ばね12とを具備している。
【0024】
ギヤケース3は、中空のギヤケース本体15と、ギヤケース本体15の端面にねじ等により固着された蓋部材17とを具備しており、ギヤケース本体15は円筒部18を有しており、ステアリング軸6の軸心に対して直角なA方向においてギヤケース本体15を貫通して、当該直角なA方向に移動自在に配されたラックバー9は、ラック歯8が形成された面に対向する裏面側に所定の曲率半径の円弧状外周面19を有している。
【0025】
ステアリング軸6の軸端部に一体的に設けられたピニオン7は、当該ステアリング軸6並びにころがり軸受4及び5を介してギヤケース3のギヤケース本体15に回転自在に支持されている。
【0026】
ラックガイド手段10は、ギヤケース本体15の円筒部18内に装着されていると共に、凹所21を有した前記のラックガイド基体11と、ラックバー9をA方向に移動自在に支持すると共に、ラックガイド基体11の凹所21にR方向に回転自在に配されたローラ部材22とを具備している。
【0027】
ラックガイド基体11は、凹所21の底部56を規定する円弧状の凹所底壁面57を有した円柱状の金属製の基体本体25と、ラックバー9の円弧状外周面19においてローラ部材22が当接する部位26を間にして当該ラックバー9の円弧状外周面19の他の二部位27及び28にA方向に摺動自在に当接すると共に、ラックガイド基体11の凹所21の開口41を規定するように基体本体25に固着された固定部材29とを具備している。
【0028】
基体本体25は、その円筒状の外周面31が円筒部18の円筒状の内周面32にラックバー9に対して進退方向Bに摺動自在に嵌装されており、こうして、ラックガイド基体11は、ラックバー9に対して進退自在になるようにギヤケース3に摺動自在に接触してギヤケース3内に装着されている。
【0029】
合成樹脂、好ましくはポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂又はポリエステル樹脂からなる固定部材29は、互いに対面する一対の側壁部35及び36と、一対の側壁部35及び36を連結すると共に、一対の側壁部35及び36と協働してローラ部材22の一部を通過させる凹所21の開口41を形成する一対の連結部37及び38と、ラックバー9の円弧状外周面19の他の二部位27及び28に夫々摺動自在に当接する一対の傾斜部39及び40と、一対の連結部37及び38の夫々に一体的に形成された突起部42及び43とを一体的に有している。
【0030】
固定部材29は、突起部42及び43が基体本体25の孔45及び46に嵌着されて、基体本体25に固着されている。
【0031】
ラックバー9の円弧状外周面19は、当該円弧状外周面19の曲率中心Oと、当該円弧状外周面19にローラ部材22が当接する部位26の中央部とを結ぶ直線47に対して角度α=30°から50°の範囲内のいずれかの部位、本例では角度α=40°の部位27及び28で固定部材29の傾斜部39及び40の夫々に摺動自在に当接している。
【0032】
ローラ部材22は、金属製であって円筒状の芯金51と、芯金51の円筒状の外周面52に嵌装されていると共に円筒状の外周面53でラックバー9の円弧状外周面19と基体本体25の円弧状の凹所底壁面57とに当接した樹脂製の外側筒体54とを有している。
【0033】
なお、芯金51としては、中心に貫通孔55を有して軽量化された円筒状に代えて、中実な円柱状であってもよい。
【0034】
ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂又はポリエステル樹脂からなる外側筒体54は、芯金51の両端面61及び62から軸方向Xに夫々突出した円環状の突出端部63及び64を有しており、突出端部63及び64の夫々の円環状の端面65及び66は、ラックガイド基体11の凹所21を規定する凹所側壁面67及び68に摺動自在に当接している。なお、ローラ部材22は、外側筒体54の外周面53がラックガイド基体11の凹所21を規定すると共に凹所底壁面57に連続した他の凹所壁面69及び70に対して隙間を有するようにして、凹所21に配されている。
【0035】
凹所底壁面57は、外側筒体54の外周面53の曲率半径よりも大きい曲率半径を有しており、これにより、外側筒体54は、外周面53で凹所底壁面57にほぼ線接触している。なお、凹所底壁面57を低摩擦材により被覆することにより、ローラ部材22のR方向の回転を更に滑らかに行わせることができる。
【0036】
皿ばね12は、基体本体25と蓋部材17との間に圧縮されて配されており、皿ばね12の弾性力により外側筒体54の外周面53並びに傾斜部39及び40の傾斜外面は、ラックバー9の円弧状外周面19に弾性的に押圧されている。
【0037】
以上のラックピニオン式ステアリング装置1において、ラックガイド手段10は、ステアリング軸6の回転において、ラックバー9の円弧状外周面19に摺接する固定部材29の傾斜部39及び40とラックバー9の円弧状外周面19に転がり接触するローラ部材22の外側筒体54とで、ラック歯8のピニオン7への噛合いを確保して、しかも、当該噛合いによるステアリング軸6の軸心に対して直角なA方向のラックバー9の移動を案内する。
【0038】
