JP7493356B2 - ラックアンドピニオン式ステアリングギアユニット - Google Patents
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Description
この種の押圧構造は、ピニオン軸を収容する収容部とラック軸を収容する収容部とに連通して設けられたギアハウジングと、ギアハウジング内に往復移動可能に収容されるとともに、後端側に備えたばね部材によって、ラック軸方向に付勢されてラック軸とピニオン軸との噛合状態を保持せしめるラックガイドと、で構成されている。また、ラックガイドは、ばね部材を受ける後端側の円柱状領域(円柱状部)と、ラック軸の円柱面形状の外周部分を跨ぐようにして当接する先端側のガイド溝領域(先端部)とで構成されている。
なお、ラックガイドを大きくすれば環状弾性部材の並設間隔を大きくとることもできるが、ラックガイドを大きくすると、必然的にギアハウジングの体格も大きくせざるを得なくなるため、搭載スペースの関係からラックガイドには寸法制約が課せられている。
前記ギアハウジング内面への前記ラックガイドの接触領域は、前記左右の先端部の外周を構成する第一外周領域と、前記円柱状部の外周を構成する第二外周領域と、で構成され、
前記ラックガイド傾動抑止部は、前記それぞれの第一外周領域にて突状に備えられる第一突部と、前記第二外周領域にて突状に備えられる第二突部と、で構成され、
前記左右の先端部のそれぞれの第一外周領域における周方向中央位置には、半球状の取付穴部が相対向して一つずつ凹設され、
前記第一突部は、全体が球状の球状弾性体で、前記それぞれの取付穴部に組み付けられると共に、前記ギアハウジング内に収容されたときに、締め代をもって押圧可能に構成されていることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットとしたことである。
前記ギアハウジング内面への前記ラックガイドの接触領域は、前記左右の先端部の外周を構成する第一外周領域と、前記円柱状部の外周を構成する第二外周領域と、で構成され、
前記ラックガイド傾動抑止部は、前記それぞれの第一外周領域にて突状に備えられる第一突部と、前記第二外周領域にて突状に備えられる第二突部と、で構成され、
前記第一突部は全体が球状の球状弾性体で、前記第一外周領域の周方向中央位置から周方向に均等に離れた位置で一つずつ凹設された半球状の取付穴部に組み付けられると共に、前記ギアハウジング内に収容されたときに、締め代をもって押圧可能に構成されており、かつ相対向する第一外周領域で同一線上に相対向して配設されていることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットとしたことである。
第4の本発明は、第3の本発明において、前記第一突部は、前記第一外周領域における周方向の両端部位置に配設されていることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットとしたことである。
第5の本発明は、第1の本発明乃至第4の本発明のいずれかにおいて、前記第一突部は、前記第二突部よりも突出するように構成していることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットとしたことである。
第6の本発明は、第5の本発明において、前記第二突部は、前記ラックガイドの移動方向で、それぞれの第一突部と同一位置にそれぞれ突状に設けられており、
前記第二外周領域の後端側に近い位置に半球状の取付穴部が凹設され、
前記第二突部は、前記第一突部に用いられる球状弾性体と同じ球状弾性体で、前記取付穴部に組み付けられており、
前記第一突部の取付穴部は、前記第二突部の取付穴部に比して凹設深さを浅くしたことを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリングギアユニットとしたことである。
本実施形態では、図1に示すラックアンドピニオン式のステアリング装置に用いた実施の一形態を示す。なお、本実施形態は、本発明の一実施形態であって、何等これに限定解釈されるものではなく本発明の範囲内で設計変更可能である。
「第一実施形態」
図1に示すラックアンドピニオン式のステアリング装置1は、ピニオン軸3とラック軸4とを備えたステアリングギアユニット5を有している。運転者がステアリングホイール2を回転操作することで、ステアリングシャフト6及び中間シャフト8を回転操作させる。
