JP2005047301A - 車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ラトル音を著しく低減しつつ、ラックの摺動抵抗を極めて小さく抑えること。
【解決手段】図(a)に示す第1実施の形態では、ラックガイド10は、略角柱状であり、このラックガイド10の摺動面11は、図示しないラック軸の背面の曲面凸形状に対応して、曲面凹形状に形成してある。この曲面凹形状の摺動面11には、多数個のローラ12(転がり部材)が転動自在に埋設するように設けてある。図(b)に示す第2実施の形態では、ラックガイド10は、略円柱状であり、このラックガイド10の摺動面11は、図示しないラック軸の背面の曲面凸形状に対応して、曲面凹形状に形成してある。この曲面凹形状の摺動面11には、多数個のボール13(転がり部材)が転動自在に埋設するように設けてある。
【選択図】 図2
【解決手段】図(a)に示す第1実施の形態では、ラックガイド10は、略角柱状であり、このラックガイド10の摺動面11は、図示しないラック軸の背面の曲面凸形状に対応して、曲面凹形状に形成してある。この曲面凹形状の摺動面11には、多数個のローラ12(転がり部材)が転動自在に埋設するように設けてある。図(b)に示す第2実施の形態では、ラックガイド10は、略円柱状であり、このラックガイド10の摺動面11は、図示しないラック軸の背面の曲面凸形状に対応して、曲面凹形状に形成してある。この曲面凹形状の摺動面11には、多数個のボール13(転がり部材)が転動自在に埋設するように設けてある。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マニュアル式ステアリング、油圧式パワーステアリング、及び電動式パワーステアリング等に全てに適応することができる車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のラックアンドピニオン式ステアリング装置に於いては、タイヤの路面の凸凹状況がタイロッド等を伝わって、ラックアンドピニオン式ステアリングギヤ部において、ラトル音が発生する。
【0003】
このラトル音は、ラックギヤとピニオンギアの噛み合いのガタ付き、即ち、両ギアの間のバックラッシュに起因している。
【0004】
従って、このラトル音の低減のため、ラックギアをピニオンギア方向に押し付ける目的で、ラックガイドを用い、また、これにバネ等の弾性部材を付与することで、押し付け荷重を一定に保っている。
【0005】
また、ラックとラックガイドの接触部の形状は、ラックが丸棒状の凸形状であり、ラックガイドは筒の凹面形状を示し、この両者は、凸面と凹面が面接触となっている。
【0006】
ところで、ラックギヤとピニオンギアの噛み合いにより発生する分離力からのラック変位や変形を押さえ、噛み合い部のバックラッシュ量の増加を押さえることは、下記に示すような難しさがあった。
・ ばね力を強くし、ラックの押し付け力を強くし、ラックの変位や変形を押さえた場合、ラックとガイドの間の摺動抵抗が重くなり、ステアリングホイールを切るときのステアリングホイール操作力が重くなる。その結果、マニュアルステアリングでは、ステアリングホイールを操作するのにより強い力が必要であり、パワーステアリングでは、より強いアシストパワーが必要となる。
・ 一方、ばね力を小さくした場合、ラックの変位や変形を押さえきれず、ラックとピニオンギアのバックラッシュが大きくなり、ラトル音が大きくなる。
【0007】
特許文献1では、ラトル音を低減しながらも、摺動抵抗を小さくする目的で、ラックと、ラックとの間に、転がり接触するボールが介装してある。
【0008】
すなわち、図5は、特許文献1に係る車両用ラック・ピニオン式ステアリング装置の断面図である。
【0009】
ピニオン軸aは、転がり軸受b,cにてギヤケースd内に回転可能に支持され、また、ラック軸eは、図示しない軸受部材にて軸長方向(紙面に直交する方向)に沿って移動自在に支持されている。
【0010】
ピニオン軸aとラック軸eは、ギヤケースd内で相互に噛み合わされている。図示していないが、ラック軸eの両端部は、タイロッドを介して操向車輪に連結されており、図示しないステアリングホイールの回転に伴ってラック軸eが軸長方向に移動し操向が行われる。
【0011】
ギヤケースdには、ラック軸eを隔ててピニオン軸aと反対側にハウジングfが設けられており、このハウジングfの収容孔g内に、ラック軸eを支持する支持部材としてのラックガイドh(サポートヨーク)が摺動自在は収容されている。
【0012】
ラックガイドhは、円柱形に形成され、ラック軸eの周面に沿うように断面円弧状の凹面iを形成している。
【0013】
ハウジングfの収容孔gの入口にはねじ部jが形成され、このねじ部jに固定プラグkがねじ込まれ、ロックナットmにより固定されている。固定プラグkはラックガイドhの凹面iの背面nに、所定の隙間(例えば0.1mm)を設けて対向する。
【0014】
ラックガイドhの背面nには、円孔からなるばね収容孔pが形成されており、このばね収容孔pにラックガイドhをラック軸e側へ付勢する付勢部材としての圧縮コイルばねqが収容されている。