そして、ラックピニオン式ステアリング装置1では、ローラ部材22の芯金51の外周面52に樹脂製の外側筒体54が嵌装されているために、ラックバー9と芯金51との金属同士の打音をなくし得、しかも、斯かる樹脂製の外側筒体54が芯金51の両端面61及び62から軸方向Xに夫々突出した環状の突出端部63及び64を有し、突出端部63及び64の夫々の端面65及び66が凹所側壁面67及び68に摺動自在に当接しているために、ラックバー9の移動によるローラ部材22のR方向の回転においては、樹脂製の突出端部63及び64の夫々の端面65及び66と凹所側壁面67及び68との摺動当接となり、芯金51と凹所側壁面67及び68との金属同士の直接の摺動当接を回避でき、而して、打音及び摩擦音並びに摩擦抵抗を低減でき、操舵者及び搭乗者に不快感を与えることのない上に、操舵性を阻害しないようにでき、しかも、ラックバー9の円弧状外周面19と当接する外側筒体54の外周面53が基体本体25の円弧状の凹所底壁面57に当接しているために、ローラ部材22を回転自在に支持するための軸部材を省くことができて、部品点数の削減を図ることができる結果、安価に製作できる。
【0039】
更に、ラックピニオン式ステアリング装置1では、固定部材29を基体本体25に突起部42及び43を用いて固着しているために、ラックバー9のA方向の移動による摺動においても固定部材29が基体本体25に対して滑って脱落することがなく、ラックバー9を長期に亘って所望に案内することができる。
【0040】
またラックピニオン式ステアリング装置1によれば、凹所底壁面57が外側筒体54の外周面53の曲率半径よりも大きい曲率半径を有しているために、ラックバー9のA方向の移動に基づくローラ部材22のR方向の回転において凹所底壁面57でローラ部材22をA方向に微少に転動させて、ラックバー9に僅かに接近させることができ、これによりローラ部材22をラックバー9に押圧できる結果、ピニオン7とラック歯8とを隙間なしに好ましく噛合わせることができる。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば、転がり接触させるローラからなるラックガイドを用いた場合にも、打音及び摩擦音並びに摩擦抵抗を低減でき、而して、操舵者及び搭乗者に不快感を与えることがない上に、操舵性を阻害することがなく、しかも、軸部材を省き得て安価に製作できるラックピニオン式ステアリング装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のラックピニオン式ステアリング装置の好ましい実施の態様の一例の断面図である。
【図2】図1に示す例のラックガイド手段の平面図である。
【図3】図1に示す例のラックガイド手段等の側面断面図である。
【図4】図1に示す固定部材の斜視図である。
【符号の説明】
1 ラックピニオン式ステアリング装置
3 ギヤケース
7 ピニオン
8 ラック歯
9 ラックバー
10 ラックガイド手段
11 ラックガイド基体
19 円弧状外周面
21 凹所
22 ローラ部材
25 基体本体
29 固定部材
51 芯金
54 外側筒体
56 底部
57 凹所底壁面
61、62 端面
63、64 突出端部
65、66 端面
67、68 凹所側壁面

Claims (7)

  1. ギヤケースと、このギヤケースに回転自在に支持されたピニオンと、このピニオンに噛合うラック歯を有したラックバーと、このラックバーを摺動自在に支持するラックガイド手段とを具備しており、ラックガイド手段は、ギヤケース内に装着されていると共に、凹所を有したラックガイド基体と、ラックバーを移動自在に支持すると共に、ラックガイド基体の凹所に回転自在に配されたローラ部材とを具備しており、ラックガイド基体は、凹所の底部を規定する円弧状の凹所底壁面を有した基体本体と、ラックバーの円弧状外周面においてローラ部材が当接する部位を間にして当該ラックバーの円弧状外周面の他の二部位に摺動自在に当接すると共に、ラックガイド基体の凹所の開口を規定するように基体本体に固着された固定部材とを具備しており、ローラ部材は、筒状の芯金と、この芯金の外周面に嵌装されていると共に円筒状の外周面でラックバーの円弧状外周面と基体本体の凹所底壁面とに当接した樹脂製の外側筒体とを有しており、この外側筒体は、芯金の両端面から軸方向に夫々突出した環状の突出端部を有しており、この突出端部の夫々の端面は、ラックガイド基体の凹所を規定する凹所側壁面に摺動自在に当接しているラックピニオン式ステアリング装置。
  2. 凹所底壁面は、外側筒体の外周面の曲率半径よりも大きい曲率半径を有している請求項1に記載のラックピニオン式ステアリング装置。
  3. 外側筒体及び固定部材のうちの少なくとも一方は、ポリアミド樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリオレフィン樹脂又はポリエステル樹脂からなる請求項1又は2に記載のラックピニオン式ステアリング装置。
  4. ラックバーの円弧状外周面は、当該円弧状外周面の曲率中心と、当該円弧状外周面にローラ部材が当接する部位の中央部とを結ぶ直線に対して角度30°から50°の範囲内のいずれかの部位で固定部材に摺動自在に当接している請求項1から3のいずれか一項に記載のラックピニオン式ステアリング装置。
  5. 固定部材は、互いに対面する一対の側壁部と、この一対の側壁部を連結すると共に、一対の側壁部と協働してローラ部材の一部を通過させる凹所の開口を形成する一対の連結部と、ラックバーの円弧状外周面の他の二部位に夫々摺動自在に当接する一対の傾斜部とを一体的に有している請求項1から4のいずれか一項に記載のラックピニオン式ステアリング装置。
  6. 固定部材は、一対の連結部の夫々に一体的に形成された突起部を具備しており、この突起部が基体本体の孔に嵌着されて、基体本体に固着されている請求項5に記載のラックピニオン式ステアリング装置。
  7. ラックガイド基体をラックバーに向かって弾性的に付勢する弾性手段を具備しており、ラックガイド基体は、ラックバーに対して進退自在になるようにギヤケースに摺動自在に接触してギヤケース内に装着されている請求項1から6のいずれか一項に記載のラックピニオン式ステアリング装置。
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