そして、中間シャフト8と接続されているピニオン軸3を回転させることで、ピニオン軸3に噛み合うラック軸4を往復直線移動させてタイロッド9を介して舵輪を操舵する。符号7は、中間シャフト8をそれぞれステアリングシャフト6とピニオン軸3とに接続する自在継手を示す。
内部空間は、ラックガイド15と、ラックガイド15をラック軸4方向へと付勢するばね部材13の後端側を押さえるカバー12と、を収容し、ラックガイド15をギアハウジング10cの筒軸方向に接触移動(往復移動)可能な内径を有する円筒形状に形成されている。
ばね部材13は、ラックガイド15をラック軸4方向へと付勢することが可能なものであれば本発明の範囲内で適宜最適なものが選択され、本実施形態では図示したコイルバネが想定されている。
ラックガイド15の接触領域は、ガイド溝18を備えた先端部17のそれぞれの外周を構成する第一外周領域20と、円柱状部16の外周を構成する第一外周領域20以外の第二外周領域21と、で構成されている。
取付穴部23は、それぞれの先端部17の第一外周領域20の最大径位置にて、相対向して一つずつ同一深さで設けられている。
独立弾性体は、少なくとも外方に位置する先端部分が球状である弾性体で、本実施形態では、ギアハウジング10c内に収容されたときに、所定の締め代をもって押圧可能な程度に突出されている全体が球状の球状弾性体を想定している。
また、本実施形態の球状弾性体は、全て同一形態のものを想定している。第一突部22は、取付穴部23が凹設され、強度的に特段の問題が生じない範囲内であれば、先端部17の先端側に近い位置に配設されることが好ましい。
これにより、ラックガイド15に発生する倒れ(ラックガイド15の移動方向に間隔をあけて設けた第一突部22と第二突部24との中間を支点とする回転モーメント)に対して、従来技術と比してレバー比を大きくし(付勢力を高め)、ラックガイド15の傾動動作(ラックガイド15の暴れ)を抑制することができるため、打音を抑止することが可能である。
また、球状弾性体を想定しているため、取付時の方向性などを考慮する必要もなく製造・組立時間の短縮化も図れる。
「第二実施形態」
取付穴部23は、それぞれの先端部17の第一外周領域20の最大径位置から周方向に均等に離れた位置にて、一つずつ同一深さで設けられている。すなわち、第一突部22は、それぞれの先端部17に2つずつ、対向して計4つ設けられている。
「第三実施形態」
取付穴部23は、それぞれの先端部17の第一外周領域20の最大径位置から周方向に均等に離れた位置にて、一つずつ同一深さで設けられている。すなわち、第一突部22は、それぞれの先端部17に2つずつ、計4つ設けられている。
取付穴部27は、ラックガイド15の移動方向で、取付穴部23と同一線上にて、それぞれ一つずつ同一深さで設けられている。すなわち、第二突部26は、それぞれの先端部17に設けられた第一突部22と同じく2つずつ、対向して計4つ設けられている。第二突部26を構成する独立弾性体は第一突部22と同じ球状弾性体を想定している。
このように構成することで、第一突部22と第二突部26との球状弾性体の共通化が図れ、在庫管理の容易化及びコスト安価にもなる。その他の構成及び作用効果は第一実施形態及び第二実施形態と同じである。
「第四実施形態」
すなわち、第二突部26は、円柱状部16の第二外周領域21の周方向に4つ、それぞれ相対向して設けられており、円柱状部16の第二外周領域21の周方向にて、90度毎に半球状に凹設された各取付穴部27に固着して備えられる。すなわち、本実施形態の第二突部26は、それぞれ対向して計4つ設けられている。
取付穴部27は、円柱状部16の第二外周領域21にて、ラックガイド15の移動方向で、取付穴部23と同一線上にて、それぞれ一つずつ同一深さで設けられるものと、ラックガイド15の移動方向で、ガイド溝18の切り欠き領域の最深部と同一線上にてそれぞれ一つずつ同一深さで設けられるものと、がある。
第一突部22、第二突部26も球状弾性体に代えて、突出部分となる先端が球状を有する円柱状弾性体であったり、楕円状弾性体であったりしても対応可能である。また、第一突部22、第二突部26は先端が球状のものに限定解釈されるものではなく、取付穴部23、27から所定高さをもって突出されるものであればよく本発明の範囲内で設計変更可能である。