【0015】
ラックガイドhの凹面iには、複数の転動体収容孔としての玉収容孔rが形成され、各玉収容孔rにラック軸eの周面に転がり接触する転動体としての玉sが回転自在に保持されている。ラックガイドhによって、玉sを受ける受け部材が構成されている。
【0016】
このように、特許文献1では、ねじ部jによりラックガイドhを押圧することにより、ラトル音を著しく低減しながらも、ラックeとラックガイドhとの間に、転動体としての玉sを介装することにより、ラックeの摺動抵抗を小さくしている。
【0017】
また、特許文献2では、特に図示しないが、バネによりラックガイドを弾性的に押圧することにより、ラトル音を著しく低減している。
【0018】
一方、ラックの背面に、軸方向に延びる係合孔を設け、ラックガイドには、この係合溝に係合しながら回転する車輪状のローラが設けてあり、これにより、ラックの摺動抵抗を小さくして、ラックが安定して摺動できるようにしている。
【0019】
【特許文献1】
特開2001−328547号公報
【特許文献2】
特開8ー133100号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示したラックアンドピニオン式ステアリング装置では、転動体の玉sを収容する玉収容孔rの形状は、非円形であって、玉sの球形状と異なっている。
【0021】
従って、転動体としての玉sは、必ずしもラックeの摺動に追随して、転動できない(転がれない)可能性が高く、ラックeの摺動抵抗を効果的に低減できない恐れが高いといったことがある。
【0022】
また、特許文献1では、転動体の玉sを2個しか設けておらず、一つの玉sが役割分担して受け持つ支持荷重が著しく大きくなることから、転動体としての玉sは、ラックeの摺動に追随して転動できない可能性が高く、摺動抵抗を効果的に低減できない恐れが高いといったことがある。
【0023】
さらに、特許文献2では、ラック軸の軸方向と、車輪状のローラの中心軸は、直交した配置となっていることから、路面状況等から、ラック軸に捩り荷重が作用した場合には、車輪状のローラは、その回転を不用意に妨げられ、その結果、回転できなくなった車輪状のローラによって、却って、ラックの摺動が阻害される可能性があり、従って、特許文献2においても、ラックの摺動抵抗を必ずしも効果的に低減できない恐れが高いといったことがある。
【0024】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、ラトル音を著しく低減しつつ、ラックの摺動抵抗を極めて小さく抑えることができる車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置は、ハウジングに回転自在に支持したピニオン軸に、前記ハウジングに摺動自在に設けたラック軸を噛合し、
前記ハウジング内に付勢手段を介して摺動可能に嵌合したラックガイドによって、前記ラック軸を前記ピニオン軸に向けて弾性的に押圧した車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置において、
前記ラックガイドの前記ラックに対向する面に、複数個の転がり部材を配置したことを特徴とする。
【0026】
このように、請求項1によれば、ラックとラックガイドとの接触面に転がり部材を介在させることにより、ラックの変位・変形を押さえるためのばね荷重を大きくすることが可能となり、目的であったラトル音の低減が可能となる。
【0027】
一方、従来のラックとガイドの組み合わせでは、ばね荷重を大きくするとラックとガイドと間の摺動抵抗が大きくなり結果として大きなステアリングホイール操作力が必要であった。しかし、請求項1によれば、ラックとガイドの間に転がり部材を介在させることにより、ラックと転がり部材の間の接触は、凸と凸の線接触、又は点接触の関係となり、また、微小な転がりが発生する複合的なすべり摩擦であるので、従来の面接触によるすべり摩擦に対して、ラックの移動時の摺動抵抗を減らす事が出来る。その結果 小さな操作力でのステアリングホイール操作が可能となる。
【0028】
以上から、ラトル音を著しく低減しつつ、ラックの摺動抵抗を極めて小さく抑えることができ、ひいては、操舵フィーリングを極めて良好にすることができる。
【0029】
また、前記転がり部材は、好適には、ローラである。さらに、前記転がり部材は、好適には、ボールである。さらに、好適には、前記転がり部材を保持する保持器が設けてある。さらに、好適には、前記ローラの長手方向と、前記ラックの軸方向が同じ向きである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置を図面を参照しつつ説明する。
【0031】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置の全体的な斜視図である。
【0032】
ステアリングコラム1内に転動自在に支持したステアリングシャフトのアッパーシャフト2の上端には、ステアリングホイール3が装着してあり、アッパーシャフト2の下端には、自在継手4を介して、中間シャフト5が連結してある。
【0033】
この中間シャフト5の下端には、自在継手6を介して、ロアーシャフト7が連結してある。ロアーシャフト7の下端には、ラックアンドピニオン式ギヤ部8において、図示しないピニオン軸が設けてあり、このピニオン軸には、ラック軸収容部9内の図示しないラック軸が噛合してあり、この図示しないラック軸の両端には、タイロッド等を介して、図示しない車輪が連結してある。
【0034】
また、本発明(本実施の形態)では、特に図示しないが、ラックアンドピニオン式ギヤ部8のハウジング(図示略)内に付勢手段(バネ等)を介して摺動可能に嵌合したラックガイド(図2〜図4)によって、ラック軸(図示略)がピニオン軸(図示略)に向けて弾性的に押圧してある。これにより、ラトル音を著しく低減している。
【0035】
(第1実施の形態:ローラ)
図2(a)は、本発明の第1実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの斜視図である。
【0036】
ラックガイド10は、略角柱状であり、このラックガイド10の摺動面11は、図示しないラック軸の背面の曲面凸形状に対応して、曲面凹形状に形成してある。
【0037】
この曲面凹形状の摺動面11には、多数個のローラ12(転がり部材)が転動自在に埋設するように設けてある。
【0038】
これにより、ラック(図示略)とラックガイド10の間に、多数個のローラ12を介在させることにより、ラック(図示略)とローラ12の間の接触は、凸と凸の線接触の関係となり、また、微小な転がりが発生する複合的なすべり摩擦であるので、従来の面接触によるすべり摩擦に対して、ラック(図示略)の移動時の摺動抵抗を減らす事が出来る。その結果 小さな操作力でのステアリングホイール操作が可能となる。従って、ラトル音を著しく低減しつつ、ラック(図示略)の摺動抵抗を極めて小さく抑えることができ、ひいては、操舵フィーリングを極めて良好にすることができる。
【0039】
また、ローラ12(転がり部材)とラック(図示略)の摺動部には、グリースを塗布または充填することが望ましい。グリースは、鉱油系、エーテル系、ジエステル系等、特に種類をとわない。
【0040】
さらに、ローラ12(転がり部材)の硬さは、互いの摩耗を押さえるためラック(図示略)の摺動部の硬さとロックウエル硬さで+−6度以内とすることが望ましい。
【0041】
(第2実施の形態:ボール)
図2(b)は、本発明の第2実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの斜視図である。
【0042】
ラックガイド10は、略円柱状であり、このラックガイド10の摺動面11は、図示しないラック軸の背面の曲面凸形状に対応して、曲面凹形状に形成してある。
【0043】
この曲面凹形状の摺動面11には、多数個のボール13(転がり部材)が転動自在に埋設するように設けてある。
【0044】
これにより、ラック(図示略)とラックガイド10の間に、多数個のボール13を介在させることにより、ラック(図示略)とボール13の間の接触は、凸と凸の点接触の関係となり、また、微小な転がりが発生する複合的なすべり摩擦であるので、従来の面接触によるすべり摩擦に対して、ラック(図示略)の移動時の摺動抵抗を減らす事が出来る。その結果 小さな操作力でのステアリングホイール操作が可能となる。従って、ラトル音を著しく低減しつつ、ラック(図示略)の摺動抵抗を極めて小さく抑えることができ、ひいては、操舵フィーリングを極めて良好にすることができる。
【0045】
また、ボール13(転がり部材)とラック(図示略)の摺動部には、グリースを塗布または充填することが望ましい。グリースは、鉱油系、エーテル系、ジエステル系等、特に種類をとわない。
【0046】
さらに、ボール13(転がり部材)の硬さは、互いの摩耗を押さえるためラック(図示略)の摺動部の硬さとロックウエル硬さで+−6度以内とすることが望ましい。
【0047】
(第3実施の形態:リテーナー)
図3(a)は、本発明の第3実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの側面図である。
【0048】
本実施の形態では、転がり部材(ローラ12又はボール13)を保持するリテーナー(保持器)14が新規に設けてある。
【0049】
このリテーナー14と、転がり部材(ローラ12又はボール13)とが一体的に構成してあり、これら一体的なリテーナー14と転がり部材(ローラ12又はボール13)とが曲面凹形状の摺動面11に配置してある。
【0050】
このリテーナー14により、転がり部材(ローラ12又はボール13)の間隔を良好に維持することができると共に、転がり部材(ローラ12又はボール13)の脱落等を防止することができる。その他の構成・作用等は、上述した実施の形態と同様である。
【0051】
(第4実施の形態:ポケット)
図3(b)は、本発明の第4実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの側面図である。