4 ラック軸
10c ギアハウジング
15 ラックガイド
18 ガイド溝
19 ラックガイド傾動抑止部
20 第一外周領域
21 第二外周領域
22 第一突部
24,26 第二突部
Claims (6)
- ラック軸をピニオン軸に向けてばね部材で付勢して前記ラック軸と前記ピニオン軸との噛合状態を保持せしめるラックガイドと、前記ラックガイドを往復移動可能に収容するギアハウジングと、前記ラックガイドにおける前記ギアハウジングとの接触領域に備えられるラックガイド傾動抑止部と、を備え、前記ラックガイドは、前記ばね部材を後端側にて受ける円柱状部と、前記円柱状部の先端側にて、前記円柱状部と同一径で一体に連続して立ち上げ形成され、前記ラック軸の円柱面形状の外周部分を跨ぐようにして当接するガイド溝を凹設することで左右に分かれて形成された左右の先端部と、を有して全体円柱形状に形成されており、
前記ギアハウジング内面への前記ラックガイドの接触領域は、前記左右の先端部の外周を構成する第一外周領域と、前記円柱状部の外周を構成する第二外周領域と、で構成され、
前記ラックガイド傾動抑止部は、前記それぞれの第一外周領域にて突状に備えられる第一突部と、前記第二外周領域にて突状に備えられる第二突部と、で構成され、
前記左右の先端部のそれぞれの第一外周領域における周方向中央位置には、半球状の取付穴部が相対向して一つずつ凹設され、
前記第一突部は、全体が球状の球状弾性体で、前記それぞれの取付穴部に組み付けられると共に、前記ギアハウジング内に収容されたときに、締め代をもって押圧可能に構成されていることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリングギアユニット。 - 前記第二突部は、前記第二外周領域の後端側に近い位置に配設されていることを特徴とする請求項1に記載のラックアンドピニオン式ステアリングギアユニット。
- ラック軸をピニオン軸に向けてばね部材で付勢して前記ラック軸と前記ピニオン軸との噛合状態を保持せしめるラックガイドと、前記ラックガイドを往復移動可能に収容するギアハウジングと、前記ラックガイドにおける前記ギアハウジングとの接触領域に備えられるラックガイド傾動抑止部と、を備え、前記ラックガイドは、前記ばね部材を後端側にて受ける円柱状部と、前記円柱状部の先端側にて、前記円柱状部と同一径で一体に連続して立ち上げ形成され、前記ラック軸の円柱面形状の外周部分を跨ぐようにして当接するガイド溝を凹設することで左右に分かれて形成された左右の先端部と、を有して全体円柱形状に形成されており、
前記ギアハウジング内面への前記ラックガイドの接触領域は、前記左右の先端部の外周を構成する第一外周領域と、前記円柱状部の外周を構成する第二外周領域と、で構成され、
前記ラックガイド傾動抑止部は、前記それぞれの第一外周領域にて突状に備えられる第一突部と、前記第二外周領域にて突状に備えられる第二突部と、で構成され、
前記第一突部は全体が球状の球状弾性体で、前記第一外周領域の周方向中央位置から周方向に均等に離れた位置で一つずつ凹設された半球状の取付穴部に組み付けられると共に、前記ギアハウジング内に収容されたときに、締め代をもって押圧可能に構成されており、かつ相対向する第一外周領域で同一線上に相対向して配設されていることを特徴とするラックアンドピニオン式ステアリングギアユニット。 - 前記第一突部は、前記第一外周領域における周方向の両端部位置に配設されていることを特徴とする請求項3に記載のラックアンドピニオン式ステアリングギアユニット。
- 前記第一突部は、前記第二突部よりも突出するように構成していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のラックアンドピニオン式ステアリングギアユニット。
- 前記第二突部は、前記ラックガイドの移動方向で、それぞれの第一突部と同一位置にそれぞれ突状に設けられており、
前記第二外周領域の後端側に近い位置に半球状の取付穴部が凹設され、
前記第二突部は、前記第一突部に用いられる球状弾性体と同じ球状弾性体で、前記取付穴部に組み付けられており、
前記第一突部の取付穴部は、前記第二突部の取付穴部に比して凹設深さを浅くしたことを特徴とする請求項5に記載のラックアンドピニオン式ステアリングギアユニット。
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