【0052】
本実施の形態では、ラックガイド10の摺動面11には、転がり部材(ローラ12又はボール13)を保持・位置決めするために、多数のポケット15が新規に設けてある。
【0053】
このポケット15により、転がり部材(ローラ12又はボール13)の間隔を良好に維持することができると共に、転がり部材(ローラ12又はボール13)の脱落等を防止することができる。その他の構成・作用等は、上述した実施の形態と同様である。
【0054】
なお、ラックガイド10の摺動面11にポケット15を設けない場合には、転がり部材(ローラ12又はボール13)が抜け出すのを防ぐため、ラックガイド10の摺動面11の端部には、図3(a)に示すように、軸方向及び円周方向のストッパー16を設けることが好ましい。
【0055】
(第5実施の形態:リテーナー)
図4(a)(b)は、夫々、本発明の第5実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のリテーナーの正面図である。
【0056】
本実施の形態では、図4(a)では、リテーナー14は、例えば長さが同じローラ12を用いる場合に好適である。
【0057】
図4(b)では、リテーナー14は、例えば長さが異なるローラ12を用いる場合に好適である。この場合のラックガイド10の形状は、図2(b)の様な略円形である。
【0058】
その他の構成・作用等は、上述した実施の形態と同様である。
【0059】
(第6実施の形態:リテーナー)
図4(c)は、本発明の第6実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のローラの正面図である。
【0060】
本実施の形態では、ローラ12に、クラウニングが施してある。その他の構成・作用等は、上述した実施の形態と同様である。
【0061】
なお、ローラ12は、図2又は図3等の円筒形である標準タイプの他に、図4(c)のクラウニングしたもの、両端部を適度に逃がす形状があり、本発明においても実施可能である。
【0062】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、ラックとラックガイドとの接触面に転がり部材を介在させることにより、ラックの変位・変形を押さえるためのばね荷重を大きくすることが可能となり、目的であったラトル音の低減が可能となる。
【0064】
一方、従来のラックとガイドの組み合わせでは、ばね荷重を大きくするとラックとガイドと間の摺動抵抗が大きくなり結果として大きなステアリングホイール操作力が必要であった。しかし、請求項1によれば、ラックとガイドの間に転がり部材を介在させることにより、ラックと転がり部材の間の接触は、凸と凸の線接触、又は点接触の関係となり、また、微小な転がりが発生する複合的なすべり摩擦であるので、従来の面接触によるすべり摩擦に対して、ラックの移動時の摺動抵抗を減らす事が出来る。その結果 小さな操作力でのステアリングホイール操作が可能となる。
【0065】
以上から、ラトル音を著しく低減しつつ、ラックの摺動抵抗を極めて小さく抑えることができ、ひいては、操舵フィーリングを極めて良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置の全体的な斜視図である。
【図2】(a)は、本発明の第1実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの斜視図である。(b)は、本発明の第2実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの斜視図である。
【図3】(a)は、本発明の第3実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの側面図である。(b)は、本発明の第4実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの側面図である。
【図4】(a)(b)は、夫々、本発明の第5実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のリテーナーの正面図である。(c)は、本発明の第6実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のローラの正面図である。
【図5】特許文献1に係る車両用ラック・ピニオン式ステアリング装置の断面図である。
【符号の説明】
1 ステアリングコラム
2 アッパーシャフト
3 ステアリングホイール
4 自在継手
5 中間シャフト
6 自在継手
7 ロアーシャフト
8 ラックアンドピニオン式ギヤ部
9 ラック軸収容部
10 ラックガイド
11 摺動面
12 ローラ
13 ボール
14 リテーナー
15 ポケット
16 ストッパー
【発明の属する技術分野】
本発明は、マニュアル式ステアリング、油圧式パワーステアリング、及び電動式パワーステアリング等に全てに適応することができる車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のラックアンドピニオン式ステアリング装置に於いては、タイヤの路面の凸凹状況がタイロッド等を伝わって、ラックアンドピニオン式ステアリングギヤ部において、ラトル音が発生する。
【0003】
このラトル音は、ラックギヤとピニオンギアの噛み合いのガタ付き、即ち、両ギアの間のバックラッシュに起因している。
【0004】
従って、このラトル音の低減のため、ラックギアをピニオンギア方向に押し付ける目的で、ラックガイドを用い、また、これにバネ等の弾性部材を付与することで、押し付け荷重を一定に保っている。
【0005】
また、ラックとラックガイドの接触部の形状は、ラックが丸棒状の凸形状であり、ラックガイドは筒の凹面形状を示し、この両者は、凸面と凹面が面接触となっている。
【0006】
ところで、ラックギヤとピニオンギアの噛み合いにより発生する分離力からのラック変位や変形を押さえ、噛み合い部のバックラッシュ量の増加を押さえることは、下記に示すような難しさがあった。
・ ばね力を強くし、ラックの押し付け力を強くし、ラックの変位や変形を押さえた場合、ラックとガイドの間の摺動抵抗が重くなり、ステアリングホイールを切るときのステアリングホイール操作力が重くなる。その結果、マニュアルステアリングでは、ステアリングホイールを操作するのにより強い力が必要であり、パワーステアリングでは、より強いアシストパワーが必要となる。
・ 一方、ばね力を小さくした場合、ラックの変位や変形を押さえきれず、ラックとピニオンギアのバックラッシュが大きくなり、ラトル音が大きくなる。
【0007】
特許文献1では、ラトル音を低減しながらも、摺動抵抗を小さくする目的で、ラックと、ラックとの間に、転がり接触するボールが介装してある。
【0008】
すなわち、図5は、特許文献1に係る車両用ラック・ピニオン式ステアリング装置の断面図である。
【0009】
ピニオン軸aは、転がり軸受b,cにてギヤケースd内に回転可能に支持され、また、ラック軸eは、図示しない軸受部材にて軸長方向(紙面に直交する方向)に沿って移動自在に支持されている。
【0010】
ピニオン軸aとラック軸eは、ギヤケースd内で相互に噛み合わされている。図示していないが、ラック軸eの両端部は、タイロッドを介して操向車輪に連結されており、図示しないステアリングホイールの回転に伴ってラック軸eが軸長方向に移動し操向が行われる。
【0011】
ギヤケースdには、ラック軸eを隔ててピニオン軸aと反対側にハウジングfが設けられており、このハウジングfの収容孔g内に、ラック軸eを支持する支持部材としてのラックガイドh(サポートヨーク)が摺動自在は収容されている。
【0012】
ラックガイドhは、円柱形に形成され、ラック軸eの周面に沿うように断面円弧状の凹面iを形成している。
【0013】
ハウジングfの収容孔gの入口にはねじ部jが形成され、このねじ部jに固定プラグkがねじ込まれ、ロックナットmにより固定されている。固定プラグkはラックガイドhの凹面iの背面nに、所定の隙間(例えば0.1mm)を設けて対向する。
【0014】
ラックガイドhの背面nには、円孔からなるばね収容孔pが形成されており、このばね収容孔pにラックガイドhをラック軸e側へ付勢する付勢部材としての圧縮コイルばねqが収容されている。
【0015】
ラックガイドhの凹面iには、複数の転動体収容孔としての玉収容孔rが形成され、各玉収容孔rにラック軸eの周面に転がり接触する転動体としての玉sが回転自在に保持されている。ラックガイドhによって、玉sを受ける受け部材が構成されている。
【0016】
このように、特許文献1では、ねじ部jによりラックガイドhを押圧することにより、ラトル音を著しく低減しながらも、ラックeとラックガイドhとの間に、転動体としての玉sを介装することにより、ラックeの摺動抵抗を小さくしている。
【0017】
また、特許文献2では、特に図示しないが、バネによりラックガイドを弾性的に押圧することにより、ラトル音を著しく低減している。
【0018】
一方、ラックの背面に、軸方向に延びる係合孔を設け、ラックガイドには、この係合溝に係合しながら回転する車輪状のローラが設けてあり、これにより、ラックの摺動抵抗を小さくして、ラックが安定して摺動できるようにしている。
【0019】
【特許文献1】
特開2001−328547号公報
【特許文献2】
特開8ー133100号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1に開示したラックアンドピニオン式ステアリング装置では、転動体の玉sを収容する玉収容孔rの形状は、非円形であって、玉sの球形状と異なっている。
【0021】
従って、転動体としての玉sは、必ずしもラックeの摺動に追随して、転動できない(転がれない)可能性が高く、ラックeの摺動抵抗を効果的に低減できない恐れが高いといったことがある。
【0022】
また、特許文献1では、転動体の玉sを2個しか設けておらず、一つの玉sが役割分担して受け持つ支持荷重が著しく大きくなることから、転動体としての玉sは、ラックeの摺動に追随して転動できない可能性が高く、摺動抵抗を効果的に低減できない恐れが高いといったことがある。
【0023】
さらに、特許文献2では、ラック軸の軸方向と、車輪状のローラの中心軸は、直交した配置となっていることから、路面状況等から、ラック軸に捩り荷重が作用した場合には、車輪状のローラは、その回転を不用意に妨げられ、その結果、回転できなくなった車輪状のローラによって、却って、ラックの摺動が阻害される可能性があり、従って、特許文献2においても、ラックの摺動抵抗を必ずしも効果的に低減できない恐れが高いといったことがある。
【0024】
本発明は、上述したような事情に鑑みてなされたものであって、ラトル音を著しく低減しつつ、ラックの摺動抵抗を極めて小さく抑えることができる車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置を提供することを目的とする。
【0025】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置は、ハウジングに回転自在に支持したピニオン軸に、前記ハウジングに摺動自在に設けたラック軸を噛合し、
前記ハウジング内に付勢手段を介して摺動可能に嵌合したラックガイドによって、前記ラック軸を前記ピニオン軸に向けて弾性的に押圧した車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置において、
前記ラックガイドの前記ラックに対向する面に、複数個の転がり部材を配置したことを特徴とする。
【0026】
このように、請求項1によれば、ラックとラックガイドとの接触面に転がり部材を介在させることにより、ラックの変位・変形を押さえるためのばね荷重を大きくすることが可能となり、目的であったラトル音の低減が可能となる。
【0027】
一方、従来のラックとガイドの組み合わせでは、ばね荷重を大きくするとラックとガイドと間の摺動抵抗が大きくなり結果として大きなステアリングホイール操作力が必要であった。しかし、請求項1によれば、ラックとガイドの間に転がり部材を介在させることにより、ラックと転がり部材の間の接触は、凸と凸の線接触、又は点接触の関係となり、また、微小な転がりが発生する複合的なすべり摩擦であるので、従来の面接触によるすべり摩擦に対して、ラックの移動時の摺動抵抗を減らす事が出来る。その結果 小さな操作力でのステアリングホイール操作が可能となる。
【0028】
以上から、ラトル音を著しく低減しつつ、ラックの摺動抵抗を極めて小さく抑えることができ、ひいては、操舵フィーリングを極めて良好にすることができる。
【0029】
また、前記転がり部材は、好適には、ローラである。さらに、前記転がり部材は、好適には、ボールである。さらに、好適には、前記転がり部材を保持する保持器が設けてある。さらに、好適には、前記ローラの長手方向と、前記ラックの軸方向が同じ向きである。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置を図面を参照しつつ説明する。
【0031】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置の全体的な斜視図である。
【0032】
ステアリングコラム1内に転動自在に支持したステアリングシャフトのアッパーシャフト2の上端には、ステアリングホイール3が装着してあり、アッパーシャフト2の下端には、自在継手4を介して、中間シャフト5が連結してある。
【0033】
この中間シャフト5の下端には、自在継手6を介して、ロアーシャフト7が連結してある。ロアーシャフト7の下端には、ラックアンドピニオン式ギヤ部8において、図示しないピニオン軸が設けてあり、このピニオン軸には、ラック軸収容部9内の図示しないラック軸が噛合してあり、この図示しないラック軸の両端には、タイロッド等を介して、図示しない車輪が連結してある。
【0034】
また、本発明(本実施の形態)では、特に図示しないが、ラックアンドピニオン式ギヤ部8のハウジング(図示略)内に付勢手段(バネ等)を介して摺動可能に嵌合したラックガイド(図2〜図4)によって、ラック軸(図示略)がピニオン軸(図示略)に向けて弾性的に押圧してある。これにより、ラトル音を著しく低減している。
【0035】
(第1実施の形態:ローラ)
図2(a)は、本発明の第1実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの斜視図である。
【0036】
ラックガイド10は、略角柱状であり、このラックガイド10の摺動面11は、図示しないラック軸の背面の曲面凸形状に対応して、曲面凹形状に形成してある。
【0037】
この曲面凹形状の摺動面11には、多数個のローラ12(転がり部材)が転動自在に埋設するように設けてある。
【0038】
これにより、ラック(図示略)とラックガイド10の間に、多数個のローラ12を介在させることにより、ラック(図示略)とローラ12の間の接触は、凸と凸の線接触の関係となり、また、微小な転がりが発生する複合的なすべり摩擦であるので、従来の面接触によるすべり摩擦に対して、ラック(図示略)の移動時の摺動抵抗を減らす事が出来る。その結果 小さな操作力でのステアリングホイール操作が可能となる。従って、ラトル音を著しく低減しつつ、ラック(図示略)の摺動抵抗を極めて小さく抑えることができ、ひいては、操舵フィーリングを極めて良好にすることができる。
【0039】
また、ローラ12(転がり部材)とラック(図示略)の摺動部には、グリースを塗布または充填することが望ましい。グリースは、鉱油系、エーテル系、ジエステル系等、特に種類をとわない。
【0040】
さらに、ローラ12(転がり部材)の硬さは、互いの摩耗を押さえるためラック(図示略)の摺動部の硬さとロックウエル硬さで+−6度以内とすることが望ましい。
【0041】
(第2実施の形態:ボール)
図2(b)は、本発明の第2実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの斜視図である。
【0042】
ラックガイド10は、略円柱状であり、このラックガイド10の摺動面11は、図示しないラック軸の背面の曲面凸形状に対応して、曲面凹形状に形成してある。
【0043】
この曲面凹形状の摺動面11には、多数個のボール13(転がり部材)が転動自在に埋設するように設けてある。
【0044】
これにより、ラック(図示略)とラックガイド10の間に、多数個のボール13を介在させることにより、ラック(図示略)とボール13の間の接触は、凸と凸の点接触の関係となり、また、微小な転がりが発生する複合的なすべり摩擦であるので、従来の面接触によるすべり摩擦に対して、ラック(図示略)の移動時の摺動抵抗を減らす事が出来る。その結果 小さな操作力でのステアリングホイール操作が可能となる。従って、ラトル音を著しく低減しつつ、ラック(図示略)の摺動抵抗を極めて小さく抑えることができ、ひいては、操舵フィーリングを極めて良好にすることができる。
【0045】
また、ボール13(転がり部材)とラック(図示略)の摺動部には、グリースを塗布または充填することが望ましい。グリースは、鉱油系、エーテル系、ジエステル系等、特に種類をとわない。
【0046】
さらに、ボール13(転がり部材)の硬さは、互いの摩耗を押さえるためラック(図示略)の摺動部の硬さとロックウエル硬さで+−6度以内とすることが望ましい。
【0047】
(第3実施の形態:リテーナー)
図3(a)は、本発明の第3実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの側面図である。
【0048】
本実施の形態では、転がり部材(ローラ12又はボール13)を保持するリテーナー(保持器)14が新規に設けてある。
【0049】
このリテーナー14と、転がり部材(ローラ12又はボール13)とが一体的に構成してあり、これら一体的なリテーナー14と転がり部材(ローラ12又はボール13)とが曲面凹形状の摺動面11に配置してある。
【0050】
このリテーナー14により、転がり部材(ローラ12又はボール13)の間隔を良好に維持することができると共に、転がり部材(ローラ12又はボール13)の脱落等を防止することができる。その他の構成・作用等は、上述した実施の形態と同様である。
【0051】
(第4実施の形態:ポケット)
図3(b)は、本発明の第4実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの側面図である。
【0052】
本実施の形態では、ラックガイド10の摺動面11には、転がり部材(ローラ12又はボール13)を保持・位置決めするために、多数のポケット15が新規に設けてある。
【0053】
このポケット15により、転がり部材(ローラ12又はボール13)の間隔を良好に維持することができると共に、転がり部材(ローラ12又はボール13)の脱落等を防止することができる。その他の構成・作用等は、上述した実施の形態と同様である。
【0054】
なお、ラックガイド10の摺動面11にポケット15を設けない場合には、転がり部材(ローラ12又はボール13)が抜け出すのを防ぐため、ラックガイド10の摺動面11の端部には、図3(a)に示すように、軸方向及び円周方向のストッパー16を設けることが好ましい。
【0055】
(第5実施の形態:リテーナー)
図4(a)(b)は、夫々、本発明の第5実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のリテーナーの正面図である。
【0056】
本実施の形態では、図4(a)では、リテーナー14は、例えば長さが同じローラ12を用いる場合に好適である。
【0057】
図4(b)では、リテーナー14は、例えば長さが異なるローラ12を用いる場合に好適である。この場合のラックガイド10の形状は、図2(b)の様な略円形である。
【0058】
その他の構成・作用等は、上述した実施の形態と同様である。
【0059】
(第6実施の形態:リテーナー)
図4(c)は、本発明の第6実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のローラの正面図である。
【0060】
本実施の形態では、ローラ12に、クラウニングが施してある。その他の構成・作用等は、上述した実施の形態と同様である。
【0061】
なお、ローラ12は、図2又は図3等の円筒形である標準タイプの他に、図4(c)のクラウニングしたもの、両端部を適度に逃がす形状があり、本発明においても実施可能である。
【0062】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されず、種々変形可能である。
【0063】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1によれば、ラックとラックガイドとの接触面に転がり部材を介在させることにより、ラックの変位・変形を押さえるためのばね荷重を大きくすることが可能となり、目的であったラトル音の低減が可能となる。
【0064】
一方、従来のラックとガイドの組み合わせでは、ばね荷重を大きくするとラックとガイドと間の摺動抵抗が大きくなり結果として大きなステアリングホイール操作力が必要であった。しかし、請求項1によれば、ラックとガイドの間に転がり部材を介在させることにより、ラックと転がり部材の間の接触は、凸と凸の線接触、又は点接触の関係となり、また、微小な転がりが発生する複合的なすべり摩擦であるので、従来の面接触によるすべり摩擦に対して、ラックの移動時の摺動抵抗を減らす事が出来る。その結果 小さな操作力でのステアリングホイール操作が可能となる。
【0065】
以上から、ラトル音を著しく低減しつつ、ラックの摺動抵抗を極めて小さく抑えることができ、ひいては、操舵フィーリングを極めて良好にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置の全体的な斜視図である。
【図2】(a)は、本発明の第1実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの斜視図である。(b)は、本発明の第2実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの斜視図である。
【図3】(a)は、本発明の第3実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの側面図である。(b)は、本発明の第4実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のラックガイドの側面図である。
【図4】(a)(b)は、夫々、本発明の第5実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のリテーナーの正面図である。(c)は、本発明の第6実施の形態に係る車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置のローラの正面図である。
【図5】特許文献1に係る車両用ラック・ピニオン式ステアリング装置の断面図である。
【符号の説明】
1 ステアリングコラム
2 アッパーシャフト
3 ステアリングホイール
4 自在継手
5 中間シャフト
6 自在継手
7 ロアーシャフト
8 ラックアンドピニオン式ギヤ部
9 ラック軸収容部
10 ラックガイド
11 摺動面
12 ローラ
13 ボール
14 リテーナー
15 ポケット
16 ストッパー
Claims (5)
- ハウジングに回転自在に支持したピニオン軸に、前記ハウジングに摺動自在に設けたラック軸を噛合し、
前記ハウジング内に付勢手段を介して摺動可能に嵌合したラックガイドによって、前記ラック軸を前記ピニオン軸に向けて弾性的に押圧した車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置において、
前記ラックガイドの前記ラックに対向する面に、複数個の転がり部材を配置したことを特徴とする車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置。 - 前記転がり部材は、ローラであることを特徴とする請求項1に記載の車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置。
- 前記転がり部材は、ボールであることことを特徴とする請求項1に記載の車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置。
- 前記転がり部材を保持する保持器を更に具備したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置。
- 前記ローラの長手方向と、前記ラックの軸方向が同じ向きであることを特徴とする請求項2に記載の車両用ラックアンドピニオン式ステアリング装置。
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- 2003-07-29 JP JP2003203131A patent/JP2005047301A/ja not_active Withdrawn
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